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特開2023-16880作業車両用の自動走行システム、及び作業車両用の自動走行方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016880
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】作業車両用の自動走行システム、及び作業車両用の自動走行方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230126BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
G05D1/02 H
A01B69/00 303K
A01B69/00 303M
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187146
(22)【出願日】2022-11-24
(62)【分割の表示】P 2021117163の分割
【原出願日】2018-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】西井 康人
(57)【要約】
【課題】往復案内経路の生成を容易にしつつ周回案内経路を生成できるようにして自動走行による作業後に残る未耕地を少なくする。
【解決手段】作業車両用の自動走行システムは、目標経路生成部を備える。目標経路生成部は、作業地Aにおいて作業車両1を蛇行状に往復案内するための往復案内経路P1と、作業車両1を作業地Aの外周側において周回案内するための周回案内経路P2と、を生成する。周回案内経路P2の最終経路は、作業地Aにおける作業車両1の出口に向かう経路である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業地において作業車両を蛇行状に往復案内するための往復案内経路と、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内するための周回案内経路と、を生成する目標経路生成部を備え、
前記周回案内経路の最終経路は、前記作業地における前記作業車両の出口に向かう経路である、
作業車両用の自動走行システム。
【請求項2】
前記周回案内経路の前記最終経路は、前記出口から前記作業車両が前記作業地外に退出する際の退出方向と同一方向に延びる経路である、
請求項1に記載の作業車両用の自動走行システム。
【請求項3】
前記周回案内経路は、前記周回案内経路の始端部に接続され、前記出口から離れる向きに前記作業車両を案内する経路を含む、
請求項1または2に記載の作業車両用の自動走行システム。
【請求項4】
前記往復案内経路は、前記作業地において、前記出口のない第1端部領域から、前記出口が設けられている第4端部領域に向けて前記作業車両を蛇行状に往復案内する経路である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の作業車両用の自動走行システム。
【請求項5】
作業地において作業車両を蛇行状に往復案内するための往復案内経路と、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内するための周回案内経路と、を生成する作業車両用の自動走行方法であって、
前記周回案内経路の最終経路は、前記作業地における前記作業車両の出口に向かう経路である、
作業車両用の自動走行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両を蛇行状に往復案内する往復案内経路と、作業車両を作業地の外周側において周回案内する周回案内経路と、を生成する目標経路生成部を備えた作業車両用の自動走行システム、及び作業車両用の自動走行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業車両用の自動走行システムとしては、圃場の形状から中央作業地とその周囲に位置する枕地とを区分けする区分けデータを生成し、直線状の往復経路とUターン経路とを有する中央作業地走行経路(往復案内経路)を子作業車用の目標走行経路として算定し、子作業車が親作業車に先行して目標走行経路に基づいて自動走行した後、親作業車が手動運転で子作業車に先行して枕地を周回走行するのに伴って、親作業車の走行軌跡に基づいて枕地での子作業車用の目標走行経路となる枕地走行経路(周回案内経路)を算定する経路算定モジュールを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-31649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の作業車両用の自動走行システムにおいては、中央作業地が、往復案内経路に基づく作業車の自動走行によって作業される自動作業領域となり、枕地が、親作業車の手動運転に基づく子作業車の自動走行によって作業される半自動作業領域となるように、圃場内の作業領域を区分けすることが行われている。