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特開2023-168918処理システム、端末装置、処理方法、及び処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168918
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】処理システム、端末装置、処理方法、及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231121BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 E
B41J29/38 301
G06F3/12 307
G06F3/12 359
G06F3/12 334
G06F3/12 358
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080304
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】松田 力
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HN02
2C061HN05
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV14
2C061HV35
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC42
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF14
5C062AF15
5C062BC06
5C062BD09
(57)【要約】
【課題】ジョブ処理の失敗に係る要因の特定が容易であって、ユーザに対する負担を生じさせることなく、ジョブ処理の失敗の解決を図ることが可能な処理システム等を提供する。
【解決手段】端末装置から処理装置に対してジョブを出力するジョブ出力部と、前記処理装置において前記ジョブを処理する処理部と、前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を前記端末装置に表示する第1の表示部と、前記手順に対応する設定画面を前記処理装置に表示する第2の表示部と、を備えた処理システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から処理装置に対してジョブを出力するジョブ出力部と、
前記処理装置において前記ジョブを処理する処理部と、
前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を前記端末装置に表示する第1の表示部と、
前記手順に対応する設定画面を前記処理装置に表示する第2の表示部と、
を備えることを特徴とする処理システム。
【請求項2】
前記処理装置は、
前記ジョブの処理に係るエラー情報を前記通知として出力し、
前記第1の表示部は、
取得した前記エラー情報に対応した前記手順を表示することを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記処理装置を検知する検出部を備え、
前記第2の表示部は、
前記処理装置が所定の距離範囲内で検出されない場合、前記設定画面の表示を制限することを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項4】
前記処理装置は、
前記手順を提供し、提供した前記手順をWebブラウザに表示させるWebアプリケーションを含むことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項5】
処理装置に対してジョブを出力可能な制御部と、
前記処理装置における前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を表示する表示部とを備え、
前記制御部は、
前記手順に対応する設定画面の表示指示を前記処理装置に対して出力することを特徴とする端末装置。
【請求項6】
端末装置から処理装置に対してジョブを出力し、
前記処理装置において前記ジョブを処理し、
前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を前記端末装置に表示し、
前記手順に対応する設定画面を前記処理装置に表示する
ことを特徴とする処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
端末装置から処理装置に対してジョブを出力する出力機能と、
前記処理装置において前記ジョブを処理する処理機能と、
前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を前記端末装置に表示する第1の表示機能と、
前記手順に対応する設定画面を前記処理装置に表示する第2の表示機能と、
を実現させることを特徴とする処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置により制御された画像処理装置には、当該端末装置から出力されたジョブを処理することができるものがある。ここで、画像処理装置でのジョブ処理に必要な設定が正しく行われておらず、当該ジョブ処理が失敗した場合、従来技術では、例えば、「利用失敗しました。〇〇の設定を見直してください。」といったメッセージが表示される程度で、当該ジョブ処理の失敗を解決するための具体的な解決手段を得ることはできなかった。
【0003】
このような状況を鑑みて、例えば、特許文献1には、MFP(Multifunction peripheral/printer)の操作画面に表示された現在の設定内容と、携帯端末で予め保持しているMFPの設定内容とに基づいて、MFPの設定に関して見直すべき項目、設定が必要な項目等の情報を診断し、診断結果を携帯端末の操作画面に表示する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-86374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、例えば、印刷といったジョブ処理が失敗した原因を特定可能であるものの、当該ジョブ処理の失敗を直接的に解決できるものではない。また、装置の高機能化に伴い、画像処理装置はより複雑なジョブの設定が可能となっている。ジョブの設定を受付ける操作画面は限られた表示領域を有効的に利用するため階層構造として構成される場合が多く、ジョブ処理の失敗が下層に位置する設定に要因がある場合、一見してジョブ処理の失敗に係る要因を特定することは困難であった。
【0006】
