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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168931
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
G03G21/18 157
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080323
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】半田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅浩
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA04
2H171FA09
2H171FA13
2H171JA23
2H171JA34
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA26
2H171LA08
2H171PA06
2H171QA02
2H171QA08
2H171QA11
2H171QA12
2H171QA13
2H171QA17
2H171QA19
2H171QA20
2H171QB03
2H171QB16
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB47
2H171QC03
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA22
2H171SA26
2H171TA11
2H171TB12
2H171UA02
2H171UA03
2H171UA07
2H171UA12
(57)【要約】
【課題】像担持体に駆動部材を強固に接合し、且つ接着剤のギア部への付着に起因する印刷不良を抑制することを目的とする。
【解決手段】現像装置10は、静電潜像を担持し、回転軸(Ax)を中心として回転可能な感光体ドラム11と、静電潜像を現像する現像ローラ13と、感光体ドラム11に接着剤により接合された駆動部材80とを備える。駆動部材80は、感光体ドラム11に嵌合する嵌合部82と、ギア部81とを有する。嵌合部82は、回転軸Axを中心とする周方向に延在する凹部85を有し、凹部85に接着剤が付着する。凹部85は、ギア部81から離れた位置に設けられている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持し、回転軸を中心として回転可能な像担持体と、
前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、
前記像担持体の端部に接着剤により接合された駆動部材と
を備え、
前記駆動部材は、前記像担持体に嵌合する嵌合部と、ギア部とを有し、
前記嵌合部は、前記回転軸を中心とする周方向に延在する凹部を有し、前記凹部に前記接着剤が付着し、
前記凹部は、前記ギア部から離れた位置に設けられている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記嵌合部は、前記凹部に対して前記ギア部と反対側に、凸部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記嵌合部は、前記凹部に対して前記ギア部側に、円筒面である外周面を有し、
前記外周面および前記凸部が、前記像担持体の内周面に当接する
ことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記回転軸の方向における前記凹部の幅は、1.5[mm]以上、2.0[mm]以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項5】
前記回転軸の方向における前記凹部から前記ギア部までの距離は、3.0[mm]以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項6】
前記凹部は、前記嵌合部を周方向に1周するように延在している
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項7】
前記嵌合部は、前記ギア部と反対側の外周に傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項8】
前記嵌合部と前記ギア部とは、樹脂で一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項9】
温度10℃、相対湿度20%の環境において、前記像担持体と前記現像剤担持体とによるフィード力が1.6[N]以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の現像装置と、
前記現像装置で現像された現像剤像を媒体に転写する転写部と、
前記媒体に転写された現像剤像を前記媒体に定着する定着装置と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電潜像を現像する現像装置、および、現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子プロセスを利用した画像形成装置では、感光体ドラム等の像担持体の表面を一様に帯電させたのち、露光により静電潜像を形成し、この静電潜像を現像剤で現像し、媒体に転写する。
【0003】
像担持体は円筒状であり、その軸方向端部に、像担持体を回転させるための駆動部材が備えられている。駆動部材は、ギア部と、像担持体の内側に嵌合する嵌合部とを有する。嵌合部は、接着剤により像担持体と接合されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-187820号公報(図1~3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の構成では、嵌合部を像担持体に接合するための接着剤がギア部に付着し、印刷不良が発生する可能性がある。
【0006】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、像担持体に駆動部材を強固に接合し、且つ接着剤の付着に起因する印刷不良の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の現像装置は、静電潜像を担持し、回転軸を中心として回転可能な像担持体と、静電潜像を現像する現像剤担持体と、像担持体の端部に接着剤により接合された駆動部材とを備える。駆動部材は、像担持体に嵌合する嵌合部と、ギア部とを有する。嵌合部は、回転軸を中心とする周方向に延在する凹部を有し、凹部に接着剤が付着する。凹部は、ギア部から離れた位置に設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、嵌合部において、ギア部から離れた位置に設けられた凹部に接着剤が収容されるため、接着剤がギア部に付着することが抑制され、これにより印刷不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態の画像形成装置の構成を示す図である。
図2】実施の形態の現像装置の構成を示す図である。
図3】実施の形態の画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
図4】実施の形態の現像ローラの断面構造を示す図である。
図5】現像ローラの抵抗測定方法を示す模式図(A),(B)である。
図6】実施の形態の供給ローラの断面構造を示す図である。
図7】実施の形態の感光体ドラムの断面構造を示す図(A),(B)である。
図8】実施の形態の感光体ドラムおよび現像ローラの支持構造を示す斜視図である。
図9】実施の形態の感光体ドラムの断面図(A)および駆動部材の一部を拡大して示す断面図(B)である。
図10】実施の形態の駆動部材を示す斜視図である。
図11】実施の形態と比較例とで、感光体ドラムと駆動部材との接合部分を対比して示す図(A),(B)である。
図12】感光体ドラムと現像ローラとによるフィード力の測定方法を示す模式図(A),(B)である。
図13】感光体ドラムからの駆動部材の抜去力の測定方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<画像形成装置の構成>
図1は、実施の形態の画像形成装置1を示す図である。画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を形成するものであり、ここではプリンタである。画像形成装置1は、媒体供給部50と、現像装置10と、定着装置60と、媒体排出部65と、これらを収容する筐体1Aとを備える。
【0011】
媒体供給部50は、印刷用紙等の媒体Pを収容する媒体トレイ51と、媒体トレイ51の媒体Pを一枚ずつ搬送路に送り出す給紙ローラ52と、搬送路に送り出された媒体Pを現像装置10に搬送する搬送ローラ53と、搬送される媒体Pを案内する媒体ガイド54を有する。
【0012】
現像装置10は、媒体供給部50から媒体Pの供給を受ける位置に配置され、像担持体としての感光体ドラム11を有する。感光体ドラム11に対向するように、露光装置としてのLEDヘッド21が配置されている。LEDヘッド21は、発光素子としてのLED(発光ダイオード)を配列したLEDアレイとレンズアレイとを有し、感光体ドラム11の表面に光を照射して静電潜像を形成する。LEDヘッド21は、筐体1Aの上部を覆うトップカバー1Bに懸架されて支持されている。
