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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168831
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】配達管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20231121BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20231121BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G06Q10/08
H04M9/00 D
B66B1/14 L
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080168
(22)【出願日】2022-05-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】521107389
【氏名又は名称】早川 世治
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】早川 世治
【テーマコード(参考)】
3F502
5K038
5L049
【Fターム(参考)】
3F502JA08
3F502MA07
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD22
5K038GG06
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配達者の労働環境の改善に貢献するとともに、入居者のプライバシー保護や集合住宅内での犯罪防止の観点から、集合住宅内部での配達者の移動を整える配達管理システムを提供する。
【解決手段】エレベータが設けられた集合住宅MDにて配送品を配達する配達者の携帯情報端末500によりエレベータを操作可能とする配達管理システム1100であって、配達管理装置900は、配送品と集合住宅の入居者住戸DUとの紐付け情報に基づき、配達者が使用するエレベータ及び当該エレベータの乗降階が特定されたエレベータ配達経路を設定する経路設定部910と、エレベータ配達経路により特定されたエレベータを配達者の携帯情報端末から操作可能にするための操作制御信号を生成する操作設定部920と、を備える。
【選択図】図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータが設けられた集合住宅にて配送品を配達する配達者の携帯情報端末により前記エレベータを操作可能とする配達管理システムであって、
前記配送品と前記集合住宅の入居者住戸との紐付け情報に基づき、前記配達者が使用する前記エレベータおよび当該エレベータの乗降階が特定されたエレベータ配達経路を設定する経路設定部と、
前記エレベータ配達経路により特定された前記エレベータを前記配達者の携帯情報端末から操作可能にするための操作制御信号を生成する操作設定部と、
を備えることを特徴とする配達管理システム。
【請求項2】
前記配達者の配達経路の進捗を管理する進捗管理部をさらに備える、請求項1に記載の配達管理システム。
【請求項3】
前記進捗管理部は、外部からの信号を入力して前記配達者の現在地情報を生成する、請求項2に記載の配達管理システム。
【請求項4】
前記外部からの信号は、前記配達者の前記携帯情報端末からの情報を含む、請求項3に記載の配達管理システム。
【請求項5】
前記外部からの信号は、前記エレベータの乗りかごに設けられた認識手段からの情報を含む、請求項3に記載の配達管理システム。
【請求項6】
前記操作設定部は、前記配達者の現在地情報に基づき、前記配達者の現在地よりも配達経路において先に位置する前記エレベータを操作可能とするための操作制御信号を生成する、請求項3に記載の配達管理システム。
【請求項7】
前記操作設定部は、
前記経路設定部からの情報に基づき、前記配達者が使用する複数の前記エレベータを特定し、特定された複数の前記エレベータについて、前記配達者の前記携帯情報端末に任意選択可能に一覧表示するための操作制御信号を生成する一覧表示設定部と、
前記配達者が前記一覧表示に操作入力することにより選択された1つの前記エレベータに対応する複数の前記エレベータ配達経路に基づいて、前記配達者の携帯情報端末に複数の操作入力画面を順次表示させるための操作制御信号を生成する順次表示設定部と、
を備える、請求項1に記載の配達管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータを備える集合住宅に配送品を配達する配達者における集合住宅内の移動を整えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集合住宅内の複数の住戸に配送品を配達する際に、宅配業者の負担を軽減でき、加えて受け取る居住者が不安やストレスを感じることのない集合住宅インターホンシステムを提供することを課題として、来訪者が居住者を呼び出すための集合玄関機と、個々の住戸に設置されて呼び出しに応答するための居室親機と、前記集合玄関機と前記居室親機との間の通信を制御する制御機とを備えた集合住宅インターホンシステムであって、宅配業者の個人認証情報が登録された業者情報登録部を有すると共に、前記集合玄関機を操作した宅配業者が登録された宅配業者であるか認証する認証部と、前記居室親機に対して宅配業者が来た旨の通知をする宅配通知制御装置とを有し、前記宅配通知制御装置は、前記認証部が前記集合玄関機を操作した人物が宅配業者であると認証したら、複数の配達先住戸の一括入力を可能とする配達先入力画面を前記集合玄関機の表示部に表示し、当該配達先入力画面から入力された住戸の前記居室親機に、宅配業者が来た旨を通知することを特徴とする集合住宅インターホンシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-127177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示される集合住宅インターホンシステムでは、宅配業者の顔認証情報が登録されたサーバを有し、集合玄関機は集合玄関機を操作した宅配業者が登録された宅配業者であるかサーバの判定結果に基づき認証し、居室親機に対して宅配業者が来た旨の通知を行う。しかしながら、特許文献1に開示されるシステムでは、集合住宅の内部に入った宅配業者の行動は全く規制されず、集合住宅内を自由に移動することができるため、プライバシー保護や犯罪防止の観点から、改善の余地がある。また、近時、集合住宅の規模は大型化する傾向があるため、集合住宅内での配達者の1回の配達時間が長くなり、配達業務の負荷増大の一因となっている。さらに、タワーマンションと呼ばれるような高層住宅では、エレベータの待ち時間が長く、宅配業者の配達効率の低下をもたらしている。
【0005】
そこで、本発明は、宅配業者を含む配達担当者(本明細書において「配達者」と略記する場合がある。)の労働環境の改善に貢献するとともに、入居者のプライバシー保護や集合住宅内での犯罪防止の観点から、集合住宅内部での配達者の移動を整える配達管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供する配達管理システムは、次の態様を含む。
[1]エレベータが設けられた集合住宅にて配送品を配達する配達者の携帯情報端末によりエレベータを操作可能とする配達管理システムであって、配送品と集合住宅の入居者住戸との紐付け情報に基づき、配達者が使用するエレベータおよび当該エレベータの乗降階が特定されたエレベータ配達経路を設定する経路設定部と、エレベータ配達経路により特定されたエレベータを配達者の携帯情報端末から操作可能にするための操作制御信号を生成する操作設定部と、を備えることを特徴とする配達管理システム。
[2]配達者の配達経路の進捗を管理する進捗管理部をさらに備える、上記[1]に記載の配達管理システム。
[3]進捗管理部は、外部からの信号を入力して配達者の現在地情報を生成する、上記[2]に記載の配達管理システム。
[4]外部からの信号は、配達者の携帯情報端末からの情報を含む、上記[3]に記載の配達管理システム。
[5]外部からの信号は、エレベータの乗りかごに設けられた認識手段からの情報を含む、上記[3]に記載の配達管理システム。
[6]操作設定部は、配達者の現在地情報に基づき、配達者の現在地よりも配達経路において先に位置するエレベータを操作可能とするための操作制御信号を生成する、上記[3]に記載の配達管理システム。
[7]前記操作設定部は、経路設定部からの情報に基づき、配達者が使用する複数のエレベータを特定し、特定された複数のエレベータについて、配達者の携帯情報端末に任意選択可能に一覧表示するための操作制御信号を生成する一覧表示設定部と、配達者が一覧表示に操作入力することにより選択された1つのエレベータに対応する複数のエレベータ配達経路に基づいて、配達者の携帯情報端末に複数の操作入力画面を順次表示させるための操作制御信号を生成する順次表示設定部と、を備える、請求項1に記載の配達管理システム。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る配達管理システムによれば、配達者の配達経路にあるエレベータの遠隔操作機能が、配達者の携帯情報端末にタイムリーに提示される。このため、配達者にとって、エレベータ待ちの時間や、経路確認のための時間が節約され、配達時間が短縮され、配達者の労働環境が改善する。また、配達者のエレベータの遠隔操作機能が限定的に付与されることは、入居者のプライバシー保護や集合住宅内での犯罪防止の観点からも有益である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る入退館管理システムの機能を説明するブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る入退館管理システムの制御装置が備える来訪者登録部、来訪者判定部、指定受取判定部および受取指示部が実行する処理のフロー図である。
図3】本発明の一実施形態に係る入退館管理システムの制御装置が備える来訪者登録部、来訪者判定部、指定受取判定部および受取指示部が実行する処理の説明図である。
図4】来訪者登録部の処理が開始される前の待ち状態においてタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5】来訪者登録部の処理が終了し、来訪者判定部の処理が開始される前の状態においてタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図6】指定方法受信部の処理が終了し、指定受取方法として置配スペースへの置配を指示するためにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図7】指定方法受信部の処理が終了し、指定受取方法として玄関前への置配を指示するためにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図8】指定方法受信部の処理が終了し、指定受取方法として対面での宅配を指示するためにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図9】配達者が操作入力部への入力を完了した後に表示される画面を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る入退館管理システムが置配スペースへの置配の際に実行する処理の説明図である。
図11】配送品登録部の処理の一例として配送品の画像認識が行われているときにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図12】配送品登録部による配送品の登録処理が終了して、配達者の携帯情報端末に登録内容を表示させるウェブサイトのURLを示す識別コードがタッチパネルディスプレイに表示された状態を示す図である。
図13図12に示される識別コードが示すURLのウェブサイトに基づく表示画像の例であり、(a)には宅配する住戸番号が一覧で示され、(b)には玄関前置配する住戸番号が一覧で示され、(c)には置配スペースに置配する配送品の受取人の住戸番号が一覧で示されている。
図14】配送品登録部の処理の一例として配送品に貼付される識別コードの生成が行われているときにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図15】配送品に貼付される識別コードと配送品との関係を示す図であって、(a)はURLの表示画像の一例であり、(b)は識別コードが表示されたシールの例である。
図16】置配入室制御部の処理により配送品が置配スペースに入庫可能となったことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図である。
図17】置配入室制御部の処理により配送品が置配スペースに入庫完了したことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図である。
図18】入居者用アプリにおける管理者登録の操作画面(管理者登録画面)の一例を示す図である。
図19】入居者用アプリにおける利用者登録の操作画面(利用者登録画面)の一例を示す図である。
図20】入居者用アプリにおける配送品の受取方法を指定するための操作画面(受取指定画面)の一例を示す図である。
図21】入居者用アプリにおける来訪履歴を表示する画面(来訪履歴画面)を示す図である。
図22】入居者用アプリにおける来訪者の訪問を表示する画面(訪問対応画面)を示す図である。
図23】入居者用アプリにおける配達通知および受取状態を表示する画面(配達通知画面)を示す図である。
図24】本発明の一実施形態に係る入退館管理システムが置配スペースからの受取の際に実行する処理の説明図である。
図25】入居者用アプリの配達通知画面において全ての配送品が受取完了した状態を示す図である。
図26】入居者用アプリにおけるスマートロックの動作状態を表示する画面(スマートロック画面)を示す図である。
図27】入居者用アプリにおける共有スペースの予約の操作画面(共有スペース予約画面)の一例を示す図である。
図28】入居者用アプリにおけるカレンダーの操作画面(カレンダー画面)を示す図である。
図29】入居者用アプリにおける管理室からのテキストベースでの通知を表示する画面(管理室テキスト通知画面)を示す図である。
図30】入居者用アプリにおける従来掲示板に掲示していた情報を表示する画面(掲示画面)を示す図である。
図31】入居者用アプリにおける管理室が受け取ったチラシ広告を表示する画面(チラシ広告画面)を示す図である。
図32】本発明の一実施形態に係る配達管理システムの機能を説明するブロック図である。
図33】本実施形態に係る配達管理システムにおいて配達者が複数の配送品について操作入力部への入力を完了した後に表示される図である。
図34】配送品登録部による配送品の登録処理が終了し、さらに配達管理装置の処理が終了して、配達者の携帯情報端末に登録内容および配達経路を表示させるウェブサイトのURLを示す識別コードがタッチパネルディスプレイに表示された状態を示す図である。
図35】本実施形態において配達管理部が実行する処理の説明図である。
図36】配達管理部が生成する配達経路の一例を示す図である。