本開示は、ジョブ処理の失敗に係る要因の特定が容易であって、ユーザに対する負担を生じさせることなく、ジョブ処理の失敗の解決を図ることが可能な処理システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る処理システムは、端末装置から処理装置に対してジョブを出力するジョブ出力部と、前記処理装置において前記ジョブを処理する処理部と、前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を前記端末装置に表示する第1の表示部と、前記手順に対応する設定画面を前記処理装置に表示する第2の表示部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、本開示に係る端末装置は、処理装置に対してジョブを出力可能な制御部と、前記処理装置における前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を表示する表示部とを備え、前記制御部は、前記手順に対応する設定画面の表示指示を前記処理装置に対して出力することを特徴としている。
【0009】
また、本開示に係る処理方法は、端末装置から処理装置に対してジョブを出力し、前記処理装置において前記ジョブを処理し、前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を前記端末装置に表示し、前記手順に対応する設定画面を前記処理装置に表示することを特徴としている。
【0010】
また、本開示に係る処理プログラムは、コンピュータに、端末装置から処理装置に対してジョブを出力する出力機能と、前記処理装置において前記ジョブを処理する処理機能と、前記ジョブの処理に基づいた通知に基づき、通知に対応した手順を前記端末装置に表示する第1の表示機能と、前記手順に対応する設定画面を前記処理装置に表示する第2の表示機能と、を実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、ジョブ処理の失敗に係る要因の特定が容易であって、ユーザに対する負担を生じさせることなく、ジョブ処理の失敗の解決を図ることが可能な処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る処理システムの全体構成を概略的に説明する図である。
図2】第1実施形態に係る端末装置の機能構成図である。
図3】ガイダンス判定テーブルを説明する図である。
図4】第1実施形態に係る複合機の機能構成図である。
図5】エラー情報テーブルを説明する図である。
図6】第1実施形態に係る処理の流れを説明する図である。
図7】第1実施形態に係る処理の流れを説明する図である。
図8】第1実施形態に係る処理の流れを説明する図である。
図9】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図10】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図11】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図12】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図13】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図14】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図15】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
図16】第3実施形態に係る端末装置の機能構成図である。
図17】第3実施形態に係る処理の流れを説明する図である。
図18】第4実施形態に係る複合機の機能構成図である。
図19】第4実施形態に係る処理の流れを説明する図である。
図20】第4実施形態に係る処理の流れを説明する図である。
図21】第4実施形態に係る動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。本開示では、コピー、スキャン、ファクス、E-mail送信等の各動作モードにおいてジョブを処理可能な複合機50を処理装置の一構成例として説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的範囲が以下の記述に限定されるものではない。
【0014】
[1 第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る処理システム100の全体構成を概略的に説明する図である。処理システム100は、端末装置10と、複合機50とを含む。
【0015】
端末装置10は、複合機50と通信可能に接続されている。端末装置10は、複合機50に対してジョブを出力するとともに、当該複合機50から通知としてのエラー情報を取得することが可能となるように構成されている。
【0016】
ここで、本開示に係るエラー情報とは、複合機50によるジョブ処理が失敗した場合に、当該失敗の要因となった誤り、事象に関する情報を意図する。本開示に係る複合機50は、エラー情報を記憶し、当該エラー情報の一部分又は全てを符号化した文字、数字等をエラーコードとして端末装置10に出力することができる。
【0017】
[1.1 機能構成]
[1.1.1 端末装置10について]
本開示に係る端末装置10は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ノートパソコン等の所謂、モバイル端末装置として構成することができる。端末装置10は、少なくとも、(グラフィカル)ユーザインタフェースを提供する機能と、通信のための機能と、モバイル端末装置特有の機能とを兼ね備えた装置として構成される。
【0018】
図2は、端末装置10の機能構成図である。端末装置10は、制御部11と、第1の表示部としての表示部13と、操作入力部15と、通信部17と、近距離無線通信部19と、記憶部21とを備える。
【0019】
制御部11は、端末装置10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部21に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0020】
表示部13は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等により構成することができる。
【0021】
操作入力部15は、ユーザ等からの情報の入力を受付ける。操作入力部15は、表示部13を介しての入力が可能なタッチパネルディスプレイとして構成することができる。この場合、タッチパネルディスプレイへの入力方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等を採用することができる。
【0022】
通信部17は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、電話回線等のネットワーク(NW)を介して複合機50等の他装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0023】
