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  • 特開-部品取付構造およびT字状ボルト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168799
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】部品取付構造およびT字状ボルト
(51)【国際特許分類】
   F16B 35/04 20060101AFI20231121BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
F16B35/04 J
F16B5/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080122
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】591179178
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】南 洋平
【テーマコード(参考)】
3J001
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001HA02
3J001JA10
3J001KA12
(57)【要約】
【課題】締結時にボルトの供回りを抑え、締結作業を容易にする技術を提供する。
【解決手段】T字状ボルト10は、軸部20と、軸部20の基端に形成される頭部22と、軸部20の基端側の外周面から軸部20よりも径方向外向きに張り出すように形成される回転規制部24と、を備える。頭部22は、上面視にて略長方形状に形成される表面30と、表面30の裏側に位置する締結面32と、を有する。表面30は、一対の第1対角部および一対の第2対角部と、一対の第1対角部から中心側に向かって立ち上がるように傾斜する傾斜面と、を有する。表面の短辺は第1対角部から第2対角部に向かって立ち上がるように傾斜する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を取り付けるための部品取付構造であって、
台座と、
前記台座に前記部品を固定するT字状ボルトと、を備え、
前記台座は、
前記部品を着座可能な複数の載置面と、
複数の前記載置面の間に形成される溝部と、
前記溝部の両側に前記載置面に向かって立設する一対の壁部と、
一対の前記壁部を切り欠くようにそれぞれ形成され、前記溝部に沿って延在する一対のスリット部と、を有し、
前記T字状ボルトは、
軸部と、
前記軸部の基端に形成される頭部と、
前記軸部の基端側の外周面から前記軸部よりも径方向外向きに張り出すように形成される回転規制部と、を有し、
前記頭部は、
上面視にて略長方形状に形成される表面と、
前記表面の裏側に位置し、締結時に一対のスリット部の上縁に係止する締結面と、を有し、
前記表面は、
一対の第1対角部および一対の第2対角部と、
一対の第1対角部から中心側に向かって立ち上がるように傾斜する傾斜面と、を有し、
前記表面の短辺は前記第1対角部から前記第2対角部に向かって立ち上がるように傾斜することを特徴とする部品取付構造。
【請求項2】
前記頭部はナットの締め付け時に前記ナットと供回りして、前記傾斜面が前記スリット部の下縁に摺動することで前記T字状ボルトを上昇させることを特徴とする請求項1に記載の部品取付構造。
【請求項3】
前記回転規制部は、前記傾斜面が前記スリット部の下縁に摺動する前は、前記スリット部に入り込み可能な高さに位置し、前記傾斜面が前記スリット部の下縁に摺動して前記T字状ボルトが上昇すると、前記スリット部の上側の前記壁部に当接することを特徴とする請求項2に記載の部品取付構造。
【請求項4】
軸部と、
前記軸部の基端に形成される頭部と、
前記軸部の基端側の外周面から前記軸部よりも径方向外向きに張り出すように形成される回転規制部と、を備え、
前記頭部は、
上面視にて略長方形状に形成される表面と、
前記表面の裏側に位置する締結面と、を有し、
前記表面は、
一対の第1対角部および一対の第2対角部と、
一対の第1対角部から中心側に向かって立ち上がるように傾斜する傾斜面と、を有し、
前記表面の短辺は前記第1対角部から前記第2対角部に向かって立ち上がるように傾斜することを特徴とするT字状ボルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、T字状ボルトによって部品を台座に取り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、載置面を有するパレット本体と、載置面から延出したボルトと、ボルトに螺合するナットと、ボルトおよびナットによってパレット本体に固定される支持部材とを備えるパレットが開示されている。支持部材の固定時には、ボルトの頭部がパレット本体に形成された溝部に差し込まれてナットが締め付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-6958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボルトをナットで締め付ける場合、ボルトがナットと供回りすることを抑えることが望ましい。しかしながら、ボルトの頭部が溝部に差し込まれた状態では、頭部を手指等で押さえ付けることが容易でない。
