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特開2023-168932エンドエフェクタおよびマニピュレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168932
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】エンドエフェクタおよびマニピュレータ
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20231121BHJP
   A61B 17/28 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A61F9/007
A61B17/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080324
(22)【出願日】2022-05-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼ ウェブサイトの掲載日:令和4年4月15日 ウェブサイトのアドレス:https://events.infovaya.com/uploads/documents/pdfviewer/48/8b/57385-0190.pdf 公開者:神野 誠、ヨーダキタ ユリアン アイ. ▲2▼ウェブサイトの掲載日:令和4年4月15日 ウェブサイトのアドレス:https://events.infovaya.com/presentation?id=78544 公開者:神野 誠、ヨーダキタ ユリアン アイ.
(71)【出願人】
【識別番号】502245118
【氏名又は名称】学校法人国士舘
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヨーダキタ ユリアン アイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG05
(57)【要約】
【課題】小型化に適し、操作性の改善されたエンドエフェクタを提供する。
【解決手段】エンドエフェクタは、それぞれが近位端側と遠位端側とを連通する第1の連通部および第2の連通部を有し、近位端側がマニピュレータの先端に固定される固定部材と、第1の連通部を通り近位端側から遠位端側へ出る弾性部材と、第2の連通部を通り遠位端側から近位端側へ出るワイヤと、弾性部材とワイヤを鋭角に配置するガイド部とを有し、弾性部材とワイヤを介して固定部材の遠位端側に接続される可動部材と、を備える。可動部材は、第2の連通部において近位端側へ向かう引張力をワイヤに加えることにより第1の回動状態へ回動する。第1の回動状態において第1の連通部とガイド部の間の所定位置で弾性部材が曲げられ、可動部材は、引張力が解放されると、所定位置における弾性部材の曲げに対する弾性力により第2の回動状態へ回動する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニピュレータの先端に装着されるエンドエフェクタであって、
それぞれが近位端側と遠位端側とを連通する第1の連通部および第2の連通部を有し、前記近位端側が前記マニピュレータの先端に固定される固定部材と、
前記第1の連通部を通り前記近位端側から前記遠位端側へ出る1つ以上の弾性部材と、
前記第2の連通部を通り前記遠位端側から前記近位端側へ出るワイヤと、
前記弾性部材と前記ワイヤを鋭角に配置するガイド手段を有し、前記弾性部材と前記ワイヤを介して前記固定部材の前記遠位端側に接続される可動部材と、を備え、
前記可動部材は、前記第2の連通部において前記ワイヤに前記近位端側へ向かう引張力を加えることにより第1の回動状態へ回動し、前記第1の回動状態において前記第1の連通部と前記ガイド手段の間の所定位置で前記弾性部材が曲げられ、
前記可動部材は、前記引張力を解放すると前記所定位置における前記弾性部材の曲げに対する弾性力により第2の回動状態へ回動することを特徴とするエンドエフェクタ。
【請求項2】
1つの前記弾性部材と前記ワイヤは、1本のワイヤで構成され、前記1本のワイヤは前記ガイド手段により鋭角に曲げられることを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記可動部材は、前記所定位置における前記弾性部材の長手方向に対して直交する方向を軸として回動することを特徴とする請求項1または2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記固定部材がグリッパの第1の顎部として機能し、前記可動部材が前記グリッパの第2の顎部として機能することを特徴とする請求項1または2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記第1の回動状態は前記第1の顎部と前記第2の顎部が閉じた状態であり、前記第2の回動状態は前記第1の顎部と前記第2の顎部が開いた状態であることを特徴とする