(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168723
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】形状倣いパッケージ
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/15 20060101AFI20231121BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20231121BHJP
B24B 7/02 20060101ALI20231121BHJP
B25B 11/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B23Q3/15 Z
B24B41/06 L
B24B7/02
B25B11/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079997
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】722004207
【氏名又は名称】株式会社ティエムクリエイト
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 元通
【テーマコード(参考)】
3C016
3C020
3C034
3C043
【Fターム(参考)】
3C016EA00
3C016GA00
3C020WW02
3C034BB75
3C043BA01
3C043BA16
3C043CC03
3C043DD01
3C043DD03
3C043DD05
(57)【要約】
【課題】ワーク固定面が平面状になっている一般的な電磁チャックに載せて使用でき、ワークを変形させずに強固に固定可能で、かつ環境負荷の少ない形状倣いパッケージを提供する。
【解決手段】温度変化により粘性が変化する媒質および磁性粉末との混合材をパッケージ内部に封入し、ワークに倣わせる時にはパッケージを変形し易いように軟化させ、平面研削加工や平面切削加工する時には、パッケージを硬化させてワークの変形を抑止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面切削や平面研削等の機械加工をする際に、ワークと共に電磁チャックに吸着固定して使用する形状倣いパッケージであって、特に温度変化により粘性が変化する媒質と磁性粉末との混合材を内部に封入した事を特徴とする形状倣いパッケージ
【請求項2】
シート状の外観を呈し、外装を構成する密封袋が非磁性材で構成され、媒質が高温で軟化し低温で硬化(固化)する性質を有する事を特徴とする特許請求項1に記載の形状倣いパッケージ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面研削加工や平面研磨加工に際し、ワークの形状を保持した状態で強固に電磁チャックに吸着させる事を可能にしたワーク固定部材に関する
【背景技術】
【0002】
一般的に、ワーク(工作物)を平面研削や平面研磨する場合には、電磁力を利用した電磁チャックでワークを強固に吸着固定し、ワークの被吸着面に対して背面側(上向き面側)を加工する方法が多く採用されている。通常、電磁チャックの吸着面は平坦状に製作されており、ワークは電磁チャックの吸着面に倣うように変形して吸着固定される。このため、ワークが反っている場合、あるいはワークの被吸着面に突起や広範囲の凹みがある場合には、加工完了後に電磁チャックからワークを解放すると、拘束されていたワークの変形が開放され加工面が平坦にならない問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
上記課題の対応として、電磁チャックの吸着面に弾性シートを敷設し、その上にワークを載せて吸引する方法(特許文献1)や、複数の独立した吸着支持部を有する電磁チャックでワークの一部分を保持する方法(特許文献2)が提案されている。
【特許文献1】特開2003-225861
【特許文献2】特開2020-23007
【0004】
特許文献1の方法は、電磁チャック上に敷設した弾性シートを介してワークを固定するというシンプルな方法であり、ワークの反りや突出部を弾性シートに埋没させる形で吸収させる事により、薄い金属シートでも平坦に加工できるとしている。
【0005】
また、特許文献2の方法は、ワークの被吸着面の全面を吸着するのではなく、独立配置した複数の吸着支持部のうちの一部を用いる事で、ワークの変形を逃がしながら保持すようにしている。そして、ワークを通過する磁束が最大になるように吸着支持部の磁束を制御することで大きな吸着力を確保し、加工中の切削力にも耐えられるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法は、ワークへ作用する切削力が軽微、かつ切削力が加工中に変化しなければ有効であるが、切削力が大きかったり変動する場合には、その切削力により弾性シートが変形してワークの姿勢が変わったり、弾性シートが振れ動いて切削条件が不安定化し、所望の平坦度を得られない可能性がある。
