(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168951
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】食品製造装置、成形プレート及び食品製造方法
(51)【国際特許分類】
A21B 5/02 20060101AFI20231121BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20231121BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20231121BHJP
A23G 3/34 20060101ALN20231121BHJP
【FI】
A21B5/02
A47J37/06 306
A23L5/00 A
A23G3/34 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080356
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】505126610
【氏名又は名称】株式会社ニチレイフーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】小山 公春
【テーマコード(参考)】
4B014
4B035
4B040
【Fターム(参考)】
4B014GE01
4B014GP05
4B014GP15
4B014GQ08
4B014GU06
4B035LC16
4B035LE20
4B035LP02
4B035LP34
4B035LP59
4B035LT01
4B035LT11
4B035LT14
4B040AA01
4B040AC04
4B040AD04
4B040AD22
(57)【要約】
【課題】調理対象食材を成形プレートで挟んで成形調理を行う装置の省スペース化に有利な技術を提供する。
【解決手段】プレート追加デバイスは、第1食材供給ステーションよりも下流に位置するプレート追加ステーションにおいて、1以上の成形プレートを、調理対象食材とともに移動する成形プレートに隣り合うように供給する。プレート排出デバイスは、重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された成形プレートを、プレート排出ステーションにおいて調理搬送経路から排出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1食材供給ステーション、プレート追加ステーション、重ね合わせステーション、重ね合わせ解除ステーション、プレート排出ステーション、及び食材放出ステーションを含む調理搬送経路に沿って、複数の成形プレートを搬送するプレート搬送部と、
前記第1食材供給ステーションにおいて、成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する第1食材供給デバイスと、
前記第1食材供給ステーションよりも下流に位置する前記プレート追加ステーションにおいて、1以上の成形プレートを、調理対象食材とともに移動する成形プレートに隣り合うように供給するプレート追加デバイスと、
前記プレート追加ステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせステーションにおいて、調理対象食材とともに移動する成形プレートと、前記プレート追加ステーションで供給された成形プレートとを重ね合わせて、調理面間に調理対象食材を位置づける重ね合わせ部と、
前記重ね合わせステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、お互いに重ね合わされている成形プレートの一方側において調理対象食材が保持されるように、成形プレートの重ね合わせを解除する重ね合わせ解除部と、
前記重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された成形プレートを、前記プレート排出ステーションにおいて前記調理搬送経路から排出するプレート排出デバイスと、
前記プレート排出ステーションよりも下流に位置する前記食材放出ステーションにおいて、成形プレートから調理対象食材を放出させる食材放出部と、
を備える食品製造装置。
【請求項2】
前記プレート搬送部は、前記食材放出ステーションにおいて調理対象食材が放出された成形プレートを、前記第1食材供給ステーションに向けて搬送する請求項1に記載の食品製造装置。
【請求項3】
前記プレート追加デバイスは、前記プレート排出ステーションにおいて前記調理搬送経路から排出される成形プレートを、前記プレート追加ステーションに供給する請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項4】
前記調理搬送経路のうちの前記プレート追加ステーションと前記重ね合わせステーションとの間に位置する第2食材供給ステーションにおいて、前記プレート追加ステーションにおいて供給された成形プレートの調理面に、調理対象食材を供給する第2食材供給デバイスを更に備える請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項5】
前記重ね合わせ解除部は、前記プレート追加ステーションで追加された成形プレートにおいて調理対象食材が保持されるように、成形プレートの重ね合わせを解除する請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項6】
前記調理搬送経路のうちの前記第1食材供給ステーションと前記重ね合わせステーションとの間に位置する第1追加食材供給ステーションにおいて、前記第1食材供給ステーションで調理対象食材が供給された成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する第1追加食材供給デバイスを備える請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項7】