図37図34の識別コードが示すURLのウェブサイトに表示される画面であって、配達経路の概略を示す図である。
図38】置配入室制御部の処理が実行前であって、配送品が置配スペースに入庫可能となっていないことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図である。
図39】置配入室制御部の処理により配送品が置配スペースに入庫可能となったことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図である。
図40】置配入室制御部の処理により配送品が置配スペースに入庫完了したことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図である。
図41】置配スペースへの置配作業が完了して、集合住宅の各棟への配達を行う前の状態で、配達者の携帯情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図42】A棟の1番目のエレベータを用いた配達経路に沿って配達者が配送品を配達する際に配達者の携帯情報端末に表示されるエレベータ操作画面の一例である。
図43図42における住戸番号503の表示の右横に位置する「完了」のボタン画像がタッチされた後の配送者の携帯情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図44図43に示される表示画面の「1」のボタン画像にタッチした配達者がA棟の1番目のエレベータの乗りかごに乗ったと、進捗管理部が判断したのち、配達者の携帯情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図45図44に示される表示画面の「完了」のボタン画像にタッチしたと、操作設定部920が判断したのち、配達者の携帯情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
図46図45と同等の画面においてD棟のエレベータのボタン画像をタッチすることにより表示される画面の一例を示す図である。
図47】配達経路において最後の配達先である住戸番号1421の入居者住戸に玄関前置配が終了して、配達者が「完了」のボタン画像にタッチしたことにより表示される画面の一例を示す図である。
図48】配達者が図47の表示画面において「1」のボタン画像をタッチした後に表示される画面の一例を示す図である。
図49】配達者が図48の表示画面において「完了」のボタン画像をタッチした後に表示される画面の一例を示す図である。
図50】本発明の一実施形態の他の例に係る配達管理システムの機能を説明するブロック図である。
図51図50に示されるブロック図に基づき配達管理部が生成する配達経路の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る入退館管理システムの機能を説明するブロック図である。
【0011】
本実施形態に係る入退館管理システム1000は、外扉OGが設けられた風除室AHと、エントランスホールEHと、置配スペースCSと、管理室CRと、複数の入居者住戸DUとを備える集合住宅MDに設けられる。本明細書において、風除室AHとエントランスホールEHとの総称として「集合玄関」を用いる場合がある。入退館管理システム1000は、風除室AH内に設けられる情報入出力装置200と、情報入出力装置200と通信可能な制御装置100と、を備える。本実施形態では、制御装置100と情報入出力装置200とはネットワーク回線NWにより通信可能とされている。
【0012】
制御装置100は集合住宅MDの内部に設置されてもよいし、集合住宅MDの外に設置されてもよい。集合住宅MDの外に設置される場合の具体例として、集合住宅MDの管理会社のサーバールームに設置されることが挙げられる。
【0013】
情報入出力装置200は、集合住宅MDの風除室AHに一般的に設置されているインターホンの集合玄関機と基本構成は共通する。一般的なインターホンでは、集合玄関機にはテンキー、カメラ、マイク、スピーカーが設けられる。外扉OGから風除室AHに入った訪問者は、集合玄関機において訪問する住戸番号を押して入居者と会話して、入居者が、居室機を操作して風除室AHとエントランスホールEHとの間に設けられた入退館ドアEGのオートロックを解除する。
【0014】
制御装置100は、来訪者判定部110と指定受取判定部115と受取指示部120と通信部とを備える。図1では、通信部を、その目的に基づき、入居者との通信のための入居者用通信部131と情報入出力装置200などとの通信のための管理用通信部132とに分けて表示しているが、ハード的には共通の通信モジュールから構成されていてもよい。
【0015】
来訪者判定部110は、集合住宅MDへの来訪者の目的を判定し、これにより、配送品の配達を来訪目的とする配達者であるか否かを判定する。来訪者判定部110が来訪者は配達者であると判定した場合において、指定受取判定部115は、訪問先となる集合住宅MDの入居者があらかじめ受取方法を指定しているか否かを判定する。指定受取判定部115は、受取方法が指定されていると判定した場合に、当該指定された受取方法である指定受取方法を示す信号を出力する。受取指示部120は、指定受取判定部115が出力した指定受取方法を示す信号を入力して、入居者が決定した受取方法を情報入出力装置200に伝えるための制御信号を生成する。この制御信号は受取指示部120から出力され、管理用通信部132を介して、情報入出力装置200に入力する。
【0016】
情報入出力装置200は、来訪者の来館を示す情報を受け取り当該情報を来訪者判定部110へと伝達可能とする来館情報受信部210を有し、来訪者判定部110は、来館情報受信部210からの情報に基づき、来訪者が配達者であるか否かを判定する処理を実行する。また、情報入出力装置200は、受取指示部120が生成した制御信号を受け取り指定受取方法を配達者に通知可能とする指定方法受信部220と、指定方法受信部220が受け取った制御信号に基づき、入居者が決定した受取方法を配達者に通知する指定方法通知部230と、を備える。指定方法通知部230はスピーカーでもよいが、液晶ディスプレイなどの画像表示機器であれば、多様な情報を通知できるため、好ましい。
【0017】
訪問者が配達者であり、指定受取方法が設定されている場合には、配達者は入居者が設定した指定受取方法を速やかに知ることができるため、配送品を持ち帰る再配達が回避されるとともに、指定受取方法を知るまでの待ち時間がないため、配達作業効率を高めることが実現される。また、入居者は、配達者と直接コミュニケーションすることなく入居者の意向を配達者に伝えることができるため、セキュリティの観点から好ましい。インターホンの場合には、悪意の第三者が配達者を装って集合玄関機を操作し、子供や年配者などが応答したら、個別玄関EDを開けさせて不正を働こうとする不具合が生じる可能性があるが、本実施形態に係る入退館管理システム1000では、入居者は在室/不在を含め、個人情報を一切開示することなく受取方法を速やかに通知できるため、上記のような不具合が発生しにくい。
【0018】
また、入居者への来訪を通知するための本システムを、管理者への来訪を通知する目的にも使用することにより、業務目的の来訪を一括で管理することができる。具体的には、郵便や新聞配達と配達との訪問インターフェースが共通化されるため、郵便や新聞配達の場合には、管理者を訪問して入館して、郵便受MBに投函する運用が可能となる。これにより、例えばチラシ投函目的の来訪者(チラシ配布者)を制限することが可能となる。なお、書留郵便の場合には、訪問を選択して代引き配達などと同様の運用とすればよい。
【0019】
本実施形態に係る制御装置100の入居者用通信部131は、入居者の携帯情報端末400と通信可能である。図1では、一具体例として、ネットワーク回線NWと携帯情報端末400とを接続可能な無線通信機700が入居者住戸DUに設けられており、入居者用通信部131から送信された通知情報はネットワーク回線NWを通り無線通信機700を介して携帯情報端末400へと伝達される。
【0020】
入居者は携帯情報端末400を用いて制御装置100と通信できるため、インターホンの居室機を改造・交換することなく、本実施形態に係るシステムを導入可能である。
【0021】
以下、集合住宅MDの風除室AHに既設のインターホンを改造することにより情報入出力装置200が用意された場合を具体例として、本発明の一実施形態に係る入退館管理システム1000が行う処理を詳しく説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る入退館管理システムの制御装置が備える来訪者登録部、来訪者判定部、指定受取判定部および受取指示部が実行する処理のフロー図である。図3は、本発明の一実施形態に係る入退館管理システムの制御装置が備える来訪者登録部、来訪者判定部、指定受取判定部および受取指示部が実行する処理の説明図である。制御装置100において実行される処理については、主として図2を参照して説明し、制御装置100と情報入出力装置200との情報のやりとりについては、主として図3を参照して説明する。
【0022】
図4は、来訪者登録部の処理が開始される前の待ち状態においてタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図5は、来訪者登録部の処理が終了し、来訪者判定部の処理が開始される前の状態においてタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図6は、指定方法受信部の処理が終了し、指定受取方法として置配スペースへの置配を指示するためにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図7は、指定方法受信部の処理が終了し、指定受取方法として玄関前への置配を指示するためにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図8は、指定方法受信部の処理が終了し、指定受取方法として対面での宅配を指示するためにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【0023】
既設のインターホンには、情報収集装置として機能するカメラCM1と、指定方法通知部230および操作入力部240として機能するタッチパネルディスプレイとが設けられている。このタッチパネルディスプレイに所定の画面を表示させて操作入力を受け付けて情報入力させることにより、情報入出力装置200として機能させている。
【0024】
まず、図4に示されるような画面をタッチパネルディスプレイに表示させて、カメラCM1が訪問者を撮影可能とする。訪問者が表示された枠に合わせて、肩より上がフレーム内に収まるようにカメラCM1の前に立つことにより、カメラCM1は顔認証に必要な画像情報を入手することができる。
【0025】
カメラCM1で撮影された画像情報は制御装置100が備える来訪者登録部140へと送信される(図3ステップS200)。来訪者登録部140は、集合玄関に位置する情報収集装置から得た情報、すなわちカメラCM1が撮影した画像情報に基づき、来訪者を識別するための来訪者識別情報を生成する。生成された来訪者識別情報は、制御装置100が備える記憶部160に保存される(図3ステップS201)。
【0026】
なお、図1および図3では、来訪者登録部140は制御装置100が備えるが、これに限定されない。例えば、来訪者登録部140の処理速度を高める観点から、情報入出力装置200に来訪者登録部140が設けられていてもよい。また、図1および図3では、来訪者識別情報は記憶部160に保存されるが、これに限定されない。来訪者識別情報は記憶装置600に保存されてもよいし、双方に保存されてもよい。以下の説明においても、情報(データ)の保存場所として示される記憶部160は一具体例であり、記憶装置600が保存場所であってもよいし、双方が保存場所であってもよい。以下、記憶部160および記憶装置600を総称して「記憶部等」ともいう。
【0027】
来訪者登録部140は、訪問者が登録済み来訪者であるか否かを判定してもよい。具体的には、画像情報から顔の特徴量を抽出し、例えば制御装置100の記憶部160に保存された登録済み来訪者データベースと照合して、当該データベースに含まれる登録済み来訪者の顔の特徴量と許容誤差範囲で一致したら、来訪者を登録済み来訪者であると判定する。
【0028】
来訪者登録部140による来訪者識別情報の生成および保存が終了したら、来訪者登録部140は情報入出力装置200に制御信号を送信して(図3ステップS202)、操作入力部240に所定の処理を開始させる。具体的には、タッチパネルディスプレイに、図5に示されるように、来訪者の登録画像を表示させるとともに、テンキーを含む操作入力用画像を表示させて、操作入力用画像が表示された領域を操作入力部240として機能させるための処理が開始する。
【0029】
図5では、操作入力用画像として、テンキーの他に、取消ボタン、および入力した住戸番号の確認表示(具体例として、「110」が示されている。)が表示され、さらに訪問用ボタン、宅配用ボタン、および管理室CRへの連絡ボタンが表示されている。
【0030】
訪問用ボタンは、来訪者が、入退館ドアEGの内部に入り、入居者に直接的に相対する相対面会を希望していることを入居者に伝えるためのものである。なお、書留や代引きなども入居者との相対面会を必要とするため、訪問用ボタンは、これらの場合を含むことを示す表示を有する。このように、操作入力部240に来訪目的を直接的に伝える入力手段があることにより、配達者にとって作業時間が短縮され、配達業務の負荷が緩和される。
【0031】
以下、来訪目的が配達である場合を具体例として説明する。この場合には、図5において住戸番号および宅配用ボタンが押される。これにより、配達目的であることを示す信号が操作入力部240から来館情報受信部210へと出力される(図3ステップS203)。来館情報受信部210は、その信号またはその信号が入力されたことを契機として生成した信号を出力し、来館情報受信部210から出力された信号は、ネットワーク回線NWを通り管理用通信部132を介して来訪者判定部110に入力する(図3ステップS204)。
【0032】
来訪者判定部110は、この信号が入力されることにより、来訪目的に関する情報(来訪目的情報)を取得する(図2ステップS100)。なお、来館情報受信部210から出力された信号は直接的に来訪者判定部110に入力せず、例えば制御装置100の記憶部等に保存され、来訪者判定部110が必要に応じ記憶部160にアクセスして必要な情報を取得してもよい。以下の説明においても、このように、各部の情報のやりとりは記憶部等を介して行われる場合を、本実施形態は含む。
【0033】
来訪者判定部110は、来訪目的情報に基づき、来訪者が配達者であるか否かを判定する(図2ステップS101)。来訪者が配達者であると判定した場合には、来訪者判定部110は指定受取判定部115の処理の実行を開始可能とする(図3ステップS205)。
【0034】
指定受取判定部115は、配達先の住戸番号に関する情報(住戸番号情報)を取得する(図2ステップS102)。住戸番号情報を含む信号は、すでにステップS203において来館情報受信部210へと入力し、ステップS204において来館情報受信部210から出力されている。
【0035】
次に、指定受取判定部115は、記憶部等(図3では記憶部160)にアクセスして、ステップS102を実行して取得した住戸番号について、配達指示に関する情報(配達指示情報)を取得する(図2ステップS103、図3ステップS206)。
