(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168769
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20231121BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G03G21/00 386
G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080066
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】津野 崇寛
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270MF01
2H270MF08
2H270QA08
2H270QA13
2H270QA19
2H270QA23
2H270QA34
2H270QA35
2H270QB04
2H270RB05
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】ユーザが画質調整を行いたいページの試し印刷を行う。
【解決手段】画像形成装置4は、複数のページを有する印刷データと印刷設定情報とを含む印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部30と、印刷ジョブ受信部30が受信した印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷部36と、印刷ジョブ受信部30が印刷ジョブを受信したとき、複数のページの中の所定のページを印刷部36によって印刷する試し印刷を実行することが印刷設定情報において指定されている場合、表示操作部46の印刷設定画面DIP1に入力されることにより、ユーザにより指定された、複数のページの中の所定のページが選択されたという選択情報に基づいて試し印刷を印刷部36に実行させた後に、複数のページを印刷する本印刷を印刷部36に実行させる画像処理部32とを設ける。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページを有する印刷データと印刷設定情報とを含む印刷ジョブを受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷部と、
前記通信部が前記印刷ジョブを受信したとき、前記複数のページの中の所定のページを前記印刷部によって印刷する試し印刷を実行することが前記印刷設定情報において指定されている場合、前記複数のページの中の所定のページが選択されたという選択情報に基づいて前記試し印刷を前記印刷部に実行させた後に、前記複数のページを印刷する本印刷を前記印刷部に実行させる制御部と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記選択情報の入力を受け付ける入力部
をさらに有し、
前記制御部は、
前記通信部が前記印刷ジョブを受信したとき、前記試し印刷を実行することが前記印刷設定情報において指定されている場合、前記入力部に入力された前記選択情報に基づいて前記試し印刷を前記印刷部に実行させた後に、前記本印刷を前記印刷部に実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記通信部が前記印刷ジョブを受信したとき、前記試し印刷を実行することと前記選択情報とが前記印刷設定情報において指定されている場合、前記選択情報に基づいて前記試し印刷を前記印刷部に実行させた後に、前記本印刷を前記印刷部に実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷ジョブを解析する解析処理部
をさらに有し、
前記選択情報は、
前記所定のページとして、前記解析処理部の解析結果に基づいて選定された、前記複数のページの中で最もデータ量の多いページを選択するという情報である
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷ジョブを解析する解析処理部
をさらに有し、
前記印刷部は、
複数の色の現像剤を使用するカラー印刷が可能であり、
前記選択情報は、
前記所定のページとして、前記試し印刷を前記カラー印刷で実行する場合に、前記解析処理部の解析結果に基づいて選定された、前記複数のページの中で複数色を使用するページを選択するという情報である
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記選択情報は、
前記所定のページとして、前記試し印刷を前記カラー印刷で実行する場合に、前記解析処理部の解析結果に基づいて選定された、前記複数のページの中で最も使用する色の種類が多いページを選択するという情報である
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記選択情報は、
前記所定のページとして、指定されたページを選択するという情報である
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷設定の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部への入力に基づいて前記印刷設定を変更可能な印刷設定画面を表示する表示部と
をさらに有し、
前記制御部は、
前記試し印刷を実行した場合、前記表示部に前記印刷設定画面を表示させ、前記入力部への入力によって前記印刷設定が変更された場合、前記試し印刷を前記印刷部に再度実行させる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
印刷設定の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部への入力に基づいて前記印刷設定を変更可能な印刷設定画面を表示する表示部と
をさらに有し、
前記制御部は、