【0013】
<現像装置の構成>
図2は、現像装置10の構成を示す図である。現像装置10は、上述した感光体ドラム11と、現像剤担持体としての現像ローラ13とを備える。現像装置10は、さらに、帯電部材としての帯電ローラ12と、供給部材としての供給ローラ14と、層規制部材としての現像ブレード15と、クリーニング部材16と、これらを収容する筐体17とを有する。筐体17には、現像剤収容体としてのトナーカートリッジ18が装着される。
【0014】
なお、現像装置10は、上記の構成要素を全て備える必要はなく、少なくとも、像担持体としての感光体ドラム11と、現像剤担持体としての現像ローラ13とを備えていればよい。加えて、帯電部材としての帯電ローラ12と、供給部材としての供給ローラ14と、層規制部材としての現像ブレード15とを備えていてもよい。さらに、クリーニング部材16と、筐体17と、現像剤収容体としてのトナーカートリッジ18とを備えていても良い。
【0015】
感光体ドラム11は、導電性支持体の表面に電荷発生層と電荷輸送層とを積層した円筒状の部材であり、図中時計回りに回転する。感光体ドラム11は、その表面に静電潜像を担持する。感光体ドラム11の構成の詳細については、後述する。
【0016】
帯電ローラ12は、感光体ドラム11に接触するように配置され、感光体ドラム11に追従して回転する。帯電ローラ12は、帯電ローラ用電源36(図3)から帯電電圧を印加され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。
【0017】
現像ローラ13は、感光体ドラム11の表面に接触するように配置され、感光体ドラム11とは逆方向(接触部での表面の移動方向が順方向となる方向)に回転する。現像ローラ13は、現像ローラ用電源37(図3)から現像電圧を印加され、感光体ドラム11の表面の静電潜像をトナー(現像剤)により現像する。
【0018】
供給ローラ14は、現像ローラ13の表面に接触するように配置され、現像ローラ13と同方向(接触部での表面の移動方向が逆方向となる方向)に回転する。供給ローラ14は、供給ローラ用電源38(図3)から供給電圧を印加され、現像ローラ13にトナーを供給する。
【0019】
現像ブレード15は、現像ローラ13の表面に接触するように配置されたブレードである。現像ブレード15は、現像ブレード用電源39(図3)からブレード電圧を印加され、現像ローラ13の表面のトナー層を一定の厚さに規制する。
【0020】
トナーカートリッジ18は、現像剤としてのトナー(符号Tで示す)を収容する容器である。トナーTは、例えばブラックトナーであるが、これに限定されるものではない。トナーカートリッジ18は、筐体17の上部に着脱可能に装着され、現像ローラ13および供給ローラ14にトナーTを供給する。
【0021】
筐体17内において現像ローラ13および供給ローラ14の上方には、トナーカートリッジ18から供給されたトナーTを貯蔵するトナー貯蔵部が形成される。トナー貯蔵部には、クランク状の撹拌バー19a,19b,19cが配置されている。撹拌バー19a,19b,19cはそれぞれ矢印で示す方向に回転し、トナーTを撹拌し、搬送する。
【0022】
クリーニング部材16は、感光体ドラム11の表面に接触するように配置されたブレードまたはローラであり、感光体ドラム11の表面に残存するトナーを掻き取る。クリーニング部材16によって掻き取られた廃トナーは、図示しない搬送スクリューによって廃トナー回収部に搬送される。
【0023】
なお、現像装置10は、像担持体ユニット、または画像形成ユニットとも称される。また、現像装置10のうち、少なくとも現像ローラ13と供給ローラ14とを含む部分(静電潜像の現像に寄与する部分)は、現像部とも称される。
【0024】
図1に示すように、感光体ドラム11の表面に接触するように、転写部材としての転写ローラ20が配置されている。転写ローラ20は、転写ローラ用電源40(図3)から転写電圧を印加される。この転写電圧により、感光体ドラム11の表面のトナー像が、感光体ドラム11と転写ローラ20との間を通過する媒体Pに転写される。
【0025】
画像形成装置1は、現像装置10により単色画像を形成するが、このような例に限定されるものではない。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の複数の現像装置を媒体Pの搬送方向に配列し、カラー画像を形成するように構成してもよい。
【0026】
定着装置60は、媒体Pの搬送方向において現像装置10の下流側に配置されている。定着装置60は、定着ローラ61と加圧ローラ62とを有する。定着ローラ61は、ハロゲンランプ等のヒータを内蔵する。加圧ローラ62は定着ローラ61に圧接され、定着ニップを形成する。定着ローラ61および加圧ローラ62は、定着ニップを通過する媒体Pに熱と圧力を加え、トナー像を媒体Pに定着させる。
【0027】
媒体排出部65は、媒体Pの搬送方向において定着装置60の下流側に配置されている。媒体排出部65は、定着装置60を通過した媒体Pを排出口から排出する排出ローラ66と、定着装置60から排出口まで媒体Pを案内する媒体ガイド67と有する。トップカバー1Bには、排出された媒体Pを載置するスタッカ68が形成されている。
【0028】
図1において、感光体ドラム11の軸方向を、X方向とする。X方向は、画像形成装置1内の各ローラの軸方向であり、搬送される媒体Pの幅方向でもある。媒体Pが現像装置10を通過するときの媒体Pの移動方向を、Y方向とする。X方向とY方向に直交する方向を、Z方向とする。ここでは、Z方向は上下方向である。
【0029】
<画像形成装置の制御系>
図3は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。画像形成装置1は、印刷制御部30と、I/F(インタフェース)制御部31と、受信メモリ32と、画像データ編集メモリ33と、ヘッド制御部41と、定着制御部42と、定着駆動制御部43と、搬送制御部44と、駆動制御部45とを有する。これらの制御部およびメモリは、制御装置を構成する。
【0030】
印刷制御部30は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート、タイマ等を有する。印刷制御部30は、上位装置からI/F制御部31を介して印刷データおよび制御コマンドを受信し、画像形成装置1の印刷動作を実行する。
【0031】
印刷制御部30には、操作部34からの操作信号およびセンサ群35からの検知信号が入力される。操作部34は、使用者の操作を受け付けるスイッチ等の操作部と、画像形成装置1の状態を表示するLED等の表示部を備える。センサ群35は、例えば、媒体Pの搬送路上の位置を検知する媒体センサ、周囲の温湿度を検出する温湿度センサ、現像装置10内のトナー残量を検知するトナー残量センサ等である。
【0032】
受信メモリ32は、上位装置からI/F制御部31を介して入力された印刷データを一時的に記憶する。画像データ編集メモリ33は、受信メモリ32に記憶した印刷データを受け取ると共に、その印刷データを編集処理することによって形成された画像データ、すなわちイメージデータを記録する。
【0033】
印刷制御部30は、また、帯電ローラ用電源36から帯電ローラ12に印加される帯電電圧と、現像ローラ用電源37から現像ローラ13に印加される現像電圧と、供給ローラ用電源38から供給ローラ14に印加される供給電圧と、現像ブレード用電源39から現像ブレード15に印加されるブレード電圧と、転写ローラ用電源40から転写ローラ20に印加される転写電圧とを制御する。
【0034】
ヘッド制御部41は、画像データ編集メモリ33に記録されたイメージデータに基づき、LEDヘッド21の各LEDを発光制御する。
【0035】
定着制御部42は温度調節回路を有し、定着装置60に設けられたサーミスタ等の温度センサの出力信号に基づき、定着ローラ61内のヒータに電流を供給する。定着駆動制御部43は、定着ローラ61を回転駆動する定着モータ63の回転を制御する。なお、排出ローラ66は、定着モータ63からの回転伝達によって回転する。
【0036】
搬送制御部44は、給紙ローラ52および搬送ローラ53を駆動する搬送モータ46の回転を制御する。搬送モータ46の回転は、図示しない電磁クラッチ等を介して、給紙ローラ52および搬送ローラ53に伝達される。
【0037】
駆動制御部45は、感光体ドラム11を回転駆動する駆動モータ(ドラムモータ)47の回転を制御する。なお、感光体ドラム11の回転は、図示しないギア列を介して現像ローラ13および供給ローラ14にも伝達される。また、帯電ローラ12は、感光体ドラム11に追従して回転する。
【0038】
<現像装置の各構成要素の構成>
次に、現像装置10の各構成要素の構成について、詳細に説明する。
【0039】
<現像ローラ>
まず、現像ローラ13について説明する。図4は、現像ローラ13の断面構造を示す図である。現像ローラ13は、導電性の芯金(軸体)13aと、芯金13aの表面に形成された弾性層13bと、弾性層13bの表面を覆う表面層13cとを備える。芯金13aは、良好な導電性を有するものであればよく、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等で形成される。