【0007】
また、特許文献2の方法は、ワークを吸着固定できる支持部が最小の3箇所の場合、その吸着支持部がワークの被吸着面に均等な間隔で配置している場合は良いが、それが偏った配置、例えば、吸着支持部が近くに集中した場合にはワークの一部がオーバーハングした姿勢に、逆に吸着支持部の間隔が広いとワークが中央で撓みやすくなり、いずれの場合も加工切削力によってワークが撓み、所望の精度が得られない可能性がある。
【0008】
なお、日常的に使用されているその他の方法として、電磁チャックの吸引力を作動させる前に、電磁チャックの吸着面とワークとの隙間を各種厚みのスペーサを組わせて埋める方法やワークを樹脂等の仮接着剤を用いて別の平面板に固定し、その平面板を電磁チャックで固定する方法があるが、前者は熟練を有する手間の掛かる作業で生産性に問題があり、また後者は、加工後にワークや平面板に付着した仮固定剤を剥離洗浄しなければならないため、その洗浄液や洗浄作業が必要になる。更に、洗浄後の排液を処理しなければならず環境負荷の問題も生じている。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ワーク固定面が平面状になっている一般的な電磁チャックに載せて使用でき、ワークを変形させずに強固に固定可能で、かつ環境負荷の少ない形状倣いパッケージを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の形状倣いパッケージは、平面切削や平面研削等の機械加工をする際に、ワークと共に電磁チャックに吸着固定して使用する形状倣いパッケージであり、内部には温度の変化で粘性(柔らかさと流動性)が変わる媒質と磁性粉末の混合材を封入している事を特徴としている。形状倣いパッケージの外観は吸着固定するワークの形状に近い方が使い易いが、平面切削加工や平面研磨加工の場合にはワークの平面部位を吸着固定するのが一般的である事からシート状の形態になっていると良い。
【0011】
媒質は温度によって粘性が制御され、パッケージ全体の変形のし易さを調整するとともに、形取った形状を保持する役割を持っている。使い方としては、パッケージの形状をワークに倣わせる時にはパッケージが変形し易いように温度を上げて媒質を軟化させ、形状を倣わせた後(形取り後)は、平面研削加工や平面切削加工が完了するまで温度を下げて媒質を硬化させておく。なお、媒質の粘度は温度に対して可逆性を持っており、繰返して動作させる事が可能である。
【0012】
一般的に平面切削加工や平面研削加工は常温(25±15℃)で行われる事から、使い易さも考慮し、溶媒には、常温よりも高温側で軟化し常温以下で完全に硬化する特性を持つ材料を使用するが、特殊な温度環境で加工する場合などでは、その温度領域で硬化する媒質を使用すれば良い。
【0013】
磁性粉末は、型取りしたパッケージの芯材となってパッケージの剛性を保持する作用と、ワークを電磁チャックに固定した際にワークに作用する磁力を強化する作用を担っている。電磁チャックの磁力を効率よくワークに導くため、磁性粉末の材料としては飽和磁束密度が高くて磁極が反転し易い軟磁性体が望ましいが、粉末は球状であることから磁化が残留し難いため強磁性体でも良い。
【0014】
本発明では、電磁チャックの磁力が形状倣いパッケージを介してワークに作用する。よって、媒質と磁性粉末との混合材を封入する密封袋は、非磁性かつ媒質の軟化温度と加工温度より高い耐熱性、そして可撓性を有する材質で構成する事が望ましく、例えば、アルミ箔やペットフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、および、それらの積層体で構成されたもの等を適用できる。磁性を有する密封袋でも適用可能であるが、電磁チャックにおける磁極の形態によっては、密封袋が磁束を吸収しワークに作用する吸引力が低下する可能性があるため注意が必要である。
【0015】
形状倣いパッケージの使用に当たっては、電磁チャックに加熱と冷却の機能が備わっている場合には、ワークへの形状倣わせ作業から吸着固定までの一連の作業を電磁チャック上で出来るが、電磁チャックにその機能が無い場合には、電磁チャックに吸着固定する前に、加熱冷却機能を有する別の平板上で形状倣わせ作業をすれば良い。倣わせ作業後にワークと形状倣いパッケージを一緒に電磁チャックへ移載して加工すれば同じ結果を得られる。この場合は、作業工程を分割できるので生産性を上げることが可能である。
【0016】
本発明の形状倣いパッケージは、ワークの形状を保持した状態で強固に電磁チャックに吸着させる目的に対し、温度変化により粘性が変化する媒質と磁性粉末との混合材を内部に封入した事を最大の特徴としている。また、外装を構成する密封袋を非磁性材とし、媒質が高温で軟化し低温で硬化するようにしている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の形状倣いパッケージは、ワークの形状を保持した状態で強固に電磁チャックに吸着する機能を容易に実現できる。また、電磁チャックとは別の場所でワークの形状に倣わせる事ができるため、作業工程を分割して生産性を上げる事が可能である。更に、溶媒や磁性粉といった機能材を密封袋に封入した状態で使用すると共に、温度に対して粘度が可逆性を有する媒質を用いているため、廃棄物を出さず、何度でも繰返して使用できるため環境に優しい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、形状倣いパッケージの外観図である。
