(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168938
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ロータリ除雪車
(51)【国際特許分類】
E01H 5/08 20060101AFI20231121BHJP
B60K 28/10 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
E01H5/08
B60K28/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080332
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】591117631
【氏名又は名称】株式会社NICHIJO
(71)【出願人】
【識別番号】503132257
【氏名又は名称】新潟トランシス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591121443
【氏名又は名称】開発工建株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸梶 一樹
(72)【発明者】
【氏名】澤木 隆
(72)【発明者】
【氏名】白樫 純
(72)【発明者】
【氏名】榎本 規利
(72)【発明者】
【氏名】山本 邦洋
【テーマコード(参考)】
2D026
3D037
【Fターム(参考)】
2D026CB04
2D026CG02
2D026CH01
2D026CK01
3D037FA23
3D037FB05
(57)【要約】
【課題】作業員が乗員室から車外に出てオーガに近づいているときの安全を確保する。
【解決手段】ロータリ除雪車は、原動機と、前記原動機により駆動されるオーガと、
作業員が着座する少なくとも1つの席が設置された乗員室と、前記乗員室を開閉するドアと、前記作業員が前記乗員室から前記ドアを開けて車外に出ることを検出可能な乗降センサと、前記乗降センサにより前記作業員が前記記乗員室から前記ドアを開けて車外に出ることが検出されると、前記オーガの回転を禁止する禁止制御を実行するコントローラと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機と、
前記原動機により駆動されるオーガと、
作業員が着座する少なくとも1つの席が設置された乗員室と、
前記乗員室を開閉するドアと、
前記作業員が前記乗員室から前記ドアを開けて車外に出ることを検出可能な乗降センサと、
前記乗降センサにより前記作業員が前記記乗員室から前記ドアを開けて車外に出ることが検出されると、前記オーガの回転を禁止する禁止制御を実行するコントローラと、を備える、ロータリ除雪車。
【請求項2】
前記乗降センサは、前記作業員が車外から前記乗員室に戻ったことを検出可能であり、
前記コントローラは、前記乗降センサにより前記作業員が車外から前記乗員室に戻ったことが検出されると、前記禁止制御を解除する、請求項1に記載のロータリ除雪車。
【請求項3】
前記ドアは、前記ドアを開くために操作され且つ前記乗員室に面する室内側ドアノブを含み、
前記乗降センサは、
前記室内側ドアノブを操作して前記ドアを開けて車外に出るのに必要となる前記作業員の室内動作を検出可能な室内動作検出センサと、
前記ドアの開閉状態を検出可能なドア開閉センサと、を含み、
前記コントローラは、前記室内動作検出センサにより前記室内動作が検出され、前記ドア開閉センサにより前記ドアが開いたことが検出されると、前記禁止制御を実行する、請求項1又は2に記載のロータリ除雪車。
【請求項4】
前記室内側ドアノブの操作を阻害する阻害位置と、前記室内側ドアノブの操作を許容する非阻害位置との間で動作させるように操作可能な阻害部材を更に備え、
前記室内動作検出センサは、前記阻害部材が前記阻害位置にあるか否かを検出し、
前記コントローラは、前記室内動作検出センサにより前記阻害部材が前記阻害位置にないことが検出され、前記ドア開閉センサにより前記ドアが開いたことが検出されると、前記禁止制御を実行する、請求項3に記載のロータリ除雪車。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ドア開閉センサにより前記ドアが閉じたことが検出され、前記室内動作検出センサにより前記阻害部材が前記阻害位置にあることが検出されると、前記禁止制御を解除する、請求項4に記載のロータリ除雪車。
【請求項6】
前記室内動作検出センサは、前記室内側ドアノブが操作されたか否かを検出し、
前記コントローラは、前記室内動作検出センサにより前記室内側ドアノブが操作されたことが検出され、前記ドア開閉センサにより前記ドアが開いたことが検出されると、前記禁止制御を実行する、請求項3に記載のロータリ除雪車。
【請求項7】
前記禁止制御は、前記原動機の稼働を禁止することを含む、請求項1又は2に記載のロータリ除雪車。
【請求項8】
前記少なくとも1つの席は、運転席及び助手席を含み、かつ、前記ドアは、助手席ドアである、請求項1又は2に記載のロータリ除雪車。
【請求項9】