【0005】
本発明の目的は、締結時にボルトの供回りを抑え、締結作業を容易にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、部品を取り付けるための部品取付構造であって、台座と、台座に部品を固定するT字状ボルトと、を備える。台座は、部品を着座可能な複数の載置面と、複数の載置面の間に形成される溝部と、溝部の両側に載置面に向かって立設する一対の壁部と、一対の壁部を切り欠くようにそれぞれ形成され、溝部に沿って延在する一対のスリット部と、を有する。T字状ボルトは、軸部と、軸部の基端に形成される頭部と、軸部の基端側の外周面から軸部よりも径方向外向きに張り出すように形成される回転規制部と、を有する。頭部は、上面視にて略長方形状に形成される表面と、表面の裏側に位置し、締結時に一対のスリット部の上縁に係止する締結面と、を有する。表面は、一対の第1対角部および一対の第2対角部と、一対の第1対角部から中心側に向かって立ち上がるように傾斜する傾斜面と、を有する。表面の短辺は第1対角部から第2対角部に向かって立ち上がるように傾斜する。
【0007】
本発明の別の態様は、T字状ボルトである。このT字状ボルトは、軸部と、軸部の基端に形成される頭部と、軸部の基端側の外周面から軸部よりも径方向外向きに張り出すように形成される回転規制部と、を備える。頭部は、上面視にて略長方形状に形成される表面と、表面の裏側に位置する締結面と、を有する。表面は、一対の第1対角部および一対の第2対角部と、一対の第1対角部から中心側に向かって立ち上がるように傾斜する傾斜面と、を有する。表面の短辺は第1対角部から第2対角部に向かって立ち上がるように傾斜する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、締結時にボルトの供回りを抑え、締結作業を容易にする技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例のT字状ボルトの斜視図である。
図2図2(a)は、T字状ボルトの正面図であり、図2(b)は、T字状ボルトの側面図である。
図3図3(a)は、T字状ボルトの上面図であり、図3(b)は、T字状ボルトの下面図である。
図4】T字状ボルトを取り付ける台座の斜視図である。
図5】実施例の部品取付構造を示す図である。
図6】取付時のT字状ボルトの動作を説明するための図である。
図7】取付時のT字状ボルトの動作を説明するための図であり、図6(b)の続きの動作図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施例のT字状ボルト10の斜視図である。図1(a)はT字状ボルト10を上側から見た図であり図1(b)はT字状ボルト10を下側から見た図である。図2(a)は、T字状ボルト10の正面図であり、図2(b)は、T字状ボルト10の側面図である。また、図3(a)は、T字状ボルト10の上面図であり、図3(b)は、T字状ボルト10の下面図である。なお、実際にはT字状ボルト10にネジ溝が形成されているが、これらの図面ではネジ溝を省いて示す。
【0011】
T字状ボルト10は正面視にてT字状に形成される。T字状ボルト10は、軸部20、頭部22および回転規制部24を備える。軸部20は、外周面にらせん状のネジ溝を有する。大径部26は、軸部20の基端側に位置し、ネジ部よりも大径である。回転規制部24は、図1(b)および図3(b)に示すように、軸部20の基端側に一対形成され、軸部20よりも径方向外向きに張り出す。回転規制部24は、頭部22よりも径方向外側に出ていない。回転規制部24は、図3に示す上面視にて三角形状に形成され、その一辺が頭部22の長辺に沿う。回転規制部24および大径部26は、頭部22に連なっている。
【0012】
頭部22は、四角柱状に形成され、軸部20の基端に形成される。頭部22は、図2(b)に示すように、頭部22の横幅は軸部20の最大径とほぼ同じである。頭部22は、表面30および締結面32を有する。締結面32は、頭部22の裏側に位置し、軸部20より径方向外向きに張り出す。
【0013】
表面30は、上面視にて略長方形状に形成される。表面30は、対角に位置する第1対角部34aおよび第1対角部34b(これらを区別しない場合、単に「第1対角部34」という)と、対角に位置する第2対角部36aおよび第2対角部36bと(これらを区別しない場合、単に「第2対角部36」という)を有する。なお、第1対角部34および第2対角部36は、尖っている態様に限られず、丸みを帯びていてよい。また、第1対角部34は第2対角部36よりも丸みを帯びていてよい。表面30は、中央に位置する上端面31と、上端面31から第1対角部34a,34bに向かって下がる一対の傾斜面28a,28bとを有する。
【0014】
