IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

特開2023-168869ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置
<>
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図1
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図2
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図3
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図4
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図5
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図6
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図7
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図8
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図9
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図10
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図11
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図12
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図13
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図14
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図15
  • 特開-ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168869
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ユーザインタフェース装置、制御装置、コンピュータプログラム、および入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0338 20130101AFI20231121BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20231121BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20231121BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G06F3/0338
G06F3/04847
B60R16/02 630Z
B60R16/02 640K
G06F3/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080232
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】武縄 悟
(72)【発明者】
【氏名】森 創来
(72)【発明者】
【氏名】鍋 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】菅原 功明
(72)【発明者】
【氏名】井之口 利明
(72)【発明者】
【氏名】妻鹿 晋
【テーマコード(参考)】
5B020
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B020AA15
5B020CC06
5B020DD03
5B020DD04
5B087AA09
5B087DE03
5E555AA04
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC13
5E555CA15
5E555CB16
5E555CB55
5E555DB18
5E555DB22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】被制御装置の機能に係る被制御量を示す画像を表示する表示装置を備えたユーザインタフェース装置の利便性を高める。
【解決手段】ノブ11は、第一方向D1、および当該第一方向D1と反対の第二方向D2に変位可能である。制御装置は、ノブ11の第一方向D1への変位量に対応するヒートファンの送風機能に係る設定送風量を示す第一画像I1、およびノブ11の第二方向D2への変位量に対応するシートヒータの加熱機能に係る設定温度を示す第二画像I2を表示装置31に表示させる。第一画像I1は、ノブ11の初期位置に対応する中間領域IAに対して第一方向D1にシフトした位置に表示される。第二画像I2は、中間領域IAに対して第二方向D2にシフトした位置に表示される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向、および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体と、
表示装置と、
前記可動体の前記第一方向への変位量に対応する被制御装置の第一機能に係る第一被制御量を示す第一画像、および前記可動体の前記第二方向への変位量に対応する被制御装置の第二機能に係る第二被制御量を示す第二画像を前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記第一画像は、前記可動体の初期位置に対応する基準領域に対して前記第一方向にシフトした位置に表示され、
前記第二画像は、前記基準領域に対して前記第二方向にシフトした位置に表示される、ユーザインタフェース装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記基準領域に前記第一機能および前記第二機能に共通する基準画像を表示させ、
前記基準領域に前記基準画像が表示されている場合に前記可動体が前記第一方向へ変位されると、前記基準領域に前記第一機能に関連付けられた画像を表示させ、