請求項4に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記第1の回動状態における前記弾性部材の前記所定位置における曲がりの大きさは、前記弾性部材の弾性限界もしくは超弾性限界の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記第1の回動状態における前記弾性部材の前記所定位置における曲がりの大きさは、前記ガイド手段と前記第2の連通部との間に生じる前記ワイヤの曲がりの大きさより大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記固定部材は、前記第1の連通部と前記第2の連通部の複数のセットを有し、複数の前記可動部材が前記固定部材に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
請求項1または2に記載されたエンドエフェクタと、
一方の端部が前記固定部材に接続されるシャフトであって、前記第2の連通部と前記シャフトの中空部を前記ワイヤが通るように前記固定部材と接続される前記シャフトと、
前記シャフトの他方の端部と接続し、前記ワイヤの前記中空部を通り抜けた部分において、前記引張力を前記ワイヤに加えるための操作力を加える操作機構を有するユニット基部と、を備えることを特徴とするマニピュレータ。
【請求項10】
前記操作機構は、前記部分において前記ワイヤを前記シャフトの軸方向からずらす力を前記操作力として加えることを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。
【請求項11】
前記操作機構は、前記ワイヤが通る連通部を有する部材を有し、
前記操作力を加えない状態において、前記シャフトの前記中空部と前記ワイヤと前記部材の前記連通部が同軸に並ぶことを特徴とする請求項10に記載のマニピュレータ。
【請求項12】
前記ユニット基部と接続する本体を備え、
前記本体は、ユーザが操作する操作部を有し、
前記本体と前記ユニット基部が接続された状態で、前記操作部に対してなされたユーザの操作を前記操作機構へ伝えるようにリンクされていることを有することを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。
【請求項13】
前記ユニット基部は、
前記シャフトが固定される第1基部と、
前記シャフトの長手方向を軸とした回転が可能なように前記第1基部と連結し、前記操作機構を有する第2基部とを有することを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。
【請求項14】
前記エンドエフェクタは、前記シャフトと湾曲機構を介して接続されていることを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドエフェクタおよび該エンドエフェクタを用いたマニピュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
網膜手術は、高度な外科的スキルを習得した外科医により行われる難しい外科手術の1つである。網膜手術では、狭い限られた眼球内空間で器具を使用して作業する必要がある。したがって、網膜手術を支援するために、シャフトの先端に様々なエンドエフェクタやツールが装着された多くのロボット鉗子が開発されてきた。一般的なロボット鉗子は、まっすぐで剛性のあるシャフトの先端にエンドエフェクタやツールを実装するように設計されており、眼球内空間における作業が制限される。網膜手術に用いられる典型的なエンドエフェクタまたはツールには、例えば、針、ライトパイプ、ピペット、およびグリッパなどがある。
【0003】
眼球内空間におけるより自由度の高い操作性を得ることを可能にするために、シャフトの先端部分が湾曲するように設計されたロボット鉗子が研究、開発されている(非特許文献1~3)。これらのロボット鉗子によれば、網膜剥離などの手術を行うために網膜の前部にアクセスするときに、適切な方向から網膜上のターゲットに適切にアクセスすることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】2020 International Symposium on Medical Robotics (ISMR) Atlanta, GA, USA, November 18-20, 2020, "Improved Integrated Robotic Intraocular Snake", Makoto Jinno, Iulian Iordachita
【非特許文献2】2021 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA 2021) May 31 - June 4, 2021, Xi'an, China, "An Integrated High-dexterity Cooperative Robotic Assistant for Intraocular Micromanipulation", Makoto Jinno, Gang Li, Niravkumar Patel, Iulian Iordachita
