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特開2023-16877プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016877
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/65 20140101AFI20230126BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20230126BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230126BHJP
   A63F 13/212 20140101ALI20230126BHJP
   A63F 13/215 20140101ALI20230126BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20230126BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/45
A63F13/79
A63F13/212
A63F13/215
A63F13/213
A61B5/16 130
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186991
(22)【出願日】2022-11-24
(62)【分割の表示】P 2020110461の分割
【原出願日】2018-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 貴行
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
(72)【発明者】
【氏名】小杉 要
(72)【発明者】
【氏名】首藤 まり江
(57)【要約】
【課題】ユーザの睡眠情報に基づいて進行するゲームにおいて、睡眠情報を不正に用いること防止するプログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステムを提供すること。
【解決手段】ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するゲームシステムであって、ユーザに装着されるウェアラブル端末と、ウェアラブル端末と通信する情報処理端末と、を備え、ウェアラブル端末は、ユーザの生体情報を計測するセンサ部を含み、情報処理端末は、睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、センサ部が計測した生体情報を取得する生体情報取得部と、取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、を含み、判断部は、生体情報に基づいて、判断を行う。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するプログラムであって、コンピュータを、
前記睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記取得した睡眠情報が、前記ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、して
機能させるプログラム。
【請求項2】
前記ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部としてさらに機能させ、
前記判断部は、前記取得した生体情報に基づいて、前記判断を行う、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記取得した生体情報を記憶する生体情報記憶部と、
前記記憶した生体情報から所定の規則性を抽出する抽出部と、
前記取得した睡眠情報に対応する前記生体情報取得部が取得した前記生体情報が、前記抽出した規則性に適合するか否かを判定する判定部と、してさらに機能させ、
前記判断部は、前記判定部が前記適合すると判定したことに応じて、前記取得した睡眠情報は、前記ユーザの睡眠情報であると判断する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記生体情報は、前記ユーザを識別することが可能な情報である、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記生体情報は、いびき、および/または声である、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記生体情報は、脈拍、心拍、心音、血圧、脈波のうちの少なくとも一部、または、それらの組み合わせである、請求項4または請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
オブジェクトを撮像した画像を取得する画像取得部と、
前記撮像された前記オブジェクトを認識する画像認識部と、してさらに機能させ、
前記判断部は、前記睡眠情報に対応する時間帯に前記撮像した画像の前記オブジェクトの認識の結果に基づいて、前記判断を行う、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記オブジェクトは、眠っているユーザの頭部、および/または寝相である、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
周囲の照度情報を取得する照度情報取得部としてさらに機能させ、
前記睡眠情報取得部は、前記睡眠情報とともに前記取得した照度情報を関連付けて取得し、
前記判断部は、前記取得した睡眠情報、および前記関連付けられた照度情報に基づいて、前記判断を行う、請求項2から請求項8のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
位置情報を取得する位置情報取得部としてさらに機能させ、
前記睡眠情報取得部は、前記睡眠情報と前記取得した前記位置情報とを関連付けて取得し、
前記判断部は、前記取得した睡眠情報、および前記関連付けられた位置情報に基づいて、前記判断を行う、請求項2から請求項9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記生体情報取得部は、前記ユーザに装着されるウェアラブル端末が計測した前記生体情報を取得し、
前記位置情報は、前記ウェアラブル端末の位置を含む、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記位置情報は、前記ウェアラブル端末と、前記コンピュータとの位置関係を含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するゲームサーバにおいて、
前記睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記取得した睡眠情報が、前記ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、
を備えるゲームサーバ。
【請求項14】
ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行する情報処理端末であって、
前記睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記取得した睡眠情報が、前記ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、を備える情報処理端末。