前記基準領域に前記基準画像が表示されている場合に前記可動体が前記第二方向へ変位されると、前記基準領域に前記第二機能に関連付けられた画像を表示させる、
請求項1に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項3】
前記可動体が前記第一方向に変位されて前記第一被制御量が増加された後に前記第二方向へ変位されると、前記第一被制御量が減少され、
前記第一被制御量が減少された後に前記可動体の前記第二方向への変位が継続されると、前記第二被制御量が増加され、
前記可動体が前記第二方向に変位されて前記第二被制御量が増加された後に前記第一方向へ変位されると、前記第二被制御量が減少され、
前記第二被制御量が減少された後に前記可動体の前記第一方向への変位が継続されると、前記第一被制御量が増加される、
請求項1または請求項2に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項4】
前記可動体が所定の回数だけ前記第一方向へ変位されると前記第一被制御量は初期値に戻り、
前記可動体が所定の回数だけ前記第二方向へ変位されると前記第二被制御量は初期値に戻る、
請求項1または請求項2に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項5】
前記制御装置は、各々が特定の機能に関連付けられた複数のアイコン画像を前記表示装置に表示させ、
前記制御装置は、
前記可動体に対する被検出物の接近または接触位置に応じて、各々が特定の機能に関連付けられた前記複数のアイコン画像のうち前記第一機能および前記第二機能に関連付けられたアイコン画像を被選択状態とし、
前記第一機能および前記第二機能に関連付けられたアイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第一方向へ変位されると、前記第一被制御量を変化させ、
前記第一機能および前記第二機能に関連付けられたアイコン画像が前記被選択状態とされている間に前記可動体が前記第二方向へ変位されると、前記第二被制御量を変化させる、請求項1または請求項2に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項6】
第一方向および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体の変位を示す検出信号を受け付けるインタフェースと、
前記可動体の前記第一方向への変位量に対応する被制御装置の第一機能に係る第一被制御量を示す第一画像、および前記可動体の前記第二方向への変位量に対応する被制御装置の第二機能に係る第二被制御量を示す第二画像を表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記第一画像を前記可動体の初期位置に対応する基準領域に対して前記第一方向にシフトした位置に表示させ、
前記第二画像を前記基準領域に対して前記第二方向にシフトした位置に表示させる、
制御装置。
【請求項7】
制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一方向および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体の変位を示す検出信号を受け付け、
前記可動体の前記第一方向への変位量に対応する被制御装置の第一機能に係る第一被制御量を示す第一画像、および前記可動体の前記第二方向への変位量に対応する被制御装置の第二機能に係る第二被制御量を示す第二画像を表示装置に表示させ、
前記第一画像を前記可動体の初期位置に対応する基準領域に対して前記第一方向にシフトした位置に表示させ、
前記第二画像を前記基準領域に対して前記第二方向にシフトした位置に表示させる、
コンピュータプログラム。
【請求項8】
第一方向、および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体と、
前記可動体の初期位置から前記第一方向への変位量に応じて、被制御装置の第一機能の第一被制御量を変化させ、前記可動体の前記初期位置から前記第二方向への変位量に応じて、被制御装置の第二機能の第二被制御量を変化させる制御装置と、
を備えている、入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動体の変位に基づいて被制御装置の機能に係る被制御量を示す画像を表示する表示装置を備えたユーザインタフェース装置に関連する。本発明は、当該ユーザインタフェース装置に搭載される制御装置、および当該制御装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムに関連する。本発明は、当該可動体を備えた入力装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体の一例としての車両に搭載される被制御装置の動作を制御するためのユーザインタフェース装置を開示している。当該装置は、表示装置とタッチパッドを含んでいる。表示装置の画面上には、被制御装置の機能を示すアイコンやボタンなどの画像が表示される。ユーザは、タッチパッドの検出領域に指を触れて操作を入力することにより、当該画像の選択と当該画像に関連付けられた機能の実行を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-022986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、被制御装置の機能に係る被制御量を示す画像を表示する表示装置を備えたユーザインタフェース装置の利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための一態様は、ユーザインタフェース装置であって、
第一方向、および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体と、
表示装置と、
前記可動体の前記第一方向への変位量に対応する被制御装置の第一機能に係る第一被制御量を示す第一画像、および前記可動体の前記第二方向への変位量に対応する被制御装置の第二機能に係る第二被制御量を示す第二画像を前記表示装置に表示させる制御装置と、
を備えており、
前記第一画像は、前記可動体の初期位置に対応する基準領域に対して前記第一方向にシフトした位置に表示され、