【0040】
弾性層13bの材料としては、シリコーンゴム、ウレタン等の一般的なゴム材料を使用することができる。弾性層13bとしてポリウレタンを用いる場合には、ポリエーテル系ポリオールを主体とするポリウレタンであるのが好ましい。エーテル系ポリウレタンは、ポリエーテル系ポリオールを主体とするポリオールとポリイソシアネートとを反応することにより得られる、いわゆる注型タイプのポリウレタンである。これは、圧縮永久ひずみを小さくするためである。一方、エステル系ポリウレタンを用いた場合には、加水分解特性が悪く、長期に亘って安定して使用できない。
【0041】
また、弾性層13bとしてポリウレタンを用いる場合、ポリオールと反応させるイソシアネートとしては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオホスフェート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の3官能イソシアネート単体、ヘキサメチレンジイソシアネートのネレート変性ポリイソシアネートや、ポリメリックMDI等の混合物を用いることができる。
【0042】
また、これら3官能以上のポリイソシアネートと、一般的な2官能イソシアネート化合物との混合物としてもよい。2官能イソシアネート化合物の例として、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3-ジメチルジフェニル-4,4-ジイソシアネート(TODI)、およびこれらのイソシアネートを両末端に有するプレポリマー等の変性体や多量体等が挙げられる。
【0043】
弾性層13bは、上述したようなゴム基材にカーボンブラックを添加し、カーボンの分散状態を保持したまま加熱硬化させて形成する。これにより、固有抵抗として0.1~10[Ω・cm]程度を示すカーボンブラックを絶縁体ともいえるエラストマー(1012~1016[Ω・cm])に分散させて10~10[Ω・cm]の中抵抗領域を安定になるように形成することができる。
【0044】
表面層13cは、例えば、弾性層13bの表層部に表面処理液を含浸させて形成する。表面処理液は、有機溶媒に少なくともイソシアネート成分を溶解させたものである。有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル等が挙げられる。このような有機溶媒を用いる場合、例えば、表面処理液に含まれるイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のイソシアネート化合物、およびこれらの多量体および変性体等を用いることができる。
【0045】
表面処理液には、ポリエーテル系ポリマーを含有させてもよい。ポリエーテル系ポリマーは、有機溶剤に可溶であるのが好ましく、また、活性水素を有して、イソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものが好ましい。活性水素を有する好適なポリエーテル系ポリマーとしては、水酸基またはアリル基を有するポリマーが挙げられ、例えば、末端イソシアネートプレポリマーに用いるポリオール、グリコール等が挙げられる。
【0046】
また、表面処理液には、アクリルフッ素系ポリマーおよびアクリルシリコーン系ポリマーから選択されるポリマーを含有させてもよい。アクリルフッ素系ポリマーおよびアクリルシリコーン系ポリマーは、所定の溶剤に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものである。アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、またはカルボキシル基を有する溶剤可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体が挙げられる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶剤可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体が挙げられる。
【0047】
また、表面処理液には、導電性付与材としてさらにアセチレンブラック等のカーボンブラックを添加してもよい。
【0048】
表面処理液中のポリエーテル系ポリマー、アクリルフッ素系ポリマーおよびアクリルシリコーン系ポリマーは、イソシアネート成分に対し、ポリエーテル系ポリマー、アクリルフッ素系ポリマーおよびアクリルシリコーン系ポリマーの総量を10~70[質量%]となるようにするのが好ましい。10[質量%]より少ないとカーボンブラック等を表面処理液中に保持する効果が小さくなる。一方、70[質量%]より多いと、電気抵抗値が上昇し、あるいは相対的にイソシアネート成分が少なくなって有効な表面処理層が形成できないという問題がある。
【0049】
上述した表面処理液に弾性層13bを浸漬させることにより塗布し、乾燥硬化させることにより、表面処理液が弾性層13bの表層部に含浸されて表面層13cとなる。
【0050】
現像ローラ13の抵抗値は、図5(A),(B)に示す方法で測定する。測定装置25には、ヒューレット・パッカード社製ハイレジスタンスメータ(型番:4339B)を用いた。図5(A)に示すように、現像ローラ13は、軸方向における両端にW=300[g]の荷重を加えて、直径30[mm]のステンレス鋼製の金属ローラ26に接触させた。
【0051】
金属ローラ26の軸部27に対して現像ローラ13の芯金13aに-100[V]の電位差を与えて、金属ローラ26を50[rpm]の速度で回転させた。そして、現像ローラ13の1周につき100ポイントで抵抗を測定し、その平均値を現像ローラ13の抵抗値とした。現像ローラ13の抵抗値は、1×10~1×10[Ω]が好ましく、ここでは抵抗値が1×10[Ω]の現像ローラ13を用いた。
【0052】
現像ローラ13のゴム硬度(アスカーC硬度)は、55~85[度]であることが好ましい。現像ローラ13のアスカーC硬度が55[度]より低い場合、現像装置10が長期間に亘って停止した場合に、現像ローラ13と感光体ドラム11あるいは現像ブレード15との当接部に凹みが発生し、画像に横スジが発生する可能性がある。現像ローラ13のアスカーC硬度が85[度]より高い場合、現像ローラ13にかかる機械的負荷が増加し、現像ローラ13の表面でトナーの付着(フィルミングと称する)が発生し易くなる。
【0053】
<現像ブレード>
図2に示す現像ブレード15は、ステンレス鋼で構成された板状部材であり、板厚は例えば0.08[mm]である。現像ブレード15は、現像ローラ13との当接部に曲げ加工が施されており、曲げ部の曲率半径は、約0.18[mm]である。現像ブレード15と現像ローラ13との間の圧力(線圧)は、約40[gf/cm]である。
【0054】
現像ブレード15の設定条件に鑑み、現像ローラ13上のトナー層厚およびトナー帯電量を所望の量にするため、現像ローラ13の表面粗さおよび抵抗値等が設定される。現像ローラ13の表面粗さは、周方向における十点平均粗さRz(JIS B0601-1994)が2~10[μm]であることが好ましい。
【0055】
<供給ローラ>
次に、供給ローラ14について説明する。図6は、供給ローラ14を示す断面図である。供給ローラ14は、導電性の芯金(軸体)14aと、芯金14aの表面に形成されたスポンジ状の発泡弾性層14bとを有する。芯金14aは、良好な導電性を有するものであればよく、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等で形成される。
【0056】
発泡弾性層14bを形成するゴム組成物は、ゴムと発泡剤と導電性付与剤とを含有し、さらに必要に応じて添加剤を含有する。ゴムは、耐熱性および帯電特性に優れるシリコーンゴムまたはシリコーン変性ゴムが好ましい。発泡剤は、発泡ゴムに用いられる発泡剤であればよい。無機系発泡剤としては、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられる。有機系発泡剤としては、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物が挙げられる。発泡弾性層14bに連続セルを形成する場合には無機系発泡剤が用いられ、独立セルを形成する場合には有機系発泡剤が用いられる。添加剤は、例えば、充填剤、着色剤、離型剤等である。
【0057】
<クリーニング部材>
クリーニング部材16は、板状弾性体と、それを保持するための導電性の板状保持具からなる。
【0058】
板状弾性体の材料としては、特に限定するものではないが、感光体ドラム11の表面に摺接して残留トナーを掻き取る際、感光体ドラム表面を傷つけることがないよう、弾性体組成物を用いることが好ましい。例えばポリウレタン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フッ素ゴム等に、添加剤を配合した組成物が挙げられる。特に、機械的強度および弾性圧接性に優れるポリウレタン組成物が好ましい。
【0059】
上記のポリウレタン組成物は、ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤と触媒とを用いて得ることができる。
【0060】
ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではないが、例えば、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、3,3′-トリレン-4,4′-ジイソシアネート、3,3′-ジメチルジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4-TDIの二量体)、1,5-ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添加MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4′,4″-トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等を用いることができる。これらは単独または2種以上併せて用いられる。特に、耐摩耗性の観点から、MDIが好ましい。
【0061】
また、上記のポリイソシアネートと共に用いられるポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキシレンアジペート等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオールを用いることができる。これらは単独または2種以上併せて用いられる。特に、耐摩耗性に優れる点で、PBAが好ましい。
【0062】
上記ポリイソシアネートおよびポリオールと共に用いられる硬化剤としては、特に限定するものではないが、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6-ヘキサントリオール等の、分子量300以下のポリオールを用いることができる。これらは単独または2種以上併せて用いられる。
【0063】
感光体ドラム11に対するクリーニング部材16の線圧は、15[gf/cm]以上、かつ30[gf/cm]以下が好ましく、ここでは20[gf/cm]とした。また、クリーニング角は10[゜]以上、かつ15[゜]以下となるようにした。
【0064】
<感光体ドラム>
次に、感光体ドラム11について説明する。図7(A)は、感光体ドラム11の断面構造を示す図である。感光体ドラム11は円筒状の部材であり、X方向の一端部に駆動部材80が取り付けられ、他端部にフランジ部材70が取り付けられている。
【0065】
感光体ドラム11は、導電性支持体である素管111を有する。図7(B)に拡大して示すように、素管111の表面には、下引き層112と感光層113とが順に積層されている。感光層113は、電荷発生層114および電荷輸送層115の積層体からなる。
【0066】
下引き層112としては、例えば、結着樹脂中に金属酸化物等の粒子を分散したものが用いられる。下引き層112は、単一層で構成してもよく、複数層で構成してもよい。
【0067】
下引き層112に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率および組み合わせで用いてもよい。
【0068】
これらの金属酸化物粒子の中でも、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理が施されていてもよい。
【0069】
これらの処理は何れか1種でもよく、2種以上が施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、例えば、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスの何れを用いることができる。なお、酸化チタン粒子は、その結晶型が1種のみであってもよく、2種以上の結晶型が任意の比率および組み合わせで含まれていてもよい。
【0070】
金属酸化物粒子の粒径は本開示の効果を著しく損なわない限り任意であるが、下引き層112の結着樹脂等の特性および溶液の安定性の観点から、平均一次粒径が10[nm]以上で100[nm]以下、好ましくは50[nm]以下のものが好ましい。この平均一次粒径は、例えば透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により測定することができる。
【0071】
下引き層112は、例えば、結着樹脂を溶解した溶液に金属酸化物粒子を分散させ、この溶液を素管111上に塗布することにより形成することが好ましい。下引き層112に用いられる結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率および組み合わせで用いてもよい。また、硬化剤と共に硬化した形状で使用してもよい。特に、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性および塗布性を示し、好ましい。
【0072】
感光層113の構成は、公知の電子写真感光体に適用可能な如何なる構成も採用することが可能である。具体例を挙げると、光導電性材料を結着樹脂中に溶解または分散させた単層の感光層(すなわち単層型感光層)を有する単層型感光体と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる複数の層からなる感光層(すなわち積層型感光層)を有する積層型感光体等が挙げられる。一般に光導電性材料は、単層型でも積層型でも、機能としては同等の性能を示すことが知られている。
【0073】
本実施の形態の感光体ドラム11の感光層113は、公知のいずれの形態であってもよいが、電子写真感光体の機械的物性、電気特性、製造安定性等を総合的に勘案して、積層型の電子写真感光体が好ましい。特に、素管111上に電荷発生層114と電荷輸送層115とをこの順に積層した順積層型感光体がより好ましい。
【0074】
積層型感光体(機能分離型感光体)の電荷輸送層115および単層型感光体の感光層を形成する際には、膜強度確保のため、化合物を分散させるため結着樹脂(バインダ)が使用される。機能分離型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質と各種結着樹脂とを溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。また、単層型感光体は、電荷発生物質、電荷輸送物質および各種結着樹脂を溶剤に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることができる。
【0075】
機能分離型感光体の電荷発生層114に用いられる結着樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼイン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アルキッド樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択して用いることができるが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これら結着樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率および組み合わせで用いてもよい。
【0076】
電荷輸送層115に用いられる結着樹脂の例としては、例えば、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼイン、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アルキッド樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂および有機光導電性樹脂等である。塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体は、例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体および塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体等である。有機光導電性樹脂は、例えば、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンおよびポリビニルペリレン等である。
【0077】
電荷輸送層115は、例えば、少なくとも1種類以上の電荷輸送物質を含んでいる。電荷輸送物質の種類は、特に限定するものではないが、例えば、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、アニリン誘導体およびエナミン誘導体等である。また、電荷輸送物質は、例えば、上記した芳香族アミン誘導体のうちのいずれか1種類または2種類以上が結合された化合物でもよい。また、電荷輸送物質は、例えば、上記した芳香族アミン誘導体等からなる基を主鎖または側鎖として有する重合体(電子供与性材料)等でもよい。中でも、電荷輸送物質は、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体、エナミン誘導体およびそれらのうちのいずれか1種類または2種類以上が結合された化合物であることが好ましく、芳香族アミン誘導体とエナミン誘導体とが結合された化合物であることがより好ましい。
【0078】