これにより、例えば、往復案内経路に基づく自動走行による作業によって、中央作業地の旋回側に不揃いの残耕が残るようになったとしても、枕地での半自動運転による作業車の周回走行により、中央作業地の旋回側に残る不揃いの残耕を枕地の未耕地とともに耕耘することができる。その反面、往復案内経路などを生成する上においては、その前の段階にて前述した区分けデータを生成する必要がある。この区分けデータは、これに基づいて圃場内の作業領域を区分けすることで得られる中央作業地とその周囲に位置する枕地とのそれぞれが、作業車の作業幅などを考慮して算定された例えば作業幅の整数倍の幅寸法を有する領域となるように、圃場内の作業領域を区分けするためのものであることから、その生成に複雑な演算処理を要することになる。つまり、往復案内経路などを生成する上においては、複雑な演算処理を要する区分けデータを生成する必要があることから、往復案内経路などの生成を容易にする上において改善の余地がある。また、枕地での周回走行はユーザによる親作業車の手動運転に基づくことから、ユーザの負担を軽減する上においても改善の余地がある。
【0005】
ところで、往復案内経路を生成する上においては、基準経路となる往復案内経路における1番目の往路を圃場の端辺に近接させて生成するほど、往復案内経路の生成が容易になり、また、往復案内経路が長くなることにより、往復案内経路に基づく自動走行による作業後に残る未耕地を少なくすることができる。その反面、基準経路と圃場の端辺との間に周回用の経路を生成するための領域を確保することが難しくなり、この領域を確保することができない場合は、中央作業地の旋回側に残る不揃いの残耕を周回走行で耕耘することができなくなる。
【0006】
上記の実情に鑑み、本発明の主たる課題は、往復案内経路および周回案内経路の生成を容易にしながら自動走行による作業後に残る作業地での未作業領域を少なくする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る作業車両用の自動走行システムは、目標経路生成部を備える。前記目標経路生成部は、作業地において作業車両を蛇行状に往復案内するための往復案内経路と、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内するための周回案内経路と、を生成する。前記周回案内経路の最終経路は、前記作業地における前記作業車両の出口に向かう経路である。
【0008】
本発明の一態様に係る作業車両用の自動走行方法は、作業地において作業車両を蛇行状に往復案内するための往復案内経路と、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内するための周回案内経路と、を生成する。前記作業車両用の自動走行方法では、前記周回案内経路の最終経路は、前記作業地における前記作業車両の出口に向かう経路である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業車両用の自動走行システムの概略構成を示す図
図2】作業車両用の自動走行システムの概略構成を示すブロック図
図3】目標経路生成部により生成される目標経路のうちの第1例示経路を示す図
図4】目標経路生成制御のフローチャート
図5】目標経路生成部により生成される目標経路のうちの第2例示経路を示す図
図6】目標経路生成部により生成される目標経路のうちの第3例示経路を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る作業車両用の自動走行システムを、作業車両の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本発明に係る作業車両用の自動走行システムは、トラクタ以外の、乗用草刈機などの乗用作業車両、および、無人草刈機などの無人作業車両に適用することができる。
【0011】
図1~2に示すように、本実施形態で例示するトラクタ1は、作業車両用の自動走行システムによって作業地の一例である圃場Aにおいて自動走行するように構成されている。作業車両用の自動走行システムは、トラクタ1に搭載された自動走行ユニット2と、自動走行ユニット2と通信可能に通信設定された携帯通信端末3とを備えている。携帯通信端末3には、タッチ操作可能な液晶パネル4などを有するタブレット型のパーソナルコンピュータが採用されている。
なお、携帯通信端末3には、ノート型のパーソナルコンピュータまたはスマートフォンなどを採用することができる。
【0012】
図1に示すように、トラクタ1は、その後部に3点リンク機構5を介して、作業装置の一例であるロータリ耕耘装置6が昇降可能かつローリング可能に連結されている。これにより、このトラクタ1はロータリ耕耘仕様に構成されている。
なお、トラクタ1の後部には、ロータリ耕耘装置6に代えてプラウや草刈装置などの作業装置を連結することができる。
【0013】
