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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168857
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】開閉装置及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20231121BHJP
   E06B 9/84 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
E06B9/68 Z
E06B9/84 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080212
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】大館 一樹
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042CA15
2E042CB05
2E042DA01
(57)【要約】
【課題】開閉体の座板部に設置される障害物感知装置の2次電池を充電できるようにする。
【解決手段】シャッターカーテン12の開動作によって開口部が全開した場合に、シャッターカーテンの閉鎖側先端部(座板部)に設けられた障害物感知器40の受電部52,53と開口部の周縁部に設けられた障害物感知の給電部50,51とが互いに接触又は近接し電気的に給電可能となった場合に給電部から受電部を介して2次電池に給電し充電を行う。給電は、受電部52と給電部50とが互いに物理的に接触又は近接した状態にある場合に磁界や電界を用いて非接触状態で行う場合と受電部53の接点と給電部51の接点とが互いに物理的に接触した状態にあるときに接触個所を介して給電を行う場合がある。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉動作によって開口部を開放及び閉鎖する開閉体手段と、
前記開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられ、障害物感知時に感知信号を無線方式にて送信する障害物感知手段と、
前記障害物感知手段から受信した前記感知信号に応じて前記開閉動作を制御する制御手段と、
前記開閉体手段の開閉動作によって前記開口部が全開又は全閉し、前記開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の受電部と前記開口部の周縁部に設けられた前記障害物感知手段の給電部とが互いに接触又は近接することによって、開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の2次電池に給電可能となった場合に、前記給電部から前記受電部を介して前記2次電池に対して給電する給電手段と
を備えたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記給電手段は、前記受電部と前記給電部とが互いに物理的に接触又は近接している状態にある場合に磁界や電界を用いて非接触状態で給電を行うことを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記給電手段は、前記受電部の接点と前記給電部の設定とが互いに物理的に接触した状態にあるときに接触個所を介して給電を行うことを特徴とする開閉装置。
【請求項4】
開閉動作によって開口部を開放及び閉鎖する開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた障害物感知手段から障害物感知時に感知信号を無線方式にて受信し、受信した前記感知信号に応じて前記開閉動作を制御する開閉制御方法において、
前記開閉体手段の開閉動作によって前記開口部が全開又は全閉し、前記開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の受電部と前記開口部の周縁部に設けられた前記障害物感知手段の給電部とが互いに接触又は近接することによって、開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の2次電池に給電可能となった場合に、前記給電部から前記受電部を介して前記2次電池に対して給電することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の開閉制御方法において、
前記受電部と前記給電部とが互いに物理的に接触又は近接している状態にある場合に磁界や電界を用いて非接触状態で給電を行うことを特徴とする開閉制御方法。
【請求項6】
請求項4に記載の開閉制御方法において、
