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特開2023-168844ロールペーパ供給装置およびロールペーパ供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168844
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ロールペーパ供給装置およびロールペーパ供給システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/38 20060101AFI20231121BHJP
   A47K 17/02 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A47K10/38 E
A47K10/38 J
A47K10/38 H
A47K17/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080189
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】506182309
【氏名又は名称】株式会社エスミー
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優香
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037EB06
(57)【要約】
【課題】予備ロールペーパの残数を容易に確認できるようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明は、使用ロールペーパを保持する保持部21と、予備ロールペーパを待機させる待機部24と、待機部24に待機する予備ロールペーパを検出し、待機部24に待機する予備ロールペーパの数に関する情報を表示させるために検出された情報を外部に送信するセンサ部30と、を有する。表示装置により予備ロールペーパの数に関する情報を表示することが可能になるため、予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用ロールペーパを保持する保持部と、
予備ロールペーパを待機させる待機部と、
前記待機部に待機する予備ロールペーパを検出し、前記待機部に待機する予備ロールペーパの数に関する情報を表示させるために前記検出された情報を外部に送信するセンサ部と、
を有することを特徴とするロールペーパ供給装置。
【請求項2】
前記待機部は、複数の予備ロールペーパを待機可能であり、
前記待機部に待機する複数の予備ロールペーパのうち前記保持部に隣接して位置する第1の予備ロールペーパが前記保持部に移動したときに前記待機部に待機する残りの予備ロールペーパが前記第1の予備ロールペーパの移動前の位置に向かって自動で移送されることを特徴とする請求項1に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項3】
前記センサ部は、前記待機部に待機する複数の予備ロールペーパのうち所定の位置に待機する予備ロールペーパを検出することを特徴とする請求項2に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項4】
前記待機部は、複数の予備ロールペーパを待機可能であり、
前記センサ部は、第1のセンサ部と第2のセンサ部とを含み、
前記第1のセンサ部は、前記複数の予備ロールペーパのうち第1の位置に待機する予備ロールペーパがあるか否かを検出し、
前記第2のセンサ部は、前記複数の予備ロールペーパのうち前記第1の位置とは異なる第2の位置に待機する予備ロールペーパがあるか否かを検出することを特徴とする請求項1に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項5】
前記第1の位置と前記第2の位置とは、少なくとも予備ロールペーパ1つ分以上、離れていることを特徴とする請求項4に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項6】
前記センサ部は、発光部と受光部とを有し、
前記発光部からの光が予備ロールペーパに反射されて前記受光部により受光されることにより予備ロールペーパを検出することを特徴とする請求項2に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項7】
前記発光部は、前記待機部に待機する複数の予備ロールペーパが配列される方向に沿って光を発光することを特徴とする請求項6に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項8】
前記センサ部は、前記待機部に待機する予備ロールペーパを検出する検出部と、前記検出された情報を送信する送信部とを有することを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のロールペーパ供給装置。
【請求項9】
ロールペーパを供給するロールペーパ供給装置と、表示装置とを備えるロールペーパ供給システムであって、
前記ロールペーパ供給装置は、
使用ロールペーパを保持する保持部と、
予備ロールペーパを待機させる待機部と、
前記待機部に待機する予備ロールペーパを検出し、前記待機部に待機する予備ロールペーパの数に関する情報を表示させるために前記検出された予備ロールペーパの情報を外部に送信するセンサ部と、を有し、
前記表示装置は、
前記センサ部により送信された情報に基づいて、前記待機部に待機する予備ロールペーパの数に関する情報を表示することを特徴とするロールペーパ供給システム。
【請求項10】
複数のトイレ室ごとに前記ロールペーパ供給装置が設けられ、
前記表示装置は、
前記複数のトイレ室の全ての予備ロールペーパの数に関する情報を一画面で表示することを特徴とする請求項9に記載のロールペーパ供給システム。
【請求項11】
複数のトイレ室ごとに前記ロールペーパ供給装置が設けられ、
前記表示装置は、前記複数のトイレ室ごとに設けられていることを特徴とする請求項9に記載のロールペーパ供給システム。
【請求項12】
前記表示装置は、前記待機部に待機する予備ロールペーパの残数の情報を3段階で表示することを特徴とする請求項9ないし11の何れか1項に記載のロールペーパ供給システム。
【請求項13】
便座クリーナを供給するクリーナ供給装置を備え、
前記クリーナ供給装置は、
便座クリーナを収容する容器と、
前記容器に残ったクリーナの量を検出し、前記容器に残ったクリーナの量に関する情報を表示させるために前記検出された情報を外部に送信するクリーナセンサ部と、を有し、
前記表示装置は、
前記クリーナセンサ部により送信された情報に基づいて、前記容器に残ったクリーナの量に関する情報を表示することを特徴とする請求項9または10に記載のロールペーパ供給システム。
【請求項14】
載置部に物品が載置されたことを検出する載置センサ部と、
トイレ室内に使用者がいることを検出する使用者センサ部と、
前記載置センサ部により検出された情報および前記使用者センサ部により検出された情報に基づいて、前記載置部に物品が載置されていることを報知する報知部と、を備えることを特徴とする請求項9または11に記載のロールペーパ供給システム。
【請求項15】
載置部に物品が載置されたことを検出する載置センサ部と、
トイレ室の扉が開閉したことを検出する扉開閉センサ部と、
前記載置センサ部により検出された情報および前記扉開閉センサ部により検出された情報に基づいて、前記載置部に物品が載置されていることを報知する報知部と、を備えることを特徴とする請求項9または11に記載のロールペーパ供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールペーパ供給装置およびロールペーパ供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路のサービスエリアあるいはパーキングエリア、または駅や公園に設置される公共トイレのトイレ室にはロールペーパ供給装置が使用されている(特許文献1)。ロールペーパ供給装置は、使用しているロールペーパがなくなっても、トイレの使用者が直ぐに交換できるように複数の予備ロールペーパが収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-116400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な公共トイレでは、清掃員等の補充者がロールペーパ供給装置に収容された予備ロールペーパがなくならないように定期的に予備ロールペーパを補充している。しかしながら、複数のトイレ室がある場合に、予備ロールペーパの残数はトイレ室によって異なるために、補充者は一つずつトイレ室を見回って予備ロールペーパの残数を目視で確認する必要がある。また、使用者がトイレ室の前で並んでいるようなトイレが混雑している場合には、補充者も予備ロールペーパを持ってトイレ待ちの列に並んで補充しており、予備ロールペーパの残数を容易に確認できない場合がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、予備ロールペーパの残数を容易に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、使用ロールペーパを保持する保持部と、予備ロールペーパを待機させる待機部と、前記待機部に待機する予備ロールペーパを検出し、前記待機部に待機する予備ロールペーパの数に関する情報を表示させるために前記検出された情報を外部に送信するセンサ部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トイレ施設の一例を示す平面図である。