図1~2に示すように、トラクタ1には、駆動可能で操舵可能な左右の前輪7、駆動可能な左右の後輪8、搭乗式の運転部を形成するキャビン9、コモンレールシステムを有する電子制御式のディーゼルエンジン(以下、エンジンと称する)10、エンジン10からの動力を変速する電子制御式の変速装置11、左右の前輪7を操舵する全油圧式のパワーステアリング機構12、左右の後輪8を制動する左右のサイドブレーキ(図示せず)、左右のサイドブレーキの油圧操作を可能にする電子制御式のブレーキ操作機構13、ロータリ耕耘装置6への伝動を断続する作業クラッチ(図示せず)、作業クラッチの油圧操作を可能にする電子制御式のクラッチ操作機構14、ロータリ耕耘装置6を昇降駆動する電子油圧制御式の昇降駆動機構15、トラクタ1の自動走行などに関する各種の制御プログラムなどを有する車載電子制御ユニット16、トラクタ1の車速を検出する車速センサ17、前輪7の操舵角を検出する舵角センサ18、および、トラクタ1の現在位置や現在方位などを測定する測位ユニット19、などが備えられている。
なお、エンジン10には、電子ガバナを備えた電子制御式のガソリンエンジンを採用してもよい。変速装置11には、油圧機械式無段変速装置(HMT)、静油圧式無段変速装置(HST)、または、ベルト式無段変速装置、などを採用することができる。パワーステアリング機構12には、電動モータを備えた電動式のパワーステアリング機構などを採用してもよい。
【0014】
図1に示すように、キャビン9の内部には、パワーステアリング機構12を介した左右の前輪7の手動操舵を可能にするステアリングホイール20と乗車用の座席21とが備えられている。また、図示は省略するが、変速装置11の手動操作を可能にする変速レバー、左右のサイドブレーキの人為操作を可能にする左右のブレーキペダル、および、ロータリ耕耘装置6の手動昇降操作を可能にする昇降レバー、などが備えられている。
【0015】
図2に示すように、車載電子制御ユニット16は、トラクタ1の走行を制御する走行制御部16A、ロータリ耕耘装置6の駆動および昇降を制御する作業制御部16B、および、トラクタ1の最小旋回半径とロータリ耕耘装置6の作業幅とを含む車体データや自動走行用の目標経路Pなどを記憶する不揮発性の車載記憶部16C、などを有している。走行制御部16Aには、変速装置11の作動を制御する変速制御手段、左右のサイドブレーキの作動を制御する制動制御手段、および、自動走行時にパワーステアリング機構12の作動を制御するステアリング制御手段、などが含まれている。作業制御部16Bには、クラッチ操作機構14の作動を制御する作業動力制御手段、および、昇降駆動機構15の作動を制御する昇降制御手段、などが含まれている。
【0016】
つまり、このトラクタ1においては、変速装置11、パワーステアリング機構12、ブレーキ操作機構13、クラッチ操作機構14、昇降駆動機構15、車載電子制御ユニット16、車速センサ17、舵角センサ18、測位ユニット19、および、通信モジュール28、などによって自動走行ユニット2が構成されている。
【0017】
図1~2に示すように、測位ユニット19には、衛星測位システム(NSS:Navigation Satellite System)の一例であるGPS(Global Positioning System)を利用してトラクタ1の現在位置と現在方位とを測定する衛星航法装置22、および、3軸のジャイロスコープおよび3方向の加速度センサなどを有してトラクタ1の姿勢や方位などを測定する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)23、などが備えられている。GPSを利用した測位方法には、DGPS(Differential GPS:相対測位方式)やRTK-GPS(Real Time Kinematic GPS:干渉測位方式)などがあり、本実施形態においては、移動体の測位に適したRTK-GPSが採用されている。そのため、圃場周辺の既知位置には、RTK-GPSによる測位を可能にする基準局24が設置されている。
【0018】
トラクタ1と基準局24とのそれぞれには、GPS衛星25から送信された電波を受信するGPSアンテナ26,27、および、トラクタ1と基準局24との間における測位データを含む各種データの無線通信を可能にする通信モジュール28,29、などが備えられている。これにより、衛星航法装置22は、トラクタ側のGPSアンテナ26がGPS衛星25からの電波を受信して得た測位データと、基地局側のGPSアンテナ27がGPS衛星25からの電波を受信して得た測位データとに基づいて、トラクタ1の現在位置および現在方位を高い精度で測定することができる。また、測位ユニット19は、衛星航法装置22と慣性計測装置23とを備えることにより、トラクタ1の現在位置、現在方位、姿勢角(ヨー角、ロール角、ピッチ角)を高精度に測定することができる。
【0019】
図2に示すように、携帯通信端末3には、液晶パネル4などの作動を制御する各種の制御プログラムなどを有する端末電子制御ユニット30、および、トラクタ側の通信モジュール28との間における各種のデータの無線通信を可能にする通信モジュール31、などが備えられている。端末電子制御ユニット30は、ユーザの手動入力やトラクタ側との無線通信などで得た各種のデータを記憶する不揮発性の端末記憶部30A、および、車体データや圃場データなどに基づいて目標経路Pを生成する目標経路生成部30B、などを有している。