前記試し印刷を実行した場合、前記表示部に前記印刷設定画面を表示させ、前記入力部への入力によって前記印刷設定が変更されなかった場合、前記本印刷を前記印刷部に実行させる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記試し印刷を前記印刷部に実行させた後に、前記複数のページを複数回印刷する前記本印刷を前記印刷部に実行させる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、例えばページ単位の印刷部数指定を行う印刷システムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、予め指定されているページで試し印刷を実行してから、試し印刷の結果に応じて続きの印刷を行う本印刷を実行するという試し印刷が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような画像形成装置においては、画質調整したいページが指定されるとは限らないため、有効な試し印刷を実行することができない場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ユーザが画質調整を行いたいページの試し印刷を行い得る画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の画像形成装置においては、複数のページを有する印刷データと印刷設定情報とを含む印刷ジョブを受信する通信部と、通信部が受信した印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷部と、通信部が印刷ジョブを受信したとき、複数のページの中の所定のページを印刷部によって印刷する試し印刷を実行することが印刷設定情報において指定されている場合、複数のページの中の所定のページが選択されたという選択情報に基づいて試し印刷を印刷部に実行させた後に、複数のページを印刷する本印刷を印刷部に実行させる制御部とを設けるようにした。
【0007】
本発明は、ユーザにより指定された方法により選択された任意のページの試し印刷を実行できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが画質調整を行いたいページの試し印刷を行い得る画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態による印刷システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施の形態による印刷設定ユーザインターフェースの構成を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態による試し印刷設定画面の構成を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態による試し印刷処理手順(1)を示すフローチャートである。
【
図5】第1の実施の形態による試し印刷処理手順(2)を示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施の形態による試し印刷処理手順(3)を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施の形態による印刷設定ユーザインターフェースの構成を示す図である。
【
図8】第2の実施の形態による試し印刷設定画面の構成を示す図である。
【
図9】第2の実施の形態による試し印刷処理手順(1)を示すフローチャートである。
【
図10】第2の実施の形態による試し印刷処理手順(2)を示すフローチャートである。
【
図11】第2の実施の形態による試し印刷処理手順(3)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0011】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.印刷システムの構成]
図1に示すように、第1の実施の形態による印刷システム1は、情報処理装置2及び画像形成装置4により構成されている。
【0012】
[1-2.情報処理装置の構成]
情報処理装置2は、いわゆるパーソナルコンピュータであり、制御部6により全体を統括制御する。この制御部6は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有しており、所定のプログラムを読み出して実行することにより、様々な処理を実行する。また情報処理装置2は、画像形成装置4へ印刷ジョブを送信することにより、該画像形成装置4において印刷を実行させる。
【0013】
この情報処理装置2は、操作部7と、表示部8と、該情報処理装置2上で実行されるアプリケーション10と、該アプリケーション10から印刷を実行するためのプリンタドライバ12とを有している。操作部7は、例えばキーボード及びマウスにより構成されており、ユーザからの入力を受け付ける。表示部8は、例えば液晶ディスプレイにより構成されており、各種情報を表示する。
【0014】
プリンタドライバ12は、印刷情報設定部14、印刷ジョブ生成部16及び印刷ジョブ送信部18により構成されている。印刷情報設定部14は、媒体情報、印刷部数や印刷品位といった、画像形成装置4が印刷を実行するために必要な情報を設定する。また印刷情報設定部14は、試し印刷を実行するか否かを設定する。印刷ジョブ生成部16は、印刷情報設定部14により設定された情報を基に、印刷ジョブを生成する。この印刷ジョブは、複数のページを有する印刷データと、印刷設定情報とを含んでいる。印刷設定情報は、画像形成装置4が印刷を実行するために必要な情報と、試し印刷を実行するか否かを示す情報である試し印刷ページ設定情報とを含んでいる。印刷ジョブ送信部18は、印刷ジョブ生成部16により生成された印刷ジョブを画像形成装置4に送信する。
【0015】
[1-2-1.印刷設定ユーザインターフェースの構成]
アプリケーション10からプリンタドライバ12の印刷プロパティが呼び出されると、プリンタドライバ12は、
図2に示す印刷設定ユーザインターフェース20を表示部8に表示させる。印刷設定ユーザインターフェース20は、試し印刷設定部22を有している。試し印刷設定部22は、試し印刷実行選択部23を有している。試し印刷実行選択部23は、試し印刷を実行するか否かをユーザに選択させるラジオボタンを含んでいる。ユーザは、試し印刷を実行したい場合は、試し印刷実行選択部23における「実行」のラジオボタンを、試し印刷を実行せずに通常の印刷を実行したい場合は、試し印刷実行選択部23における「非実行」のラジオボタンを、それぞれ選択する。
【0016】
印刷情報設定部14(
図1)は、試し印刷設定部22において設定された、試し印刷を実行するか否か(すなわち試し印刷の有無)を示す情報を、試し印刷ページ設定情報とし、該試し印刷ページ設定を含む、この印刷設定ユーザインターフェース20において設定された情報を、印刷設定情報として記憶する。
【0017】
[1-3.画像形成装置の構成]
画像形成装置4は、所定の間隔で複数のラベルが貼り付けられたロール状の記録媒体を搬送しながら該ラベルにカラー印刷を行い印刷後の記録媒体を切断するラベルプリンタであり、情報処理装置2に接続され、情報処理装置2から受信した印刷ジョブに基づき、トナー等の現像剤を用いてラベルに画像を形成することにより印刷を行う。
【0018】
この画像形成装置4は、印刷ジョブ受信部30、画像処理部32、パネル制御部34及び印刷部36を有している。印刷ジョブ受信部30は、情報処理装置2の印刷ジョブ送信部18から送信された印刷ジョブを受信する。
【0019】