【0036】
指定受取判定部115は、取得した配達指示情報に基づき、配達先となる住戸番号の入居者(受取入居者)があらかじめ受取方法を指定しているか否かについて判定する(図2ステップS104)。受取入居者が受取方法を指定していると判定した場合には、指定受取判定部115は、当該指定された受取方法である指定受取方法を示す信号(受取指定信号)を生成し(図2ステップS105)、受取指示部120へと出力する(図3ステップS207)。
【0037】
受取指定信号を受け取った受取指示部120は、ネットワーク回線NWを通り管理用通信部132を介して、受取指定信号を指定方法受信部220へと出力する(図2ステップS106、図3ステップS208)。情報入出力装置200において受取指定信号を受け取った指定方法受信部220は、指定方法通知部230へと制御信号を送り(図3ステップS209)、指定方法通知部230は指定受取方法を配達者に通知可能とする。なお、受取指定信号を受け取った受取指示部120は、所定の制御信号を生成した時間に関する信号を配達時間管理部195へと出力する(図3ステップS212)。配達時間管理部195については後述する。
【0038】
このように、本実施形態に係る入退館管理システム1000では、来訪者が配達者である場合には、入居者には配達者の来館が通知されないため、入居者は配達者への応対が不要になる。入居者がテレワークで会議中など、来訪者対応が困難である場合には、指定受取方法として置配スペースCSへの置配または玄関前置配を選択することにより、入居者は自らの作業に集中することができる。このような場合であっても、配達履歴は記憶部等に適切に蓄積され、後述する入居者用アプリにその情報は反映される(図21参照。)。それゆえ、入居者は、来訪履歴画面を確認することにより、置配スペースCSに配達物が置配されたことなどを知ることができる。
【0039】
本実施形態に係る入退館管理システム1000の制御装置100は、記憶部等に、入居者が設定した指定受取方法を記憶させる指定受取設定部111を備える。例えば入居者の携帯情報端末400にインストールされた入居者用アプリから、置配スペースCSへの置配、玄関前置配、宅配のいずれを指定受取方法とするか、設定可能である(図20参照)。指定受取設定部111は、この設定情報を例えば入居者の携帯情報端末400から受け取り(図3ステップS210)、記憶部等(図3では記憶部160)に指定受取方法を記憶させる(図3ステップS211)。
【0040】
指定受取設定部111は、入居者の所在地に関する情報を受け取り、入居者が所定の範囲の外にいる場合には、入居者があらかじめ設定した受取方法を指定受取方法とみなす指定擬制部112を備える。図20に示される入居者用アプリの受取指定画面では、「在・不在 自動判別」を選択することにより、指定擬制部112による処理の実行を開始可能であり、「手動」を選択することによりこの処理の実行を停止可能である。予め設定される受取方法の具体例として、入居者住戸DUの内部に入居者がいる場合には「宅配」を指定受取方法として設定し、入居者住戸DUまたは集合住宅MDの外に入居者がいる場合には、置配スペースCSへの置配または玄関前置配を指定受取方法として設定することが挙げられる。
【0041】
このように所定の範囲外にいる場合には予め設定した受取方法(例えば置配スペースCSへの置配)が自動的に設定されることにより、入居者はその所在地が変更される度に指定受取方法を変更する煩わしさから解放され、配達者は入居者が適切に指定受取方法を設定していなかったために配送品を持ち帰ることが回避される。
【0042】
入居者の所在地の特定方法は限定されない。例えば、入居者の携帯情報端末400のGPS位置情報に基づいて特定してもよいし、入居者住戸DUに設けられた無線通信機700や集合住宅MDの敷地内であって入居者住戸DU以外の場所に設けられた無線通信機710と入居者の携帯情報端末400との接続状況に基づいて特定してもよい。
【0043】
図6から図8では、図5において登録済み来訪者の画像が表示されていた領域に、指定受取方法を示す画像が表示されている。図6では置配スペースCSへの置配が指定され、図7では個別玄関EDの前への置配(玄関前置配)が指定され、図8では配達者への直接面会を伴う受取(宅配)が指定されている。
【0044】
配達者は、集合住宅MDに複数の配送品を有して来訪し、異なる複数の入居者に配達することを希望する場合がある。その場合には、「次へ」と表示されたボタンを押すことにより、図3のステップS202の後の操作入力部240の状態に至り、操作入力部240には図5に示される画面と同様の画面(住戸番号は未入力)が表示される。この画面から、配達者は、別の配送品の指定受取方法を確認するためのプロセスを実行することができる。
【0045】
図9は、配達者が複数の配送品について操作入力部240への入力を完了した後に表示される画面を示す図である。図9では、図5において登録済み来訪者の画像が表示されていた領域に、配達方法ごとに住戸番号が示されたリストの画像が表示されている。配達方法は画面の左から、「宅配」、「玄関前置配」、「置配スペース」となっている。
【0046】
以下、図2において、ステップS101で来訪者が配達者でない場合およびステップS104で指定受取方法が設定されていない場合について説明する。
【0047】
ステップS101で来訪者が配達者でなかった場合には、来訪者判定部110は、来訪者が入居者への訪問者であるか否かについて判定する(図2ステップS107)。具体的には、操作入力部240において「訪問」ボタンが押されたことを示す信号が来館情報受信部210へと入力され、この信号またはこの信号に基づく信号が来館情報受信部210から出力され、来訪者判定部110へと入力されているか否かについて、来訪者判定部110は判定することになる。なお、前述のように、本実施形態は、来館情報受信部210からの信号に基づく情報が記憶部等に入力され、来訪者判定部110は記憶部等にアクセスしてこの情報を読み込んで、来訪者が入居者への訪問者であるか否かを判定する場合を含んでいる。
【0048】
ステップS107で来訪者が入居者への訪問者であると判定した場合には、来訪者判定部110は、来訪者ありであることを入居者に伝える制御信号を生成し(図2ステップS108)、この制御信号を入居者用通信部131へと出力する(図2ステップS109)。入居者用通信部131は、この制御信号またはこの制御信号に基づく信号を入居者の携帯情報端末400へと送信する。
【0049】
かかる信号を受信した携帯情報端末400は、例えば図22に示されるような画面を、入居者用アプリに表示させる。図22では来訪者登録部140において登録した来訪者識別情報に基づき、「よし子さん」と訪問者名が表示され、カメラCM1で撮影された画像が表示されている。入居者は、この訪問者画面に表示されたボタンを用いて適宜操作入力して、インターホンのような通話を行ったり、入退館ドアEGに入館を許可したりする。なお、図22では、訪問者の静止画が表示されている。静止画の表示に要する処理時間は短いため、入居者は、速やかに訪問者を視覚的に確認することができる。
【0050】
なお、来訪者判定部110がステップS101において来訪者が配達者であると判定した場合であって、指定受取判定部115がステップS104において指定受取方法が設定されていないと判定した場合には、上記のステップS108の処理を実行してもよい。その場合には、入居者は、図22に示されるような来訪者画面に代えて、図20に示されるような受取指定画面を表示させて、入居者が指定受取方法を設定すれば、ステップS105以降の処理が実行されるように設定されていることが好ましい。
【0051】
ステップS107で来訪者が入居者への訪問者でないと判定した場合には、来訪者判定部110は、来訪者が管理室CRへの訪問者であるか否かについて判定する(図2ステップS110)。ステップS110で来訪者が管理室CRへの訪問者である場合には、来訪者判定部110は、来訪者ありであることを管理室CRに伝える制御信号を生成し(図2ステップS111)、この制御信号を管理用通信部132へと出力する(図2ステップS112)。入居者用通信部131は、この制御信号またはこの制御信号に基づく信号を管理室CRのコンピュータ300へと送信する。
【0052】
なお、管理室CRへの訪問者には、郵便受MBに郵送物を投函する郵便配達人や、チラシ広告を郵便受MBに投函しようとするチラシ配布者が含まれる。チラシ配布者については、チラシ投函を認めず、管理人がチラシを受け取るだけとしてもよい。受け取ったチラシは、例えばスキャンして、入居者用アプリのチラシ広告画面に表示させてもよい(図31参照)。このように運用することにより、紙ゴミとして廃棄されるチラシ広告が少なくなる。
【0053】
ステップS110で来訪者が管理室CRへの訪問者でないと判定した場合には、来訪者判定部110は、再度ステップS100を実行して訪問目的情報を取得する。これにより、来訪者判定部110は来館情報受信部210または記憶部等を常に参照して訪問目的情報の有無を確認する待機状態となる。
【0054】
上記の説明では、集合住宅MDのエントランスホールEHに既設のインターホンを改造することにより情報入出力装置200が用意された場合を具体例として説明したが、これに限定されない。例えば、情報入出力装置200はエントランスホールEHに既設のインターホンの筐体内に付設された別装置であってもよい。
【0055】
この別装置に設けられた来館情報受信部210および指定方法受信部220は、例えば風除室AHに設けられた無線通信機700を通じて、携帯情報端末500と通信可能として、来訪者の携帯情報端末500のタッチパネルディスプレイを、指定方法通知部230および操作入力部240として機能させればよい。この場合には、来館情報受信部210は、配達者の携帯情報端末500が有する配達者の操作入力情報を受信可能である。また、指定方法受信部220は、指定受取方法を配達者の携帯情報端末500に表示可能である。さらに、配達者の携帯情報端末500のカメラの撮影画像に基づく情報を、来訪者登録部140へと送信することも可能である。
【0056】
このように、既設のインターホンの諸機能を用いることなく、すべて来訪者の携帯情報端末500を用いて、必要情報の獲得および通知を行うことができる。この場合には、既存のインターホンの改造が不要となるため、設置工事期間を短縮することができ、好ましい一例では、既存のインターホンを全く停止することなく本実施形態に係るシステムを集合住宅MDに導入可能である。
【0057】
情報入出力装置200は、来訪者の携帯情報端末500にインストールされたウェブアプリケーションにより、来訪者の携帯情報端末500と情報の授受を行うことが好ましい。ウェブアプリケーションであれば、来訪者は特別なアプリを携帯情報端末500にインストールしていなくても、ウェブブラウザを開くだけで、情報入出力装置200の来館情報受信部210に入館目的に関する情報を伝えることが可能であり、指定方法受信部220からの受取方法に関する情報を受け取ることが可能である。
【0058】
携帯情報端末500を用いて制御装置100と通信する来訪者が配達者の場合には、携帯情報端末500にインストールされたインターフェースアプリケーションを適切に設定することにより、複数の入居者に一括で来訪目的を伝えることが可能である。これにより、複数の配送品について個別に指定受取方法を確認する作業を繰り返し行うことなく、図9に示されるリストを用意することが可能となるため、配達者は集合住宅MDの訪問時間を大いに短縮することが実現される。この場合であっても、集合玄関に設けられた来館情報受信部210の処理において来訪目的の情報を受け取りを行うことにより、本実施形態に係る入退館管理システム1000は、配達者が集合住宅MDに来訪したと判定することができる。
【0059】
続いて、図9に示されるリストに基づき、配達者が配送品を置配スペースCSに置く作業において制御装置100が実行する処理について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る入退館管理システムが置配スペースへの置配の際に実行する処理の説明図である。
【0060】
制御装置100は、エントランスホールEHに位置する情報収集装置が収集した情報に基づいて、配送品に紐付けられた配送品識別情報を生成する配送品登録部150を有する。図10では、情報収集装置として、情報入出力装置200として機能するインターホンの集合玄関に機可搬型のカメラ(カメラPCM1)が設けられている。情報収集装置は、配達者の携帯情報端末500のカメラであってもよい。
【0061】
配送品登録部150は、情報収集装置(カメラPCM1または携帯情報端末500のカメラ)を動作可能とし(ステップS220)、配達者に、情報収集装置(カメラPCM1または携帯情報端末500のカメラ)を用いて、例えば配送品に貼付された荷札および荷姿を撮影させる。配送品登録部150は、情報収集装置から撮影した画像データを受け取り(ステップS221)、これらのデータを用いて、配送品ごとに配送品識別情報を作成する。例えば、荷札の画像から文字情報を取り出し、荷姿から配送品の外観(形状、色、荷札の貼付位置)に関する情報を取り出し、これらの情報が含まれた情報が配送品識別情報として作成される。
【0062】
作成された配送品識別情報は、記憶部等(制御装置100に内蔵された記憶部160および/またはネットワーク回線NWを介して制御装置100と接続された記憶装置600)に保存される(ステップS222)。
【0063】
図11は、配送品登録部の処理の一例として配送品の画像認識が行われているときにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図11では、図9に示される置配スペースCSに置配する配送品のリストが表示され、このリストの4番目であって住戸番号401の入居者あての配送品について、画像を撮影している状態が示されている。枠内に表示される撮影画像が必要情報を含んでいる場合には、その画像をスナップショット(静止画書き出し)して保存する。必要な情報を収集するために、タッチパネルディスプレイに、「配送品全体を枠内に入れてください」、「角度を変えて配送品全体を枠内に入れてください」、「荷札を枠内に入れてください」といった指示を表示させてもよい。
【0064】
必要な画像情報を取得して配送品識別情報を生成したら、「次の配送品を撮影してください」といった表示を示し、次の配送品の配送品識別情報を生成するための処理を実行すればよい。適切に配送品識別情報が生成された場合には、図11の置配スペースCSのリストに示されるように、リストの表示色を変更して処理が終了したことを示したり、「済」を表示したりしてもよい。
【0065】
図12は、配送品登録部による配送品の登録処理が終了して、配達者の携帯情報端末500に登録内容を表示させるウェブサイトのURLを示す識別コード(二次元画像による識別コード)がタッチパネルディスプレイに表示された状態を示す図である。図13は、図12に示される識別コードが示すURLのウェブサイトに基づく表示画像の例であり、(a)には宅配する住戸番号が一覧で示され、(b)には玄関前置配する住戸番号が一覧で示され、(c)には置配スペースに置配する配送品の受取人の住戸番号が一覧で示されている。
【0066】
図12の表示は、図11に示される複数の配送品についての配送品識別情報を生成が完了した後、配送品登録部150がタッチパネルディスプレイに表示させる。配達者は携帯情報端末500のカメラでこの識別コードを読み込むことによって、携帯情報端末500においてブラウザが起動して所定のサイトに移動し、図13に示される画像が表示される。図12の識別コードが示すURLのウェブサイトでは、図13に示されるように、宅配(a)、玄関前置配(b)、置配スペースへの置配(c)のそれぞれについて配達状況を確認可能である。