前記受電部の接点と前記給電部の接点とが互いに物理的に接触した状態にあるときに接触個所を介して給電を行うことを特徴とする開閉制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋、ビル、工場、倉庫などの建築物を含む構造物躯体の窓や出入口などの開口部に設置される開閉装置及び開閉制御方法に係り、特に障害物感知装置の感知信号を無線方式にて送信する開閉装置及び開閉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部に設置されたシャッターカーテンやドアなどの開閉装置には、開閉動作を電動で行う電動シャッターや電動ドアが使用されることが多い。このように電動で開閉動作を行うものは、近年その動作を遠隔操作によって制御するための無線方式の無線リモコン送信装置を備えるものがある。これは無線方式にすることによって従来行っていた有線による制御が原因の電気的な問題を低減させることが大きい。
【0003】
無線方式は、電波、赤外線、超音波、あるいは、フラッシュ等のいずれかを搬送媒体として、操作信号を送受信して、制御装置に信号を送り、電動シャッターの開閉機を作動させている。シャッターカーテンを電動で作動させるものにおいては、巻き降ろしの際に障害物があると、それと接触してシャッターカーテンに不具合が発生する可能性もある。
【0004】
このような障害物に対して、一般的にはシャッターの座板部に障害物感知器を設け、何らかの障害物等を感知した場合にシャッターカーテンの降下を停止させるなど一定の回避動作を行うようにしている。座板部に設けられた障害物感知器からの感知信号を制御装置に送る方法として、有線方式の他に赤外線等の無線方式を用いる場合がある。この無線方式にも上述のような搬送媒体が使用される場合がある。
【0005】
障害物感知器からの感知信号を無線方式にて制御装置に送信するものとしては、特許文献1,2に示すものが知られている。特許文献1に記載のものは、シャッター開閉操作と障害物感知動作のいずれも無線通信で行うようにしたものである。特許文献2に記載のものは、障害物の感知の送受信に無線電波を用い、これを安定して行えるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-061354号公報
【特許文献2】特開平09-317358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2には、障害物感知器用の電力供給手段についての記載がないが、通常は1次電池を使用している。1次電池の場合は定期的な交換が必要である。2次電池の場合、定期的な交換が不要となり、充放電性能が劣化するまで使用できるという利点がある。しかしながら、開閉移動する座板部に設けられている2次電池を充電するのは非常に困難である。従って、障害物感知器用の電力供給手段として2次電池はあまり利用されていないのが現状である。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、開閉体の座板部に設置される障害物感知装置の2次電池を充電することのできる開閉装置及び開閉制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る開閉装置の第1の特徴は、開閉動作によって開口部を開放及び閉鎖する開閉体手段と、前記開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられ、障害物感知時に感知信号を無線方式にて送信する障害物感知手段と、前記障害物感知手段から受信した前記感知信号に応じて前記開閉動作を制御する制御手段と、前記開閉体手段の開閉動作によって前記開口部が全開又は全閉し、前記開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の受電部と前記開口部の周縁部に設けられた前記障害物感知手段の給電部とが互いに接触又は近接することによって、開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の2次電池に給電可能となった場合に、前記給電部から前記受電部を介して前記2次電池に対して給電する給電手段とを備えたことにある。
【0010】
開閉体手段は、ビル、住宅、工場、倉庫等の建物などの構築・構造物における、出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部などを開閉移動するシャッターカーテンなどの部材で構成される。開閉体手段がシャッターカーテンの場合には、例えば、建物などの開口部の上部に収納され、まぐさなどを介してシャッターカーテンが下降し、開口部を閉鎖する。これ以外にも開閉体手段が開口部の側部に収納され横引き方式で開閉移動したり、開口部の下部に収納され上昇方式で開閉移動したりするものもある。また、開閉体手段には、閉鎖によって開口部を全閉できるものも全閉できないものも含む。
