特開 2023-168873 棒状化粧料容器及び包装体

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023168873

(43)【公開日】2023-11-29

(54)【発明の名称】棒状化粧料容器及び包装体

(51)【国際特許分類】

   A45D 40/00 20060101AFI20231121BHJP

   B65D 75/30 20060101ALI20231121BHJP

   B65D 83/00 20060101ALI20231121BHJP

   B65D 77/04 20060101ALI20231121BHJP

【ＦＩ】

A45D40/00 Z

B65D75/30

B65D83/00 C

B65D77/04 E

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022080237

(22)【出願日】2022-05-16

(71)【出願人】

【識別番号】591147339

【氏名又は名称】株式会社トキワ

(74)【代理人】

【識別番号】100088155

【弁理士】

【氏名又は名称】長谷川 芳樹

(74)【代理人】

【識別番号】100113435

【弁理士】

【氏名又は名称】黒木 義樹

(74)【代理人】

【識別番号】100182006

【弁理士】

【氏名又は名称】湯本 譲司

(72)【発明者】

【氏名】石田 行一

【テーマコード（参考）】

3E014

3E067

【Ｆターム（参考）】

3E014AC05

3E067AA14

3E067AB81

3E067AC01

3E067BA01B

3E067BA31C

3E067BB14C

3E067BC03B

3E067BC04C

3E067EA06

3E067EB07

3E067FA04

3E067FC01

3E067GD10

(57)【要約】

【課題】開封時まで高い気密性を保ちつつ、部品点数を低減できると共に、先に使用していた部品をリユースでき、エコロジーな棒状化粧料容器及び包装体を提供する。
【解決手段】フィルム２ａの溶着部２ｂで棒状化粧料容器１を密封し、キャップレスでの販売を可能として、部品点数を低減し、エコロジーとする。また、フィルム２ａの溶着部２ｂの先端側環状部２ｃにより、棒状化粧料容器１の先端の開口１ａ側を密封し、開封時まで高い気密性を保つことを可能とする。また、包装体２を開封し棒状化粧料容器１を取り出して使用する際に、先に使用していたキャップや、棒状化粧料Ｍを繰り出す繰り出し機構を内蔵した容器本体等をリユースし、エコロジーとする。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

内部に棒状化粧料を収容し、先端に設けられている開口から前記棒状化粧料が出現可能な棒状化粧料容器と、
前記棒状化粧料容器をフィルムで挟み込み包装する包装体と、を備え、
前記包装体は、前記棒状化粧料容器の外周近傍までを前記フィルム同士の溶着により密閉する溶着部を備え、
前記溶着部は、前記棒状化粧料容器の前記開口の近傍の外周に環状に密着する先端側環状部をさらに備えていることを特徴とする棒状化粧料容器及び包装体。

【請求項2】

前記フィルムの前記溶着部は、前記先端側環状部より後方に、前記棒状化粧料容器の後退を抑止する環状の後退止めを備えていることを特徴とする請求項１に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【請求項3】

前記棒状化粧料容器には、前記先端側環状部より後方の外周面から周方向に沿って突出する環状の鍔部が設けられ、
前記後退止めは、前記鍔部よりも後方に軸線方向で前記鍔部と重なる位置に、後端側環状部として設けられていることを特徴とする請求項２に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【請求項4】

前記棒状化粧料容器の前記棒状化粧料が通過する棒状化粧料孔の後端には、当該棒状化粧料孔を着脱可能に塞ぐ尾栓が設けられ、
前記包装体の開封のためのノッチは、前記後端側環状部より後方で前記棒状化粧料容器の後端部が露出可能な位置に設けられていることを特徴とする請求項３に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【請求項5】

前記棒状化粧料容器は、前記棒状化粧料を繰り出す繰り出し機構を内蔵した容器本体を備えていることを特徴とする請求項１に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【請求項6】

前記フィルムの前記溶着部は、前記先端側環状部より後方に、前記棒状化粧料容器の後退を抑止する環状の後退止めを備え、
前記包装体の開封のためのノッチは、前記後退止めより後方に設けられていることを特徴とする請求項５に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【請求項7】

