(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168801
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】投射型表示装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20231121BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20231121BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20231121BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231121BHJP
F21V 11/10 20060101ALI20231121BHJP
F21V 14/00 20180101ALI20231121BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231121BHJP
【FI】
G03B21/14 B
G03B21/00 E
H04N5/74 A
F21S2/00 355
F21V11/10
F21V14/00
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080125
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】菊間 慎二
(72)【発明者】
【氏名】古川 直史
(72)【発明者】
【氏名】在原 康貴
(72)【発明者】
【氏名】相崎 隆嗣
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA24
2K203FA34
2K203FA45
2K203FA54
2K203GA25
2K203GA26
2K203GA35
2K203GA40
2K203GA47
2K203GC33
2K203HA27
2K203HA55
2K203HA67
2K203HB05
2K203HB07
2K203HB12
2K203HB22
2K203KA29
2K203MA04
5C058BA05
5C058BA29
5C058EA02
5C058EA51
(57)【要約】
【課題】光量調整機構によって光量を低減させても投射される画像が暗くなることを抑えることができる投射型表示装置を提供する。
【解決手段】蛍光体2は、レーザ光が照射されて所定の色の照明光を射出する。集光レンズ22は、蛍光体2に対して照明光が射出される側の直後に配置されており、照明光を集光する。移動機構62は、蛍光体2を集光レンズ22に近付く方向及び集光レンズ22から離れる方向に移動させる。画像表示素子10R、10G、10Bは照明光を画像に応じて変調して画像光を生成する。光量調整機構(アパーチャ31及びアイリス32)は、投射される画像のコントラストを調整するため、照明光または画像光が通過する開口の大きさを変化させて画像光の光量を調整する。制御部50は、蛍光体2と集光レンズ22との距離を、光量調整機構による画像光の光量の調整状態に応じたFナンバーに対応する距離とするよう、移動機構62を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光が照射されて所定の色の照明光を射出する蛍光体と、
前記蛍光体に対して前記照明光が射出される側の直後に配置されており、前記照明光を集光する集光レンズと、
前記蛍光体を前記集光レンズに近付く方向及び前記集光レンズから離れる方向に移動させる移動機構と、
前記照明光を画像に応じて変調して画像光を生成する画像表示素子と、
投射される画像のコントラストを調整するため、前記照明光または前記画像光が通過する開口の大きさを変化させて前記画像光の光量を調整する光量調整機構と、
前記蛍光体と前記集光レンズとの距離を、前記光量調整機構による前記画像光の光量の調整状態に応じたFナンバーに対応する距離とするよう、前記移動機構を制御する制御部と、
を備える投射型表示装置。
【請求項2】
前記光量調整機構は、
前記照明光が通過する第1の開口の大きさを複数段階で変化させるアパーチャと、
前記画像光が通過する第2の開口の大きさを複数段階で変化させるアイリスと、
を含み、