傾斜面28a,28bは、図3(a)に示す第1対角部34から中心C側に向かって立ち上がるように傾斜し、平らに形成され、一方の長辺38から他方の長辺38に亘って形成される。一方の傾斜面28aは、第1対角部34aから一方の長辺38の中点P1まで形成され、第1対角部34aから短辺40を亘って他方の長辺38の点P2まで形成される。他方の傾斜面28bは、第1対角部34bから他方の長辺38の中点P3まで形成され、第1対角部34bから短辺40を亘って一方の長辺38の点P4まで形成される。他方の長辺38の点P2は、一方の長辺38の中点P1よりも短辺40側に位置する。傾斜面28aおよび傾斜面28bを区別しない場合、単に傾斜面28という。傾斜面28aおよび傾斜面28bは中心Cに対して対称形状である。傾斜面28aは、第1対角部34aから一方の長辺38の中点P1よりも遠くの位置まで延在してよく、傾斜面28bも同様である。傾斜面28は、T字状ボルト10の回転時に台座のスリットの縁に摺動可能である。上端面31は、平らに形成され、平行四辺形になっている。
【0015】
図2(b)に示すように、表面30の短辺40は、第1対角部34から第2対角部36に向かって直線状に立ち上がるように傾斜している。これにより、傾斜面28a,28bがガイドする際に短辺40が引っ掛からない。第2対角部36は、上端面31より低い位置にある。
【0016】
図2(a)には、第1対角部34aから中点P1までの傾斜面28aの一辺が径方向に対して傾斜する傾斜角θ1を示す。すなわち傾斜角θ1は、長辺38側の傾斜面28aの傾斜を示す。なお、径方向は、軸部20の軸方向に直交する。また、図2(b)には、第1対角部34aから第2対角部36aまでの傾斜面28aの一辺が径方向に対して傾斜する傾斜角θ2を示す。すなわち傾斜角θ2は、短辺40側の傾斜面28aの傾斜を示す。傾斜角θ1および傾斜角θ2は、ほぼ同じであり、例えば15度から30度の範囲に設定され、より好ましくは、20度から25度の範囲に設定される。これにより、傾斜面28a,28bによる回転時のガイドを安定させることができる。
【0017】
図4は、T字状ボルト10を取り付ける台座12の斜視図である。台座12は、溝部12a、壁部12b、スリット部12cおよび載置面12fを有する。載置面12fは、平らな上面を形成し、部品を着座可能である。複数の載置面12fの間に溝部12aが設けられ、溝部12aは載置面12fよりも低い位置に底面を形成する。
【0018】
壁部12bは、溝部12aの両側にそれぞれ形成され、溝部12aから載置面12fに向かって立設する。複数の溝部12aおよび複数の壁部12bは、平行に延在する。図4では、載置面12fが3個並んでいる態様を示すが、この態様に限られず、2個や4個以上であってよい。また、台座12同士が連結されてもよい。
【0019】
スリット部12cは、壁部12bを切り欠くように長孔状にそれぞれ形成され、溝部12aに沿って延在する。溝部12aの両側で対向する一対のスリット部12cは、平行で同じ高さに設けられる。つまり、複数の壁部12bにそれぞれ設けられるスリット部12cは、同じ形状である。スリット部12cの上縁12dおよび下縁12eは直線状に伸びている。
【0020】
図5は、実施例の部品取付構造1を示す。部品取付構造1は、T字状ボルト10、台座12、部品14およびナット16を備える。部品14は、台座12の載置面12fに着座する板部を有する。部品14は、例えば、台座12に載置された物品を支持する支持ブラケットであり、支持壁を有する。台座12に載置される物品は、例えば冷蔵庫や洗濯機などの電化製品であり、台座12に載置された状態で、海外を含めた各地に輸送される。部品14は、台座12に載置された物品の少なくとも4隅を支持し、その物品の大きさや配置に応じて適切な位置に固定される。部品14は、T字状ボルト10によって、スリット部12cがある任意の位置に固定できるため、輸送する物品の大きさが異なっても対応できる。部品14は、台座12に載置する物品の種類やそれに対する支持位置によって、異なる形状であってよいが、少なくとも軸部20を挿入する取付孔14aを有する。取付孔14aは、丸孔状、長孔状または円弧状であってよい。
【0021】
部品14は、載置面12fに着座した状態で、軸部20を挿入され、ナット16によって押さえつけられて固定されている。軸部20が取付孔14aに挿入され、ナット16が軸部20に螺合することで、T字状ボルト10の頭部22およびナット16が、台座12および部品14を挟持する。部品14の取付状態で、頭部22の締結面32が一対のスリット部12cの上縁12dに係止している。
【0022】
頭部22および回転規制部24を合わせた軸方向長さL1は、スリット部12cの軸方向長さL2よりも大きい。これにより、頭部22の上端面31がスリット部12cの下縁12eに載った状態で、回転規制部24が壁部12bに当接することができる。
【0023】
軸方向における第1対角部34から上端面31までの傾斜面28の高さを傾斜面28の軸方向長さL3という。頭部22および回転規制部24の軸方向長さL1とスリット部12cの軸方向長さL2との差は、傾斜面28の軸方向長さL3よりも小さい。つまり、下記式1を満たす。
L1-L2<L3 ・・・式1
T字状ボルト10が回転して傾斜面28がスリット部12cの下縁12eに摺動した場合に、T字状ボルト10が傾斜面28の軸方向長さL3だけ持ち上げられる。このときに、回転規制部24がスリット部12c内に位置した状態から、スリット部12cの上縁12dよりも上方に必ず引き上げられ、壁部12bに当接させることができる。