図2】第1実施形態のロールペーパ供給装置の構成の一例を示す図である。
図3】センサ部により検出される情報と、予備ロールペーパの残数との関係を示す図である。
図4】第1実施形態のロールペーパ供給システムの構成の一例を示す図である。
図5】第1のテーブルおよび第2のテーブルの一例を示す図である。
図6】予備ロールペーパの残数の表示の一例を示す図である。
図7】変形例1のロールペーパ供給装置の構成の一例を示す図である。
図8】変形例2のセンサ部により検出される情報と、予備ロールペーパの残数との関係を示す図である。
図9】第2実施形態のロールペーパ供給装置の構成の一例を示す図である。
図10】第3実施形態のロールペーパ供給装置の構成の一例を示す図である。
図11】変形例4のロールペーパ供給装置の構成の一例を示す図である。
図12】第4実施形態のロールペーパ供給システムの構成の一例を示す図である。
図13】トイレ室の構成を示す斜視図である。
図14】第5実施形態のロールペーパ供給システムの構成の一例を示す図である。
図15】トイレ室の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、実施形態に係るロールペーパ供給システムおよびロールペーパ供給装置について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のロールペーパ供給システムが用いられるトイレ施設の一例を示す平面図である。
トイレ施設は、女子トイレ10a、男子トイレ10b、多機能トイレ10c、控室11から構成される。女子トイレ10aは複数(ここでは6つ)のトイレ室が設置され、男子トイレ10bは複数(ここでは3つ)のトイレ室が設置される。多機能トイレ10cは、一つのトイレ室で構成される。控室11は、トイレ施設を清掃する清掃者や予備ロールペーパを補充する補充者が控えている。清掃者と補充者とが同一であってもよい。控室11には、補充するための複数の予備ロールペーパが保管される。
【0009】
本実施形態では、トイレ室を識別するためにトイレ室ごとに識別番号が付されている。女子トイレ10aの6つのトイレ室にはそれぞれ女子トイレNO1~女子トイレNO6の識別番号が付され、男子トイレ10bの3つのトイレ室にはそれぞれ男子トイレNO1~男子トイレNO3の識別番号が付されている。また、多機能トイレ10cは、多機能トイレNO1の識別番号が付されている。識別番号は、トイレ室ごとに、例えばトイレ室の扉やトイレ室の仕切り等に表記されている。
【0010】
各トイレ室には、それぞれロールペーパ供給装置20が設置されている。
ロールペーパ供給装置20は、トイレの使用者により引き出されることにより使用ロールペーパをシート状にして供給する。また、ロールペーパ供給装置20は、予備ロールペーパを収容可能であり、使用ロールペーパがなくなったときに直ぐに交換できるように待機させている。ここで、使用ロールペーパとは、トイレの使用者により紙が引き出されるロールペーパをいい、予備ロールペーパとは使用される前のロールペーパをいう。なお、区別する必要がない場合には単にロールペーパという。また、ロールペーパは、芯がある芯ありタイプである場合について説明するが、芯なしタイプ(コアレスタイプ)であってもよい。
【0011】
図2(a)は、ロールペーパ供給装置20の構成の一例を示す斜視図である。
ロールペーパ供給装置20は、筐体によってユニット化されており、全体が幅方向に比べて鉛直方向に長い形状である。ロールペーパ供給装置20は、保持部21と、待機部24と、第1のセンサ部30aと、第2のセンサ部30bとを有する。
保持部21は、トイレの使用者がシート状に引き出せるように使用ロールペーパPuを保持する。具体的に、保持部21は、芯棒22と、紙切り部23とを有する。
【0012】
芯棒22は、保持部21に位置する使用ロールペーパPuの孔に挿入することで、使用ロールペーパPuを回転自在に保持する。芯棒22は、使用ロールペーパPuの孔に挿入できる軸状である。芯棒22は、基端が保持部21の側壁21aに固定され、先端が待機部24に向かって略水平方向に延出している。
紙切り部23は、保持部21に位置する使用ロールペーパから引き出された紙(シート)を切断する。紙切り部23は湾曲した板状であり、先端に切断部を有する。
【0013】
待機部24は、予備ロールペーパを待機させる。待機部24は、複数(ここでは6つ)の予備ロールペーパP1~P6を待機可能である。本実施形態の待機部24は、横方向の姿勢の予備ロールペーパP1~P6を鉛直方向に沿って配置させる。ここで、横方向の姿勢とはロールペーパの孔の軸線が水平方向の姿勢をいい、縦方向の姿勢とはロールペーパの孔の軸線が鉛直方向の姿勢をいう。待機部24に待機する予備ロールペーパのうち、保持部21に隣接する予備ロールペーパが第1の予備ロールペーパP1であり、下から第1の予備ロールペーパP1、第2の予備ロールペーパP2、第3の予備ロールペーパP3、第4の予備ロールペーパP4、第5の予備ロールペーパP5、第6の予備ロールペーパP6の順に配置される。
【0014】
待機部24は、差込み部25と、確認窓26と、補充部27とを有する。
差込み部25は、使用者が第1の予備ロールペーパP1を保持部21の側に移動させるために手を差込むための開口である。差込み部25の開口は、待機部24の前壁に形成される。なお、差込み部25は、開口である場合に限られず、第1の予備ロールペーパP1を保持部21の側に移動できる構成であればよく、例えば切り欠きであってもよい。
確認窓26は、補充者が予備ロールペーパの残数を目視で確認するための開口である。確認窓26は、待機部24の前壁24aに形成された開口である。なお、確認窓26は、開口である場合に限られず、予備ロールペーパの残数を目視で確認できる構成であればよく、例えば、開口を透明な部材で閉塞したり、待機部24の前壁24aを透明な部材にしたりしてもよい。
【0015】
補充部27は、補充者が予備ロールペーパをロールペーパ供給装置20に補充するための開口である。補充部27は、待機部24の上端に位置する扉24bを開くことにより露出する。補充者は補充部27から予備ロールペーパを補充する。なお、補充部27は、上述した構成である場合に限られず、予備ロールペーパを補充できる構成であればよく、例えば、待機部24の前壁24aを開閉できるようにして前壁24aを開くことにより補充できるようにしてもよい。
【0016】
使用者が使用ロールペーパPuの紙を引き出して、残り少なくなったり無くなったりした場合には、使用者は使用ロールペーパPuの芯を芯棒22から取り除く。次に、使用者は、差込み部25から手を差込み、待機部24に待機させている第1の予備ロールペーパP1を保持部21の側に向かって移動(スライド)させる。第1の予備ロールペーパP1が保持部21に移動することで、芯棒22が第1の予備ロールペーパP1の孔に挿入されるために、第1の予備ロールペーパP1は使用ロールペーパPuとして保持部21により保持される。このようにして使用者は使用ロールペーパPuを交換することができる。第1の予備ロールペーパP1が保持部21の側に移動することにより残りの予備ロールペーパP2~P6が第1の予備ロールペーパP1の移動前の位置に向かって落下することで自動で移送される。したがって、移送される前の予備ロールペーパP2~P6は、移送された後では待機部24でそれぞれ予備ロールペーパP1~P5として待機する。複数の使用者による使用が続き使用ロールペーパPuが数回に亘って交換され、補充者が予備ロールペーパを補充しない場合には、待機部24に待機する予備ロールペーパの残数が少なくなる。
【0017】
第1のセンサ部30aと第2のセンサ部30bは、待機部24に待機する予備ロールペーパを検出し、検出された情報を外部に無線で送信する。なお、第1のセンサ部30aと第2のセンサ部30bとに共通する説明は、センサ部30として説明する。センサ部30は、予備ロールペーパを検出する機能と、検出された情報を外部に送信する機能とが一体化して構成されている。
【0018】
図2(b)は、ロールペーパ供給装置20のうち待機部24の前壁24aを取り外した状態を示す正面図である。
第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bは、待機部24と隣接した位置に配置される。具体的に、第1のセンサ部30aと第2のセンサ部30bは、待機部24の予備ロールペーパが待機する空間と仕切部材24cを介して隣接する空間内において、鉛直方向に予備ロールペーパ2つ分ほど離れて配置される。第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bは、それぞれ所定の位置に待機する予備ロールペーパを検出する。本実施形態の第1のセンサ部30aは、待機部24に予備ロールペーパが待機している状態において、第2の予備ロールペーパP2と隣接する位置に配置される。したがって、第1のセンサ部30aは、第2の予備ロールペーパP2があるか否かを検出する。また、本実施形態の第2のセンサ部30bは、待機部24に予備ロールペーパが待機している状態において、第5の予備ロールペーパP5と隣接する位置に配置される。したがって、第2のセンサ部30bは、第5の予備ロールペーパP5があるか否かを検出する。