前記コントローラは、前記ロータリ除雪車が走行中であると判定されると、前記禁止制御を実行不能にする、請求項1又は2に記載のロータリ除雪車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原動機により駆動されるオーガを備えたロータリ除雪車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロータリ除雪車のオーガの駆動をオペレータの操作に優先して強制的に停止させる無線式非常停止装置が開示されている。前記装置では、ロータリ除雪車の周辺にいる作業員が送信機の非常停止スイッチを押すことで、前記送信機が非常停止信号を無線送信する。前記ロータリ除雪車の受信機が前記非常停止信号を受信すると、前記オーガが緊急停止される。
【0003】
一般に、ロータリ除雪車では、エンジンの駆動力が伝達される動力伝達装置に対し、シャーピンのようなメカニカルヒューズを介してオーガが結合される。オーガが固い物に当たる等してオーガに過負荷が生じたときには、メカニカルヒューズが破断することで、エンジン及び動力伝達装置への衝撃伝達が防がれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二人乗りの乗員室を有するロータリ除雪車では、メカニカルヒューズの破断時に、助手席の作業員が車外に出てメカニカルヒューズを新品に交換する作業を行う場合がある。その際、降車した作業員がまだオーガの近くにいるにもかかわらず、運転席にいる作業員が誤ってエンジンを始動させてオーガが回転するなどの可能性がある。一人乗りの乗員室の場合も、乗員室から作業員が車外に出たときにオーガが回転しないことが好ましい。
【0006】
特許文献1の装置では、作業員が車外に出るときに前記送信機を所持せねばならず、その所持を忘れた場合には前記オーガの緊急停止を行うことができない。また、車外に出た作業員が前記送信機を所持したとしても、作業中には前記送信機を迅速に操作できない可能性もある。
【0007】
そこで本発明は、作業員が乗員室から車外に出てオーガに近づいているときの安全を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るロータリ除雪車は、原動機と、前記原動機により駆動されるオーガと、作業員が着座する少なくとも1つの席が設置された乗員室と、前記乗員室を開閉するドアと、前記作業員が前記乗員室から前記ドアを開けて車外に出ることを検出可能な乗降センサと、前記乗降センサにより前記作業員が前記記乗員室から前記ドアを開けて車外に出ることが検出されると、前記オーガの回転を禁止する禁止制御を実行するコントローラと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、乗員室にいた作業員がドアを開けて車外に出ると、オーガの回転が禁止される。そのため、乗員室から車外に出た作業員がオーガに近づいているときに、オーガが誤って回転することを防止できる。よって、ロータリ除雪車の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るロータリ除雪車の側面図である。
【
図3】
図3は、
図1のロータリ除雪車の動力系統の平面図である。
【
図4】
図4は、
図1の乗員室内から見た助手席ドア及びその近傍の側面図である。
【
図5】
図5は、
図4の阻害装置及びその近傍を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図5の阻害装置及びその近傍を示す側面図である。
【
図7】
図7は、
図1のロータリ除雪車の制御系統のブロック図である。
【
図8】
図8は、
図7のコントローラの制御を説明するフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態の阻害装置及びその近傍を示す側面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態の阻害装置及びその近傍を示す平面図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態の阻害装置及びその近傍を示す平面図である。
【
図14】
図14は、第5実施形態の室内動作検出センサ及び室内側ドアノブを示す側面図である。
【
図15】
図15は、第5実施形態の制御系統のブロック図である。
【
図16】
図16は、第6実施形態の阻害装置及びその近傍を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。以下の説明における方向の概念は、ロータリ除雪車1の前進方向を前方とし、ロータリ除雪車1の後進方向を後方とし、前後方向に直交する車両の横方向を左右方向又は車幅方向とする。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るロータリ除雪車1の側面図である。
図2は、
図1のロータリ除雪車1の平面図である。
図1及び2に示すように、ロータリ除雪車1は、路面に積もった雪を取り除きながら走行する車両である。ロータリ除雪車1は、車体2と、車体2を支持する車輪Wと、車体2の前側に設けられたロータリ装置3と、を備える。
【0013】