前記画像光の光量の調整状態は、前記第1の開口の大きさの段階と、前記第2の開口の大きさの段階との組み合わせで決定される
請求項1に記載の投射型表示装置。
【請求項3】
各Fナンバーと、各Fナンバーに対応する光量調整の段階において投射される画像の明るさが最大となる前記蛍光体と前記集光レンズとの距離との対応関係を示すテーブルを保持するテーブル保持部をさらに備え、
前記制御部は、前記テーブルを参照して、Fナンバーに対応付けて記憶されている前記蛍光体と前記集光レンズとの距離を読み出して、前記蛍光体と前記集光レンズとの距離が読み出した距離となるよう前記移動機構を制御する
請求項1または2に記載の投射型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、青色レーザダイオードから射出された青色レーザ光を蛍光体に照射して、蛍光体が発する照明光を用いて画像を投射する投射型表示装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
投射型表示装置は、投射される画像のコントラストを調整するために、アパーチャまたはアイリスと称される光量調整機構を備える。コントラストを上げるよう光量調整機構によって光量を低減させると投射される画像が暗くなる。コントラストを上げるために光量調整機構によって光量を低減させたときに画像が暗くなることをできるだけ抑えることが望まれる。
【0005】
本発明は、レーザ光の照射により照明光を発する蛍光体を備え、光量調整機構によって光量を低減させても投射される画像が暗くなることを抑えることができる投射型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、レーザ光が照射されて所定の色の照明光を射出する蛍光体と、前記蛍光体に対して前記照明光が射出される側の直後に配置されており、前記照明光を集光する集光レンズと、前記蛍光体を前記集光レンズに近付く方向及び前記集光レンズから離れる方向に移動させる移動機構と、前記照明光を画像に応じて変調して画像光を生成する画像表示素子と、投射される画像のコントラストを調整するため、前記照明光または前記画像光が通過する開口の大きさを変化させて前記画像光の光量を調整する光量調整機構と、前記蛍光体と前記集光レンズとの距離を、前記光量調整機構による前記画像光の光量の調整状態に応じたFナンバーに対応する距離とするよう、前記移動機構を制御する制御部とを備える投射型表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の投射型表示装置によれば、レーザ光の照射により照明光を発する蛍光体を備え、光量調整機構によって光量を低減させても投射される画像が暗くなることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態の投射型表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態の投射型表示装置について、添付図面を参照して説明する。
図1において、一実施形態の投射型表示装置100は、光源1、蛍光体2、偏光変換素子(PCS(Polarization Conversion System))3、ダイクロイックミラー4、クロスダイクロイックミラー5、ダイクロイックミラー6、反射型偏光板7R、7G、7B、色合成プリズム8、画像表示素子10R、10G、10Bを備える。
【0010】
また、投射型表示装置100は、集光レンズ20~22、コリメータレンズ23、集光レンズ26~29、フライアイレンズ24及び25、投射レンズ30、アパーチャ31、アイリス32、光量調整操作部33、反射ミラー40~42、制御部50、テーブル保持部51、回転機構61、移動機構62を備える。
【0011】
制御部50は、マイクロコンピュータの中央処理装置のようなマイクロプロセッサで構成されていてもよい。テーブル保持部51は、マイクロコンピュータが有するメモリであってもよいし、マイクロコンピュータとは別体のROM等のメモリであってもよい。
【0012】
集光レンズ22は、蛍光体2に対して、蛍光体2より後述する照明光が射出される側の直後に配置されている。集光レンズ22を、蛍光体2側を平面、集光レンズ21側を凸面の平凸レンズとしているが、両凸レンズであってもよい。
【0013】