【請求項15】
ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行する方法であって、
前記睡眠情報を取得するステップと、
前記取得した睡眠情報が、前記ユーザの睡眠情報であるかを判断するステップと、
を備える方法。
【請求項16】
ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するゲームシステムであって、
前記ユーザに装着されるウェアラブル端末と、
前記ウェアラブル端末と通信する情報処理端末と、を備え、
前記ウェアラブル端末は、
前記ユーザの生体情報を計測するセンサ部を含み、
前記情報処理端末は、
前記睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記センサ部が計測した前記生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記取得した睡眠情報が、前記ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、を含み、
前記判断部は、前記生体情報に基づいて、前記判断を行う、ゲームシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体の動きを検出するセンサ等を用いることにより、人の行動や活動量、睡眠等を測定する活動測定機器が普及してきた。活動測定機器は、利用者に睡眠等の活動量を提示することで、利用者の健康意識を高めるものであり、継続的に使用することが望まれる。例えば、特許文献1には、ユーザの睡眠に関する状態と連動させてゲーム処理を実行し、ユーザが自身の健康管理をゲーム感覚で行う発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2016/021235号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、計測された睡眠に関する状態の評価結果に応じてゲームを進行させるものであるため、ゲームを有利に進行させたいというユーザが、活動測定機器等に他人の睡眠情報を計測させて不正(チート)を行うという課題がある。この場合、ゲームの公正性が失われるばかりではなく、睡眠情報を反映させるゲームによって健康意識を高めるという目的さえも損なわれる。
【0005】
そこで、本開示は、ユーザの睡眠情報に基づいて進行するゲームにおいて、睡眠情報を不正に用いることを防止するプログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るプログラムは、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するプログラムであって、コンピュータを、睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、して機能させる。
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係るゲームサーバは、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するサーバであって、睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理端末は、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行する情報処理端末であって、睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、を備える。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る方法は、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行する方法であって、睡眠情報を取得するステップと、取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報であるかを判断するステップと、を備える。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本開示に係るゲームシステムは、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するシステムであって、ユーザに装着されるウェアラブル端末と、ウェアラブル端末と通信する情報処理端末と、を備え、ウェアラブル端末は、ユーザの生体情報を計測するセンサ部を含み、情報処理端末は、睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、センサ部が計測した生体情報を取得する生体情報取得部と、取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報であるかを判断する判断部と、を含み、判断部は、生体情報に基づいて、判断を行う。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、ユーザの睡眠情報に基づいて進行するゲームにおいて、睡眠情報を不正に用いることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ゲームシステム1の構成図である。
図2】ゲームサーバ100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】ユーザ端末200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】ユーザ端末200における処理の一例を示すフローチャートである。
図5】ユーザ端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6】ゲームシステム3の構成図である。
図7】ウェアラブル端末500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図8】ユーザ端末400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0014】
<実施形態1>
図1は、ゲームシステム1の構成図である。図1を参照して、実施形態1に係るゲームシステム1の構成について説明する。
【0015】
ゲームシステム1は、ゲームサーバ100と、ユーザ端末200と、を備え、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、WAN(World Area Network)、LAN(Local Area Network)等から構成される。
【0016】
本実施形態において、ゲームシステム1では、ユーザの睡眠情報にゲーミフィケーションの要素を取り入れている。すなわち、ユーザ端末200は、ゲームプログラム(アプリケーション)を実行することによって、睡眠情報をゲーム入力とするゲーム処理を行う。また、ユーザ端末200は、睡眠情報および睡眠情報に基づいて進行するゲームに関する情報をゲームサーバ100へアップロードする。
【0017】
ゲームサーバ100は、ユーザの睡眠情報に基づいて進行するゲームを管理するゲームサーバであって、ユーザ端末200からの要求に応じて、ユーザの睡眠情報に基づいて進行するゲーム(以下、「睡眠ゲーム」と記載する場合がある。)を提供する。睡眠ゲームは、例えば、ユーザの睡眠情報を入力として仮想生命体を育成するゲームであったり、ゲームにおけるアイテムの数や種類、お金、または、プレイヤオブジェクトのパラメータ(例えば、強さなど)等が決定されるゲームであったりしてもよいが、これらのゲームに限られない。