近距離無線通信部19は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、NFC(Near Field Communication)、RFID(Radio Frequency Identification)等の近距離無線通信プロトコルが利用可能であって、複合機50等の他装置との間で通信を行うことが可能であれば、その構成に制限はない。なお、近距離無線通信部19の機能は、通信部17が担う構成とすることも可能である。
【0024】
記憶部21は、端末装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部21は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置により構成することができる。
【0025】
第1実施形態において、記憶部21は、ジョブ出力プログラム211と、表示処理プログラム213と、ガイダンス判定プログラム215と、画面表示指示プログラム217とを記憶し、ガイダンス記憶領域219を確保する。
【0026】
ジョブ出力プログラム211は、複合機50に処理させるジョブを出力する際に制御部11が読み出すプログラムである。ジョブ出力プログラム211を読み出した制御部11は、コピー、スキャン、ファクス、E-mail送信等の各動作モードでのジョブ処理に必要な設定値や命令等を受付ける。そして、制御部11は受付けた設定値や命令等を複合機50に処理させるジョブとして出力するジョブ出力部として機能する。
【0027】
表示処理プログラム213は、ジョブ処理に係る設定値や命令等を受付けるための入力画面等を表示部13に表示する際に制御部11が読み出すプログラムである。また、表示処理プログラム213を読み出した制御部11は、複合機50からエラーコードを取得した場合に、ジョブ処理の失敗を解消するための手順としてのガイダンスを表示部13に表示する。
【0028】
ガイダンス判定プログラム215は、複合機50からエラーコードを取得した場合に、ガイダンス判定テーブルを参照し、ジョブ処理の失敗を解消するためのガイダンスを判定する。
【0029】
ここで、ガイダンス判定テーブルについて図3を用いて説明する。図3はガイダンス判定テーブルのデータ構成例を説明する図である。ガイダンス判定テーブルは、エラーコードに関連付けられたガイダンスIDと、ガイダンスデータと、設定画面IDとを含む。
【0030】
エラーコードは複合機50が出力するエラーコードに対応している。エラーコードに関連付けられたガイダンスIDは、複合機50におけるジョブ処理の失敗を解消するために適したガイダンスを一意に識別すための識別子である。ガイダンスデータは、ガイダンスIDで識別されるガイダンスの実データを表す。設定画面IDは、判定したガイダンスに基づき複合機50の表示部53で表示させる設定画面を識別するための識別子である。設定画面IDで識別される設定画面は、ジョブ処理の失敗を解消し、正常にジョブを処理するための設定画面として構成することができる。
【0031】
ガイダンス判定プログラム215を読み出した制御部11は、複合機50から取得したエラーコードに基づき、ガイダンス判定テーブルを参照することで、ジョブ処理の失敗を解消するために適したガイダンスを判定することができる。そして、表示処理プログラム213を読み出した制御部11は、判定したガイダンスのガイダンスIDに対応するガイダンスデータを表示部13に表示することで、ジョブ処理の失敗を解消するために適したガイダンスをユーザに対して提示することができる。
【0032】
なお、制御部11は、ガイダンス判定テーブルの参照に代えて、反復的な学習によって生成した予測モデルにエラーコードやエラー情報等を入力することにより、最適なガイダンスを判定することも可能である。
【0033】
図2に戻り、画面表示指示プログラム217は、複合機50に対して表示させる設定画面を指示する際に制御部11が読み出すプログラムである。画面表示指示プログラム217を読み出した制御部11は、複合機50から取得したエラーコードに基づき、ガイダンス判定テーブルを参照することで、複合機50の表示部53で表示させる設定画面を判定する。そして、制御部11は判定結果に基づき、設定画面の表示指示を複合機50に対して行う。
【0034】
ガイダンス記憶領域219は、先に説明したガイダンス判定テーブルや、ガイダンスIDに対応するガイダンスデータ等を記憶する記憶領域である。
【0035】
[1.1.2 複合機50について]
図4は、複合機50の機能構成図である。複合機50は、制御部51と、第2の表示部としての表示部53と、操作入力部55と、画像形成部57と、画像読取部59と、通信部61と、近距離無線通信部63と、記憶部65とを備える。
【0036】
制御部51は、複合機50全体を制御する。制御部51は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される。制御部51は、記憶部65に記憶された各種プログラムを読み出して実行することによりその機能を実現する。
【0037】
表示部53は、各種情報をユーザ等に対して表示する。表示部53は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することができる。
【0038】
操作入力部55は、ユーザ等による情報の入力を受付ける。操作入力部55は、ハードキー(例えば、テンキー)やボタン等で構成することができる。なお、操作入力部55は、表示部53を介しての入力が可能なタッチパネルとして構成することができる。この場合、タッチパネルの入力方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった一般的な方法を用いることができる。
【0039】
画像形成部57は、イメージデータに基づき画像を記録媒体としての用紙に形成する。画像形成部57は、給紙部から用紙を給紙し、用紙上にイメージデータに基づく画像を形成した後、排紙部に排紙する。画像形成部57は、例えば、電子写真方式を利用したレーザープリンタ等により構成することができる。この場合、画像形成部57は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等)に対応した不図示のトナーカートリッジから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。
【0040】
画像読取部59は、原稿画像を走査して読み込むことにより、イメージデータを生成する。画像読取部59は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサを備えたスキャナ装置として構成することができる。画像読取部59は、原稿画像からの反射光像をイメージセンサで読み取ることで、イメージデータを生成する構成であれば、その構成に制限はない。
【0041】
通信部61は、例えば、LAN、WAN、インターネット、電話回線、ファクス回線等のネットワーク(NW)を介して端末装置10等の他装置との通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。
【0042】