車体2は、原動機室10及び乗員室11を備える。原動機室10には、原動機Eが配置されている。本実施形態では、原動機Eは、内燃エンジンである。なお、原動機Eは、電気モータでもよく、内燃エンジン及び電気モータの組合せでもよい。乗員室11は、キャビンパネル17により画定されている。乗員室11には、作業員が着座する運転席12及び助手席13が左右方向に並んで設置されている。運転席12の前方には、運転席12に着座した作業者がロータリ除雪車1の運転のために操作する運転卓14が設置されている。
【0014】
運転席12の側方には、作業員が車外から運転席12に乗るため又は運転席12から車外に降りるために乗員室11を開閉する運転席ドア15が配置されている。助手席13の側方には、作業員が車外から助手席13に乗るため又は助手席13から車外に降りるために乗員室11を開閉する助手席ドア16が配置されている。
【0015】
ロータリ装置3は、フレーム21、オーガ22、ブロア23及び投雪筒24を備える。フレーム21は、車体2に接続されている。オーガ22は、回転軸22aと、回転軸22aに固定された螺旋状の刃22bを有し、フレーム21に回転自在に支持されている。オーガ22は、原動機Eから伝達される駆動力により回転して雪を掻き込む。ブロア23は、フレーム21に支持されている。ブロア23は、オーガ22が掻き込んだ雪を投雪筒24に向けて吐出する。投雪筒24は、フレーム21から上方に突出した状態でフレーム21に支持されている。ブロア23から吐出された雪は、投雪筒24に案内されることでロータリ除雪車1から離れた側方に向けて排出される。
【0016】
図3は、
図1のロータリ除雪車1の動力系統の平面図である。
図3に示すように、ロータリ除雪車1は、原動機Eが出力する駆動力が入力されるトランスミッション30を備える。トランスミッション30は、ギヤ機構を有する。トランスミッション30には、油圧ポンプ31、油圧モータ32及びPTO軸33が接続されている。油圧ポンプ31は、原動機Eからトランスミッション30のギヤを介して伝達される駆動力により駆動されて油圧を発生する。油圧モータ32は、油圧ポンプ31から供給される油圧により回転動力を発生する。油圧モータ32が発生した回転動力は、トランスミッション30のギヤを介してプロペラ軸34に伝達される。プロペラ軸34は、車輪Wに接続されており、プロペラ軸34の回転により車輪Wが回転する。
【0017】
PTO軸33は、ロータリ装置3に接続されている。ロータリ装置3は、オーガ22、ブロア23、ギヤボックス25、動力伝達軸26、動力伝達機構27、オーガ用メカニカルヒューズ28及びブロア用メカニカルヒューズ29を備える。PTO軸33は、ギヤボックス25に接続されている。ギヤボックス25は、PTO軸33から入力された駆動力を動力伝達軸26とブロア23とに分配する。動力伝達軸26は、ギヤボックス25からの駆動力を動力伝達機構27に入力する。動力伝達機構27は、動力伝達軸26から入力された駆動力をオーガ22に伝達する。動力伝達機構27は、例えば、チェーンスプロケット機構を含む。オーガ22は、動力伝達機構27から伝達された駆動力により回転軸22aに周りに回転する。
【0018】
オーガ用メカニカルヒューズ28及びブロア用メカニカルヒューズ29は、所定荷重が掛かると破断して安全装置としての役割を果たすものであり、例えばシャーピンである。オーガ用メカニカルヒューズ28は、動力伝達機構27とオーガ22との間の動力伝達経路に介在している。即ち、オーガ22は、オーガ用メカニカルヒューズ28を介して動力伝達機構27に接続されている。オーガ22が固い物に当たる等してオーガ22に過負荷が生じたときには、オーガ用メカニカルヒューズ28が破断することで、オーガ22と動力伝達機構27との間の動力伝達経路が切断される。ブロア用メカニカルヒューズ29は、PTO軸33とブロア23との間の動力伝達経路に介在している。即ち、ブロア23は、ブロア用メカニカルヒューズ29を介してPTO軸33に接続されている。
【0019】
図4は、
図1の乗員室11内から見た助手席ドア16及びその近傍の側面図である。
図4に示すように、キャビンパネル17は、助手席13の側方においてドア開口17aを有する。作業員は、車外から助手席13に乗るとき及び助手席13から車外に降りるときにドア開口17aを通過する。ドア開口17aは、キャビンパネル17にヒンジ接続された助手席ドア16に閉鎖されている。助手席13は、作業員の臀部を下方から支持する座部13aと、座部13aの後端部から上方に延びて作業員の背中を後方から支持する背凭れ部13bと、を有する。
【0020】
助手席ドア16は、室内側ドアノブ16aを有する。室内側ドアノブ16aは、助手席13に着座した作業員が助手席ドア16を開くために操作するために乗員室11に面して配置されている。助手席ドア16は、室内側ドアノブ16aが車幅方向内方に引かれることで開く。乗員室11におけるキャビンパネル17のドア開口17aの近傍には、後述する阻害装置40が配置されている。
【0021】
阻害装置40には、室内動作検出センサ41が設けられている。室内動作検出センサ41は、冗長性のために一対設けられていることが好ましい。室内動作検出センサ41は、助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作して助手席ドア16を開けて車外に出るのに必要となる作業員の室内動作を検出する。なお、本実施形態では、阻害装置40及び室内動作検出センサ41は、助手席ドア16のみに対応して配置され、運転席ドア15には対応して配置されていない。
【0022】