【非特許文献3】Journal of Medical Robotics Research, (2021) 2140001 (13 pages) "Improved Integrated Robotic Intraocular Snake: Analyses of the Kinematics and Drive Mechanism of the Dexterous Distal Unit", Makoto Jinno, Iulian Iordachita
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
網膜手術などを行うロボット鉗子では、使用されるシャフトには1mm未満の直径が要求され、このようなサブミリメートルのスケールでエンドエフェクタを実現することは困難を伴う。特に、対象の把持や解放を行うグリッパをこのようなサブミリメートルのスケールで実現することは困難であった。例えば、一般的な腹腔鏡手術に用いられるロボット鉗子におけるグリッパの開閉機構には、複数のリンクとヒンジから構成されるリンク機構やワイヤ・プーリー機構が用いられる。しかしながら、そのようなリンク機構やワイヤ・プーリー機構を、サブミリメートルのスケールのグリッパに用いるのは、強度や組み立ての観点からほぼ不可能に等しい。
【0006】
従来の眼科用鉗子のグリッパとして、弾性変形グリッパが知られている。従来の弾性変形グリッパでは、図9(a)に示されるように、アウターチューブ901に対してグリッパを形成する弾性部材902を相対的にスライドさせることによりグリッパの開閉が行われる。しかし、この従来のグリッパには次の課題がある。まず、グリッパの開閉を行うために弾性部材902またはアウターチューブ901をスライドさせる場合、比較的長い直線のストローク903またはストローク905が必要となる(図9(b)、(c))。グリッパの開閉操作に長いストロークの操作が要求されることにより、湾曲機構部より先端側が長尺化し、眼球内でのグリッパの動作領域が減少するとともに操作性が低下する。また、弾性部材902の移動によりグリッパを開閉する場合、グリッパの握り位置にずれ904が発生する(図9(c))。このようなずれが生じると、目標とする対象を的確に把持することができない。さらに、グリッパの顎部分が弾性曲げによって閉じられるため、得られる把持力が小さい。また、非特許文献1~3により提案されているような、湾曲機構を備えたロボット鉗子には適用することは困難である。
【0007】
本発明は、小型化に適するとともに、操作性が改善されたエンドエフェクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によるエンドエフェクタは以下の構成を備える。すなわち、
マニピュレータの先端に装着されるエンドエフェクタであって、
それぞれが近位端側と遠位端側とを連通する第1の連通部および第2の連通部を有し、前記近位端側が前記マニピュレータの先端に固定される固定部材と、
前記第1の連通部を通り前記近位端側から前記遠位端側へ出る1つ以上の弾性部材と、
前記第2の連通部を通り前記遠位端側から前記近位端側へ出るワイヤと、
前記弾性部材と前記ワイヤを鋭角に配置するガイド手段を有し、前記弾性部材と前記ワイヤを介して前記固定部材の前記遠位端側に接続される可動部材と、を備え、
前記可動部材は、前記第2の連通部において前記ワイヤに前記近位端側へ向かう引張力を加えることにより第1の回動状態へ回動し、前記第1の回動状態において前記第1の連通部と前記ガイド手段の間の所定位置で前記弾性部材が曲げられ、
前記可動部材は、前記引張力を解放すると前記所定位置における前記弾性部材の曲げに対する弾性力により第2の回動状態へ回動する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型化に適し、且つ、操作性の改善されたエンドエフェクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態によるロボット鉗子の外観を示す図である。
図2】ロボット鉗子の湾曲機構を説明する図である。
図3】ロボット鉗子のグリッパ部の構造を説明する図である。
図4】グリッパ部の動作を説明する図である。
図5】グリッパ部を駆動するための操作機構を示す図である。
図6】グリッパ部を駆動するための操作機構の、他の例を示す図である。
図7】2つの可動部材によりグリッパ部を構成する例を示す図である。
図8】エンドエフェクタの変形例を示す図である。
図9】従来の眼科用鉗子のグリッパを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1は、本実施形態によるロボット鉗子の外観例を示す図である。ロボット鉗子10はマニピュレータの一例であり、本実施形態では作業ユニット11とハンドユニット12から構成されている。また、作業ユニット11の先端には、エンドエフェクタの一例であるグリッパ部100が装着されている。