【0018】
ゲームサーバ100は、例えば、ネットワークNWを介してアクセスしてきたユーザ端末200に対してゲームプログラムを配信し、ユーザ端末200においてゲームプログラムが実行される。ゲームプログラムを実行したユーザ端末200は、ユーザの睡眠情報に基づいてゲーム処理を行う。
【0019】
また、ゲームサーバ100は、ユーザ端末200からアップロードされた情報を記憶する。本実施形態においては、ゲームサーバ100は、複数のユーザ端末から、各ユーザに関する情報(例えば、睡眠情報および睡眠ゲームに関する情報)を取得して記憶する。また、ゲームサーバ100は、記憶された情報に基づいて、ゲームに対する特典を与えたり、睡眠に対するアドバイスを与えたりしてもよい。
【0020】
ユーザ端末200は、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行する情報処理端末(ゲーム装置)である。図1ではユーザ端末200を1つのみ示すが、本実施形態においては、ゲームシステム1は、ユーザ毎にそれぞれ保有する複数のユーザ端末200を含んでいる。
【0021】
睡眠情報は、例えば、ユーザの就寝時間および起床時間を示す睡眠パターンである。なお、就寝時間とは、ユーザが眠りについた時刻を表し、例えば、ユーザが寝床に入った時刻でもよいし、ユーザの意識が覚醒した状態から睡眠の状態へ移行した時刻であってもよい。また、起床時間とは、ユーザが起きた時刻を表し、例えば、ユーザが寝床から起きだした時刻であってもよいし、睡眠の状態から意識が覚醒した状態へ移行した時刻であってもよい。本実施形態では、眠りについてから起きるまでの就寝時間と起床時間の対を睡眠パターンという。なお、睡眠情報の取得については、後述する。
【0022】
ユーザ端末200は、ゲームの進行処理を実行する際に、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かを判断する。すなわち、虚偽の睡眠情報を入力したり、他人の睡眠情報を計測したりするなどして、睡眠情報を不正に用いたユーザが、ゲームを有利に進行させることを防止する。これにより、ゲームの公平性を担保し、また、ユーザに対し、睡眠情報を反映させるゲームによって健康意識を高めるという目的を達成させることができる。
【0023】
図2は、ゲームサーバ100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態のゲームサーバ100は、図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0024】
ゲームサーバ100は、通信部110と、取得部120と、記憶部130と、処理部140と、を備える。
【0025】
通信部110は、ユーザ端末200と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0026】
睡眠情報取得部120は、通信部110がユーザ端末200から受信した睡眠情報を取得し、記憶部130へ送る。
【0027】
記憶部130は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置であって、睡眠履歴131と、ゲーム情報132と、を含む。
【0028】
睡眠履歴131は、睡眠情報取得部120が取得したユーザの睡眠情報、すなわち、ユーザの就寝時間および起床時間を示す睡眠パターンを蓄積する。ゲーム情報132は、睡眠情報に基づいて進行するゲームに関する情報が記憶されている。ゲーム情報132は、例えば、ユーザ端末200に提供する、睡眠情報に基づいて進行するゲームのプログラムや、ユーザ端末200からアップロードされた、ゲームの進行状況に関する情報である。なお、記憶部130は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。
【0029】
処理部140は、ゲームサーバ100において実行される各種の情報処理を実行する。処理部140は、CPUおよびメモリを有し、CPUがメモリを用いて、記憶部130に記憶された情報処理プログラムを実行することによって各種の情報処理が実行される。本実施形態においては、処理部140は、上記情報処理として、睡眠情報に基づいて進行するゲームのプログラムをユーザ端末200に提供する。また、記憶部130に記憶された情報に基づいて、ユーザ端末200に対し、ゲームの特典を与えたり、睡眠に対するアドバイスを与えたりする処理を実行してもよい。また、処理部140は、システムクロックを利用して現在日時を取得する。
【0030】
なお、本実施形態では、「サーバ」とは、1つの情報処理装置(すなわち、サーバ装置)を指す他、サーバが複数のサーバ装置によって構成される場合にはサーバ装置群(すなわち、サーバシステム)全体を指す意味である。また、本実施形態においては、ゲームサーバ100を一体的な構成として説明するが、ゲームサーバ100は、機能および/または役割に応じて分けられた複数のサーバ装置を含む構成であってもよい。例えば、ゲームサーバ100は、ユーザ端末200から取得される睡眠情報を記憶するデータサーバと、睡眠情報に基づいてゲームサービスを提供するサービスサーバとを含む構成であってもよい。さらに、ゲームサーバ100は、上記ゲームサービスの一環としてアイテムを提供するサービスを行う場合、アイテムの提供と課金とを行うショップサーバを含む構成であってもよい。
【0031】
図3は、ユーザ端末200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態のユーザ端末200は、図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0032】
ユーザ端末200は、ゲーム装置に相当する情報処理端末であり、本実施形態においては、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、携帯ゲーム機、据置ゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、又は、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(スマートテレビ)等の多機能デバイスである。
【0033】
すなわち、ユーザ端末200は、一般的な多機能デバイスが有する各種の機能(例えば、入力機能、出力(表示)機能、情報処理機能、ネットワーク通信機能、センサ機能、通話機能、カメラ機能等)を有している。
【0034】
なお、ネットワーク通信機能は、インターネット等を介した通信機能、および/または、モバイル通信網を介した通信機能である。ユーザ端末200は、既製の多機能デバイスに所定の機能をインストールすることで実現されてもよい。本実施形態において、ユーザ端末200は、上記多機能デバイスとして用いられることに加えて、上記睡眠情報を検知したり、上記睡眠ゲームを実行したりするために用いられる。
【0035】
ユーザ端末200は、通信部210と、入力部220と、マイク221と、センサ部225と、出力部230と、記憶部240と、処理部250と、を備える。
【0036】
通信部210は、ゲームサーバ100と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。また、通信部210は、後述するセンサ部225として機能する情報処理端末(ウェアラブル端末)と行うBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信の制御を行う。なお、ウェアラブル端末とは、ケーブルを介した有線通信によって行われてもよいし、電波通信や赤外線通信等によって行われてもよい。