画像処理部32は、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有しており、所定のプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置4全体を統括制御する。この画像処理部32は、データ格納部38、データ生成部40及びデータ解析部42を有している。データ格納部38は、印刷ジョブ受信部30が受信した印刷ジョブを格納する。またデータ格納部38は、試し印刷の実行時に変更された印刷設定を基にデータ生成部40が生成した印刷データを格納する。
【0020】
データ解析部42は、ページ情報解析部43及び印刷ページ判断部44を有している。解析処理部としてのページ情報解析部43は、データ格納部38に格納されている印刷ジョブの各ページに対し、ページのデータサイズやページに描画されるオブジェクトの数、ページに使用されている色情報といったページ毎の情報を解析する。
【0021】
印刷ページ判断部44は、試し印刷が行われるページがユーザにより直接指定された場合、表示操作部46からのユーザの入力に基づき、試し印刷を行うページを判断する。一方、印刷ページ判断部44は、試し印刷が行われるページを画像形成装置4が自動的に判断するとユーザに指定された場合、ページ情報解析部43によって解析された各ページの情報を基に、試し印刷を行うべきページを自動判別する。自動判別するための方法としては、例えば、データサイズ、オブジェクト数、又は、ページに利用されている色数等に対する閾値を超えたページに対して試し印刷を行うよう判断するといった方法が挙げられる。
【0022】
データ生成部40は、印刷ジョブから、実際に印刷される印刷データを生成する。またデータ生成部40は、試し印刷の際に、変更された印刷設定を反映した試し印刷用の印刷データを生成する。さらにデータ生成部40は、本印刷の際に、データ格納部38に格納されていた印刷ジョブの元々のデータに対して、変更された印刷設定を反映させて本印刷用の印刷データを生成する。
【0023】
パネル制御部34は、表示操作部46を有している。入力部及び表示部としての表示操作部46は、例えばタッチパネルにより構成されており、ユーザへ情報を出力すると共に、ユーザからの、例えば画像形成装置4の設定を変更するための操作入力を取得する。印刷部36は、データ生成部40が生成した印刷データを媒体に印刷し、出力する。
【0024】
ここで、画像形成装置4は、試し印刷と本印刷とを実行可能である。試し印刷は、印刷ジョブに含まれる複数のページのうち、ユーザにより指定された所定のページのみか、又は、画像形成装置4が印刷ジョブを解析することにより指定した所定のページのみを画像形成装置4が印刷する処理である。本印刷は、通常の印刷であり、試し印刷を実行することが指定されている場合は試し印刷の後に実行され、印刷ジョブに含まれる複数のページ全てを1部ずつ又は複数部(複数回)ずつ画像形成装置4が印刷する処理である。
【0025】
[1-4.試し印刷処理手順]
次に、画像形成装置4による第1の実施の形態による試し印刷処理手順RT1について、
図4、
図5及び
図6に示すフローチャートを用いて説明する。情報処理装置2のアプリケーション10における印刷設定ユーザインターフェース20において設定された印刷設定情報を含む印刷ジョブが、情報処理装置2から画像形成装置4へ送信される。これに応じて画像処理部32は、試し印刷処理プログラムを読み出して実行することにより
図4に示す試し印刷処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
【0026】
ステップSP1において画像処理部32は、情報処理装置2の印刷ジョブ送信部18から送信された、印刷設定情報を含む印刷ジョブを、画像形成装置4の印刷ジョブ受信部30により受信し、ステップSP2へ移る。ステップSP2において画像処理部32は、受信した印刷ジョブのデータをデータ格納部38に格納し、ステップSP3へ移る。
【0027】
ステップSP3において画像処理部32は、受信した印刷ジョブのデータをデータ解析部42により解析し、試し印刷ページ設定情報を確認して試し印刷の有無を判定し、試し印刷を実行するか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、この印刷ジョブは試し印刷を実行することを指定されていないため試し印刷は実行せず通常の印刷を実行することを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP4(
図6)へ移る。ステップSP4において画像処理部32は、印刷ジョブに対し印刷部36により、印刷ジョブに含まれる全てのページを指定された部数ずつ印刷する通常の印刷を実行し、ステップSP19へ移り、試し印刷処理手順RT1を終了する。
【0028】
一方、ステップSP3において肯定結果が得られると、このことは、この印刷ジョブは試し印刷を実行することを指定されているため試し印刷を実行することを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP5へ移る。ステップSP5において画像処理部32は、パネル制御部34の表示操作部46に
図3に示す試し印刷設定画面DIP1を表示させ、ステップSP6(
図5)へ移る。
【0029】
印刷設定画面DIP1は、印刷設定部50、試し印刷ページ指定部51、試し印刷実施ボタン52及び本印刷実施ボタン53を有している。印刷設定部50は、濃度、シャープネスやコントラストといった印刷設定をユーザに変更させるセレクトボックスである。
【0030】
試し印刷ページ指定部51は、全ページ選択部55、手動指定選択部56、第1自動指定選択部57及び第2自動指定選択部58により構成されている。全ページ選択部55は、印刷ジョブの全てのページを、試し印刷を実行するページである試し印刷実行ページとして設定する場合にユーザに選択されるラジオボタンを含んでいる。手動指定選択部56は、ラジオボタンと、試し印刷実行ページをユーザに手動で入力させるテキスト入力欄とを含んでいる。
【0031】
第1自動指定選択部57は、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置4が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定することを選択するラジオボタンを含んでいる。このデータ量は、例えば、ページ毎のPDFファイルが作成された場合の、ページ毎のPDFファイルのデータ容量によって判定可能である。第2自動指定選択部58は、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置4が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定することを選択するラジオボタンを含んでいる。ユーザは、第1自動指定選択部57又は第2自動指定選択部58を選択した場合、ユーザ自身で試し印刷実行ページを入力することなく、画像形成装置4に試し印刷実行ページを設定させることができる。画像処理部32は、全ページ選択部55、手動指定選択部56、第1自動指定選択部57又は第2自動指定選択部58のうちユーザにより選択された選択部を示す情報を選択情報として取得する。