前記調理搬送経路のうちの前記プレート追加ステーションと前記重ね合わせステーションとの間に位置する第2食材供給ステーションにおいて、前記プレート追加ステーションにおいて供給された成形プレートの調理面に、調理対象食材を供給する第2食材供給デバイスと、
前記調理搬送経路のうちの前記第2食材供給ステーションと前記重ね合わせステーションとの間に位置する第2追加食材供給ステーションにおいて、前記第2食材供給ステーションで調理対象食材が供給された成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する第2追加食材供給デバイスと、を備える請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項8】
前記重ね合わせステーションと前記重ね合わせ解除ステーションとの間に位置する本調理ステーションにおいて、相互に重ね合わされている成形プレートのうちの少なくともいずれか一方の温度を調整して、調理面間に位置する調理対象食材を加熱又は冷却する本温調デバイスを備える請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項9】
前記プレート追加デバイスは、調理対象食材とともに移動し且つお互いに隣り合う2つの成形プレートのセット間に、お互いに隣り合う2つの成形プレートのセットを供給する、請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項10】
前記プレート搬送部は、
前記第1食材供給ステーションからの成形プレートを、前記プレート追加ステーションで停止させることなく、前記重ね合わせステーションに向けて間欠的に搬送し、
前記重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材を保持する成形プレートを、前記プレート排出ステーションで停止させることなく、前記食材放出ステーションに向けて間欠的に搬送する、請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項11】
前記調理搬送経路は、第1水平方向に延びる第1処理経路部及び第2処理経路部と、前記第1処理経路部と前記第2処理経路部との間において前記第1水平方向と垂直を成す第2水平方向に延びる第1連絡経路部及び第2連絡経路部と、を含む無端経路であり、
前記第1食材供給ステーション、前記プレート追加ステーション及び前記重ね合わせステーションは、前記第1処理経路部に設けられ、
前記重ね合わせ解除ステーション、前記プレート排出ステーション、及び前記食材放出ステーションは、前記第2処理経路部に設けられ、
前記プレート搬送部は、
前記第1処理経路部において各成形プレートを前記第1水平方向の正方向に搬送し、
前記第1連絡経路部において各成形プレートを前記第2水平方向の正方向に搬送し、
前記第2処理経路部において各成形プレートを前記第1水平方向の逆方向に搬送し、
前記第2連絡経路部において各成形プレートを前記第2水平方向の逆方向に搬送する、請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項12】
前記プレート搬送部は、
前記第1食材供給ステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う2つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送し、
前記プレート追加ステーション及び前記重ね合わせステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う4つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送し、
前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う4つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送し、
前記食材放出ステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う2つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送する、請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項13】
前記重ね合わせ解除部は、前記重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された成形プレートを、前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、調理対象食材を保持する成形プレートに隣り合うように位置づける、請求項1又は2に記載の食品製造装置。
【請求項14】
2つの成形プレートが組み合わされて用いられ、一方の成形プレートの調理面と他方の成形プレートの調理面との間に位置する調理対象食材を、前記一方の成形プレート及び前記他方の成形プレートによって成形するための成形プレートであって、
前記一方の成形プレート及び前記他方の成形プレートは、お互いに独立して設けられ、
前記一方の成形プレートの調理面は嵌合凸部を有し、
前記他方の成形プレートの調理面は、前記一方の成形プレートの調理面が有する嵌合凸部が嵌合可能な嵌合凹部を有し、
前記一方の成形プレート及び前記他方の成形プレートは、前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合している状態で、調理面間に位置する調理対象食材を成形する、
成形プレート。
【請求項15】
少なくとも第1食材供給ステーション、プレート追加ステーション、重ね合わせステーション、重ね合わせ解除ステーション、プレート排出ステーション、及び食材放出ステーションを含む調理搬送経路に沿って、複数の成形プレートを搬送する工程と、