前記第二画像は、前記基準領域に対して前記第二方向にシフトした位置に表示される。
【0006】
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置であって、
第一方向および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体の変位を示す検出信号を受け付けるインタフェースと、
前記可動体の前記第一方向への変位量に対応する被制御装置の第一機能に係る第一被制御量を示す第一画像、および前記可動体の前記第二方向への変位量に対応する被制御装置の第二機能に係る第二被制御量を示す第二画像を表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、
前記第一画像を前記可動体の初期位置に対応する基準領域に対して前記第一方向にシフトした位置に表示させ、
前記第二画像を前記基準領域に対して前記第二方向にシフトした位置に表示させる。
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一方向および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体の変位を示す検出信号を受け付け、
前記可動体の前記第一方向への変位量に対応する被制御装置の第一機能に係る第一被制御量を示す第一画像、および前記可動体の前記第二方向への変位量に対応する被制御装置の第二機能に係る第二被制御量を示す第二画像を表示装置に表示させ、
前記第一画像を前記可動体の初期位置に対応する基準領域に対して前記第一方向にシフトした位置に表示させ、
前記第二画像を前記基準領域に対して前記第二方向にシフトした位置に表示させる。
【0008】
上記の各態様に係る構成によれば、単一の可動体を変位させることにより被制御装置の第一機能と被制御装置の第二機能の両方を制御することができる。これにより、被制御装置の機能に応じて別個の可動体が設けられる構成と比べて、ユーザインタフェース装置の構成を簡素化できる。また、被制御装置の機能の被制御量を示す画像が表示装置に表示されており、ユーザは、当該機能の被制御量を示す画像が基準領域に対してシフトしている方向に可動体を変位させることにより、当該機能の被制御量を変化させることができる。これにより、ユーザは、可動体の操作を通じて変更された被制御装置の機能の被制御量を視覚的に確認できるとともに、当該機能の制御を開始する際に可動体を変位させる方向を直感的に理解できる。結果として、ユーザインタフェース装置の利便性を高めることできる。
【0009】
上記の目的を達成するための一態様は、入力装置であって、
第一方向、および当該第一方向と反対の第二方向に変位可能である可動体と、
前記可動体の初期位置から前記第一方向への変位量に応じて、被制御装置の第一機能の第一被制御量を変化させ、前記可動体の前記初期位置から前記第二方向への変位量に応じて、被制御装置の第二機能の第二被制御量を変化させる制御装置と、
を備えている。
【0010】
上記の各態様に係る構成によれば、単一の可動体を変位させることにより被制御装置の第一機能と被制御装置の第二機能の両方を制御することができる。これにより、被制御装置の機能に応じて別個の可動体が設けられる構成と比べて、入力装置の構成を簡素化できる。当該入力装置をユーザインタフェース装置に搭載する場合、ユーザインタフェース装置の利便性を高めることできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るユーザインタフェース装置の機能構成を例示している。
図2図1のユーザインタフェース装置が搭載される車両を例示している。
図3図1の入力装置におけるノブの外観を例示している。
図4図3における矢印IV方向から見たノブの輪郭形状を例示している。
図5図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図6図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図7図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図8図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図9図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図10図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図11図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図12図1のユーザインタフェース装置の動作を例示している。
図13図1の表示装置に表示される画面を例示している。
図14図1の表示装置に表示される画面を例示している
図15図1の表示装置に表示される画面を例示している。
図16図1のユーザインタフェース装置の別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0013】
図1は、一実施形態に係る入力装置10の機能構成を例示している。本例に係る入力装置10は、図2に例示される車両20に搭載されるように構成されている。入力装置10は、車両20の座席21に搭載されたシートファン22の動作およびシートヒータ23の動作を制御するための装置である。シートファン22は、座席21の内部から乗員に向けて空気を送出する装置である。シートヒータ23は、座席21の表面温度を上昇させる装置である。シートファン22の送風機能は、被制御装置の第一機能の一例である。シートヒータ23の加熱機能は、被制御装置の第二機能の一例である。すなわち、本例においては、被制御装置の第一機能と被制御装置の第二機能は、異なる被制御装置の機能である。入力装置10は、例えば、車両20のセンタクラスタ24に配置されている。
【0014】
図1に例示されるように、入力装置10は、ノブ11を備えている。ノブ11は、乗員の手指Fにより操作可能に構成されている。図3は、ノブ11の外観を例示している。図4は、図3における矢印IVの方向から見たノブ11の輪郭形状を例示している。
【0015】