【0032】
試し印刷実施ボタン52は、ユーザが試し印刷を実行することを希望している場合に選択される。本印刷実施ボタン53は、ユーザが本印刷を実行することを希望している場合に選択される。印刷設定画面DIP1が表示操作部46に表示されると、ユーザは、該印刷設定画面DIP1に対し、表示操作部46を操作することによって試し印刷に対する設定を決定する。
【0033】
具体的にユーザは、試し印刷を実行して印刷物の印刷結果を確認する際、印刷設定部50を操作して印刷設定を変更し、試し印刷ページ指定部51における全ページ選択部55、第1自動指定選択部57又は第2自動指定選択部58を選択するか、又は、手動指定選択部56に試し印刷実行ページを入力してから、試し印刷実施ボタン52を選択する。ここで、試し印刷実行ページは、例えば2ページ目等の単数でも良く、又は、例えば2ページ目及び4ページ目等の複数でも良い。試し印刷実施ボタン52が選択されると画像形成装置4は、変更された印刷設定を試し印刷を行うページに対して適用し、指定されたページに対し試し印刷を実行する。またユーザは、試し印刷実行後に印刷物を確認し、このままの印刷設定で本印刷を実行する際、本印刷実施ボタン53を選択する。本印刷実施ボタン53が選択されると画像形成装置4は、変更された印刷設定を印刷ジョブ全体に対して適用し、本印刷を実施する。
【0034】
ステップSP6(
図5)において画像処理部32は、印刷設定画面DIP1において試し印刷実施ボタン52が選択されたことを表示操作部46から取得するまで待ち受け、試し印刷実施ボタン52が選択されると、ステップSP7へ移る。
【0035】
ステップSP7において画像処理部32は、印刷設定画面DIP1において全ページ選択部55が選択されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、印刷ジョブの全てのページを試し印刷実行ページとして設定して試し印刷を実行したいとユーザが希望していることを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP8へ移る。ステップSP8において画像処理部32は、印刷ジョブの全てのページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図6)へ移る。
【0036】
一方、ステップSP7(
図5)において否定結果が得られると、このとき画像処理部32は、ステップSP9へ移り、印刷設定画面DIP1において手動指定選択部56が選択されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、試し印刷実行ページを手動で設定して試し印刷を実行したいとユーザが希望していることを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP10へ移る。ステップSP10において画像処理部32は、手動指定選択部56においてユーザに指定されたページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図6)へ移る。
【0037】
一方、ステップSP9(
図5)において否定結果が得られると、このとき画像処理部32は、ステップSP11へ移り、印刷設定画面DIP1において第1自動指定選択部57が選択されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置4が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多いページを画像形成装置4が解析し試し印刷実行ページとして設定して試し印刷を実行したいとユーザが希望していることを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP12へ移る。ステップSP12において画像処理部32は、印刷ジョブをページ情報解析部43により解析した各ページの情報を基に、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多いページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図6)へ移る。
【0038】
一方、ステップSP11において否定結果が得られると、このとき画像処理部32は、ステップSP13へ移り、印刷設定画面DIP1において第2自動指定選択部58が選択されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置4が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多いページを画像形成装置4が解析し試し印刷実行ページとして設定して試し印刷を実行したいとユーザが希望していることを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP14へ移る。ステップSP14において画像処理部32は、印刷ジョブをページ情報解析部43により解析した各ページの情報を基に、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多いページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図6)へ移る。
【0039】
一方、ステップSP13において否定結果が得られると、このとき画像処理部32は、ステップSP6へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0040】
ステップSP15(
図6)において画像処理部32は、ステップSP5においてユーザにより指定された印刷設定を反映させて、ステップSP8、SP10、SP12又はSP14(
図5)において設定した試し印刷実行ページの試し印刷を実行するための印刷データをデータ生成部40により生成し、ステップSP16へ移る。
【0041】
ステップSP16において画像処理部32は、ステップSP15において生成した印刷データを印刷部36に送出することにより、設定した試し印刷実行ページの試し印刷を実行し、ステップSP16へ移る。
【0042】
ユーザは、試し印刷された印刷物を確認し、この試し印刷の結果に基づき本印刷を実行する場合は、表示操作部46を操作することにより印刷設定画面DIP1(
図3)において本印刷実施ボタン53を選択する。一方、ユーザは、この試し印刷の結果に基づき本印刷を実行せず再度印刷設定を変更して試し印刷を実行する場合は、表示操作部46を操作することにより印刷設定画面DIP1(