なお、端末記憶部30Aに記憶される各種のデータには、目標経路Pの検索や生成に使用する車体データや圃場データ、および、圃場Aごとに生成した目標経路P、などが含まれている。
【0020】
図1~3に示すように、目標経路生成部30Bは、液晶パネル4に表示された目標経路生成用の操作案内に基づくユーザの手動入力やトラクタ側との無線通信などによって使用するトラクタ1の車体データおよび作業対象の圃場データなどを取得した場合に、取得した車体データおよび圃場データなどに該当する目標経路Pが端末記憶部30Aに記憶されているか否かを判別する。該当する目標経路Pが記憶されている場合は、その目標経路Pを端末記憶部30Aから読み出して液晶パネル4に表示させる。該当する目標経路Pが記憶されていない場合は、目標経路Pの生成に必要な測位データを得るための測位データ取得走行の実行案内を液晶パネル4に表示させてユーザに測位データ取得走行を行わせる。そして、この測位データ取得走行中にトラクタ側との無線通信で得られた測位データなどに基づいて、作業対象圃場Aの区画や形状などの圃場データを取得し、取得した圃場データおよび車体データなどに基づいて、このトラクタ1を作業対象の圃場Aで自動走行させるのに適した目標経路Pを生成する目標経路生成制御を実行する。そして、生成した目標経路Pを、液晶パネル4に表示させるとともに、車体データおよび圃場データなどと関連付けて端末記憶部30Aに記憶させる。目標経路Pには、目標経路Pの基準方位、作業開始位置、作業終了位置、および、目標経路Pでのトラクタ1の走行状態などに応じて設定された目標エンジン回転数や目標車速、などが含まれている。
【0021】
以下、図4に示すフローチャートに基づいて、目標経路生成制御にて図3に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合の目標経路生成部30Bの制御作動について説明する。
【0022】
図3~4に示すように、目標経路生成部30Bは、先ず、車体データに含まれたトラクタ1の全長やロータリ耕耘装置6の大きさ、および、圃場データに含まれた圃場Aの形状や大きさ、などに基づいて、圃場Aを圃場Aの外周に隣接するマージン領域Aaと圃場中央側の作業領域Abとに区分けする領域区分け処理(図4のステップ#1)を行う。マージン領域Aaは、トラクタ1が圃場Aの外周側で自動走行するときに、トラクタ1が圃場Aからはみ出す虞やロータリ耕耘装置6が圃場Aに隣接する畦などに接触する虞を回避するために、圃場Aの外周と作業領域Abとの間に確保された幅狭の領域である。
次に、車体データに含まれたトラクタ1の最小旋回半径やロータリ耕耘装置6の作業幅、圃場データに含まれた圃場Aに対するトラクタ1の入出経路R、および、領域区分け処理で区分けした作業領域Ab、などに基づいて、目標経路Pを生成する目標経路生成処理(図4のステップ#2~8)を行う。
目標経路生成処理では、先ず、目標経路Pのうち、圃場Aの第1端部領域A1において圃場Aの第1端辺A1aに隣接する単一の基準経路Paを、目標経路Pの生成基準として生成する基準経路生成処理(図4のステップ#2)を行う。次に、基準経路Paから作業幅に応じた一定間隔ごとに位置して基準経路Paに対して平行に並ぶ10本の並列経路Pbを生成する並列経路生成処理(図4のステップ#3)を行う。その後、基準経路Paと10本の並列経路Pbとを一連に接続する10本の第1転回経路Pcを生成する第1転回経路生成処理(図4のステップ#4)を行う。そして、これらの生成処理により、単一の基準経路Paと10本の並列経路Pbと10本の第1転回経路Pcとを有して、トラクタ1を蛇行状に往復案内する往復案内経路P1を生成する。なお、各第1転回経路Pcには、最小旋回半径が作業幅の半分以下の場合に好適なU字旋回や、最小旋回半径が作業幅の半分よりも大きい場合に好適なスイッチバックを利用したスイッチバック旋回、などを採用することができる。
次に、所定数の第1転回経路Pcが位置する圃場Aの第2端部領域A2と第3端部領域A3とにおいて第1転回経路Pcの配列方向に延びる一対の端部経路Pdを生成する端部経路生成処理(図4のステップ#5)を行う。その後、基準経路Paと一対の端部経路Pdとを一連に接続する2本の第2転回経路Peを生成する第2転回経路生成処理(図4のステップ#6)を行う。そして、これらの生成処理により、単一の基準経路Paと一対の端部経路Pdと2本の第2転回経路Peとを有して、トラクタ1を圃場Aの外周側において周回案内する周回案内経路P2を生成する。なお、各第2転回経路Peには、作業領域Abの外周を揃えるのに適したスイッチバック旋回が採用されている。
次に、往復案内経路P1の終端部を周回案内経路P2の始端部に接続する接続経路Pfを生成する接続経路生成処理(図4のステップ#7)を行う。これにより、往復案内経路P1と周回案内経路P2とを有する目標経路Pを生成する。なお、接続経路Pfには、作業領域Abの外周を揃えるのに適したスイッチバック旋回が採用されている。