【0067】
なお、タッチパネルディスプレイの表示を介することなく、配送品登録部150が直接的に配達者の携帯情報端末500に図13の画像を表示させてもよい(ステップS223)。来訪者登録部140での来訪者登録が終了したときに、来訪者登録部140が所定のウェブアプリケーションを用いて配達者の携帯情報端末500と情報のやりとりを可能とするための処理を行っている場合には、そのウェブアプリケーションにおいて図13の画像を表示させる処理を、配送品登録部150が実行すればよい。
【0068】
図13(b)では、一例として、住戸番号511および住戸番号311への玄関前置配が完了した状態が示されている。この表示態様を変化させる処理は、住戸番号の右隣の「完了」ボタンを配達者が押すことによって開始されてもよいし、他の方法により開始されてもよい。
【0069】
他の方法の一例として、入退館ドアEGの内側に設けられたカメラCM5に、当該配送品を登録した配達者が撮影されたことを条件として、宅配および玄関前置配の配達が完了したことを示すように、図13の表示を変更する処理の実行が開始されてもよい。この処理は、後述する退館・退室制御部185が実行可能である。あるいは、配送品にRFタグが取り付けられている場合には、入居者住戸DUに配送品が到達して個別玄関EDに取り付けられた通信機とRFタグとが通信を適切に行ったことを条件として上記処理の実行が開始されてもよい。
【0070】
上記の説明では、配送品登録部150はカメラPCM1または携帯情報端末500のカメラを用いて撮影された画像に基づき配送品識別情報を生成したが、これに限定されない。例えば、次に説明するように、配送品識別情報を含む識別コードを配送品に貼付してもよい。
【0071】
図14は、配送品登録部の処理の一例として配送品に貼付される識別コードの生成が行われているときにタッチパネルディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。図15は、配送品に貼付される識別コードと配送品との関係を示す図であって、(a)はURLの表示画像の一例であり、(b)は識別コードが表示されたシールの例である。
【0072】
本例において、配送品登録部150は、配送品識別情報に対応する情報を有し配送品に付置される識別体を形成するための制御信号を生成する。この制御信号に基づき、識別体の一具体例として、配送品識別情報を含む識別コードが生成され、この識別コードが表示されたシールが、風除室AHに設けられたプリンタ250により出力される。図14では、住戸番号401への配送品に貼付するシールに表示される識別コードがタッチパネルディスプレイに表示され、印刷可能となったことが示されている。
【0073】
図15(b)には、上から順に、住戸番号223、住戸番号718、住戸番号605、住戸番号401のそれぞれの配送品に貼付されるシールが連続的に表示されている。これらのシールには、住戸番号など配送品の受取人を特定する情報が表示されていないため、配送品に貼付された荷札を覆うようにこのシールを貼付すれば、プライバシーを保護することが可能である。その一方で、図15(a)のリストの項番(図15(b)では1~4)が各シールに表示されているため、配達者は、この項番を頼りに、シールの貼付を正確に行うことができ、また、シール貼付後も配送品の特定を正確に行うことができる。
【0074】
なお、前述の配送品を撮像して配送品識別情報を生成する場合のように、識別コードが表示されたシールを用いない場合であっても、配送品登録部150は、配送品に紐付けられた識別コードを生成してもよい。この識別コードは、置配スペースCSからの退室に使用されてもよい。
【0075】
制御装置100は集合玄関(具体的には風除室AH)に位置する情報収集装置(カメラCM1)から得た情報に基づいて来訪者登録部140が生成した来訪者識別情報を用いて、入館または入室を管理する入館・入室制御部180を備える。図1では、来訪者登録部140が記憶部160に記憶させた来訪者識別情報を入館・入室制御部180が読み出す形態が示されているが、これに限定されない。来訪者登録部140が生成した来訪者識別情報がそのまま入館・入室制御部180に入力してもよいし、来訪者登録部140が記憶装置600に記憶させた来訪者識別情報を入館・入室制御部180が読み出してもよい。
【0076】
配送品登録部150において全ての配送品の登録が終了したら、入館・入室制御部180は、入退館ドアEGの外側に設けられたカメラCM4を起動させて、配達者をカメラCM4で撮像可能とする(ステップS224)。カメラCM4が顔認証に必要な画像情報を得たら、その情報を入館・入室制御部180へと送信する(ステップS225)。図1では、カメラCM2からカメラCM5の撮影画像は、カメラ管理装置320を介して制御装置100に入力する構成となっているため、実際には、ステップS225の処理はカメラ管理装置320が実行する。
【0077】
なお、入館・入室制御部180がカメラCM4を起動させることに代えて、入退館ドアEGの外側に設けられた人感センサが入退館ドアEGの外側に人間を検知したら、カメラCM4を起動してもよい。あるいは、カメラCM4は常に動作して人感センサとして機能しており、カメラCM4が人を検知したら、顔の位置を特定して、顔認証に必要な情報を取得し、入館・入室制御部180へと送信してもよい。
【0078】
入館・入室制御部180は、記憶部等(図10では記憶部160)から来訪者識別情報を適宜読み込んで(ステップS226)、ステップS225により入館・入室制御部180が受け取った顔画像が来訪者登録を行った配達者であるか否かについて判定する。顔画像が来訪者登録を行った配達者である場合には、入退館ドアEGを解錠してよい旨の制御信号を生成し、当該制御信号を管理室CRに設けられたドア開閉管理装置310へと送信する(ステップS227)。この制御信号を受け取ったドア開閉管理装置310は、入退館ドアEGを解錠するための制御信号を入退館ドアEGへと出力し(ステップS228)、配達者は、入退館ドアEGの内部へと入ることが可能となる。
【0079】
入館・入室制御部180は、入居者の識別情報を用いて、入居者の入館または入室を管理してもよい。制御装置100は、例えば、図19に示される入居者用アプリの利用者登録画面から、入居者の携帯情報端末400のカメラを用いて入居者の顔画像を入力させ、その顔画像と紐付けられた入居者識別情報を記憶部等に記録させておく。入館・入室制御部180は、カメラCM4に撮影された人の画像に基づき顔認証を行い、記憶部等に格納された入居者識別情報に含まれる人(利用者登録した入居者)であるか否かを判定する。カメラCM4に撮影された人が利用者登録した入居者である場合には、入退館ドアEGを解錠してよい旨の制御信号を生成し、当該制御信号を管理室CRに設けられたドア開閉管理装置310へと送信する。この制御信号を受け取ったドア開閉管理装置310は、入退館ドアEGを解錠するための制御信号を入退館ドアEGへと出力する。これにより、利用者登録した入居者は、解錠のための操作を行うことなく、入退館ドアEGの内部へと入ることが可能となる。
【0080】
この場合において、カメラCM4に複数の人が撮影された場合には、撮影された人のすべてが利用者登録した入居者でない場合には、来訪者登録を行うようアラーム表示・報知を行ったり、管理室CRに通報したりしてもよい。これにより、入居者とともに未登録者(不審者)が集合住宅MDの内部に入ることが防止される。
【0081】
制御装置100は、配送品識別情報を用いて配達者の置配スペースCSへの入室を管理する置配入室制御部170を備える。入館・入室制御部180が一連の処理の実行を完了すると、置配入室制御部170は所定の処理を実行可能となる(ステップS229)。置配入室制御部170は、置配スペースCSの入口側を収集範囲とする情報収集装置を動作可能とする(ステップS230、ステップS233)。図2では、置配スペースCSの入退室ドアCSDの入口側に設けられたカメラCM2および可搬型のカメラPCM2が情報収集装置に該当する。
【0082】
置配入室制御部170は、情報収集装置の一つであるカメラCM2から取得した(ステップS231)画像データなどの情報、および記録部等(図10では記憶部160)から取得した(ステップS232)来訪者登録情報に基づき、入館・入室制御部180により入館を許可された配達者が置配スペースCSに入室しようとしているか否かを判定する。
【0083】
置配入室制御部170は、カメラCM2が撮影した画像により顔認証された人が適切な配達者であると判定した場合に、配達者が有している配送品の画像をカメラPCM2から収集し(ステップS234)、記録部等(図10では記憶部160)から取得した(ステップS232)配送品識別情報と照合して、配達者が配送品登録部150が登録した配送品を適切に有しているか否かを判定する。置配入室制御部170は、正しい配達者が配送品を適切に有していることを判定したら、配達者に置配スペースCSへの入室を許可し、置配スペースCSへの入退室ドアCSDを解錠するための制御信号を管理室CRに設置されたドア開閉管理装置310に送信する(ステップS236)。この制御信号を受信したドア開閉管理装置310は入退室ドアCSDを開くための制御信号を入退室ドアCSDへと出力し(ステップS237)、配達者は置配スペースCSへと入ることが可能となる。このように、置配入室制御部170は置配スペースCSへの入室可否を判定する。
【0084】
また、置配入室制御部170は、配達者の携帯情報端末500の表示を変更するための処理も行う(ステップS235)。具体的には、図16に示されるように、各配送品について「未入庫」であった表示を「入庫可」に変更するための処理を実行する。これにより、配達者は、入退室ドアCSDの前での手続が適切に終了したことを確認することができる。
【0085】
置配入室制御部170は、置配スペースCSに置くべき配送品の置配スペースCSの内部の置き場所を配達者に通知してもよい。具体的には、置配スペースCSの内部に表示装置があり、その表示装置に各配送品の置き場所を指定する画像を表示させてもよい。置配入室制御部170は、配達者の携帯情報端末500に各配送品の置き場所を示す画像を表示してもよい。このように各配送品の置き場所を通知することにより、配達者の誤配を防止することができる。
【0086】
制御装置100は、置配スペースCSからの配達者の退室を管理する置配退室制御部175を備える。置配入室制御部170が一連の処理の実行を完了すると、置配退室制御部175は所定の処理を実行可能となる(ステップS238)。置配退室制御部175は、置配スペースCSの出口側を収集範囲とする情報収集装置(カメラCM3)を動作可能とし(ステップS239)、情報収集装置から取得した画像データなどの情報を受け取る(ステップS240)。置配退室制御部175は、情報収集装置から取得した情報に基づき、配達者の置配スペースCSからの退室可否を判定する。具体的には、置配退室制御部175は、情報収集装置であるカメラCM3に配達者が自らを撮影させることにより得られた画像、および記録部等(図10では記憶部160)から取得した(ステップS241)来訪者登録情報に基づいて、顔認証など生体認証により、置配スペースCSから退室を希望している配達者であるか否かを判定する。
【0087】
また、置配スペースCSに、指定された置き場所に配送品が置かれたことを確認可能な情報収集装置が設けられている場合には、置配退室制御部175は、その情報収集装置からの情報に基づき、配達者が所定の配達物を全て指示された置き場所に置いたか否かを判定する。なお、この場合の情報収集装置の具体例は指定された置き場所に置かれた配送品を撮影可能なカメラである。置配スペースCSに配送品が適切に置かれ、正しい配達者が入退室ドアCSDの前にいることを確認したら、置配退室制御部175は、配達者に置配スペースCSへの退室を許可し、置配スペースCSの入退室ドアCSDを解錠するための制御信号を管理室CRに設置されたドア開閉管理装置310に送信する。(ステップS243)。上記の制御信号を受信したドア開閉管理装置310は入退室ドアCSDを開くための制御信号を入退室ドアCSDに出力し(ステップS244)、配達者は置配スペースCSから退去することが可能となる。
【0088】
また、置配退室制御部175は、配達者の携帯情報端末500の表示を変更するための処理も行う(ステップS242)。具体的には、図17に示されるように、置配スペースCSへの置配対象となっている全ての配送品について表示色を変更するとともに、「入庫可」であった表示を「完了」に変更するための処理を実行する。これにより、配達者は、置配スペースCSにおける作業が適切に終了したことを確認することができる。
【0089】
制御装置100は、配達者による配達完了を入居者に通知するための完了通知制御信号を、配達者が退館または退室したことを条件として生成する配達完了通知部190を備える。置配退室制御部175は、ステップS243が完了したら配達完了通知部190の処理を実行可能とする(ステップS245)。
【0090】
配達完了通知部190は、入居者の携帯情報端末400に、置配スペースCSに配送品が置かれたことを知らせるための処理を行ってもよい(ステップS246)。この処理を実行した結果の一例として、図23の配達通知画面には、3月30日に4つの配送品が置配スペースCSに置かれたことが示されている。各配送品には固有の識別コードおよび確認用の番号(図23では、それぞれ、「98」、「25」、「43」、「38」である。)が付与されている。この番号は、例えば置配スペースCSの配置と関連する番号(棚番号)であってもよいし、配送品に貼付されたシールに表示された番号であってもよい。このように配達通知画面の表示を変更することにより、入居者は置配スペースCSに配送品が置かれたことを知ることができる。
【0091】
配達完了通知部190が処理を実行することにより、入居者の携帯情報端末400にいわゆるプッシュ通信形式での通知が行われてもよい。この場合には、配達通知画面の表示を変更する方法よりも、置配スペースCSに配送品が置かれたことを確実に知ることができる。
【0092】
制御装置100は、入館・入室制御部180が許可した入館者または入室者の退館または退室を管理する退館・退室制御部185を備える。置配退室制御部175が一連の処理の実行を完了すると、退館・退室制御部185は所定の処理を実行可能となる(ステップS247)。退館・退室制御部185は、入退館ドアEGの内側を収集範囲とする情報収集装置(カメラCM5)を動作可能とし(ステップS248)、情報収集装置から取得した画像データなどの情報を受け取る(ステップS249)退館・退室制御部185は、情報収集装置から取得した情報に基づき、配達者の退館の可否を判定する。具体的には、退館・退室制御部185は、情報収集装置であるカメラCM5に配達者が自らを撮影させることにより得られた画像、および記録部等(図10では記憶部160)から取得した(ステップS250)来訪者登録情報に基づいて、顔認証など生体認証により、入退館ドアEGから退館を希望している人が、入館・入室制御部180が入館を許可した配達者および/または置配退室制御部175が退室を許可した配達者であるか否かを判定する。そして、適切な配達者であることを確認したら、退館・退室制御部185は、配達者に退館を許可し、入退館ドアEGを解錠するための制御信号を管理室CRに設置されたドア開閉管理装置310に送信する(ステップS251)。この制御信号を受け取ったドア開閉管理装置310は、入退館ドアEGを解錠するための制御信号を入退館ドアEGへと出力し(ステップS252)、配達者は、入退館ドアEGの外へと戻ることが可能となる。