障害物感知手段は、この開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられ、開閉体手段と共に移動するものであり、例えば、閉動作中の移動経路上に障害物が存在することを検出する。障害物感知手段は、障害物感知時に感知信号を無線方式にて開閉体手段の収納ボックス等に設けられた制御手段に送信する。制御手段は、感知信号に応じて開閉動作を制御する。例えば、開閉体手段の閉動作中に障害物感知手段が障害物に接触し感知信号を送信した場合、制御手段は閉動作中の開閉体手段を停止又は回避動作を実行する。
開閉体手段の開動作によって開口部が全開した場合に、開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた障害物感知手段の受電部と開口部の周縁部に設けられた障害物感知手段の給電部とが互いに接触するように構成されている。なお、受電部と給電部とは互いに接触しないまでも近接するように構成されていてもよい。開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた障害物感知手段は2次電池を内蔵しており、この2次電池の電力にて動作し感知信号を送信する。2次電池に給電する給電手段は、給電部と受電部とが接触又は近接することによって電気的に給電可能となった場合に給電部から受電部を介して2次電池に給電するようにした。これによって、開閉体の座板部に設置される障害物感知装置の2次電池への充電を可能とする。
【0011】
本発明に係る開閉装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉装置において、前記給電手段は、前記受電部と前記給電部とが互いに物理的に接触又は近接した状態にある場合に磁界や電界を用いて非接触状態で給電を行うことにある。
これは、磁界や電界を用いて非接触(ワイヤレス)にて給電を行う非接触方式の給電に関するものである。この非接触方式の給電には給電部と受電部とを近接領域で使用する非放射型の電磁誘導方式(高周波型電磁結合方式、磁界共鳴方式)又は電界結合方式を用いる。また、給電部と受電部との間で放射型の電波(マイクロ波)方式又はレーザー方式を用いてもよい。
【0012】
本発明に係る開閉装置の第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉装置において、前記給電手段は、前記受電部の接点と前記給電部の接点とが互いに物理的に接触した状態にあるときに接触個所を介して給電を行うことにある。
これは、受電部の接点と前給電部の接点とが互いに物理的に接触した状態にある場合に接点同士の接触個所を介して給電を行うようにしたものである。
【0013】
本発明に係る開閉制御方法の第1の特徴は、開閉動作によって開口部を開放及び閉鎖する開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた障害物感知手段から障害物感知時に感知信号を無線方式にて受信し、受信した前記感知信号に応じて前記開閉動作を制御する開閉制御方法において、前記開閉体手段の開閉動作によって前記開口部が全開又は全閉し、前記開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の受電部と前記開口部の周縁部に設けられた前記障害物感知手段の給電部とが互いに接触又は近接することによって、開閉体手段の閉鎖側先端部に設けられた前記障害物感知手段の2次電池に給電可能となった場合に、前記給電部から前記受電部を介して前記2次電池に対して給電することにある。
これは、前記開閉装置の第1の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0014】
本発明に係る開閉制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記受電部と前記給電部とが互いに物理的に接触又は近接している状態にある場合に磁界や電界を用いて非接触状態で給電を行うことにある。
これは、前記開閉装置の第2の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0015】
本発明に係る開閉制御方法の第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記受電部の接点と前記給電部の接点とが互いに物理的及び電気的に接触した状態にあるときに給電を行うことにある。
これは、前記開閉装置の第3の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の開閉装置及び開閉制御方法によれば、開閉体の座板部に設置される障害物感知装置の2次電池を充電することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るシャッター装置の概略構成を示す図である。
図2図1の開閉体制御装置が実行する開閉処理の一例を示すフローチャート図である。