近距離無線通信部63は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、NFC、RFID等の近距離無線通信プロトコルが利用可能であって、端末装置10等の他装置との間で通信を行うことが可能であれば、その構成に制限は無い。なお、近距離無線通信部63の機能は、通信部61が担う構成とすることも可能である。
【0043】
記憶部65は、複合機50の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部65は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0044】
第1実施形態において、記憶部65は、ジョブ制御プログラム651と、表示処理プログラム653と、エラー情報出力プログラム655とを記憶し、エラー情報記憶領域657を確保する。
【0045】
ジョブ制御プログラム651は、コピー、スキャン、ファクス、E-mail送信等の各動作モードでの処理をジョブ単位で制御するために、制御部51が読み出すプログラムである。ジョブ制御プログラム651を読み出した制御部51は、端末装置10から出力されたジョブを処理する処理部として機能する。
【0046】
表示処理プログラム653は、ジョブの実行に係る各種設定値、実行指示、又は終了指示等の入力を受け付ける設定画面、当該設定画面を切り替え可能に表示する基本画面(例えば、ホーム画面)、又はユーザ認証のためのログイン画面等を表示部53に表示する際に制御部51が読み込むプログラムである。また、表示処理プログラム653を読み出した制御部51は、ジョブ処理の失敗を解消し、正常にジョブを処理するための設定画面の表示指示に基づき該当する設定画面を表示部53に表示する。
【0047】
エラー情報出力プログラム655は、ジョブ処理の成否を監視する場合に制御部51が読み出すプログラムである。エラー情報出力プログラム655を読み出した制御部51は、ジョブ処理の成否を監視する。そして、当該ジョブ処理が失敗した場合、制御部11はエラー情報テーブルを参照してエラーコードを端末装置10に出力する。
【0048】
ここで、エラー情報テーブルについて図5を用いて説明する。図5はエラー情報テーブルのデータ構成例を説明する図である。エラー情報テーブルは、エラー種別、エラー内容を含むエラー情報に関連付けられたエラーコードを含む。
【0049】
ここで、エラー種別は、ジョブ処理の失敗の要因となったエラーを分類する種別を表し、エラー内容は、エラーの内容を表す。例えば、エラー種別“登録”に分類されたエラー内容“マイフォルダ未登録”のエラー情報に対しては、エラーコード“ERR-001”が割り当てられている。
【0050】
エラー情報出力プログラム655を読み出した制御部51は、ジョブ処理の失敗の要因となったエラー情報(エラー種別やエラー内容)に応じてエラーコードを特定し、特定したエラーコードを端末装置10に対して出力する。
【0051】
エラー情報記憶領域657は、エラー情報テーブルを記憶する記憶領域である。
【0052】
[1.2 処理の流れ]
[1.2.1 全体処理について]
次に、第1実施形態に係る処理の流れについて説明する。図6は、第1実施形態の全体処理を説明するシーケンス図である。
【0053】
ユーザ等からのジョブ出力アプリケーションの起動指示を受けると、端末装置10の制御部11は、ジョブ出力アプリケーションを起動する(ステップS10)。
【0054】
制御部11は、ジョブ処理に係る設定値や命令等を受付けるための不図示の入力画面を表示する。ユーザは当該入力画面を介してアプリケーションを操作する(ステップS12)。
【0055】
制御部11は、入力された設定値や命令等に基づきジョブを生成し、複合機50に出力する(ステップS14)。
【0056】
ジョブを取得した複合機50の制御部51は取得したジョブを処理する。このとき、制御部51は、ジョブ処理が成功したか否かの成否判定を行う(ステップS16)。
【0057】
制御部51は、ジョブ処理が失敗したと判定すると、当該ジョブ処理の失敗の要因となったエラー内容に対応するエラーコードを端末装置10に出力する(ステップS18)。
【0058】
エラーコードを取得した端末装置10の制御部11は、取得したエラーコードに基づきガイダンスを判定する(ステップS20)。
【0059】
そして、制御部11は、判定したガイダンスのガイダンスIDに対応するガイダンスデータを表示する(ステップS22)。
【0060】
ユーザは、表示されたガイダンスを参照・操作する(ステップS24)。また、制御部11は、ガイダンスデータの表示に併せて又はガイダンスデータの表示後、複合機50に表示させる設定画面を判定し、判定した設定画面の表示指示を複合機50に対して行う(ステップS26)。
【0061】
設定画面の表示指示を取得した複合機50の制御部51は、当該設定画面を表示する(ステップS28)。
【0062】
ユーザは、複合機50に表示された設定画面を操作し、適切な設定を行う(ステップS30)。
【0063】
複合機50の制御部51は、設定画面を介して設定された内容に基づきジョブを処理する(ステップS32)。
【0064】
[1.2.2 端末装置10の処理について]
次に、端末装置10の処理について図7のフローチャートを用いて説明する。
【0065】
端末装置10の制御部11は、ジョブ出力プログラム211を読み出すことでジョブ出力アプリケーションを起動する(ステップS100)。
【0066】
このとき、制御部11は、表示処理プログラム213を読み出し、ジョブ処理に係る設定値や命令等を受付けるための不図示の入力画面を表示部13に表示する。
【0067】
制御部11は、ジョブ処理に係る設定値や命令等を受付けると、これらの値や命令等に基づくジョブを生成し、複合機50に対して出力する(ステップS110→ステップS120)。
【0068】
そして、制御部11は複合機50からジョブ処理の失敗に係るエラーコードを取得したか否かを判定する(ステップS130)。複合機50からエラーコードを取得したと判定した場合、制御部11は、ガイダンス判定プログラム215を読み出し、ガイダンス判定を行う(ステップS130;Yes→ステップS140)。なお、当該エラーコードを取得しない場合、ステップS120で出力したジョブに係る処理は成功したとものとして、制御部11は処理を終了する(ステップS130;No→終了)。なお、制御部11はジョブを出力した後、所定時間が経過するまでにエラーコードを取得しない場合、出力したジョブに係る処理は成功したものと判定し、処理を終了してもよい。
【0069】
ガイダンス判定プログラム215を読み出した制御部11は、図3で例示したガイダンス判定テーブルを参照し、取得したエラーコードに関連付けられたガイダンスの有無を判定する。取得したエラーコードに関連付けられたガイダンスが有ると判定した場合、制御部11は当該ガイダンス(ガイダンスID)に対応したガイダンスデータを表示部13に表示する(ステップS150;Yes→ステップS160)。
【0070】