【0013】
図1(a)は、作業ユニット11とハンドユニット12が分離された状態を示し、図1(b)は、作業ユニット11とハンドユニット12が接続された状態を示す。作業ユニット11は、ユニット基部130、シャフト140、湾曲機構120、グリッパ部100を有する。シャフト140は中空構造であり、一方の端部はユニット基部130と接続され、他方の端部は湾曲機構120に接続される。さらに、湾曲機構120の先端にエンドエフェクタの一例であるグリッパ部100が接続、固定される。ハンドユニット12は、ユーザが把持するための本体200を有し、本体200には、ハンドユニット12と作業ユニット11を接続し、その状態を維持するためのラチェットレバー201が設けられている。ラチェットレバー201が作業ユニット11のラチェット嵌合部131(図5(a)(b))に嵌ることにより、ハンドユニット12と作業ユニット11が接続され、その状態が維持される。
【0014】
図2は、湾曲機構120の外観例および詳細な構成例を示す図である。湾曲機構120は、複数の円盤部材124を積層することにより構成される湾曲部123を有する。積層された円盤部材124の穴127aと穴127bに第1の湾曲用ワイヤ125が通されている。また、穴127cと穴127dに第2の湾曲用ワイヤ126が通されている。第1の湾曲用ワイヤ125と第2の湾曲用ワイヤ126を操作することにより湾曲機構120を任意の方向に湾曲させることができる。なお、円盤部材124の中央に設けられている穴127eは、グリッパ部100を開閉駆動するためのワイヤ(後述する)を通す穴である。湾曲部123の遠位端側に設けられている部材(第1端部121)は、湾曲機構120とグリッパ部100を接続し、グリッパ部100の凹部104(図3により後述)と嵌合するための凸部を有する。また、湾曲部123の近位端側に設けられている部材(第2端部122)は、湾曲機構120とシャフト140を接続し、シャフト140の中空部と嵌合するための凸部を有する。
【0015】
図3は、グリッパ部100を各部材へ分解した外観例を示す図である。図3に示されるグリッパ部100は、固定部材101と可動部材102とワイヤ103で構成されている。ワイヤ103は、曲げに対する弾性を有する弾性ワイヤであり、例えば、超弾性特性を有するワイヤ(直線状態での記憶品)であるニチノールワイヤを用いることができる。本実施例における試作では、眼科手術用のマニピュレータに要求されるサイズ(例えば、直径0.9mmのシャフト140が用いられる)に適応するべく、大同特殊鋼株式会社から入手可能な、直径0.125mmのNi-Ti 合金(KIOKALLOY-R)が用いられた。しかし、これは例示に過ぎず、ワイヤ103のサイズや特性が限定されるものではないことは言うまでもない。例えば、直径0.08~0.18mm程度のニチノールワイヤが好適に用いられ得る。固定部材101は、湾曲機構120の第1端部121の凸部が嵌め込まれる凹部104と、グリッパの一方の顎として機能する顎部105aを有する。また固定部材101には、遠位端側と近位端側を連通する第1の連通部111と第2の連通部112を有する。ワイヤ103は、第1の連通部111を通って固定部材101の近位端側から遠位端側へ抜けて、第2の連通部112を通って固定部材101の遠位端側から近位端側へ戻るように配されている。
【0016】
可動部材102は、グリッパの他方の顎として機能する顎部105bを有する。可動部材102が回動することにより、固定部材101の顎部105aと可動部材102の顎部105bが開閉する。可動部材102は、ワイヤ103を通すためのワイヤ通路113~114を有する。ワイヤ通路113~114は、固定部材101の遠位端側において、ワイヤ103を鋭角に曲げることによりワイヤ103が第1の連通部111と第2の連通部112へ向かうようにガイドするガイド部として機能する(図4により後述する)。試作では、上述のように直径0.125mmのワイヤ103を用い、固定部材101と可動部材102に設けられたワイヤ103が通るための穴(第1の連通部111、第2の連通部112、ワイヤ通路113~114)は、直径0.15mmとした。もちろん、各寸法はこれに限られるものではないが、微細手術用のサブミリ~ミリオーダーのマニピュレータへ適用する場合、例えば、ワイヤ径が、0.125mm±0.055mm(0.08~0.18mm)、穴径が0.09~0.22mmの範囲であることが望ましい。
【0017】