キャビンパネル17のドア開口17aの近傍には、ドア開閉センサ42が配置されている。ドア開閉センサ42は、助手席ドア16が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを検出する。ドア開閉センサ42は、例えば、助手席ドア16が閉じ状態にあるときに最も近づくように配置された近接センサとしてもよい。ドア開閉センサ42は、例えば、助手席ドア16が閉じ状態にあるときに接触し且つ助手席ドア16が開くと離間するように配置されたリミットスイッチとしてもよい。室内動作検出センサ41及びドア開閉センサ42は、助手席ドア16に着座した作業員が助手席ドア16を開けて車外に出ることを検出可能かつ作業員が車外から乗員室11に戻ったことを検出可能な乗降センサ50の役目を果たす。
【0023】
図5は、
図4の阻害装置40及びその近傍を示す平面図である。
図6は、
図5の阻害装置40及びその近傍を示す側面図である。
図5及び6に示すように、阻害装置40は、フレーム51、阻害部材52及び枢軸53を備える。フレーム51は、キャビンパネル17に支持されている。阻害部材52は、車幅方向に延びた枢軸53を介して回動自在にフレーム51に接続されている。阻害部材52は、フレーム51の外部に露出しているため、作業者が直接的に操作可能である。阻害部材52は、室内側ドアノブ16aの操作を阻害する阻害位置Xと、室内側ドアノブ16aの操作を許容する非阻害位置Yと、の間で回動可能となっている。一例として、阻害位置Xにある阻害部材52は枢軸53から水平方向に延び、非阻害位置Yにある阻害部材52は枢軸53から上方に延びる。
【0024】
阻害位置Xにある阻害部材52は、室内側ドアノブ16aの動作軌跡上に位置する。阻害部材52が阻害位置Xにあるときに助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作しようとすると、室内側ドアノブ16aが阻害部材52に干渉して室内側ドアノブ16aを開き操作できない。他方、非阻害位置Yにある阻害部材52は、室内側ドアノブ16aの動作軌跡外に位置する。阻害部材52が非阻害位置Yにあるとき、助手席13に着座した作業員は、阻害部材52の干渉を受けずに、室内側ドアノブ16aを開き操作できる。
【0025】
助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作するためには、阻害位置Xにある阻害部材52を非阻害位置Yに向けて回動させておく必要がある。そのため、阻害位置Xから非阻害位置Yに向けた阻害部材52の操作は、助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作して助手席ドア16を開けて車外に出るのに必要となる室内動作である。
【0026】
フレーム51は、室内動作検出センサ41を支持している。室内動作検出センサ41は、阻害部材52が阻害位置Xにあるか否かを検出する。室内動作検出センサ41は、例えば、近接センサである。阻害部材52の金属製の被検出部52aは、阻害位置Xにあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aに近接し、阻害位置X以外の位置にあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aから離れる。即ち、室内動作検出センサ41は、阻害部材52が阻害位置Xにあるときに阻害部材52の被検出部52aを検出して検出信号を出力し、阻害部材52が阻害位置Xにないときには検出信号を出力しない。なお、室内動作検出センサ41がリミットスイッチである場合には、被検出部52aは金属でなくてよい。
【0027】
図7は、
図1のロータリ除雪車1の制御系統のブロック図である。
図7に示すように、ロータリ除雪車1は、コントローラ60を備える。コントローラ60は、処理回路を備える。前記処理回路は、例えば、プロセッサ及びメモリを含む。前記プロセッサは、CPU(中央演算処理装置)を含み得る。前記メモリは、システムメモリ及びストレージメモリを含み得る。前記システムメモリは、RAMを含み得る。前記ストレージメモリは、ハードディスク及び/又はフラッシュメモリを含み得る。前記ストレージメモリは、制御プログラムを記憶する。前記システムメモリに読み出された前記制御プログラムを前記プロセッサが実行する構成は、前記処理回路の一例である。
【0028】
コントローラ60の入力インターフェースには、スタータスイッチ43、アクセルセンサ44、車速センサ45、室内動作検出センサ41及びドア開閉センサ42が接続されている。コントローラ60の出力インターフェースには、原動機Eが接続されている。コントローラ60は、スタータスイッチ43、アクセルセンサ44、車速センサ45、室内動作検出センサ41及びドア開閉センサ42の検出信号に基づいて原動機Eを制御する。
【0029】
スタータスイッチ43は、運転席12に着座した作業員により操作されることでオン状態になる一方、操作されないときにはオフ状態になる。アクセルセンサ44は、運転席12に着座した作業員が操作するアクセルペダルの操作量を検出する。車速センサ45は、ロータリ除雪車1の走行速度を検出する。車速センサ45は、例えば、車輪Wの回転数を検出する。
【0030】