前記ノッチは、前記棒状化粧料容器の後端部が露出可能な位置に設けられていることを特徴とする請求項６に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、棒状化粧料容器及び包装体に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、以下の特許文献１には、対向するフィルムに化粧料と塗布具を挟み込んだ化粧品が開示されており、この化粧品は、化粧料及び塗布具周りを溶着し、化粧料と塗布具を一体とし気密性を図った試供品等としての簡易容器であり、フィルムを開封して用いられるものである。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２１－８７６８５

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ここで、近年、従来の品質は担保したまま、できるだけ部品点数を低減すると共に、先に使用していた部品をリユースできるエコロジーな棒状化粧料容器が求められている。

【0005】

そこで、本発明は、開封時まで高い気密性を保ちつつ、部品点数を低減できると共に、先に使用していた部品をリユースでき、エコロジーな棒状化粧料容器及びこれを包装する包装体を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示の要旨は以下の［１］～［６］である。

【0007】

［１］内部に棒状化粧料を収容し、先端に設けられている開口から棒状化粧料が出現可能な棒状化粧料容器と、棒状化粧料容器をフィルムで挟み込み包装する包装体と、を備え、包装体は、棒状化粧料容器の外周近傍までをフィルム同士の溶着により密閉する溶着部を備え、溶着部は、棒状化粧料容器の開口の近傍の外周に環状に密着する先端側環状部をさらに備えていることを特徴とする棒状化粧料容器及び包装体。

【0008】

［１］によれば、フィルムの溶着部で棒状化粧料容器が密封されるため、キャップレスで販売でき、部品点数を低減でき、エコロジーである。また、フィルムの溶着部の先端側環状部により、棒状化粧料容器の先端の開口側が密封されるため、開封時まで高い気密性を保つことができる。また、包装体を開封し棒状化粧料容器を取り出して使用する際に、先に使用していたキャップや、棒状化粧料を繰り出す繰り出し機構を内蔵した容器本体等をリユースできるため、エコロジーである。

【0009】

［２］フィルムの溶着部は、先端側環状部より後方に、棒状化粧料容器の後退を抑止する環状の後退止めを備えていることを特徴とする［１］に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【0010】

［２］によれば、先端側環状部より後方に設けられた後退止めにより、棒状化粧料容器が後方へ押し戻されることが抑止され、棒状化粧料容器の先端の開口側を確実に密封できる。

【0011】

［３］棒状化粧料容器には、先端側環状部より後方の外周面から周方向に沿って突出する環状の鍔部が設けられ、後退止めは、鍔部よりも後方に軸線方向で鍔部と重なる位置に、後端側環状部として設けられていることを特徴とする［２］に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【0012】

［３］によれば、［２］の作用・効果を確実に実現できる。

【0013】

［４］棒状化粧料容器の棒状化粧料が通過する棒状化粧料孔の後端には、当該棒状化粧料孔を着脱可能に塞ぐ尾栓が設けられ、包装体の開封のためのノッチは、後端側環状部より後方で棒状化粧料容器の後端部が露出可能な位置に設けられていることを特徴とする［３］に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【0014】

［４］によれば、棒状化粧料容器を棒状化粧料の色替え等の目的で未開封の包装体の棒棒状化粧料容器と交換する場合、開封後の包装体に棒状化粧料容器を差し込み尾栓をすると共に、後端側環状部を後退止めとすることで、キャップ代わりとして使用できる。また、棒状化粧料容器の後端部が、開封後の包装体から露出するため、つかみやすく、キャップ代わりとなる開封後の包装体に対して出し入れしやすい。また、尾栓により開封前の気密性を一層高めることができる。

【0015】

［５］棒状化粧料容器は、棒状化粧料を繰り出す繰り出し機構を内蔵した容器本体を備えていることを特徴とする［１］に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【0016】

［５］によれば、［１］とほぼ同様な作用・効果を奏する。すなわち、フィルムの溶着部で棒状化粧料容器が密封されるため、キャップレスで販売でき、部品点数を低減でき、エコロジーである。また、フィルムの溶着部の先端側環状部により、棒状化粧料容器の先端の開口側が密封されるため、開封時まで高い気密性を保つことができる。また、包装体を開封し棒状化粧料容器を取り出して使用する際に、繰り出し機構を内蔵した容器本体を備えているため、先に使用していたキャップをリユースでき、エコロジーである。