光源1は、例えば複数の青色レーザダイオードBLが配列されたレーザアレイで構成されている。青色レーザダイオードBLの数は限定されない。光源1は青色レーザ光を青色照明光として射出する。
図1において、Bは青色照明光または後述する青色画像光を示す。集光レンズ20は、光源1から射出された青色照明光を集光する。ダイクロイックミラー4は、集光レンズ20より射出された青色照明光を反射して青色照明光の光路を90度曲げる。集光レンズ21及び22は青色照明光を集光して、集光した青色照明光を蛍光体2に入射させる。
【0014】
蛍光体2は、入射される青色照明光のエネルギ強度に応じた強度の赤色帯域の成分及び緑色帯域の成分を含む黄色照明光を生成する蛍光層と、反射面とを有する。蛍光体2の蛍光層には、入射された青色照明光のうちの一部の青色照明光が入射されて、黄色照明光を生成する。蛍光体2の反射面は、生成された黄色照明光と、入射された青色照明光のうちの他の一部の青色照明光とを反射する。よって、蛍光体2は青色照明光と黄色照明光とを射出する。
図1において、Yは黄色照明光を示す。
【0015】
蛍光体2は、黄色照明光を生成する蛍光層の代わりに、赤色照明光を生成する蛍光層と緑色照明光を生成する蛍光層とを有し、赤色照明光と緑色照明光とを別々に生成するように構成されていてもよい。蛍光体2は、レーザ光が照射されて所定の色の照明光を射出すればよい。
【0016】
蛍光体2は円形であり、
図1では円形の蛍光体2の側面が示されている。蛍光体2の温度上昇を抑え、蛍光体2の長寿命化を図るため、蛍光体2は回転機構61によって回転するように構成されている。制御部50は、回転機構61による蛍光体2の回転を制御する。
【0017】
蛍光体2より射出された青色照明光及び黄色照明光は、集光レンズ22、集光レンズ21、及びダイクロイックミラー4をこの順に透過してコリメータレンズ23に入射される。コリメータレンズ23は、入射された青色照明光及び黄色照明光を平行光にして反射ミラー40に入射させる。
【0018】
反射ミラー40は、青色照明光及び黄色照明光を反射して青色照明光及び黄色照明光の光路を90度曲げ、フライアイレンズ24に入射させる。フライアイレンズ24及び25は、入射された青色照明光及び黄色照明光の照明分布を均一化する。PCS3は、入射された青色照明光及び黄色照明光をp偏光に揃える。PCS3より射出された青色照明光及び黄色照明光は、集光レンズ26を介してクロスダイクロイックミラー5に入射する。クロスダイクロイックミラー5は、青色照明光と黄色照明光とを分離する。
【0019】
反射ミラー41は、分離された黄色照明光を反射して黄色照明光の光路を90度曲げ、ダイクロイックミラー6に入射させる。ダイクロイックミラー6は、黄色照明光に含まれる緑色帯域の成分を緑色照明光として反射し、黄色照明光に含まれる赤色帯域の成分を赤色照明光として透過させて、黄色照明光を緑色照明光と赤色照明光とに分離する。
図1において、Gは緑色照明光または後述する緑色画像光を示し。Rは赤色照明光または後述する赤色画像光を示す。
【0020】
ダイクロイックミラー6で分離された赤色照明光は、集光レンズ27を介して反射型偏光板7Rに入射する。赤色照明光は反射型偏光板7Rを透過し、画像表示素子10Rに入射する。画像表示素子10Rは、入射された赤色照明光を画像データの赤色成分に応じて光変調してs偏光の赤色画像光を射出する。赤色画像光は反射型偏光板7Rで反射し、色合成プリズム8に入射する。
【0021】
ダイクロイックミラー6で分離された緑色照明光は、集光レンズ28を介して反射型偏光板7Gに入射する。緑色照明光は反射型偏光板7Gを透過し、画像表示素子10Gに入射する。画像表示素子10Gは、入射された緑色照明光を画像データの緑色成分に応じて光変調してs偏光の緑色画像光を射出する。緑色画像光は反射型偏光板7Gで反射し、色合成プリズム8に入射する。
【0022】
反射ミラー42は、クロスダイクロイックミラー5で分離された青色照明光を反射して青色照明光の光路を90度曲げ、集光レンズ29を介して反射型偏光板7Bに入射させる。青色照明光は反射型偏光板7Bを透過し、画像表示素子10Bに入射する。画像表示素子10Bは入射された青色照明光を画像データの青色成分に応じて光変調して、s偏光の青色画像光を射出する。青色画像光は反射型偏光板7Bで反射し、色合成プリズム8に入射する。
【0023】
反射型偏光板7R、7G、7Bは例えばワイヤグリッドで構成することができる。