【0037】
入力部220は、ユーザからの入力を受け付けるためのインターフェイスであり、ユーザの入力を処理部250に送る。入力部220は、例えば、タッチパネルやボタン、コントローラである。なお、入力部220は、後述するマイク221により収音されたユーザの音声を、ユーザの入力としてもよい。また、入力部220は、後述するセンサ部225が検知したセンシングデータをユーザの入力としてもよい。ユーザは、入力部220を介して、睡眠ゲームに関する入力を行うことができる。
【0038】
マイク221は、ユーザ端末200の周囲の音を収集するマイクロフォンである。例えば、マイク221は、ユーザのいびきの音や、ユーザの寝言などの声を収音する。また、マイク221は、寝具と寝間着との接触音を収音してもよい。寝具と寝間着との接触音により、寝返りを推定することができる。なお、マイク221が収音した、ユーザのいびきの音やユーザの寝言などの声、寝具と寝間着との接触音は、後述する記憶部240の生体情報242に格納される。
【0039】
センサ部225は、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部に相当する。センサ部225は、ユーザ端末200に内蔵される計測機器から生体情報を取得してもよいし、ユーザ端末200と通信部210を介して接続される外部の計測機器から生体情報を取得してもよい。外部の計測機器は、例えば、腕時計型や指輪型の端末、人体(胸部等)に張り付けられる導電性ゲルパッド等のウェアラブル端末である。また、外部の計測機器は、ベッドサイドに置かれる据置式計測機器や、枕の下や布団の下に敷かれるシート状のセンサであってもよい。
【0040】
生体情報は、例えば、脈拍、心拍、心音、血圧、脈波、呼吸音、心電位、皮膚温度、発汗量、声紋などである。また、センサ部225が取得した生体情報に基づいて算出される種々の情報、例えば、心拍間隔、脈波間隔を生体情報としてもよい。また、センサ部225は、計測された加速度等に基づいて算出される、ユーザの姿勢等を生体情報としてもよい。また、センサ部225は、例えば、センサシートによって計測された、ベッドに横たわったユーザの体重や頭部の重さ等を生体情報としてもよい。すなわち、センサ部225が取得する生体情報は、ユーザを識別することが可能な情報であればよく、上述した情報に限られない。
【0041】
上述の外部の計測機器(ウェアラブル端末)は、ユーザ端末200とペアリングを行って、近距離無線通信を行う。センサ部225は、ペアリングされたウェアラブル端末で計測された生体情報を、計測した日時と対応付けて取得する。そして、センシングデータとして処理部250に送る。また、センサ部225は、後述する記憶部240の生体情報242に取得した生体情報を格納する。生体情報の計測は、所定の時間間隔で行われるが、計測された活動量に応じて、計測する時間間隔を変更してもよい。
【0042】
また、センサ部225は、ユーザ端末200の種々の状態を検知する各種機器であってもよい。センサ部225は、例えば、端末自体の姿勢や傾きを検知する姿勢センサ(加速度センサやジャイロセンサ)、ユーザの視線方向を検知する注視センサや、周囲の明るさを検知する光センサ、ユーザの動作を検知する赤外線センサである。また、センサ部225は、ユーザ端末200の周囲の湿度を検知する湿度センサや、ユーザ端末200の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等であってもよい。
【0043】
また、センサ部225は、上記のセンサ機能を用いて、種々の情報を検知するようにしてもよい。例えば、センサ部225は、加速度センサの機能を用いて、ユーザ端末200を保有するユーザの歩行数を検知してもよい。また、センサ部225は、加速度センサの機能を用いて、ユーザ端末200が動作しているか、静止しているか、などを示す動作情報を一定時間ごとや、ユーザ端末200が動作したタイミングごとに検知してもよい。センサ部225は、上述のように検知したセンシングデータを処理部250へ送る。
【0044】
出力部230は、例えば、ディスプレイ等の表示装置やスピーカなどのオーディオ出力装置であり、入力部220に対する入力に応じてユーザ端末200において生成される各種の画像や音声を表示、出力したり、ゲームサーバ100から受信されたデータに基づく各種の画像や音声を表示、出力したりする。出力部230は、人工知能搭載型スピーカ(スマートスピーカ)を含む。
【0045】
記憶部240は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。記憶部240は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。記憶部240は、睡眠履歴241と、生体情報242と、ゲーム情報243と、を含む。
【0046】
睡眠履歴241は、後述する睡眠情報取得部252が取得したユーザの睡眠情報、すなわち、ユーザの就寝時間および起床時間を示す睡眠パターンを蓄積する。生体情報242は、生体情報記憶部に相当し、センサ部225が計測した生体情報を蓄積する。ゲーム情報243は、睡眠情報に基づいて進行するゲームに関する情報が格納されている。ゲームに関する情報は、例えば、ゲームの進行状況に関する情報や、ユーザの睡眠情報に基づいて変換したゲームスコアなどである。
【0047】
処理部250は、ユーザ端末200において実行される各種の情報処理を実行する。処理部250は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを有する。ユーザ端末200においては、CPUがメモリを用いて、記憶部240に記憶された情報処理プログラムを実行することによって上記各種の情報処理が実行される。本実施形態においては、処理部250は、上記情報処理として、睡眠情報を算出する処理や、当該睡眠情報がユーザ自身の睡眠情報であるかを判断する処理、睡眠ゲームに関する処理を実行する。また、処理部250は、ゲームサーバ100から受信した睡眠ゲームに関するゲームの特典や、睡眠についてのアドバイス等をユーザに提示する処理を実行する。また、ユーザ端末200が多機能デバイスとして動作する場合、処理部250は、各機能を実現するための情報処理を実行する。また、処理部250は、システムクロックを利用して現在日時を取得する。
【0048】
処理部250は、ゲーム実行部251と、睡眠情報取得部252と、抽出部253と、判定部254と、判断部255と、を含む。
【0049】
ゲーム実行部251は、睡眠ゲームに関する処理を実行する。例えば、入力部220を介したユーザからの入力や、後述する睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報に基づいて処理を実行する。なお、ゲーム実行部251は、後述する判断部255が、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報がユーザの睡眠情報でないと判断した場合は、ユーザに対し、警告を行うよう出力部230を制御する。例えば、当該警告として、睡眠情報がユーザ自身のものではない可能性がある、睡眠情報が正しくない等の表示を行ったり、音声通知を行ったりする。また、上記警告とともに、または、警告の代わりに、ゲームの進行を中断したり、ユーザにとってゲームの進行が不利になるようなペナルティとなる処理を行うようにしてもよい。
【0050】
