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特開2023-168879通信システム、クライアント端末、通信方法及び通信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168879
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】通信システム、クライアント端末、通信方法及び通信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
H04M11/00 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080245
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513190830
【氏名又は名称】Fairy Devices株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】前川 博志
(72)【発明者】
【氏名】藤野 真人
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA01
5K201CA01
5K201CA06
5K201EC06
5K201FA02
(57)【要約】
【課題】動画像データ及び音声データを送受信する通信システムにおいて記憶される動画像データ及び音声データの品質を向上させる。
【解決手段】クライアント端末とサーバ装置とを有する通信システムであって、前記クライアント端末の制御部は、前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信し、前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを、第1の画像データまたは第1の音声データとして第1の記憶部に記憶し、前記サーバ装置の制御部は、前記第1の記憶部に記憶された前記第1の画像データまたは第1の音声データのうち、前記サーバ装置が取得する必要がある範囲を特定し、前記特定した範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データの送信を、前記クライアント端末に要求する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末とサーバ装置とを有する通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信し、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを、第1の画像データまたは第1の音声データとして第1の記憶部に記憶し、
前記サーバ装置の制御部は、
前記第1の記憶部に記憶された前記第1の画像データまたは第1の音声データのうち、前記サーバ装置が取得する必要がある範囲を特定し、
前記特定した範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データの送信を、前記クライアント端末に要求する、
通信システム。
【請求項2】
前記サーバ装置の制御部は、前記サーバ装置が取得する必要がある時間範囲を特定する請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに送信された前記画像データまたは音声データを、第2の画像データまたは第2の音声データとして第2の記憶部に記憶し、
前記クライアント端末から送信された、前記特定した時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを用いて、前記第2の画像データまたは第2の音声データの対応する時間範囲を差し替える、
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに送信された画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行い、
前記検査の結果に基づいて、前記サーバ装置が取得する必要がある時間範囲を特定する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに前記画像データまたは音声データが送信された際の通信品質に関する情報、または、前記リアルタイムに送信された前記画像データまたは音声データのデータ品質に関する情報のいずれか1つ以上に基づいて、前記品質検査を行う、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記サーバ装置の制御部は、
前記品質検査の結果に基づいて、前記サーバ装置が取得する必要がある時間範囲を特定し、前記属性検査の結果に基づいて、前記特定した時間範囲を絞り込む、請求項4に記載の通信システム。
【請求項7】
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに送信された前記画像データのうち、所定の条件を満たす画像データのフレーム間の変化に関する情報に基づいて、前記属性検査を行う、請求項4に記載の通信システム。
【請求項8】
前記サーバ装置の制御部は、
前記品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う際に用いる判定パラメータを、前記クライアント端末から取得する、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
前記クライアント端末の制御部と前記サーバ装置の制御部との間で、所定周期ごとに時刻同期処理が行われる、請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
前記第1の記憶部は、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを、前記第1の画像データまたは第1の音声データとして記憶する際、タイムスタンプを記憶する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項11】
前記クライアント端末の制御部は、
特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項12】
前記クライアント端末の制御部は、
前記リアルタイムに送信した前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行い、
前記検査の結果に基づいて、前記特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信するか否か判定する、
請求項11に記載の通信システム。
【請求項13】
前記クライアント端末の制御部は、
前記第1の記憶部に記憶された前記第1の画像データまたは第1の音声データに対して属性検査を行う、請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記クライアント端末の制御部は、
前記クライアント端末に付属するセンサのセンサ情報を用いて、前記品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う、請求項12に記載の通信システム。
【請求項15】
前記クライアント端末の制御部は、
前記特定された時間範囲の送信が要求された場合でも、前記検査の結果に基づいて送信しないと判定した場合には、前記特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信しない、請求項12に記載の通信システム。
【請求項16】
前記クライアント端末の制御部は、
前記特定された時間範囲の送信が要求された場合であって、前記検査の結果に基づいて送信するか否かを判定した場合に、判定結果を出力し、
前記判定結果を出力したことに応じて送信指示が入力された場合、前記特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信する、請求項12に記載の通信システム。
【請求項17】
制御部を有し、サーバ装置と通信するクライアント端末であって、
前記制御部は、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信し、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶部に記憶し、
前記リアルタイムに送信した前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行い、
前記検査の結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信する、
クライアント端末。
【請求項18】
前記制御部は、
前記画像データまたは音声データを前記記憶部に記憶する際にタイムスタンプを記憶する、請求項17に記載のクライアント端末。
【請求項19】
前記検査の結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信するか否かを判定する、請求項17に記載のクライアント端末。