コントローラ60は、スタータスイッチ43が作業者により操作されると、原動機Eを始動させる。コントローラ60は、アクセルセンサ44が検出するアクセル操作量が増加すると、原動機Eの出力を増加させる。コントローラ60は、後述するように、助手席13の作業員が助手席ドア16を開けて車外に出ることが室内動作検出センサ41及びドア開閉センサ42により検出されると、オーガ22の回転を禁止する禁止制御を実行する。前記禁止制御は、具体的には原動機Eの稼働を禁止することによりオーガ22の回転を禁止する。
【0031】
コントローラ60は、ロータリ除雪車1が走行中であると判定されると、前記禁止制御を実行不能にする。具体的には、コントローラ60は、車速センサ45により検出される走行速度が所定の停止速度(例えば、時速0km以上5km以下の値)よりも大きくなると、前記禁止制御を実行不能にする。
【0032】
図8は、
図7のコントローラ60の制御を説明するフローチャートである。以下、
図5乃至7等を参照しながら
図8のフローに沿って説明する。ロータリ除雪車1の電源が投入されると、コントローラ60は、助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作して助手席ドア16を開けて車外に出るのに必要となる降車室内動作が検出されたか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、コントローラ60は、室内動作検出センサ41の検出信号に基づいて、阻害位置Xから非阻害位置Yに向けた阻害部材52の操作(即ち、降車室内動作)が行われたか否かを判定する。前記降車室内動作が行われていないと判定されると(ステップS1:N)、ステップS1に戻る。
【0033】
前記降車室内動作が行われたと判定されると(ステップS1:Y)、コントローラ60は、ドア開閉センサ42の検出信号に基づいて、助手席ドア16が開かれたか否かを判定する(ステップS2)。助手席ドア16が開かれていないと判定されると(ステップS2:N)、ステップS2に戻る。なお、助手席ドア16が開かれていないと判定されると(ステップS2:N)、ステップS1に戻ってもよい。
【0034】
助手席ドア16が開かれたと判定されると(ステップS2:Y)、コントローラ60は、ロータリ除雪車1が停車中であるか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、コントローラ60は、車速センサ45により検出される走行速度が前記停止速度(例えば、時速0km以上5km以下の値)以下であるか否かを判定する。ロータリ除雪車1が停車中でないと判定されると(ステップS3:N)、ステップS1に戻る。即ち、コントローラ60は、ロータリ除雪車1が走行中であると判定されると、ステップS4の禁止制御が実行されない。なお、ステップS3は省略されてもよい。
【0035】
ロータリ除雪車1が停車中であると判定されると(ステップS3:Y)、コントローラ60は、原動機Eの稼働を禁止する禁止制御を行う(ステップS4)。即ち、コントローラ60は、ロータリ除雪車1の停車中において、室内動作検出センサ41により前記降車室内動作が検出され、ドア開閉センサ42により助手席ドア16が開いたことが検出されると、前記禁止制御を実行する。これにより、原動機Eが停止状態に維持されるため、オーガ22が駆動されることがなくなる。
【0036】
次に、コントローラ60は、車外に出た作業員が乗員室11に戻ったか否かを判断する。具体的には、コントローラ60は、室内動作検出センサ41の検出信号に基づいて、阻害部材52を阻害位置Xに戻す操作(即ち、室内復帰動作)が行われたか否かを判定する(ステップS5)。前記室内復帰動作が行われていないと判定されると(ステップS5:N)、ステップS5に戻る。
【0037】
前記室内復帰動作が行われたと判定されると(ステップS5:Y)、コントローラ60は、ドア開閉センサ42の検出信号に基づいて、助手席ドア16が閉じられたか否かを判定する(ステップS6)。助手席ドア16が閉じられていないと判定されると(ステップS6:N)、ステップS5に戻る。なお、助手席ドア16が閉じられていないと判定されると(ステップS6:N)、ステップS6に戻ってもよい。
【0038】
助手席ドア16が閉じられていると判定されると(ステップS6:Y)、コントローラ60は、前記禁止制御を解除して原動機Eの稼働を許可する(ステップS7)。これにより、運転席12に着座した作業員は、スタータスイッチ43を操作して原動機Eを始動することが可能になる。
【0039】
以上に説明した構成によれば、乗員室11にいた作業員が助手席ドア16を開けて車外に出ると、オーガ22の回転が禁止される。そのため、乗員室11から車外に出た作業員がオーガ22に近づいているときに、オーガ22が誤って回転することを防止できる。よって、ロータリ除雪車1の安全性を高めることができる。
【0040】
コントローラ60は、作業員が車外から乗員室11に戻ったことが検出されると、前記禁止制御を解除する。よって、車外に出た作業者が乗員室11に戻ってからオーガ22の回転が許可されることになり、除雪作業を安全に再開できる。
【0041】
コントローラ60は、室内動作検出センサ41により前記降車室内動作が検出され、ドア開閉センサ42により助手席ドア16が開いたことが検出されると、前記禁止制御を実行する。よって、助手席13に着座した作業員が助手席ドア16を開けて車外に出ることが好適に検出され、ロータリ除雪車1の安全性を良好に高めることができる。