感光体ドラム11を構成する各層は、各層を構成する材料を含有する塗布液を、素管111上に公知の塗布方法を用い、各層ごとに塗布、乾燥工程を繰り返すことで形成される。結着樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒(分散媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン等の鎖状、分岐および環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THFとも称する)、1,4-ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状および環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n-ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水等が挙げられ、前述した下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率および組み合わせで用いてもよい。
【0079】
単層型感光体および積層型感光体の電荷輸送層の形成用の塗布液は、固形分濃度が、5[重量%]以上、好ましくは10[重量%]以上であり、40[重量%]以下、好ましくは35[重量%]以下である。また、塗布液の粘度は、10[mPa・s]以上、好ましくは50[mPa・s]以上であり、500[mPa・s]以下、好ましくは400[mPa・s]以下である。
【0080】
積層型感光体の電荷発生層の場合には、固形分濃度を、0.1[重量%]以上、好ましくは1[重量%]以上であり、また、15[重量%]以下、好ましくは10[重量%]以下である。また、塗布液の粘度は、0.01m[Pa・s]以上、好ましくは0.1[mPa・s]以上であり、20[mPa・s]以下、好ましくは10[mPa・s]以下である。
【0081】
塗布液の塗布方法としては、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。なお、これらの方法は、1種を単独で利用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて利用してもよい。塗布液の乾燥は室温(25[℃])における指触乾燥後、30[℃]以上200[℃]以下の温度範囲で、1分以上2時間以下の間、無風、または送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また加熱温度は一定であっても、乾燥時に変更させながら行なってもよい。
【0082】
単層型感光体の感光層の膜厚は、一般に5[μm]以上、好ましくは10[μm]以上であり、また、一般に100[μm]以下、好ましくは50[μm]以下である。また、順積層型感光体の電荷輸送層の膜厚は、一般に、5[μm]以上、50[μm]以下であるが、長寿命および画像安定性の観点からは、10[μm]以上、45[μm]以下であることが好ましく、高解像度の観点からは、10[μm]以上、30[μm]以下であることが好ましい。
【0083】
<感光体ドラムと現像ローラの支持構造>
図8は、感光体ドラム11および現像ローラ13の支持構造を示す模式図である。現像装置10の筐体17(図2)は、感光体ドラム11および現像ローラ13のX方向両側に、サイドフレーム22,23を有する。感光体ドラム11および現像ローラ13は、サイドフレーム22,23によって支持されている。なお、供給ローラ14および現像ブレード15(図2)等もサイドフレーム22,23によって支持されているが、図8では省略されている。
【0084】
感光体ドラム11の+X方向(サイドフレーム22側)の端部には駆動部材80が取り付けられ、-X方向(サイドフレーム23側)の端部にはフランジ部材70が取り付けられている。フランジ部材70および駆動部材80には、感光体ドラム11を軸方向に貫通するX方向のシャフト110が取り付けられている。
【0085】
シャフト110の両端部11eは、サイドフレーム22,23に形成された穴部22a,23aに嵌合している。フランジ部材70および駆動部材80は、シャフト110に対して回転可能に係合している。駆動部材80はギア部81(図9(A))を有し、駆動モータ47(図3)からの回転伝達を受ける。
【0086】
現像ローラ13は、芯金13a(図4)のX方向両端の軸端部13eが、サイドフレーム22,23の穴部22b,23bに配置された軸受により支持されている。これにより、現像ローラ13はサイドフレーム22,23に回転可能に支持される。
【0087】
現像ローラ13の+X方向の軸端部13eには、駆動部材80のギア部81(図9(A))と噛み合うローラギア13gが固定されている。感光体ドラム11が回転すると、駆動部材80とローラギア13gとの噛み合いにより、現像ローラ13も回転する。
【0088】
感光体ドラム11の表面と現像ローラ13の表面とは、互いに当接している。感光体ドラム11と現像ローラ13との中心間距離L1は、サイドフレーム22(23)の穴部22a,22b(23a,23b)の中心間距離で決まる。この中心間距離L1により、感光体ドラム11と現像ローラ13との間の当接圧力および後述するフィード力が決まる。
【0089】
<駆動部材>
図9(A)は、感光体ドラム11、フランジ部材70および駆動部材80を示す断面図である。上記の通り、感光体ドラム11の素管111の+X方向の端部には駆動部材80が取り付けられ、素管111の-X方向の端部にはフランジ部材70が取り付けられている。素管111としては、例えば、内径が22.51[mm]、長さ246[mm]、厚さ0.71[mm]のアルミニウム製の円筒パイプが用いられる。
【0090】
フランジ部材70は、環状部71と円筒部72とを有する。環状部71と円筒部72とは同軸であり、それぞれの中心は回転軸Axと一致している。円筒部72は、感光体ドラム11の素管111の内側に嵌合する。環状部71は外径が素管111よりも大きく、素管111のX方向の端面に当接する。
【0091】
フランジ部材70の径方向の中心には、シャフト110(図8)を挿通させる軸孔73が形成されている。軸孔73は、環状部71と円筒部72とをX方向に貫通している。フランジ部材70は、樹脂により一体に形成されている。フランジ部材70を形成する樹脂は、耐熱性を有する樹脂、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂が望ましい。
【0092】
駆動部材80は、環状のギア部81と、円筒状の嵌合部82とを有する。ギア部81と嵌合部82とは同軸であり、それぞれの中心は回転軸Axと一致している。嵌合部82は、感光体ドラム11の素管111の内側に嵌合する。ギア部81は外径(すなわち歯先円直径)が素管111よりも大きく、素管111のX方向の端面に当接する。
【0093】
駆動部材80のギア部81は、駆動モータ47(図3)に連結された図示しない駆動ギアと噛み合い、感光体ドラム11を回転させるための駆動力の伝達を受ける。ギア部81の径方向の中心には、シャフト110(図8)を挿通させる軸孔83が形成されている。駆動部材80は、樹脂により一体に形成されている。駆動部材80を形成する樹脂は、耐熱性を有する樹脂、例えばABS樹脂が望ましい。
【0094】
図9(B)は、駆動部材80の一部を拡大して示す図である。図10は、駆動部材80を示す斜視図である。図9(B)および図10に示すように、嵌合部82の外周面84は、回転軸Axを中心とする円筒面である。嵌合部82の外周面84は、感光体ドラム11の素管111(図9(A))の内周面に当接する。
【0095】
また、嵌合部82の外周面84には、回転軸Axを中心とする周方向に凹部85が形成されている。凹部85は、駆動部材80を感光体ドラム11に接合する接着剤を収容するスペースである。言い換えると、凹部85は、接着剤溜まりである。すなわち、凹部85には、接着剤が付着する。
【0096】
凹部85は、X方向に幅Wを有し、径方向に深さDを有する。凹部85の幅Wは、後述するように1.5~2.0[mm]が望ましい。凹部85の深さDは、1.0[mm]未満が望ましい。
【0097】
また、凹部85は、ギア部81からX方向に距離Lだけ離れた位置に形成されている。距離Lは、3.0[mm]以上が望ましい。凹部85は、嵌合部82を周方向に一周するように形成されている。
【0098】
凹部85は、例えば、断面形状が矩形状のコの字溝である。但し、凹部85は、他の形状の溝(例えばV字溝、U字溝等)であってもよく、あるいは、ギア部81側(+X側)が高く、その反対側(-X側)が低い段差部であってもよい。
【0099】
嵌合部82の凹部85よりも-X側(すなわち感光体ドラム11の軸方向の内側)には、凸部86が形成されている。図10に示すように、複数の凸部86が周方向に等間隔に形成されている。隣り合う凸部86の間には、窪み87が形成されている。
【0100】
凸部86の頂面(径方向において最も外側の面)は、外周面84と同一の円筒面上に位置する。嵌合部82の外周面84および凸部86の頂面は、感光体ドラム11の素管111の内周面に当接する。
【0101】
凸部86の間の窪み87の底面は、凹部85の底面と同一の円筒面上に位置する。この窪み87は、感光体ドラム11への駆動部材80の取り付け時に、嵌合部82と素管111との間から空気が抜けやすくするために設けられている。なお、窪み87を設けずに、凸部86を、嵌合部82を周方向に一周するように環状に形成してもよい。
【0102】