【0019】
センサ部30は、隣接する予備ロールペーパが存在することを示す情報、および、隣接する予備ロールペーパが存在しないことを示す情報の少なくとも何れかの情報を外部に送信する。
具体的に、本実施形態のセンサ部30は揺動可能なレバー31を有しており、レバー31は中間部材としての板バネ32を介して予備ロールペーパの端面と接する。予備ロールペーパが存在する場合には予備ロールペーパの端面が板バネ32を介してレバー31を押圧することで、センサ部30は予備ロールペーパが存在する情報を外部に送信する。一方、予備ロールペーパが存在しない場合にはレバー31が押圧されないことで、センサ部30は予備ロールペーパが存在しない情報を送信する。
【0020】
センサ部30には、トイレ施設の電源から有線または無線により電力が供給される。なお、センサ部30に内蔵または外付けされた一次電池や二次電池により電力が供給されてもよく、センサ部30のレバー31が揺動したときの運動エネルギーを電気エネルギーに変換することにより電力が供給されてもよく、トイレ施設の照明の光を光電変換することにより電力が供給されてもよい。センサ部30に対して電力が供給できれば、センサ部30への電力の供給方法は限定されない。
【0021】
なお、センサ部30は、予備ロールペーパが存在する情報を外部に送信するような構成である場合、予備ロールペーパが存在しない場合には何も情報を送信しないように構成してもよい。逆に、センサ部30は、予備ロールペーパが存在しない情報を外部に送信するような構成である場合、予備ロールペーパが存在する場合には何も情報を送信しないように構成してもよい。
また、センサ部30が情報を外部に送信する場合には予備ロールペーパが存在する状態から存在しない状態に変化したとき、および、存在しない状態から存在する状態に変化したときに情報を送信する構成であってもよく、予備ロールペーパが存在する状態または予備ロールペーパが存在しない状態が継続している間、情報を送信する構成であってもよい。
【0022】
以下では、センサ部30は、予備ロールペーパが存在する場合にはオンとなりオンの間、オンの情報を外部に送信し、予備ロールペーパが存在しない場合にはオフとなり、オフの間、オフの情報を外部に送信しない構成を前提として説明する。
図3は、第1のセンサ部30aおよび第2のセンサ部30bにより検出される情報と、予備ロールペーパの残数との関係を示す図である。
【0023】
まず、第1のパターンは、第1のセンサ部30aおよび第2のセンサ部30bの何れもがオンの場合である。このパターンでは、第5の予備ロールペーパP5は存在し、第6の予備ロールペーパP6の存在は不明である。したがって、第1のパターンは、予備ロールペーパが5~6つであることを意味する。第1のパターンの予備ロールペーパの残数は第1の状態であって、「多い」に相当する。
次に、第2のパターンは、第1のセンサ部30aがオンであり、第2のセンサ部30bがオフの場合である。このパターンでは、第2の予備ロールペーパP2は存在し、第3の予備ロールペーパP3および第4の予備ロールペーパP4の存在は不明である。したがって、第2のパターンは、予備ロールペーパが2~4つであることを意味する。第2のパターンの予備ロールペーパの残数は第2の状態であって、「中」に相当する。
次に、第3のパターンは、第1のセンサ部30aおよび第2のセンサ部30bの何れもがオフの場合である。このパターンでは、第2の予備ロールペーパP2は存在せず、第1の予備ロールペーパP1の存在は不明である、したがって、第3のパターンは、予備ロールペーパが0~1つであることを意味する。第3のパターンの予備ロールペーパの残数は第3の状態であって、「少ない」に相当する。
【0024】
最後に、第4のパターンは、第1のセンサ部30aがオフであり、第2のセンサ部30bがオンの場合である。予備ロールペーパは待機部24で落下することで自動で移送されるために、通常、第2の予備ロールペーパP2が存在せず、かつ第5の予備ロールペーパP5が存在することはない。したがって、第4のパターンは、予備ロールペーパが待機部24で落下せずに詰まっていたり、縦方向の姿勢で補充されたりしている異常状態であることを意味する。第4のパターンは「異常」に相当する。
このように、第1のセンサ部30aと第2のセンサ部30bとを用いることにより、予備ロールペーパの残数を、「多い」、「中」、「少ない」の3段階に区分けすることができる。
【0025】
図1に戻り、トイレ施設の説明を続ける。控室11には、情報処理装置40が設置されている。
情報処理装置40は、後述する表示装置46にロールペーパ供給装置20のセンサ部30により送信された情報に基づいて、ロールペーパ供給装置20の予備ロールペーパの数に関する情報を表示するように制御する。また、情報処理装置40は、トイレ室ごとの予備ロールペーパの数に関する情報を表示するように制御する。したがって、補充者は、情報処理装置40の表示装置46を見ることにより、トイレ室ごとの予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。なお、情報処理装置40の詳細な構成は後述する。
【0026】
図4は、ロールペーパ供給システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
ロールペーパ供給システムは、複数のロールペーパ供給装置20と、情報処理装置40と、携帯装置50と、中継器60とを備える。
【0027】
ロールペーパ供給装置20は、上述したようにトイレ室ごとに設置され、それぞれ第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bを有する。なお、図4では、複数のロールペーパ供給装置20のうち1つのロールペーパ供給装置20のハードウェア構成を図示しているが、他のロールペーパ供給装置20のハードウェア構成も同様であり、説明を省略する。
【0028】
第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bはそれぞれ検出部35と、送信部36とを有する。検出部35は、予備ロールペーパを検出する。送信部36は、検出された情報を外部に無線で送信する。ここで、外部とはロールペーパ供給装置20外をいう。送信部36により外部に送信された情報は、中継器60を経由して、情報処理装置40が受信する。送信部36は、検出された情報を外部に送信する場合にセンサ部の識別情報も加えて送信する。具体的に、第1のセンサ部30aの送信部36は第1のセンサ部30aの識別情報を送信し、第2のセンサ部30bの送信部36は第2のセンサ部30bの識別情報を送信する。ここで、センサ部の識別情報は、各ロールペーパ供給装置20のセンサ部ごとに異なっており、ロールペーパ供給システム内において一意に特定される。例えば、女子トイレNO1のロールペーパ供給装置20の第1のセンサ部30aの識別情報と、女子トイレNO2のロールペーパ供給装置20の第1のセンサ部30aの識別情報とは異なっている。また、女子トイレNO1のロールペーパ供給装置20の第2のセンサ部30bの識別情報と、女子トイレNO2のロールペーパ供給装置20の第2のセンサ部30bの識別情報とは異なっている。
【0029】
情報処理装置40は、CPU41と、RAM42と、ROM43と、I/F44とを有する。情報処理装置40は、一般的に用いられるPCであってもよく、専用に設計された専用機であってもよく、タブレット端末やスマートフォンのような携帯端末であってもよい。
【0030】
CPU41は、情報処理装置40全体、および、情報処理装置40に接続された接続機器を制御する。具体的には、CPU41は、ROM43に記録されたプログラムを実行することにより表示装置46に対して予備ロールペーパの数に関する情報を表示するように制御する。RAM42は、ワークメモリであり、CPU41が実行した結果を一時的に記憶する。ROM43は、CPU41によって実行されるプログラムおよび各種データが記録される。I/F44は、情報処理装置40と接続機器とを接続するためのインタフェースである。
【0031】
また、情報処理装置40は、I/F44を介して、入力装置45、表示装置46、記録媒体47、通信装置48、報知装置49が接続される。ただし、入力装置45、表示装置46、記録媒体47、通信装置48または報知装置49は、情報処理装置40に一体で構成してもよい。
【0032】
入力装置45は、ロールペーパ供給システムの管理者や補充者が情報処理装置40に指示するために入力する装置である。入力装置45は、例えば、キーボード、マウスまたはタッチパネルが含まれる。なお、タッチパネルは表示装置46と一体で構成することができる。表示装置46は、予備ロールペーパの数に関する情報を表示する装置である。表示装置46は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイが含まれる。記録媒体47は、CPU41によって実行されるプログラムおよび各種データが記録される。通信装置48は、外部装置との間で情報を送受信する。通信装置48は、ロールペーパ供給装置20の第1のセンサ部30aの送信部36および第2のセンサ部30bの送信部36から送信された情報を受信したり、携帯装置50に情報を送信したりする。報知装置49は、補充者に対して情報を報知する装置である。報知装置49は、例えば、スピーカ装置が含まれる。