【請求項20】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記画像データまたは音声データに対して属性検査を行う、請求項17に記載のクライアント端末。
【請求項21】
前記制御部は、
クライアント端末に付属するセンサのセンサ情報を用いて、前記品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う、請求項17に記載のクライアント端末。
【請求項22】
前記制御部は、
前記検査の結果に基づいて、前記画像データまたは音声データを前記サーバ装置に送信しないと判定した場合、前記画像データまたは音声データを前記サーバ装置に送信しない、請求項19に記載のクライアント端末。
【請求項23】
前記制御部は、
前記検査の結果に基づいて送信するか否かを判定した場合に、判定結果を出力し、
前記判定結果を出力したことに応じて送信指示が入力された場合、前記画像データまたは音声データを前記サーバ装置に送信する、請求項19に記載のクライアント端末。
【請求項24】
クライアント端末とサーバ装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信する通信工程と、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶する記憶工程と、
前記記憶工程において記憶された前記画像データまたは音声データのうち、前記サーバ装置が取得する必要がある範囲を特定する特定工程と、
前記特定工程において特定された範囲の前記画像データまたは音声データの送信を、前記クライアント端末に要求する要求工程と
を有する通信方法。
【請求項25】
サーバ装置と通信するクライアント端末における通信方法であって、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信する第1の通信工程と、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶する記憶工程と、
前記第1の通信工程において送信された前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う検査工程と、
前記検査工程における検査の結果に基づいて、前記記憶工程において記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信する第2の通信工程と
を有する通信方法。
【請求項26】
サーバ装置と通信するクライアント端末の制御部に、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信する第1の通信工程と、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶する記憶工程と、
前記第1の通信工程において送信された前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う検査工程と、
前記検査工程における検査の結果に基づいて、前記記憶工程において記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信する第2の通信工程と
を実行させるための通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、クライアント端末、通信方法及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画像データ及び音声データを双方向に送受信することで、遠隔でのコミュニケーションを可能にする双方向通信システムが知られている。当該双方向通信システムでは、例えば、アーカイブ機能を用いることで、コミュニケーション中の動画像データ及び音声データを、サーバ装置に記憶することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-107978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような通信システムでは、例えば、コミュニケーション中の通信品質が劣化した場合に、サーバ装置に記憶される動画像データ及び音声データの品質も劣化することになる。
【0005】
本開示は、動画像データ及び音声データを送受信する通信システムにおいて記憶される動画像データ及び音声データの品質を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
クライアント端末とサーバ装置とを有する通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信し、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを、第1の画像データまたは第1の音声データとして第1の記憶部に記憶し、
前記サーバ装置の制御部は、
前記第1の記憶部に記憶された前記第1の画像データまたは第1の音声データのうち、前記サーバ装置が取得する必要がある範囲を特定し、
前記特定した範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データの送信を、前記クライアント端末に要求する。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、動画像データ及び音声データを送受信する通信システムにおいて記憶される動画像データ及び音声データの品質を向上させることができる。
【0008】
また、本開示の第2の態様は、第1の態様に記載の通信システムであって、
前記サーバ装置の制御部は、前記サーバ装置が取得する必要がある時間範囲を特定する。
【0009】
また、本開示の第3の態様は、第2の態様に記載の通信システムであって、
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに送信された前記画像データまたは音声データを、第2の画像データまたは第2の音声データとして第2の記憶部に記憶し、
前記クライアント端末から送信された、前記特定した時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを用いて、前記第2の画像データまたは第2の音声データの対応する時間範囲を差し替える。
【0010】
また、本開示の第4の態様は、第3の態様に記載の通信システムであって、
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに送信された画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行い、
前記検査の結果に基づいて、前記サーバ装置が取得する必要がある時間範囲を特定する。
【0011】
また、本開示の第5の態様は、第4の態様に記載の通信システムであって、
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに前記画像データまたは音声データが送信された際の通信品質に関する情報、または、前記リアルタイムに送信された前記画像データまたは音声データのデータ品質に関する情報のいずれか1つ以上に基づいて、前記品質検査を行う。
【0012】
また、本開示の第6の態様は、第4の態様に記載の通信システムであって、
前記サーバ装置の制御部は、
前記品質検査の結果に基づいて、前記サーバ装置が取得する必要がある時間範囲を特定し、前記属性検査の結果に基づいて、前記特定した時間範囲を絞り込む。
【0013】
また、本開示の第7の態様は、第4の態様に記載の通信システムであって、
前記サーバ装置の制御部は、
前記リアルタイムに送信された前記画像データのうち、所定の条件を満たす画像データのフレーム間の変化に関する情報に基づいて、前記属性検査を行う。
【0014】
また、本開示の第8の態様は、第4乃至第7のいずれかの態様に記載の通信システムであって、
前記サーバ装置の制御部は、
前記品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う際に用いる判定パラメータを、前記クライアント端末から取得する。
【0015】
また、本開示の第9の態様は、第1の態様に記載の通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部と前記サーバ装置の制御部との間で、所定周期ごとに時刻同期処理が行われる。
【0016】
また、本開示の第10の態様は、第1の態様に記載の通信システムであって、
前記第1の記憶部は、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを、前記第1の画像データまたは第1の音声データとして記憶する際、タイムスタンプを記憶する。
【0017】
また、本開示の第11の態様は、第3の態様に記載の通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信する。
【0018】
また、本開示の第12の態様は、第11の態様に記載の通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