凸部86のさらに-X側には、傾斜面88が形成されている。傾斜面88は、-X方向に進むほど回転軸Axに近付くように傾斜している。傾斜面88は、感光体ドラム11への駆動部材80の取り付け時に、嵌合部82を素管111に内側に嵌合させやすくするために設けられている。
【0103】
嵌合部82の内周側には、ギア部81の軸孔83(図9(A))に連通する空洞部89が設けられている。空洞部89は、嵌合部82を形成する材料を少なくし、重量を軽減するために設けられている。なお、必ずしも空洞部89を設けなくてもよい。
【0104】
ギア部81は、周方向に複数の歯81aを有する。なお、図10に示したギア部81はヘリカルギアであるが、これに限定されるものではない。
【0105】
駆動部材80は、感光体ドラム11の素管111の内側に、接着剤により接合される。接着剤としては、例えば、シアノアクリレート系の接着剤が望ましい。シアノアクリレート系の接着剤は、2-シアノアクリル酸エステルモノマーを主な主成分とする接着剤である。一例としては、東亜合成株式会社製のアロンアルファ(登録商標)、およびヘンケルジャパン株式会社製のロックタイト(登録商標)がある。また、シアノアクリレート系の接着剤の代わりに、エポキシ系の接着剤を用いてもよい。
【0106】
駆動部材80を感光体ドラム11の素管111に取り付ける際には、まず、素管111の+X方向端部の内周面に上記の接着剤(例えば140[mg])を塗布する。その状態で、素管111の内側に駆動部材80の嵌合部82を挿入する。これにより、素管111の内周面と嵌合部82が接着剤で接合される。
【0107】
すなわち、最初に素管111の内周面に塗布した接着剤のうち、一部の接着剤は、素管111の内周面と、外周面84および凸部86の頂面との間に存在する。残りの接着剤は、凹部85に収容される。
【0108】
<画像形成装置の基本動作>
次に、画像形成装置1の印刷動作について、図1および図3を参照して説明する。印刷制御部30は、上位装置からI/F制御部31を介して印刷コマンドと印刷データを受信すると、印刷動作を開始する。
【0109】
印刷制御部30は、上位装置から受信した印刷データを受信メモリ32に一時的に記録し、記録した印刷データを編集処理してイメージデータを生成し、画像データ編集メモリ33に記録する。
【0110】
また、定着駆動制御部43が定着モータ63を駆動し、定着ローラ61および加圧ローラ62が回転を開始する。また、定着制御部42が定着ローラ61内のヒータに通電し、定着ローラ61が所定の定着温度まで加熱される。
【0111】
また、搬送制御部44が搬送モータ46を駆動し、給紙ローラ52が媒体トレイ51内の媒体Pを矢印a1で示すように搬送路に送り出す。また、搬送ローラ53が回転し、媒体Pを矢印a2で示すように現像装置10に搬送する。
【0112】
また、各電源36~39から帯電ローラ12、現像ローラ13、供給ローラ14、現像ブレード15に、帯電電圧、現像電圧、供給電圧およびブレード電圧がそれぞれ印加される。
【0113】
また、駆動制御部45が駆動モータ47を駆動し、感光体ドラム11が回転する。感光体ドラム11の回転に伴って、帯電ローラ12、現像ローラ13および供給ローラ14も回転する。帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。
【0114】
また、ヘッド制御部41がLEDヘッド21を駆動し、感光体ドラム11の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。
【0115】
感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ13に付着したトナーによって現像され、感光体ドラム11の表面にトナー像が形成される。さらに、転写ローラ用電源40から転写ローラ20に転写電圧が印加される。
【0116】
この転写電圧により、感光体ドラム11の表面のトナー像が、感光体ドラム11と転写ローラ20との間を通過する媒体Pに転写される。媒体Pに転写されなかったトナーは、クリーニング部材16によって掻き取られる。
【0117】
定着装置60では、定着ローラ61と加圧ローラ62との間の定着ニップを通過する媒体Pに熱および圧力が印加され、トナー像が媒体Pに定着する。トナー像が定着した媒体Pは、矢印a3で示すように媒体排出部65に送られる。
【0118】
媒体排出部65では、排出ローラ66が媒体Pを矢印a4で示すように排出口から排出する。排出された媒体Pは、スタッカ68上に積載される。これにより、媒体Pへの画像の形成が完了する。
【0119】
<現像装置の動作>
上記の印刷動作における現像装置10の動作は、次の通りである。現像装置10の感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像ローラ13および供給ローラ14は、図2にそれぞれ矢印で示した方向に回転する。
【0120】
画像形成装置1では、A4サイズの媒体Pを縦送りで搬送し、印刷速度は40[ppm](page per minute)である。現像ローラ13の外径は16.0[mm]であり、周速度は0.3[m/s]であり、供給ローラ14の外径は15.5[mm]であり、周速度は0.2[m/s]である。感光体ドラム11の外径は30.0[mm]であり、周速度は0.22[m/s]である。
【0121】
供給ローラ14は、発泡弾性層14bの外周面およびセル内にトナーを担持しながら回転する。供給ローラ14には、供給ローラ用電源38から-330[V]の直流電圧が印加され、現像ローラ13には、現像ローラ用電源37から-200[V]の直流電圧が印加されている。現像ローラ13と供給ローラ14との電位差により、負に帯電したトナーは現像ローラ13に供給される。
【0122】
現像ブレード15には、現像ブレード用電源39から-330[V]の直流電圧が印加される。この現像ブレード15により、現像ローラ13の表面のトナーが薄層化される。
【0123】
帯電ローラ12には、帯電ローラ用電源36から-1000[V]の直流電圧が印加される。この帯電ローラ12により、感光体ドラム11の表面は-450[V]程度に一様に帯電される。
【0124】
一様に帯電された感光体ドラム11の表面は、LEDヘッド21によって露光され、静電潜像が形成される。感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ13が担持するトナーによって現像され、トナー像となる。
【0125】
印刷画像密度100%のベタ画像(ソリッド画像)を印刷する場合、感光体ドラム11の表面電位は、LEDヘッド21の全LEDの露光によって、露光前の-450[V]から、-50[V]程度まで減衰する。
【0126】
感光体ドラム11に供給されなかった現像ローラ13上のトナーは、供給ローラ14との対向部において、供給ローラ14によって掻き取られる。
【0127】
感光体ドラム11の表面のトナー像は、所定の転写電圧が印加された転写ローラ20(図1)により媒体Pに転写される。
【0128】
一方、媒体Pに転写されずに感光体ドラム11の表面に残ったトナーや、トナー母粒子から遊離して感光体ドラム11の表面に付着した外添剤は、クリーニング部材16によって掻き取られる。
【0129】
感光体ドラム11の表面は、クリーニング部材16によってトナーおよび外添剤が掻き取られたのち、図示しない除電光ユニットにより除電光が照射されて除電される。除電された感光体ドラム11の表面は、帯電ローラ12によって改めて帯電される。
【0130】
<実施の形態1の作用>
次に、実施の形態1の作用について説明する。図11(A)は、実施の形態1の感光体ドラム11と駆動部材80との接合部分を示す図である。図11(B)は、比較例の感光体ドラム11と駆動部材180との接合部分を示す図である。
【0131】
図11(B)に示す比較例の駆動部材180は、嵌合部82においてギア部81に隣接する位置に凹部85を有している。すなわち、凹部85とギア部81とのX方向の距離は0[mm]である。比較例の駆動部材180は、凹部85の位置を除き、図11(A)に示した実施の形態1の駆動部材80と同様に形成されている。
【0132】
一般に、感光体ドラム11と駆動部材80との接合が不十分な場合、連続印刷中に、感光体ドラム11と駆動部材80とのX方向の位置ずれが生じる可能性がある。このような位置ずれを、ギアずれと称する。
【0133】
ギアずれが生じると、感光体ドラム11の外周面の位置が径方向に変動し、その結果、トナー像の転写時に感光体ドラム11と転写ローラ20との間の圧力が局所的に低下して、白抜け等の印刷不良が発生する可能性がある。
【0134】
例えば、駆動部材80がABS樹脂で形成されている場合、熱膨張率は5.87×10-5/Kであり、感光体ドラム11の素管111がアルミニウムで形成されている場合、熱膨張率は2.30×10-5/Kである。そのため、画像形成装置1が、例えば10℃以下の低温環境で使用されると、駆動部材80が感光体ドラム11の素管111よりも大きな変形を示し、その結果、上記のギアずれが生じやすい。
【0135】
感光体ドラム11と駆動部材80との接合が不十分になる原因は、感光体ドラム11への駆動部材80の接合時に、接着剤が素管111と嵌合部82との間から-X方向(すなわち素管111の内部)に流れ出てしまうことである。
【0136】
接着剤を素管111と嵌合部82との間で保持するためには、嵌合部82に接着剤を保持する凹部85を設けることが有効である。
【0137】