【0033】
携帯装置50は、補充者が携帯する装置である。携帯装置50は、情報処理装置40の通信装置48から送信された情報を、中継器60を経由して受信して、補充者に報知する。
中継器60は、第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bの送信部36が情報を情報処理装置40に送信するのを中継する。また、中継器60は、情報処理装置40の通信装置48が情報を携帯装置50に送信するのを中継する。なお、第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bの通信距離が長い場合や小規模のトイレ施設である場合には、中継器60を省略してもよい。また、無線通信の通信規格は適宜、選択することができる。
【0034】
次に、情報処理装置40がロールペーパ供給装置20の第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bにより送信された情報に基づいて、待機部24に待機する予備ロールペーパの数に関する情報を表示するように制御する処理について説明する。
【0035】
図5(a)は、第1のテーブル70の一例を示す図である。第1のテーブル70は、情報処理装置40のROM43や記録媒体47に予め記録されている。
第1のテーブル70には、トイレ室の識別番号の項目71と、センサの種別の項目72と、センサ部の識別情報の項目73とが記録されている。第1のテーブル70には、トイレ室の識別番号ごとに、第1のセンサ部の識別情報、および、第2のセンサ部の識別情報が関連付けられている。ここでは、女子トイレNO1、女子トイレNO2、男子トイレNO1、多機能トイレNO1のみを図示し、他のトイレ室の図示を省略している。
【0036】
情報処理装置40の通信装置48は、予備ロールペーパが存在するオンの情報を受信しているときに、オンの情報とともにセンサ部の識別情報を受信する。情報処理装置40のCPU41は、受信している識別情報を第1のテーブル70と照合することにより、予備ロールペーパが存在するオンの情報を送信しているトイレ室の識別番号、および、センサの種別(第1のセンサ部であるか第2のセンサ部であるか)を特定する。
【0037】
情報処理装置40のCPU41は、トイレ室の識別番号、および、センサの種別を特定することにより、各トイレ室の識別番号ごとに第1のセンサ部がオンであるかオフであるか、第2のセンサ部がオンであるかオフであるかのオンオフ情報をRAM42に記憶する。なお、CPU41は、予備ロールペーパが存在するオンの情報を受信していないトイレ室の識別番号、および、センサの種別がある場合には、オフである情報をRAM42に記憶する。
したがって、例えば、女子トイレNO1の第1のセンサ部30aからオンの情報を受信しており、女子トイレNO1の第2のセンサ部30bからオンの情報を受信していない場合には、CPU41は、女子トイレNO1については、第1のセンサ部30aがオン、第2のセンサ部30bがオフの情報をRAM42に記憶する。なお、トイレ施設では一つのセンサ部に注目した場合に、予備ロールペーパが存在するオンの情報が送信されている状態から送信されない状態に変動したり、あるいは、何も送信されてない状態から予備ロールペーパが存在するオンの情報が送信される状態に刻々と変動したりするために、CPU41は随時、オンオフ情報をRAM42に更新して記憶する。
【0038】
図5(b)は、第2のテーブル80の一例を示す図である。第2のテーブル80は、情報処理装置40のROM43や記録媒体47に予め記録されている。
第2のテーブル80には、第1のセンサ部および第2のセンサ部のオンオフの組み合わせの項目81と、予備ロールペーパの残数の項目82と、残数を色で表示するときの色の項目83とが記録されている。
【0039】
項目81の「オン/オン」とは、第1のセンサ部30aおよび第2のセンサ部30bの何れもがオンの場合であり、上述した第1のパターンを示している。項目81の「オン/オン」の場合には、予備ロールペーパの残数の項目82には「多い」の情報が関連付けられ、色の項目83には「緑」の情報が関連付けられている。
項目81の「オン/オフ」とは、第1のセンサ部30aがオンであり、第2のセンサ部30bがオフの場合であり、上述した第2のパターンを示している。項目81の「オン/オフ」の場合には、予備ロールペーパの残数の項目82には「中」の情報が関連付けられ、色の項目83には「黄」の情報が関連付けられている。
項目81の「オフ/オフ」とは、第1のセンサ部30aおよび第2のセンサ部30bの何れもがオフの場合であり、上述した第3のパターンを示している。項目81の「オフ/オフ」の場合には、予備ロールペーパの残数の項目82には「少ない」の情報が関連付けられ、色の項目83には「赤」の情報が関連付けられている。
項目81の「オフ/オン」とは、第1のセンサ部30aがオフであり、第2のセンサ部30bがオンの場合であり、上述した第4のパターンを示している。項目81の「オフ/オン」の場合には、予備ロールペーパの残数の項目82には「異常」の情報が関連付けられ、色の項目83には「赤(点滅)」の情報が関連付けられている。
【0040】
情報処理装置40のCPU41は、RAM42に記憶されているオンオフ情報を、第2のテーブル80と照合することにより、トイレ室ごとに予備ロールペーパの残数を特定する。
例えば、女子トイレNO1の第1のセンサ部30aがオンであり、女子トイレNO1の第2のセンサ部30bがオフであった場合には、第2のテーブル80の項目81のうち「オン/オフ」に相当することから、CPU41は、女子トイレNO1については予備ロールペーパの残数を「中」として特定し、色を「黄」として特定する。CPU41は、全てのトイレ室について、トイレ室ごとに予備ロールペーパの残数を特定する。CPU41はオンオフ情報が更新される度に随時、予備ロールペーパの残数の特定を更新する。
【0041】
情報処理装置40のCPU41は、特定した予備ロールペーパの残数を表示装置46に表示するように制御する。
図6(a)は、予備ロールペーパの残数のリスト表示90の一例を示す図である。
リスト表示90には、トイレ室の識別番号の項目91と、予備ロールペーパの残数の項目92とが含まれる。CPU41は、第2のテーブル80を照合することにより特定したトイレ室ごとの予備ロールペーパの残数を表示する。ここで、予備ロールペーパの残数は、予備ロールペーパの数に関する情報の一例である。リスト表示90は、トイレ施設に含まれる全てのトイレ室について予備ロールペーパの残数の情報を一画面で表示している。なお、CPU41は、入力装置45を介した操作により絞り込みが指示された場合には、指示された絞り込みの内容に応じて、女子トイレのみの予備ロールペーパの残数の情報を表示してたり、男子トイレのみの予備ロールペーパの残数の情報を表示してたりしてもよい。また、CPU41は、入力装置45を介した操作に応じて、予備ロールペーパの残数が「少ない」のみのトイレ室の識別番号を表示したり、「少ない」および「中」のトイレ室の識別番号を表示したりするようにしてもよい。更に、商業施設のようにフロアごとにトイレ施設があったり、テーマパークのように離れて複数のトイレ施設があったりする場合には、CPU41は、入力装置45を介した操作に応じて、選択されたフロアごとのトイレ施設の予備ロールペーパの残数の情報を表示したり、選択されたトイレ施設の予備ロールペーパの残数の情報を表示したりしてもよい。
【0042】
補充者は、リスト表示90を視認することにより、トイレ施設の予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。補充者は、例えば、予備ロールペーパの残数が「少ない」と表示されている識別番号のトイレ室を中心に予備ロールペーパを補充することにより、予備ロールペーパを補充する効率を向上させることができる。また、補充者は、例えば、予備ロールペーパの残数が「異常」と表示されている識別番号のトイレ室では、予備ロールペーパが詰まっていたり、縦方向の姿勢で補充されたりしていることが想定できるために容易に対処することができる。
なお、予備ロールペーパの残数の表示は、「多い」、「中」、「少ない」、「異常」に限られず、補充者が認識できる表示であれば、どのような表示であってもよい。
【0043】
図6(b)は、予備ロールペーパの残数のマップ表示100の一例を示す図である。
マップ表示100には、トイレ施設の平面図10と、トイレ室ごとの予備ロールペーパの色表示部102a~102jとが含まれる。CPU41は、第2のテーブル80を照合することにより特定したトイレ室ごとの予備ロールペーパの残数を色で表わした色表示部102a~102jを表示する。ここで、色表示部102a~102jは、予備ロールペーパの数に関する情報の一例である。マップ表示100は、トイレ施設に含まれる全ての複数のトイレ室について予備ロールペーパの残数の情報を一画面で表示している。