前記第1食材供給ステーションにおいて、前記成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する工程と、
前記第1食材供給ステーションよりも下流に位置する前記プレート追加ステーションにおいて、1以上の前記成形プレートを、調理対象食材とともに移動する前記成形プレートに隣り合うように供給する工程と、
前記プレート追加ステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせステーションにおいて、調理対象食材とともに移動する前記成形プレートと、前記プレート追加ステーションで供給された前記成形プレートとを重ね合わせて、前記成形プレートの調理面間に調理対象食材を位置づける工程と、
前記重ね合わせステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、お互いに重ね合わされている前記成形プレートの一方側において調理対象食材が保持されるように、前記成形プレートの重ね合わせを解除する工程と、
前記重ね合わせ解除部によって前記成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された前記成形プレートを、前記プレート排出ステーションにおいて前記調理搬送経路から排出する工程と、
前記プレート排出ステーションよりも下流に位置する前記食材放出ステーションにおいて、前記成形プレートから調理対象食材を放出させる工程と、
を含む食品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食品製造装置、成形プレート及び食品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペアを成す2つの焼成型(成形プレート)によって生地を挟みつつ焼成することで、鯛焼きなどの焼き菓子を製造する装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示する焼き菓子製造装置のような従来の焼成装置において、ペアを成す2つの焼成型は、基本的に互いに分離不可能なように連結され、鉄枠で全体が支持されつつ必要に応じて回転(例えば反転)されることで生地などの食材を挟んで焼成する。
【0005】
このようなペアを成す2つの焼成型を使った焼成過程は、通常、一方の焼成型のみを使って食材を焼成する工程と、両方の焼成型を使って食材を焼成する工程と、を含む。これらの工程のうち一方の焼成型のみを使って食材を焼成する工程において、他方の焼成型は、実質的に食材の焼成に寄与しない空き状態になるが、一方の焼成型と一体的に移動して焼成スペースの一部を占有する。
【0006】
このように焼成スペースの一部は、実質的に食材の焼成に寄与しないスペース(すなわち食材の焼成に寄与しない焼成型のためのスペース)となる。特に、大量の食材を焼成するために多数の焼成型を備える装置では、食材の焼成に寄与しないそのようなスペースが比例的に大きくなり、装置全体として確保する必要がある設置スペースが巨大化する。
【0007】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、調理対象食材を成形プレートで挟んで成形調理を行う装置の省スペース化に有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、少なくとも第1食材供給ステーション、プレート追加ステーション、重ね合わせステーション、重ね合わせ解除ステーション、プレート排出ステーション、及び食材放出ステーションを含む調理搬送経路に沿って、複数の成形プレートを搬送するプレート搬送部と、第1食材供給ステーションにおいて、成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する第1食材供給デバイスと、第1食材供給ステーションよりも下流に位置するプレート追加ステーションにおいて、1以上の成形プレートを、調理対象食材とともに移動する成形プレートに隣り合うように供給するプレート追加デバイスと、プレート追加ステーションよりも下流に位置する重ね合わせステーションにおいて、調理対象食材とともに移動する成形プレートと、プレート追加ステーションで供給された成形プレートとを重ね合わせて、調理面間に調理対象食材を位置づける重ね合わせ部と、重ね合わせステーションよりも下流に位置する重ね合わせ解除ステーションにおいて、お互いに重ね合わされている成形プレートの一方側において調理対象食材が保持されるように、成形プレートの重ね合わせを解除する重ね合わせ解除部と、重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された成形プレートを、プレート排出ステーションにおいて調理搬送経路から排出するプレート排出デバイスと、プレート排出ステーションよりも下流に位置する食材放出ステーションにおいて、成形プレートから調理対象食材を放出させる食材放出部と、を備える食品製造装置に関する。
【0009】
本開示の他の態様は、2つの成形プレートが組み合わされて用いられ、一方の成形プレートの調理面と他方の成形プレートの調理面との間に位置する調理対象食材を、一方の成形プレート及び他方の成形プレートによって成形するための成形プレートであって、一方の成形プレート及び他方の成形プレートは、お互いに独立して設けられ、一方の成形プレートの調理面は嵌合凸部を有し、他方の成形プレートの調理面は、一方の成形プレートの調理面が有する嵌合凸部が嵌合可能な嵌合凹部を有し、一方の成形プレート及び他方の成形プレートは、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌合している状態で、調理面間に位置する調理対象食材を成形する、成形プレートに関する。
【0010】