但し、図11(B)に示した比較例のように、凹部85がギア部81に隣接していると、凹部85からギア部81側に接着剤(符号Aで示す)が漏れ、ギア部81の歯81aに付着する可能性がある。ギア部81の歯81aに接着剤Aが付着すると、回転時に駆動ギアとの噛み合いが不十分となり、感光体ドラム11の外周面の振れ(すなわち径方向の位置変動)が大きくなり、印刷不良が発生する原因となる。
【0138】
これに対し、実施の形態1では、図11(A)に示したように、凹部85がギア部81からX方向に離間している。そのため、仮に接着剤Aが凹部85から漏れたとしても、ギア部81の歯81aへの付着が防止される。これにより、素管111と嵌合部82とを接合する十分な量の接着剤を凹部85で保持することができ、なお且つギア部81への接着剤の付着による印刷不良の発生を防止することができる。
【0139】
<フィード力とギアずれとの関係>
次に、感光体ドラム11と現像ローラ13とによるフィード力と、ギアずれとの関係について説明する。感光体ドラム11と現像ローラ13とは接触しながら回転しているため、接触部分でフィード力(搬送力)と呼ばれる力が作用する。フィード力とは、感光体ドラム11と現像ローラ13との周速差による摩擦力であり、引き抜き力とも称する。
【0140】
まず、フィード力の測定方法について説明する。図12(A)は、感光体ドラム11と現像ローラ13とによるフィード力の測定方法を示す模式図である。図12(B)は、フィード力の測定に用いる測定治具90を示す模式図である。
【0141】
図12(A)に示すように、感光体ドラム11と現像ローラ13との間にフィルム92を挿入し、感光体ドラム11および現像ローラ13を回転させ、フィルム92が引っ張られる力をフォースゲージ91で測定することによって、フィード力を測定する。
【0142】
フィルム92の長手方向は、感光体ドラム11と現像ローラ13との当接部(符号Nで示す)における感光体ドラム11の表面の接線方向である。フィルム92の幅方向は、X方向である。
【0143】
図12(B)に示すように、フィルム92の上端部(当接部Nから離れた側の端部)には、支持板93が固定されている。支持板93にはフック95の一端が取り付けられ、フック95の他端はフォースゲージ91に取り付けられている。
【0144】
フィルム92は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)で形成されている。フィルム92の長さは95[mm]であり、幅は5[mm]であり、厚さは1[mm]である。フィルム92の幅方向はX方向である。
【0145】
支持板93は、例えばアクリル板であり、フィルム92の長手方向の一端部に固定されている。支持板93の長さは20[mm]であり、幅は12[mm]である。支持板93には、フック95の一端が引っ掛けられる穴部94が形成されている。
【0146】
図12(A)に示すように、フィルム92を感光体ドラム11と現像ローラ13との間に挿入した状態で、感光体ドラム11および現像ローラ13をそれぞれ回転させる。感光体ドラム11の回転速度(周速)は、印刷速度49[ppm]に相当する234.0[mm/秒]である。また、現像ローラ13の周速は、感光体ドラム11の周速の1.26倍である。
【0147】
なお、感光体ドラム11と現像ローラ13との周速比(ここでは1.26)は、感光体ドラム11と現像ローラ13との外径比と、駆動部材80のギア部81とローラギア13gとの歯数比によって決まる。
【0148】
感光体ドラム11および現像ローラ13を上記のように回転させた状態で、フォースゲージ91の値[N]を読み取る。フォースゲージ91は、ここではデジタルフォースゲージであり、測定値がパーソナルコンピュータに出力される。
【0149】
フィード力は、現像ローラ13のX方向の中心と、そのX方向の両側の合計3個所で測定する。各箇所において、サンプリング間隔を10[m秒]としてフォースゲージ91の出力値を記録し、5[秒]間の平均値を算出する。これにより、各箇所におけるフィード力[N]を得る。3個所におけるフィード力の最大値を、フィード力[N]とする。
【0150】
ここでは、感光体ドラム11に、接着剤を用いずに駆動部材80を接合した。また、感光体ドラム11と現像ローラ13とを筐体17(図2)のサイドフレーム22,23(図8)に取り付け、感光体ドラム11と現像ローラ13との中心間距離L1(図8)を10通りに変化させ、フィード力を測定した。試験環境は、駆動部材80が熱収縮してギアずれが発生しやすい低温低湿環境(温度10[℃]、相対湿度20[%])とした。
【0151】
このようにしてフィード力を測定した後、上記の感光体ドラム11および現像ローラ13を含む現像装置10を画像形成装置1(図1)に組み込み、数百枚の連続印刷試験を行った。連続印刷試験では、媒体PとしてA4サイズの普通紙を用い、印刷画像密度(デューティ比)が0.3[%]のテストパターンを数百枚の媒体Pに印刷した。
【0152】
連続印刷試験では、印刷速度を40[ppm]とし、感光体ドラム11、現像ローラ13および供給ローラ14の周速度を、上述した現像装置10の動作に関する説明の通りに設定した。また、現像ローラ13、供給ローラ14、現像ブレード15および転写ローラ20への印加電圧も、上述した現像装置10の動作に関する説明の通りに設定した。
【0153】
連続印刷試験の後、画像形成装置1から現像装置10を取り外し、現像装置10から感光体ドラム11を取り外して、ギアずれの発生の有無を目視で判断した。
【0154】
図9(A),(B)を参照した方法で測定したフィード力と、連続印刷試験後のギアずれ発生の有無との関係を、以下の表1に示す。
【表1】
【0155】
表1の結果から、フィード力が1.6[N]以下であれば、接着剤を用いずに感光体ドラム11に駆動部材80を接合した場合であっても、ギアずれの発生が防止されることが分かる。そのため、以下で説明するように接着剤を用いて感光体ドラム11に駆動部材80を接合した場合であっても、少なくともフィード力が1.6[N]以下であれば、ギアずれが発生しないということができる。
【0156】
<凹部の幅と抜去力との関係>
次に、駆動部材80の凹部85の幅Wと、駆動部材80の感光体ドラム11からの抜去力との関係を調べた。
【0157】
図13は、抜去力の測定方法を示す図である。まず、感光体ドラム11の素管111の内側に、駆動部材80の嵌合部82を接着剤により接合する。感光体ドラム11の他端部にはフランジ部材70を取り付けずに、開放端とする。
【0158】
また、重量計102上に載置した固定台103に、鉛直方向を向けたシャフト101の下端部を固定する。シャフト101の上端部には、段付き部が形成されている。さらに、感光体ドラム11を、その開放端を下にして、シャフト101に被せるように取り付け、駆動部材80の軸孔83にシャフト101の上端部を嵌合させる。
【0159】
この状態で、作業者が感光体ドラム11の外周を両手で把持し、図中矢印Fで示すように感光体ドラム11を下方に付勢する。シャフト101の上端には段付き部が形成されているため、駆動部材80はシャフト101に対して相対的に移動しない。そのため、作業者が感光体ドラム11に加えた力Fは、感光体ドラム11が駆動部材80から下方に抜けようとする力(すなわち抜去力)となる。
【0160】
作業者が感光体ドラム11に加えた力Fが、感光体ドラム11と駆動部材80の嵌合部82との接着力を上回ると、感光体ドラム11が嵌合部82から外れて下方に移動する。このときの重量計102の表示部104の表示から、抜去力[kgf]を読み取る。
【0161】
ここでは、駆動部材80の凹部85の幅Wを、0[mm]、1.0[mm]、1.5[mm]、2.0[mm]および2.5[mm]と5通りに変化させ、それぞれについて抜去力[kgf]を測定した。
【0162】
また、この抜去力の測定後、駆動部材80の嵌合部82の表面を目視観察し、接着剤が凹部85の全周に亘って存在するかどうか、言い換えると凹部85内に接着材の欠損部分があるかどうかを確認した。
【0163】
凹部85の全周に亘って接着剤の欠損部分が観察されない場合には、判定結果を良(〇)とした。また、接着剤の欠損部分が僅かに観察されても、ギアずれに影響しないレベルである場合には、判定結果を可(△)とした。また、接着剤の欠損部分が明確に観察された場合には判定結果を不良(×)とした。
【0164】
<連続印刷試験>
また、上記のように凹部85の幅Wを変化させた駆動部材80を画像形成装置1(図1)に組み込み、連続印刷試験(長期連続試験)を行った。媒体PにはA4サイズの普通紙を用い、印刷画像密度(デューティ比)が0.3[%]のテストパターンを30,000枚(30K枚)に印刷した。
【0165】
連続印刷試験では、印刷速度を40[ppm]とし、感光体ドラム11、現像ローラ13および供給ローラ14の周速度を、上述した現像装置10の動作に関する説明の通りに設定した。また、現像ローラ13、供給ローラ14、現像ブレード15および転写ローラ20への印加電圧も、上述した現像装置10の動作に関する説明の通りに設定した。
【0166】
連続印刷試験では、30,000枚の印刷の途中で、数百枚毎に感光体ドラム11を画像形成装置1から取り外し、ギアずれの有無を判定した。
【0167】
30,000枚の連続印刷が終了した段階でギアずれが観察されない場合には、判定結果を良(〇)とした。また、数百枚の連続印刷が終了した段階ではギアずれが観察されないが、30,000枚の連続印刷が終了した段階でギアずれが観察された場合には、判定結果を可(△)とした。また、数百枚の連続印刷が終了した段階でギアずれが観察された場合には、判定結果を不良(×)とした。