【0017】

［６］フィルムの溶着部は、先端側環状部より後方に、棒状化粧料容器の後退を抑止する環状の後退止めを備え、包装体の開封のためのノッチは、後退止めより後方に設けられていることを特徴とする［５］に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【0018】

［６］よれば、先端側環状部より後方に設けられた後退止めにより、棒状化粧料容器が後方へ押し戻されることが抑止され、棒状化粧料容器の先端の開口側を確実に密封できる。また、棒状化粧料容器を棒状化粧料の色替え等の目的で未開封の包装体の棒状化粧料容器と交換する場合、開封後の包装体に棒状化粧料容器を差し込むことで、後退止めにより棒状化粧料容器の後退を抑止し気密性を確保しつつ、キャップ代わりとして使用できる。

【0019】

［７］ノッチは、棒状化粧料容器の後端部が露出可能な位置に設けられていることを特徴とする［６］に記載の棒状化粧料容器及び包装体。

【0020】

［７］によれば、棒状化粧料容器の後端部が、開封後の包装体から露出するため、つかみやすく、キャップ代わりとなる開封後の包装体に対して出し入れしやすい。

【発明の効果】

【0021】

このように本発明によれば、開封時まで高い気密性を保ちつつ、部品点数を低減できると共に、先に使用していた部品をリユースでき、エコロジーな棒状化粧料容器及びこれを包装する包装体を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【0022】

【図1】本発明の第１実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図である。

【図2】本発明の第２実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図である。

【図3】本発明の第２実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体による作用・効果を説明するための縦断面図である。

【図4】本発明の第３実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図である。

【図5】本発明の第４実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0023】

以下、本発明による棒状化粧料容器及び包装体の好適な実施形態について図１～図５を参照しながら説明する。図１は、本発明の第１実施形態を、図２は、本発明の第２実施形態を、図３は、本発明の第２実施形態による作用・効果を、図４は、本発明の第３実施形態を、図５は、本発明の第４実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

【0024】

先ず、図１に示す第１実施形態を説明する。図１は、本発明の第１実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図である。

【0025】

図１に示すように、第１実施形態では、内部に棒状化粧料Ｍを収容し、先端に設けられている開口１ａから棒状化粧料Ｍが出現可能な棒状化粧料容器１と、棒状化粧料容器１を、紙面垂直方向に対向するフィルム２ａ．２ａで挟み込み包装する包装体２と、を備えている。

【0026】

棒状化粧料容器１は、先細の筒状に構成され、棒状化粧料Ｍを収容し当該棒状化粧料Ｍを繰り出す棒状化粧料繰出容器のその容器前部を構成する所謂先筒と称されるものである。棒状化粧料容器１の筒形状としては、例えば、断面円筒状や断面楕円筒状や断面多角筒状等を適宜採用できる。また、棒状化粧料Ｍとしては、アイライナー、アイブロウ、リップライナー等を適宜採用でき、棒状化粧料Ｍの形状も、例えば断面円形や断面楕円形や断面多角形等を適宜採用できる。

【0027】

棒状化粧料Ｍを収容し当該棒状化粧料Ｍが通過する棒状化粧料孔１ｂは、開口１ａから棒状化粧料容器１の後部へ向かって延びており、棒状化粧料容器１の後部には、棒状化粧料孔１ｂに連通すると共に拡径して後方へ開放される拡径孔１ｃが設けられている。拡径孔１ｃは、棒状化粧料Ｍの繰り出しを可能とする所謂繰り出し機構を収容するための空間とされている。

【0028】

また、棒状化粧料容器１において拡径孔１ｃより多少前側の外周面には、周方向に沿って突出する環状の鍔部１ｄが、棒状化粧料容器１の後退を抑止するためのものとして設けられている。

