(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168945
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】エアーテント
(51)【国際特許分類】
E04H 15/20 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
E04H15/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080345
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000077
【氏名又は名称】アキレス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100123009
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 由貴子
(72)【発明者】
【氏名】畠井 秀
(72)【発明者】
【氏名】関口 佳子
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141BB01
2E141CC03
2E141DD03
2E141DD14
2E141EE03
2E141EE04
2E141EE05
2E141EE15
2E141EE21
2E141EE23
2E141FF00
2E141GG01
2E141GG08
(57)【要約】
【課題】
繰り返しの給排気によっても気柱の弾性が維持されるとともに高い気密性を保持可能なエアーテントを提供する。
【解決手段】
エアーテント(100)は、中空管状の内袋構成部材から構成された気密性を有する内袋(10)と、内袋(10)全体を
覆うカバー材(20)とを有する気柱(32)から構成される骨組み(30)、および天幕(40)を有し、骨組み(30)は交差領域(70)を有し、交差領域(70)において交差する複数の内袋構成部材(第一内袋構成部材52、第二内袋構成部材62)が互いに一連に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空管状の内袋構成部材から構成された気密性を有する内袋と、前記内袋全体を追うカバー材とを有する気柱から構成される骨組み、および天幕を有し、
前記骨組みは交差領域を有し、
前記交差領域において交差する複数の前記内袋構成部材が互いに一連に形成されていることを特徴とするエアーテント。
【請求項2】
前記カバー材は、前記交差領域において、前記交差領域以外の領域である非交差領域よりも多層であるか、あるいは面密度が高い請求項1に記載のエアーテント。
【請求項3】
前記気柱が、少なくとも2つのアーチ部と、一のアーチ部とこれに隣り合う他のアーチ部とに亘る梁部とを有する請求項1または2に記載のエアーテント。
【請求項4】
前記カバー材は、前記内袋に対し、繰り返し着脱可能に構成されている請求項3に記載のエアーテント。
【請求項5】
前記カバー材は、前記気柱の周方向に巻き付けられ、その一端と他端とが緊締されてなる緊締部を有しており、
前記アーチ部とこれに連続する前記梁部とから構成される前記交差領域正面視した際、前記緊締部が前記交差領域に沿って設けられている請求項4に記載のエアーテント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアーテントに関し、詳しくは気密性を有する中空の内袋と、内袋を覆うカバー材とを有する気柱から構成される骨組みを備えるエアーテントに関する。
【背景技術】
【0002】
災害時の避難場所や緊急施設等としてエアーテントが用いられている。従来のエアーテントは、ゴム製のシート、またはゴム層を生地に積層させた所謂ゴム引布を用いて作成されたチューブ(以下、ゴムチューブという)を気柱とする骨組みと、天幕とから構成されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、ゴム等でできたチューブ(ゴムチューブ)を用いたドーム型の骨組みに対し、骨組みの内側からテント本体の生地(天幕)を沿わせるとともに、当該天幕の所定位置に予め設けられた複数の穴にチューブを貫通させることで構成されたエアーテントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゴムチューブは、繰り返し給排気を行っても弾性が維持されやすく望ましいという長所を有する一方、給気量が過剰になると破裂し、あるいは溶着部分の一部が裂けて気体漏れが発生する場合があるため、給気時に注意を払わなければならず、高い圧力を掛け難かった。しかしながら破裂等の発生を回避するために給気量を抑制した場合、気柱として適切な剛性を、ゴムチューブにおいて発揮させ難いという問題があった。
【0006】
また空気漏れの発生を抑制し良好な気密性を維持するために、ゴムチューブの内面側に目張りのためのシート部材が貼り付けられる場合があるが、軽量化等の目的でゴムチューブの径を小さく設計した場合(たとえばφ18cm未満などに設計した場合)、目張りに皺が発生するなどして、チューブの内周面と目張りとの間に隙間が形成されやすく、充分な気密性の保持がなされない場合があった。