その後、往復案内経路P1と周回案内経路P2における各経路Pa~Pfを、トラクタ1が作業を行う作業経路(図3にて実線で示す経路)や作業を行わない非作業経路(図3にて破線で示す経路)に設定する作業経路設定処理(図4のステップ#8)を行うことで、往復案内経路P1においては、基準経路Paと各第1転回経路Pcとを非作業経路に設定し、各並列経路Pbを作業経路に設定する。また、周回案内経路P2においては、基準経路Paと一対の端部経路Pdとを作業経路に設定し、各第2転回経路Peを非作業経路に設定する。そして、接続経路Pfを非作業経路に設定する。
なお、図3においては、目標経路Pにおける往復案内経路P1と周回案内経路P2との判別及び作業経路と非作業経路との判別を行い易くするために、目標経路Pのうちの往復案内経路P1が太線で示され、往復案内経路P1での各作業経路が太い実線で示され、往復案内経路P1での各非作業経路が太い破線で示されている。また、目標経路Pのうちの周回案内経路P2が細線で示され、周回案内経路P2での各作業経路が細い実線で示され、周回案内経路P2での各非作業経路が細い破線で示されている。そのため、往復案内経路P1には非作業経路として含まれ、周回案内経路P2には作業経路として含まれる基準経路Paは、同一経路であるが、図3において平行に位置ずれした太い破線と細い実線との2本の線で示されている。これと同様に、目標経路Pの各経路Pa~Pfを判別し易くするために、それらの重複する経路部分も位置ずれさせて示すようにしている。
【0023】
これにより、図3に例示した圃場Aにおいては、この目標経路Pと測位ユニット19の測位結果とに基づく走行制御部16Aの制御作動により、トラクタ1が、往復案内経路P1の走行後に周回案内経路P2を走行して入出経路Rから圃場外に退出するように、トラクタ1を自動走行させることができる。そして、この目標経路Pと測位ユニット19の測位結果とに基づく作業制御部16Bの制御作動により、トラクタ1が、往復案内経路P1に含まれた基準経路Paと各第1転回経路Pc、周回案内経路P2に含まれた各第2転回経路Pe、および、接続経路Pfを自動走行する間は、トラクタ1の走行状態を、ロータリ耕耘装置6が浮上してロータリ耕耘装置6の駆動が停止された非作業走行状態とすることができる。また、トラクタ1が、往復案内経路P1に含まれた各並列経路Pb、および、周回案内経路P2に含まれた基準経路Paと一対の端部経路Pdを自動走行する間は、トラクタ1の走行状態を、ロータリ耕耘装置6が接地してロータリ耕耘装置6が駆動された作業走行状態とすることができる。
【0024】
そして、上記のように目標経路Pを生成することにより、目標経路Pを生成する上において最初に生成する基準経路Paを、圃場Aにおける第1端辺A1aの真際に生成することができ、これにより、後続する各並列経路Pbの生成に関する作業幅を考慮した配置設定や本数設定などが行い易くなる。その結果、圃場Aの第1端部領域A1からその反対側に位置する第4端部領域A4に向けてトラクタ1を蛇行状に案内する長い往復案内経路P1の生成が容易になる。
また、このように基準経路Paを含む往復案内経路P1を生成することで、往復案内経路P1と第1端辺A1aとの間に周回用の経路を生成するための領域を確保することができなくなっても、往復案内経路P1では基準経路Paが非作業経路に設定されていることにより、基準経路Paを作業経路として周回案内経路P2に含めることができる。これにより、基準経路Paと一対の端部経路Pdとを作業経路とする周回案内経路P2を生成することができる。そして、各端部経路Pdは、所定数の第1転回経路Pcが位置する圃場Aの第2端部領域A2と第3端部領域A3において第1転回経路Pcの配列方向に延びる作業経路であることから、往復案内経路P1でのトラクタ1の自動走行により、第1転回経路Pcが位置する第2端部領域A2と第3端部領域A3とに不揃いの残耕が残されていても、その後の各端部経路Pdなどを含む周回案内経路P2でのトラクタ1の自動走行により、第2端部領域A2と第3端部領域A3とに残る不揃いの残耕を、基準経路Paなどの未耕地とともに耕耘することができる。
【0025】
つまり、領域区分け処理によってマージン領域Aaと区分けされた作業領域Abを、往復走行によって耕耘される圃場中央側の作業領域と、周回走行によって耕耘される圃場外周側の作業領域とに更に区分けしなくても、図3に例示した圃場Aに対しては、目標経路生成部30Bによって図3に示す目標経路Pを生成することができる。そして、この目標経路Pと測位ユニット19の測位結果とに基づく走行制御部16Aおよび作業制御部16Bの制御作動により、トラクタ1の走行状態を適正に制御することができ、これにより、基準経路Paにおいて耕耘作業が重複して行われる不都合を招くことなく、作業領域Abの全域を、トラクタ1の自動走行によって残耕のない状態に確実に耕耘することができる。そして、自動走行の終了時にトラクタ1を図3に例示する圃場Aの入出経路Rから圃場外に速やかに退出させることができる。
【0026】
以下、目標経路生成制御にて図5に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合の目標経路生成部30Bの制御作動について説明する。