【0024】
図6は、取付時のT字状ボルト10の動作を説明するための図である。なお、部品14は省略して示すが、実際には軸部20を挿入された部品14が台座12に載置される。図6(a)には、T字状ボルト10が頭部22から溝部12aに差し込まれた状態を示す。
ユーザは、頭部22の向きを溝部12aに沿って合わせてT字状ボルト10を溝部12aに差し込み、頭部22が溝部12aの上に載る。
【0025】
次にユーザは部品14の取付孔14aに軸部20を挿入させ、部品14を台座12に載せ、ナット16を締める。図6(b)には、ナット16が締められ、T字状ボルト10がナット16の締め付け方向に回転トルクを受けている様子を示す。
【0026】
頭部22は、ナット16を締め付けている間は常に回転トルクを受けており、当初はスリット部12cの下縁12eに引っ掛かって、回転せず、ナット16に接近するよう上昇する。ナット16の締め付けによって頭部22が上昇すると、頭部22がナット16と供回りし始め、傾斜面28がスリット部12cの下縁12eに乗り上げる。
【0027】
図7は、取付時のT字状ボルト10の動作を説明するための図であり、図6(b)の続きの動作図を示す。図7(a)では、ナット16との供回りによって傾斜面28がスリット部12cの下縁12eに摺動する様子を示す。傾斜面28は、回転トルクを回転成分と上方成分に変換するため、T字状ボルト10が軸周りに回転するとともに軸方向上向きに移動する。つまり、頭部22はナット16の締め付け時にナット16と供回りして、傾斜面28がスリット部12cの下縁12eに摺動することでT字状ボルト10を上昇させる。T字状ボルト10が上昇することで、回転規制部24がスリット部12cの上縁12dより上側に出て、回転規制機能を発揮可能になる。
【0028】
ナット16との供回りによって傾斜面28がスリット部12cの下縁12eに摺動する際、表面30の短辺40が第1対角部34から第2対角部36に向かってスリット部12c内に入り込む。このとき表面30の短辺40が第1対角部34から第2対角部36に向かって立ち上がるように傾斜しているため、T字状ボルト10が上昇することになる。
【0029】
図7(b)は回転規制部24よりも軸部20先端側の大径部26で切断した断面を示す。図7(b)では、頭部22の回転および上昇によって回転規制部24が壁部12bに当接した状態を示す。これにより、T字状ボルト10の供回りが止まり、ナット16が締め付けられ、締結面32がスリット部12cの上縁12dに係止する。このように、T字状ボルト10がナット16と供回りすれば、傾斜面28の摺動によって回転規制部24が壁部12bに当接して、供回りが止まるため、作業者は、ナット16を締め付けるだけで締結することができる。
【0030】
傾斜面28がスリット部12cの下縁12eに摺動する前は、回転規制部24は、スリット部12cに入り込み可能な高さ、すなわちスリット部12cの上縁12dより下側に位置する。これにより、回転規制部24を軸方向長さを小さくできる。一方、傾斜面28がスリット部12cの下縁12eに摺動してT字状ボルト10が上昇すると、回転規制部24はスリット部12cの上側の壁部12bに当接する。これにより、回転規制部24が壁部12bに当接しない位置から当接する位置に移動し、回転規制機能を発揮できる。
【0031】
図2に示す傾斜角θ1および傾斜角θ2が、例えば15度から30度の範囲に設定されるため、摺動時に傾斜面28が下縁12eに引っかかることを抑えつつ、T字状ボルト10を所望量を上昇させることが可能となる。
【0032】
なお実施例はあくまでも例示であり、各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0033】
例えば、実施例では、部品14が支持ブラケットである態様を示したが、その態様に限られず、部品14が輸送する物品の一部であってもよい。
【0034】
また、実施例では、T字状ボルト10がスリット部12cを有する台座12に取り付けられる態様を示したが、その態様に限られず、T字状ボルト10は様々な形状の台座に取り付けられてよい。例えば台座は、並行な一対の板部を有し、T字状ボルト10の締結面32がその一対の板部に引っ掛けられてよい。つまり、T字状ボルト10の取付対象になる台座は、T字状ボルト10の締結面32が引っ掛けられる形状であればよく、少なくとも並行な一対のレール縁を有していればよい。また、T字状ボルト10は、図4に示す台座12と、上記の別形状の台座にそれぞれ用いられてよい。
【符号の説明】
【0035】
1 部品取付構造、 10 T字状ボルト、 12 台座、 12a 溝部、 12b 壁部、 12c スリット部、 12d 上縁、 12e 下縁、 12f 載置面、 14 部品、 14a 取付孔、 16 ナット、 20 軸部、 22 頭部、 24 回転規制部、 26 大径部、 28 傾斜面、 30 表面、 31 上端面、 32 締結面、 34a,34b 第1対角部、 36a,36b 第2対角部、 38 長辺、 40 短辺。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7