図3)において印刷設定部50の値を調整し試し印刷実施ボタン52を選択する。
【0043】
ステップSP17において画像処理部32は、印刷設定画面DIP1(
図3)において本印刷実施ボタン53が選択されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは、再度試し印刷を実行することをユーザが希望していることを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP5(
図4)へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0044】
一方、ステップSP17(
図6)において肯定結果が得られると、このことは、現在の印刷設定で本印刷を実行することをユーザが希望していることを表し、このとき画像処理部32は、ステップSP18へ移る。ステップSP18において画像処理部32は、データ格納部38に格納していた印刷ジョブの元々のデータに対して印刷設定部50(
図3)において変更された印刷設定を反映させて本印刷用の印刷データをデータ生成部40により生成し、生成した印刷データを印刷部36に送出することにより、各ページの本印刷を実行し、ステップSP19へ移り、試し印刷処理手順RT1を終了する。
【0045】
[1-5.効果等]
ここで仮に、印刷ジョブの先頭のページ又は全てのページを試し印刷実行ページとして設定することも考えられる。しかしながら、印刷ジョブの先頭のページを試し印刷実行ページとして設定した場合、先頭のページが例えば白紙等、データ量が少ない場合には、試し印刷の効果が薄くなってしまう。一方、印刷ジョブの全てのページを試し印刷実行ページとして設定した場合、印刷ジョブ中に確認不要なページが含まれている場合には、無駄な印刷が多くなってしまう。
【0046】
これに対し画像形成装置4は、印刷ジョブを受信したとき、試し印刷を実行することが印刷設定情報において指定されている場合、表示操作部46に印刷設定画面DIP1(
図3)を表示し、全ページ選択部55、手動指定選択部56、第1自動指定選択部57又は第2自動指定選択部58の何れかをユーザにより選択させ、選択された選択部を示す情報を選択情報として取得するようにした。また画像形成装置4は、試し印刷を実行するページを、選択情報により示される、ユーザにより指定された方法により選択するようにした。このため画像形成装置4は、任意のページのみ試し印刷を行うことで、ユーザが確認を必要としているページのみに試し印刷を行い、不要なページを印刷することで発生する費用的及び時間的なコストを低減できる。これにより画像形成装置4は、無駄な印刷を抑止しつつ、試し印刷の効果を向上させることができる。
【0047】
また画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)において全ページ選択部55が選択された場合、印刷ジョブの全てのページを試し印刷実行ページとして設定したいというユーザの意思を反映させ、印刷ジョブの全てのページの試し印刷を行うことができる。
【0048】
さらに画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)において手動指定選択部56が選択され試し印刷実行ページがユーザに手動で入力された場合、印刷ジョブの全てのページのうち試し印刷実行ページとして設定したいページを指定したいというユーザの意思を反映させ、ユーザにより選択された任意のページの試し印刷を行うことができる。
【0049】
さらに画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)において第1自動指定選択部57が選択された場合、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置4が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定したいというユーザの意思を反映させ、データ量が最も多いページの試し印刷を行うことができる。このため画像形成装置4は、試し印刷実行ページを指定するという手間をユーザに強いることなく適切なページの試し印刷を行うことができる。これにより画像形成装置4は、手動指定選択部56が選択された場合と比較して、ページ数が多い印刷ジョブの場合にユーザが選択するページの指定に手間がかかってしまったり、印刷データの作成者が試し印刷の実行者と異なる場合にどのページを試し印刷すべきか試し印刷の実行者が判断し難かったり、どのページが試し印刷に適しているかを判断するための知識をユーザが有していない場合にどのページを試し印刷すべきか試し印刷の実行者が判断し難かったりする、といったことを防止できる。
【0050】
さらに画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)において第2自動指定選択部58が選択された場合、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置4が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定したいというユーザの意思を反映させ、印刷に用いられる色の数が最も多いページの試し印刷を行うことができる。このため画像形成装置4は、試し印刷実行ページを指定するという手間をユーザに強いることなく適切なページの試し印刷を行い、各色の印刷結果をユーザに確認させることができる。その他、画像形成装置4は、第1自動指定選択部57が選択された場合と同様の作用効果を奏する。
【0051】
以上の構成によれば画像形成装置4は、複数のページを有する印刷データと印刷設定情報とを含む印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部30と、印刷ジョブ受信部30が受信した印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷部36と、印刷ジョブ受信部30が印刷ジョブを受信したとき、所定のページを印刷部36によって印刷する試し印刷を実行することが印刷設定情報において指定されている場合、表示操作部46(
図3)の印刷設定画面DIP1に入力されることによりユーザにより指定された、複数のページの中の所定のページが選択されたという選択情報に基づいて試し印刷を印刷部36に実行させた後に、複数のページを印刷する本印刷を印刷部36に実行させる画像処理部32とを設けるようにした。
【0052】
これにより画像形成装置4は、ユーザにより指定された方法により選択された任意のページの試し印刷を実行できる。