なお、図5に例示する圃場Aは、図3に例示する圃場Aと比較して、圃場Aに対するトラクタ1の退出位置と退出方向とが異なっている。そのため、図5に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合の目標経路生成部30Bの制御作動は、図3に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合と、第1転回経路生成処理(図4のステップ#4)と第2転回経路生成処理(図4のステップ#6)での処理内容が少し異なるだけで、他の処理は同じになる。
詳述すると、目標経路生成部30Bは、図5に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合には、第1転回経路生成処理(図4のステップ#4)にて、基準経路Paと、第4端部領域A4に位置する最終の並列経路Pbを除いた9本の並列経路Pbとを一連に接続する9本の第1転回経路Pcを生成する。これにより、最終の並列経路Pbを含まない往復案内経路P1を生成することができる。また、第2転回経路生成処理(図4のステップ#6)にて、基準経路Paと一対の端部経路Pdと最終の並列経路Pbとを、その並列経路Pbが最終経路となるように一連に接続する3本の第2転回経路Peを生成する。これにより、最終の並列経路Pbを含む周回案内経路P2を生成することができる。
【0027】
つまり、図5に例示した圃場Aに対しては、目標経路生成部30Bによって図5に示す目標経路Pを生成することができる。そして、この目標経路Pと測位ユニット19の測位結果とに基づく走行制御部16Aおよび作業制御部16Bの制御作動により、トラクタ1の走行状態を適正に制御することができる。その結果、図5に例示した圃場Aにおいても、作業領域Abの全域を、トラクタ1の自動走行によって適正かつ確実に耕耘することができるとともに、自動走行の終了時にトラクタ1を図5に例示する圃場Aの入出経路Rから圃場外に速やかに退出させることができる。
【0028】
以下、目標経路生成制御にて図6に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合の目標経路生成部30Bの制御作動について説明する。
なお、図6に例示する圃場Aは、図5に例示する矩形状の圃場Aと比較して、圃場Aに対するトラクタ1の退出方向に沿う第4端辺A4aが傾斜した台形状の変形圃場である。そのため、図6に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合の目標経路生成部30Bの制御作動は、図5に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合と、並列経路生成処理(図4のステップ#3)での処理内容が少し異なるだけで、他の処理は同じになる。
詳述すると、目標経路生成部30Bは、図6に例示する圃場Aに適した目標経路Pを生成する場合には、並列経路生成処理(図4のステップ#3)にて、基準経路Paに対して並列に並ぶ10本の並列経路Pbのうち、基準経路側の9本の並列経路Pbが基準経路Paに対して平行になり、最終の並列経路Pbが第4端辺A4aに沿うように各並列経路Pbを生成する。これにより、最終の並列経路Pbを含む周回案内経路P2を、最終の並列経路Pbからなる周回案内経路P2の最終経路においては、トラクタ1が傾斜する第4端辺A4aに沿って第4端辺A4aと平行に自動走行するように、生成することができる。そして、圃場Aの外周と作業領域Abとの間に確保されるマージン領域Aaのうちの周回案内経路P2の最終経路(最終の並列経路Pb)と第4端辺A4aとの間に確保される領域部分(サイドマージン)の幅寸法を、トラクタ1の作業幅に対するN倍の一定幅に調整することができる。
【0029】
つまり、図6に例示した圃場Aに対しては、目標経路生成部30Bによって図6に示す目標経路Pを生成することができる。そして、この目標経路Pと測位ユニット19の測位結果とに基づく走行制御部16Aおよび作業制御部16Bの制御作動により、トラクタ1の走行状態を適正に制御することができる。その結果、図6に例示した圃場Aにおいても、作業領域Abの全域を、トラクタ1の自動走行によって適正かつ確実に耕耘することができるとともに、自動走行の終了時にトラクタ1を図6に例示する圃場Aの入出経路Rから圃場外に速やかに退出させることができる。
【0030】
なお、図5~6においても、図3と同様に、目標経路Pにおける往復案内経路P1と周回案内経路P2との判別及び作業経路と非作業経路との判別を行い易くするために、目標経路Pのうちの往復案内経路P1が太線で示され、往復案内経路P1での各作業経路が太い実線で示され、往復案内経路P1での各非作業経路が太い破線で示されている。また、目標経路Pのうちの周回案内経路P2が細線で示され、周回案内経路P2での各作業経路が細い実線で示され、周回案内経路P2での各非作業経路が細い破線で示されている。そして、往復案内経路P1の非作業経路と周回案内経路P2の作業経路とを兼ねる基準経路Paは、同一経路であるが、図5~6においても平行に位置ずれした太い破線と細い実線の2本の線で示されている。これと同様に、目標経路Pの各経路Pa~Pfを判別し易くするために、それらの重複する経路部分も位置ずれさせて示すようにしている。
【0031】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0032】