前記リアルタイムに送信した前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行い、
前記検査の結果に基づいて、前記特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信するか否か判定する。
【0019】
また、本開示の第13の態様は、第12の態様に記載の通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
前記第1の記憶部に記憶された前記第1の画像データまたは第1の音声データに対して属性検査を行う。
【0020】
また、本開示の第14の態様は、第12の態様に記載の通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
前記クライアント端末に付属するセンサのセンサ情報を用いて、前記品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う。
【0021】
また、本開示の第15の態様は、第12の態様に記載の通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
前記特定された時間範囲の送信が要求された場合でも、前記検査の結果に基づいて送信しないと判定した場合には、前記特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信しない。
【0022】
また、本開示の第16の態様は、第12の態様に記載の通信システムであって、
前記クライアント端末の制御部は、
前記特定された時間範囲の送信が要求された場合であって、前記検査の結果に基づいて送信するか否かを判定した場合に、判定結果を出力し、
前記判定結果を出力したことに応じて送信指示が入力された場合、前記特定された時間範囲の前記第1の画像データまたは第1の音声データを、前記サーバ装置に送信する。
【0023】
また、本開示の第17の態様は、
制御部を有し、サーバ装置と通信するクライアント端末であって、
前記制御部は、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信し、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶部に記憶し、
前記リアルタイムに送信した前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行い、
前記検査の結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信する。
【0024】
また、本開示の第18の態様は、第17の態様に記載のクライアント端末であって、
前記制御部は、
前記画像データまたは音声データを前記記憶部に記憶する際にタイムスタンプを記憶する。
【0025】
また、本開示の第19の態様は、第17の態様に記載のクライアント端末であって、
前記検査の結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信するか否かを判定する。
【0026】
また、本開示の第20の態様は、第17の態様に記載のクライアント端末であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記画像データまたは音声データに対して属性検査を行う。
【0027】
また、本開示の第21の態様は、第17の態様に記載のクライアント端末であって、
前記制御部は、
クライアント端末に付属するセンサのセンサ情報を用いて、前記品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う。
【0028】
また、本開示の第22の態様は、第19の態様に記載のクライアント端末であって、
前記制御部は、
前記検査の結果に基づいて、前記画像データまたは音声データを前記サーバ装置に送信しないと判定した場合、前記画像データまたは音声データを前記サーバ装置に送信しない。
【0029】
また、本開示の第23の態様は、第19の態様に記載のクライアント端末であって、
前記制御部は、
前記検査の結果に基づいて送信するか否かを判定した場合に、判定結果を出力し、
前記判定結果を出力したことに応じて送信指示が入力された場合、前記画像データまたは音声データを前記サーバ装置に送信する。
【0030】
また、本開示の第24の態様は、
クライアント端末とサーバ装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信する通信工程と、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶する記憶工程と、
前記記憶工程において記憶された前記画像データまたは音声データのうち、前記サーバ装置が取得する必要がある範囲を特定する特定工程と、
前記特定工程において特定された範囲の前記画像データまたは音声データの送信を、前記クライアント端末に要求する要求工程とを有する。
【0031】
また、本開示の第25の態様は、
サーバ装置と通信するクライアント端末における通信方法であって、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信する第1の通信工程と、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶する記憶工程と、
前記第1の通信工程において送信された前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う検査工程と、
前記検査工程における検査の結果に基づいて、前記記憶工程において記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信する第2の通信工程とを有する。
【0032】
また、本開示の第26の態様は、通信プログラムであって、
サーバ装置と通信するクライアント端末の制御部に、
前記クライアント端末が取得した画像データまたは音声データを、前記サーバ装置にリアルタイムに送信する第1の通信工程と、
前記クライアント端末が取得した前記画像データまたは音声データを記憶する記憶工程と、
前記第1の通信工程において送信された前記画像データまたは音声データに対して、品質検査または属性検査のいずれか1つ以上の検査を行う検査工程と、
前記検査工程における検査の結果に基づいて、前記記憶工程において記憶された前記画像データまたは音声データを、前記サーバ装置に送信する第2の通信工程とを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】双方向通信システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2A】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2B】作業者端末及び支援者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバ装置の双方向通信部の機能構成の一例を示す図である。
図4】サーバ装置のデータ管理部の機能構成の一例を示す図である。
図5】データ管理部の各機能部により特定される補完範囲候補及び非補完範囲の一覧を示す図である。
図6】作業者端末の機能構成の一例を示す図である。
図7】作業者端末の各機能部により特定される補完範囲候補及び非補完範囲の一覧を示す図である。
図8】双方向通信システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】補完範囲補正処理の流れを示すフローチャートである。
図10】補完リクエスト処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0035】
[第1の実施形態]
<双方向通信システムのシステム構成>
はじめに、第1の実施形態に係る双方向通信システムのシステム構成について説明する。図1は、双方向通信システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、双方向通信システム100は、サーバ装置110とクライアント端末(作業者端末120、支援者端末130)とを有する。
【0036】
なお、本実施形態では、
・作業現場で作業する作業者160と、
・作業者160に対して遠隔から各種作業指示を行うことで、作業者160を支援する支援者170と、
が、双方向通信システム100を用いてコミュニケーションを行うケースについて説明する。このため、上述したように、本実施形態において双方向通信システム100を構成するクライアント端末には、作業者160が用いる作業者端末120と、支援者170が用いる支援者端末130とが含まれる。ただし、双方向通信システム100を構成するクライアント端末は、作業者端末120と支援者端末130との組み合わせに限定されない。
【0037】
サーバ装置110は、ネットワーク140を介してクラウドサービス(双方向通信サービス)を提供する装置である。具体的には、サーバ装置110には、双方向通信プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、サーバ装置110は、双方向通信部111、データ管理部112として機能する。これにより、サーバ装置110は、作業者160及び支援者170に対して双方向通信サービスを提供する。