特にゴムチューブより構成される気柱が交差部分を有する場合、当該交差部分において、上述するゴムチューブにおける破裂や気体漏れの問題が発生し易かった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、充分に給気を行い高い圧力を掛けた場合においても破裂し難く気密性を良好に保持可能なエアーテントの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のエアーテントは、中空管状の内袋構成部材から構成された気密性を有する内袋と、上記内袋全体を追うカバー材とを有する気柱から構成される骨組み、および天幕を有し、上記骨組みは交差領域を有し、上記交差領域において交差する複数の上記内袋構成部材が互いに一連に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のエアーテントは、気密性を有する中空の内袋がカバー材で覆われてなる気柱を備える。そのため、当該内袋に充分に給気した場合であっても、内袋の膨張はカバー材の内周面で規制され、内袋が膨張し過ぎることが防止される。その結果、本発明のエアーテントは、内袋が破裂し難く、また高い気密性が保持されやすい。そのため骨組みの径を従来のゴムチューブよりも細く設計することが可能となった。
かかる優れた構成により、本発明は、骨組みに設けられた交差領域でも破裂や気体漏れが良好に防止されるため、気密性が高く、かつ交差領域を有する複雑な骨組み構造のエアーテントの提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一実施形態のエアーテントの斜視図である。
【
図2】第一実施形態のエアーテントにおける骨組みの斜視図である。
【
図3】
図2に示す骨組みのIII-III’線断面図である。
【
図4】第一実施形態のエアーテントにおける交差領域の拡大斜視図である。
【
図5】第一実施形態のエアーテントにおける交差領域の拡大斜視図である。
【
図6】第一実施形態における交差領域の変形例の拡大斜視図である。
【
図7】(7A)は第二実施形態のエアーテント(但し天幕が図示省略されている)の斜視図であり、(7B)は、第二実施形態における内袋の排気状態における上面図である。
【
図8】本発明の第三実施形態のエアーテント(但し天幕が図示省略されている)の斜視図である。
【
図9】(9A)および(9B)は第三実施形態のエアーテントにおける内袋の境界部の態様を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて本発明を説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。尚、以下の説明において骨組みの内側とは、エアーテントの内側に面する骨組みの外周面を指し、骨組みの外側とは、上記内側ではない外周面(即ち、エアーテントの外側に面する骨組みの外周面)を指す。また、骨組みの内部とは、骨組みの外周面で囲まれた構造上の内部を意味する。
【0012】
[第一実施形態]
以下に
図1~
図6を用いて本発明の第一実施形態であるエアーテント100について、説明する。
図1は、本発明の第一実施形態のエアーテント100の斜視図である。
図2は、エアーテント100における骨組み30の斜視図であり、
図3は、
図2に示す骨組み30のIII-III’線断面図である。
図4は、エアーテント100における交差領域70の拡大斜視図であり、カバー材20が内袋10に対し巻き付けられた状態を示している。
図5は、エアーテント100における交差領域70の拡大斜視図であり、カバー材20の一部が開かれ、内部に内袋10の一部が視認可能な状態を示している。
図6は、第一実施形態における交差領域70の変形例である交差領域70’の拡大斜視図である。
【0013】
図1に示すとおり、エアーテント100は、骨組み30と、骨組み30に沿って設置された天幕40とを備える。
図2に示すように骨組み30は、外観からはカバー材20が目視されるが、
図3に示すようにカバー材20の内部には気密性を有する中空の内袋10が配置されている。内袋10は、中空管状の複数の内袋構成部材から構成されている。かかる内袋10がカバー材20で覆われてなる気柱によって骨組み30は構成されている。エアーテント100の使用状態において、内袋10は、内部空間12に気体が給気されて膨張しており、これを覆うカバー材20の内周面28と、内袋10の外周面14とが密着している。これによって、内袋10の膨張がカバー材20の内周面28によって規制される。そのため、給気時に内袋10が破裂し、あるいは気体漏れが生じることが防止される。また例えば可撓性の部材からなる内袋10が繰り返しの給気によって伸びてしまうことが防止される。
【0014】