本開示の他の態様は、少なくとも第1食材供給ステーション、プレート追加ステーション、重ね合わせステーション、重ね合わせ解除ステーション、プレート排出ステーション、及び食材放出ステーションを含む調理搬送経路に沿って、複数の成形プレートを搬送する工程と、第1食材供給ステーションにおいて、成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する工程と、第1食材供給ステーションよりも下流に位置するプレート追加ステーションにおいて、1以上の成形プレートを、調理対象食材とともに移動する成形プレートに隣り合うように供給する工程と、プレート追加ステーションよりも下流に位置する重ね合わせステーションにおいて、調理対象食材とともに移動する成形プレートと、プレート追加ステーションで供給された成形プレートとを重ね合わせて、成形プレートの調理面間に調理対象食材を位置づける工程と、重ね合わせステーションよりも下流に位置する重ね合わせ解除ステーションにおいて、お互いに重ね合わされている成形プレートの一方側において調理対象食材が保持されるように、成形プレートの重ね合わせを解除する工程と、重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された成形プレートを、プレート排出ステーションにおいて調理搬送経路から排出する工程と、プレート排出ステーションよりも下流に位置する食材放出ステーションにおいて、成形プレートから調理対象食材を放出させる工程と、を含む食品製造方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、調理対象食材を成形プレートで挟んで成形調理を行う装置の省スペース化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、食品製造装置の一例の概略構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、成形プレートの一例を示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、成形プレートの他の例を示す平面図である。
【
図4B】
図4Bは、成形プレートの他の例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、食品製造装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、プレート搬送部の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、食材供給部の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、温調部の構成例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本開示の例示的な実施形態を説明する。以下では、主として、焼成型である成形プレート(温調プレート)を使って調理対象食材の温調成形調理(特に加熱成形調理(具体的には焼成))を行うことで、焼き菓子(特に今川焼き)を製造する食品製造装置及び食品製造方法について例示的に説明する。
【0014】
以下の説明において「上流」及び「下流」の用語は、特に断りがない限り、食品製造装置の通常稼働時における成形プレートの搬送を基準とする。また「上方」及び「下方」の用語は、特に断りがない限り、重力方向に沿う高さ方向を基準とする。
【0015】
[成形プレート]
図1は、食品製造装置10の一例の概略構成を示す平面図である。
【0016】
図1に示す食品製造装置10は、お互いに独立して設けられる多数の成形プレート80を使って、調理対象食材Fの加熱調理を行う。調理対象食材Fは2つの成形プレート80によって挟まれるが、成形プレート80同士は、基本的にお互いによって拘束されることなく移動(回転を含む)させることが可能である。
【0017】
図2は、成形プレート80の一例を示す平面図である。
図3は、
図2に示す成形プレート80の側方図である。
図1に示す各成形プレート80は簡略化されており、
図2及び
図3に示す各成形プレート80とは厳密には一致しないが、
図1に示す食品製造装置10は
図2及び
図3に示す成形プレート80を使用する。
【0018】
食品製造装置10では、2つの成形プレート80が互いに組み合わされ、1つのペア(すなわち重ね合わせプレートペア89(
図2参照))として用いられる。重ね合わせプレートペア89を成す2つの成形プレート80のうち、一方を第1成形プレート80aとも呼び、他方を第2成形プレート80bとも呼ぶ。
【0019】
調理対象食材は、重ね合わせプレートペア89の第1成形プレート80aの調理面81と第2成形プレート80bの調理面81との間に位置づけられている状態で、これらの成形プレート80a、80bを介して加熱され、その結果、焼成される。
【0020】
調理面81は、各成形プレート80のプレート本体部88の一面によって構成される。調理面81の外形(輪郭)は対称性(特に点対称性(2回対称性))を有し、
図2及び
図3に示す例では長方形である。調理面81は、少なくとも1つの貯留凹部82を有する。
図2及び
図3に示す例では、プレート本体部88の長手方向へ等間隔に並べられた複数の貯留凹部82(具体的には6つの貯留凹部82)が調理面81に設けられている。
【0021】
このようにして調理面81に設けられる1以上の貯留凹部82の設置位置は、調理面81の中心(本例では対角線の交点)を基準とした線対称位置且つ点対称位置(2回対称位置)である。
【0022】
各貯留凹部82は、調理面81の平坦部から窪んでおり、供給される調理対象食材を貯留して保持する。
図2及び
図3に示す各貯留凹部82は円柱形状を有するが、各貯留凹部82の具体的な形状は限定されず、例えば半球状スペース又は魚などの特定形状を有するスペースとして各貯留凹部82が設けられてもよい。
【0023】
各成形プレート80の調理面81は、更に、少なくとも1つの嵌合凸部83及び/又は少なくとも1つの嵌合凹部84を有する。本例の調理面81は、複数の嵌合凸部83及び複数の嵌合凹部84(具体的には2つの嵌合凸部83及び2つの嵌合凹部84)を有する。
【0024】