一方、取得したエラーコードに関連付けられたガイダンスが無いと判定した場合、制御部11は処理を終了する(ステップS150;No→終了)。なお、複合機50や、不図示のサーバ装置等が当該ガイダンスを提供可能である場合、制御部11は当該ガイダンスを複合機50や不図示のサーバ装置から取得し、表示部13に表示することも可能である。
【0071】
ガイダンスデータを表示部13に表示した後、制御部11は画面表示指示プログラム217を読み出し、設定画面判定を行う(ステップS170)。
【0072】
画面表示指示プログラム217を読み出した制御部11は、取得したエラーコードに基づき、ガイダンス判定テーブルを参照することで、複合機50の表示部53で表示させる設定画面を判定する。そして、制御部11は判定結果に基づき、設定画面表示指示を複合機50に対して行う(ステップS180)。
【0073】
[1.2.3 複合機50の処理について]
次に、複合機50の処理について図8のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
複合機50の制御部51は、端末装置10からジョブを取得したか否かを判定する(ステップS200)。制御部51は、端末装置10からジョブを取得したと判定した場合、ジョブ制御プログラム651を読み出し、取得したジョブを処理する(ステップS200;Yes→ステップS210)。一方、端末装置10からジョブを取得していないと判定した場合、制御部51はジョブを取得するまで待機する(ステップS200;No)。
【0075】
制御部51はジョブを処理するとともに、エラー情報出力プログラム655を読み出す。エラー情報出力プログラム655を読み出した制御部51は、ジョブ処理の成否を監視する。ジョブ処理が成功した場合、制御部51は処理を終了する(ステップS220;No→終了)。
【0076】
一方、ジョブ処理が失敗したと判定した場合、制御部51は、図5で例示したエラー情報テーブルを参照し、ジョブ処理の失敗の要因となったエラーを特定し、当該エラーに割り当てられたエラーコードを端末装置10に出力する(ステップS220;Yes→ステップS230)。
【0077】
次いで、制御部51は、端末装置10から設定画面表示指示を取得したか否かを判定する(ステップS240)。設定画面表示指示を取得したと判定した場合、制御部51は表示処理プログラム653を読み出し、設定画面表示指示で指示された設定画面を表示部53に表示する(ステップS240;Yes→ステップS250)。
【0078】
そして、制御部51は、ステップS250で表示した設定画面を介し、ジョブ処理を成功させるための適切な設定値や命令等を受付けると、設定された内容に基づきジョブを処理する(ステップS260→ステップS210)。
【0079】
[1.3 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。図9は、端末装置10の表示部13が表示する表示画面W10の一構成例を説明する図である。図9で説明する表示画面W10は、図5のエラー情報テーブルで例示するエラー種別“登録”、エラー内容“マイフォルダ未登録”のエラーに対するガイダンスの例示である。
【0080】
なお、このようなエラーがジョブ処理の失敗の要因となり得る事例としては、例えば、端末装置10内で保存する写真等の電子データを複合機50に設けられたマイフォルダ(個人用フォルダ)に登録する場合や、スキャンジョブにおいて生成したイメージデータをマイフォルダに登録するジョブ等が挙げられる。この例の場合、複合機50内に、これらのデータを登録するためのフォルダが作成されていないか又は作成されていたとしても、当該フォルダがマイフォルダとしてユーザに紐づけられていないと、当該マイフォルダに写真等の電子データを保存するジョブ等を実行することができず、ジョブ処理が失敗することがある。
【0081】
ここでは、図3のガイダンス判定テーブルで例示するガイダンスID“#001”で識別されるガイダンスデータ“001a.txt”をガイダンスの例示として表示部13に表示するものとして説明する。
【0082】
図9で例示する表示画面W10は、ガイダンス表示領域R10を含む。ガイダンス表示領域R10は、図6のステップS20又は図7のステップS140において判定されたガイダンス(ガイダンスID)に対応するガイダンスデータを表示する領域である。
【0083】
ガイダンス表示領域R10は、ジョブ処理の失敗の要因(エラー内容)を簡易的に表示するエラー内容表示領域G10と、当該ジョブ処理の失敗を解消するために複合機50で行う操作を案内する操作案内表示領域G12aとを含む。
【0084】
図9の例示に係るエラー内容表示領域G10は、ジョブ処理の失敗がマイフォルダの未登録を要因とする旨を表している。また、操作案内表示領域G12aは、ガイダンスデータ“001a.txt”に基づき、フォルダ作成の手順を表している。端末装置10を使用するユーザは、ガイダンス表示領域R10のエラー内容表示領域G10及び操作案内表示領域G12aで表示されるガイダンスを確認しながら、複合機50で表示される設定画面を介してジョブを正常に処理するための設定を行うことができる。
【0085】
図10は、複合機50の表示部53が表示する設定画面W20の一構成例を説明する図である。図10では、図3で例示するガイダンスID“#001”で識別される設定画面“S001a”の表示指示を取得した複合機50が表示する設定画面W20について説明する。
【0086】
設定画面W20は、フォルダ登録領域R20を含む。フォルダ登録領域R20は、例えば、フォルダ名(必須)、フォルダ名の検索文字(必須)、フォルダのパスワード、ユーザ名の選択(必須)といったフォルダを生成し登録するための設定項目を有する。ユーザは、各設定項目において必要な事項を入力することでフォルダを登録することができる。
【0087】
次に、図11で説明する表示画面W30は、表示画面W10を介したフォルダ(マイフォルダ)の作成後、作成したフォルダをマイフォルダとしてユーザ情報に紐づける手順を案内する表示画面の一構成例である。表示画面W30は、表示画面W10と同様に、ガイダンス表示領域R10を含む。
【0088】
図11で例示するエラー内容表示領域G10は、ジョブ処理の失敗がマイフォルダの未登録を要因とする旨を表している。また、操作案内表示領域G12bは、ガイダンスデータ“001b.txt”に基づき、作成したフォルダをマイフォルダとしてユーザ情報に紐づける手順を表している。端末装置10を使用するユーザは、ガイダンス表示領域R10に表示されるエラー内容表示領域G10及び操作案内表示領域G12bで表示されるガイダンスを確認しながら、複合機50で表示される設定画面を介してジョブを正常に処理するための設定を行うことができる。
【0089】
図12は、複合機50の表示部53が表示する設定画面W40の一構成例を説明する図である。図12では、図3で例示するガイダンスID“#001”で識別される設定画面“S001b”の表示指示を取得した複合機50が表示する設定画面W40について説明する。
【0090】