【
図2】
図2は、形状倣いパッケージの断面の一部を拡大した模式図と磁性粉末の例を示す写真である。
【
図3】
図3は、形状倣わせ工程から平面研磨加工完了までの工程を示した説明図である。
【
図4】
図4は、電磁チャックと異なる平板上で形状倣いパッケージを使用する例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、形状倣いパッケージへのワークの載せ方とワークの押え方を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施例について
図1~
図5を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の形状倣いパッケージ1の外観図、
図2(a)は形状倣いパッケージ1の断面の一部を拡大した模式図、
図2(b)は形状倣いパッケージ1に封入されている磁性粉末4a、4bを示す写真である。
【0020】
本実施例の形状倣いパッケージ1は、厚みが2~3mmの長方形を呈したシート状の外観をしており、その外装になっている密封袋2の基材は、厚さ7μmのアルミ箔2aを、その表裏から厚さ10~15μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)と厚さ15~60μmのPE(ポリエチレン)の積層フィルム2bでラミネートした構造になっており、その総厚は110μm程度である。
【0021】
密封袋2には、媒質3としてロジン系の樹脂で構成されたワックスと、磁性粉末4として粒度が50μm程度の鉄粉4aを、体積比にておよそ2:3で混錬し封入してある。媒質3の温度特性は、50℃以下で完全に硬化、50℃から軟化し始め約90℃で流動化、120℃以上で液体になる。
【0022】
なお、溶媒3と磁性粉末4の混合比率は、作業する時の温度、溶媒3の粘度特性、磁性粉末4の形状や大きさ等によって適宜選定すれば良く、磁性粉末4として
図2(b)に示すような球状のFe-Ni系合金やFe―Si系合金等の軟磁性粉末4bを用いる場合には、粉末自体の流動性が向上するため、磁性粉末4の混合比率を上げても良い。
【0023】
続いて、本実施例の形状倣いパッケージ1を平面研磨加工に活用する事例について
図3を用いて説明する。
図3は、形状倣わせ工程から平面研磨加工完了までの一連の工程を示した側面断面図であり、5は被研磨対象であるワーク、6は電磁チャック、7は錘、8は回転砥石である。
【0024】
使用した形状倣いパッケージ1は、長辺が150mm、短辺が100mm、厚さが2mmの長方形であり、ワーク5は、長辺が100mm、短辺が30mm、厚みが6mmの長方形で、
図3(a)に示すように長手方向に弓反り形状をしている。その反り量は20μmである。本実施例では、ワーク5を上反り姿勢(上方に凹の姿勢)で平面研磨装置の電磁チャック6の平坦面6aに固定して加工する。電磁チャック6はその内部に(図示せず)平坦面6aを加熱し冷却する機構を備えている。また、電磁チャック6は紙面の左右方向に往復移動可能である。
【0025】
次に作業手順を説明する。最初に、
図3(a)に示すように電磁チャック6の平坦面6aを60~75℃に加熱し、そこに形状倣いパッケージ1を敷設する。この温度では、形状倣いパッケージ1の中の溶媒3が軟化するため、形状倣いパッケージ1の下面は電磁チャック6の平坦面6aに倣って密着する。この時点では、まだ形状倣いパッケージ1にワーク5をセットしない。なお、形状倣いパッケージ1を120℃以上に昇温すると、溶媒3が液体となり、形状倣いパッケージ1の中で磁性粉末4が沈殿して分離し易くなる可能性があるため、温度を上げ過ぎない方が良い。
【0026】
形状倣いパッケージ1が電磁チャック6に完全に密着したら、
図3(b)に示すように上方からワーク5を形状倣いパッケージ1の上面に押付けて沈み込ませる。この際、高い研磨精度を確保するため、ワーク5の真下には溶媒3と磁性粉末4の厚い混合層を残さず、ワーク5を完全に沈み込ませた方が良い。ワーク5を形状倣いパッケージ1に沈み込ませたらワーク5の上に錘7を載せ、電磁チャック6の冷却に入る。錘7はワーク5に変形を与えない重さであり、また冷却中にワーク5の姿勢が動かないようバランスよく載せる必要がある。
【0027】
溶媒3が完全に硬化するまで冷却した後、
図3(c)に示すように錘7を除去し、電磁チャック6の電磁力を作用させてワーク5の上面5aの研磨加工に入る。この状態では電磁チャック6の磁力が形状倣いパッケージ1を介してワーク5まで達するため、平坦面6aと形状倣いパッケージ1とワーク5は研磨加工に耐えられるレベルまで強固に一体化している。更に、形状倣いパッケージ1へのワーク5の沈み込みにより、ワーク5の周囲には形状倣いパッケージ1が局部変形した土手1aが形成されているため、この土手1aが研磨力の作用する左右方向へのワーク5の移動抑止に寄与している。