【0038】
サーバ装置110において、双方向通信部111は、作業者端末120及び支援者端末130と通信接続し、作業者端末120から受信した動画像データ及び音声データを、支援者端末130に送信する。また、双方向通信部111は、支援者端末130から受信した音声データを、作業者端末120に送信する。
【0039】
サーバ装置110において、データ管理部112は、作業者端末120と支援者端末130との間で一方向に送受信される動画像データ及び双方向に送受信される音声データを、リアルタイムに記憶する。
【0040】
また、サーバ装置110において、データ管理部112は、記憶した動画像データ及び音声データについて、品質が劣化している範囲(サーバ装置110が取得する必要がある範囲)を特定する。また、データ管理部112は、特定した範囲の動画像データ及び音声データを要求することで、作業者端末120または支援者端末130から、特定した範囲の動画像データ及び音声データを受信し、既に記憶している動画像データ及び音声データと差し替える。
【0041】
これにより、第1の実施形態に係るサーバ装置110によれば、双方向通信システム100においてサーバ装置110に記憶した動画像データ及び音声データのうち、特定した範囲の動画像データ及び音声データの品質を向上させることができる。
【0042】
作業者端末120は、例えば、作業現場において作業者160によって装着されるウェアラブル端末である。なお、本実施形態において、作業現場は、双方向通信の通信品質が劣化しやすい環境にあるとする。
【0043】
作業者端末120は、作業現場の動画像を撮影する機能、音声(例えば、作業者160の発話)を検出する機能、及び、それらを記憶する機能を有する。また、作業者端末120は、作業現場の様子を撮影した動画像データや、作業者160の発話を検出した音声データを、ネットワーク140を介して支援者170に送信する機能を有する。これにより、支援者170は、作業者160に指示するのに必要なデータを取得することができる。
【0044】
更に、作業者端末120は、支援者170からの指示(音声データ)を出力する機能、及び、データ管理部112からの要求に応じて、記憶している動画像データ及び音声データを、データ管理部112に送信する機能を有する。
【0045】
支援者端末130は、例えば、支援者170が常駐する事務所に設置され、支援者170により操作される端末である。
【0046】
支援者端末130は、作業者端末120から送信された動画像データ及び音声データを出力する機能、音声(例えば、支援者170の発話)を検出する機能、検出した音声データを記憶する機能を有する。また、支援者端末130は、支援者170の発話を検出した音声データを、ネットワーク140を介して作業者160に送信する機能を有する。これにより、作業者160は、支援者170による指示のもとで作業を行うことができる。
【0047】
更に、支援者端末130は、データ管理部112からの要求に応じて、記憶している音声データを、データ管理部112に送信する機能を有する。
【0048】
<各装置のハードウェア構成>
次に、双方向通信システム100を構成する各装置(サーバ装置110、作業者端末120、支援者端末130)のハードウェア構成について説明する。
【0049】
図2Aは、サーバ装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。図2Aに示すように、サーバ装置110は、プロセッサ201、メモリ202、補助記憶装置203、操作装置204、表示装置205、通信装置206、ドライブ装置207を有する。なお、サーバ装置110の各ハードウェアは、バス208を介して相互に接続されている。
【0050】
プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ201は、各種プログラム(例えば、双方向通信プログラム等)をメモリ202上に読み出して実行する。
【0051】
メモリ202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ201とメモリ202とは、いわゆるコンピュータ(「制御部」ともいう)を形成し、プロセッサ201が、メモリ202上に読み出した各種プログラムを実行することで、当該コンピュータは各種機能を実現する。
【0052】
補助記憶装置203は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ201によって実行される際に用いられる各種データを格納する。なお、後述するデータ記憶部470は、補助記憶装置203により実現される。
【0053】
操作装置204は、サーバ装置110の管理者が各種操作を行うための操作デバイスである。表示装置205は、サーバ装置110によりそれぞれ実行される各種処理の処理結果を表示する表示デバイスである。
【0054】
通信装置206は、ネットワーク140を介して外部装置(例えば、作業者端末120、支援者端末130)と通信を行うための通信デバイスである。
【0055】
ドライブ装置207は、記憶媒体210をセットするためのデバイスである。ここでいう記憶媒体210には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記憶する媒体が含まれる。また、記憶媒体210には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記憶する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0056】
なお、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記憶媒体210がドライブ装置207にセットされ、該記憶媒体210に記憶された各種プログラムがドライブ装置207により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、通信装置206を介してネットワーク140からダウンロードされることで、インストールされてもよい。
【0057】
一方、図2Bは、作業者端末及び支援者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。作業者端末120と支援者端末130とは、概ね同様のハードウェア構成を有しているため、ここではまとめて説明する。
【0058】
図2Bに示すように、作業者端末120及び支援者端末130は、プロセッサ221、メモリ222、補助記憶装置223、通信装置224を有する。また、作業者端末120は、GPS(Global Positioning System)装置225、加速度センサ226、撮像装置229を有する。また、作業者端末120及び支援者端末130は、音声入力装置227、音声出力装置228、操作装置230を有する。更に、支援者端末130は、表示装置231、ドライブ装置232を有する。なお、作業者端末120及び支援者端末130それぞれを構成する各ハードウェアは、バス233を介して相互に接続される。
【0059】
プロセッサ221は、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ221は、各種プログラム(例えば、後述するクライアントプログラム等)をメモリ222上に読み出して実行する。
【0060】
メモリ222は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ221とメモリ222とは、いわゆるコンピュータ(「制御部」ともいう)を形成し、プロセッサ221が、メモリ222上に読み出した各種プログラムを実行することで、当該コンピュータは各種機能を実現する。
【0061】
補助記憶装置223は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ221によって実行される際に用いられる各種情報を格納する。なお、後述するデータ記憶部690は、補助記憶装置223により実現される。
【0062】
通信装置224は、サーバ装置110との間で各種データ(例えば、動画像データ、音声データ等)を送受信するための通信デバイスである。GPS装置225は、作業者端末120の位置を検出し、位置データを出力する。加速度センサ226は、作業者端末120を装着する作業者160の動作を検出し、加速度データを出力する。
【0063】
音声入力装置227は、作業者160及び支援者170の音声や、作業現場における周囲の音、事務所における周囲の音等を検出し、音声データを出力する。
【0064】
音声出力装置228は、例えば、サーバ装置110から受信した各種データを、作業者端末120を装着した作業者160または支援者端末130を操作する支援者170に音声出力するデバイスである。
【0065】
撮像装置229は、作業者端末120を装着した作業者160の周囲(作業現場)の様子を撮影し、動画像データを生成する。
【0066】