睡眠情報取得部252は、センサ部225から送られたセンシングデータに基づいて、ユーザの就寝時間および起床時間を示す睡眠パターンを算出し、睡眠情報として取得する。睡眠情報取得部252は、取得した睡眠情報を睡眠履歴241に格納する。なお、睡眠情報取得部252は、通信部210に対し、睡眠情報としてゲームサーバ100へ送信するよう指示してもよい。
【0051】
睡眠パターンの算出は、上述したような一般的な多機能デバイスが備える睡眠を分析する機能を用いてもよい。例えば、生体情報により、睡眠状態、ユーザの姿勢を検知したり、ユーザ端末200の姿勢、動き、環境音を検知したりして、ユーザの就寝、起床を推定してもよい。
【0052】
また、上述のように、センシングデータに基づいて就寝時間および起床時間を示す睡眠パターンを算出するのではなく、睡眠ゲームの開発者等が算出方法を設定するようにしてもよい。例えば、睡眠ゲームにおいて、ユーザが就寝する旨の操作を行った時間を就寝時間、起床した旨の操作を行った時間を起床時間と設定してもよい。上記操作は、例えば、ディスプレイをタップしたり、ユーザ端末200を振ったりする操作であってもよい。また、就寝時間および起床時間をユーザが自己申告により入力するようにしてもよい。また、処理部250は、センサ部225から送られたセンシングデータを、通信部210を介して、ゲームサーバ100に送信し、ゲームサーバ100において睡眠パターンを算出するように構成してもよい。
【0053】
抽出部253は、記憶部240の生体情報242に蓄積された生体情報から所定の規則性を抽出する。例えば、処理部250が取得したシステムクロックを利用した現在日時から、生体情報の経時的な変化を解析する。すなわち、蓄積された、脈拍、心拍、心音、血圧、脈波、呼吸音、心電位、皮膚温度、姿勢、声、発汗量等の経時的な変化を解析し、それらの生体情報における規則性を抽出する。特に、睡眠履歴241に蓄積された睡眠情報が示す睡眠パターンと、生体情報242に蓄積された、当該睡眠パターンに対応する時間帯における生体情報とを関連付けて規則性を抽出することが好ましい。なお、生体情報242から算出される起床時間および就寝時間を示す睡眠パターンを、抽出された規則性としてもよい。
【0054】
より具体的には、例えば、脈拍数の経時的な変化を、他の生体情報の変化とともに抽出したり、声(いびきや寝言など)を周波数分析し、音声波形のスペクトルの強度変化を等高線表示したグラフ(声紋)にして抽出したりする。また、例えば、脈波を解析する場合は、脈波を2階乗微分して加速度脈波(APG)とし波形変化を拡大することで波形変化度から心臓収縮期の波の増加率や減少率などを算出し、ユーザの生理的状態の規則性を抽出する。この際、脈拍、血圧、皮膚温度等他の生体情報を併用することで、より精度よく規則性を抽出することができる。その他、これらの生体情報を用いた規則性の抽出は、公知の方法を用いて行うことができるため、詳細な説明は省略する。また、睡眠情報と、生体情報との規則性を機械学習により導出してもよい。
【0055】
判定部254は、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報に対応する、センサ部225が取得した生体情報が、抽出部253が抽出した規則性に適合するか否かを判定する。具体的には、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報、すなわち、就寝時間および起床時間を示す睡眠パターンに対応する時間帯に計測された生体情報が、抽出部253が抽出した規則性と適合するかを判定する。判定部254は、生体情報と、当該生体情報を計測した時間帯における規則性とが一致、もしくは所定の範囲内の数値であれば、生体情報と抽出した規則性とは適合していると判定する。
【0056】
判断部255は、判定部254が上記適合すると判定したことに応じて、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報は、ユーザの睡眠情報であると判断する。また、判断部255が、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報でないと判定した場合は、当該取得した睡眠情報を、睡眠履歴241から削除する。また、当該取得した睡眠情報が示す睡眠パターン(の時間帯)に対応する生体情報についても、生体情報242から削除する。これにより、抽出部253は、不正に入力されたものではない、ユーザ自身の睡眠情報、生体情報に基づいて規則性を抽出することができ、判断部255は、より精度の高い上記判断を行うことができる。
【0057】
上述したように、判断部255は、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報を、記憶部240に蓄積された生体情報に基づいてユーザの睡眠情報であるか否かを判断する。すなわち、ゲームを有利に進行したいユーザが、実際は眠っていないのに、就寝時間および起床時間について虚偽の入力を行ったり、第三者にウェアラブル端末を装着させ、睡眠情報を計測してゲームの入力としたとしても、ユーザの睡眠情報および生体情報の履歴により、入力された睡眠情報がユーザ自身の睡眠情報であるか否かを判断することができる。
【0058】
例えば、虚偽の睡眠情報の入力に対しては、ユーザの生体情報の経時的変化から、睡眠時および活動時における規則性を抽出し、当該睡眠情報に対応する生体情報が、抽出した規則性に適合するか否かを判定することで、ユーザの睡眠情報であるか否かを判断できる。すなわち、実際は眠っていないのに虚偽の睡眠情報を入力した場合、計測した生体情報は活動時における規則性を示し、睡眠時の生体情報の規則性には適合しないので、入力された睡眠情報は、ユーザの睡眠情報ではないと判断することができる。
【0059】
また、第三者の睡眠情報の入力に対しては、当該睡眠情報が示す睡眠パターン(の時間帯)における生体情報が、当該睡眠パターンに類似する睡眠履歴に関連付けられた生体情報から抽出した規則性に適合するかを判定することで、ユーザの睡眠情報であるか否かを判断できる。すなわち、睡眠時における個々人の生体情報に着目して、ユーザの睡眠情報であるか否かを判断することができる。
【0060】
また、判断部255は、上述した生体情報に基づく判断に加えて、取得した睡眠情報が示す睡眠パターンの時間帯に実行されたユーザ端末200における処理内容に基づいて、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるかを判断するようにしてもよい。例えば、当該時間帯に、ユーザ端末200において、ユーザの能動的な操作が必要なアプリが起動していた場合は、入力された睡眠情報が虚偽や第三者のものである可能性が高いと判断する。これにより、取得した睡眠情報がユーザの睡眠情報であるかをより正確に判断することができる。
【0061】
図4は、ユーザ端末200における処理の一例を示すフローチャートである。図4を参照して、ユーザ端末200における処理の一例について説明する。なお、ユーザ端末200は、ユーザからの就寝する旨の入力操作を、当該処理を開始するトリガとしてもよい。また、ユーザ端末200は、センサ部225によりセンシングを常に実行しており、センシングデータ(例えば、端末の動き、周囲の明るさや音声等)からユーザの就寝を検知することもできる。
【0062】
ステップS401において、ユーザ端末200のセンサ部225は、センシングを実行する。具体的には、センサ部225は、ユーザの脈拍数などの生体情報や、ユーザ端末200の動き等をセンシングする。睡眠情報取得部252は、センサ部225からセンシングデータを取得する。
【0063】