【0044】
補充者は、マップ表示100を視認することにより、トイレ施設の予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。補充者は、例えば、「赤」で表示されている識別番号のトイレ室を中心に予備ロールペーパを補充することにより、予備ロールペーパを補充する効率を向上させることができる。また、補充者は、例えば、予備ロールペーパの残数が「赤」で点滅して表示されている識別番号のトイレ室では、予備ロールペーパが詰まっていたり、縦方向の姿勢で補充されたりしていることが想定できるために容易に対処することができる。このように、マップ表示100で表示することにより、各識別番号に対応するトイレ室の位置を覚えていない補充者であっても、補充する対象のトイレ室の位置を把握することができる。また、マップ表示100に控室の位置も表示することにより、補充者は控室から出てから補充する対象のトイレ室までどのような経路を通ればよいかも把握することができる。
なお、予備ロールペーパの残数の色の表示は、「緑」、「黄」、「赤」、「赤(点滅)」に限られず、補充者が認識できる表示であれば、どのような表示であってもよい。
【0045】
また、情報処理装置40のCPU41は、トイレ室ごとに予備ロールペーパの残数を特定したときに、「多い」または「中」から「少ない」に変化したときに報知装置49を介して音等を発生させて補充者に報知したり、携帯装置50に信号を無線で送信することで携帯装置50が補充者に報知したりする。また、CPU41は、予備ロールペーパの残数を特定したときに、「異常」に変化したときも同様に、報知装置49を介して音等を発生させて補充者に報知したり、携帯装置50が補充者に報知したりしてもよい。
【0046】
このように、本実施形態のロールペーパ供給装置20は、待機部24に待機する予備ロールペーパを検出し、検出された情報を表示させるために検出された情報を外部に送信するセンサ部30を有する。したがって、表示装置46により予備ロールペーパの数に関する情報を表示することが可能になるため、予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。
【0047】
本実施形態のロールペーパ供給装置20は、第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bを有する場合について説明したが、この場合に限られず、3つ以上のセンサ部を有していてもよい。このような場合には、表示装置46は、予備ロールペーパの数に関する情報を3段階以上で表示することができる。
本実施形態のロールペーパ供給装置20は、第1のセンサ部30aが第2の予備ロールペーパP2があるか否かを検出し、第2のセンサ部30bが第5の予備ロールペーパP5があるか否かを検出する場合について説明したが、この場合に限られず、他の予備ロールペーパを検出するようにしてもよい。例えば、第1のセンサ部30aが第1の予備ロールペーパP1~第3の予備ロールペーパP3の何れかがあるか否かを検出し、第2のセンサ部30bが第3の予備ロールペーパP3~第6の予備ロールペーパP6の何れかがあるか否かを検出してもよい。
【0048】
(変形例1)
上述した実施形態のロールペーパ供給装置20のセンサ部30は、所定の位置に待機する1つの予備ロールペーパを検出するものである場合について説明した。変形例1では、予備ロールペーパの残数を直接的に検出できるセンサ部130を用いる場合について説明する。
図7は、変形例1のロールペーパ供給装置120のうち待機部24の前壁24aを取り外した状態を示す正面図である。なお、上述した実施形態と同様の構成は、同一符号を付して適宜、説明を省略する。
【0049】
ロールペーパ供給装置120は、保持部21と、待機部24と、センサ部130とを有する。
センサ部130は、待機部24に待機する予備ロールペーパを検出し、検出された情報を外部に無線で送信する。センサ部130は、予備ロールペーパを検出する機能と、検出された情報を外部に送信する機能とが一体化して構成されている。
【0050】
センサ部130は、待機部24に第1の予備ロールペーパP1~第6の予備ロールペーパP6が待機している状態において、第6の予備ロールペーパP6よりも上側に配置される。具体的には、センサ部130は、待機部24の補充部27に近接して配置される。
【0051】
センサ部130は、最も近くに位置する予備ロールペーパまでの距離の情報を検出して、検出した情報を外部に送信する。
具体的に、本実施形態のセンサ部130は、発光部131aと受光部131bとを有しており、発光部131aは予備ロールペーパに向かって発光し、受光部131bは予備ロールペーパの外周面によって反射された光を受光する。センサ部130は、発光部131aから発光してから予備ロールペーパによって反射された光を受光するまでの時間を測定することで最も近くに位置する予備ロールペーパまでの距離の情報を検出してもよく、反射された光の量を測定することで最も近くに位置する予備ロールペーパまでの距離の情報を検出してもよい。発光部131aは、待機部24に待機する複数の予備ロールペーパが配列される方向に沿って光を発光する。したがって、待機部24に待機する予備ロールペーパの残数によって、検出される予備ロールペーパまでの距離が異なる。具体的に、予備ロールペーパの残数が多いほど検出される距離が短くなり、予備ロールペーパの残数が少ないほど検出される距離が長くなる。センサ部130は検出した最も近くに位置する予備ロールペーパまでの距離の情報を送信する。
【0052】
情報処理装置40のROM43には、センサ部130が検出した最も近くに位置する予備ロールペーパまでの距離の情報と、予備ロールペーパの残数の情報とが関連付けられたテーブルが予め記録されている。テーブルには、例えば、第1の距離の範囲では予備ロールペーパの残数「0」、第2の距離の範囲では予備ロールペーパの残数「1つ」、第3の距離の範囲では予備ロールペーパの残数「2つ」、第4の距離の範囲では予備ロールペーパの残数「3つ」、第5の距離の範囲では予備ロールペーパの残数「4つ」、第6の距離の範囲では予備ロールペーパの残数「5つ」、第7の距離の範囲では予備ロールペーパの残数「6つ」のように関連付けられている。
したがって、情報処理装置40のCPU41は、トイレ室ごとに予備ロールペーパの残数を表示する場合に、詳細な残数を表示することができる。
【0053】
(変形例2)
上述した実施形態のロールペーパ供給装置20は、待機部24が6つの予備ロールペーパP1~P6を待機可能であり、第1のセンサ部30a、第2のセンサ部30bを有する場合について説明した。変形例2のロールペーパ供給装置220は、待機部が4つの予備ロールペーパP1~P4を待機可能であり、第1のセンサ部30aのみを有する場合について説明する。
【0054】
図8は、第1のセンサ部30aにより検出された情報と、予備ロールペーパの残数との関係を示す図である。
まず、第1のパターンは、第1のセンサ部30aがオンの場合である。第1のパターンは、予備ロールペーパが2~4つであることを意味する。第1のパターンの予備ロールペーパの残数は第1の状態であって、「多い」に相当する。
次に、第2のパターンは、第1のセンサ部30aがオフの場合である。第2のパターンは、予備ロールペーパが0~1つであることを意味する。第2のパターンの予備ロールペーパの残数は第2の状態であって、「少ない」に相当する。
【0055】
このように、第1のセンサ部30aのみを用いることにより、予備ロールペーパの残数を、例えば「多い」、「少ない」の2段階で区分けしたり、例えば「緑」、「赤」の2段階の色で区分けしたりする。したがって、センサ部の数を1つにすることができるのでロールペーパ供給装置220の製造コストを削減することができる。
【0056】
<第2実施形態>
図9(a)は、本実施形態のロールペーパ供給装置320の構成の一例を示す斜視図である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
ロールペーパ供給装置320は、筐体によってユニット化されており、全体が鉛直方向に比べて幅方向に長い形状である。ロールペーパ供給装置320は、保持部21と、待機部324と、センサ部330とを有する。
保持部21は、使用者がシート状に引き出せるように使用ロールペーパPuを保持する。保持部21は、使用者が使用ロールペーパPuを引き出せるように前側が開口している。
【0057】
待機部324は、予備ロールペーパを待機させる。待機部324は、複数(ここでは4つ)の予備ロールペーパP1~P4を待機可能である。本実施形態の待機部324は、斜めの姿勢の予備ロールペーパP1~P4を斜め方向に沿って配置させる。ここで、斜めの姿勢とはロールペーパの孔の軸線が水平方向に対して傾斜した姿勢をいう。待機部324に待機する予備ロールペーパのうち、保持部21に隣接する予備ロールペーパが第1の予備ロールペーパP1であり、下から第1の予備ロールペーパP1、第2の予備ロールペーパP2、第3の予備ロールペーパP3、第4の予備ロールペーパP4の順に配置される。第1~第4の第1の予備ロールペーパP1~P4は、端面同士が接した状態で待機する。
【0058】
待機部324は、差込み部325と、補充部327と、移送部329とを有する。