【0029】

棒状化粧料容器１の鍔部１ｄより多少後方の外周面には、棒状化粧料繰出容器の容器後部を構成する有底筒状の所謂容器本体を、回転可能且つ軸線方向移動不能に装着するための凹部１ｅが環状に設けられている。この容器本体は、棒状化粧料Ｍを繰り出す繰り出し機構を内蔵するものである。

【0030】

そして、棒状化粧料容器１の凹部１ｅが容器本体の前側に回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され、互いに相対回転されると、例えば雄螺子突起、雌螺子突起を有する繰り出し機構の螺合作用が働いて、移動体としてのピストンが繰り出されて棒状化粧料Ｍが繰り出されることになる。なお、ピストンに代えて、棒状化粧料Ｍを複数の把持片により把持する芯チャックを用いることもでき、この場合には、棒状化粧料孔１ｂの周囲に、把持片を移動可能とする把持片溝が複数連設されることになる。

【0031】

一方、包装体２は、棒状化粧料容器１の外周近傍までをフィルム２ａ，２ａ同士の溶着により密閉する溶着部２ｂを備えている。

【0032】

溶着部２ｂには、棒状化粧料容器１の開口１ａの近傍の外周に環状に密着する先端側環状部２ｃが、棒状化粧料Ｍの気密用として設けられている。

【0033】

また、溶着部２ｂは、先端側環状部２ｃより後方に、棒状化粧料容器１の後退を抑止する環状の後退止め２ｄを備えている。この後退止め２ｄは、ここでは、棒状化粧料容器１の鍔部１ｄよりも後方に軸線方向で鍔部１ｄと重なる位置に、後端側環状部として設けられている。この後退止めとしての後端側環状部２ｄは、棒状化粧料容器１に接触していてもいなくても良い。

【0034】

また、溶着部２ｂには、包装体２の開封のためのノッチ（切り目）２ｅが当該包装体２の後端部の対向する位置に設けられている。ノッチ２ｅは、ここでは、後端側環状部２ｄより後方に設けられ、棒状化粧料容器１を取り出して使用する際には、ノッチ２ｅを境目として包装体２を開封すれば良い。

【0035】

このように構成された第１実施形態の棒状化粧料容器１及び包装体２によれば、フィルム２ａの溶着部２ｂで棒状化粧料容器１が密封されているため、キャップレスで販売でき、部品点数を低減でき、エコロジーである。また、フィルム２ａの溶着部２ｂの先端側環状部２ｃにより、棒状化粧料容器１の先端の開口１ａ側が密封されているため、開封時まで高い気密性を保つことができる。また、包装体２を開封し棒状化粧料容器１を取り出して使用する際に、先に使用していたキャップや、棒状化粧料Ｍを繰り出す繰り出し機構を内蔵した容器本体等をリユースできるため、エコロジーである。

【0036】

また、フィルム２ａの溶着部２ｂは、先端側環状部２ｃより後方に、棒状化粧料容器１の後退を抑止する環状の後退止め２ｄを備えているため、棒状化粧料容器１が後方へ押し戻されることが抑止され、棒状化粧料容器１の先端の開口１ａ側を確実に密封できる。

【0037】

特に、後退止め２ｄは、棒状化粧料容器１の鍔部１ｄよりも後方に軸線方向で鍔部１ｄと重なる位置に、後端側環状部として設けられているため、上記密封の作用・効果を確実に実現できる。

【0038】

なお、本実施形態のように、棒状化粧料容器１が先細の場合には、棒状化粧料容器１の開口１ａの近傍の外周に環状に密着する先端側環状部２ｃでは後方への移動が抑止し難いため、後退止め（後端側環状部）２ｄが有効である。

【0039】

因みに、ここでは、特に好ましいとして、ノッチ２ｅを設けているが、ノッチ２ｅはなくても良く、例えば鋏等により溶着部２ｂのどこから開封しても良い。

【0040】

図２は、本発明の第２実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図、図３は、本発明の第２実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体による作用・効果を説明するための縦断面図である。