【0042】
コントローラ60は、室内動作検出センサ41により阻害部材52が阻害位置Xにないことが検出され、ドア開閉センサ42により助手席ドア16が開いたことが検出されると、前記禁止制御を実行する。阻害部材52が阻害位置Xから非阻害位置Yに操作されて助手席ドア16が開かれたことを検出することで、室内側ドアノブ16aを操作して助手席ドア16を開けたことを簡易に判定できる。よって、必ずしも助手席ドア16自体の構造変更を伴わずに済み、本技術の導入コストを低減できる。
【0043】
コントローラ60は、ドア開閉センサ42により助手席ドア16が閉じたことが検出され、室内動作検出センサ41により阻害部材52が阻害位置Xにあることが検出されると、前記禁止制御を解除する。よって、車外に出た作業者が助手席13に戻ってからオーガ22の回転が許可されることになり、除雪作業を安全に再開できる。
【0044】
前記禁止制御は、前記原動機の稼働を禁止する。よって、オーガ22の回転を確実に防止できる。
【0045】
ドア開閉センサ42及び室内動作検出センサ41は助手席ドア16に対応して配置されている。よって、助手席13にいた作業員が助手席ドア16を開けて車外に出てオーガ22に近づいているときに、運転席12にいる作業員が誤ってオーガ22を回転させることを防止できる。よって、運転席12及び助手席13を備えたロータリ除雪車1の安全性を高めることができる。
【0046】
コントローラ60は、ロータリ除雪車1が走行中であると判定されると、前記禁止制御を実行不能にする。よって、ロータリ除雪車1の走行安定性を確保できる。
【0047】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態の阻害装置140及びその近傍を示す側面図である。
図10は、
図9の阻害装置140の動作を示す側面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図9及び10に示すように、阻害装置140は、フレーム151、阻害部材152、枢軸153、操作レバー154、第1ラック155、第2ラック156及びピニオン157を備える。フレーム151は、キャビンパネル17(
図4参照)に支持されている。第1ラック155及び第2ラック156は、上下方向に対向した状態で水平方向に延びており、水平方向に移動可能にフレーム151に支持されている。
【0048】
第1ラック155と第2ラック156との間には、ピニオン157が挟まれている。ピニオン157は、車幅方向に延びた枢軸153に固定されている。枢軸153には、操作レバー154が固定されている。操作レバー154が枢軸153周りに回転操作されると、ピニオン157の回転に伴って第1ラック155及び第2ラック156が水平方向にスライド移動する。
【0049】
第1ラック155のうち室内側ドアノブ16aに近い側には、阻害部材152が設けられている。阻害部材152は、第1ラック155のスライド移動により、室内側ドアノブ16aの操作を阻害する阻害位置Xと、室内側ドアノブ16aの操作を許容する非阻害位置Yと、の間でスライド移動可能となっている。阻害部材152が阻害位置Xにあるときに室内側ドアノブ16aを操作しようとすると、室内側ドアノブ16aが阻害部材152に干渉して室内側ドアノブ16aを開き操作できない。他方、阻害部材152が非阻害位置Yにあるとき、阻害部材152の干渉を受けずに、室内側ドアノブ16aを開き操作できる。
【0050】
助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作するためには、阻害位置Xにある阻害部材152を非阻害位置Yに向けてスライド移動させておく必要がある。そのため、阻害位置Xから非阻害位置Yに向けた阻害部材152の操作は、助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作して助手席ドア16を開けて車外に出るのに必要となる室内動作である。
【0051】
フレーム151は、室内動作検出センサ41を支持している。室内動作検出センサ41は、阻害部材152が阻害位置Xにあるか否かを検出する。第2ラック156には、被検出部156aが設けられている。第2ラック156の被検出部156aは、阻害部材152が阻害位置Xにあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aに近接し、阻害位置X以外の位置にあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aから離れる。即ち、室内動作検出センサ41は、阻害部材152が阻害位置Xにあるときに第2ラック156の被検出部156aを検出して検出信号を出力し、阻害部材152が阻害位置Xにないときには検出信号を出力しない。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0052】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態の阻害装置240及びその近傍を示す側面図である。
図12は、