(1)作業車両1の構成は種々の変更が可能である。
例えば、作業車両1は、エンジン10と走行用の電動モータとを備えるハイブリット仕様に構成されていてもよく、また、エンジン10に代えて走行用の電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の後輪8に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の前輪7と左右の後輪8とに代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
【0033】
(2)作業車両用の自動走行システムは、走行制御部16Aの制御作動により、作業車両1が、目標経路生成部30Bが生成した目標経路Pに対して、基準経路Paを通らずに、基準経路Paに隣接する並列経路Pbから目標経路Pでの自動走行を行うように構成されていてもよい。
【0034】
(3)作業車両用の自動走行システムは、目標経路生成部30Bが、第1端部領域A1での第1端辺A1aに沿った作業車両1の手動運転で得られる測位ユニット19の測位結果に基づいて基準経路Paを生成した後、この基準経路Paと作業地データと車体データとに基づいて基準経路Paに連なる後続の各経路Pb~Pfを生成する一方で、作業車両1の第1端部領域A1での手動運転後は、走行制御部16Aの制御作動によって作業車両1が各経路Pb~Pfを通るように作業車両1の走行を制御し、作業制御部16Bの制御作動により、目標経路Pの各作業経路では作業車両1が作業走行状態になり、目標経路Pの各非作業経路では作業車両1が非作業走行状態になるように、作業車両1の走行状態(作業装置の作動)を制御するように構成されていてもよい。
【0035】
(4)目標経路生成部30Bは、例えば、図5に例示する圃場Aにおいて、第4端辺A4aから第4端部領域A4に張り出す鉄塔などの障害物が存在して、第4端部領域A4に生成される並列経路Pbが、障害物を迂回する経路になる場合は、第4端部領域A4の並列経路(迂回経路)Pbを往復案内経路P1に含めるとともに、第4端部領域A4の並列経路Pbに隣接する並列経路Pbを、往復案内経路P1に含めずに、周回案内経路P2の最終経路になるように往復案内経路P1に含めるようにしてもよい。
【0036】
(5)作業車両用の自動走行システムによって作業車両の自動走行が行われる作業地(圃場)Aは、その形状が、図3図5に示す矩形状や図6に示す台形状ではなく、例えば、作業地内に向けて張り出す張出部を有する凹形状やL字状、少なくとも一つの端辺が湾曲するまたはS字状に曲がる形状、などの変形地(変形圃場)であってもよい。
そして、作業地(圃場)Aが上記のような変形地(変形圃場)である場合は、目標経路生成部30Bによって生成される目標経路Pには、図3図5~6に示す目標経路Pに含まれている各経路Pa~Pfとは異なる経路が含まれることになるが、本発明は、このような場合においても適用することができる。
【0037】
(発明の付記)
本発明の第1特徴構成は、
作業車両用の自動走行システムにおいて、
作業地の第1端部領域において前記作業地の第1端辺に隣接する基準経路と、前記基準経路に対して並列に並ぶ複数の並列経路と、前記基準経路と所定数の前記並列経路とを一連に接続する複数の転回経路と、を有して作業車両を蛇行状に往復案内する往復案内経路を生成し、前記往復案内経路に連接されるとともに、前記基準経路と、所定数の前記転回経路が位置する前記作業地の第2端部領域と第3端部領域において前記転回経路の配列方向に延びる一対の端部経路と、を有して、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内する周回案内経路を生成する目標経路生成部と、
前記作業車両が前記基準経路を通るように前記往復案内経路を走行した後、または、前記基準経路を通らないように前記往復案内経路を走行した後に、前記周回案内経路を走行するように前記作業車両の走行を制御する走行制御部と、
前記往復案内経路においては、前記基準経路と前記転回経路での前記作業車両の走行状態を非作業走行状態とし、前記並列経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とし、前記周回案内経路においては、前記基準経路と前記端部経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とする作業制御部と、
を備えている点にある。
【0038】
本構成によれば、各経路を生成するにおいて最初に生成する基準経路を、作業地における第1端辺の真際に生成することができ、これにより、後続する各並列経路の生成に関する作業車両の作業幅を考慮した配置設定や本数設定などが行い易くなる。その結果、作業地の第1端部領域からその反対側の端部領域に向けて作業車両を蛇行状に案内する長い往復案内経路の生成が容易になる。