【0093】
図10では、配達完了通知部190は、置配退室制御部175により処理を開始可能とされたが、これに限定されない。例えば、退館・退室制御部185がステップS251を実行して配達者に退館を許可したら、配達完了通知部190の処理を実行可能としてもよい。配達者が置配スペースCSに置く配送品を有しておらず、宅配、玄関前置配のみである場合には、置配退室制御部175の処理は実行されないため、上記のように、退館・退室制御部185が配達完了通知部190の処理の実行開始を制御することが好ましい。例えば、来訪者登録部140において登録され、来訪者判定部110で配達目的の配達者であると判定された来訪者が、配送品登録部150で配送品登録を行うことなく入退館ドアEGのカメラCM4により撮影されて、入館・入室制御部180により入館希望と確認された場合には、配達者は置配スペースCSに置く配送品を有していないため、退館・退室制御部185が配達完了通知部190の処理の実行を開始可能とするように、制御装置100が設定を変更すればよい。
【0094】
退館・退室制御部185は、入館・入室制御部180と同様に、入居者の識別情報を用いて、入居者の退館または退室を管理してもよい。入居者用アプリの利用者登録画面において利用者登録した入居者は、解錠のための操作を行うことなく、入退館ドアEGから退館(外出)することが可能となる。
【0095】
制御装置100は、来訪者判定部110が来訪者が配達者と判定した時点から、または受取指示部120が所定の制御信号を生成した時点から、所定の時間を経過しても、配達完了通知部190が完了通知制御信号を生成しない場合には、作業遅延であることを通知する信号を生成する配達時間管理部195を備える。図1および図3では、受取指示部120が、所定の制御信号を生成した時間に関する信号を配達時間管理部195へと出力している。受取指示部120から信号を受けた配達時間管理部195は、配達者の作業時間の管理を開始する。管理を開始してから所定の時間を経過しても、退館・退室制御部185から完了通知制御信号が入力されない場合には、何らかのトラブルが発生した可能性があるため、配達時間管理部195は遅延信号を生成して、通信部130(入居者用通信部131、管理用通信部132)へと出力する。遅延信号の通知先は、入居者だけでなく、管理者や配達者を手配した事業者(配送事業者)であってもよいし、警備担当者であってもよい。また、受取指示部120に代えて、来訪者判定部110や指定受取判定部115が、所定の処理を実行した時間に関する信号を配達時間管理部195へと出力してもよい。
【0096】
図18から図23および図25から図31は、入居者の携帯情報端末400にインストールされたアプリケーション(入居者用アプリ)の操作画面を示す図である。
【0097】
集合住宅MDの入居者の携帯情報端末400には、入館・入室制御部180および退館・退室制御部185が処理を実行するための入居者識別情報を入力(利用者登録)すること、指定受取判定部115が取得する指定受取方法を設定すること、配達完了通知部190の処理が実行された結果としての配達通知を表示することなどを目的としたアプリケーション(入居者用アプリ)がインストールされる。本実施形態では、入居者用アプリは、集会所やミーティングスペースなど集合住宅MD内の共有スペースの予約、集合住宅MDの管理組合への管理費支払を含む管理組合とのコミュニケーションの機能も有している。
【0098】
入居者用アプリは、次に列記される複数の操作画面を有している。
(A)管理者登録画面(図18
(B)利用者登録画面(図19
(C)受取指定画面(図20
(D)来訪履歴画面(図21
(E)訪問対応画面(図22
(F)配達通知画面(図23図25
(G)スマートロック画面(図26
(H)共有スペース予約画面(図27
(I)カレンダー画面(図28
(J)管理室テキスト通知画面(図29
(K)掲示画面(図30
(L)チラシ広告画面(図31
【0099】
図18は、管理者登録の操作画面(管理者登録画面)の一例を示す図である。管理者登録画面には、入居者の世帯主の個人情報が表示され、個人情報の確認および変更が可能となっている。具体的には、ログイン情報としてメールアドレスとパスワードとが表示される。パスワードは入力文字が伏せられた状態となっている。登録者情報には、入居者氏名、住所、住戸番号、電話番号が表示される。さらに、決済情報として、管理費や修繕費を支払うクレジットカードの必要情報が表示される。住所情報以外は「変更」ボタンを押すことにより変更することが可能である。住所の情報は集合住宅MDの所在地なので入居者により変更不能であり、入居者用アプリをインストールする際に自動的に設定される。
【0100】
管理者登録画面で設定した決済情報を制御装置100の処理と関連付けてもよい。例えば、制御装置100は決済情報に紐付けられた管理組合の管理費支払い情報(賃貸入居者の場合には賃貸料を含めてもよい。)を収集し、その情報に基づいて、入退館ドアEGを解錠するための制御信号を管理室CRに設置されたドア開閉管理装置310に送信するか否かの判定を行ってもよい。具体的には、管理費や賃貸費の滞納が著しい入居者には、入退館ドアEGの開閉を制限することも可能である。また、決済情報を用いて、代引き配達において配達費をアプリケーション上で決済して玄関前置配にすることもできる。これにより、代引き配達でありながら、配達者に相対面会する必要がなくなる。
【0101】
図19は、入居者用アプリにおける利用者登録の操作画面(利用者登録画面)の一例を示す図である。利用者登録画面の操作により入居者識別情報を制御装置100に登録することによって、入退館管理システム1000が提供する様々なサービスを享受できるようになる。
【0102】
図20は、入居者用アプリにおける配送品の受取方法を指定するための操作画面(受取指定画面)の一例を示す図である。先に説明したように、配送品の受取方法として、置配スペースCSへの置配、玄関前置配、宅配のいずれかを予め設定しておくことが可能であり、さらに、いずれかの配達方法での指定が、不在の場合(所定の範囲外にいる場合)に自動的に設定されるようにすることを選択することができる。
【0103】
図21は、入居者用アプリにおける来訪履歴を表示する画面(来訪履歴画面)を示す図である。来訪者、来訪日時、および対応者を履歴として残しておくことができる。訪問目的が配達の場合であって、置配スペースCSに配送品が置かれた状態になっている場合には、対応者の表示に代えて、配送品を回収していないことを示す「未対応」が表示される。例えば、3月30日の11時11分25秒の宅配便については、対応しておらず、玄関前置配または置配スペースCSに置き配されていることを、来訪履歴画面で確認することができる。なお、配達者の来訪時間は、受取指示部120からの信号を配達時間管理部195が受け取り、配達作業時間の管理を開始した時間とすればよい。
【0104】
図22は、入居者用アプリにおける来訪者の訪問を表示する画面(訪問対応画面)を示す図である。前述のように、来訪者登録部140において登録された画像または来訪者の来訪者識別情報に基づき記憶部等から取得された訪問者の静止画像が表示される。このように静止画を表示することにより、インターホンよりも鮮明な画像を素早く表示させることができる。また、静止画であることにより来訪者の顔の特徴(表情)を確認しやすく、セキュリティの観点からも好ましい。
【0105】
図23は、入居者用アプリにおける配達通知および受取状態を表示する画面(配達通知画面)を示す図である。前述のように、配達完了通知部190が処理を実行したことにより、配達通知画面には、配送品に関する通知が表示される。3月30日には置配スペースCSに置配された配送品が4つあり、3月28日には玄関前置配された配送品が1つあり、3月27日には玄関前置配された配送品が2つあり、3月26日には宅配された配送品が2つあることが示されている。
【0106】
以下、図24を用いて、入居者による置配スペースCSからの配送品の受取を説明する。図24は、本発明の一実施形態に係る入退館管理システムが置配スペースからの受取の際に実行する処理の説明図である。
【0107】
図23に示されるように、配達通知画面により置配された配送品があることを知った入居者は、置配スペースCSの入退室ドアCSDを開けるために、置配入室制御部170の処理の実行を開始する。開始方法は限定されない。開始のためのボタンが入退室ドアCSDに設けられていてもよいし、入退室ドアCSDの入口側のカメラCM2が常に起動していて人感センサとして機能していてもよいし、入退室ドアCSDの近傍に設けられた無線通信機700が置配スペースCSに配送品がある入居者の携帯情報端末400が通信可能範囲に入ったことを検出したら開始してもよい。
【0108】
置配入室制御部170は、カメラCM2を起動させ(ステップS260、前述のように起動済みであってもよい。)、カメラCM2は撮影範囲に人が入ったら顔認証に必要な画像を撮影する。撮影された画像は置配入室制御部170へと出力される(ステップS261)。画像を取得した置配入室制御部170は、記憶部等(図24では記憶部160)から入居者識別情報を適宜取得して(ステップS262)、いずれの入居者が置配スペースCSに入室を希望しているかを特定する。入居者の特定が終了したら、置配入室制御部170はカメラPCM2を起動させる(ステップS263)。入居者は、携帯情報端末400において配達通知画面を表示させて、入居者が受け取りを希望する配送品(受取希望品)に紐付けられた識別コードをカメラPCM2に読み込ませる。配達通知画面では、所定の識別コードに紐付いた表示領域をタップすることによって、識別コードが拡大表示されてもよい。なお、前述のように、識別コードには、配送品識別情報と関連付けられた情報が含まれている。
【0109】
置配入室制御部170は、カメラPCM2から受取希望品に紐付いた識別コードの画像を取得したら(ステップS264)、記憶部等(図24では記憶部160)から入居者識別情報を適宜取得して(ステップS265)、受取希望品が、置配入室制御部170が特定した入居者が受け取るべき配送品であるか否かについて判定する。
【0110】
上記判定の結果、受取希望品が適正である場合には、置配入室制御部170は、入居者に置配スペースCSへの入室を許可し、置配スペースCSへの入退室ドアCSDを解錠するための制御信号を管理室CRに設置されたドア開閉管理装置310に送信する(ステップS266)。上記の制御信号を受信したドア開閉管理装置310は入退室ドアCSDを開くための制御信号を入退室ドアCSDへと出力し(ステップS267)、入居者は置配スペースCSへと入ることが可能となる。
【0111】
置配入室制御部170は、置配スペースCSへの入退室ドアCSDを解錠するための制御信号をドア開閉管理装置310に送信したら、置配退室制御部175の処理の実行を開始可能とする(ステップS268)とともに、配達時間管理部195と同等の機能を有する入館・入室時間管理部195Aに、入退室ドアCSDの解錠を許可した時間に関する信号を出力する(ステップS269)。制御装置100が備える入館・入室時間管理部195Aは、置配入室制御部170から信号を受けて、置配スペースCSへの入室者の入室時間を管理する。入館・入室時間管理部195Aは、入館者の入館時間や在館時間を管理してもよいし、入居者の置配スペースCSの在室時間を管理してもよい。
【0112】
置配退室制御部175は、処理を実行可能となったら、置配スペースCSの入退室ドアCSDの室内側を撮影範囲とするカメラCM3を起動させる(ステップS270)。カメラCM3は撮影範囲に人が入ったら顔認証に必要な画像を撮影する。撮影された画像は置配退室制御部175へと出力される(ステップS271)。画像を取得した置配退室制御部175は、記憶部等(図24では記憶部160)から入居者識別情報を適宜取得して(ステップS272)、置配入室制御部170の処理を実行させて入室した入居者であるか否かを判定する。適切な入居者であると判定したら、置配退室制御部175は、置配スペースCSの室内に設置された可搬型のカメラPCM3を起動させる(ステップS273)。入居者は、受け取った配送品の荷姿や荷札など、またはその配送品に貼付されたシールに表示された識別コードを読み込ませる。
【0113】
置配退室制御部175は、カメラPCM3から適切な画像を取得したら(ステップS274)、記憶部等(図24では記憶部160)から入居者識別情報および配送品識別情報を適宜取得する(ステップS272)。そして、置配退室制御部175は、入居者が持ち出そうとしている配送品が、置配入室制御部170が特定した入居者に係る受取希望品であるか否かについて判定する。
【0114】
置配退室制御部175は、適切な配送品であると判定したら、入居者に置配スペースCSへの退室を許可し、置配スペースCSの入退室ドアCSDを解錠するための制御信号を管理室CRに設置されたドア開閉管理装置310に送信する。(ステップS275)。これにより、ドア開閉管理装置310は入退室ドアCSDを開くための制御信号を入退室ドアCSDに出力し(ステップS276)、入居者は、置配スペースCSから退去することが可能となる。
【0115】
置配退室制御部175は、置配スペースCSへの入退室ドアCSDを解錠するための制御信号をドア開閉管理装置310に送信したら、入館・入室時間管理部195Aに、入退室ドアCSDの解錠を許可した時間に関する信号を出力する(ステップS277)。入館・入室時間管理部195Aは、入居者の在室時間を算出して、在室時間を管理室CRのコンピュータ300に送信してもよい。
【0116】
図25は、入居者用アプリの配達通知画面において全ての配送品が受取完了した状態を示す図である。置配退室制御部175は、ステップS275を行ったら、入居者用アプリの配達通知画面の表示を、図25に示されるように、配送品が受取完了となったことを示すように変更するための制御信号を生成し、配送品を受け取った入居者の携帯情報端末400に送信する(ステップS279)。
【0117】
図26は、入居者用アプリにおけるスマートロックの動作状態を表示する画面(スマートロック画面)を示す図である。スマートロック画面の機能は、入居者が利用者登録画面を用いて制御装置100に入室者識別情報を生成させていることが前提となる。図26では、玄関ドア(入退館ドアEG、個別玄関ED)についてスマートロック機能が動作していない状態であることを示す施錠された鍵の画像が表示されている。一方、ゴミ置き場DRの入退室ドアDDについては、スマートロック機能が動作しる状態であることを示す解錠された鍵の画像が表示されている。この状態であれば、入居者は、ゴミ置き場DRの入退室ドアDDの入室側に設けられたカメラCM7を用いて顔認証することにより、入退室ドアDDに特段の解錠操作することなく、ゴミ置き場DRに入室可能となる。なお、玄関ドアについてスマートロック機能が動作している状態である場合には、入退館ドアEGに設けられたカメラCM4およびカメラCM5ならびに入居者住戸DUに設けられたカメラCM6を用いて、入館・入室制御部180および退館・退室制御部185が、入退館ドアEGおよび個別玄関EDの施錠・解錠を制御する。
【0118】
図27は、入居者用アプリにおける共有スペースの予約の操作画面(共有スペース予約画面)の一例を示す図である。共有スペース予約画面には、具体例として、4月4日の14時から16時までの時間帯について集会所を予約し、4月29日の15時以降についてゲストルームを予約したことが確認できる表示が示されている。