図11の阻害装置240の動作を示す側面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図11及び12に示すように、室内側ドアノブ216は、枢軸218周りに回動する。室内側ドアノブ216は、バネ219により非操作位置(
図11の状態)に付勢される。阻害装置240は、阻害部材252、枢軸253及びバネ254を備える。
【0053】
阻害部材252は、車幅方向に延びた枢軸253周りに回動可能であるが、室内側ドアノブ216を開き操作側に向けて押すようには移動できない。阻害部材252は、バネ254により室内側ドアノブ216を覆った阻害位置Xに付勢される。阻害部材252が阻害位置Xにあるとき、阻害部材252が室内側ドアノブ216を覆うため室内側ドアノブ16aを開き操作できない。他方、阻害部材252が非阻害位置Yにあるとき、阻害部材252が室内側ドアノブ216を覆わないため、室内側ドアノブ216を開き操作できる。
【0054】
室内動作検出センサ41は、阻害部材252が阻害位置Xにあるか否かを検出する。阻害部材252の被検出部252aは、阻害部材252が阻害位置Xにあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aに近接し、阻害位置X以外の位置にあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aから離れる。即ち、室内動作検出センサ41は、阻害部材152が阻害位置Xにあるときに被検出部252aを検出して検出信号を出力し、阻害部材252が阻害位置Xにないときには検出信号を出力しない。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0055】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態の阻害装置340及びその近傍を示す平面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、阻害装置340は、ベース351、阻害部材352及びヒンジ353を備える。ベース351は、キャビンパネル17に支持されている。阻害部材352は、ベース351にヒンジ353を介して接続されている。阻害部材352は、ヒンジ353を支点として鉛直方向の軸線周りに回動する。阻害部材352は、作業者が直接的に操作できるように露出している。
【0056】
阻害部材352は、室内側ドアノブ16aの操作を阻害する阻害位置Xと、室内側ドアノブ16aの操作を許容する非阻害位置Yと、の間で回動可能となっている。阻害部材352が阻害位置Xにあるとき、阻害部材352が室内側ドアノブ16aを覆うため室内側ドアノブ16aを開き操作できない。他方、阻害部材352が非阻害位置Yにあるとき、阻害部材352が室内側ドアノブ16aを覆わないため、室内側ドアノブ16aを開き操作できる。
【0057】
室内動作検出センサ41は、阻害部材352が阻害位置Xにあるか否かを検出する。阻害部材352の被検出部352aは、阻害部材352が阻害位置Xにあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aに近接し、阻害位置X以外の位置にあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aから離れる。即ち、室内動作検出センサ41は、阻害部材352が阻害位置Xにあるときに阻害部材352の被検出部352aを検出して検出信号を出力し、阻害部材352が阻害位置Xにないときには検出信号を出力しない。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0058】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態の室内動作検出センサ41及び室内側ドアノブ16aを示す側面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、室内動作検出センサ41は、室内側ドアノブ16aに対向するように助手席ドア16に設けられている。室内動作検出センサ41は、室内側ドアノブ16aが操作されたか否かを検出する。
【0059】
室内側ドアノブ16aの被検出部16aaは、室内側ドアノブ16aが非操作位置にあるときに室内動作検出センサ41の検出部41aに近接し、室内側ドアノブ16aが操作されると室内動作検出センサ41の検出部41aから離れる。即ち、室内動作検出センサ41は、室内側ドアノブ16aが非操作位置にあるときに室内側ドアノブ16aの被検出部16aaを検出して検出信号を出力し、室内側ドアノブ16aが操作されると検出信号を出力しない。本実施形態では、助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作して助手席ドア16を開けて車外に出るのに必要となる降車室内動作は、室内側ドアノブ16aの操作である。
【0060】
図15は、第5実施形態の制御系統のブロック図である。
図15に示すように、本実施形態のコントローラ460は、室内動作検出センサ41により室内側ドアノブ16aが操作されたことが検出され、ドア開閉センサ42により助手席13が開いたことが検出されると、原動機Eの稼働を禁止する禁止制御を実行する。
【0061】