図4に例示されるように、ノブ11は、軸Aを中心として図4における反時計回り方向および時計回り方向へ回動可能に構成されている。ノブ11は、図4に示される初期位置から乗員の手指Fにより反時計回り方向または時計回り方向へ回動された後、乗員の手指Fがノブ11から離れてノブ1に加えられた負荷が解除されると、初期位置に復帰するように構成されている。ノブ11の復帰機構は、周知の機構により実現されうる。以降の説明においては、図4における反時計回り方向を第一方向D1と称し、図4における時計回り方向を第二方向D2と称する。図1においては、ノブ11を平面視したときの第一方向D1と第二方向D2が例示されている。ノブ11は、可動体の一例である。回動は、変位の一例である。
【0016】
本例においては、ノブ11を初期位置から第一方向D1へ変位させる操作は、シートファン22の設定送風量を変更する制御に対応している。他方、ノブ11を初期位置から第二方向D2へ変位させる操作は、シートヒータ23の設定温度を変更する制御に対応している。
【0017】
入力装置10は、第一センサ12を備えている。第一センサ12は、ノブ11の第一方向D1への変位を検出するように構成されている。変位の検出は、周知の構成を用いて、機械的、電気的、光学的、あるいは磁気的になされうる。第一センサ12は、ノブ11の第一方向D1への変位を検出すると、第一検出信号DS1を出力するように構成されている。
【0018】
入力装置10は、第二センサ13を備えている。第二センサ13は、ノブ11の第二方向D2への変位を検出するように構成されている。変位の検出は、周知の構成を用いて、機械的、電気的、光学的、あるいは磁気的になされうる。第二センサ13は、ノブ11の第二方向D2への変位を検出すると、第二検出信号DS2を出力するように構成されている。
【0019】
入力装置10は、制御装置14を備えている。制御装置14は、入力インタフェース141、プロセッサ142、および出力インタフェース143を備えている。入力インタフェース141は、第一検出信号DS1および第二検出信号DS2を受け付けるように構成されている。第一検出信号DS1および第二検出信号DS2がアナログ信号である場合、入力インタフェース141は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0020】
プロセッサ142は、第一検出信号DS1を受け付けると、第一制御信号CS1を出力インタフェース143から出力するように構成されている。第一制御信号CS1は、シートファン22に設定送風量を変更する動作を実行させるように構成されている。設定送風量は、第一被制御量の一例である。
【0021】
プロセッサ142は、第二検出信号DS2を受け付けると、第二制御信号CS2を出力インタフェース143から出力するように構成されている。第二制御信号CS2は、シートヒータ23に設定温度を変更する動作を実行させるように構成されている。設定温度は、第二被制御量の一例である。
【0022】
第一制御信号CS1および第二制御信号CS2は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。第一制御信号CS1および第二制御信号CS2がアナログ信号である場合、出力インタフェース143は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0023】
例えば、シートファン22の設定送風量として複数の異なる設定送風量が予め設定されており、ノブ11が第一方向D1へ操作される度に設定送風量が切り替わり、ノブ11が所定の回数だけ第一方向D1へ変位されるとシートファン22の設定送風量は初期値に戻るように構成されうる。例えば、ノブ11が乗員の手指Fによる第一方向D1への操作を受ける度に、送風機能がOFFの状態から、設定送風量が小、中、大、OFFの順に切り替わり、再び送風機能がOFFの状態となる。ノブ11の初期位置から第一方向D1への変位回数は、ノブ11の初期位置から第一方向D1への変位量の一例である。
【0024】
また、例えば、シートヒータ23の設定温度として複数の異なる設定温度が予め設定されており、ノブ11が第二方向D2へ操作される度に設定温度が切り替わり、ノブ11が所定の回数だけ第二方向D2へ変位されるとシートヒータ23の設定温度は初期値に戻るように構成されうる。例えば、ノブ11が乗員の手指Fによる第二方向D2への操作を受ける度に、加熱機能がOFFの状態から、設定温度が低、中、高、OFFの順に切り替わり、再び加熱機能がOFFの状態となる。ノブ11の初期位置から第二方向D2への変位回数は、ノブ11の初期位置から第二方向D2への変位量の一例である。
【0025】
本実施形態に係る入力装置10によれば、単一のノブ11を変位させることによりシートファン22の送風機能とシートヒータ23の加熱機能の両方を制御することができる。これにより、シートファン22の送風機能とシートヒータ23の加熱機能に応じて別個のノブ11が設けられる構成と比べて、入力装置10の構成を簡素化できる。
【0026】
また、本実施形態においては、シートファン22の設定送風量は、ノブ11が初期位置から所定の回数だけ第一方向D1へ変位されると初期値に戻る。また、シートヒータ23の設定温度は、ノブ11が初期位置から所定の回数だけ第二方向D2へ変位されると初期値に戻る。これにより、ノブ11が初期位置から変位される距離や時間に応じて設定送風量または設定温度が変化する構成のようにノブ11の初期位置からの変位距離や変位時間を細かく調整する必要がないので、乗員は簡単な操作で設定送風量または設定温度を変更できる。
【0027】
なお、シートファン22の設定送風量は乗員によるノブ11の一回の操作でノブ11が初期位置から第一方向D1へ変位される距離に応じて変化し、シートヒータ23の設定温度は乗員によるノブ11の一回の操作でノブ11の初期位置から第二方向D2への変位される距離に応じて変化するように構成されてもよい。あるいは、シートファン22の設定送風量は乗員によるノブ11の一回の操作で初期位置から第一方向D1へ変位される時間に応じて変化し、シートヒータ23の設定温度は乗員によるノブ11の一回の操作で初期位置から第二方向D2へ変位される時間に応じて変化するように構成されてもよい。
【0028】
すなわち、本明細書において用いられる「ノブ11の初期位置から第一方向D1への変位量」という表現は、ノブ11の初期位置から第一方向D1への変位回数以外に、乗員によるノブ11の一回の操作でノブ11が初期位置から第一方向D1へ変位される距離または時間を含みうる。同様に、本明細書において用いられる「ノブ11の初期位置から第二方向D2への変位量」という表現は、ノブ11の初期位置から第二方向D2への変位回数以外に、乗員によるノブ11の一回の操作でノブ11が初期位置から第二方向D2へ変位される距離または時間を含みうる。