本発明のエアーテントにおける骨組みには、交差領域が設けられており、複雑な構造の骨組みを可能としている。本実施形態における骨組み30は、具体的には第一内袋構成部材52と、第一内袋構成部材52の軸方向とは異なる軸方向を示す第二内袋構成部材62とを有し、第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とが交差する交差領域70が設けられている。本実施形態では具体的には、第一内袋構成部材52を内部に備えるアーチ部50における直線状の柱54と、第二内袋構成部材62を内部に備える梁部60とにおいて、一方の軸方向に対し他方の軸方向が垂直となるよう交差した交差領域70が設けられている。
【0015】
本発明における交差領域は、
図5に示されるように、交差する内袋構成部材が互いに一連に形成されていることに特徴を有する。ここで内袋構成部材が互いに一連に形成されるとは、交差する中空管状の内袋構成部材同士が互いに連通していることを意味し、さらに内袋構成部材同士の内部空間を遮蔽する仕切りがなく一体的に形成されることを包含する。
本実施形態における交差領域70では、第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とが一連で形成されており、交差領域70の内部空間12は、連通している。一般的なエアーテントの骨組みにおいて気柱における交差領域は、当該骨組みの中でも強度の低下が危惧される箇所であるが、本実施形態では、このように第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とを一連で形成することで交差領域70を一体的に構成することができ、これによってかかる交差領域70の強度を向上させることができるとともに、かかる交差領域70における内袋10がカバー材20に覆われていることによって、高い圧力を掛けた場合においても内袋10からの気体の漏れが良好に防止され高い気密性が示される。以上のとおり、本発明は、交差領域を備えつつも、気密性が高く、強度にも優れ、外圧がかかった際の揺れや傾斜の発生が抑制された骨組みを備えるエアーテントの提供を可能とする。
以下にエアーテント100についてさらに詳細に説明する。
【0016】
[骨組み]
本発明は、気柱32が、従来のゴムチューブに替えて、内袋10とこれを覆うカバー材20とで形成されており、当該気柱32で骨組み30が構成されている。エアーテント100において、カバー材20の内径は、十分に給気された内袋10の外径に対し、略同一に設計されている。そのため、使用時において内袋10はカバー材20の内周面28によって膨張が規制され、過度な膨張が防止され破裂等が抑制される。またこれにより、エアーテント100を繰りかえし使用した場合であっても、内袋10が伸びきってしまうことが良好に防止され、気柱の弾性が維持されるとともに高い気密性を保持可能である。したがって、従来にゴムチューブのように内袋10の内周面側に目張りを設ける必要がなく、適宜、内袋10の径を細く設計することが可能である。
【0017】
内袋10の径(即ち内袋構成部材の径)を細く設計することによって骨組み30の径を小さくすることができるため、エアーテント100の内部の空間容積を大きく確保し居住性を向上させることができ、あるいは、エアーテント100を体育館などの避難場所で使用される災害用テントとして備蓄に適した程度に小型に設計することが可能である。またエアーテント100は、内袋10の径が小さく設計された場合であっても、かかる内袋30がカバー材20で覆れているため、内袋10を過度に膨張させることなく十分に内圧を高めることができ適度な強度を発揮する。
【0018】
骨組み30の形状は、エアーテント100の全体形状を決定する。骨組み30の形状は特に限定されず、テント内の空間が保持されテントとして使用可能な形状であればよい。
たとえば骨組み30は、少なくとも2つのアーチ部50と、一のアーチ部50とこれに隣り合う他のアーチ部50とに亘る一または複数の梁部60とを有するよう構成される。
ここでアーチ部50とは、両端が接地面に接するとともに中間部が上方に凸状の構成を広く含む。本実施形態では具体的には、アーチ部50は、接地面から上方に伸長する二本の柱54と、一方の柱54の上端から他方の柱54の上端を亘り凸状の屋根56とから構成される。本実施形態における柱54は、接地面から垂直上方に伸長している。また屋根56は、たとえば全体が上方に凸の湾曲形状であってもよいが、本実施形態では、
図2に示されるとおり、上部に接地面と平行である上部水平部56aを有し、上部水平部56aの両端部と、柱54の上端とを亘る直線状の傾斜部56bとを備えて構成されている。このように屋根56に、上部水平部56aを設けることで、骨組み30の外側に沿って天幕40を安定して設置することができ、天幕40の位置ずれなどが生じにくく好ましい。
本実施形態の骨組み30は、具体的には、2つのアーチ部50と、アーチ部50の屋根56の頂点付近(上部水平部56aの中間部)に設けられた梁部60と、柱54の上方に設けられた梁部60から構成されている。
【0019】
本実施形態のように、少なくとも2つのアーチ部50と、一のアーチ部50とこれに隣り合う他のアーチ部50とに亘る梁部60とを有する骨組み30を備えるエアーテント100は、隣り合うアーチ部50間においてテント内の高さを一定に確保できる点で、ドーム型のテントよりも居住性が良好である。またかかるアーチ部50が、本実施形態のように接地面に対し垂直上方に伸長する柱54を有することによって、テント内において天井の低いデッドスペースが生じ難く、テント内の空間を有効に使用することができるという点で好ましい。尚、一般的に4本の柱を有するテント構造よりもドーム型のテントの方が安定性に優れるが、エアーテント100は、骨組み30に設けられた交差領域70が一連の内袋構成部材(第一内袋構成部材52、第二内袋構成部材62)により構成されているため、非ドーム型ではあるが安定性が良い。