コントローラ460には、室内復帰検出センサ446が接続されている。室内復帰検出センサ446は、車外に出た作業員が乗員室11に戻ったことを意味する室内復帰動作を検出する。室内復帰検出センサ446は、助手席13に着座した作業員がコントローラ60に接続された復帰ボタンを押したことを検出するスイッチでもよい。室内復帰検出センサ446は、作業員の着座を検出するように助手席13の座部13aに設けた感圧センサでもよい。
【0062】
前記構成によれば、室内動作検出センサ41は室内側ドアノブ16aの操作自体を検出するため、室内動作検出センサ41のための追加装備が室内スペースを占有することを極力抑えることができる。
【0063】
図16は、第6実施形態の阻害装置540及びその近傍を示す側面図である。
図17は、
図16の阻害装置540の動作を示す側面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図16及び17に示すように、阻害装置540は、フレーム551、阻害部材552、ツマミ558及びスライド軸559を備える。フレーム551は、助手席ドア16(
図4参照)に支持されている。フレーム551は、長孔551aを有する。長孔551aには、スライド軸559が摺動自在に挿通されている。
【0064】
スライド軸559の室内側の端部には、ツマミ558が設けられている。スライド軸559及びツマミ558には、阻害部材552が接続されている。作業者がツマミ558を持ってスライド軸559を長孔551aに沿って移動させると、阻害部材552が長孔551aに沿って移動する。阻害部材552は、室内側ドアノブ16aの操作を阻害する阻害位置Xと、室内側ドアノブ16aの操作を許容する非阻害位置Yと、の間でスライド移動可能となっている。阻害部材552が阻害位置Xにあるときに室内側ドアノブ16aを操作しようとすると、室内側ドアノブ16aが阻害部材552に干渉して室内側ドアノブ16aを開き操作できない。他方、阻害部材552が非阻害位置Yにあるとき、阻害部材552の干渉を受けずに、室内側ドアノブ16aを開き操作できる。
【0065】
助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作するためには、阻害位置Xにある阻害部材552を非阻害位置Yに向けてスライド移動させておく必要がある。そのため、阻害位置Xから非阻害位置Yに向けた阻害部材552の操作は、助手席13に着座した作業員が室内側ドアノブ16aを操作して助手席ドア16を開けて車外に出るのに必要となる室内動作である。
【0066】
フレーム551は、室内動作検出センサ41を支持している。室内動作検出センサ41は、阻害部材552が阻害位置Xにあるか否かを検出する。スライド軸559は、室内動作検出センサ41により検出される被検出部を兼ねている。室内動作検出センサ41が近接センサである場合には、スライド軸559は金属製である。室内動作検出センサ41がリミットスイッチである場合には、スライド軸559は金属でなくてよい。なお、室内動作検出センサ41に検出される被検知部は、スライド軸559とは別体でスライド軸559に固定された部材でもよい。
【0067】
スライド軸559は、阻害部材552が阻害位置Xにあるときに室内動作検出センサ41の検出部に近接し、阻害位置X以外の位置にあるときに室内動作検出センサ41の検出部から離れる。即ち、室内動作検出センサ41は、阻害部材552が阻害位置Xにあるときにスライド軸559を検出して検出信号を出力し、阻害部材152が阻害位置Xにないときには検出信号を出力しない。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0068】
なお、本発明は前述した各形態に限られない。例えば、一人乗り乗員室を備えたロータリ除雪車の場合には、前述した阻害装置及び室内動作検出センサを運転席ドアに対応して配置してもよい。室内動作検出センサ41及びドア開閉センサ42を乗降センサ50とする代わりに、撮像センサを乗降センサとして、コントローラが画像認識によって作業者の乗降を判定してもよい。原動機Eとオーガ22との間の動力伝達経路にクラッチがある場合には、前記禁止制御は、当該クラッチを切断する制御であってもよい。オーガ22にブレーキが設けられている場合には、前記禁止制御は、当該ブレーキを作動させる制御であってもよい。
【0069】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として種々の形態を説明した。しかし、本開示における技術は、それに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。例えば、1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよく、実施形態中の一部の構成は、その実施形態中の他の構成から分離して任意に抽出可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1 ロータリ除雪車
11 乗員室
12 運転席
13 助手席
16 助手席ドア
16a,216 室内側ドアノブ
22 オーガ
40,140,240,340 阻害装置
41 室内動作検出センサ
42 ドア開閉センサ
50 乗降センサ
52,152,252,352 阻害部材
60,460 コントローラ
E 原動機
X 阻害位置
Y 非阻害位置