設定画面W40は、マイフォルダ登録領域R30を含む。マイフォルダ登録領域R30は、例えば、マイフォルダの変更指示を受付けるチェックボックスや、リストからマイフォルダとして登録するフォルダの選択を受付けるラジオボタン等の設定項目を有する。ユーザは、各設定項目において必要な入力や選択を行うことでユーザ情報にマイフォルダを紐づけることができる。
【0091】
図13は、端末装置10の表示部13が表示する他の表示画面W50の一構成例を説明する図である。なお、図13で説明する表示画面W50は、図5のエラー情報テーブルで例示するエラー種別“スキャン”、エラー内容“宛先登録禁止設定”のエラーに対するガイダンスの例示である。
【0092】
なお、このようなエラーがジョブ処理の失敗の要因となり得る事例としては、例えば、ネットワークを介したスキャンジョブ等が挙げられる。この例の場合、例えば、ネットワークスキャナからの登録禁止設定が“有効”に設定されていると、ネットワークスキャナで生成したイメージデータを複合機50に登録することができず、ジョブ処理が失敗することがある。
【0093】
ここでは、図3のガイダンス判定テーブルで例示するガイダンスID“#002”で識別されるガイダンスデータ“002.txt”をガイダンスとして表示部13に表示するものとして説明する。
【0094】
図13で例示する表示画面W50は、ガイダンス表示領域R40を含む。ガイダンス表示領域R40は、図6のステップS20又は図7のステップS140において判定されたガイダンス(ガイダンスID)に対応するガイダンスデータを表示する領域である。
【0095】
ガイダンス表示領域R40は、ジョブ処理の失敗の要因(エラー内容)を簡易的に表示するエラー内容表示領域G14と、当該ジョブ処理の失敗を解消するために複合機50で行う操作を案内する操作案内表示領域G16とを含む。
【0096】
図13の例示に係るエラー内容表示領域G14は、ジョブ処理の失敗がネットワークを介したスキャンジョブの一機能を制限する設定が“有効”に設定されていることを要因とする旨を表している。また、操作案内表示領域G16は、ガイダンスデータ“002.txt”に基づき、当該禁止設定を無効とする手順を表している。端末装置10を使用するユーザは、ガイダンス表示領域R40のエラー内容表示領域G14及び操作案内表示領域G16で表示されるガイダンスを確認しながら、複合機50で表示される設定画面を介してジョブを正常に処理するための設定を行うことができる。
【0097】
図14は、複合機50の表示部53が表示する設定画面W60の一構成例を説明する図である。図14では、図3で例示するガイダンス判定テーブルのガイダンスID“#002”で識別される設定画面“S002”の表示指示を取得した複合機50が表示する設定画面W60について説明する。
【0098】
設定画面W60は、ネットワーク設定領域R50を含む。ネットワーク設定領域R50は、例えば、ネットワークスキャナツールからの登録禁止や、ネットワーク転送禁止といったネットワークに関する禁止設定の選択を受付けるチェックボックスを含む。ユーザは、ネットワークスキャナツールからの登録禁止に付されたチェックを解除することで、当該禁止設定を無効とすることができる。
【0099】
以上のように、第1実施形態では、ジョブ処理の失敗に係る要因及び当該失敗を解消するためのガイダンスが表示されるとともに、当該ガイダンスを参照しながら、正常にジョブを処理するための設定画面を介しての設定が可能である。したがって、第1実施形態によれば、ジョブ処理の失敗に係る要因の特定が容易であって、ユーザに対する負担を生じさせることなく、ジョブ処理の失敗の解決を図ることができる。
【0100】
[2 第2実施形態]
第1実施形態に係る端末装置10は、取得したエラーコードに基づき複合機50の表示部53で表示させる設定画面の表示指示を出力する形態であった。第2実施形態は、複合機50で表示する設定画面を介して設定値や命令等の入力を行わなくともジョブ処理を成功させることが可能な場合の形態である。
【0101】
[2.1 機能構成]
第2実施形態に係る処理システムの構成は、第1実施形態に係る処理システム100と同様の構成とすることができる。したがって、端末装置及び複合機の構成については同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
【0102】
[2.2 処理の流れ]
第2実施形態に係る全体処理は、図6のフローチャートで説明した全体処理の流れにおいて、ステップS26からステップS30に係る処理を省略することで実現することができる。この場合、図7のステップS170及びステップS180に係る端末装置10による処理、図8のステップS240からステップS260に係る複合機50による処理も同様に省略することができる。
【0103】
[2.3 動作例]
図15(a)は、端末装置10の表示部13が表示する表示画面W70の一構成例を説明する図である。図15(a)で説明する表示画面W70は、図5のエラー情報テーブルで例示するエラー種別“消耗品”、エラー内容“トナー切れ”のエラー(情報)のエラーに対するガイダンスの例示である。
【0104】
ここでは、図3のガイダンス判定テーブルで例示するガイダンスID“#003”で識別されるガイダンスデータ“003.txt”及び“003.mp4”をガイダンスとして表示部13に表示するものとして説明する。
【0105】
図15(a)の表示画面W70はガイダンス表示領域R60を含む。ガイダンス表示領域R60は、ジョブ処理の失敗の要因(エラー内容)を簡易的に表示するエラー内容表示領域G18と、当該ジョブ処理の失敗を解消するために複合機50で行う操作を案内する操作案内表示領域G20とを含む。
【0106】
図15(a)の例示に係るエラー内容表示領域G18は、ジョブ処理の失敗がトナー切れを要因とするものである旨を表している。また、操作案内表示領域G20には、トナー交換に係る手順を説明する動画ファイル“003.mp4”がユーザによるタップ操作等により視聴可能となるように貼り付けられている。端末装置10を使用するユーザは、ガイダンス表示領域R60のエラー内容表示領域G18を確認し、操作案内表示領域G20上の動作ファイルを視聴することで、複合機50のトナー交換を完遂することができる。なお、トナー交換に係る手順は、動作ファイルに限定されるものではなく、例えば、音声データ、静止画等であってもよい。また、操作案内表示領域G20に動画ファイルを直接貼り付けずとも、当該動画ファイルの格納先を表すリンク先情報を表示してもよい。
【0107】
図15(b)は、端末装置10の表示部13が表示する表示画面W80の一構成例を説明する図である。図15(b)で説明する表示画面W80は、図5のエラー情報テーブルで例示するエラー種別“メンテナンス”、エラー内容“装置不良”のエラーに対するガイダンスの例示である。
【0108】
そして、ここでは、図3のガイダンス判定テーブルで例示するガイダンスID“#004”で識別されるガイダンスデータ“004.txtをガイダンスとして表示部13に表示するものとして説明する。
【0109】