操作装置230は、作業者端末120の電源ON/OFFスイッチ等、作業者160の作業者端末120に対する簡易操作を受け付ける。あるいは、操作装置230は、支援者端末130に対する支援者170の各種操作を受け付ける。
【0067】
表示装置231は、サーバ装置110から受信した動画像データを、支援者端末130の支援者170に表示するデバイスである。
【0068】
ドライブ装置232は、記憶媒体240をセットするためのデバイスである。ここでいう記憶媒体240は、上述した記憶媒体210と同様である。
【0069】
なお、支援者端末130の場合、補助記憶装置223にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記憶媒体240がドライブ装置232にセットされ、ドライブ装置232により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置223にインストールされる各種プログラムは、通信装置224を介してネットワーク140からダウンロードされることで、インストールされてもよい。
【0070】
<サーバ装置の双方向通信部の機能構成の詳細>
次に、サーバ装置110の双方向通信部111の機能構成の詳細について説明する。図3は、サーバ装置の双方向通信部の機能構成の一例を示す図である。図3に示すように、双方向通信部111は、双方向通信制御部310、リアルタイムデータ格納部320、通信品質検査部330、検査結果通知部340を有する。
【0071】
双方向通信制御部310は、作業者端末120と支援者端末130との間の双方向通信を制御する。具体的には、双方向通信制御部310は、作業者端末120より送信された動画像データ及び音声データを、リアルタイムデータとして受信し、支援者端末130に送信する。また、双方向通信制御部310は、支援者端末130より送信された音声データを、リアルタイムデータとして受信し、作業者端末120に送信する。
【0072】
リアルタイムデータ格納部320は、双方向通信制御部310が送受信するリアルタイムデータを、データ管理部112に通知する。
【0073】
通信品質検査部330は、双方向通信制御部310が制御する双方向通信の通信品質を、通信品質に関する情報を用いて検査する。具体的には、通信品質検査部330は、作業者端末120または支援者端末130との通信が切断した場合に、これを検知し、検査結果通知部340に通知する。また、通信品質検査部330は、作業者端末120より送信された動画像データにおいて、一部のフレームに損失が発生した場合に、これを検知し、検査結果通知部340に通知する。
【0074】
例えば、双方向通信制御部310がWebRTC(Real Time Communication)などの規格のもとで動画像データ及び音声データを送受信する場合にあっては、通信品質検査部330は、
・Generic Nack、
・PLI(Picture Loss Indication)、
の発生頻度(通信品質に関する情報)をロギングすることで、通信切断やフレーム損失を検知する。
【0075】
検査結果通知部340は、通信品質検査部330より通知された通信切断、または、フレーム損失を、通信品質情報としてデータ管理部112に通知する。
【0076】
<サーバ装置のデータ管理部の機能構成の詳細>
次に、サーバ装置110のデータ管理部112の機能構成の詳細について説明する。図4は、サーバ装置のデータ管理部の機能構成の一例を示す図である。図4に示すように、データ管理部112は、リアルタイムデータ取得部410、通信品質情報取得部420、補完リクエスト部430を有する。また、データ管理部112は、動画像品質検査部441、動画像属性検査部442、音声品質検査部443、音声属性検査部444、補完データ受信部451、補完部452、データ制御部460を有する。
【0077】
リアルタイムデータ取得部410は、サーバ装置110より通知されたリアルタイムデータを取得し、データ制御部460に通知する。なお、データ制御部460に通知されたリアルタイムデータに含まれる動画像データ(第2の画像データの一例)及び音声データ(第2の音声データの一例)は、データ記憶部470(第2の記憶部の一例)に記憶される。
【0078】
通信品質情報取得部420は、双方向通信部111より通知された通信品質情報を補完リクエスト部430に通知する。
【0079】
動画像品質検査部441は、データ記憶部470に記憶されたリアルタイムデータのうち、データ制御部460により読み出された動画像データについて、動画像データ品質に関する情報に基づいてデータ品質を検査する。また、動画像品質検査部441は、データ品質の検査結果を補完リクエスト部430に通知する。
【0080】
動画像属性検査部442は、データ記憶部470に記憶されたリアルタイムデータのうち、データ制御部460により読み出された動画像データであって、所定の条件を満たす動画像データについて属性を検査し、検査結果を補完リクエスト部430に通知する。なお、ここでいう所定の条件を満たす動画像データとは、後述する補完リクエスト部430により特定された補完範囲候補に含まれる動画像データを指す。
【0081】
音声品質検査部443は、データ記憶部470に記憶されたリアルタイムデータのうち、データ制御部460により読み出された音声データについて、音声データ品質に関する情報に基づいてデータ品質を検査する。また、音声品質検査部443は、データ品質の検査結果を補完リクエスト部430に通知する。
【0082】
音声属性検査部444は、データ記憶部470に記憶されたリアルタイムデータのうち、データ制御部460により読み出された音声データであって、所定の条件を満たす音声データについて属性を検査し、検査結果を補完リクエスト部430に通知する。なお、ここでいう所定の条件を満たす音声データとは、後述する補完リクエスト部430により特定された補完範囲候補に含まれる音声データを指す。
【0083】
補完リクエスト部430は、作業者端末120または支援者端末130に補完リクエストを送信する。補完リクエストには、補完リクエスト部430により特定された補完範囲(データ管理部112が取得する必要がある範囲)が含まれる。
【0084】
具体的には、補完リクエスト部430は、通信品質情報取得部420より通知された通信品質情報から、通信切断された時間範囲、または、フレーム損失が発生した時間範囲を抽出する。また、補完リクエスト部430は、抽出した時間範囲を、動画像データ及び音声データを補完する補完範囲候補として特定する。
【0085】
また、補完リクエスト部430は、動画像品質検査部441より通知された検査結果から、動画像データ品質が劣化した時間範囲を抽出し、抽出した時間範囲を、動画像データを補完する補完範囲候補として特定する。
【0086】
また、補完リクエスト部430は、動画像属性検査部442より通知された検査結果に基づいて、動画像データを補完する補完範囲から除外すべき時間範囲(非補完範囲)を特定する。
【0087】
また、補完リクエスト部430は、音声品質検査部443より通知された検査結果から、音声データ品質が劣化した時間範囲を抽出し、抽出した時間範囲を、音声データを補完する補完範囲候補として特定する。
【0088】
また、補完リクエスト部430は、音声属性検査部444より通知された検査結果に基づいて、音声データを補完する補完範囲から除外すべき時間範囲(非補完範囲)を特定する。
【0089】
また、補完リクエスト部430は、動画像データを補完する補完範囲候補から、動画像データの非補完範囲を除外することで絞り込んだ時間範囲を、動画像データを補完する補完範囲として特定する。
【0090】
また、補完リクエスト部430は、音声データを補完する補完範囲候補から、音声データの非補完範囲を除外することで絞り込んだ時間範囲を、音声データを補完する補完範囲として特定する。
【0091】
更に、補完リクエスト部430は、動画像データの補完範囲と、音声データの補完範囲とを含む補完リクエストを生成し、作業者端末120または支援者端末130に送信する。これにより、データ管理部112が取得する必要がある範囲を、作業者端末120または支援者端末130に要求することができる。
【0092】
補完データ受信部451は、補完リクエストを送信したことに応じて、作業者端末120または支援者端末130から受信した補完データ(動画像データ、音声データ)を、補完部452に通知する。
【0093】
補完部452は、データ記憶部470に記憶されたリアルタイムデータのうち、データ制御部460により読み出された動画像データの対応する時間範囲を、補完データ受信部451より通知された補完データ(動画像データ)を用いて差し替える。また、補完部452は、データ記憶部470に記憶されたリアルタイムデータのうち、データ制御部460により読み出された音声データの対応する時間範囲を、補完データ受信部451より通知された補完データ(音声データ)を用いて差し替える。
【0094】
更に、補完部452は、補完データにより差し替えられた差し替え後の動画像データ及び音声データをデータ制御部460に通知する。これにより、データ制御部460では、データ記憶部470に記憶されたリアルタイムデータを、差し替え後のリアルタイムデータを用いて更新することができる。
【0095】
<補完範囲候補及び非補完範囲の一覧>