【0119】
図28は、入居者用アプリにおけるカレンダーの操作画面(カレンダー画面)を示す図である。カレンダー画面には、具体例として、3月および4月が表示され、操作当日(図28では3月30日)を認識できるように太枠で強調表示されている。また、共有スペース予約画面で予約した日(4月4日および4月29日)が背景色変更により強調表示されている。この強調表示された日付を押すことにより、その日のスケジュールの確認・変更や共有スペースの予約・確認などが可能となる。
【0120】
図29は、入居者用アプリにおける管理室からのテキストベースでの通知を表示する画面(管理室テキスト通知画面)を示す図である。図30は、入居者用アプリにおける従来掲示板に表示していた情報を表示する画面(掲示画面)を示す図である。入居者用アプリは、入居者が集合住宅MDで生活する際の必需品となるため、これらの図が示すように、管理室CRからの連絡を入居者用アプリで伝えることにより、連絡の伝達性を高めることが実現される。
【0121】
図31は、入居者用アプリにおける管理室が受け取ったチラシ広告を表示する画面(チラシ広告画面)を示す図である。本実施形態に係る入退館管理システム1000によれば、チラシ広告を投函しようとするチラシ配布者は、図2のステップS110からステップS112を経て、管理室CRを訪問することになる。このとき、管理室CRの管理者は、チラシ投函を認めず、管理人がチラシを受け取るだけとしてもよい。受け取ったチラシは、例えばスキャンして、図31に示されるように、入居者用アプリのチラシ広告画面に表示させる。このように運用することにより、紙ゴミとして廃棄されるチラシ広告が少なくなる。
【0122】
(第2実施形態)
図32は、本発明の一実施形態に係る配達管理システムの機能を説明するブロック図である。図32では、配達管理装置900が図1に示される入退館管理システム1000に追加され、全体として、配達管理システム1100を構成している。なお、図32では、制御装置100が備える構成要素の一部が示されている。具体的には、制御装置100が備える管理用通信部132、来訪者登録部140、配送品登録部150、および記憶部160のみが表示されている。
【0123】
前述のように、情報入出力装置200への配達者からの操作入力により、来訪者登録部140は配達者を登録し、配送品登録部150は配送品に紐付けられた配送品識別情報を生成する。図5から図9に示されるように、この配送品登録部150により、各配送品は入居者住戸DUとの紐付け情報が形成される。すなわち、全ての配送品についていずれの入居者住戸DUに配達されるかに関する情報が、記憶部等(記憶部160および/または記憶装置600)に保存されている。
【0124】
配達管理装置900が管理する集合住宅MDは少なくとも一つのエレベータを有し、以下の説明では、複数のエレベータを備える場合を具体例とする。いずれのエレベータも、エレベータ室ELRに設けられた乗りかごECを制御するエレベータ制御装置800を備える。エレベータ室ELRは各階にエレベータドアELGが設けられ、エレベータドアELGの側に設けられた操作パネルELPまたは乗りかごECに設けられた操作パネルECPに操作入力することにより、エレベータ制御装置800を通じて乗りかごECを操作することができる。図32では、乗りかごECにも無線通信機720が設けられている。
【0125】
図32に示されるように、配達管理装置900は、経路設定部910および操作設定部920を備え、さらに進捗管理部930および配達管理通信部940を備える。本実施形態では、集合住宅MDに設置された無線通信機700、710、720などを通じて、制御装置100や配達管理装置900と配達者の携帯情報端末500とは通信可能となっている。以下の説明では、配達者の携帯情報端末500が配達管理装置900についての情報出入力装置として機能する場合を具体例とする。
【0126】
図33は、本実施形態に係る配達管理システムにおいて配達者が複数の配送品について操作入力部への入力を完了した後に表示される図であり、入退館管理システム1000の図9に対応する。図33では、図5において登録済み来訪者の画像が表示されていた領域に、配達方法ごとに住戸番号が示されたリストの画像が表示されている。配達方法は画面の左から、「置配スペース」、「玄関前置配」、「宅配」となっている。配達者が図33の「次へ」と表示されたボタン画像をタッチすることにより、図34の画像が表示される。
【0127】
図34は、配送品登録部による配送品の登録処理が終了し、さらに配達管理装置の処理が終了して、配達者の携帯情報端末に登録内容および配達経路を表示させるウェブサイトのURLを示す識別コード(二次元画像による識別コード)が情報入出力装置のタッチパネルディスプレイに表示された状態を示す図であり、入退館管理システム1000の図12に対応する。配達者は携帯情報端末500のカメラでこの識別コードを読み込むことによって、携帯情報端末500においてブラウザが起動して所定のサイトに移動し、図37に示される画像が表示される。前述のように、本実施形態では、携帯情報端末500は、ブラウザを起動させ、配達管理装置900からの指示に基づき形成した画面を表示させ、表示画面の操作入力部へ配達者が入力した情報を配達管理装置900へと伝える情報出入力装置として機能している。
【0128】
図35は本実施形態において配達管理装置900が実行する処理の説明図である。経路設定部910は、配送品と集合住宅MDの入居者住戸DUとの紐付け情報を記憶部等から読み込み、この情報に基づき、配達者が使用するエレベータおよび当該エレベータの乗降階が特定されたエレベータ配達経路を設定する。
【0129】
具体的な一例において、経路設定部910は、入居者住戸DUに紐付けられた配送品の配達順序を示す配達経路を設定し、この配達経路の一部としてエレベータ配達経路を設定してもよい。図35のステップS300では、経路設定部910は、記憶部等の一具体例である記憶部160から必要な情報を読み込んで、エレベータ配達経路を含む配達経路を設定する。なお、配達経路の設定方法の詳細は特に限定されない。例えば、入退館ドアEGに最も近い入居者住戸DUから入退館ドアEGから最も遠い入居者住戸DUへと順番に配送することにしてもよいし、逆に、入退館ドアEGから最も遠い入居者住戸DUから入退館ドアEGに最も近い入居者住戸DUへと順番に配送することにしてもよい。
【0130】
図36は配達管理部が生成する配達経路の一例を示す図である。図36に示されるように、配達経路は、置配スペースCSを開始点として、複数のエレベータを用いて複数の入居者住戸DUへの配達を含み、入退室ドアCSDに至る。図36では、配達経路は25個の部分配達経路から構成され、そのうち、「E経路」の列において「○」が表示された部分配達経路が、エレベータ配達経路となる。このような経路設定部910が設定した配達経路は、記憶部160など記憶部等に保存される。
【0131】
操作設定部920は、経路設定部910が設定したエレベータ配達経路により特定されたエレベータを、配達者の携帯情報端末500から操作可能にするための操作制御信号を生成する。本実施形態では、生成された操作制御信号は、配達管理通信部940へと出力され、配達者の携帯情報端末500へと伝達される。
【0132】
図37は、図34の識別コードが示すURLのウェブサイトに表示される画面であって、配達経路の概略を示す図である。図34の識別コードが示すURLのウェブサイトでは、図37に示されるように、置配スペースへの置配作業を行うためのボタン画像が置配個数とともに表示されるとともに、経路設定部910が設定した配送品の配達経路に基づき、集合住宅MD内のエレベータの使用順番に基づいて、エレベータ名称が示されたボタン画像が列をなして表示される。また、エレベータ名称が示されたボタン画像には、各エレベータを使用して配達する配送品の個数が表示される。
【0133】
図37に示される画面により、配達者は経路設定部910が設定した配達経路の概要を把握することができる。経路設定部910が設定した配達経路によれば、まず、置配スペースCSに10個の配送品の置配を行う。次に、A棟の1番目のエレベータを用いて2つの配送品を配達し、続いて、A棟の2番目のエレベータを用いて2個の配送品を配達する。以下、B棟のエレベータを用いて6個の配送品を配達し、C棟の1番目エレベータを用いて1個の配送品を配達し、C棟の2番目のエレベータを用いて1個の配送品を配達し、最後に、D棟のエレベータを用いて1個配達する。なお、配達は1階のみであってエレベータを使用しない棟が含まれていてもよい。その場合には、エレベータ名称が示されたボタン画像に代えて、棟の名称が示されたボタン画像が表示されていてもよい。この点を具体的に説明すると、図33において、宅配の6番目である住戸番号222の入居者住戸DUへの配達がない場合には、C棟への配達は住戸番号123の入居者住戸DUのみとなり、図37において、「C棟1」のボタン画像の表示は不要となる。このとき、図37の「C棟2」のボタン画像に代えて、「C棟」のボタン画像を表示してもよい。これにより、配達者は、C棟の配達ではエレベータを使用しないことを認識することができる。
【0134】
図38は、置配入室制御部の処理が実行前であって、配送品が置配スペースに入庫可能となっていないことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図である。図39は、置配入室制御部の処理により配送品が置配スペースに入庫可能となったことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図である。図37の「置配スペース」のボタン画像にタッチすると、図38に示されるような置配スペースへの置配を行うための画面が表示される。この画面は図15に示される画面と類似しているが、各配送品について、紐付けられた入居者住戸DUの住戸番号の表示の右横に、「未入庫」の画像が表示されている。これは、置配入室制御部170による所定の処理がまだ実行されていないことを意味している。
【0135】
置配スペースCSの入退室ドアCSDの入口側で配達者が適切に作業して置配入室制御部170の処理が完了すると、図39に示されるように、「未入庫」の画像は「入庫可」の画像に変更される。図39に示される画面は、図16に示される画面と機能的に同等であるから、詳細な説明を省略する。なお、図36および図37には、図16との対比で、置配スペースCSに置配する配送品の個数(10個)、玄関前置配する個数(6個)および宅配する個数(7個)ならびに総配達個数(23個)が表示され、配達者の進捗確認を容易にしている。
【0136】
図40は、置配入室制御部の処理により配送品が置配スペースに入庫完了したことを配達者の携帯情報端末に通知する表示画像の一例を示す図であり、入退館管理システム1000の図17に対応する。図17に示される画面との相違点は、上記の配達個数の表示に加え、画面下方に表示される「完了」のボタン画像が操作入力可能となることである。このボタン画像をタッチすると、置配スペースCSへの置配が終了したことが配達管理装置900に伝達される。この情報を受けて、配達管理装置900の進捗管理部930は、配達経路の進捗管理を開始する(ステップS301)。具体的には、記憶部160から図36に示される配達経路を含む情報を読みとり、進捗管理テーブルを作成し、この進捗管理テーブルを記憶部160などの記憶部等に保存する。
【0137】
こうして進捗管理テーブルが用意されたら、図41に示される画面を、配達者の携帯情報端末500に表示するための制御信号を生成し、配達者の携帯情報端末500に送信する(ステップS302)。これにより、配達者の携帯情報端末500には図41の画面が表示される。
【0138】
図41は、置配スペースへの置配作業が完了して、集合住宅の各棟への配達を行う前の状態で、配達者の携帯情報端末に表示される画面の一例を示す図である。図41では、置配スペースCSへの置配完了を示す「完了」画像が、画面の左上の配達進捗を表示する領域に表示され、置配スペースのボタン画像がグレイアウトされている。図41に示される画面において、配達者が、グレイアウトされた置配スペースのボタン画像の下に位置する、A棟の1番目のエレベータを示すボタン画像をタッチすると、その信号に基づき、配達管理装置900の進捗管理部930は、配達経路の進捗を更新する(ステップS303)。具体的には、記憶部160から進捗管理テーブルを読み込み、項番1の部分配達経路が開始したことを記録し、更新された進捗管理テーブルを記憶部160に保存する。こうして進捗管理テーブルが更新されることにより、配達者の現在の位置に関する情報(現在地情報)が導かれる。したがって、進捗管理部930は、外部からの信号(図41において「A棟1」のボタン画像がタッチされたことを示す信号)を入力として、配達者の現在地情報を生成する。
【0139】
次に、操作設定部920は、この現在地情報に基づき、配達者の現在地よりも配達経路において先に位置するエレベータを特定して、次に配達者の携帯情報端末500に表示させるべきエレベータ配達経路が項番3の部分配達経路であると特定する(ステップS304)。なお、図35のステップS304の「E配達経路」は、エレベータ配達経路を意味する。
【0140】
この特定結果に基づき、操作設定部920は、項番3の部分配達経路に係るエレベータであるA棟の1番目のエレベータを操作可能とするための操作制御信号を生成する(ステップS305)。具体的には、操作設定部920は、この操作制御信号を含む画面表示である図42の画面を配達者の携帯情報端末500に表示するための制御信号を生成し、配達者の携帯情報端末500に送信する。これにより、配達者の携帯情報端末500には図42の画面が表示される。
【0141】
図42は、A棟の1番目のエレベータを用いた配達経路に沿って配達者が配送品を配達する際に配達者の携帯情報端末に表示されるエレベータ操作画面の一例である。図42では、A棟の1番目のエレベータを示す画像の下に、住戸番号110の入居者住戸DUに玄関前置配し、次に住戸番号503の入居者住戸DUにも玄関前置配する配達経路(項番2および項番4の部分配達経路)が示されている。
【0142】
この配達経路の下には、エレベータの階数を示す数字の表示(1階から18階)が列記されているが、5階を示すボタン画像のみが操作入力可能であり、他の階はグレイアウトされている。これは、経路設定部910が設定した配達経路に含まれるエレベータ配達経路に対応して操作設定部920が生成した操作制御信号に基づいている。
【0143】
具体的には、経路設定部910が設定した配達経路は、A棟の1番目のエレベータについて、1階から5階へと移動するエレベータ経路(項番3の部分配達経路)、および5階から1階へと移動するエレベータ経路(項番5の部分配達経路)を含む。これらのうち、最初のエレベータ経路である1階から5階へと移動するエレベータ経路(項番3の部分配達経路)を通るためには、通常、乗りかごECを1階に呼び、行き先を5階とする操作をエレベータドアELGの側に設けられた操作パネルECPに対して行うことが必要となる。操作設定部920は、この一連の操作を、配達者の携帯情報端末500から可能とするための操作制御信号を生成する。
【0144】
図42に示される画面では、この操作制御信号に基づき、5階を示すボタン画像のみが操作入力可能となっている。配達者がこのボタン画像をタッチすると、配達者の携帯情報端末500は、乗りかごECを1階に呼び行き先を5階とする一連の制御を、A棟の1番目のエレベータのエレベータ制御装置800に実行させるための制御信号を出力する。