【0024】
色合成プリズム8は、青色画像光及び赤色画像光を反射し、緑色画像光を透過させて、赤色画像光と緑色画像光と青色画像光とを合成する。投射レンズ30は、合成された画像光を図示していないスクリーンに投射して、フルカラー画像を表示する。
【0025】
以上のように構成される投射型表示装置100において、フライアイレンズ24とフライアイレンズ25との間には、アパーチャ31が配置されている。投射レンズ30の鏡筒の内部には、アイリス32が配置されている。アパーチャ31は、青色照明光及び黄色照明光が通過する開口(第1の開口)を広くしたり狭くしたりして、開口の大きさを変化させることができるように構成されている。アイリス32は、色合成プリズム8より射出された合成光が通過する開口(第2の開口)を広くしたり狭くしたりして、開口の大きさを変化させることができるように構成されている。
【0026】
ユーザは、光量調整操作部33を操作することによって、アパーチャ31とアイリス32とのうちの一方、またはアパーチャ31とアイリス32との双方の開口の大きさを調整して、投射レンズ30より投射される画像光の光量を調整することができる。アパーチャ31及びアイリス32は、画像光の光量を調整する光量調整機構として機能する。ユーザは、投射されるフルカラー画像のコントラストを調整するために、光量調整操作部33を操作して光量を調整する。
【0027】
具体的には、フルカラー画像のコントラストを上げるために、ユーザは、光量調整操作部33を操作してアパーチャ31とアイリス32とのうちの少なくとも一方の開口の大きさを小さくして、光量を低減させる。
図1に示す光量調整機構は、アパーチャ31の開口の大きさの複数段階の調整とアイリス32の開口の大きさの複数段階の調整とを組み合わせることによって、光量を複数段階で調整できるように構成されている。画像光の光量の調整状態はその組み合わせによって決定される。このようにすれば、アパーチャ31またはアイリス32のみで光量を調整するよりも多くの段階で光量を調整することができる。
【0028】
光量調整機構によって光量を低減させると、コントラストは向上するものの、投射されるフルカラー画像は暗くなる。そこで、投射型表示装置100は、蛍光体2と集光レンズ22との距離を調整するよう、蛍光体2を光軸の方向に移動させる移動機構62を備える。移動機構62は、蛍光体2を集光レンズ22に近付く方向及び集光レンズ22から離れる方向に移動させる。制御部50は、移動機構62による蛍光体2の移動を制御する。
【0029】
移動機構62は、蛍光体2と蛍光体2を回転させる回転機構61とを一体的に移動させる。一例として、モータによってボールねじを回転させ、蛍光体2と回転機構61とが装着されているベースをボールねじによって移動させればよい。
【0030】
蛍光体2より射出される黄色照明光は完全散乱光である。従って、アパーチャ31及びアイリス32の開口の大きさが大きくなるほど、蛍光体2を集光レンズ22に近付けた方がフルカラー画像は明るくなる。アパーチャ31及びアイリス32の開口の大きさが小さくなるほど、蛍光体2を集光レンズ22から離した方がフルカラー画像は明るくなる。
【0031】
そこで、制御部50は、アパーチャ31及びアイリス32の開口の大きさが最大であるとき、蛍光体2を実線で示す集光レンズ22に最も近付けた位置に位置させるよう移動機構62を制御する。制御部50は、アパーチャ31及びアイリス32の開口の大きさが最小であるとき、蛍光体2を二点鎖線で示す集光レンズ22より最も離した位置に位置させるよう移動機構62を制御する。制御部50は、アパーチャ31及びアイリス32の開口の大きさに応じて、蛍光体2を実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間に位置させるよう移動機構62を制御する。
【0032】
蛍光体2と集光レンズ22との間のフルカラー画像を最大に明るくする距離は、
図2に示す明るさ測定装置を用いて予め求めることができる。
図2において、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図2に示すように、蛍光体2より射出されて集光レンズ22及びダイクロイックミラー4を透過した青色照明光及び黄色照明光は、第1のアパーチャ71、レンズ73、第2のアパーチャ72を介して、開口74aより積分球型のパワーメータ74の内部に入射する。第1のアパーチャ71及び第2のアパーチャ72は、Fナンバー調整アパーチャ70を構成する。