【0029】
また、本実施形態においては、ノブ11が第一方向D1に変位されるとシートファン22の設定送風量が変化し、ノブ11が第二方向D2に変位されるとシートヒータ23の設定温度が変化する。
【0030】
しかしながら、ノブ11が第一方向D1に変位されてシートファン22の設定送風量が増加された後に第二方向D2へ変位されると、設定送風量が減少され、設定送風量が減少された後にノブ11の第二方向D2への変位が継続されると、シートヒータ23の設定温度が増加されるように構成されてもよい。また、ノブ11が第二方向D2に変位されてシートヒータ23の設定温度が増加された後に第一方向D1へ変位されると、設定温度が減少され、設定温度が減少された後にノブ11の第一方向D1への変位が継続されると、シートファン22の設定送風量が増加されるように構成されてもよい。
【0031】
この場合、ノブ11を初期位置から第一方向D1へ変位させてシートファン22の設定送風量が増加した後のノブ11を初期位置から第二方向D2へ変位させる操作は、シートファン22の設定送風量を変更する制御に対応しうる。他方、ノブ11を初期位置から第二方向D2へ変位させてシートヒータ23の設定温度が増加した後のノブ11を初期位置から第二方向D1へ変位させる操作は、シートヒータ23の設定温度を変更する制御に対応しうる。換言すると、ノブ11の同一方向への変位操作が設定送風量と設定温度の一方を低下させる制御と他方を上昇させる制御の双方に割り当てられている。
【0032】
具体的には、制御装置14のプロセッサ142は、第一検出信号DS1を受け付けると、シートファン22の送風機能とシートヒータ23の加熱機能が実行されているかを判断する。そして、プロセッサ142は、シートファン22の送風機能とシートヒータ23の加熱機能がOFFの状態またはシートファン22の送風機能がONの状態であると判断すると、シートファン22に設定送風量を増加する動作を実行させる第一制御信号CS1を出力する。他方、プロセッサ142は、シートヒータ23の加熱機能がONの状態であると判断すると、シートヒータ23に設定温度を減少させる動作を実行させる第二制御信号CS2を出力する。
【0033】
また、プロセッサ142は、第二検出信号DS2を受け付けると、シートファン22の送風機能とシートヒータ23の加熱機能が実行されているかを判断する。そして、プロセッサ142は、シートファン22の送風機能とシートヒータ23の加熱機能がOFFの状態またはシートヒータ23の加熱機能がONの状態であると判断すると、シートヒータ23に設定温度を増加する動作を実行させる第二制御信号CS2を出力する。他方、プロセッサ142は、シートヒータ23の加熱機能がONの状態であると判断すると、シートファン22に設定送風量を減少させる動作を実行させる第一制御信号CS1を出力する。
【0034】
図1に例示されるように、入力装置10は、ユーザインタフェース装置30に搭載されうる。図2に例示されるように、ユーザインタフェース装置30もまた、車両20に搭載される。
【0035】
ユーザインタフェース装置30は、表示装置31を備えている。図2に例示されるように、表示装置31は、入力装置10のノブ11と隣り合うように配置されている。
【0036】
図5に例示されるように、表示装置31は、シートファン22の設定送風量を示す第一画像I1、およびシートヒータ23の設定温度を示す第二画像I2を表示する。
【0037】
具体的には、図1に例示されるように、制御装置14のプロセッサ142は、第一検出信号DS1を受け付けると、例えば、第一制御信号CS1に加えて、第三制御信号CS3を出力インタフェース143から出力するように構成されている。第三制御信号CS3は、表示装置31にノブ11の第一方向D1への変位量に対応するシートファン22の設定送風量を示す第一画像I1を表示させるように構成されている。
【0038】
他方、プロセッサ142は、第二検出信号DS2を受け付けると、例えば、第二制御信号CS2に加えて、第四制御信号CS4を出力インタフェース143から出力するように構成されている。第四制御信号CS4は、表示装置31にノブ11の第二方向D2への変位量に対応するシートヒータ23の設定温度を示す第二画像I2を表示させるように構成されている。
【0039】
第三制御信号CS3および第四制御信号CS4は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。第三制御信号CS3および第四制御信号CS4がアナログ信号である場合、出力インタフェース143は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0040】
図5に例示されるように、第一画像I1は、ノブ11の初期位置に対応する中間領域IAに対して第一方向D1にシフトした位置の第一領域A1に表示される。また、第二画像I2は、中間領域IAに対して第二方向D2にシフトした位置の第二領域A2に表示される。中間領域IAは、基準領域の一例である。
【0041】
なお、本明細書において用いられる表現である「第一方向D1にシフトした位置」とは、第一方向D1と同一方向にシフトした位置だけでなく、第一方向D1から(±)45度未満の範囲に位置する方向にシフトした位置を含みうる。同様に本明細書において用いられる「第二方向D2にシフトした位置」とは、第二方向D2と同一方向にシフトした位置だけでなく、第二方向D2から(±)45度未満の範囲に位置する方向にシフトした位置を含みうる。例えば本例においては、ノブを平面視したときに第一方向D1は下方であり第二方向D2は上方であり、第一画像I1は中間領域IAよりも下方に、第二画像I2は中間領域IAよりも上方に表示される。
【0042】
本実施形態に係るユーザインタフェース装置30によれば、シートファン22の設定送風量を示す第一画像I1が表示装置31に表示されており、乗員は、第一画像I1が中間領域IAに対してシフトしている第一方向D1にノブ11を変位させることにより、設定送風量を変化させることができる。また、シートヒータ23の設定温度を示す第二画像I2が表示装置31に表示されており、乗員は、第二画像I2が中間領域IAに対してシフトしている第二方向D2にノブ11を変位させることにより、設定温度を変化させることができる。これにより、乗員は、ノブ11の操作を通じて変更された設定送風量または設定温度を視覚的に確認できるとともに、シートファン22の送風機能またはシートヒータ23の加熱機能の制御を開始する際にノブ11を変位させる方向を直感的に理解できる。結果として、ユーザインタフェース装置30の利便性を高めることできる。