差込み部325は、使用者が第1の予備ロールペーパP1を保持部21の側に移動させるために手を差込むための切り欠きである。
補充部327は、補充者が予備ロールペーパをロールペーパ供給装置320に補充するための開口である。補充部327は、待機部324の隅に位置する扉324bを開くことにより露出する。
【0059】
図9(b)は、ロールペーパ供給装置320のうち待機部324の前壁324aを取り外した状態を示す正面図である。
移送部329は、待機部324に待機させている第1の予備ロールペーパP1が保持部21の側に移動することにより残りの予備ロールペーパP2~P4を第1の予備ロールペーパP1の移動前の位置に移送する。移送部329は、待機部324に待機する予備ロールペーパP1~P4が配列される方向に沿って配置される複数の円柱状(または一部が円柱状)のローラ329aを有する、。ローラ329aは、軸線が水平方向であって予備ロールペーパの孔の軸線と直交する方向に配置され、回転自在に支持される。したがって、第1の予備ロールペーパP1が保持部21の側に移動することにより、残りの予備ロールペーパP2~P4は移送部329のローラ329aが回転することにより、第1の予備ロールペーパP1の移動前の位置に向かって自動で移送される。
【0060】
センサ部330は、待機部324と隣接した位置に配置される。具体的に、センサ部330は、移送部329の下側に配置される。本実施形態のセンサ部330は、待機部324に予備ロールペーパが待機している状態において、第2の予備ロールペーパP2と隣接する位置に配置される。したがって、センサ部330は、第2の予備ロールペーパP2があるか否かを検出する。
【0061】
具体的に、本実施形態のセンサ部330aは揺動可能なレバー331を有しており、レバー331は中間部材としての板バネ332を介して予備ロールペーパの外周面と接する。予備ロールペーパが存在する場合には予備ロールペーパの外周面が板バネ332を介してレバー331を押圧することで、センサ部330は予備ロールペーパが存在する情報を外部に送信する。一方、予備ロールペーパが存在しない場合にはレバー331が押圧されないことで、センサ部330は予備ロールペーパが存在しない情報を送信する。
【0062】
このように、本実施形態のロールペーパ供給装置320は、待機部324に待機する予備ロールペーパを検出し、検出された情報を表示させるために検出された情報を外部に送信するセンサ部330を有する。したがって、第1実施形態と同様に、表示装置46により予備ロールペーパの数に関する情報を表示することが可能になるため、予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。
【0063】
(変形例3)
上述した第2実施形態のロールペーパ供給装置320のセンサ部330は、所定の位置に待機する1つの予備ロールペーパを検出するものである場合について説明した。変形例3では、センサ部330に代えて、予備ロールペーパの残数を直接的に検出できるセンサ部340を用いる場合について説明する。センサ部340は、上述した変形例1と同様のものを用いることができる。図9(b)では、センサ部340を二点鎖線で示している。
【0064】
センサ部340は、待機部324に第1の予備ロールペーパP1~第4の予備ロールペーパP4が待機している状態において、第4の予備ロールペーパP4よりも、保持部21の反対側の側壁側に配置される。具体的には、センサ部340は、待機部324の補充部327に近接して配置される。
本変形例のセンサ部340は、発光部341aと受光部341bとを有しており、発光部341aは予備ロールペーパに向かって発光し、受光部341bは予備ロールペーパの端面によって反射された光を受光する。
したがって、第1実施形態の変形例1と同様に、情報処理装置40のCPU41は、トイレ室ごとに予備ロールペーパの残数を表示する場合に、詳細な残数を表示することができる。
【0065】
<第3実施形態>
図10(a)は、本実施形態のロールペーパ供給装置420の構成の一例を示す斜視図である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
ロールペーパ供給装置420は、筐体によってユニット化されており、全体が鉛直方向に比べて幅方向に長い形状である。ロールペーパ供給装置420は、保持部21と、待機部424と、第1のセンサ部430a、第2のセンサ部430bとを有する。
保持部21は、使用者がシート状に引き出せるように使用ロールペーパPuを保持する。
【0066】
待機部424は、予備ロールペーパを待機させる。待機部424は、複数(ここでは3つ)の予備ロールペーパP1~P3を待機可能である。本実施形態の待機部424は、横方向の姿勢の予備ロールペーパP1~P3を水平方向に沿って配置させる。待機部424に待機する予備ロールペーパのうち、保持部21に隣接する予備ロールペーパが第1の予備ロールペーパP1であり、保持部21の近くから第1の予備ロールペーパP1、第2の予備ロールペーパP2、第3の予備ロールペーパP3の順に配置される。第1~第3の第1の予備ロールペーパP1~P3は、端面同士が接した状態で待機する。
【0067】
待機部424は、確認窓426と、移送部429とを有する。
確認窓426は、補充者が予備ロールペーパの残数を目視で確認するための開口である。確認窓426は、待機部424の前壁424aに形成された開口である。
【0068】
図10(b)は、ロールペーパ供給装置420のうち待機部424の前壁424aを取り外した状態を示す正面図である。
移送部429は、待機部424に待機させている第1の予備ロールペーパP1が保持部21の側に移動することにより残りの予備ロールペーパP2~P3を第1の予備ロールペーパP1の移動前の位置に移送する。移送部429は、ガイド部429a、ローラ部429b、付勢部429c、ストッパ部429dを有する。
【0069】
ガイド部429aは、移送部429が予備ロールペーパを移送するときに予備ロールペーパの移送をガイドする。ガイド部429aは、予備ロールペーパの孔に挿入できる軸状であり、第1の予備ロールペーパP1~第3の予備ロールペーパP3に亘って挿入することができる長さである。ガイド部429aは、基端が待機部424の側壁424bに固定され、先端が保持部21に向かって略水平方向に延出している。
ローラ部429bは、移送部429が予備ロールペーパを移送するときに移送するときの摩擦を低減する。ローラ部429bは、円柱状(または一部が円柱状)であり、待機部424の下側に配置される。ローラ部429bは、軸線が水平方向であって予備ロールペーパの孔の軸線と直交する方向に配置され、回転自在に支持される。
【0070】
付勢部429cは、予備ロールペーパを常に保持部21に向かって付勢する。付勢部429cは、圧縮ばねであり、例えば円錐コイルばねを用いることができる。付勢部429cは、予備ロールペーパと筐体の側壁424bとの間に配置され、ガイド部429aによって支持される。
ストッパ部429dは、付勢部429cにより付勢されている予備ロールペーパが保持部21に向かって移動するのを規制する。ストッパ部429dは、待機部424のうち保持部21に近接して配置される。使用者がストッパ部429dを操作することによりストッパ部429dによる規制を一時的に解除することができる。
【0071】
図10(c)は、図10(b)の状態からストッパ部429dによる規制が解除された状態を示す正面図である。
使用者がストッパ部429dを操作してストッパ部429dによる規制を解除することにより、付勢部429cが第1の予備ロールペーパP1~第3の予備ロールペーパP3を保持部21に向かって付勢する。第1の予備ロールペーパP1が保持部21の側に移動することにより残りの予備ロールペーパP2~P3が第1の予備ロールペーパP1の移動前の位置に向かって自動で移送される。したがって、移送される前の予備ロールペーパP2~P3は、移送された後では待機部424でそれぞれ予備ロールペーパP1~P2として待機する。
なお、補充者は、ストッパ部429dを操作してストッパ部429dによる規制を解除した状態で、補充する予備ロールペーパの孔にガイド部429aを挿入して、付勢部429cの付勢に抗して側壁424bに押し込み、ストッパ部429dにより規制させることにより、予備ロールペーパを補充する。
【0072】
第1のセンサ部430a、第2のセンサ部430bは、待機部424と隣接した位置に配置される。具体的に、第1のセンサ部430aと第2のセンサ部430bは、ローラ部429bの下側で水平方向に予備ロールペーパ1つ分ほど離れて配置される。本実施形態の第1のセンサ部430aは、待機部424に予備ロールペーパが待機している状態において、第1の予備ロールペーパP1があるか否かを検出する。また、本実施形態の第2のセンサ部430bは、待機部424に予備ロールペーパが待機している状態において、第3の予備ロールペーパP3があるか否かを検出する。
【0073】
第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bは、第1実施形態と同様に、予備ロールペーパが存在する場合には予備ロールペーパが存在する情報を外部に無線で送信することにより、表示装置46により予備ロールペーパの数に関する情報を表示することが可能になるため、予備ロールペーパの残数を容易に確認することができる。