ステップS402において、睡眠情報取得部252は、センサ部225から送られたセンシングデータに基づいて、就寝時間および起床時間を示す睡眠パターンが算出可能か否かを判定する。睡眠情報取得部252において睡眠パターンが算出できるほどセンシングデータが十分に取得できていないと判断されると(ステップS402において、N)、処理はステップS401に戻る。そうでない場合(ステップS402において、Y)、ステップS403において、睡眠情報取得部252は睡眠パターンを算出し、睡眠情報として取得する。なお、睡眠情報取得部252は、入力部220を介したユーザによる入力から睡眠情報を取得する場合は、ステップS402およびS403の処理はスキップしてよい。
【0064】
ステップS404において、抽出部253は、記憶部240の生体情報242に蓄積された生体情報から所定の規則性を抽出する。例えば、処理部250が取得したシステムクロックを利用した現在日時から、生体情報の経時的な変化を解析する。具体的には、心拍数、脈拍数の変化や、睡眠状態の変化などの経時的な変化を解析する。
【0065】
ステップS405において、判定部254は、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報に対応する、センサ部225が計測した生体情報が、抽出部253が抽出した規則性に適合するか否かを判定する。そして、判定部254が、規則性に適合すると判定したことに応じて、判断部255は、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報は、ユーザの睡眠情報であると判断し(ステップS405において、Y)、処理はステップS406に進む。一方、判定部254が、規則性に適合しないと判定すれば、判断部255は、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報は、ユーザの睡眠情報でないと判断し(ステップS405において、N)、処理はステップS407に進む。
【0066】
ステップS406において、ゲーム実行部251は、ステップS403において取得した睡眠情報に基づいて、ゲーム処理を実行する。
【0067】
ステップS407において、ゲーム実行部251は、ユーザに対し、警告を行うよう出力部230を制御する。例えば、当該警告として、睡眠情報がユーザ自身のものではない可能性がある、睡眠情報が正しくない等の表示を行ったり、音声通知を行ったりする。また、上記警告とともに、または、警告の代わりに、ゲームの進行を中断したり、ユーザにとってゲームの進行が不利になるようなペナルティとなる処理を行うようにしてもよい。
【0068】
(効果の説明)
本実施形態では、ユーザの睡眠情報に基づいて進行するゲームにおいて、ゲーム処理を実行する際に、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かを判断する。すなわち、虚偽の睡眠情報を入力したり、他人の睡眠情報を計測したりするなどして、睡眠情報を不正に用いたユーザが、ゲームを有利に進行させることを防止する。ユーザ自身の正確な睡眠情報を取得することができるため、ゲームの公平性を担保し、また、ユーザに対し、睡眠情報を反映させるゲームによって健康意識を高めるという目的を達成させることができる。
【0069】
また、本実施形態では、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かの判断を、計測した生体情報に基づいて行う。ユーザが特に意識することなくセンシングされた生体情報に基づくことにより、精度よく当該判断を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態では、記憶した生体情報から所定の規則性を抽出し、取得した睡眠情報に対応する計測した生体情報が、抽出した規則性に適合するか否かを判定する。個体差のある生体情報の規則性を用いて当該適合の判定を行うことにより、より精度よく、上記判断を行うことができる。
【0071】
また、本実施形態では、生体情報として、いびきや寝言などの声に基づいて、睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かを判断する。いびきや寝言は、睡眠時に発せられるもので、その声紋によりユーザの同一性を判定することで、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか精度よく当該判断を行うことができる。
【0072】
<実施形態1の変形例1>
実施形態1の変形例1において、ユーザ端末200は、予め記憶部240に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、睡眠ゲームをユーザにプレイさせる構成である。ユーザ端末200が記憶するゲームプログラムは、記録媒体等を介して、更新することができる構成であってもよい。これにより、ユーザは、ネットワークを介してゲームサーバと接続されない環境下であっても、睡眠ゲームを楽しむことができる。
【0073】
<実施形態1の変形例2>
実施形態1の変形例2において、ゲームサーバ100は、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行するサーバ装置であって、ユーザ端末200から睡眠情報を取得し、取得した睡眠情報が、ユーザの睡眠情報であるかを判断する構成である。すなわち、ユーザ端末200が行うゲーム処理や、睡眠情報の判断は、ゲームサーバ100が行い、ユーザ端末200は、計測した生体情報をゲームサーバに送信する構成である。ユーザ端末200は、ゲームサーバ100からゲーム進行の処理結果を受信し、ユーザに提示する。なお、当該睡眠情報の判断は、ユーザ端末200における処理と同様であるため、説明は省略する。これにより、ユーザは、ゲームサーバ100にアクセスすることで、睡眠ゲームを楽しむことができる。
【0074】
<実施形態2>
実施形態1に係るゲームシステム1では、ユーザの生体情報に基づいて、睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かを判断した。それに対し、実施形態2に係るゲームシステム2(不図示)は、カメラが撮像した画像の認識結果に基づいて、当該判断を行う点で相違する。ゲームシステム2は、ゲームシステム1のユーザ端末200に代えて、ユーザ端末300を備える。
【0075】
図5は、実施形態2に係るユーザ端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態のユーザ端末300は図5の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。なお、実施形態1に係るユーザ端末200と共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0076】
ユーザ端末300は、カメラ322を備える点で、実施形態1に係るユーザ端末200と構成が異なる。また、ユーザ端末300は、ユーザ端末200の処理部250に代えて処理部350、記憶部240に代えて記憶部340を備える。
【0077】
カメラ322は、画像取得部に相当し、ユーザ端末300の周囲のオブジェクトを撮像する。カメラ322は、例えば、ユーザ端末300と通信可能な位置に設置される。また、例えば、ユーザ端末300において出力部230であるディスプレイが設けられる面、および/または、その背面に設けられてもよい。カメラ322は、眠っているユーザが撮像できる位置(例えば、ベッドサイド等)に設置されることが好ましい。
【0078】
カメラ322が所定の時間間隔で撮像した画像は、撮像した日時とともに、記憶部340の画像344に格納される。なお、撮像した画像は、静止画および動画を含む。