図15(b)の表示画面W80はガイダンス表示領域R70を含む。ガイダンス表示領域R70は、ジョブ処理の失敗の要因(エラー内容)を簡易的に表示するエラー内容表示領域G22と、当該ジョブ処理の失敗を解消するための操作を案内する操作案内表示領域G24とを含む。
【0110】
図15(b)の例示に係るエラー内容表示領域G22は、ジョブ処理の失敗がマシントラブルを要因とするものである旨を表している。また、操作案内表示領域G24は、装置不良に対応するサービスマン(コールセンタ)への問合せ情報を表している。端末装置10を使用するユーザは、ガイダンス表示領域R70のエラー内容表示領域G22を確認し、操作案内表示領域G24上に表された問合せ先に連絡することで、装置不良を解消することができる。
【0111】
以上の様に、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、複合機で表示する設定画面を介して設定値や命令等の入力を行わなくともジョブ処理を成功させることができる。
【0112】
[3 第3実施形態]
第3実施形態は、複合機50で表示する設定画面の表示指示を出力する際、複合機50が所定の距離範囲内に位置しない場合は、当該表示指示の出力を制限する形態である。
【0113】
[3.1 機能構成]
[3.1.1 端末装置70について]
図16は第3実施形態に係る端末装置70の機能構成図である。端末装置70は、第1実施形態に係る端末装置10の構成に加え、検出部73を備える。また、端末装置70は、第1実施形態に係る端末装置10の記憶部21に代えて記憶部71を備える。なお、端末装置10の構成と同一構成とする箇所については、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0114】
端末装置70は、制御部11と、表示部13と、操作入力部15と、通信部17と、近距離無線通信部19と、検出部73と、記憶部71とを備える。
【0115】
検出部73は、複合機50の有無や、複合機50までの距離を検出する。検出部73としては、例えば、レーザや、超音波を用いた距離センサ、静電容量型、誘電型等の近接センサ等を用いることができる。
【0116】
第3実施形態において、記憶部71は、ジョブ出力プログラム211と、表示処理プログラム213と、ガイダンス判定プログラム215と、画面表示指示プログラム711とを記憶し、ガイダンス記憶領域219を確保する。
【0117】
画面表示指示プログラム711は、第1実施形態に係る画面表示指示プログラム217の構成に加え、検出部制御プログラム7111を備える。検出部制御プログラム7111は、複合機50の有無や複合機50までの距離を検出する際に制御部11が読み出すプログラムである。検出部制御プログラム7111を読み出した制御部11は、検出部73を制御することにより、複合機50の有無情報、距離情報を取得し、当該複合機50に対して画面表示指示を出力するか否かを判定する。
【0118】
[3.1.2 複合機50について]
第3実施形態に係る複合機50の構成は、第1実施形態に係る複合機50と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0119】
[3.2 処理の流れ]
[3.2.1 全体処理について]
第3実施形態に係る全体処理は、図6で説明した第1実施形態に係る全体処理と同様に行うことができる。第3実施形態では、例えば、図6のステップS26に係る処理の前に複合機50の有無、複合機50までの距離を検出するステップを含む。当該ステップに係る処理については、図17を用いて説明する。
【0120】
[3.2.2 端末装置70の処理について]
図17は、端末装置70の処理を説明するフローチャートである。なお、図17のステップS100からステップS170、及びステップS180に係る処理は、図7で説明した処理と同様に行うことができるため、ここでの説明は省略する。
【0121】
ステップS190において、制御部11は、検出部制御プログラム7111を読み出す。検出部制御プログラム7111を読み出した制御部11は検出部73を制御することにより、複合機50の有無情報、距離情報を取得する。そして、制御部11は、取得した複合機50の有無情報、距離情報から当該複合機50が端末装置70から所定の距離範囲内に位置するか否かを判定する。
【0122】
複合機50が端末装置70から所定の距離範囲内に位置すると判定した場合、制御部11は設定画面表示指示を出力する(ステップS190;Yes→ステップS180)。一方、複合機50が端末装置70から所定の距離範囲内に位置しないと判定した場合、制御部11は設定画面表示指示の出力を制限し、処理を終了する(ステップS190;No→終了)。
【0123】
ここで、所定の距離範囲としては、端末装置70を使用するユーザの行動範囲や複合機50を設置した居室状況等に基づき任意の距離範囲を設定することができる。例えば、複合機50が設定画面を表示した直後、ユーザによる複合機50の操作が可能な距離範囲が3m以内である場合、所定の距離範囲として3mを設定すればよい。
【0124】
第3実施形態では、ユーザが使用する端末装置70から所定の距離範囲内に複合機50が位置しない場合、換言すると、ユーザが使用する端末装置70と複合機50との物理的距離が離れており、設定画面の表示指示後、ユーザが直ぐに複合機50を操作することができない場合、端末装置70は複合機50に対する設定画面の表示指示を出力しない。このような構成とすることで、ユーザが複合機50を操作することができないタイミングで、事情を把握していない他のユーザが複合機50を操作した場合であっても、他のユーザに対し、予期せぬ設定画面を表示することなく、複合機50の操作に対する混乱を生じさせる恐れが無い。
【0125】
ところで、ステップS190では、複合機50が端末装置70から所定の距離範囲内に位置するか否かを判定する処理について説明したが、例えば、検出部73により複合機50が検出されない、又は近距離無線通信部19を介しての接続が確立できない場合は、設定画面表示指示の出力を制限する形態とすることも可能である。
【0126】
以上の様に、第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、ユーザが使用する端末装置から所定の距離範囲内に複合機が位置しない場合、端末装置は複合機に対する設定画面の表示指示を出力しないため、他のユーザに対し、予期せぬ設定画面を表示することなく、複合機の操作に対する混乱を生じさせることがない。
【0127】
[4 第4実施形態]
第4実施形態は、第1実施形態において端末装置10が表示するガイダンスをWebブラウザを介して表示する形態である。第4実施形態では、端末装置10で表示するガイダンスに関するコンテンツ(以下、単にガイダンスコンテンツと称する)を複合機90が提供する形態について説明するが、当該ガイダンスコンテンツを提供可能なWebサーバを別途設けることも可能である。
【0128】
[4.1 機能構成]
[4.1.1 端末装置10について]