図3図1のまぐさの戸当たり部に取り付けられた非接触式給電装置と障害物感知器との関係の一例を示す図である。
図4図1のまぐさの戸当たり部に取り付けられた接触式給電装置と障害物感知器との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉体として上下に開閉(昇降)制御されるシャッター装置を例に説明する。開閉体の閉鎖方向は、通常は下降で閉鎖するが、上昇で閉鎖する場合もある。この本実施の形態では、上方からの下降が閉鎖方向である場合を例に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るシャッター装置の概略構成を示す図である。このシャッター装置は、建物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース11、シャッターカーテン12、ガイドレール13,14、モータ15、シャッター駆動回路16、開閉体制御装置17、操作信号受信機18、感知信号受信機20、リモコン操作スイッチ30、障害物感知器40などから構成される。これ以外の巻取シャフトやチェーンなどについては図示を省略してある。
【0020】
ガイドレール13,14は、シャッターカーテン12の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン12は、このガイドレール13,14の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。図示していない巻取りシャフトは、開口部の上方に位置しているシャッターケース11の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン12を巻き取ったり巻き戻したりする。図示していないチェーンは、モータ15の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取りシャフトの回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ15の回転駆動力はチェーンを介して巻取りシャフト側に伝達され、モータ15が回転すると、チェーンを介して巻取りシャフトが回転し、シャッターカーテン12の開閉動作が制御されるようになっている。
【0021】
シャッター駆動回路16は、マイクロコンピュータによって構成されており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。シャッター駆動回路16は、開閉体制御装置17からの制御信号に基づいて、モータ15の回転を制御する。開閉体制御装置17は、シャッター駆動回路16、操作信号受信機18及び感知信号受信機20にそれぞれ接続されている。操作信号受信機18は、リモコン操作スイッチ30からの制御信号を受信するリモコン用アンテナ19を備えている。開閉体制御装置17は、操作信号受信機18の受信したリモコン操作スイッチ30の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号を受信し、それに基づいてシャッター駆動回路16に開動作及び閉動作に関する制御信号を出力する。
【0022】
感知信号受信機20は、障害物感知器40からの感知信号を受信する赤外線受光部21を備えている。感知信号受信機20は、障害物感知器40の感知状態又は非感知状態を示す感知信号を開閉体制御装置17に出力する。開閉体制御装置17は、感知信号受信機20からの感知信号に対応した制御信号をシャッター駆動回路16に出力する。リモコン操作スイッチ30は、開ボタン、停止ボタン、閉ボタンを備えたシャッター装置専用の無線方式の操作子である。なお、リモコン操作スイッチ30に代えて、壁面などに設けられた有線方式の操作子スイッチを用いてもよいし、リモコン操作スイッチ30と有線方式の操作スイッチの両方を用いてもよい。
【0023】
障害物感知器40は、シャッターカーテン12の座板部に設けられており、赤外線LED方式の送信機を内蔵して構成されている。障害物感知器40は、座板スイッチのON/OFFに対応して感知信号を上方のまぐさ部に設置された感知信号受信機20の赤外線受光部21に送信する。障害物感知器40は、小型でありながらエネルギー貯蔵量の大きなスーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)及び/又はリチウムイオンキャパシタを2次電池として備えている。これら以外の2次電池を備えていてもよい。2次電池への充電は、まぐさの戸当たり部に設けられた給電部50と、シャッターカーテン12の座板部に設けられた受電部52とから構成される非接触式給電装置によって実行される。非接触式給電装置の給電部50には図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。非接触式給電装置の給電部50と受電部52の詳細について後述する。
【0024】