【0074】
(変形例4)
上述した第3実施形態のロールペーパ供給装置420では、圧縮ばねの付勢部429cを用いる場合について説明したが、タイプが異なる付勢部429eを用いることができる。なお、第3実施形態と同様の構成は、同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図11は、ロールペーパ供給装置420のうち待機部424の前壁424aを取り外した状態を示す正面図である。
付勢部429eは、予備ロールペーパを引き込み部429fを介して常に保持部21に向かって付勢する。付勢部429eは、引張りばねである。付勢部429eは一端が筐体に固定され、他端が引き込み部429fに固定される。引き込み部429fは、第3の予備ロールペーパP3の端面に当接している。
【0075】
なお、第1のセンサ部430a、第2のセンサ部430bは、待機部424と隣接した位置に配置される。具体的に、第1のセンサ部430aと第2のセンサ部430bは、予備ロールペーパの上側で水平方向に予備ロールペーパ1つ分ほど離れて配置される。
また、本実施形態および本変形例のロールペーパ供給装置420は、第1のセンサ部430a、第2のセンサ部430bを有する場合について説明したが、この場合に限られず、予備ロールペーパの残数を直接的に検出できるセンサ部を用いてもよい。
【0076】
<第4実施形態>
図12は、本実施形態のロールペーパ供給システムのハードウェア構成の一例を示す図である。図13は、本実施形態のロールペーパ供給システムが設置されるトイレ室の構成を示す斜視図である。本実施形態では、複数のトイレ室がある場合にトイレ室ごとに1つのロールペーパ供給システムが構成される。なお、上述した実施形態と同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
【0077】
ロールペーパ供給システムは、ロールペーパ供給装置420と、クリーナ供給装置510と、表示装置540とを備える。
ロールペーパ供給装置420は、第3実施形態の構成と同様であり、第1のセンサ部430a、第2のセンサ部430bを有する。第1のセンサ部430a、第2のセンサ部430bはそれぞれ検出部35と、送信部36とを有する。
【0078】
クリーナ供給装置510は、トイレの使用者により操作されたり、手をかざしたりすることにより便座クリーナを供給する。クリーナ供給装置510は、クリーナセンサ部511を有する。クリーナセンサ部511は、検出部512と、送信部513とを有する。
図13に示すように、クリーナ供給装置510は、トイレ室ごとに設置される。クリーナ供給装置510のクリーナセンサ部511は、容器514に残ったクリーナの量の情報を検出し、検出された情報を外部に無線で送信する。クリーナセンサ部511は、クリーナが容器514の所定の高さまで残っていることを示す情報、および、クリーナが容器514の所定の高さまで残っていないことを示す情報の少なくとも何れかの情報を外部に送信する構成であってもよい。クリーナセンサ部511は、例えば、非接触式の近接センサや液面レベルセンサを用いることができる。
以下では、クリーナセンサ部511は、クリーナが容器514の所定の高さまで残っている場合にオンとなりオンの間、オンの情報を外部に送信し、クリーナが容器514の所定の高さまで残っていない場合にはオフとなり、オフの間、オフの情報を外部に送信しない構成を前提として説明する。
【0079】
表示装置540は、ロールペーパ供給装置420の第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bにより送信された情報に基づいて、ロールペーパ供給装置420の予備ロールペーパの数に関する情報を表示する。また、表示装置540は、クリーナセンサ部511により送信された情報に基づいて、クリーナ供給装置510の容器514に残ったクリーナの量に関する情報を表示する。表示装置540は、制御部541と、通信部542と、第1の表示部543aと、第2の表示部543bとを有する。
図13に示すように、表示装置540は、トイレ室ごとに設置される。表示装置540は、トイレ室内に入らなくても視認できる位置に配置されることが好ましい。本実施形態の表示装置540は、トイレ室の扉550を開閉するときに支持するパネル等の壁部材551に配置される。ただし、表示装置540は、当該トイレ室に対応する表示であることを補充者が認識できればよく、扉550に配置してもよく、トイレ室の天井等に配置してもよい。
【0080】
制御部541は、第1の表示部543aに対して予備ロールペーパの数に関する情報を表示するように制御し、第2の表示部543bに対してクリーナの量に関する情報を表示するように制御する。制御部541は、PLC(Programmable Logic Controller)であってもよく、予め定められた処理を実行できるように設計されたハードウェアとしての回路であってもよく、第1実施形態の情報処理装置40のようにCPU、RAM、ROMにより構成されていてもよい。
【0081】
通信部542は、ロールペーパ供給装置420の第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bからの情報を受信したり、クリーナ供給装置510のクリーナセンサ部511からの情報を受信したりする。なお、通信部542は、複数のトイレ室がある場合に、他のトイレ室のロールペーパ供給装置420の第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bからの情報を受信せず、他のトイレ室のクリーナ供給装置510のクリーナセンサ部511からの情報を受信しないように構成される。例えば、制御部541あるいは通信部542は、受信を許容する識別情報と共に送信されるセンサ部からの情報を受信し、受信を許容しない識別情報と共に送信されるセンサ部からの情報を受信しないようにすることができる。
【0082】
第1の表示部543aは、予備ロールペーパの数に関する情報を表示する。第1の表示部543aは、例えばLEDを用いることができる。制御部541は、第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bのオンオフの組み合わせに応じて、予備ロールペーパの数に関する情報を第1の表示部543aに表示するように制御する。第1実施形態と同様に、制御部541は、第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bの何れもがオンの場合には第1の表示部543aを緑色で表示し、第1のセンサ部430aがオンであり、第2のセンサ部430bがオフの場合には黄色で表示し、第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bの何れもがオフの場合には赤色で表示し、第1のセンサ部430aがオフであり、第2のセンサ部430bがオンの場合には第1の表示部543aを赤色の点滅で表示する。
【0083】
第2の表示部543bは、クリーナの量に関する情報を表示する。第2の表示部543bは、例えばLEDを用いることができる。制御部541は、クリーナセンサ部511のオンオフに応じて、クリーナの量に関する情報を第2の表示部543bに表示するように制御する。制御部541は、クリーナセンサ部511がオンの場合には第2の表示部543bをクリーナが十分に残っていることを示す緑色で表示し、クリーナセンサ部511がオフの場合にはクリーナが残り少ないことを示す赤色で表示する。
【0084】
このように、本実施形態のロールペーパ供給システムは、クリーナ供給装置510の容器514に残ったクリーナの量を検出し、容器514に残ったクリーナの量に関する情報を表示させるために検出された情報を外部に送信するクリーナセンサ部511を有する。したがって、表示装置540によりクリーナの量に関する情報を表示することが可能になるため、残ったクリーナの量を容易に確認することができる。また、トイレ室ごとに表示装置520が設けられていることから、補充者は補充すべき対象のトイレ室を容易に特定することができる。
【0085】
なお、第1の表示部543aおよび第2の表示部543bは、予備ロールペーパの数に関する情報およびクリーナの量に関する情報を色で表示する場合について説明したが、この場合に限られず、文字や記号で表示してもよく、音を発生させてもよい。
また、クリーナの量に関する情報を表示するのを第1の実施形態に適用し、トイレ室ごとに表示するようにしてもよい。この場合には、トイレ室ごとに予備ロールペーパの数に関する情報と、クリーナの量に関する情報とを表示装置46に表示することにより、補充者は予備ロールペーパの残数および残ったクリーナの量を容易に確認することができる。
【0086】
<第5実施形態>
図14は、本実施形態のロールペーパ供給システムのハードウェア構成の一例を示す図である。図15は、本実施形態のロールペーパ供給システムが設置されるトイレ室の構成を示す斜視図である。本実施形態では、複数のトイレ室がある場合にトイレ室ごとに1つのロールペーパ供給システムが構成される。なお、上述した実施形態と同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
【0087】