第4実施形態に係る端末装置10の構成は、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)に従ってクライアント制御を行うWebブラウザを備える以外は、第1実施形態に係る端末装置10と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0129】
[4.1.2 複合機90について]
図18は第4実施形態に係る複合機90の機能構成図である。複合機90は、第1実施形態に係る複合機50の記憶部65に代え記憶部91を備える。なお、複合機50の構成と同一構成とする箇所については、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0130】
複合機90は、制御部51と、表示部53と、操作入力部55と、画像形成部57と、画像読取部59と、通信部61と、近距離無線通信部63と、記憶部91とを備える。
【0131】
第4実施形態において、記憶部91は、ジョブ制御プログラム651と、表示処理プログラム653と、エラー情報出力プログラム655と、Web-UIプログラム911とを記憶し、エラー情報記憶領域657と、UIコンテンツ記憶領域913とを確保する。
【0132】
Web-UIプログラム911は、ガイダンスコンテンツを端末装置10のWebブラウザに提供する際に制御部51が読み出すプログラムである。Web-UIプログラム911は、端末装置10のWebブラウザとのセッションを管理するセッション管理プログラムや、ガイダンスコンテンツを画像情報(例えば、HTML(HyperText Markup Language)データや、XML(Extensible Markup Language)データ)としてWebブラウザに提供し、当該Webブラウザの画面制御を行う画面制御プログラム等を含みWebアプリケーションとして機能する。
【0133】
UIコンテンツ記憶領域913は、ガイダンスコンテンツ(画像情報)を記憶する記憶領域である。
【0134】
[4.2 処理の流れ]
[4.2.1 端末装置10の処理について]
端末装置10の処理について図19を用いて説明する。図19のステップS100からステップS130、ステップS170、及びステップS180に係る処理は、図7で説明した処理と同様に行うことができるため、ここでの説明は省略する。
【0135】
ステップS130において、複合機50からエラーコードを取得したと判定した場合、端末装置10の制御部11は、Webブラウザを介してHTTPリクエストメッセージのヘッダにセッション開始要求を付加し、複合機90に対して出力する(ステップS130;Yes→ステップS300)。
【0136】
そして、制御部11は、複合機90からガイダンスコンテンツを取得すると、これをUIとしてWebブラウザに表示する(ステップS310)。なお、このとき、複合機90に表示させる設定画面の表示候補をWebブラウザに併せて表示してもよい。
【0137】
[4.2.2 複合機90の処理について]
複合機90の処理について図20を用いて説明する。図20のステップS200からステップS230、ステップS240からステップS260に係る処理は、図8で説明した処理と同様に行うことができるため、ここでの説明は省略する。
【0138】
複合機90の制御部51は、端末装置10からセッション開始要求を取得したか否かを判定する(ステップS400)。端末装置10からセッション開始要求を取得したと判定した場合、制御部51は端末装置10とのセッションを開始し、出力したエラーコードに対応するガイダンスコンテンツを端末装置10に対して出力する(ステップS400;Yes→ステップS410)。一方、端末装置10からセッション開始要求を取得していないと判定した場合、制御部51はセッション開始要求を取得するまで待機する(ステップS400;No)。
【0139】
[4.3 動作例]
次に、第4実施形態に係る動作例について説明する。図21は、端末装置10の表示部13がWebブラウザを介して表示する表示画面W90の一構成例を説明する図である。図21で説明する表示画面W90は、図9での例示と同様に、図5のエラー情報テーブルで例示するエラー種別“登録”、エラー内容“マイフォルダ未登録”のエラーに対するガイダンスの例示である。
【0140】
図21の表示画面W90は、ガイダンス表示領域R80を含む。ガイダンス表示領域R80は、複合機90から出力されたガイダンスコンツを表示する領域である。
【0141】
ガイダンス表示領域R80は、ジョブ処理の失敗の要因(エラー内容)を簡易的に表示するエラー内容表示領域G26と、当該ジョブ処理の失敗を解消するために複合機50で行う操作を案内する操作案内表示領域G28とを含む。
【0142】
図21の例示に係るエラー内容表示領域G26は、ジョブ処理の失敗がマイフォルダの未登録を要因とする旨を表している。また、操作案内表示領域G28は、ガイダンスコンテンツに基づき、フォルダ作成の手順を表している。端末装置10を使用するユーザは、ガイダンス表示領域R80のエラー内容表示領域G26及び操作案内表示領域G28で表示されるガイダンスを確認しながら、複合機90で表示される設定画面を介してジョブを正常に処理するための設定を行うことができる。
【0143】
以上のように、第4実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、端末装置は複合機から取得したガイダンスコンテンツをUIとしてWebブラウザに表示する構成であるため、端末装置はガイダンスデータを保持する必要が無く記憶容量が無駄に圧迫されることを回避することができる。
【0144】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0145】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0146】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。実施形態では、マルチタスク処理により、複数のプログラムが必要に応じて同時に実行される装置を想定している。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0147】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標)Disc等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0148】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0149】
10、70 端末装置
50、90 複合機
11 制御部
13 表示部
15 操作入力部
17 通信部
19 近距離無線通信部
21、71 記憶部
73 検出部
51 制御部
53 表示部
55 操作入力部
57 画像形成部
59 画像読取部
61 通信部
63 近距離無線通信部
65、91 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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