【0043】
本実施形態において、第一画像I1は、シートファン22の3つの異なる設定送風量にそれぞれ対応する3つの棒状の画像を含んでいる。また、第二画像I2は、シートヒータ23の3つの異なる設定温度にそれぞれ対応する3つの棒状の画像を含んでいる。例えば、ノブ11の第一方向D1への操作により所定の設定送風量が選択されると、選択された設定送風量に対応する棒状の画像が、他の設定送風量に対応する棒状の画像の表示態様とは異なる表示態様で表示されうる。また、ノブ11の第二方向D2の操作により所定の設定温度が選択されると、選択された設定温度に対応する棒状の画像が、他の設定温度に対応する棒状の画像の表示態様とは異なる表示態様で表示されうる。
【0044】
例えば図5に示されるシートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能がいずれもOFFである初期状態から、乗員の手指Fの操作によりノブ11が第一方向D1へ変位されると、設定送風量が最も小さい設定値に切り替えられるとともに、図6に例示されるように第一画像I1において一番上の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。
【0045】
乗員の手指Fの操作により再度ノブ11が第一方向D1へ変位されると、設定送風量が中程度の設定値に切り替えられるとともに、図7に例示されるように第一画像I1において真ん中の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。
【0046】
図示を省略するが、乗員の手指Fの操作により再度ノブ11が第一方向D1へ変位されると、設定送風量が最も大きい設定値に切り替えられるとともに、第一画像I1において一番下の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。そして、乗員の手指Fの操作により再度ノブ11が第一方向D1へ変位されると送風機能がOFFとなり、図5に例示されるように第一画像I1の全ての棒状の画像が同じ表示態様で表示される。
【0047】
他方、乗員の手指Fの操作によりノブ11が第二方向D2へ変位されると、設定温度が最も低い設定値に切り替えられるとともに、図8に例示されるように第二画像I2において一番下の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。
【0048】
そして、乗員の手指Fでノブ11を第二方向D2へ変位させる操作を行う度に、選択された設定温度に対応する棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。そして、乗員の手指Fの操作によりノブ11が第二方向D2へ変位されて加熱機能がOFFになると、図5に例示されるように第二画像I2の全ての棒状の画像が同じ表示態様で表示される。
【0049】
また、本実施形態において、図5から図8に例示されるように、中間領域IAには、シートファン22の送風機能またはシートヒータ23の加熱機能に関連付けられた第三画像I3が表示されてもよい。
【0050】
例えば図5に示されるように、シートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能のいずれもOFFの状態では、中間領域IAに表示される第三画像I3として、シートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能に共通するシートのアイコン画像が表示される。シートのアイコン画像は、基準画像の一例である。そして、乗員の手指Fの操作によりノブ11が第一方向D1へ変位されてシートファン22の送風機能が選択されると、図6図7に例示されるように、第三画像I3として、シートファン22の送風機能を示すアイコン画像が表示される。あるいは、乗員の手指Fの操作によりノブ11が第二方向D2へ変位されてシートヒータ23の加熱機能が選択されると、図8に例示されるように、第三画像I3として、シートヒータ23の加熱機能を示すアイコン画像が表示される。
【0051】
このように中間領域IAにシートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能に関連付けられた第三画像I3が表示されることにより、乗員は、ノブ11の操作を通じて変更される設定値がシートファン22の設定送風量であるかまたはシートヒータ23の設定温度であるかを視覚的に確認できる。
【0052】
また、本実施形態において、上述のように、ノブ11が第一方向D1に変位されてシートファン22の設定送風量が増加された後に第二方向D2へ変位されると、設定送風量が減少され、設定送風量が減少された後にノブ11の第二方向D2への変位が継続されると、シートヒータ23の設定温度が増加されるように構成されてもよい。また、ノブ11が第二方向D2に変位されてシートヒータ23の設定温度が増加された後に第一方向D1へ変位されると、設定温度が減少され、設定温度が減少された後にノブ11の第一方向D1への変位が継続されると、シートファン22の設定送風量が増加されるように構成されてもよい。
【0053】
例えば図5に示されるシートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能がいずれもOFFである初期状態から、乗員の手指Fの操作によりノブ11が第一方向D1へ変位されると、設定送風量が最も小さい設定値に切り替えられるとともに、図6に例示されるように第一画像I1において一番上の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。乗員の手指Fの操作により再度ノブ11が第一方向D1へ変位されると、設定送風量が中程度の設定値に切り替えられるとともに、図7に例示されるように第一画像I1において真ん中の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。他方、図6の状態から第二方向D2へ操作されると送風機能がOFFとなり、図5に例示されるように第一画像I1の全ての棒状の画像が同じ表示態様で表示される。