湾曲機構120の第1端部121は、固定部材101に形成された凹部104に嵌め込まれ、湾曲機構120と固定部材101とが固定される。第1端部121には溝部128が設けられており、第1端部121が凹部104に嵌めこまれた状態で、溝部128と凹部104の内面により第1の連通部111に接続する円筒形の穴が形成されるようになっている。ワイヤ103の一端が、この円筒形の穴に固定される。第1端部121が固定部材101に固定された状態で、溝部128と第1の連通部111は同軸に並び、溝部128で端部が固定されたワイヤ103は、第1の連通部111を通って固定部材101の遠位端側へ抜ける。ワイヤ通路113~114を有するガイド部により、ワイヤ103は鋭角に曲げられた後、第2の連通部112を通って固定部材101の近位端側へ抜ける。第1端部121が固定部材101に固定された状態において、第1端部121のワイヤ通路129と第2の連通部112は同軸に並び、第2の連通部112を抜けたワイヤ103は、湾曲機構120の穴127eを通ってシャフト140の中空部へ抜ける。
【0018】
固定部材101の凹部104(円筒穴)を第1端部121の側面(円筒面)に取り付けることにより、グリッパ部100は曲げモーメント302の作用に対する耐性が得られる。さらに、ワイヤ103の端を第1端部121の溝部128と凹部104の内面により形成される円筒形の穴に挿入することにより、グリッパ部100のねじりモーメント301の作用に対する耐性が得られる。
【0019】
図4は、エンドエフェクタの一例としてのグリッパ部100の断面図である。グリッパ部100では、ワイヤ103を介して、可動部材102が固定部材101に対して回動可能に接続され、可動部材102の回動により、グリッパの顎部の開閉が実現される。図4(a)に示されるように、ワイヤ103の一方の端部は、固定位置401で固定される。固定方法としては、圧着、接着、溶接などが考えられる。但し、折り返し部402によりワイヤ103が鋭角に曲げられることで、第1の連通部111からワイヤ103を抜く方向の力はワイヤ103にかからない。したがって、ワイヤ103を積極的に固定せず、溝部128と凹部104の内面により形成される円筒形の穴に挿入するのみでも、グリッパ機能を維持することは可能である。第1の連通部111を通って固定部材101の遠位端側へ抜けたワイヤ103は、ワイヤ通路113とワイヤ通路114により形成されるガイド部により折り返し部402で鋭角に曲げられる。折り返し部402で鋭角に曲げられたワイヤ103は、ワイヤ通路114を通って第2の連通部112へ向かい、第2の連通部112を抜けることにより固定部材101の近位端側へ戻る。
【0020】
ワイヤ103の第2の連通部112を通る部分に、ワイヤ103の軸方向への引張力(矢印421の方向の力)が作用すると、可動部材102が固定部材101に対して矢印422の方向へ回動して図4(b)の状態(以下、第1の回動状態)となる。この第1の回動状態において、ワイヤ通路114と第2の連通部112は同軸に並び、ワイヤ103はほぼ直線状態となる。なお、本実施形態において、第2の連通部112の軸は、シャフト140の中心軸に一致するように配置されるものとするが、これに限られるものではない。第2の連通部112の軸とシャフト140の中心軸がずれていても構わない。
【0021】
引張力によりワイヤ103が矢印421の方向へ引っ張られて、可動部材102が第1の回動状態となっている間、グリッパ部100の顎部105a、105bは閉じた状態となる。このときのグリッパ部100の把持力は、所定位置403周りのモーメントの釣り合いから算出することが可能であり、ワイヤ103の引張力に概ね比例した把持力が得られることが分かっている。固定部材101と可動部材102は、第1の回動状態において、第1の連通部111とガイド部の入口(ワイヤ通路113の入口)の間の一カ所(所定位置403)でワイヤ103が曲がるように構成されている。上述したようにワイヤ通路114と第2の連通部112は、可動部材102が第1の回動状態にある場合に同軸上に配置され、ワイヤ103は直線状に伸びた状態となる。ワイヤ103の所定位置403における部分は、可動部材102を固定部材101に対して回動させるヒンジ部として機能し、可動部材102は、ワイヤ103の長手方向に直交する方向を軸として回動する。所定位置403におけるワイヤ103の曲がりは、ワイヤ103の弾性限界の範囲内である。または、ワイヤ103が超弾性ワイヤであれば、荷重解放時に超弾性特性により初期状態に戻る超弾性限界の範囲内である。従って、第1の回動状態において、可動部材102はワイヤ103の弾性力により、ワイヤ103が直線状に伸びる方向へ付勢されている。
【0022】
ワイヤ103が上記の引張力(矢印421方向への力)から解放されると、ワイヤ103の曲げに対する弾性力により、所定位置403におけるワイヤ103の部分が直線状に伸びるように動作する。これにより、可動部材102は図4(a)の状態へ回動する(以下、第2の回動状態)。第2の回動状態では、第1の連通部とワイヤ通路113が同軸に並び、所定位置403においてワイヤ103は直線状に伸び、グリッパ部100の顎部105a、105bは開いた状態となる。なお、第1の回動状態で所定位置403におけるワイヤ103の曲がりの大きさは、第2の回動状態で折り返し部402から第2の連通部112までの間(位置404から位置405の間)のワイヤ103の曲がりよりも大きい。これにより所定位置403におけるワイヤ103の弾性力により可動部材102aが十分に回動することができ、十分なグリッパの開き角度が得られる。