次に、データ管理部112の各機能部(通信品質情報取得部420、動画像品質検査部441、音声品質検査部443)の検査結果に基づいて特定される補完範囲候補について説明する。また、データ管理部112の各機能部(動画像属性検査部442、音声属性検査部444)の検査結果に基づいて、特定される補完範囲から除外すべき非補完範囲について説明する。
【0096】
図5は、データ管理部の各機能部により特定される補完範囲候補及び非補完範囲の一覧を示す図である。
【0097】
図5に示すように、通信品質情報取得部420では、通信切断が検知された時間範囲、または、フレーム損失が検知された時間範囲を、動画像データ及び音声データを補完する補完範囲候補として特定する。
【0098】
また、図5に示すように、動画像品質検査部441では、フレームレート(データ品質に関する情報)が所定の閾値以下の時間範囲を、動画像データを補完する補完範囲候補として特定する。具体的には、動画像品質検査部441では、単位時間あたりのフレーム数をカウントすることで、フレームレートが所定の閾値以下の時間範囲を特定する。なお、フレームレートは、例えば、作業者端末120とサーバ装置110との間に通信トラフィックが発生した場合に低下する。一方で、作業者端末120には、対応する時間範囲において、フレームレートが低下していない動画像データが格納されている。このため、フレームレートが所定の閾値以下の動画像データは、補完することができる。
【0099】
また、図5に示すように、動画像属性検査部442では、ブラックアウトが発生している時間範囲、または、フレーム間変化が所定の閾値以下の時間範囲を、動画像データを補完する補完範囲から除外すべき非補完範囲として特定する。具体的には、動画像属性検査部442では、動画像データを1フレームずつ検査することでブラックアウトが発生しているか否かを判定する。また、動画像属性検査部442では、動画像データを1フレームずつ直前フレームとの差分を算出することで、フレーム間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定する。
【0100】
なお、ブラックアウトは、作業者端末120において発生する事象であるため、対応する時間範囲において、ブラックアウトが発生していない動画像データは、作業者端末120にも格納されていない。このため、ブラックアウトが発生している時間範囲は、補完範囲から除外する。また、フレーム間変化が所定の閾値以下とは、作業者160が静止している状態であり、動画像データとして重要ではない。このため、フレーム間変化が所定の閾値以下の時間範囲は、補完範囲から除外する。
【0101】
また、図5に示すように、音声品質検査部443では、音声ビットレート(データ品質に関する情報)が所定の閾値以下の時間範囲を、音声データを補完する補完範囲候補として特定する。具体的には、音声品質検査部443では、単位時間あたりの音声ビット数をカウントすることで、音声ビットレートが所定の閾値以下の時間範囲を特定する。なお、音声ビットレートは、例えば、通信トラフィックが発生した場合に低下する。一方で、作業者端末120には、対応する時間範囲において、音声ビットレートが低下していない音声データが格納されている。このため、音声ビットレートが所定の閾値以下の音声データは、補完することができる。
【0102】
また、図5に示すように、音声属性検査部444では、音声の信号強度が所定の閾値以下である時間範囲を、音声データを補完する補完範囲から除外すべき非補完範囲として特定する。音声の信号強度が所定の閾値以下とは、作業者160が発話していない状態であり、音声データとして重要ではない。このため、音声の信号強度が所定の閾値以下である時間範囲は、補完範囲から除外する。
【0103】
<作業者端末の機能構成>
次に、作業者端末120の機能構成について説明する。図6は、作業者端末の機能構成の一例を示す図である。上述したように、作業者端末120には、クライアントプログラムがインストールされている。そして、作業者端末120は、当該プログラムが実行されることで、動画像データ取得部611、音声データ取得部612、音声データ出力部613として機能する。また、作業者端末120は、当該プログラムが実行されることで、データ制御部630、通信制御部640、通信品質検査部650、補完範囲補正部680として機能する。更に、作業者端末120は、当該プログラムが実行されることで、加速度データ取得部661、GPSデータ取得部662、電波強度データ取得部663、属性検査部670として機能する。
【0104】
動画像データ取得部611は、撮像装置229により撮影された動画像データを取得し、データ制御部630に通知する。
【0105】
音声データ取得部612は、音声入力装置227により検出された音声データを取得し、データ制御部630に通知する。
【0106】
音声データ出力部613は、データ制御部630より通知された音声データを、音声出力装置228を介して作業者160に出力する。
【0107】
データ制御部630は、動画像データ取得部611より通知された動画像データ及び音声データ取得部612より通知された音声データを、リアルタイムデータとして、通信制御部640に通知する。また、データ制御部630は、動画像データ取得部611より通知された動画像データ(第1の画像データの一例)及び音声データ取得部612より通知された音声データ(第1の音声データの一例)を、データ記憶部690(第1の記憶部の一例)に記憶する。
【0108】
また、データ制御部630は、通信制御部640より通知された音声データを、音声データ出力部613に通知する。
【0109】
更に、データ制御部630は、データ記憶部690に記憶した動画像データ及び音声データのうち、補完範囲補正部680より通知された補正後の補完範囲の動画像データ、音声データを読み出し、補完データとして、通信制御部640に通知する。
【0110】
通信制御部640は、データ制御部630より通知されたリアルタイムデータ(動画像データ、音声データ)を、サーバ装置110に送信するとともに、サーバ装置110から送信されたリアルタイムデータ(音声データ)を受信する。
【0111】
また、通信制御部640は、サーバ装置110より送信された補完リクエストを受信し、補完範囲補正部680に通知する。
【0112】
通信品質検査部650は、通信制御部640が送受信するリアルタイムデータの通信品質を検査する。具体的には、通信品質検査部650は、サーバ装置110との通信が切断した場合に、これを検知し、補完範囲候補として補完範囲補正部680に通知する。また、通信品質検査部650は、リアルタイムデータに含まれる動画像データにおいて、フレーム損失が発生した場合に、これを検知し、補完範囲候補として補完範囲補正部680に通知する。なお、通信品質検査部650による通信切断の検知方法は、例えば、サーバ装置110の通信品質検査部330と同様の検知方法が用いられるものとする。また、通信品質検査部650によるフレーム損失の検知は、例えば、
・RTCInboundRTPStreamStats.fractionLost
等の統計情報を算出するAPI(Application Programming Interface)を用いて行われるものとする。
【0113】
加速度データ取得部661は、加速度センサ226により測定された加速度データ(作業者端末120に付属するセンサのセンサ情報の一例)を取得し、属性検査部670に通知する。
【0114】
GPSデータ取得部662は、GPS装置225により測定された作業者端末120の位置データ(作業者端末120に付属するセンサのセンサ情報の一例)を取得し、属性検査部670に通知する。
【0115】
電波強度データ取得部663は、通信装置224により測定された電波強度データを取得し、属性検査部670に通知する。
【0116】
属性検査部670は、作業者端末120に付属するセンサのセンサ情報を用いて品質検査または属性検査を行う。具体的には、属性検査部670は、加速度データ取得部661より通知された加速度データに基づいて、作業者160が静止しているか動いているかを判定し、静止していると判定した場合には、その時間範囲を、非補完範囲として特定する。作業者160が静止している状態は、動画像データとして重要ではないからである。
【0117】
また、属性検査部670は、GPSデータ取得部662より通知された位置データに基づいて、作業者160が所定の領域にいるか否かを判定し、所定の領域にいると判定した場合には、その時間範囲を、非補完範囲として特定する。例えば、作業者160が作業現場への移動中であった場合(作業現場以外の領域にいる場合)、その時間範囲に撮影された動画像データは重要ではないからである。
【0118】
また、属性検査部670は、電波強度データ取得部663より通知された電波強度データに基づいて、通信環境(通信品質)が劣化したか否かを判定し、通信環境が劣化したと判定した場合には、その時間範囲を、補完範囲候補として特定する。
【0119】
補完範囲補正部680は、通信制御部640より通知された補完リクエストに含まれる補完範囲を、通信品質検査部650より通知された補完範囲候補と、属性検査部670により特定された非補完範囲または補完範囲候補とを用いて補正する。これにより、補完範囲補正部680は、補正後の補完範囲を特定し、特定した補正後の補完範囲をデータ制御部630に通知する。