【0079】
処理部350において、画像認識部356は、画像344に格納された撮像画像に映っているオブジェクトを認識する。例えば、画像344には、予め、ユーザの頭部、顔、寝相、または、ユーザの寝具、寝間着などが登録されており、画像認識部356は、それらの登録された画像をテンプレートとして、撮像画像に対してテンプレートマッチングを行い、オブジェクトを認識するようにしてもよい。また、画像認識部356は、画像344に格納された撮像画像から、ユーザの寝相のパターンを認識するようにしてもよい。
【0080】
判断部355は、判断部255の処理に加え、睡眠情報取得部252が取得した睡眠情報に対応する時間帯に撮像された画像について画像認識部356が認識した結果に基づき、当該睡眠情報がユーザ自身のものであるかを判断する。例えば、取得した睡眠情報に対応する時間帯にユーザとは異なる人物が認識されている、ユーザのベッドに人物が映っていない、などの認識結果であれば、判断部355は、取得した睡眠情報はユーザの睡眠情報でないと判断する。また、例えば、取得した睡眠情報に対応する時間帯にユーザの顔が映っている、ユーザの寝相が映っている、寝相のパターンが一致する、などの認識結果であれば、判断部355は、取得した睡眠情報はユーザの睡眠情報であると判断する。
【0081】
なお、判断部355は、画像の認識結果と生体情報とを併用して、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか、すなわち、不正に用いられたものでないかを判断してもよい。これにより、精度よく当該判断を行うことができる。
【0082】
本実施形態に係るゲームシステムは、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かの判断を、撮像した画像の認識結果に基づいて行う。ユーザ自身が眠っているか否かを撮像されたオブジェクト、すなわち、外観により直接的に判定することができるため、睡眠情報がユーザ自身のものであるかを精度よく判断することができる。
【0083】
<実施形態3>
実施形態3に係るゲームシステム3は、位置情報に基づいて、睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かを判断する。
【0084】
図6は、ゲームシステム3の構成図である。図6を参照して、実施形態3に係るゲームシステム3の構成について説明する。なお、以下では、実施形態1および2と共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0085】
ゲームシステム3は、ゲームサーバ100と、ユーザ端末400と、を備え、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ユーザ端末400は、ユーザが装着するウェアラブル端末500と近距離無線通信を行う。ウェアラブル端末500は、ユーザの生体情報を計測し、ユーザ端末400に計測した生体情報を送信する。
【0086】
図7は、実施形態3に係るウェアラブル端末500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0087】
ウェアラブル端末500は、通信部510と、センサ部525とを備える。ウェアラブル端末500は、例えば、腕時計型や指輪型の端末、人体(胸部等)に張り付けられる導電性ゲルパッド等の情報処理端末である。
【0088】
通信部510は、ユーザ端末400と通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。例えば、ユーザ端末400とペアリングを行って通信を行う。ユーザ端末400とは、WiFiやBluetoothなどによって通信を行ってもよいし、電波通信や赤外線通信であってもよい。
【0089】
センサ部525は、ウェアラブル端末500を装着するユーザの生体情報を計測する。センサ部525は、計測した生体情報(センシングデータ)を、通信部510を介してユーザ端末400に送信する。
【0090】
位置情報検出部526は、ウェアラブル端末500の位置情報を検知する。本実施形態においては、位置情報検出部526は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて位置を検出する。位置情報検出部426は、例えばGPS(Global Positioning System)センサ(例えば、GPSモジュール)である。また、位置情報検出部526は、気圧センサの検出結果に基づいて高度の変化を算出することで、ユーザの高度を示す情報(例えばビルの何階にいるかを示す情報)を算出してもよい。通信部510は、検知した位置情報をユーザ端末400に送信する。
【0091】
図8は、実施形態3に係るユーザ端末400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態のユーザ端末400は図8の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0092】
ユーザ端末400の位置情報検出部426は、ユーザ端末400の位置情報を検出する。本実施形態においては、位置情報検出部426は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて位置を検出する。位置情報検出部426は、例えばGPS(Global Positioning System)センサ(例えば、GPSモジュール)である。なお、位置情報検出部426における位置検出方法は任意であり、位置情報検出部426は、例えば、ビーコンを用いて位置を検出してもよい。また、センサ部425は、例えば、ユーザ端末400が特定のアクセスポイントと通信を行う際に、アクセスポイントから取得可能な位置情報を検出してもよい。また、センサ部425は、ユーザ端末400がインターネットに接続された際の識別情報(IPアドレス等)に基づいて、ユーザ端末400が所在すると推定される位置を検出してもよい。
【0093】
また、位置情報検出部426は、気圧センサの検出結果に基づいて高度の変化を算出することで、ユーザの高度を示す情報(例えばビルの何階にいるかを示す情報)を算出してもよい。
【0094】
また、位置情報検出部426は、例えば、通信部210を介してウェアラブル端末500から送信された位置情報を取得し、ウェアラブル端末500の位置情報として検出するようにしてもよい。
【0095】
また、位置情報検出部426は、ウェアラブル端末500とユーザ端末400との位置関係(例えば、距離)を検出してもよい。例えば、ウェアラブル端末500の位置情報と、ユーザ端末400の位置情報とから、両端末の距離を算出することができる。
【0096】
位置情報検出部426は、検出した位置情報を、検出した日時と対応付ける。そして、記憶部440の位置情報444に格納する。
【0097】
ゲーム実行部451は、判断部455の判断に応じて、ゲームの進行処理を行う。
【0098】
睡眠情報取得部452は、実施形態1で詳述したようにして算出される睡眠情報と、当該睡眠情報に対応する時間帯に検出された位置情報とを関連付けて取得する。例えば、睡眠情報取得部452は、記憶部440の位置情報444から、対応する時間帯に検出された位置情報を入手し、睡眠情報と関連付ける。
【0099】