【0041】

この第２実施形態が第１実施形態と違う第１の点は、図２に示すように、棒状化粧料容器１の棒状化粧料孔１ｂの後端に、当該棒状化粧料孔１ｂを着脱可能に塞ぐ尾栓３を設けた点である。また、第２実施形態が第１実施形態と違う第２の点は、包装体２の開封のためのノッチ２ｅを、後端側環状部２ｄより後方で棒状化粧料容器１の後端部を露出可能とする位置のノッチ２ｆに代えた点である。

【0042】

このように構成された第２実施形態によれば、第１実施形態の作用・効果に加えて、棒状化粧料容器１を棒状化粧料Ｍの色替え等の目的で未開封の包装体２の棒状化粧料容器１と交換する場合、図３に示すように、開封後の包装体２に棒状化粧料容器１を差し込み尾栓３をすると共に、後端側環状部２ｄを後退止めとすることで、キャップ代わりとして使用できる。また、棒状化粧料容器１の後端部が、開封後の包装体２から露出するため、つかみやすく、キャップ代わりとなる開封後の包装体２に対して出し入れしやすい。また、図２に示すように、尾栓３により開封前の気密性を一層高めることができる。

【0043】

図４は、本発明の第３実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図である。

【0044】

この第３実施形態にあっては、図４に示すように、容器前部としての所謂先筒１（第１実施形態の棒状化粧料容器１）と、繰り出し機構を内蔵した容器後部としての所謂容器本体４とを、回転可能且つ軸線方向移動不能に装着し、先筒１と容器本体４との相対回転により、繰り出し機構の螺合作用が働いて棒状化粧料Ｍを繰り出す棒状化粧料容器１０と、棒状化粧料容器１０を対向するフィルム１２ａ．１２ａで挟み込み包装する包装体１２と、を備えている。ここで、包装体１２により包装されている棒状化粧料容器１０は、所謂棒状化粧料繰出容器と称されるものである。

【0045】

容器本体４は、有底筒状を呈して軸線方向に長尺とされ、包装体１２も、容器本体４に合わせて軸線方向に長尺とされている。

【0046】

棒状化粧料容器１０の外周近傍までをフィルム１２ａ，１２ａ同士の溶着により密閉する溶着部１２ｂには、第１実施形態と同様に、先筒１の開口１ａの近傍の外周に環状に密着する先端側環状部１２ｃが設けられている。

【0047】

また、溶着部１２ｂには、先端側環状部１２ｃより後方であって、容器本体４の後端部の後方位置に、棒状化粧料容器１０の後退を抑止する環状の後退止め１２ｄが設けられている。この後退止め１２ｄは、棒状化粧料容器１０に接触していてもいなくても良い。

【0048】

また、溶着部１２ｂには、包装体１２の開封のためのノッチ１２ｅが、第２実施形態と同様に、後退止め１２ｄより後方に設けられている。

【0049】

このように構成された第３実施形態によれば、第１実施形態と同様に、フィルム１２ａの溶着部１２ｂで棒状化粧料容器１０が密封されているため、キャップレスで販売でき、部品点数を低減でき、エコロジーである。また、フィルム１２ａの溶着部１２ｂの先端側環状部１２ｃにより、棒状化粧料容器１０の先端の開口１ａ側が密封されているため、開封時まで高い気密性を保つことができる。また、包装体１２を開封し、棒状化粧料容器１０を取り出して使用する際に、先に使用していたキャップをリユースできるため、エコロジーである。この包装体１２の開封にあたっては、ノッチ１２ｅはなくても良く、例えば鋏等により溶着部１２ｂのどこから開封しても良い。

【0050】

また、第１実施形態と同様に、フィルム１２ａの溶着部１２ｂは、先端側環状部１２ｃより後方に、棒状化粧料容器１０の後退を抑止する環状の後退止め１２ｄを備えているため、棒状化粧料容器１０が後方へ押し戻されることが抑止され、棒状化粧料容器１０の先端の開口１ａ側を確実に密封できる。

【0051】

また、第２実施形態と同様に、包装体１２の開封のためのノッチ１２ｅは、後退止め１２ｄより後方に設けられているため、棒状化粧料容器１０を棒状化粧料Ｍの色替え等の目的で未開封の包装体１２の棒状化粧料容器１０と交換する場合、開封後の包装体１２に棒状化粧料容器１０を差し込むことで、後退止め１２ｄにより棒状化粧料容器１０の後退を抑止し気密性を確保しつつ、キャップ代わりとして使用できる。