【0054】
さらに、図5の状態からノブ11が第二方向D2へ操作されると、シートヒータ23の設定温度を変更する制御へと移行する。すなわち、シートヒータ23の設定温度が最も低い設定値に切り替えられるとともに、図8に例示されるように第二画像I2において一番下の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。
【0055】
同様に、例えば図5に示されるシートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能がいずれもOFFである初期状態から、乗員の手指Fの操作によりノブ11が第二方向D2へ変位されると、設定温度が最も小さい設定値に切り替えられるとともに、図8に例示されるように第二画像I2において一番下の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。乗員の手指Fでノブ11を第二方向D2へ変位させる操作を行う度に、選択された設定温度に対応する棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。他方、図8の状態から第一方向D1へ操作されると加熱機能がOFFとなり、図5に例示されるように第一画像I1の全ての棒状の画像が同じ表示態様で表示される。
【0056】
さらに、図5の状態からノブ11が第一方向D1へ操作されると、シートファン22の設定送風量を変更する制御へと移行する。すなわち、シートファン22の設定送風量が最も低い設定値に切り替えられるとともに、図6に例示されるように第一画像I1において一番上の棒状の画像が他の棒状の画像とは異なる表示態様で表示される。
【0057】
すなわち、ノブ11が第一方向D1へ変位されるとシートファン22の設定送風量が変化し、ノブ11が第一方向D1と同じ変位量だけ第二方向D2へ変位されるとシートファン22の設定送風量は初期値に戻り、さらにノブ11が第二方向D2へ変位されるとシートヒータ23の設定温度が変化する。この場合、第一画像I1は、ノブ11の第一方向D1の変位量および第二方向D2への変位量に対応するシートファン22の設定送風量を示す。また、ノブ11が第二方向D2へ変位されるとシートヒータ23の設定温度が変化し、ノブ11が第二方向D2と同じ変位量だけ第一方向D1へ変位されるとシートヒータ23の設定温度は初期値に戻り、さらにノブ11が第一方向D1へ変位されるとシートファン22の設定送風量が変化する。この場合、第二画像I2は、ノブ11の第一方向D1の変位量および第二方向D2への変位量に対応するシートヒータ23の設定送風量を示す。
【0058】
換言すると、ノブ11の同一方向への変位操作が設定送風量と設定温度の一方を低下させる制御と他方を上昇させる制御の双方に割り当てられ、中間領域IAを挟んで両者が連続的に切り替えられる動作を実現できる。
【0059】
また、本実施形態において、第一画像I1、第二画像I2および第三画像I3は、ノブ11に対する乗員の手指Fの接近または接触位置に応じて、表示されるように構成されてもよい。
【0060】
例えば、図9に示されるように、表示装置31には、各々が入力装置10により制御可能な特定の機能に関連付けられた複数のアイコン画像I11~I16が表示されうる。アイコン画像I16は、シートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能に関連付けられたアイコン画像である。アイコン画像I11~I15は、例えば、ナビゲーション装置、音響映像機器、空調機器、ワイパ装置など機能に関連付けられている。
【0061】
図9に例示されるようにノブ11のアイコン画像I16に対応する箇所に乗員の手指Fの接近または接触が検出されると、図10に例示されるように、アイコン画像I16に関連する第一画像I1、第二画像I2および第三画像I3が、表示装置31に表示される。
【0062】
具体的には、図1に示されるように、入力装置10は、検出領域15と第三センサ16を備えうる。検出領域15は、ノブ11の表面における乗員の手指Fが触れることのできる位置に配置されている。検出領域15は、導電性を有する材料により形成されている。
【0063】
乗員の手指Fが検出領域15に接触すると、検出領域15における静電容量の変化が生じる。第三センサ16は、当該変化を検出し、当該変化に対応する第三検出信号DS3を出力するように構成されている。例えば、第三センサ16は、規定された静電容量の変化が生じた電極を特定することにより、検出領域15におけるいずれの箇所に手指Fが接近または接触したのかを検出できる。第三センサ16は、検出領域15におけるいずれの箇所に手指Fが接近または接触したのかを示す第三検出信号DS3を出力する。第三センサ16は、周知の構成を備えた静電センサにより実現されうる。乗員の手指Fは、被検出物の一例である。
【0064】
制御装置14のプロセッサ142は、第三検出信号DS3を受け付けると、第五制御信号CS5を出力インタフェース143から出力するように構成されている。第五制御信号CS5は、表示装置31に、複数のアイコン画像I11~I16のうち検出領域15における手指Fが接近または接触した箇所に対応する一つのアイコン画像に関連する画像を表示させるように構成されている。
【0065】
例えば、プロセッサ142は、図9に示されるようにアイコン画像I16に対応する検出領域15の箇所に手指Fが接近または接触したことが検出されると、表示装置31に、アイコン画像I16に関連する第一画像I1、第二画像I2および第三画像I3を表示させる第五制御信号CS5を出力する。
【0066】
プロセッサ142は、表示装置31に第一画像I1、第二画像I2および第三画像I3が表示されている間に、第一検出信号DS1を受け付けると、例えば第一制御信号CS1と第三制御信号CS3を出力インタフェース143から出力する。これにより、シートファン22の設定送風量は変更される。また、図11に例示されるように、第一画像I1において変更された設定送風量に対応する棒状の画像の表示形態が変更され、第三画像I3としてシートファン22の送風機能に関連付けられたアイコン画像が表示される。
【0067】
プロセッサ142は、表示装置31に第一画像I1、第二画像I2および第三画像I3が表示されている間に、第二検出信号DS2を受け付けると、例えば第二制御信号CS2と第四制御信号CS4を出力インタフェース143から出力する。これにより、シートヒータ23の設定温度が変更される。また、図12に例示されるように、第二画像I2において変更された設定温度に対応する棒状の画像の表示形態が変更され、第三画像I3としてシートヒータ23の加熱機能に関連付けられたアイコン画像が表示される。