また、張力のない初期状態において位置404近傍部で図4(a)に示すように曲がった形状となるように変形された、または、初期状態において位置403近傍部が外側に曲がった形状となるように変形された超弾性のワイヤ103が用いられてもよい。このようなワイヤ103を用いることにより、矢印421の方向への張力が無い状態で、可動部材102(グリッパ)の図4(a)に示されるような開き角度、或いはより大きい開き角度がより確実に得られる。また、ワイヤ103を基端部側から押す機能(ワイヤ103に矢印421と反対方向の力を加える機能)を備え、かつ、可動部材102(グリッパ)が抜け出ないように、例えば、ワイヤ103が位置401近傍で固定部材101に固定されていれば、可動部材102(グリッパ)の図4(a)に示されるような開き角度、或いはより大きい開き角度がより確実に得られる。
【0023】
次に、グリッパ部100を閉じるのに必要なワイヤ103のストロークの大きさについて説明する。図4(a)と図4(b)に示されるように、第2の回動状態から第1の回動状態へ遷移するために必要な可動部材102の回動量を角度θとする。このように可動部材102が角度θだけ回動すると、第2の連通部112から折り返し部402までのワイヤ103の長さは、図4(a)に示されるL(位置404と位置405の間の距離)から図4(b)に示されるLwiに変化する。すなわち、ワイヤ103を長さL=L-Lwiだけストロークさせることにより、可動部材102を角度θ回動させることができる。従って、非常に小さい操作量(ストローク)でグリッパの開閉を行えることが分かる。
【0024】
上述の様な、ワイヤ103に対する小さい操作量によってグリッパ部100の開閉を行えるという特性を活用した操作機構について例示する。
【0025】
図5は、実施形態のロボット鉗子10によるグリッパ部100の開閉操作を行うための操作機構の例を説明する図である。図1で説明したように、ハンドユニット12と作業ユニット11は、ラチェットレバー201とラチェット嵌合部131を有するラチェット機構により接続する。なお、シャフト140の先端の湾曲機構120を湾曲させるための、第1の湾曲用ワイヤ125および第2の湾曲用ワイヤ126を駆動する機構は、例えば非特許文献1~3に記載されたとおりであり、詳細な説明および図示を省略する。図5では、ハンドユニット12と作業ユニット11がラチェット機構により接続された状態が断面図により示されている。ラチェットレバー201はバネ212aにより付勢され、作業ユニット11とハンドユニット12が接続された状態を維持する。作業ユニット11は、ワイヤ103を通過させるための穴217を有するロッド部材215とワイヤ103をユニット基部130に対して固定するためのワイヤ固定部216を有する。ロッド部材215は、操作レバー211の先端が入るように形成された凹部を有するリンク部材214と接続されている。
【0026】
作業ユニット11とハンドユニット12がラチェット機構により接続された状態において、図5(a)に示されるように、ハンドユニット12に設けられた操作レバー211の一方の端部(第1の端部)はリンク部材214の凹部と係合する。操作レバー211の他方の端部(第2の端部)は、バネ212bにより図中の上方向へ押し上げられており、ユーザが操作するための操作部を提供する。図5(a)の状態で、ロッド部材215に設けられた穴217、シャフト140の中空部、ワイヤ固定部216は同軸に並び、ワイヤ103は直線状に伸びている。
【0027】
ユーザが操作レバー211の第2の端部(操作部)をバネ212bの付勢力に逆らって押し下げることにより、操作レバー211は支点213を軸として回動する。その結果、図5(b)に示されるように、操作レバー211の第1の端部は図中の上方へ移動し、リンク部材214及びこれに接続されているロッド部材215を上方へ移動させる。ロッド部材215の移動により穴217がシャフト140およびワイヤ固定部216との同軸位置から移動することで、直線状に伸びていたワイヤ103に、その一部を引き上げる操作力が加わる。その結果、ワイヤ103に矢印501の方向の力(すなわち、第2の連通部112における引張力)が加わり、グリッパ部100は閉じた状態となる。操作レバー211の第2の端部への押圧が除かれると、バネ212bの付勢力により操作レバー211は図5(a)の状態に戻る。すなわち、穴217、シャフト140の中空部、ワイヤ固定部216が同軸に並び、ワイヤ103に加わっていた矢印501の方向の引張力は消滅し、グリッパ部100は開いた状態(図5(a))となる。上述したように、ワイヤ103の小さいストロークでグリッパ部100の開閉を行えるため、ワイヤ103の一部を軸方向から外す方向へ移動する操作機構によりグリッパを開閉することができる。結果、ユーザ操作に対して反応良く開閉するグリッパが提供され得る。また、操作レバー211にラチェット機能などを付加することで、グリッパを閉状態に維持することが容易となり、作業や手技によっては操作性が向上する。さらに、本実施形態では、通常時、グリッパは開状態となっているが、バネ212と押圧部を支点213の遠位側に配置することで、通常時、グリッパを閉状態とすることも可能である。