【0120】
<補完範囲候補及び非補完範囲の一覧>
次に、作業者端末120の通信品質検査部650の検査結果に基づいて特定される補完範囲候補と、属性検査部670の検査結果に基づいて特定される、補完範囲から除外すべき非補完範囲及び補完範囲候補とについて説明する。
【0121】
図7は、作業者端末の各機能部により特定される補完範囲候補及び非補完範囲の一覧を示す図である。
【0122】
図7の補完範囲候補及び非補完範囲の一覧700に示すように、通信品質検査部650では、通信切断またはフレーム損失が検知された時間範囲を、動画像データ及び音声データを補完する補完範囲候補として特定する。
【0123】
また、図7の補完範囲候補及び非補完範囲の一覧700に示すように、属性検査部670では、加速度データの信号強度が所定の閾値以下の時間範囲を、動画像データを補完する補完範囲から除外すべき非補完範囲として特定する。
【0124】
また、図7の補完範囲候補及び非補完範囲の一覧700に示すように、属性検査部670では、GPSデータにより特定される位置が所定の領域内にある時間範囲を、動画像データを補完する補完範囲から除外すべき非補完範囲として特定する。
【0125】
また、図7の補完範囲候補及び非補完範囲の一覧700に示すように、属性検査部670では、通信装置224により測定される電波強度が所定の閾値以下となる時間範囲を、動画像データを補完する補完範囲候補として特定する。
【0126】
<双方向通信システムにおける処理の流れ>
次に、双方向通信システム100における処理の流れについて説明する。図8は、双方向通信システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【0127】
ステップS801において、作業者端末120は、支援者端末130との双方向通信を開始し、動画像データ及び音声データの取得及び記憶を開始する。
【0128】
ステップS802において、作業者端末120は、取得した動画像データ及び音声データを、リアルタイムデータとして、サーバ装置110に送信するとともに、サーバ装置110より、音声データを、リアルタイムデータとして受信する。
【0129】
同様に、ステップS831において、支援者端末130は、作業者端末120との双方向通信を開始し、音声データの取得及び記憶を開始する。
【0130】
ステップS832において、支援者端末130は、取得した音声データを、リアルタイムデータとして、サーバ装置110に送信するとともに、サーバ装置110より、動画像データ及び音声データを、リアルタイムデータとして受信する。
【0131】
ステップS811において、サーバ装置110の双方向通信部111は、受信したリアルタイムデータを、作業者端末120または支援者端末130に送信するとともに、データ管理部112に通知する。
【0132】
ステップS821において、データ管理部112は、双方向通信部111において送受信されたリアルタイムデータを記憶する。
【0133】
ステップS812において、双方向通信部111は、作業者端末120と支援者端末130との間の双方向通信の通信品質を検査する。
【0134】
ステップS813において、双方向通信部111は、作業者端末120または支援者端末130との通信が切断したか否か、または、作業者端末120より受信した動画像データにおいて、フレーム損失が発生したか否かを判定する。
【0135】
ステップS813において、通信が切断したと判定した場合、または、フレーム損失が発生したと判定した場合には(ステップS813においてYESの場合には)、ステップS814に進む。
【0136】
ステップS814において、双方向通信部111は、通信が切断したこと、または、フレーム損失が発生したことを、通信品質情報としてデータ管理部112に通知する。
【0137】
一方、通信が切断したと判定されず、かつ、フレーム損失が発生したと判定されなかった場合には(ステップS813においてNOの場合には)、通信品質情報は通知されない。
【0138】
ステップS822において、データ管理部112は、補完リクエスト処理を行う。なお、補完リクエスト処理の詳細は、後述する。
【0139】
ステップS823において、データ管理部112は、補完リクエスト処理の結果に基づいて、補完リクエストを送信するか否かを判定する。ステップS823において、補完リクエストを送信すると判定した場合には(ステップS823においてYESの場合には)、ステップS824に進む。
【0140】
ステップS824において、データ管理部112は、特定した補完範囲を含む補完リクエストを、作業者端末120に送信する。
【0141】
ステップS803において、作業者端末120は、データ管理部112から受信した補完リクエストに基づいて、補完範囲を補正する補完範囲補正処理を行う。なお、補完範囲補正処理の詳細は、後述する。
【0142】
ステップS804において、作業者端末120は、補完範囲補正処理において補正された補正後の補完範囲の動画像データ及び音声データを、補完データとして、データ管理部112に送信する。
【0143】
ステップS825において、データ管理部112は、記憶されたリアルタイムデータのうち、補正後の補完範囲に対応する時間範囲を、補完データに差し替えることで、リアルタイムデータを更新する。
【0144】
<補完範囲補正処理の詳細>
次に、補完範囲補正処理(ステップS803)の詳細について説明する。図9は、補完範囲補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0145】
ステップS901において、作業者端末120は、通信切断またはフレーム損失が検知されたか否かを判定する。
【0146】
ステップS901において、通信切断またはフレーム損失が検知されたと判定した場合には(ステップS901においてYESの場合には)、ステップS902に進む。
【0147】
ステップS902において、作業者端末120は、検知された時間範囲を補完範囲候補として特定し、ステップS903に進む。
【0148】
一方、ステップS901において、通信切断またはフレーム損失が検知されなかったと判定した場合には(ステップS901においてNOの場合には)、直接、ステップS903に進む。
【0149】
ステップS903において、作業者端末120は、加速度データ、位置データ、電波強度データに基づいて、補完範囲から除外すべき時間範囲または補完すべき時間範囲が検知されたか否かを判定する。
【0150】
ステップS903において、補完範囲から除外すべき時間範囲または補完すべき時間範囲が検知されなかったと判定した場合には(ステップS903においてNOの場合には)、ステップS905に進む。
【0151】
一方、ステップS903において、補完範囲から除外すべき時間範囲または補完すべき時間範囲が検知されたと判定した場合には(ステップS903においてYESの場合には)、ステップS904に進む。
【0152】
ステップS904において、作業者端末120は、補完範囲から除外すべき時間範囲を、非補完範囲として特定する。また、作業者端末120は、補完すべき時間範囲を補完範囲候補として特定する。
【0153】
ステップS905において、作業者端末120は、サーバ装置110から補完リクエストを受信したか否かを判定する。ステップS905において、補完リクエストを受信したと判定した場合には(ステップS905においてYESの場合には)、ステップS906に進む。
【0154】
ステップS906において、作業者端末120は、補完リクエストに含まれる補完範囲を、ステップS902において特定した補完範囲候補と、ステップS904において特定した非補完範囲及び補完範囲候補とを用いて補正し、補完範囲補正処理を終了する。
【0155】
一方、ステップS905において、補完リクエストを受信していないと判定した場合には(ステップS905においてNOの場合には)、補完範囲補正処理を終了する。
【0156】
<補完リクエスト処理の詳細>
次に、補完リクエスト処理(ステップS822)の詳細について説明する。図10は、補完リクエスト処理の流れを示すフローチャートである。
【0157】
ステップS1001において、データ管理部112は、双方向通信部111より通信品質情報を取得したか否かを判定する。ステップS1001において、通信品質情報を取得したと判定した場合には(ステップS1001においてYESの場合には)、ステップS1002に進む。
【0158】
ステップS1002において、データ管理部112は、通信品質情報に基づいて補完範囲候補を特定し、ステップS1003に進む。
【0159】
一方、ステップS1001において、通信品質情報を取得していないと判定した場合には(ステップS1001においてNOの場合には)、直接、ステップS1003に進む。
【0160】
ステップS1003において、データ管理部112は、リアルタイムデータについて、動画像データ及び音声データのデータ品質を検査し、データ品質が劣化した時間範囲があるか否かを判定する。ステップS1003において、データ品質が劣化した時間範囲があると判定した場合には(ステップS1003にYESの場合には)、ステップS1004に進む。
【0161】