【0020】
骨組み30は、気柱32から構成されるため、金属製等の硬質の骨組みを使用する従来のテントに比べ、総重量が軽く、また収容時の収容容積も小さくすることができる。
【0021】
上述するとおり骨組み30は、第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とが交差する交差領域70が設けられている。ここで第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とが交差するとは、第一内袋構成部材52の軸方向と第二内袋構成部材62の軸方向とが交差するよう互いが接続されていることを意味し、本実施形態のように第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とがT字状に交差する態様、あるいは両者が略十字状に交差する態様(
図7参照)等を含む。尚、本実施形態では第一内袋構成部材52および第二内袋構成部材62は直線状の軸方向を備えるが、たとえば、一方の軸方向が直線状であって、他方の軸方向が非直線状である態様、あるいは両方の軸方向が非直線状である態様を本発明は包含する。第一内袋構成部材52および第二内袋構成部材62の軸方向が共に湾曲し、これらが交差して交差領域を形成する態様については後述する第二実施形態おいて示す。
また、ここでいう第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とは、複数の中空管状の内袋構成部材を概念的に示すものであって、本発明における交差領域は、たとえば更に第三の内袋構成部材、第四の内袋構成部材を有し、3本以上の内袋構成部材が互いに交差する態様であってもよい。
【0022】
内袋:
骨組み30の内部に配置される内袋10は、中空管状の複数の内袋構成部材(第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62)から構成されている。内袋10は、内部に給気された気体を保持できる部材から構成されるが、加工性が良好であって、軽量であり適度な可撓性を有するという観点から、上記部材として樹脂部材を選択することが好ましい。上記樹脂部材としては、たとえば、溶断、溶接が可能なシートやチューブ状部材であって、容易に中空管状の内袋構成部材を成形可能であり、また複数の内袋構成部材を一連に成形可能なポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる上記部材が好ましい。
内袋10を構成する部材の厚みは特に限定されないが、内袋10が樹脂部材から構成される場合には、概ね100μm以上500μm以下であることが好ましく、かかる厚みを後述する好ましい外径の寸法から差し引いた値が内袋10の好ましい内径である。
【0023】
内袋10の外径(即ち内袋構成部材の外径)は特に限定されないが、エアーテント100のテント内の空間容積を大きく確保するか、あるいは小型テントとして設計する場合等には、20cm以下であることが好ましく、18cm以下であることがより好ましく、15cm以下であることがさらに好ましい。一方、エアーテント100の強度を十分に確保するという観点からは、上記内袋10の外径は、5cm以上であることが好ましく、10cm以上であることがより好ましい。また、エアーテント100を中型または大型のテントとして設計することもでき、この場合には、適宜、内袋10の外径を20cm超にすることが好ましく、30cm以上にすることがより好ましい。
【0024】
本実施形態における内袋10は、複数の中空管状の内袋構成部材を互いに連通させることで一体的に構成される。ここで内袋10が一体的に構成されるとは、内袋10の内部空間12全体が連通しており、気体の流通を遮断する境界がないことを意味する。このように内部空間12が一連である内袋10であれば、給排気口26を1つ設け、1か所から給排気の作業をすることによって内袋10全体を膨張または収縮させることができる。そのため、給排気の作業が容易であり、また給気した際に骨組み30の内部圧力を常に均等にすることができる。
【0025】
カバー材:
カバー材20は、内袋10を覆い、内袋10が過度に膨張し過ぎることを防止可能な程度の強度を有する部材から構成される。
図3に示すとおり、内袋10に充分に給気した際、カバー材20の内周面28と内袋10の外周面14とは密接する。たとえば、カバー材を構成する部材としては、織物、編み物、不織布などの裁断、縫製等が容易な部材から選択されるとよい。たとえばポリエステル繊維から構成される生地などが好ましく、特に伸縮性の低い織物は形状保持の点から好適である。
【0026】
カバー材20は、独立の複数のパーツから構成されていてもよく、あるいは本実施形態のように一連の一つのカバー材として構成されてもよい。
【0027】