【0028】
図6は、実施形態による、グリッパ部100の開閉操作を行うための他の機構例を説明する図である。ロボット鉗子10aは、ハンドユニット12aと作業ユニット11aを備える。作業ユニット11aにおいて、グリッパ部100とシャフト140とが接続部材640を介して接続され、シャフト140がユニット基部130aに接続されている。図6に示されるロボット鉗子10aは、上述したような湾曲機構120の代わりに、接続部材640が用いられている。また、ロボット鉗子10aは、第1基部601が第2基部602に対して回転可能であり、第1基部601の回転操作によりグリッパ部100を回転させることができる(後述)。接続部材640の近位端側は、シャフト140の中空部に嵌る径の円筒形を有する。接続部材640の遠位端側は、第1端部121の凹部104に嵌る部分と同様である。
【0029】
ユニット基部130aは、回転可能に連結された第1基部601と第2基部602を有する。第1基部601と第2基部602とが連結される部分において、第1基部601は円筒状の凹部を有し、第2基部602は円筒状の凸部を有する。第1基部601の凹部の内面と第2基部602の側面との間に、軸受611aと軸受611bが配置され、それらの間にスペーサー621が配置されている。圧入などにより、第1基部601が第2基部602から抜けないように支持されるとともに、第1基部601が第2基部602に対して回転可能に連結される。第2基部602は、ハンドユニット12aの本体200aと接続される。これにより、第1基部601に接続される遠位端側の構成(シャフト140、接続部材640、グリッパ部100)は、第2基部602(および本体200a)に対して、シャフト140の軸回りに回転可能となる。例えば、ユーザは、本体200aを把持しながら第1基部601を人差し指などで回転操作することにより、グリッパ部100を回転させることができる。なお、本例では、シャフト140の軸と、第1基部601の回転軸とは同軸である。また、グリッパ部100を本体200aに対して回転自在に支持する方法は、上記の構成に限られたものではない。また、第1基部601によりグリッパ部100の回転操作を可能とする上記の構成は、シャフト140とグリッパ部100の間に湾曲機構120が設けられた場合にも適用できる。
【0030】
第2基部602には、矢印631の方向へスライド可能なロッド部材622が設けられている。ロッド部材622は、ワイヤ103を通すための穴623を有し、第2基部から露出した部分はユーザが操作するための操作部を提供する。穴623を通ったワイヤ103は、第2基部602の底部に設けられた穴624を通った後、穴624から抜けないように止め部材625に固定される。ロッド部材622を矢印632の方向へ押すことにより、穴623の位置が変わり、図6(b)に示されるように、ワイヤ103に、矢印632の方向へ押す操作力が加わる。これにより、ワイヤ103に矢印633の方向の力が加わり、グリッパ部100が閉じる。
【0031】
ロッド部材622を押圧状態から解放すると、ワイヤ103は、その弾性力により直線状に戻り、穴623と穴624の間を直線状に戻すように作用する。結果、ロッド部材622が矢印632と反対の方向へ移動し、シャフト140の中空部、穴623および穴624が同軸に並ぶ図6(a)の状態に戻る。また、矢印633の方向の力(引張力)は消滅し、グリッパ部100は開いた状態になる。なお、ロッド部材622をワイヤ103の弾性力により戻す構成としているがこれに限られるものではない。例えば、バネ等によりロッド部材622を矢印632と反対の方向へ付勢するようにしてもよい。また、矢印632の方向への力が加わっていない状態では、シャフト140、第1基部601の回転軸、ロッド部材622の穴623、第2基部602の底部の穴624は同軸に並ぶ。また、ワイヤ103を固定する止め部材625は第2基部602に対して固定されていない。そのため、ロッド部材622を押下していない図6(a)の状態において、ユーザは第1基部601を第2基部602に対して回転させることができる。止め部材625は第2基部602に対して固定されていないので、第1基部601を第2基部602に対して回転させてもワイヤ103はねじれない。このように、第1基部601を第2基部602に対して回転可能とすることで、グリッパ部100およびシャフト140を本体200aに対して、長手方向を軸として回転させることができ、使い勝手が向上する。なお、ワイヤ103の長さを十分に確保でき、ワイヤ103のねじれを許容できる場合は、ワイヤ103を第2基部602の基端部などに対して固定しても良い。それにより、部品点数の削減や組立性が向上する。
【0032】
他の実施形態