【0053】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.印刷システムの構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による印刷システム101は、第1の実施の形態による印刷システム1と比較して、情報処理装置102が情報処理装置2と、画像形成装置104が画像形成装置4と相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0054】
[2-2.情報処理装置の構成]
第2の実施の形態による情報処理装置102は、第1の実施の形態による情報処理装置2と比較して、プリンタドライバ112の印刷情報設定部114が、プリンタドライバ12の印刷情報設定部14と相違するものの、他の点については同様に構成されている。印刷情報設定部114は、試し印刷を実行するか否かの設定に加えて、試し印刷実行ページを設定する。
【0055】
アプリケーション10からプリンタドライバ112の印刷プロパティが呼び出されると、プリンタドライバ112は、
図2と対応する箇所に同一符号を付した
図7に示す印刷設定ユーザインターフェース120を表示部8に表示させる。
【0056】
[2-2-1.印刷設定ユーザインターフェースの構成]
第2の実施の形態による印刷設定ユーザインターフェース120は、第1の実施の形態による印刷設定ユーザインターフェース20と比較して、試し印刷設定部122が試し印刷設定部22と相違するものの、他の点については同様に構成されている。試し印刷設定部122は、なし選択部60、全ページ選択部61、手動指定選択部62、第1自動指定選択部63及び第2自動指定選択部64により構成されている。
【0057】
なし選択部60は、試し印刷を実行しない場合にユーザに選択されるラジオボタンを含んでいる。全ページ選択部61は、印刷ジョブの全てのページを試し印刷実行ページとして設定する場合にユーザに選択されるラジオボタンを含んでいる。手動指定選択部62は、ラジオボタンと、試し印刷実行ページをユーザに手動で入力させるテキスト入力欄とを含んでいる。第1自動指定選択部63は、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置104が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定することを選択するラジオボタンを含んでいる。第2自動指定選択部64は、試し印刷実行ページをユーザが手動で入力することなく、印刷ジョブを画像形成装置104が解析することにより、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定することを選択するラジオボタンを含んでいる。ユーザは、第1自動指定選択部63又は第2自動指定選択部64を選択した場合、ユーザ自身で試し印刷実行ページを入力することなく、画像形成装置104に試し印刷実行ページを設定させることができる。
【0058】
印刷情報設定部114は、試し印刷設定部122において設定された、試し印刷を実行するか否か(すなわち試し印刷の有無)を示す情報と、試し印刷実行ページをどのように設定するかを示す情報である選択情報とを、試し印刷ページ設定情報とし、該試し印刷ページ設定情報を含む、この印刷設定ユーザインターフェース120において設定された情報を、印刷設定情報として記憶する。
【0059】
印刷ジョブ生成部16は、印刷情報設定部114により設定された情報を基に、印刷ジョブを生成する。この印刷ジョブは、複数のページを有する印刷データと、印刷設定情報とを含んでいる。印刷設定情報は、画像形成装置104が印刷を実行するために必要な情報と、試し印刷ページ設定情報とを含んでいる。試し印刷ページ設定情報は、上述したように、試し印刷を実行するか否か(すなわち試し印刷の有無)を示す情報と、試し印刷実行ページをどのように設定するかを示す情報である選択情報とを含んでいる。
【0060】
[2-3.画像形成装置の構成]
第2の実施の形態による画像形成装置104は、第1の実施の形態による画像形成装置4と比較して、画像処理部132が画像処理部32と相違するものの、他の点については同様に構成されている。画像処理部132は、画像処理部32と比較して、試し印刷処理手順RT1とは異なる、
図9、
図10及び
図11に示す試し印刷処理手順RT101を実行する。
【0061】
[2-4.試し印刷処理]
次に、画像形成装置104による第2の実施の形態による試し印刷処理手順RT101について、
図4、
図5及び
図6と対応するステップに同一符号を付した
図9、
図10及び
図11に示すフローチャートを用いて説明する。情報処理装置102のアプリケーション10における印刷設定ユーザインターフェース120において設定された印刷設定情報を含む印刷ジョブが、情報処理装置102から画像形成装置104へ送信される。これに応じて画像処理部132は、試し印刷処理プログラムを読み出して実行することにより
図9に示す試し印刷処理手順RT101を開始し、ステップSP1へ移る。
【0062】
ステップSP1及びSP2において画像処理部132は、試し印刷処理手順RT1と同様の処理を行い、ステップSP3へ移る。ステップSP3において否定結果が得られると、画像処理部132は、ステップSP4(
図11)へ移り、印刷ジョブに対し印刷部36により、印刷ジョブに含まれる全てのページを指定された部数ずつ印刷する通常の印刷を実行し、ステップSP19へ移り、試し印刷処理手順RT101を終了する。
【0063】
一方、ステップSP3において肯定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP105へ移る。ステップSP105において画像処理部132は、パネル制御部34の表示操作部46に、
図3と対応する箇所に同一符号を付した
図8に示す試し印刷設定画面DIP101を表示させ、ステップSP6(
図10)へ移る。
【0064】
印刷設定画面DIP101は、印刷設定画面DIP1(
図3)と比較して、試し印刷ページ指定部51が省略されている点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0065】
ステップSP6(
図10)において肯定結果が得られると、画像処理部132は、ステップSP107へ移り、印刷設定ユーザインターフェース120(
図7)において全ページ選択部61が選択されたことが情報処理装置102から受信した印刷設定情報の選択情報に含まれているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP8へ移る。ステップSP8において画像処理部132は、印刷ジョブの全てのページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図11)へ移る。
【0066】
一方、ステップSP107(
図10)において否定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP109へ移り、印刷設定ユーザインターフェース120(