ところでエアーテント100に対し外圧がかかった場合、骨組み30の交差領域70は屈曲や変形といった不具合が生じやすい箇所であるが、本発明では交差領域70における複数の内袋構成部材(第一内袋構成部材52、第二内袋構成部材62)が互いに一連に形成されることで強度の向上が図られている。上記不具合の発生をさらに良好に防止するという観点から、カバー材20は、交差領域70において、交差領域70以外の領域である非交差領域72よりも多層に構成されるか、あるいは面密度が高くなるよう構成されることが好ましい。本実施形態では、
図3に示すように、カバー材20は、交差領域70において外周面に積層カバー材21が設けられることによって、交差領域70以外の領域である非交差領域72よりも多層に構成されている。たとえば、カバー材20を構成する部材と同じ部材で構成された一層の積層カバー材21を用いることによって、交差領域70の面密度を2倍にすることができる。積層カバー材21は、二層以上設けられてもよい。
尚、交差領域70と非交差領域72とは厳密に特定の寸法で区画されるものではない。交差領域70は、テントの容積、骨組みの構造、あるいは骨組みの太さなどを勘案し、第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62との交点(互いの軸が交差する点)から適宜の距離までとすることができる。上述する適宜の距離とは特に限定されないが、たとえば、内袋10の外径が5cm以上20cm以下のエアーテント100であれば、上記交点から50cmまでの範囲以内で決定するとよい。
【0028】
骨組み30において、カバー材20は、取り外しできないよう内袋10を覆った状態で縫製などにより内袋10と一体的に構成されてもよいし、内袋10に対し繰り返し着脱可能に構成されてもよい。このようにカバー材20が内袋10に対し繰り返し着脱可能に構成されることで、たとえば内袋10またはカバー材20の一方が損傷等した場合、損傷したほうのみを交換することができる点で好ましい。
【0029】
本実施形態では、カバー材20は取り外し可能に構成されている。具体的には、
図4に示すとおり、エアーテント100の使用時において、内袋10に対しカバー材20が、気柱32の周方向(
図4における両端矢印方向)に巻き付けられるとともに、その一端部22と他端部(
図5の他端部24参照)とが緊締されてなる緊締部80を有する。
緊締部80は、内袋10の膨張を規制可能な程度にカバー材20の一端部22と他端部24とを緊締させる。尚、ここでいう一端部とは、気柱32の周方向に巻きつけられたカバー材の当該周方向における一端を含む任意の長さ領域を意味し、他端部とは気柱32の周方向に巻きつけられたカバー材の当該周方向における他端を含む任意の長さ領域を意味する。緊締の手段は特に限定されないが、たとえば面ファスナー、線ファスナー、点ファスナーのいずれかまたは組み合わせで用いることができる。本実施形態では、具体的には、一端部22の裏面に設けられた面ファスナー(雄)82と、他端部24の表面に設けられた面ファスナー(雌)84とが所定の範囲で重なり互いが緊締されている。このように一端部22と他端部24とが重なりあって緊締されることで、内袋10をしっかりと被覆することができるため好ましい。また、緊締部80を
図5のように開くことで内袋10を露出させ、内袋10とカバー材20とを分離させることができる。
ただし、本発明は、緊締部80として、一端部22と他端部24とが重なる合うことなく、一端部22の先端および他端部24の先端とがちょうど対面した状態で緊締されるとともに内袋10を隙間なく被覆する態様を包含する。
【0030】
上述する緊締部80が設けられる位置は特に限定されないが、本実施形態では、アーチ部50とこれに連続する梁部60とから構成される交差領域70を正面視した際、
図4、
図5に示すとおり、緊締部80が、交差領域70に沿って設けられている。これにより、交差領域70においてアーチ部50における緊締部80と、梁部60における緊締部80とが交差領域70における内袋構成部材の交差方向と略同方向に交差している。本実施形態では、より具体的には、正面視において、交差領域70は略T字状に構成されており、アーチ部50における緊締部80および梁部60における緊締部80も交差領域70においてT字状に交差している。
かかる態様では、外圧により屈曲しやすい直角部86(交差領域70の略T字を構成する第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とからなる内角の頂点部)が連続するカバー材20によって覆われるため、直角部86の屈曲が抑制されうる。尚、T字状の交差領域70を正面視するとは、第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62との交差部分において、ちょうどTの字を正面視する角度で交差領域70を目視することを意味する。また後述する第二実施形態における十字状の交差領域70を正面視するとは、ちょうど十の字を正面視する角度で交差領域70を目視することを意味する。
ただし本発明は、本実施形態の変形例として、たとえば