【0068】
すなわち、プロセッサ142は、ノブ11に対する乗員の手指Fの接近または接触位置に応じて、各々が特定の機能に関連付けられた複数のアイコン画像I11~I16のうちシートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能に関連付けられたアイコン画像I16を被選択状態とする。そして、プロセッサ142は、アイコン画像I16が被選択状態とされている間にノブ11が第一方向D1へ変位されると、シートファン22の設定送風量を変化させ、アイコン画像I16が被選択状態とされている間にノブ11が第二方向D2へ変位されると、シートヒータ23の設定温度を変化させる。
【0069】
このように、乗員が手指Fを検出領域15の対応する箇所に近づけない限り第一画像I1、第二画像I2及び第三画像I3が表示されないので、必要以上の情報提示が抑制されたユーザインタフェースの外観を提供できる。他方、ノブ11に対する乗員の手指Fの接近または接触位置に応じて、第一画像I、第二画像I2および第三画像I3を表示させるので、乗員は、ノブ11を変位させる方向を直感的に理解できる。したがって、ユーザインタフェース装置30の利便性を高めることができる。
【0070】
なお、アイコン画像I16は、図11および図12に例示されるように、選択されたシートファン22の送風機能またはシートヒータ23の加熱機能に関連付けられて変更されうる。
【0071】
また、第一画像I1、第二画像I2および第三画像I3は、例えば乗員の手指Fが検出領域15から離れてから所定の期間経過後にその表示が消えるように構成されうる。
【0072】
これまで説明した各種の機能を有するプロセッサ142は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。
【0073】
あるいは、プロセッサ142は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。プロセッサ142は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0074】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更されうる。
【0075】
入力装置10は、各乗員が着座する座席のシートファン22およびシートヒータ23の動作をそれぞれ制御するために用いられうる。例えば、図13図15に示されるように、アイコン画像I21は、運転席のシートファンおよびシートヒータに関連付けられたアイコン画像であり、アイコン画像I22は、助手席のシートファンおよびシートヒータに関連付けられたアイコン画像である。アイコン画像I21およびアイコン画像I22の情報にはそれぞれシートファン22の設定送風量を示す第一画像I1、シートヒータ23の設定温度を示す第二画像I2、およびシートファン22の送風機能またはシートヒータ23の加熱機能に関連付けられた第三画像I3が表示される。
【0076】
入力装置10は、異なる被制御装置の機能であるシートファン22の送風機能およびシートヒータ23の加熱機能を制御するために用いられている。しかしながら、入力装置10は、同一の被制御装置の異なる機能を制御するために用いられうる。例えば、入力装置10は、音響機器の高音域と低音域を調整するために用いられうる。この場合、例えば、ノブ11を第一方向D1へ変位させる操作が低音域を強調する動作に対応付けられ、ノブ11を第二方向D2へ変位させる操作が高音域を強調する動作に対応付けられる。
【0077】
入力装置10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0078】
上記の実施形態においては、ノブ11は、軸Aを中心として回動可能なレバーとして構成されている。しかしながら、第一方向D1と第一方向D1と反対の第二方向D2へ変位可能であれば、ノブ11は、直線的に摺動されるスライダや、軸を中心として回転可能なダイヤルとして構成されてもよい。
【0079】
例えば、図16に示されるように、ノブ11は、軸Aを中心として図16における反時計回り方向および時計回り方向へ回転可能なダイヤルとして構成されうる。反時計回り方向は、第一方向D1の一例であり、時計回り方向は第二方向D2の一例である。回転は、変位の一例である。例えば、ノブ11を第一方向D1へ変位させる操作は、シートファン22の設定送風量を変更する制御に対応している。他方、ノブ11を第二方向D2へ変位させる操作は、シートヒータ23の設定温度を変更する制御に対応している。シートファン22の設定送風量を示す第一画像I1は、中間領域IAに対して第一方向D1にシフトした位置に表示される。シートヒータ23の設定温度を示す第二画像I2は、中間領域IAに対して第二方向D2にシフトした位置に表示される。
【0080】
このような構成においても、シートファン22の設定送風量を変化させるためにノブ11を変位させる方向と、第一画像I1が中間領域IAに対してシフトしている方向が同じ第一方向D1である。また、シートヒータ23の設定温度を変化させるためにノブ11を変位させる方向と、第二画像I2が中間領域IAに対してシフトしている方向が同じ第二方向D2である。したがって、ユーザはノブ11を変位させる方向を直感的に理解できる。
【符号の説明】
【0081】
10:入力装置、11:ノブ、12:第一センサ、13:第二センサ、14:制御装置、15:検出領域、16:第三センサ、20:車両、21:座席、22:シートファン、23:シートヒータ、24:センタクラスタ、30:ユーザインタフェース装置、31:表示装置、141:入力インタフェース、142:プロセッサ、143:出力インタフェース、IA:中間領域、CS1:第一制御信号、CS2:第二制御信号、CS3:第三制御信号、CS4:第四制御信号、CS5:第五制御信号、D1:第一方向、D2:第二方向、DS1:第一検出信号、DS2:第二検出信号、DS3:第三検出信号、F:乗員の手指、I1:第一画像、I2:第二画像、I3:第三画像、I11~I16、I21、I22:アイコン画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16