図7)において手動指定選択部62が選択されたことが情報処理装置102から受信した印刷設定情報の選択情報に含まれているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP10へ移る。ステップSP10において画像処理部132は、手動指定選択部62(
図7)においてユーザに指定されたページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図11)へ移る。
【0067】
一方、ステップSP109(
図10)において否定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP111へ移り、印刷設定ユーザインターフェース120(
図7)において第1自動指定選択部63が選択されたことが情報処理装置102から受信した印刷設定情報の選択情報に含まれているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP12へ移る。ステップSP12において画像処理部132は、印刷ジョブをページ情報解析部43により解析した各ページの情報を基に、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多いページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図11)へ移る。
【0068】
一方、ステップSP111において否定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP113へ移り、印刷設定ユーザインターフェース120(
図7)において第2自動指定選択部64が選択されたことが情報処理装置102から受信した印刷設定情報の選択情報に含まれているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP14へ移る。ステップSP14において画像処理部132は、印刷ジョブをページ情報解析部43により解析した各ページの情報を基に、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多いページを試し印刷実行ページとして印刷ページ判断部44により設定し、ステップSP15(
図11)へ移る。
【0069】
一方、ステップSP113において否定結果が得られると、このとき画像処理部132は、ステップSP6へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0070】
ステップSP15、SP16及びSP17(
図11)において画像処理部132は、試し印刷処理手順RT1と同様の処理を行い、ステップSP18へ移る。ステップSP18において画像処理部132は、データ格納部38に格納していた印刷ジョブの元々のデータに対して印刷設定部50(
図8)において変更された印刷設定を反映させて本印刷用の印刷データをデータ生成部40により生成し、生成した印刷データを印刷部36に送出することにより、各ページの本印刷を実行し、ステップSP19へ移り、試し印刷処理手順RT101を終了する。
【0071】
[2-5.効果等]
以上の構成において情報処理装置102は、表示部8に印刷設定ユーザインターフェース120(
図7)を表示し、全ページ選択部61、手動指定選択部62、第1自動指定選択部63及び第2自動指定選択部64の何れかをユーザにより選択させ、選択された選択部を示す情報を選択情報として印刷ジョブに含め画像形成装置104へ送信するようにした。
【0072】
画像形成装置104は、印刷ジョブを受信したとき、試し印刷を実行することと、選択情報とが印刷ジョブにおいて指定されている場合、試し印刷実行ページを、選択情報により示される、ユーザにより指定された方法により選択するようにした。このため画像形成装置104は、任意のページのみ試し印刷を行うことで、ユーザが確認を必要としているページのみに試し印刷を行い、不要なページを印刷することで発生する費用的及び時間的なコストを低減できる。これにより画像形成装置104は、無駄な印刷を抑止しつつ、試し印刷の効果を向上させることができる。
【0073】
その他、第2の実施の形態による画像形成装置104は、第1の実施の形態による画像形成装置4と同様の作用効果を奏し得る。
【0074】
以上の構成によれば画像形成装置104は、複数のページを有する印刷データと印刷設定情報とを含む印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信部30と、印刷ジョブ受信部30が受信した印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷部36と、印刷ジョブ受信部30が印刷ジョブを受信したとき、複数のページの中の所定のページを印刷部36によって印刷する試し印刷を実行することと、ユーザにより指定された複数のページの中の所定のページを選択する選択情報とが印刷設定情報において指定されている場合、選択情報に基づいて試し印刷を印刷部36に実行させた後に、複数のページを印刷する本印刷を印刷部36に実行させる画像処理部32とを設けるようにした。
【0075】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態において画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)の試し印刷ページ指定部51において、全ページ選択部55、手動指定選択部56、第1自動指定選択部57及び第2自動指定選択部58を表示させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)の試し印刷ページ指定部51において、例えば第1自動指定選択部57及び第2自動指定選択部58を省略して、全ページ選択部55及び手動指定選択部56のみを表示させる等、試し印刷ページ指定部51において、全ページ選択部55、手動指定選択部56、第1自動指定選択部57及び第2自動指定選択部58のうちから適宜選択して表示させても良い。画像形成装置4は、第1自動指定選択部57及び第2自動指定選択部58を省略した場合、データ解析部42(
図1)においてページ情報解析部43が不要となる。また画像形成装置4は、第1自動指定選択部57及び第2自動指定選択部58に代えて、試し印刷ページ指定部51(
図3)に「自動選択」とだけ表示し、その項目が選択された場合は、第1自動指定選択部57が選択された場合か又は第2自動指定選択部58が選択された場合の処理を行っても良い。
【0076】
また上述した第2の実施の形態において情報処理装置102は、印刷設定ユーザインターフェース120(