図6に示すとおり、緊締部80を交差領域70の略T字を構成する第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とからなる内角に沿って設ける態様を禁止するものではない。
【0031】
[天幕]
天幕40は、骨組み30によって支持され、テントの内側と外側とを区画する。本実施形態では、天幕40は、骨組み30の外側に沿って設置されているが、本発明はこれに限定されず、たとえば骨組み30の内側に沿って天幕が設置されてもよい。
天幕40を骨組み30によって支持させ固定させる手段は特に限定されないが、たとえば、天幕40と骨組み30とを所定の位置において面ファスナーなどで接合させ、あるいは、天幕40に設けた紐などの取付手段で、骨組み30に取り付けることができる。取付手段については図示省略する。
天幕40の任意の箇所に、エアーテント100の出入口42を設けることができる。
【0032】
天幕40は、一般的なテントに用いられる天幕と同様の部材から構成される。たとえば、天幕40を構成する部材の例としてはポリエステル等の編物、織物、不織布等の繊維基材の両面又は片面をポリ塩化ビニルやゴム等の層を積層したゴム引布、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、ナイロン等の各種の材料などが挙げられる。
【0033】
[床シート]
エアーテント100は、床面を有していなくてもよいが、たとえば
図1および
図2に示すとおり床シート110をエアーテント100の接地面に敷くことで、さらに居住性を向上させることができる。
床シート110は、少なくとも天幕40で覆われた接地面に敷かれるとよい。本実施形態における床シート100は、エアーテント100に対して位置がずれないよう、アーチ部50の柱54の下端を設置するために、床シート110の所定の位置に面ファスナー等からなる柱接地用部材112が設けられている。また図示省略するが、柱接地用部材112に対応する面ファスナー等が柱54の下端面に設けられている。床シート110を構成する部材は、エアーテント100の用途に応じて変更することがきるが、たとえば非透水性のシートや断熱シートなどが例示される。
【0034】
[第二実施形態]
以下に
図7を用いて本発明の第二実施形態であるエアーテント120について説明する。
図7Aは第二実施形態のエアーテント120の天幕40の図示を省略し骨組み30を示す斜視図であり、
図7Bは、第二実施形態における内袋10の排気状態における上面図である。
【0035】
本実施形態のエアーテント120は、骨組み30がドーム型である点で、上述するエアーテント100と相違しているが、本実施形態におけるドーム型の骨組みは、気密性を有する中空の内袋10と、当該内袋10を覆うカバー材20とを有する気柱32から構成される点で第一実施形態のエアーテント100と同様であり、また骨組み30に沿って設置される天幕40についてもエアーテント100と同様である。エアーテント120は、エアーテント100との共通の構成については、第一実施形態における説明が適宜参照される。
【0036】
エアーテント120は、2つのアーチ部50からなる骨組み30を備え、2つのアーチ部50がアーチの頂点で交差してなる交差領域70を有している。2つのアーチ部50の内部には、それぞれ第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62が配置されている。給気され膨張した状態において、かかる交差領域70では、第一内袋構成部材52と、第二内袋構成部材62の軸方向が共に湾曲するとともに、正面視において十字状にこれらが交差しており、また交差領域70において、第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とは互いに一連に形成されている。
ドーム型の骨組みを備えるエアーテント120は、外圧がかかった際に骨組み30が屈曲し難く、安定感がある点で好ましい。
【0037】
エアーテント120は、骨組み30において、カバー材20が内袋10に対し着脱可能に構成された態様を包含する。かかる態様において、たとえば、カバー材20は、使用時のドーム形状に沿って立体的に形成されるとともに、内袋10は
図7Bに示すとおり、直線状の十字に形成されてもよい。換言すると、内袋10は、排気状態において、面一の状態となるよう形成されもよい。
樹脂シートなどの可撓性のある部材からなる内袋10は、直線状に設計され製造されることで、製造容易性の点で優れるだけでなく、複雑な立体形状を避けることによって溶着部分などにおいて高い気密性を確保しやすい。また第一内袋構成部材52と第二内袋構成部材62とは互いに一連に形成し易い。内袋10は、カバー材20の内部において給気されることによって、膨張するとともにカバー材20の立体形状に追従し、最終的に立体的な骨組み30が構成される。
ただし、本発明は、内袋10がカバー材と同様に立体的に設計され製造されることを包含する。
【0038】
尚、上述するとおり、カバー材を立体的に製造するとともに、排気状態において面一の状態となるよう内袋10を製造する態様は、適宜第一実施形態にも適用可能である。
図1に示す第一実施形態における内袋10を排気状態において面一の状態となるよう製造した場合には、並列する2本のアーチ部50とこれらを亘る直線状の3本の梁部60とが上面視において梯子状に形成される。