【0033】
第2のアパーチャ72の開口は小さく固定でよい。第1のアパーチャ71の開口の大きさを変化させると、
図2に示す明るさ測定装置の光学系のFナンバーが変化する。第1のアパーチャ71の開口を大きくするとFナンバーは小さくなり、第1のアパーチャ71の開口を小さくするとFナンバーは大きくなる。測定者は、Fナンバー調整アパーチャ70によってFナンバーを複数段階に調整し、各Fナンバーでパワーメータ74によって測定される、ダイクロイックミラー4から射出される光の明るさが最大となる蛍光体2と集光レンズ22との距離を求める。
【0034】
ダイクロイックミラー4から射出される光の明るさを測定する測定器は積分球型のパワーメータ74に限定されない。
【0035】
図1において、テーブル保持部51には、
図2に示す明るさ測定装置を用いて予め求めた、各Fナンバーと、ダイクロイックミラー4から射出される光の明るさが最大となる蛍光体2と集光レンズ22との距離との対応関係を示すテーブルが保持されている。ダイクロイックミラー4から射出される光の明るさが最大ということは、投射されるフルカラー画像の明るさが最大ということである。即ち、テーブル保持部51に保持されているテーブルは、各Fナンバーと、投射されるフルカラー画像の明るさが最大となる蛍光体2と集光レンズ22との距離との対応関係を示す。
【0036】
上記のように、ユーザは、投射されるフルカラー画像のコントラストを調整するために、光量調整操作部33を操作して光量調整機構によって画像光の光量を調整する。制御部50には、光量調整操作部33による光量の調整状態を示す値が入力される。光量の調整状態を示す値は、光量を複数段階で調整するときの段階を示す値でよい。制御部50は、光量調整の段階を示す値を投射型表示装置100のFナンバーに変換する。Fナンバーは、制御部50によって光量調整の段階と対応付けられる。従って、テーブル保持部51に保持されているテーブルは、各Fナンバーと、各Fナンバーに対応する光量調整の段階において投射されるフルカラー画像の明るさが最大となる蛍光体2と集光レンズ22との距離との対応関係を示す。
【0037】
投射型表示装置100のFナンバーは、投射型表示装置100が備える複数のレンズの焦点距離及びアパーチャ31及びアイリス32の開口の大きさに応じて決まる。よって、投射型表示装置100のFナンバーは、計算によって求めることができる。制御部50は、光量調整の段階を示す値に応じたFナンバーを予め保持してもよいし、光量調整の段階が変更されるたびにFナンバーを計算によって求めてもよい。
【0038】
制御部50は、テーブル保持部51に保持されているテーブルを参照して、光量調整の段階を示す値に対応するFナンバーに対応付けて記憶されている蛍光体2と集光レンズ22との距離を読み出す。制御部50は、蛍光体2と集光レンズ22との距離が読み出した距離となるよう移動機構62を制御する。このように、制御部50は、蛍光体2と集光レンズ22との距離を、光量調整機構による画像光の光量の調整状態に応じたFナンバーに対応する距離とするよう、移動機構62を制御する。
【0039】
よって、ユーザが投射されるフルカラー画像のコントラストを上げるために照明光または画像光が通過する開口の大きさを変化させて画像光の光量を低減させても、投射されるフルカラー画像が暗くなる程度を最小限に抑えることができる。
【0040】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
図1に示す構成は、3原色の照明光を変調する画像表示素子10R、10G、10Bを備える3板式の投射型表示装置100を示しているが、単色の照明光を変調する画像表示素子を備える単板式の投射型表示装置であってもよい。即ち、投射される画像はフルカラー画像ではなく、モノクロ画像であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 光源
2 蛍光体
10R,10G,10B 画像表示素子
22 集光レンズ
31 アパーチャ(光量調整機構)
32 アイリス(光量調整機構)
33 光量調整操作部
50 制御部
51 テーブル保持部
61 回転機構
62 移動機構
BL 青色レーザダイオード