【0145】
この場合の配達者の携帯情報端末500からエレベータ制御装置800への信号伝達経路は限定されない。配達者の携帯情報端末500からエレベータ制御装置800を直接的に制御する信号が出力されて、ネットワーク回線NWを介してエレベータ制御装置800へと伝達されてもよい。あるいは、配達者の携帯情報端末500からの制御信号は、一端、制御装置100および/または配達管理装置900へと伝達され、制御装置100および/または配達管理装置900からエレベータ制御装置800を制御する信号が出力されてもよい。
【0146】
このように制御装置100および/または配達管理装置900を介する場合には、制御装置100や配達管理装置900に配達者の操作履歴を残すことができるため、好ましい場合がある。また、配達者の携帯情報端末500から出力される制御信号を相対的に簡略化された信号または暗号化された信号とすることができる。これにより、配達管理装置900と配達者の携帯情報端末500と無線通信を含む通信の負荷を低下させることができ、その通信を高度に暗号化することも容易である。図35では、配達者の携帯情報端末500からの制御信号が配達管理装置900を介してエレベータ制御装置800へと伝達される場合が示されている(ステップS306)。なお、図35のステップS306の「E制御部」は、エレベータ制御装置800を意味する。
【0147】
なお、図42では、エレベータ階数を示す数字のボタン画像のうち、「14」がハイライトされている。これは、操作対象となっているA棟の1番目のエレベータの乗りかごECの現在位置を示している。また、グレイアウトされた1階を示すボタン画像の下に、グレイアウトされた「完了」のボタン画像が表示されている。さらにその下に、エレベータドアELGを開くまたは開いた状態を維持するためのボタン画像(左側)、緊急通信用のボタン画像(中央)、およびエレベータドアELGを閉じるためのボタン画像(右側)が表示され、これらのボタン画像は常に使用可能である。これらのボタン画像が使用可能であることにより、配達者は、エレベータドアELGの側に設けられた操作パネルELPおよび乗りかごECに設けられた操作パネルECPに触れることなく、エレベータを操作することが実現される。
【0148】
本実施形態のように、配達者の携帯情報端末500からエレベータ制御装置800の遠隔操作を可能することにより、配達者はA棟の1番目のエレベータにおける入退館ドアEGに最も近い階(図42では1階)の操作パネルELPを操作することなく、乗りかごECを1階に呼ぶことができる。このことは、配達者が、エレベータドアELGの側に設けられた操作パネルELPに到達する前に乗りかごECを呼ぶことができることを意味しており、配達時間の短縮に寄与する。なお、配達者がA棟の1番目のエレベータの1階のエレベータドアELGに到達する前に、例えば入居者がその乗りかごECに乗って他の階に移動してしまった場合でも、配達者の携帯情報端末500の「5」のボタン画像にタッチすることによって、乗りかごECを再度呼ぶことができる。
【0149】
その一方で、配達者は、この段階(項番1から項番3の部分配達経路)においては、A棟の1番目のエレベータのみ操作可能であり、このエレベータにおいても乗りかごECを5階に移動させることのみが可能である。このように、操作設定部920は、配達者にエレベータ操作を限定的に許可するため、入居者のプライバシーが確保され、集合住宅MDにおいて犯罪が生じる可能性が低減される。また、配達者は操作パネルELP、ECPに接触することがないため、衛生管理の観点からも好ましい。なお、配達者は操作パネルELP、ECPに操作入力しても受け付けないように設定することも可能であり、この場合には、配達者が操作パネルELP、ECPに接触しないことをより確実に実現できる。ただし、図42に示されるように、配達者の携帯情報端末500を用いた緊急通信は可能であるから、非常時には乗りかごECの操作パネルECPを操作可能とすることが好ましい。
【0150】
配達者は、配達先となる入居者住戸DUの訪問が完了したら、各住戸番号の表示の横に位置する「完了」のボタン画像にタッチすることにより、訪問完了を入居者の携帯情報端末400および配達管理装置900に通知する。入居者の携帯情報端末400への訪問完了の通知は、制御装置100を介しても伝達されてもよい。なお、本明細書において、「訪問完了」は配達が完了したことを意味してもよいし、意味しなくてもよい。訪問完了が配達完了を意味しない場合とは、訪問したが入居者が不在などの理由により配送品の受取ができなかった場合を具体例とする。このような場合には、進捗管理テーブルにその旨が記録されてもよい。
【0151】
本実施形態において、配達管理装置900が備える進捗管理部930は、上記の通知(住戸番号の表示の横に位置する「完了」のボタン画像にタッチすること)を含む信号など外部からの信号を入力として、項番3や項番4の部分配達経路を配達者が通過したことが反映されるように、進捗管理テーブルを更新する(ステップS307)。こうして進捗管理テーブルが更新されることにより、配達者の現在の位置に関する情報(現在地情報)が導かれる。具体的には、住戸番号503の表示の横に位置する「完了」のボタン画像をタッチしたことを示す信号を入力したことにより、配達者は、住戸番号503の入居者住戸DUとA棟の1番目のエレベータとの間に現在居る、という現在地情報が導かれる。このように、進捗管理部930は、外部からの信号(図42において「完了」のボタン画像がタッチされたことを示す信号)を入力として、配達者の現在地情報を生成する。
【0152】
操作設定部920は、この現在地情報に基づき、配達者の現在地よりも配達経路において先に位置するエレベータを特定して、次に配達者の携帯情報端末500に表示させるべきエレベータ配達経路が項番5の部分配達経路であると判断する(ステップS308)。
【0153】
この判断結果に基づき、操作設定部920は、項番5の部分配達経路に係るエレベータであるA棟の1番目のエレベータを操作可能とするための操作制御信号を生成する(S309)。具体的には、操作設定部920は、この操作制御信号を含む画面表示である図43の画面を配達者の携帯情報端末500に表示するための制御信号を生成し、配達者の携帯情報端末500に送信する。これにより、配達者の携帯情報端末500には図43の画面が表示される。
【0154】
図43は、図42における住戸番号503の表示の右横に位置する「完了」のボタン画像がタッチされた後の配送者の携帯情報端末500に表示される画面の一例を示す図である。図43では、図42との対比で、住戸番号を示す配送経路の画像が全てグレイアウトされ、エレベータの階数を示すボタン画像のうち、「1」のボタン画像のみが操作可能な状態となっている。これは、前述のA棟の1番目のエレベータに関するエレベータ配達経路のうち項番5の部分配達経路からなるエレベータ配達経路(5階から1階への移動)に対応している。配達者がこの「1」のボタン画像をタッチすると、配送者の携帯情報端末500は、乗りかごECを5階に呼び、行き先を1階とする一連の制御を、A棟の1番目のエレベータのエレベータ制御装置800に実行させるための制御信号を出力する。具体的には、配達者の携帯情報端末500からの制御信号は配達管理装置900に入力し、この信号に基づき配達管理装置900はエレベータ制御装置800を制御するための信号を生成し、この信号をエレベータ制御装置800と出力する(ステップS310)。
【0155】
配達管理装置900が備える進捗管理部930は、エレベータの乗りかごECに設けられた認識手段810から情報を含む信号を、外部からの信号として入力して、配達者の現在地に関する情報(現在地情報)を生成する。これにより、配達管理装置900は、配達者の現在地を、より確実に把握することができる。
【0156】
認識手段810の具体的な構成は限定されない。例えば、前述のように、集合住宅MDに入館する際に来訪者登録部140で顔認証などにより来訪者識別情報が得られている場合には、認識手段810は、乗りかごECに設けられた防犯カメラの画像情報から乗りかごECに配達者が存在しているか否かを判定してもよい。
【0157】
あるいは、乗りかごECの操作パネルECPに設けられた認識手段810により配達者の携帯情報端末500を認識してもよい。この場合の認識手段810の具体例として、赤外線、ブルートゥース(登録商標)、NFCなどの近距離通信手段により携帯情報端末500を認識する機器が挙げられる。さらには、来訪者登録部140が作成した来訪者識別情報と関連付けられた識別コード(例えば図12に示される画像)が携帯情報端末500に表示され、認識手段810は、この識別コードを撮影可能なカメラの撮影画像により携帯情報端末500を認識してもよい。
【0158】
図35では、A棟の1番目のエレベータの乗りかごECに設けられた認識手段810に、配達者の携帯情報端末500からの通知出力が入力され、この入力に基づき認識手段810から配達管理装置900へと信号が出力されている。この信号を受けた進捗管理部930は、配達者が乗りかごECに搭乗したと判断し、進捗管理テーブルを更新する(ステップS311)。これにより、配達者が項番5の部分配達経路の過程にあるという現在地情報が生成される。
【0159】
この現在地情報に基づき、操作設定部920は、項番5の部分配達経路が終了したことを確認するための画面である図44の画面を配達者の携帯情報端末500に表示するための制御信号を生成し、配達者の携帯情報端末500に送信する(ステップS312)。これにより、配達者の携帯情報端末500には図44の画面が表示される。
【0160】
図44は、図43に示される表示画面の「1」のボタン画像にタッチした配達者がA棟の1番目のエレベータの乗りかごECに乗ったと、進捗管理部が判断したのち、配達者の携帯情報端末に表示される画面の一例を示す図である。操作設定部920は、図44に示されるように、配達者の携帯情報端末500において、「完了」のボタン画像を操作可能としている。
【0161】
図45は、図44に示される表示画面の「完了」のボタン画像にタッチしたと、操作設定部920が判断したのち、配達者の携帯情報端末に表示される画面の一例を示す図である。配達者が図44に示される「完了」のボタン画像をタッチすると、この操作入力を示す信号が配達者の携帯情報端末500から出力され、この信号は配達管理装置900に入力される。この信号を受けて、進捗管理部930は、項番5の部分配達経路の終了が反映されるように進捗管理テーブルを更新する(ステップS313)。これにより、配達者の現在地情報(項番6の部分配達経路の過程にある)が生成される。
【0162】
この現在地情報に基づき、操作設定部920は、図45の画面を配達者の携帯情報端末500に表示するための制御信号を生成し、配達者の携帯情報端末500に送信する(ステップS314)。これにより、配達者の携帯情報端末500には図45の画面が表示される。
【0163】
図45が表示されたことにより、配達者は、A棟の2番目のエレベータのボタン画像をタッチすることが可能となる。配達者がそのボタン画像をタッチすると、その旨を示す信号が配達管理装置900に入力され、ステップS303からステップS305と同様の処理が実行される。すなわち、進捗管理部930は進捗管理テーブルを更新して現在地情報を生成し、操作設定部920は、現在地情報に基づいて、次に配達者の携帯情報端末500に表示させるべきエレベータ配達経路が項番7の部分配達経路であると特定し、項番7の部分配達経路に係るエレベータであるA棟の2番目のエレベータを操作可能とするための操作制御信号を生成する。これにより、図42と同様の画面であるが、項番7および項番8の部分配達経路を示す画面が、配達者の携帯情報端末500に表示される。
【0164】
配達者は、この画面表示に対して適宜操作入力して、A棟の2番目のエレベータのときと同様に配達を行う。以下、同様にして、B棟のエレベータを使用する配達経路にて6個の配送品、C棟の1番目のエレベータを使用する配達経路にて1個の配送品、C棟の2番目のエレベータを使用する配達経路にて1個の配送品を配達するための画面表示が、順次、配達者の携帯情報端末500に表示される。
【0165】
図46は、図45と同等の画面においてD棟のエレベータのボタン画像をタッチすることにより表示される画面の一例を示す図である。D棟のエレベータは配達経路において最後に使用するエレベータであり、図46には、D棟の14階の住戸番号1421に玄関前置配する配達経路(項番23の部分配達経路)が表示されている。また、D棟の1階から14階へと移動するエレベータ配達経路(項番22の部分配達経路)に対応した画像が表示されている。具体的には、このエレベータ配達経路に対応して、エレベータの階数表示のうち「14」のボタン画像には、D棟のエレベータのエレベータ制御装置800が行う、現在3階にある乗りかごECを1階に呼び、行き先を14階とする一連の制御が関連付けられている。
【0166】
図47は、配達経路において最後の配達先である住戸番号1421の入居者住戸に玄関前置配(項番23の部分配達経路)が終了して、配達者が「完了」のボタン画像にタッチしたことにより表示される画面の一例を示す図である。図47に示されるように、画面上方の配達進捗を示す領域には、全ての配達分類について「完了」が表示され、項番23の部分配達経路を示す画像はグレイアウトされ、項番24の部分配達経路に対応するエレベータ配達経路に対応して、エレベータ階数表示における1階のボタン画像のみが操作入力可能となっている。配達者がこのボタン画像をタッチすると、配達者の携帯情報端末500は、現在3階にある乗りかごECを14階に呼び、行き先を1階とする一連の制御を、D棟のエレベータのエレベータ制御装置800に実施させるための制御信号を出力する。
【0167】
図48は、配達者が図47の表示画面において「1」のボタン画像をタッチした後に表示される画面の一例を示す図である。図48に示されるように、これまでグレイアウトされていた「完了」のボタン画像が操作入力可能となり、このボタン画像より上の配達経路およびエレベータ操作に関する画像は全てグレイアウトされている。
【0168】
図49は、配達者が図48の表示画面において「完了」のボタン画像をタッチした後に表示される画面の一例を示す図である。配達者が図48の「完了」のボタン画像をタッチすると、図49に示されるように、エレベータ単位で配達経路が示された画面が表示される。この画面においても、全てのエレベータのボタン画像はグレイアウトされ、「完了」のボタン画像のみが操作入力可能となっている。配達者はこの「完了」のボタン画像をタッチして、全ての配達が完了したことを確認することができる。この「完了」のボタン画像の操作入力に基づく信号は配達管理装置900に送信され、配達管理装置900の進捗管理部930は、この信号に基づいて、全ての部分配達経路が終了したことを進捗管理テーブルに反映させる更新を行う。この信号は制御装置100にも送信され、制御装置100はこの信号に基づいて退館・退室制御部185を実行可能としてもよい。
【0169】
以上の説明は、配達者の携帯情報端末500が単なる情報出入力装置として機能する場合を具体例としているが、これに限定されない。配達管理装置900が備える各部の少なくとも1つの機能を配達者の携帯情報端末500が有していてもよいし、配達管理装置900が、配達者の携帯情報端末500の中に実質的に存在していてもよい。
【0170】