抽出部453は、記憶部440の睡眠履歴241および位置情報444を参照して、睡眠時間帯と当該睡眠の行われた位置(ユーザが眠った場所)の規則性を抽出する。例えば、睡眠時間帯におけるユーザ端末400の位置、ウェアラブル端末500の位置、ユーザ端末400とウェアラブル端末500との位置関係(距離)から、端末の位置、端末間の位置関係の規則性が抽出される。抽出された規則性から、例えば、ユーザのいつも使用するベッドの位置や、就寝時のユーザ端末400とウェアラブル端末500との位置関係が分かる。
【0100】
判定部454は、取得した睡眠情報、および関連付けられた位置情報が抽出した規則性に適合するか判定する。例えば、関連付けられた位置情報が、ユーザがいつも使用するベッドの位置であるか、ユーザ端末400とウェアラブル端末500との位置関係が規則性から抽出された距離にあるか、を判定する。これは、ユーザ端末400とウェアラブル端末500との位置が規則性から抽出された距離ではない場合は、ユーザ以外の第三者がウェアラブル端末500を装着している可能性が高いと考えられるからである。
【0101】
判断部455は、判定部454の判定に基づいて、取得した睡眠情報がユーザの睡眠情報であるか否かを判断する。すなわち、判定部454が、位置情報の規則性に適合すると判定したことに応じて、判断部455は、取得した睡眠情報がユーザの睡眠情報であると判断する。判定部454が、位置情報の規則性に適合しないと判定したことに応じて、判断部455は、取得した睡眠情報がユーザの睡眠情報でないと判断する。
【0102】
なお、判断部455は、位置情報と生体情報とを併用して、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか、すなわち、不正に用いられたものでないかを判断してもよい。例えば、ウェアラブル端末500のセンサ部525が計測する生体情報により、ウェアラブル端末500の人体からの取り外しやその頻度を算出し、第三者の装着を推定するようにしてもよい。
【0103】
また、判断部455は、ウェアラブル端末500において実行された処理を、ユーザ端末400に入力させるようにして、ウェアラブル端末500の装着者が、ユーザ端末400を保有するユーザ自身であるとの判定を併用してもよい。具体的には、ユーザ端末400がウェアラブル端末500に対して、所定の認証番号やキャラクタを表示させ、ユーザに表示内容をユーザ端末400に入力させる。また、ウェアラブル端末500を所定の回数振動させ、振動した回数をユーザ端末400に入力させる。判断部455は、ユーザ端末400がウェアラブル端末500に対して指示した処理内容と、ユーザの入力した内容とが一致すれば、ウェアラブル端末500の装着者とユーザ端末400の保有者とが同一であると判断する。これにより、精度よく当該判断を行うことができる。
【0104】
ゲーム実行部451は、判断部455が、位置情報に基づいて、取得した睡眠情報がユーザの睡眠情報でないと判断した場合、「今日はいつもと違う場所で寝ていますね、旅行中ですか?」などの出力を行って、ユーザに対して、睡眠情報の正否を問い合わせるようにしてもよい。
【0105】
本実施形態に係るゲームシステムは、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かの判断を、位置情報に基づいて行う。ユーザ自身が眠っているか否かを、いつも眠っている位置や、ウェアラブル端末との位置関係に基づいて判定することができるため、睡眠情報がユーザ自身のものであるかを精度よく判断することができる。
【0106】
<実施形態3の変形例>
実施形態3の変形例として、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かを、周囲の照度に基づいて判断する。
【0107】
図8において、ユーザ端末400のセンサ部225は、周囲の照度(明るさ)を検出し、検出した照度を、検出した日時と対応付け、記憶部440に格納する。
【0108】
そして、処理部450において、記憶部440に格納された睡眠履歴241および検出した照度から、睡眠情報と照度との規則性を抽出し、取得した睡眠情報の時間帯に検出された照度が、抽出された規則性に適合するか判定される。適合すると判定されれば、取得した睡眠情報は、ユーザ自身のものと判断される。
【0109】
なお、処理部450は、生体情報や画像、位置情報等の他の情報を併用して、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか、すなわち、不正に用いられたものでないかを判断してもよい。これにより、精度よく当該判断を行うことができる。
【0110】
上述したように、実施形態3の変形例では、取得した睡眠情報がユーザ自身のものであるか否かの判断を、ユーザ端末の周囲の照度に基づいて行う。一般的に、睡眠時には消灯されることが多いため、周囲の照度に基づくことにより、虚偽の睡眠情報の入力であるか否かを精度よく判断することができる。
【0111】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0112】
また、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本サーバを実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0113】
1,3 ゲームシステム、100 ゲームサーバ、200,300,400 ユーザ端末、500 ウェアラブル端末、110,210,510 通信部、130,240,340,440 記憶部、140,250,350,450 処理部、220 入力部、221 マイク、225,525 センサ部、230 出力部、322 カメラ、426,526 位置情報検出部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの睡眠情報を利用するゲームの進行処理を実行するサーバ装置であって、
前記ユーザが操作するユーザ端末から前記ユーザについて計測された生体情報を受信する通信部と、
前記生体情報から前記ユーザの睡眠情報を取得する睡眠情報取得部と、
前記生体情報の経時的変化が所定の規則性に適合するか否かを判定する判定部と、
前記取得した睡眠情報に基づいてゲーム処理を実行するゲーム実行部であって、前記判定部により、前記生体情報の経時的変化が所定の規則性に適合すると判定された場合、不正を判定した旨を前記ユーザ端末へ伝えるための処理を実行するゲーム実行部と
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記ゲーム実行部は、不正を判定した旨を前記ユーザ端末へ伝えるための処理として、前記ゲームを中断する処理を実行する請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記ゲーム実行部は、不正を判定した旨を前記ユーザ端末へ伝えるための処理として、前記ゲームの進行が不利になるようなペナルティとなる処理を実行する請求項1記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記ゲーム実行部は、不正を判定した旨を前記ユーザ端末へ伝えるための処理として、警告を行う処理を実行する請求項1記載のサーバ装置。
【請求項5】
コンピュータに、ユーザの睡眠情報を利用するゲームの進行処理を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明において実行される全ての処理を実行させるプログラム。
【請求項6】
コンピュータが、ユーザの睡眠情報に基づいてゲームの進行処理を実行する方法であって、前記コンピュータが、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明において実行される全ての処理を実行する方法。