ステップS1004において、データ管理部112は、データ品質が劣化した時間範囲を、補完範囲候補として特定し、ステップS1005に進む。
【0162】
一方、ステップS1003において、データ品質が劣化した時間範囲がないと判定した場合には、直接、ステップS1005に進む。
【0163】
ステップS1005において、データ管理部112は、リアルタイムデータのうち、所定の条件を満たす動画像データ及び音声データについて属性を検査し、補完範囲から除外すべき時間範囲が検知されたか否かを判定する。ステップS1005において、補完範囲から除外すべき時間範囲が検知されたと判定した場合には(ステップS1005においてYESの場合には)、ステップS1006に進む。
【0164】
ステップS1006において、データ管理部112は、補完範囲から除外すべき時間範囲を、非補完範囲として特定し、ステップS1007に進む。
【0165】
一方、ステップS1005において、データ管理部112は、補完範囲から除外すべき時間範囲が検知されなかったと判定した場合には(ステップS1005においてNOの場合には)、直接、ステップS1007に進む。
【0166】
ステップS1007において、データ管理部112は、ステップS1002において特定した補完範囲候補、ステップS1004において特定した補完範囲候補、ステップS1006において特定した非補完範囲に基づいて、補完範囲を特定する。
【0167】
ステップS1008において、データ管理部112は、特定した補完範囲を含む補完リクエストを生成し、補完リクエスト処理を終了する。
【0168】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、クライアント端末(作業者端末120、支援者端末130)と、サーバ装置110とを有する双方向通信システム100において、
・作業者端末120は、取得した動画像データまたは音声データを、サーバ装置110にリアルタイムに送信する。
・作業者端末120は、取得した動画像データまたは音声データを、データ記憶部690に記憶する。
・サーバ装置110は、データ記憶部690に記憶された動画像データまたは音声データのうち、サーバ装置110が取得する必要がある補完範囲を特定する。
・サーバ装置110は、データ記憶部690に記憶された動画像データまたは音声データの送信を、作業者端末120に要求する。
【0169】
これにより、第1の実施形態によれば、動画像データ及び音声データを送受信する双方向通信システムにおいてサーバ装置に記憶される動画像データ及び音声データの品質を向上させることができる。
【0170】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、作業者端末120の通信品質検査部650による通信品質検査の結果及び属性検査部670による属性検査の結果を、補完範囲の補正に用いるものとして説明した。しかしながら、作業者端末120による通信品質検査の結果及び属性検査の結果は、例えば、補完データを送信するか否かの判定に用いてもよい。
【0171】
また、補完データを送信するか否かの判定に用いた場合であって、補完データを送信しないと判定した場合にあっては、補完リクエストを受信した場合であっても、補完データをサーバ装置110に送信しないように構成してもよい。
【0172】
あるいは、補完データを送信するか否かの判定に用いた場合にあっては、補完データを送信するか否かの判定結果を作業者160に出力し、作業者160が送信指示を入力した場合に、補完データをサーバ装置110に送信するように構成してもよい。
【0173】
この場合、サーバ装置110に送信する補完データは、補正後の補完範囲であっても、補正前の補完範囲であってもよい。
【0174】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、データ管理部112が、補完リクエストを作業者端末120に送信する場合について説明した。しかしながら、補完リクエストの送信先は、作業者端末120に限定されず、支援者端末130に送信してもよい。
【0175】
また、上記第1の実施形態では、データ管理部112の動画像品質検査部441~音声属性検査部444が、予め定められた検査を行うものとして説明した。しかしながら、データ管理部112の動画像品質検査部441~音声属性検査部444は、例えば、クライアント端末(作業者端末120、支援者端末130)から送信される判定パラメータに応じた検査を行うように構成してもよい。
【0176】
また、上記第1の実施形態では、サーバ装置110と、クライアント端末(作業者端末120、支援者端末130)との間の時刻同期処理について言及しなかった。しかしながら、サーバ装置110と、クライアント端末(作業者端末120、支援者端末130)とは、所定周期ごとに時刻同期処理を行うように構成してもよい。具体的には、WebSocketなどの常時接続サービスを用いて、所定周期ごとに時刻同期処理を行うように構成してもよい。
【0177】
また、上記第1の実施形態では、データ制御部630が、動画像データ及び音声データを通信制御部640に通知する処理及びデータ記憶部690に記憶する処理の詳細について言及しなかった。しかしながら、データ制御部630は、例えば、動画像データ及び音声データを通信制御部640に通知する際、及び、データ記憶部690に記憶する際、タイムスタンプを付すように構成してもよい。
【0178】
また、上記第1の実施形態では、クライアント端末のうち、作業者端末120の機能構成についてのみ説明したが、支援者端末130も、作業者端末120と同様の機能構成を有する。
【0179】
また、上記第1の実施形態では、作業者に装着するウェアラブル端末を用いる場合について説明したが、ウェアラブル端末に代えて、作業者が携帯する携帯端末を用いてもよい。
【0180】
また、上記第1の実施形態では、クライアント端末が、作業者端末120と支援者端末130との組み合わせである場合について説明したが、クライアント端末は、Webミーティング等に用いられる複数のWeb端末の組み合わせであってもよい。
【0181】
また、上記第1の実施形態では、クライアント端末による双方向通信の間に、サーバ装置110からの要求に応じて、クライアント端末が、特定した範囲の動画像データまたは音声データをサーバ装置110に送信する構成について説明した。しかしながら、クライアント端末がサーバ装置110に送信するタイミングはこれに限定されず、例えば、クライアント端末による双方向通信が完了した後に、サーバ装置110に送信するように構成してもよい。また、クライアント端末による双方向通信が完了した後に送信する場合にあっては、送信する範囲は特定した範囲に限定されず、クライアント端末は、記憶している全ての動画像データまたは音声データを送信するように構成してもよい。更に、クライアント端末は、サーバ装置110からの要求の有無に関わらず、送信するように構成してもよい。
【0182】
また、上記第1の実施形態では、サーバ装置110が、単体で双方向通信プログラムを実行するものとして説明した。しかしながら、サーバ装置110が、例えば、複数台のコンピュータ(制御部)により構成されている場合にあっては、複数台のコンピュータ(制御部)それぞれに双方向通信プログラムをインストールし、分散コンピューティングの形態で実行されてもよい。
【0183】
また、上記第1の実施形態では、クライアントプログラムのインストール方法の一例として、ネットワークを介してダウンロードしてインストールする方法について言及した。このとき、ダウンロード元については特に言及しなかったが、かかる方法によりインストールする場合、ダウンロード元は、例えば、クライアントプログラムをアクセス可能に格納したサーバ装置であってもよい。また、当該サーバ装置は、ネットワークを介してクライアント端末(作業者端末120、支援者端末130)からのアクセスを受け付け、課金を条件にクライアントプログラムをダウンロードするクラウド上の装置であってもよい。つまり、当該サーバ装置は、クライアントプログラムの提供サービスを行うクラウド上の装置であってもよい。
【0184】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0185】
100 :双方向通信システム
110 :サーバ装置
111 :双方向通信部
112 :データ管理部
120 :作業者端末
130 :支援者端末
310 :双方向通信制御部
320 :リアルタイムデータ格納部
330 :通信品質検査部
340 :検査結果通知部
410 :リアルタイムデータ取得部
420 :通信品質情報取得部
430 :補完リクエスト部
441 :動画像品質検査部
442 :動画像属性検査部
443 :音声品質検査部
444 :音声属性検査部
451 :補完データ受信部
452 :補完部
460 :データ制御部
611 :動画像データ取得部
612 ;音声データ取得部
613 :音声データ出力部
630 :データ制御部
640 :通信制御部
650 :通信品質検査部
661 :加速度データ取得部
662 :GPSデータ取得部
663 :電波強度データ取得部
670 :属性検査部
680 :補完範囲補正部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10