なお、以上では、固定部材101がグリッパの一方の顎部として機能し、可動部材102がグリッパの他方の顎部として機能する例を示したが、これに限られるものではない。複数の可動部材102が設けられてもよい。例えば、図7に示されるように、可動部材102とワイヤ103のセットを2セット用いて、グリッパ部100aの2つの顎部を2つの可動部材102a,102bで構成するようにしてもよい。この場合、固定部材101aには、2つのワイヤ103a、103bに対応するように、第1の連通部111と第2の連通部112のセットが2セット設けられる。ワイヤ103aとワイヤ103bのそれぞれに矢印421a、421bの方向への力を加えると、可動部材102a、102bが第1の回動状態となり、グリッパ部100aは閉じた状態となる(図7(b))。矢印421a、421bの力を解放すると、ワイヤ103a、103bのそれぞれの弾性力により可動部材102a、102bが第2の回動状態となり、グリッパ部100aは開いた状態となる(図7(a))。なお、ワイヤ103a、103bのそれぞれに個別に第2の連通部を設けたが、ワイヤ103a、103bにより第2の連通部が共用されるようにしてもよい。
【0033】
以上説明したように、上記実施形態のエンドエフェクタ(グリッパ)によれば、少ない操作量で可動部を動かすことができ、操作性が向上する。また、上記実施形態のエンドエフェクタは、ワイヤ103を引っ張る力によりグリッパが閉じるので、十分な把持力が得られる。また、上記実施形態のエンドエフェクタは、固定部材101と可動部材102という少ない部品点数で実現できるため小型化に優れている。また、上記実施形態のマニピュレータによれば、グリッパを開閉するためのユーザの操作方向がシャフト140の軸方向に対して略直交している。このように、図9で説明したような操作に比べて、操作方向がグリッパの開閉方向に近いため、より直感的な操作が可能となる。さらに、グリッパの開閉時にグリッパの先端位置が動くことはないため、操作性が向上する。また、本実施形態のエンドエフェクタの可動部材102を駆動するワイヤ103をシャフト140の中空部で往復させる必要が無く、湾曲機構120を備えたマニピュレータへの装着にも適している。なお、上記実施形態ではエンドエフェクタとしてグリッパを例示したが、はさみやクリップアプライヤーなど、開閉機能や屈曲機能を有するエンドエフェクタであれば、グリッパに限られるものではない。
【0034】
また、上記実施形態では、グリッパの駆動機構について、操作者がマニピュレータを直接、操作するための機構を説明したが、これに限られるものではない。例えば、遠隔操作型のマニピュレータや自動運転マニピュレータなどにも、本発明のエンドエフェクタを適用できることは明らかである。例えば、図1に示されるような作業ユニット11を遠隔操作型のマニピュレータに適用する場合は、湾曲機構120をモータ駆動する駆動機構と、グリッパ部100をモータ駆動する駆動機構が本体200に実装される。湾曲機構120の駆動機構は、第1の湾曲用ワイヤ125と第2の湾曲用ワイヤ126を駆動し、グリッパ部100の駆動機構は、ワイヤ103を駆動する。なお、この場合、図5に示されるワイヤ固定部216はワイヤ103を本体200へ通す連通部として機能し、駆動機構に接続される。
【0035】
更に、上記実施形態においては、ワイヤ103は1本の連通した構成である場合を示したが、必ずしも連通している必要はない。例えば、図8(a)、(b)に示されるように、固定部材101の第1の連通部111を通り近位端側から遠位端側へ出るように配置された少なくとも1本の第1のワイヤ103aと、第2の連通部112を通り遠位端側から近位端側へ戻るように配置された第2のワイヤ103bとからワイヤ103が構成されていても良い。この場合、第1のワイヤはワイヤ通路113で固定され、第2のワイヤはワイヤ通路114で固定される。また、ワイヤ通路113とワイヤ通路114は、第1のワイヤ103aと第2のワイヤ103bとを鋭角に配置するガイドとしても機能している。なお、第1のワイヤ103aと第2のワイヤ103bとは、異なる弾性特性を有していてよい。また、第1のワイヤ103aに代えて、板状の弾性部材が用いられてもよい。さらに、図9(c)に示されるように、第1の連通部111とワイヤ通路113が、それぞれ可動部材102の回動面と略垂直に複数配置され、複数の第1のワイヤが設けられてもよい。或いは、図4で説明したような1本のワイヤ103が用いられる構成において、第1の連通部111とワイヤ通路113を余分に設けて上記第1のワイヤ103aを配置することで、ヒンジ部の曲げに対する戻り力を補強してもよい。
【0036】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
10:マニピュレータ、11:作業ユニット、12:ハンドユニット、100:グリッパ部、120:湾曲機構、130:ユニット基部、140:シャフト、101:固定部材、102:可動部材、103:ワイヤ、111:第1の連通部、112:第2の連通部、113,114:ワイヤ通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9