【0052】

図５は、本発明の第４実施形態に係る棒状化粧料容器及び包装体を示す縦断面図である。

【0053】

この第４実施形態が第３実施形態と違う第１の点は、図５に示すように、第３実施形態の軸線方向に長尺な容器本体４に代えて、軸線方向に短尺な容器本体５を用い、ミニタイプの棒状化粧料容器２０とした点である。

【0054】

また、第４実施形態が第３実施形態と違う第２の点は、棒状化粧料容器２０の後退を抑止すべく容器本体４の後方に位置していた環状の後退止め１２ｄを、第１実施形態と同様に、先筒１の鍔部１ｄよりも後方に軸線方向で鍔部１ｄと重なる位置に配置された後端側環状部（環状の後退止め）１２ｆに代えると共に、包装体１２の開封のためのノッチ１２ｅを、後端側環状部１２ｆより後方で棒状化粧料容器２０の後端部が露出可能な位置に配置されたノッチ１２ｇに代えた点である。

【0055】

このように構成された第４実施形態によれば、第３実施形態と同様な作用・効果を奏する。すなわち、フィルム１２ａの溶着部１２ｂで棒状化粧料容器２０が密封されているため、キャップレスで販売でき、部品点数を低減でき、エコロジーである。また、フィルム１２ａの溶着部１２ｂの先端側環状部１２ｃにより、棒状化粧料容器２０の先端の開口１ａ側が密封されているため、開封時まで高い気密性を保つことができる。また、包装体１２を開封し、棒状化粧料容器２０を取り出して使用する際に、先に使用していたキャップをリユースできるため、エコロジーである。この包装体１２の開封にあたっては、ノッチ１２ｇはなくても良く、例えば鋏等により溶着部１２ｂのどこから開封しても良い。

【0056】

また、フィルム１２ａの溶着部１２ｂは、先端側環状部１２ｃより後方に、棒状化粧料容器２０の後退を抑止する後端側環状部１２ｆを備えているため、棒状化粧料容器２０が後方へ押し戻されることが抑止され、棒状化粧料容器２０の先端の開口１ａ側を確実に密封できる。

【0057】

また、包装体１２の開封のためのノッチ１２ｇは、後端側環状部１２ｆより後方に設けられているため、棒状化粧料容器２０を棒状化粧料Ｍの色替え等の目的で未開封の包装体１２の棒状化粧料容器２０と交換する場合、開封後の包装体１２に棒状化粧料容器２０を差し込むことで、後端側環状部１２ｆにより棒状化粧料容器２０の後退を抑止し気密性を確保しつつ、キャップ代わりとして使用できる。加えて、ノッチ１２ｇが、後端側環状部１２ｆより後方で棒状化粧料容器２０の後端部が露出可能な位置に設けられているため、棒状化粧料容器２０の後端部が、開封後の包装体１２から露出することになり、つかみやすく、キャップ代わりとなる開封後の包装体１２に対して出し入れしやすい。

【0058】

なお、このミニタイプの棒状化粧料容器２０にあっては、このままでも棒状化粧料Ｍを繰り出し塗布に供することができるが、容器本体５の外周面に設けられた雄螺子突起５ａを利用して、軸線方向に長尺な有底筒状のホルダ筒を容器本体５に螺合により着脱可能に装着し、描画の際の使用性を向上することもできる。

【0059】

以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。

【符号の説明】

【0060】

１，１０，２０…棒状化粧料容器、１ａ…開口、１ｂ…棒状化粧料孔、１ｄ…鍔部、２，１２…包装体、２ａ，１２ａ…フィルム、２ｂ、１２ｂ…溶着部、２ｃ，１２ｃ…先端側環状部、２ｄ、１２ｆ…後端側環状部（後退止め）、２ｅ，２ｆ，１２ｅ，１２ｇ…ノッチ、３…尾栓、４，５…容器本体、１２ｄ…後退止め、Ｍ…棒状化粧料。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】