感知信号受信機20は、赤外線受光部21を備えており、障害物感知器40からの赤外線の感知信号を受信し、それに応じて開閉体制御装置17に感知信号を出力する。感知信号を入力した開閉体制御装置17は、シャッター駆動回路16を制御してモータ15の回転、すなわちシャッターカーテン12の上昇下降動作(開閉動作)を制御する。
感知信号の搬送媒体として赤外線を用いているので、障害物感知器40と赤外線受光部21との間に何らかの物体等が介在すると、それによって感知信号の送受信を実行することができなくなる。このような通信障害を回避するために障害物感知器40と感知信号受信機20との間の感知信号の送受信の搬送媒体として電波を用いてもよいし、赤外線と電波の両方の搬送媒体を用いてもよい。
【0025】
図2は、図1の開閉体制御装置17が実行する開閉処理の一例を示すフローチャート図である。以下、このフローチャートを用いて開閉体制御装置17の動作の一例を説明する。
ステップS21では、操作信号受信機18が受信した信号が停スイッチの操作に対応した停止信号か否かの判定を行い、停止信号受信(yes)の場合は次のステップS22に進み、停止信号以外(no)の場合はステップS24に進む。
【0026】
ステップS22では、現在のシャッターカーテン12の動作が開閉動作中か否(停止中)かの判定を行い、開閉動作中(yes)の場合は次のステップS23に進み、停止中(no)の場合はリターンする。
ステップS23では、シャッターカーテンが開閉動作中なので、その動作を停止してリターンする。なお、ここでは、シャッターカーテン12の開動作中における移動を正方向移動とし、閉動作中における移動を逆方向移動とする。
【0027】
ステップS24では、操作信号受信機18が受信した信号がリモコン操作スイッチ30の開スイッチの操作に対応した開信号の受信か否かの判定を行い、開信号受信(yes)の場合は次のステップS25に進み、開信号以外(no)の場合はステップS28に進む。
ステップS25では、現在のシャッターカーテン12の動作が閉動作中か否(開動作中又は停止中)かの判定を行い、閉動作中(yes)の場合は次のステップS26に進み、開動作中又は停止中(no)の場合はステップS27に進む。
【0028】
ステップS26では、ステップS25で閉動作中と判定されたので、その閉動作を停止し、閉動作停止後に開動作を開始し、リターンする。
ステップS27では、ステップS25で開動作中又は停止中と判定されたので、開動作中の場合は、そのまま開動作を継続し、停止中の場合は開動作を開始し、リターンする。
【0029】
ステップS28では、操作信号受信機18が受信した信号がリモコン操作スイッチ30の閉スイッチの操作に対応した閉信号の受信か否かの判定を行い、閉信号(yes)の場合は次のステップS29に進み、閉信号以外(no)の場合はリターンする。
ステップS29では、障害物感知器40が感知状態にあるか否かの判定を行い、感知状態(yes)の場合はステップS25に進み、非感知状態(no)の場合はステップS2Aに進む。
【0030】
ステップS2Aでは、現在のシャッターカーテン12の動作が開動作中か否(閉動作中又は停止中)かの判定を行い、開動作中(yes)の場合はステップS2Cに進み、閉動作中又は停止中(no)の場合はステップS2Bに進む。
ステップS2Bでは、閉動作中の場合は、そのまま閉動作を継続し、停止中の場合は閉動作を開始し、リターンする。
ステップS2Cでは、開動作中なので、開動作を停止し、開動作停止後に閉動作を開始し、ステップS21にリターンする。
【0031】
図3は、図1のまぐさの戸当たり部に取り付けられた非接触式給電装置と障害物感知器との関係の一例を示す図である。図3(A)は、シャッターカーテン12の水切り部25の上側がまぐさの戸当たり部61,62の下側に接触する前の状態を示す図であり、図3(B)は、水切り部25がまぐさの戸当たり部61,62に接触し、非接触式給電装置の給電部50と受電部52が物理的に接触又は近接した状態を示す図である。すなわち、給電部50と受電部52とは、互いに物理的に接触又は近接した状態にあっても電気的には非接触状態にある。図3において、座板スイッチの図示は省略してある。
【0032】
ワイヤレスの非接触式給電装置には、磁界を用いたものと電界を用いたものがあり、近傍領域で行う非放射型と遠方領域で行う放射型とがある。この実施の形態では、非接触式給電装置の給電部50と受電部52とを近接領域で使用する非放射型で構成する。非放射型の給電方式には、磁界を用いた電磁誘導方式(高周波型電磁結合方式、磁界共鳴方式)及び電界を用いた電界結合方式などがある。
【0033】