【0028】
図3(d)に示すように、所望の目標点Sまで研磨加工が完了したら電磁チャック6の電磁力を切り、
図3(e)に示すように、形状倣いパッケージ1からワーク5を取り外して作業完了となる。以上の工程を経て得られたワーク5の形状は、電磁チャック6に吸着されていた面は加工前と同じ20μmの膨らみを有していたが、研磨加工した上面5aは2μmの平坦度で加工されていた。
【0029】
次に、平面研削装置の電磁チャック6とは別の機材を使って形状倣いパッケージ1をワーク5の形状に倣わせ、それを電磁チャック6に移載して研磨加工する事例について、
図4を用いて説明する。この方法は移載する手間が生じるが、形状倣いパッケージ1を外段取りでワーク5の形状に倣わせる事が出来るため、生産性に優れている。
【0030】
図4において、前記事例と同一の構成要素には同じ符号を付けている。11は上面11aの平坦度が保証された平板(定盤)、9は加熱手段、10は冷却手段である。加熱手段9と冷却手段10は図示しない移動機構によって矢印の方向に移動でき、平板11の下面11bに密着する形で両者の入替えを可能にしている。加工に供したワーク5の寸法形状は
図3と同様で、長手方向に20μmの反り量を有する弓反り形状をしている。
【0031】
次に作業手順を説明する。最初に、
図4(a)に示すように平板11の上面11aに形状倣いパッケージ1を敷設し、平板11の下面11bに加熱手段9を接触させ、平板11を介して形状倣いパッケージ1を60~75℃に加熱する。形状倣いパッケージ1の内部の溶媒3が軟化して形状倣いパッケージ1が平板11の上面11aに倣って密着するのを待ってワーク5をセットする。
【0032】
図4(b)に示すように、ワーク5は
図3(b)に示した内容と同じ要領で上方から形状倣いパッケージ1の上面に押付けて沈み込ませるようにセットし、続いて、その上に錘7を載せる。その後、平板11の下面11bに接触している加熱手段9を冷却手段10に入替え、形状倣いパッケージ1やワーク5を常温まで冷却して溶媒3を硬化させる。
【0033】
溶媒3が完全に硬化した後、
図4(c)に示すように錘7を除去し、形状倣いパッケージ1の上にワーク5をセットしたまま平板11から取り外して
図4(d)に示すように平面研磨装置の電磁チャック6に移載する。そして、
図3(c)と同様に電磁チャック6の電磁力を作用させワーク5の上面5aの加工に入る。その後の作業は
図3(d)、
図3(e)と同じであり、研磨加工後のワーク5は
図3と同様の形状精度に仕上がっていた。
【0034】
次に、
図5を用いて、高い研磨精度を確保するための形状倣いパッケージ1へのワーク5のセット要領について説明する。研磨対象となるワーク5の形状は様々あるが、
図5(a)には弓型形状に反ったワーク5を、反りを下向きに電磁チャック6にセットした状態を、
図5(b)には中央付近に節(変曲点)を持って反ったワーク5を電磁チャック6にセットした状態を示している。
【0035】
図5(a)と
図5(b)において、ワーク5は下面、すなわち形状倣いパッケージ1へとの対向面に窪み5cを有しているため、ワーク5を真上から形状倣いパッケージ1へ沈み込ませると、窪み5cの部分に空隙が生じて形状倣いパッケージ1の形状追従性が不足する可能性がある。よって、特にワーク5が薄板のように変形し易い形状の場合には空隙の生成を抑止する事が望ましい。その対応として、ワーク5を仮想ワーク線5bで示すように、端点Pを支点として回転させながら形状倣いパッケージ1に沈み込ませると良い。ワーク5の回転動作により、形状倣いパッケージ1の中の媒体3と磁性粉末4が窪み5cの方向へ流動し空隙を埋めるからである。
【0036】
よって、事前にワーク5の概略形状を把握して形状倣いパッケージ1へセットする姿勢を決める事が望ましく、例えば、
図5(a)のようにワーク5が弓型に反った形状の場合には、
図5(c)のようにワーク5を裏返してセットするのが有効である。
図5(c)では、形状倣いパッケージ1へのワーク5の沈み込み量を片端5dで最も深くしているため、ワーク5の下面へ空隙が生じる事はない。また、ワーク5に錘7を乗せる際に、錘7の支持点7aをワーク中央部と片端5dの直上にすることで、ワーク5のぐらつきを抑えて安定した固定が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明を用いれば、比較的容易に、かつ生産性良く、変形したワークを高精度で平面研削加工や平面研磨加工をする事ができる。また、ワークを汚さずに固定でき、形状倣いパッケージを繰返しで使用できるため、環境に優しくSDGsの観点で望ましい技術と言える。
【符号の説明】
【0038】
1:形状倣いパッケージ
2:密封袋、2a:アルミ箔、2b:積層フィルム
3:媒質
4:磁性粉末、4a:鉄粉、4b:軟磁性粉末
5:ワーク、5a:上面、5b:仮想ワーク線、5c:窪み、5d:片端
6:電磁チャック、6a:平坦面
7:錘、7a:支持点
8:回転砥石
9:加熱手段、
10:冷却手段
11:平板、11a:上面、11b:下面
S:目標点