図7)の試し印刷設定部122において、なし選択部60、全ページ選択部61、手動指定選択部62、第1自動指定選択部63及び第2自動指定選択部64を表示させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、情報処理装置102は、印刷設定ユーザインターフェース120(
図7)の試し印刷設定部122において、例えば第1自動指定選択部63及び第2自動指定選択部64を省略して、なし選択部60、全ページ選択部61及び手動指定選択部62のみを表示させる等、試し印刷設定部122において、なし選択部60、全ページ選択部61、手動指定選択部62、第1自動指定選択部63及び第2自動指定選択部64のうちから適宜選択して表示させても良い。画像形成装置104は、第1自動指定選択部63及び第2自動指定選択部64が省略された場合、データ解析部42(
図1)においてページ情報解析部43が不要となる。また画像形成装置104は、第1自動指定選択部63及び第2自動指定選択部64に代えて、試し印刷設定部122(
図7)に「自動選択」とだけ表示し、その項目が選択された場合は、第1自動指定選択部63が選択された場合か又は第2自動指定選択部64が選択された場合の処理を行っても良い。
【0077】
さらに上述した第1の実施の形態において画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)の試し印刷ページ指定部51において第1自動指定選択部57が選択された場合、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)の試し印刷ページ指定部51において第1自動指定選択部57が選択された場合、例えば、印刷ジョブの全てのページのうちデータ量が最も多い1ページと、次に多い1ページとの合計の2ページ等、データ量が多い複数ページを試し印刷実行ページとして設定しても良い。又は、画像形成装置4は、データ量の閾値をユーザに設定させ、設定させた閾値以上のデータ量を含むページを試し印刷実行ページとして設定しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0078】
さらに上述した第1の実施の形態において画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)の試し印刷ページ指定部51において第2自動指定選択部58が選択された場合、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多いページを試し印刷実行ページとして設定する場合について述べた。本発明はこれに限らず、画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)の試し印刷ページ指定部51において第2自動指定選択部58が選択された場合、例えば、印刷ジョブの全てのページのうち印刷に用いられる色の数が最も多い1ページと、次に多い1ページとの合計の2ページ等、印刷に用いられる色の数が多い複数ページを試し印刷実行ページとして設定しても良い。又は、画像形成装置4は、用いられる色の数の閾値をユーザに設定させ、設定させた閾値以上の数の色を含むページを試し印刷実行ページとして設定しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0079】
さらに画像形成装置4は、印刷ジョブの全てのページのうちオブジェクト数が最も多いページ等、試し印刷を実行するに適した他の種々の指標に基づき試し印刷実行ページを設定しても良い。またさらに画像形成装置4は、ページに含まれるデータ量、用いられる色の数、及び、オブジェクト数等、種々の指標を組み合わせて、印刷実行ページを設定しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0080】
さらに上述した実施の形態において画像形成装置4又は104は、表示操作部46を有する場合について述べた。本発明はこれに限らず、画像形成装置4又は104は、ユーザに画像を表示する表示部と、ユーザが画像形成装置4又は104の設定を変更するための操作を実行する操作部を有しても良い。
【0081】
さらに上述した第1の実施の形態において画像形成装置4は、印刷設定画面DIP1(
図3)を表示操作部46に表示させ印刷設定部50を操作させることにより印刷設定を行う場合について述べた。本発明はこれに限らず、情報処理装置2が表示部8に印刷設定部50を表示させ、操作された結果を画像形成装置4へ送信しても良い。
【0082】
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置4又は104をラベルプリンタにより構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)等、他の種々の機能を有する画像形成装置を画像形成装置4又は104としても良い。
【0083】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用した実施の形態や、抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加した実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0084】
さらに上述した実施の形態においては、通信部としての印刷ジョブ受信部30と、印刷部としての印刷部36と、制御部としての画像処理部32とにより、画像形成装置としての画像形成装置4を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる通信部と、印刷部と、制御部とによって、画像形成装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、ページ毎に印刷部数を指定して印刷を行う場合に利用できる。
【符号の説明】
【0086】
1、101……印刷システム、2、102……情報処理装置、4、104……画像形成装置、6……制御部、7……操作部、8……表示部、10……アプリケーション、12、112……プリンタドライバ、14、114……印刷情報設定部、16……印刷ジョブ生成部、18……印刷ジョブ送信部、20、120……印刷設定ユーザインターフェース、22、122……試し印刷設定部、23……試し印刷実行選択部、30……印刷ジョブ受信部、32、132……画像処理部、34……パネル制御部、36……印刷部、38……データ格納部、40……データ生成部、42……データ解析部、43……ページ情報解析部、44……印刷ページ判断部、46……表示操作部、DIP1……試し印刷設定画面、50……印刷設定部、51……試し印刷ページ指定部、52……試し印刷実施ボタン、53……本印刷実施ボタン、60……なし選択部、55、61……全ページ選択部、56、62……手動指定選択部、57、63……第1自動指定選択部、58、64……第2自動指定選択部。