【0039】
[第三実施形態]
以下に、
図8および
図9を用いて本発明の第三実施形態であるエアーテント130を説明する。
図8は、本発明の第三実施形態の天幕40を図示省略し骨組み30を示すエアーテント130の斜視図である。
図9Aおよび
図9Bは、エアーテント130における梁部60の境界(第一境界部64、第二境界部66)の態様を説明する説明図である。
【0040】
本実施形態のエアーテント130は、内袋10が梁部60に設けられた境界部で分離可能に構成されており、その他の構成はエアーテント100と同様に構成されている。即ち、エアーテント130における骨組み30は、一方のアーチ部50とこれに連続する梁部60の一部とからなる第一パーツ90と、他方のアーチ部50とこれに連続する梁部60の一部とからなる第二パーツ92と、第一パーツ90の梁部60と第二パーツ92の梁部60とを連携する寸法調整用の調整パーツ94の3つのパーツで全体が構成されている。かかる構成を実現するために、分離可能な各内袋10を構成する内袋構成部材も境界部において分離可能に互いに独立に構成されている。骨組み30において調整パーツ94は取り外し可能であって、エアーテント130を大きく使用したい場合には調整パーツ94を用い、エアーテント130を小さく使用したい場合には調整パーツ94を外すことができる。
【0041】
第一パーツ90および第二パーツ92に対する調整パーツ94の着脱手段は特に限定されないが、たとえば
図9に示すとおり、調整パーツ94のカバー部材20の両端部周方向に線ファスナーなどの接合手段96、96’を設けるとともに、第一パーツ90および第二パーツ92の梁部60におけるカバー部材20の端部にもこれに対応する接合手段96、96’を設けることができる。
【0042】
上述のとおり本実施形態における骨組み30は、第一パーツ90、第二パーツ92、調整パーツ94といった複数のパーツから構成され、内袋10もそれぞれのパーツにおいて独立して形成されており、隣り合う内袋10間において気体の流通性はない。そのため、給排気口26はそれぞれのパーツに設けられている。
【0043】
調整パーツ94の端面は、
図9Aに示すとおりカバー材20が開口しており、開口97から内袋10端面16が露出していてもよいし、
図9Bに示すとおりカバー材20が閉口しており、カバー材20の端面29が設けられていてもよい。これに対応する第一パーツ90および第二パーツ92の梁部60の端部も同様である。
【0044】
エアーテント130は、梁部60に上述する境界部が設けられることによって、骨組み30の第一パーツ90、第二パーツ92、および調整パーツ94のいずれかの箇所に破損が生じたときに、破損した箇所を含むパーツだけを交換することができる。また、梁部60における内袋10の内部空間12は、境界部で区切られているため、第一パーツ90または第二パーツ92のいずれか一方において生じた振動が他方のパーツに伝わり難くなり、その結果、エアーテント130が安定する。
【0045】
上述において、第一実施形態から第三実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。たとえば第一実施形態の変形例として、アーチ部の替りにコの字状の気柱を用い、かかるコの字状の2本の気柱とこれらを亘る梁部からなる、天井部が略平坦なキューブ状のエアーテントの態様を本発明は包含する。
【実施例0046】
以下に本発明の態様について確認のための実施例を示す。
(実施例1)
面密度0.26kg/m
2であるポリエステル繊維生地(ECO STEP、岡野商事株式会社製)を用いてカバー材を作成するとともに当該カバー材の内部に、面密度0.34kg/m
2である熱可塑性ポリウレタンシートから構成された気密性を有する内袋を配置し、以下のとおり、全体形状がT字状である試験用の気柱を作成した。
具体的には気柱は、外径10cm長さ100cmの縦部材A(第一内袋構成部材)と、縦部材Aの長さ方向1/2の位置において縦部材Aに対し直角となるよう取り付けられた、外径10cm長さ100cmの横部材B(第二内袋構成部材)よりなるT字状の内袋と、当該内袋全面を覆うカバー材とから構成された。尚、縦部材Aと縦部材Bとは、互いに一連になるよう構成した。また給気により内袋を膨張させた状態で、内袋の外周面とカバー材の内周面とが密着するよう設計した。
またカバー材には緊締部を設け、内袋に対し着脱可能に構成した。具体的には、実施例1における緊締部は、
図4、
図5に示す緊締部と同様に、気柱のT字に沿って配置された面ファスナーにより構成した。
【0047】
(実施例2)
実施例1と同様のT字状の気柱を作成し、縦部材Aと横部材Bとの交差領域において、面密度0.26kg/m2であるポリエステル繊維生地(ECO STEP、岡野商事株式会社製)を積層カバー材として上記カバー材の上から重ねて積層し、交差領域におけるカバー材全体の面密度を0.52kg/m2としたこと以外は、実施例1と同様にT字状の気柱を作成し、これを実施例2とした。
尚、積層カバー材は、縦部材Aと横部材Bとの交点を基準とし、縦部材Aは当該交点から上下方向にそれぞれ30cmまでの領域に配置し、また横部材Bは、当該交点から縦部材Aから離れる方向に30cmまでの領域に配置した。