本実施形態に係る配達管理装置900が提供するエレベータの遠隔操作機能と、操作パネルECP、ELPによるエレベータの操作機能との優劣関係は任意である。また、入居者用アプリが、配達管理装置900が提供するような、エレベータの遠隔操作機能を有していてもよく、この場合において、配達管理装置900が提供するエレベータの遠隔操作機能との優劣関係も任意である。通常設定では配達管理装置900が提供するエレベータの遠隔操作機能を最優先として、緊急時には操作パネルECP、ELPによるエレベータの操作機能を最優先としてもよい。
【0171】
図35では、ステップS306でA棟の1番目のエレベータについて所定の制御を行った後、配達者が住戸番号503の右横の「完了」のボタン画像を押すまで、配達管理装置900は特に処理を実行していないが、この期間においてもエレベータ制御装置800との情報のやりとりを含む処理を実行してもよい。例えば、乗りかごECの位置をモニターして、乗りかごECが5階に着いたことを示す情報をエレベータ制御装置800から受け取ったら、項番3の部分配達経路が終了したことを進捗管理テーブルに反映させてもよい。
【0172】
配達管理装置900の処理の実行に伴い随時更新される進捗管理テーブルの情報は、入居者用アプリに表示されてもよい。これにより、入居者は、集合住宅MDの内部を移動している配達者の現在地を確認することができる。
【0173】
上記の説明では、進捗管理部930が現在地情報を生成するために入力する外部からの信号は、配達者が携帯情報端末500に操作入力して生成した信号や、認識手段810からの信号であったが、これに限定されない。例えば、配達者の携帯情報端末500が無線通信機700、710、720を用いて通信している場合には、通信に直接的に関与した無線通信機700、710、720を特定し、その装置の設置場所から配達者の現在地情報を生成してもよい。この場合には、外部からの信号は、通信に直接的に関与した無線通信機700、710、720を特定する信号となる。
【0174】
(第2実施形態の他の例)
上記の第2実施形態の一例では、図36に示されるように、配達管理装置900の経路設定部910が、配達者の置配スペースCSから入退館ドアEGに至る配達経路を設定したが、これに限定されない。以下、経路設定部910がエレベータ配達経路および配達する入居者住戸DUの特定のみを行う場合について説明する。
【0175】
図50は、本発明の一実施形態の他の例に係る配達管理システムの機能を説明するブロック図である。図50に示されるブロック図と、図32に示されるブロック図との相違点は、操作設定部920が、一覧表示設定部921および順次表示設定部922を備える点である。
【0176】
一覧表示設定部921は、経路設定部910からの情報(配達経路など)に基づき、配達者が使用する複数のエレベータを特定する。本例では、具体的には、A棟の1番目のエレベータ、A棟の2番目のエレベータ、B棟のエレベータ、C棟の1番目のエレベータ、C棟の2番目のエレベータ、およびD棟のエレベータとなる。そして、特定された複数のエレベータについて、配達者の携帯情報端末500に任意選択可能に一覧表示するための操作制御信号を生成する。これにより、図37図41のようなエレベータの一覧画面が表示される。配達者は、この画面に表示されたエレベータから任意的に1つを選択して、その選択されたエレベータを使用可能である。
【0177】
すなわち、図32に示されるブロック図に係る例では、図41に示される画面のうち、配達経路に従って、A棟の1番目のエレベータのみが選択可能であるが、図50に示されるブロック図の例では、特定された6つのエレベータのうち、最初に使用するエレベータをいずれとしてもよい。このように、本例では、先の例に比べて配達者の配達経路選択の自由度が高められている。
【0178】
その一方で、順次表示設定部922により、配達者の行動は適切に管理される。すなわち、順次表示設定部922は、一覧表示設定部921に基づき表示された一覧表示に配達者が操作入力することにより選択された1つのエレベータに対応する複数のエレベータ配達経路に基づいて、配達者の携帯情報端末500に複数の操作入力画面を順次表示させるための操作制御信号を生成する。このように、エレベータ配達経路に対応した操作入力画面を順次表示させることにより、一覧表示から配達者が任意に選んだエレベータについて、エレベータ操作を適切に制限することにより、配達者が配達経路から外れて移動することを適切に制限することができる。
【0179】
図51は、図50に示されるブロック図に基づき配達管理部が生成する配達経路の他の一例を示す図である。図51に示される配達経路は、一覧表示設定部921の処理に基づいてエレベータの選択自由度が配達者に付与されていることに対応して、図36に示される配達経路との対比で、地上(1階)の移動経路が含まれていない。また、順次表示設定部922の処理に対応して、図36には設けられていなかった「前提」の列を有する。「前提」の列は、この欄に示される項番の部分配達経路が完了していることが当該行の部分配達経路の開始の前提条件となっていることを示している。このような前提条件の設定により、順次表示設定部922はエレベータの操作入力画面を順次表示することが可能となる。
【0180】
具体的に確認すれば、A棟の住戸番号110の入居者住戸DUに配達する項番101の部分配達経路は、前提を有しない。このため、配達者は、他の部分配達経路と無関係にこの部分配達経路を通ることができる。すなわち、配達者は、A棟の住戸番号110の入居者住戸DUに配達を、最初に行ってもよいし、他の項番に係る部分配達経路の配達の後に行ってもよい。
【0181】
また、A棟の1番目のエレベータについて1階から5階に移動するエレベータ経路である項番102の部分配達経路も、前提を有しない。したがって、配達者は、項番101の部分配達経路の前に項番102の部分配達経路を通ることを選択することができる。具体的には、図42において、エレベータ階数を示す「5」のボタン画像にタッチする前に、住戸番号110の画像の右横の「完了」のボタン画像にタッチして、住戸番号110の入居者住戸DUへの訪問完了を入居者の携帯情報端末400などに通知することが許容されている。
【0182】
一方、A棟の住戸番号503の入居者住戸DUに配達する項番103の部分配達経路は、項番102の部分配達経路を前提とする。したがって、図42において、エレベータ階数を示す「5」のボタン画像にタッチする前に、住戸番号503の画像の右横の「完了」のボタン画像にタッチしても、その操作入力は受け付けられない。これはフェールセーフとして機能する。
【0183】
また、A棟の1番目のエレベータについて5階から1階に移動するエレベータ経路である項番104の部分配達経路は、住戸番号503の入居者住戸DUに配達する項番103の部分配達経路を前提とする。したがって、図42において、住戸番号503の画像の右横の「完了」のボタン画像にタッチする操作入力が受け入れられて初めて、図43の画面表示が可能となる。なお、進捗管理部930が項番102の部分配達経路の完了を進捗管理テーブルに反映させたら、図42においてエレベータ階数を示す「5」のボタン画像をグレイアウトするための処理を、操作設定部920が実行してもよい。
【0184】
以下、同様に、項番105のエレベータ配達経路が、その後の項番106および項番107の部分部分配達経路の前提条件となるため、エレベータ単位での配達経路は前提条件の設定によりユニット化されている。その一方で、各エレベータについて1階での搭乗を含むエレベータ配達経路については前提条件が設けられていないため、図41の画面表示において、配達者は、A棟1のボタン画像以外のボタン画像にタッチして、他の棟の配達を先に行うことができる。
【0185】
このように、配達者に配達の自由度(具体的には、エレベータの使用順番の設定自由度)を与えることにより、配達時間が想定外に長くなることを回避することができるため、配達効率を維持することが実現される。想定外の事象の具体例としては、エレベータの緊急点検や、特定のエレベータを入居者などが集中的に使用している場合が挙げられる。
【0186】
このように配達者に集合住宅MDの内部の移動について自由度を与えた場合であっても、進捗管理部930が各部分配達経路の完了を把握できるため、進捗管理テーブルに基づいて配達者の現在地情報は生成され、この現在地情報に基づいて、操作設定部920は配達者の携帯情報端末500に適切な操作入力画面を表示させることができる。
【0187】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上記の説明では、識別体の具体例として配送品識別情報を含む識別コードが挙げられたが、識別体の他の例として、配送品識別情報が書き込まれたRFタグが挙げられる。RFタグは、所在地を無線通信機710により検出可能であるから、集合住宅MDにおける配送品の位置を把握することができる。したがって、この場合には、置配スペースCSにおける配送品の位置を確認したり、玄関前置配が適切に行われたか否かを確認することができる。
【0188】
また、制御装置100や配達管理装置900が備える各部は、他の部と実質的に一体化していてもよい。例えば、指定受取判定部115と受取指示部120とは一体化して、指定受取判定部115が受取指示部120の処理を実行してもよい。あるいは、制御装置100は複数の装置から構成され、上記の説明において制御装置100が備える各部が、複数の装置に分散していてもよい。そのように配置することによって処理速度が向上する場合がある。
【0189】
本発明は、次の態様を含む入退館管理システムも提供する。
(1)集合住宅の入退館管理システムであって、集合住宅の集合玄関に設けられた情報入出力装置と、情報入出力装置と通信可能な制御装置と、を備え、制御装置は、集合住宅への来訪者が、配送品の配達を来訪目的とする配達者であるか否かを判定する来訪者判定部と、来訪者判定部が来訪者は配達者であると判定した場合において、訪問先となる集合住宅の入居者があらかじめ受取方法を指定しているか否かを判定し、受取方法を指定していると判定した場合に、当該指定された受取方法である指定受取方法を示す信号を生成する指定受取判定部と、指定受取方法を示す信号を入力して、情報入出力装置に伝えるための制御信号を生成する受取指示部と、を備え、情報入出力装置は、来訪者の来館を示す情報を受け取り当該情報を来訪者判定部へと伝達可能とする来館情報受信部と、受取指示部が生成した制御信号を受け取り、指定受取方法を配達者に通知可能とする指定方法受信部と、を備えることを特徴とする入退館管理システム。
(2)制御装置は、制御装置が備える記憶部または制御装置と通信可能に接続された記憶装置に、入居者が設定した指定受取方法を記憶させる指定受取設定部をさらに備える、上記(1)に記載の入退館管理システム。
(3)指定受取設定部は、入居者の所在地に関する情報を受け取り、入居者が所定の範囲の外にいる場合には、入居者があらかじめ設定した受取方法を指定受取方法とみなす指定擬制部を備える、上記(2)に記載の入退館管理システム。
(4)制御装置は、配送品に紐付けられた配送品識別情報を生成する配送品登録部を備える、上記(1)に記載の入退館管理システム。
(5)配送品登録部は、集合玄関に位置する情報収集装置が収集した情報に基づいて、配送品識別情報を生成する、上記(4)に記載の入退館管理システム。
(6)配送品登録部は、配送品識別情報に対応する情報を有し配送品に付置される識別体を形成するための制御信号を生成する、上記(4)に記載の入退館管理システム。
(7)配送品登録部は、配送品識別情報が適切に生成されたことを、来訪者の携帯情報端末に通知する、上記(4)に記載の入退館管理システム。
(8)受取方法が置配である場合において、制御装置は、配送品識別情報を用いて置配スペースへの入室を管理する置配入室制御部を備える、上記(4)に記載の入退館管理システム。
(9)置配入室制御部は、置配スペースの入口側に設けられた情報収集装置から取得した情報を配送品識別情報と照合して、置配スペースへの入室可否を判定する、上記(8)に記載の入退館管理システム。
(10)制御装置は、置配スペースからの退室を管理する置配退室制御部を備える、上記(8)に記載の入退館管理システム。
(11)制御装置は、集合玄関に位置する情報収集装置から得た情報に基づき、来訪者を識別するための来訪者識別情報を生成する来訪者登録部が生成した来訪者識別情報を用いて、入館または入室を管理する入館・入室制御部をさらに備える、上記(1)に記載の入退館管理システム。
(12)入館・入室制御部は、入居者の識別情報を用いて、入居者の入館または入室を管理する、上記(11)に記載の入退館管理システム。
(13)制御装置は、入館・入室制御部が許可した入館者または入室者の退館または退室を管理する退館・退室制御部をさらに備える、上記(11)に記載の入退館管理システム。
(14)制御装置は、入館者または入室者の入館時間または入室時間を管理する入館・入室時間管理部をさらに備える、上記(13)に記載の入退館管理システム。
(15)制御装置は、配達者による配達完了を入居者に通知するための完了通知制御信号を、配達者が退館または退室したことを条件として生成する配達完了通知部をさらに備える、上記(1)に記載の入退館管理システム。
(16)制御装置は、所定の時間を経過しても、配達完了通知部が完了通知制御信号を生成しない場合には、作業遅延であることを通知する信号を生成する配達時間管理部をさらに備える、上記(15)に記載の入退館管理システム。
(17)集合玄関に位置する情報収集装置から得た情報に基づき、来訪者を識別するための来訪者識別情報を生成する来訪者登録部をさらに備える、上記(1)に記載の入退館管理システム。
【符号の説明】
【0190】
1000 :入退館管理システム
100 :制御装置
110 :来訪者判定部
111 :指定受取設定部
112 :指定擬制部
115 :指定受取判定部
120 :受取指示部
130 :通信部
131 :入居者用通信部
132 :管理用通信部
140 :来訪者登録部
150 :配送品登録部
160 :記憶部
170 :置配入室制御部
175 :置配退室制御部
180 :入館・入室制御部
185 :退館・退室制御部
190 :配達完了通知部
195 :配達時間管理部
195A :入館・入室時間管理部
200 :情報入出力装置
210 :来館情報受信部
220 :指定方法受信部
230 :指定方法通知部
240 :操作入力部
250 :プリンタ
300 :コンピュータ
310 :ドア開閉管理装置
320 :カメラ管理装置
400 :携帯情報端末
500 :携帯情報端末
600 :記憶装置
700、710 :無線通信機
AH :風除室
CM1~CM7 :カメラ
CR :管理室
CS :置配スペース
CSD :置配スペースCSの入退室ドア
DD :ゴミ置き場DDの入退室ドア
DR :ゴミ置き場
DU :入居者住戸
ED :個別玄関
EG :入退館ドア
EH :エントランスホール
MB :郵便受
MD :集合住宅
NW :ネットワーク回線
OG :外扉
PCM1~PCM3 :カメラ
1100 :配達管理システム
720 :無線通信機
800 :エレベータ制御装置
810 :認識手段
900 :配達管理装置
910 :経路設定部
920 :操作設定部
921 :一覧表示設定部
922 :順次表示設定部
930 :進捗管理部
940 :配達管理通信部
EC :乗りかご
ECP、ELP :操作パネル
ELG :エレベータドア
ELR :エレベータ室
図1
図2
図3
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図5
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