【0168】
また、ギアずれの有無の判定と合わせて、駆動部材80のギア部81を目視で観察し、ギア部81への接着剤の付着の有無を観察した。ギア部81への接着剤の付着が観察されなかった場合には、判定結果を良(〇)とし、ギア部81への接着剤の付着が観察された場合には、判定結果を不良(×)とした。
【0169】
凹部85の幅W[mm]を5通りに変化させた場合について、抜去力[kgf]の測定値、並びに、ギアずれの発生の有無、ギア部81への接着剤の付着の有無、および凹部85における接着剤の全周塗布についての判定結果を、以下の表2に示す。
【表2】
【0170】
表2に示すように、凹部85の幅Wが0の場合には、抜去力が小さく、数百枚の連続印刷後にギアずれが観察された。これは、駆動部材80の嵌合部82に凹部85が形成されていないため、素管111と嵌合部82との間の接着剤の保持量が少なく、素管111と嵌合部82との接合が不十分であることによるものである。
【0171】
また、凹部85の幅Wが1.0[mm]の場合には、抜去力は大きくなったが、30,000枚の連続印刷後にギアずれが観察された。これは、駆動部材80の嵌合部82に凹部85を設けたことで抜去力は向上したが、凹部85の幅Wをさらに広げた場合のような強固な接合は得られていないことによるものである。
【0172】
凹部85の幅Wが2.5[mm]の場合には、抜去力はさらに大きくなり、30,000枚の連続印刷後にもギアずれは観察されなかった。但し、接着剤が凹部85の全周に塗布されておらず、ギアずれに影響しない程度の接着剤の欠損部分が観察された。これは、凹部85の幅Wが広いことにより、接着剤が行き渡らない箇所が生じたことによるものである。なお、接着剤の量を増加させれば凹部85の全周に行き渡らせることができるが、コスト上昇につながり、また固化後の接着剤の体積が大きくなることで熱収縮や熱膨張による割れ等が生じるため、接着剤の量はあまり増加させないことが望ましい。
【0173】
これに対し、凹部85の幅Wが1.5~2.0[mm]の場合には、抜去力が十分に大きく、30,000枚の連続印刷後にもギアずれは観察されなかった。また、凹部85の全周に渡って接着剤の欠損も観察されなかった。これは、凹部85が十分な幅Wを有するため、素管111と嵌合部82との接合に十分な量の接着剤が保持され、また凹部85の幅Wが広過ぎないため、接着剤が凹部85の全周に行き渡ったことによるものである。
【0174】
以上の結果から、感光体ドラム11の素管111に駆動部材80を強固に取り付け、また凹部85の全周に接着剤を均等に付与するためには、凹部85の幅Wは1.5~2.0[mm]であることが最も望ましい。
【0175】
<実施の形態の効果>
以上説明したように、この実施の形態の現像装置10は、静電潜像を担持する感光体ドラム11と、静電潜像を現像する現像ローラ13と、感光体ドラム11に接着剤により接合された駆動部材80とを備える。駆動部材80は、感光体ドラム11に嵌合する嵌合部82と、ギア部81とを有する。嵌合部82は、周方向に延在する凹部85を有し、凹部85には接着剤が付着する。凹部85は、ギア部81から離れた位置に設けられている。そのため、ギアずれの発生を抑制し、またギア部81への接着剤の付着による印刷不良を抑制することができる。
【0176】
また、嵌合部82が、凹部85に対してギア部81と反対側に凸部86を有するため、接着剤が素管111の内部に流れ出ることを、凸部86によって防止することができる。
【0177】
また、嵌合部82は、凹部85に対してギア部81側に、円筒面である外周面84を有し、この外周面84および凸部86が素管111の内周面に当接するため、嵌合部82と感光体ドラム11の素管111との接触面を広く確保し、素管111と嵌合部82との接合強度を高めることができる。
【0178】
また、凹部85の幅Wが1.5[mm]以上、2.0[mm]以下であるため、十分な抜去力を得ることができ、また凹部85の全周に亘って接着剤を均等に付与することができる。
【0179】
また、凹部85からギア部81までのX方向の距離Lが3.0[mm]以上であるため、凹部85から接着剤が漏れたとしても、ギア部81への接着剤を効果的に防止することができる。
【0180】
また、凹部85が嵌合部82を周方向に1周するように設けられているため、嵌合部82の全周に亘って凹部85で接着剤を保持することができ、素管111と嵌合部82との接合強度を高めることができる。
【0181】
また、嵌合部82がギア部81と反対側の外周に傾斜面88を有しているため、駆動部材80を感光体ドラム11に取り付ける際に、素管111に嵌合部82を嵌合させやすくなる。
【0182】
また、嵌合部82とギア部81とが樹脂で一体に形成されているため、低コストで十分な強度を有する駆動部材80を実現することができる。
【0183】
また、温度10[℃]、相対湿度20[%]の低温低湿環境において、感光体ドラム11と現像ローラ13とによるフィード力が1.6[N]以下であるため、フィード力が大きいほど生じ易くなるギアずれをより効果的に防止することができる。
【0184】
なお、本実施の形態では、温度10[℃]、相対湿度20[%]で各種の評価を行ったが、温湿度はこれらの例に限定されない。また、駆動部材80を素管111に接合するための接着剤の量を140[mg]としたが、駆動部材80を素管111に接合することができれば、接着剤の量はこの例に限定されない。
【0185】
以上、望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではなく、各種の改良または変形を行なうことができる。
【0186】
本開示は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multi Function Peripheral)等、媒体に画像を形成する画像形成装置に利用することができる。
【0187】
以下、本開示の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)
静電潜像を担持し、回転軸を中心として回転可能な像担持体と、
前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、
前記像担持体の端部に接着剤により接合された駆動部材と
を備え、
前記駆動部材は、前記像担持体に嵌合する嵌合部と、ギア部とを有し、
前記嵌合部は、前記回転軸を中心とする周方向に延在する凹部を有し、前記凹部に前記接着剤が付着し、
前記凹部は、前記ギア部から離れた位置に設けられている
ことを特徴とする現像装置。
(付記2)
前記嵌合部は、前記凹部に対して前記ギア部と反対側に、凸部を有する
ことを特徴とする付記1に記載の現像装置。
(付記3)
前記嵌合部は、前記凹部に対して前記ギア部側に、円筒面である外周面を有し、
前記外周面および前記凸部が、前記像担持体の内周面に当接する
ことを特徴とする付記2に記載の現像装置。
(付記4)
前記回転軸の方向における前記凹部の幅は、1.5[mm]以上、2.0[mm]以下である
ことを特徴とする付記1から3までのいずれか1項に記載の現像装置。
(付記5)
前記回転軸の方向における前記凹部から前記ギア部までの距離は、3.0[mm]以上である
ことを特徴とする付記1から4までのいずれか1項に記載の現像装置。
(付記6)
前記凹部は、前記嵌合部を周方向に1周するように延在している
ことを特徴とする付記1から5までの何れか1項に記載の現像装置。
(付記7)
前記嵌合部は、前記ギア部と反対側の外周に傾斜面を有する
ことを特徴とする付記1から6までの何れか1項に記載の現像装置。
(付記8)
前記嵌合部と前記ギア部とは、樹脂で一体に形成されている
ことを特徴とする付記1から7までの何れか1項に記載の現像装置。
(付記9)
温度10℃、相対湿度20%の環境において、前記像担持体と前記現像剤担持体とによるフィード力が1.6[N]以下である
ことを特徴とする付記1から8までの何れか1項に記載の現像装置。
(付記10)
付記1から9までのいずれか1項に記載の現像装置と、
前記現像装置で現像された現像剤像を媒体に転写する転写部と、
前記媒体に転写された現像剤像を前記媒体に定着する定着装置と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0188】
1 画像形成装置、 10 現像装置(像担持体ユニット、画像形成ユニット)、 11 感光体ドラム(像担持体)、 12 帯電ローラ(帯電部材)、 13 現像ローラ(現像剤担持体)、 14 供給ローラ(供給部材)、 15 現像ブレード(層規制部材)、 16 クリーニング部材、 18 トナーカートリッジ(現像剤収容体)、 20 転写ローラ(転写部材)、 21 LEDヘッド(露光装置)、 22,23 サイドフレーム、 50 媒体供給部、 60 定着装置、 65 媒体排出部、 70 フランジ部材、 71 環状部、 72 円筒部、 73 軸孔、 80 駆動部材、 81 ギア部、 82 嵌合部、 83 軸孔、 84 外周面、 85 凹部、 86 凸部、 87 窪み、 88 傾斜面、 89 空洞部、 90 測定治具、 110 シャフト、 111 素管(導電性支持体)、 112 下引き層、 113 感光層、 114 電荷発生層、 115 電荷輸送層。
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