また、このように基準経路を含む往復案内経路を生成することで、往復案内経路と第1端辺との間に周回用の経路を生成するための領域を確保することができなくなっても、往復案内経路の基準経路では作業車両が非作業走行状態になることにより、基準経路を作業用の経路として周回案内経路に含めることができる。これにより、基準経路と一対の端部経路において作業車両が作業走行状態になる周回案内経路を生成することができる。そして、各端部経路は、所定数の転回経路が位置する作業地の第2端部領域と第3端部領域において転回経路の配列方向に延びる作業経路であることから、往復案内経路での作業車両の自動走行により、転回経路が位置する第2端部領域と第3端部領域とに不揃いの未作業領域が残されていても、その後の各端部経路などを含む周回案内経路での作業車両の自動走行により、第2端部領域と第3端部領域とに残る不揃いの未作業領域を、基準経路などの未作業領域とともに無くすことができる。
【0039】
つまり、作業地を、往復走行によって作業される作業地中央側の作業領域と、周回走行によって作業される作業地外周側の作業領域とに区分けしなくても、目標経路生成部により、各作業地での作業車両の自動走行に適した往復案内経路および周回案内経路を生成することができる。そして、これらの経路に基づく走行制御部および作業制御部の制御作動により、作業車両の走行状態を適正に制御することができ、これにより、基準経路において作業が重複して行われるなどの不都合を招くことなく、作業地での作業を、作業車両の自動走行によって作業残しの少ない状態で良好に行うことができる。
【0040】
また、作業車両が往復案内経路を自動走行する際に基準経路を通らないように走行制御部が作業車両の走行を制御する場合は、作業車両の走行距離を短くすることができ、これにより、作業時間の短縮および燃料消費量の削減などを図ることができる。
【0041】
本発明の第2特徴構成は、
前記目標経路生成部は、複数の前記並列経路のうちの前記作業地における前記第1端部領域とは反対側の第4端部領域に位置する並列経路を、前記往復案内経路に含めずに、前記周回案内経路の最終経路として前記周回案内経路に含める点にある。
【0042】
本構成によれば、第4端部領域に位置する並列経路を周回案内経路に含めない場合は、端部経路が周回案内経路の最終経路になり、周回案内経路に含める場合は、第4端部領域に位置する並列経路が周回案内経路の最終経路になることから、周回案内経路における最終経路の方位および終端位置が変更されることになる。
つまり、作業地における作業車両用の入出経路の位置および方位が考慮されたより作業地に適した往復案内経路および周回案内経路を生成することができ、これにより、自動走行による作業車両の作業地からの退出を速やかに行える。
【0043】
本発明の第3特徴構成は、
前記目標経路生成部は、前記第1端辺に対向する第4端辺が前記基準経路に沿わない場合は、前記周回案内経路に含まれる前記並列経路を前記第4端辺に沿うように生成する点にある。
【0044】
本構成によれば、第4端辺が基準経路に沿わない作業地に対しても、周回案内経路を、その最終経路が第4端辺に沿うように生成することができる。これにより、第4端辺が基準経路に沿わない作業地においても、作業車両を周回案内経路に基づいて第4端辺に沿って自動走行させることができ、このような作業地での作業を、作業車両の自動走行によって作業残しの少ない状態で良好に行える。
【0045】
また、本発明の一態様に係る作業車両用の自動走行システムは、目標経路生成部と、走行制御部と、作業制御部と、を備える。前記目標経路生成部は、作業地の第1端部領域において前記作業地の第1端辺に隣接する基準経路と、前記基準経路に対して並列に、かつ前記作業地における前記第1端部領域とは反対側の第4端部領域にかけて並ぶ複数の並列経路と、前記基準経路と所定数の前記並列経路とを一連に接続する複数の転回経路と、を有して作業車両を蛇行状に往復案内する往復案内経路を生成し、前記往復案内経路に連接されるとともに、前記基準経路と、所定数の前記転回経路が位置する前記作業地の第2端部領域と第3端部領域において前記転回経路の配列方向に延びる一対の端部経路と、を有して、前記作業車両を前記作業地の外周側において周回案内する周回案内経路を生成する。前記走行制御部は、前記作業車両が前記基準経路を通るように前記往復案内経路を走行した後、または、前記基準経路を通らないように前記往復案内経路を走行した後に、前記周回案内経路を走行するように前記作業車両の走行を制御する。前記作業制御部は、前記往復案内経路においては、前記基準経路と前記転回経路での前記作業車両の走行状態を非作業走行状態とし、前記並列経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とし、前記周回案内経路においては、前記基準経路と前記端部経路での前記作業車両の走行状態を作業走行状態とする。
【符号の説明】
【0046】
1 作業車両
16A 走行制御部
16B 作業制御部
30B 目標経路生成部
A 作業地
A1 第1端部領域
A1a 第1端辺
A2 第2端部領域
A3 第3端部領域
A4 第4端部領域
A4a 第4端辺
P1 往復案内経路
P2 周回案内経路
Pa 基準経路
Pb 並列経路
Pc 第1転回経路
Pd 端部経路
Pe 第2転回経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6