ロールペーパ供給システムは、ロールペーパ供給装置620と、第1の載置センサ部610と、第2の載置センサ部611と、扉開閉センサ部612と、使用者センサ部614と、表示装置640とを備える。
ロールペーパ供給装置620は、第3実施形態のロールペーパ供給装置420に非常ボタン621を追加した構成である。
図15(a)に示すように、非常ボタン621は、ロールペーパ供給装置620の下端に吊り下げて配置される。使用者が緊急時に非常ボタン621を下側に引っ張るように操作することにより、非常ボタン621は異常事態であることを示す情報を外部に無線で送信する。
【0088】
第1の載置センサ部610は、トイレ室に設置された棚に物品が載置されていることを検出して、検出した情報を外部に無線で送信する。ここで、物品は、例えば、バッグ、財布、携帯電話、鍵等である。
図15(a)に示すように、ロールペーパ供給装置620の上面は平らな面であって、物品を載置する載置部としての棚に用いることができる。第1の載置センサ部610は、ロールペーパ供給装置620の上面に載置されている物品を検出できるように、ロールペーパ供給装置620に近接して配置される。第1の載置センサ部610は、発光部と受光部とを有しており、反射物までの距離を検出して、検出した距離の情報を送信する。具体的に、物品が載置されていない場合には検出される距離が長くなり、物品が載置されている場合には検出される距離が短くなる。第1の載置センサ部610は、検出した反射物までの距離の情報を送信する。
【0089】
第2の載置センサ部611は、トイレ室に設置されたフックに物品が載置されていることを検出して、検出した情報を外部に無線で送信する。ここで、物品は、例えば、バッグ、衣服等である。
図15(a)に示すように、物品を引っ掛けることにより載置できるフック650が扉550のトイレ室側の面や壁等に設けられている。図15(b)は、フック650の構成を示す図である。フック650は、取付部651に対して揺動可能に支持されており、図示しないバネ等の付勢手段により上側に向かって付勢されている。取付部651内には第2の載置センサ部611が内蔵されている。フック650に物品が載置されると物品の重みによってフック650が揺動することによって、第2の載置センサ部611が物品を検出して、検出した情報を送信する。
【0090】
扉開閉センサ部612は、トイレ室の扉550が開いたことを検出して、検出した情報を外部に無線で送信する。
図15(a)に示すように、扉開閉センサ部612は、トイレ室の扉に設けられている。扉開閉センサ部612は、扉550と扉550の戸先側に位置するパネル等の壁部材551とのうち何れか一方に配置された発光部613aと、何れか他方に配置された受光部613bとを有する。扉が開いて受光部613bが発光部613aからの光を受光できなくなることによって、扉開閉センサ部612が扉の開放を検出して、検出した情報を送信する。
【0091】
使用者センサ部614は、トイレ室に使用者(人)がいることを検出して、検出した情報を外部に無線で送信する。
図15(a)に示すように、使用者センサ部614は、トイレ室の天井や壁等に設けられている。使用者センサ部614は、例えば、人感センサを用いることができる。使用者センサ部614は、トイレ室に使用者が存在していることを検出している間、検出している情報を送信する。
【0092】
表示装置640は、ロールペーパ供給装置620の第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bにより送信された情報に基づいて、ロールペーパ供給装置620の予備ロールペーパの数に関する情報を表示する。
また、表示装置640は、第1の載置センサ部610および第2の載置センサ部611の少なくとも何れか一方の情報と、扉開閉センサ部612により検出された情報に基づいて、棚やフックに忘れ物があることを報知する。
また、表示装置640は、非常ボタン621から送信された情報または使用者センサ部614により検出された情報に基づいて、使用者に異常事態が起こっていることを報知する。
【0093】
表示装置640は、制御部541と、通信部542と、表示部643と、報知部644とを有する。
制御部541は、表示部643に対して予備ロールペーパの数に関する情報を表示するように制御する。また、制御部541は、報知部644に対して忘れ物があることを報知するように制御したり、使用者に異常事態が起こっていることを報知するように制御したりする。
【0094】
通信部542は、ロールペーパ供給装置620の第1のセンサ部430aおよび第2のセンサ部430bからの情報を受信する。また、通信部542は、非常ボタン621、第1の載置センサ部610、第2の載置センサ部611、扉開閉センサ部612、使用者センサ部614からの情報を受信する。
表示部643は、第4実施形態と同様に、予備ロールペーパの数に関する情報を表示する。
【0095】
報知部644は、トイレ室に忘れ物がある場合に使用者が認識できるように音等を発生させる。具体的には、制御部541は、第1の載置センサ部610により検出された距離が所定の距離よりも短い場合、すなわち物品が載置されていることが検出された場合であって、かつ扉開閉センサ部612により扉が開放されたことが検出された場合に、報知部644に音等を発生させるように制御する。また、制御部541は、第2の載置センサ部611により物品が載置されていることが検出された場合であって、かつ扉開閉センサ部612により扉が開放されたことが検出された場合に、報知部644に音等を発生させるように制御する。このように制御部541が報知部644に報知させるように制御するのは、使用者が物品を載置したまま扉を開放させてトイレ室を出ようとしており、トイレ室に忘れ物がある可能性が高いためである。なお、制御部541は、扉開閉センサ部612により検出される扉が開放された情報に代えて、使用者センサ部614により使用者が検出されなくなった場合に、報知部644に音等を発生させるように制御してもよい。
【0096】
また、報知部644は、トイレ室に異常事態が起こった場合にトイレ室外の人が認識できるように音等を発生させる。具体的には、制御部541は、使用者センサ部614により使用者が検出されてから所定の時間が経過した場合に、報知部644に音等を発生させるように制御する。このように制御部541が報知部644に報知させるように制御するのは、所定の時間を経過してまでも使用者がトイレ室にいる場合には、トイレ室内で使用者に異常事態が起こった可能性が高いためである。
【0097】
このように、本実施形態のロールペーパ供給システムは、トイレ室に忘れ物があることを報知する報知部644を有する。したがって、使用者は、トイレ室に忘れ物があることに気付くことができる。また、本実施形態のロールペーパ供給システムは、トイレ室で異常事態が起こったことを報知する報知部644を有する。したがって、トイレ室外にいる人が、トイレ室で異常事態が起こったことに気付くことができる。
なお、本実施形態の報知部644は、音等を発生させて報知する場合について説明したが、この場合に限られず、光を発光させることにより報知してもよい。
【0098】
(変形例5)
上述した第5実施形態の第1の載置センサ部610は、発光部と受光部とを有しており、検出した反射物までの距離の情報を無線で送信する場合について説明したが、タイプが異なるセンサ部を用いることができる。
図15(c)は、ロールペーパ供給装置620の側面図である。
ロールペーパ供給装置620は、天板部622と、載置センサ部630とを有する。
天板部622は、上面が平らな面であって、物品を載置する載置部としての棚に用いることができる。天板部622は、ロールペーパ供給装置620の筐体に対して上下方向に移動可能であり、図示しないバネ等の付勢手段によって上側に向かって付勢されている。天板部622の下側には載置センサ部630が配置されている。天板部622に物品が載置されると物品の重みによって天板部622が下側に移動することによって、載置センサ部630が物品を検出して、検出した情報を無線で送信する。
【0099】
以上、本発明を種々の実施形態および変形例を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態および各変形例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、上述した実施形態および変形例を適宜、組み合わせてもよく、上述した各実施形態の一部または各変形例の一部を適宜、他の実施形態または他の変形例に組み合わせてもよい。
上述した実施形態および変形例の各センサ部は、情報を無線で送信する場合について説明したが、この場合に限られず、全てのセンサ部または一部のセンサ部は、有線で情報を送信してもよい。
上述した実施形態および変形例の各ロールペーパ供給装置は、保持部21に使用ロールペーパがあるか否かを検出するセンサ部を有していてもよく、各表示装置は使用ロールペーパがあるか否かを表示してもよい。
【符号の説明】
【0100】
20、120、220、320、430、620:ロールペーパ供給装置 21:保持部 24、324、424:待機部 30、130、330、340、430a、430b:センサ部
図1
図2
図3
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