【0048】
(実施例3)
緊締部を構成する面ファスナーの配置位置を
図6に示すように、縦部材Aと横部材Bとからなる内角に沿って配置したこと以外は、実施例1と同様にT字状の気柱を作成し、これを実施例3とした。
【0049】
(押圧試験1)
上述のとおり作成したT字状の気柱である実施例1~3を用い、以下のとおり押圧試験1を行った。測定された荷重および平均値は表1に示す。
まず、気柱の縦部材Aの下端を試験台に設置して縦部材Aを起立させて固定した。そして、横部材Bの先端下側から上方に向かって当該横部材Bを押し上げ、横部材Bの先端を5cm上方に移動させるために必要とした荷重を測定した。続いて、横部材Bの先端上側から下方に向かって当該横部材Bを押し下げ、横部材Bの先端を5cm下方に移動させるために必要とした荷重を測定した。また、上述のとおり測定した上方押し上げ時の荷重および下方押し下げ時の荷重の平均値を求めた。
尚、押圧時の荷重の測定は、AIKOH社製、デジタルフォースゲージRZ-5装置を用いた。
【0050】
(実施例4)
図2に示す形状の2つのアーチ部と3本の梁部とを備える骨組みを以下のとおり作成し実施例4とした。
具体的には、アーチ部は、接地面から最上部(上部水平部)までの高さが230cm、上部水平部の長さが105cm、柱の高さ180cm、一方の柱の下端(外周面)から他方の柱の下端(外周面)までの距離を210cmとした。また、梁部は、長さ230cmとし、2つのアーチ部における上部水平部の中間点を結ぶ位置と、2つのアーチ部においてそれぞれ対向する柱を結ぶ位置に設けた。柱に対する梁部の設置位置は、柱の上端から27cm下の位置にした。
また実施例4の骨組みは、面密度0.26kg/m
2であるポリエステル繊維生地(ECO STEP、岡野商事株式会社製)を用いて作成されたカバー材と、当該カバー材の内部に配置される、面密度0.34kg/m
2である熱可塑性ポリウレタンシートから構成された気密性を有する内袋とを用いて構成し、アーチ部と梁部との交差領域はいずれも実施例1のT字状の気柱と同様の構成とした。
【0051】
(実施例5)
アーチ部と梁部との交差領域をいずれも実施例2のT字状の気柱と同様の構成としたこと以外は実施例4と同様に骨組みを作成し実施例5とした。
【0052】
(実施例6)
アーチ部と梁部との交差領域をいずれも実施例3のT字状の気柱と同様の構成としたこと以外は実施例4と同様に骨組みを作成し実施例6とした。
【0053】
(押圧試験2)
上述のとおり作成した骨組みである実施例4~6を用い、以下のとおり押圧試験を行った。測定された荷重は表2に示す。
まず、骨組みの4本の柱の下端を接地面に固定した。そして、一方のアーチ部における2本の柱のうちの一方の柱に設けられた交差領域付近を押圧点とし、当該一方のアーチ部から他方のアーチ部に向かう方向(第一方向)に押圧し、当該押圧点を第一方向に10cm移動させるために必要とした荷重を測定した。
また、一方のアーチ部における2本の柱のうちの一方の柱に設けられた交差領域付近を押圧点とし、当該一方の柱から同アーチ部の他方の柱に向かう方向(第二方向)に押圧し、当該押圧点を第二方向に10cm移動させるために必要とした荷重を測定した。
尚、押圧時の荷重の測定は、AIKOH社製、デジタルフォースゲージRZ-5装置を用いた。
【0054】
実施例1~3のT字状の気柱は外圧に対し十分な強度を示し、またそれらを交差領域として備える実施例4~6の骨組みは、いずれもエアーテントの骨組みとして充分な強度を発揮した。中でも、交差領域を正面視した際に、カバー部材の緊締部が当該交差領域に沿って設けられた実施例1、2および実施例4、5は、交差領域においてより優れた強度を示すことが確認された。また交差領域の面密度が非交差領域の面密度よりも高くなるよう構成された実施例2、および実施例5は、外圧を受けた際にも当該交差領域において非常に優れた強度が示されることが確認された。
【0055】
【0056】
【0057】
上述する本発明は、下記の技術的思想を包含する。
(1)中空管状の内袋構成部材から構成された気密性を有する内袋と、前記内袋全体を追うカバー材とを有する気柱から構成される骨組み、および天幕を有し、
前記骨組みは交差領域を有し、
前記交差領域において交差する複数の前記内袋構成部材が互いに一連に形成されていることを特徴とするエアーテント。
(2)前記カバー材は、前記交差領域において、前記交差領域以外の領域である非交差領域よりも多層であるか、あるいは面密度が高い上記(1)に記載のエアーテント。
(3)前記気柱が、少なくとも2つのアーチ部と、一のアーチ部とこれに隣り合う他のアーチ部とに亘る梁部とを有する上記(1)または(2)に記載のエアーテント。
(4)前記カバー材は、前記内袋に対し、繰り返し着脱可能に構成されている上記(3)に記載のエアーテント。
(5)前記カバー材は、前記気柱の周方向に巻き付けられ、その一端と他端とが緊締されてなる緊締部を有しており、
前記アーチ部とこれに連続する前記梁部とから構成される前記交差領域を正面視した際、前記緊締部が前記交差領域に沿って設けられている上記(4)に記載のエアーテント。