図3の実施例では、非接触式給電装置の給電部50は、開口部の周縁部、すなわち、まぐさの戸当たり部61と戸当たり部62との間の戸当たり部61側の対向面に取り付けられる。非接触式給電装置の受電部52は、シャッターカーテン12が全開し水切り部25の下側がまぐさの戸当たり部61,62の上側に接触した場合に、給電部50の給電面と接触又は近接し、電気的には非接触状態となるようにシャッターカーテン12の水切り部25の上側に取り付けられている。図3では、非接触式給電装置の受電部52と障害物感知器40の2次電池との間の配線等は省略してある。なお、給電部50は、開口部の周縁部であって、シャッターカーテン12全開時に受電部52に対して物理的に接触又は近接可能な場所に設けてあればよく、図3の実施例に限定されるものではない。
【0034】
図4は、図1のまぐさの戸当たり部に取り付けられた接触式給電装置と障害物感知器との関係の一例を示す図である。図3では電気的に非接触方式で障害物感知器40の2次電池に給電する場合を示したが、図4の実施例ではドア接点コネクター、スライドドア用接点スイッチなどの接触式(接点式)のスイッチを用いる。図4の実施例でも、接触式給電装置の給電部51は、開口部の周縁部、すなわち、まぐさの戸当たり部61と戸当たり部62との間の戸当たり部61側の対向面に取り付けられる。
【0035】
シャッターカーテン12が全開し、水切り部25がまぐさの戸当たり部61,62に接触する。この接触によって接触式給電装置の給電部51の接点と、接触式給電装置の受電部53の接点とが物理的及び電気的に接触するようになる。図4の接触式給電装置の給電部51の接点は雄型の接点で弾性体によって常時突出しており、接触式給電装置の受電部53の接点と接触することで内部に沈み込む構造をしており、給電部51及び受電部53の接点同士は良好に物理的に接触する構成となっている。なお、接触式給電装置の給電部51には図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。
【0036】
接触式給電装置の受電部53の接点は、シャッターカーテン12が全開し、水切り部25がまぐさの戸当たり部61,62に接触した場合に、給電部51の接点と物理的及び電気的に接触するようにシャッターカーテン12の水切り部25の上側に取り付けられている。すなわち、給電部51と受電部53とは、互いに物理的に接触することによって電気的にも接触する。図4において、座板スイッチの図示は省略してある。図4では、接触式給電装置の受電部53と障害物感知器40の2次電池との間の配線等は省略してある。なお、給電部51は、開口部の周縁部であって、シャッターカーテン12全開時に受電部53の接点に対して物理的に接触するような場所に設けてあればよく、図4の実施例に限定されるものではない。
【0037】
上述の実施の形態では、障害物感知器40と感知信号受信機20との間の無線方式の搬送媒体として、赤外線を例に説明したが、電波、超音波、フラッシュ等の搬送媒体を用いてもよい。
上述の実施の形態では、図3の非接触式給電装置と図4の接触式給電装置とを別々に設ける場合を示したが、両方設けてもよいし、それぞれ複数設けるようにしてもよい。両方又は複数設けることによって、いずれかのう給電装置が動作しなくなった場合でもいずれかの給電装置を用いて確実に充電することができるようになる。
上述の実施の形態では、まぐさの戸当たり部に給電部50,51を設け、シャッターカーテン12の座板部に受電部52,53を設ける場合を示したが、同様の給電部をガイドレール13又は14の下端側に別途設け、この給電部に接触又は近接するように座板部に受電部52,53とは別個の受電部を設け、全閉時の給電を可能としても良い。
【0038】
上述の実施の形態では、図3の非接触式給電装置として、給電部50と受電部52とを近接領域で使用する非放射型で構成する場合について説明したが、300〔MHz〕~300〔GHz〕程度のマイクロ波を用いた放射型の無線電力伝送システムによって給電してもよい。この場合、受電部は、電力変換効率90~93%と高い効率のものを使用し、雨や霧などで吸収や減少を示さない周波数10〔GHz〕、又は5.8〔GHz〕帯のマイクロ波を使用することが好ましい。給電部50は、建物の開口部の周縁部であってシャッターカーテンの全開時及び全閉時に受電部に給電可能な位置に適宜設けることが好ましい。また、開口部全開時には図3の非接触式給電装置又は図4の接触式給電装置で給電し、開口部全閉時にはマイクロ波を用いた無線電力伝送システムで給電してもよい。なお、マイクロ波方式に代えてレーザー方式を用いてもよい。
【0039】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉装置としては、例えば、シャッター装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
11…シャッターケース
12…シャッターカーテン
13,14…ガイドレール
15…モータ
16…シャッター駆動回路
17…開閉体制御装置
18…操作信号受信機
19…リモコン用アンテナ
20…感知信号受信機
21…赤外線受光部
25…水切り部
30…リモコン操作スイッチ
40…障害物感知器
50,51…給電部
52,53…受電部
60,61…まぐさ部
図1
図2
図3
図4