各嵌合凸部83は、調理面81の平坦部から突出している。各嵌合凹部84は、調理面81の平坦部から窪んでいる。各嵌合凸部83の形状は、対応の嵌合凹部84の形状に適合しており、各嵌合凸部83は対応の嵌合凹部84に嵌合可能に設けられる。
【0025】
図2及び
図3に示す例では、全ての嵌合凸部83が共通の形状を有し、全ての嵌合凹部84が共通の形状を有する。各嵌合凸部83及び各嵌合凹部84は、本例では共通の円柱形状を有するが、他の任意の形状を有してもよい。
【0026】
各成形プレート80の調理面81が有する1つ以上の嵌合凸部83及び1つ以上の嵌合凹部84は、各調理面81の中心を基準とした対称位置(線対称位置及び/又は点対称位置)に設けられる。
【0027】
本例では、長方形の調理面81のうち、一方の対角を構成する2つのコーナーのそれぞれの近傍に2つの嵌合凸部83が設けられ、他方の対角を構成する2つのコーナーのそれぞれの近傍に2つの嵌合凹部84が設けられる。調理面81が有する2つの嵌合凸部83及び2つの嵌合凹部84の設置位置(すなわち4箇所の設置位置)は、調理面81の中心(対角線の交点)を基準とした線対称位置且つ点対称位置である。また2つの嵌合凸部83の設置位置(すなわち2箇所の設置位置)は、調理面81の中心を基準とした点対称位置である。同様に2つの嵌合凹部84の設置位置(すなわち2箇所の設置位置)は、調理面81の中心を基準とした点対称位置である。
【0028】
各成形プレート80は、更に、複数の支持バー85を有する。
図2及び
図3に示す例では、各成形プレート80のプレート本体部88の2つ側面(すなわち長手方向に関して反対側に位置する2つの側面)の各々から2つの支持バー85が突出する。このようにしてプレート本体部88の2つ側面から突出する合計4つの支持バー85の設置位置は、調理面81の中心(対角線の交点)を基準とした線対称位置且つ点対称位置である。
【0029】
各支持バー85は、自らの突出方向と垂直を成す方向である横方向(
図2の左右方向)に関しては、プレート本体部88から突出しない。そのため横方向に並べられる2つの成形プレート80(例えば第1成形プレート80a及び成形プレート80b)は、各支持バー85によって邪魔されることなく、互いに十分に近づけて配置可能であり、プレート本体部88同士を接触させることも可能である。なお
図1に示す食品製造装置10では、基本的に、複数のプレート本体部88が横方向(
図1の第1水平方向D1に対応)に並べられた状態で搬送される。
【0030】
上述の構成を有する成形プレート80によれば、重ね合わせプレートペア89を成す2つの成形プレート80a、80bの構成を共通化でき、ひいては全ての成形プレート80の構成を共通化できる。特に、調理面81の一方の対角位置に2つの嵌合凸部83を設けつつ他方の対角位置に2つの嵌合凹部84を設けることで、成形プレート80の向き(置き方)も、第1成形プレート80aと第2成形プレート80bとの間で区別が不要である。
【0031】
上述の嵌合凸部83及び嵌合凹部84によって、第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bを所望の相対位置で精度良くお互いに重ね合わせることができ、調理面81の平坦部同士を隙間なく密着させることが可能である。
【0032】
すなわち、第1成形プレート80aの各嵌合凸部83は第2成形プレート80bの対応の嵌合凹部84(すなわち対面する嵌合凹部84)に嵌合し、第2成形プレート80bの各嵌合凸部83は第1成形プレート80aの対応の嵌合凹部84に嵌合する。これにより第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bは、位置精度良く重ね合わされ、且つ、お互いに対する位置ズレが制限される。また第1成形プレート80aの各貯留凹部82と、第2成形プレート80bの対応の貯留凹部82とは、互いに対面するように位置づけられ、一体空間(本例では円柱状空間)を構成する。
【0033】
このように本例では全ての成形プレート80が同一構造を有し、同一構造を有する第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bが、重ね合わせプレートペア89として用いられる。ただし、
図1に示す食品製造装置10は、上述の
図2及び
図3に示す成形プレート80とは異なる構造の成形プレート80を使用することも可能である。
【0034】
図4A及び
図4Bは、成形プレート80の他の例を示す平面図である。
【0035】
例えば
図4Aに示すように、調理面81の4つのコーナーのうち長手方向の一方側に位置する2つのコーナーの近傍に2つの嵌合凸部83が設けられ、他方側に位置する2つのコーナーの近傍に2つの嵌合凹部84が設けられてもよい。この場合、2つの嵌合凸部83及び2つの嵌合凹部84の設置位置(すなわち4箇所の設置位置)は、調理面81の中心(対角線の交点)を基準とした線対称位置且つ点対称位置である。また2つの嵌合凸部83の設置位置(すなわち2箇所の設置位置)は、調理面81の中心を基準とした線対称位置である。同様に2つの嵌合凹部84の設置位置(すなわち2箇所の設置位置)は、調理面81の中心を基準とした線対称位置である。
【0036】
この場合にも、重ね合わせプレートペア89を成す2つの成形プレート80a、80bの構成を共通化でき、ひいては全ての成形プレート80の構成を共通化できる。ただし
図4Aに示す成形プレート80の場合には、成形プレート80の向き(置き方)を、第1成形プレート80aと第2成形プレート80bとの間で区別する必要がある。すなわち各重ね合わせプレートペア89において、各成形プレート80の長手方向に関する2つの嵌合凸部83及び2つの嵌合凹部84の位置が、第1成形プレート80aと第2成形プレート80bとの間で逆になるように、各成形プレート80の向きが調整される。
【0037】
また上述の
図2及び
図4Aに示す例では、各成形プレート80の調理面81が嵌合凸部83及び嵌合凹部84の両方を有するが、各成形プレート80の調理面81は嵌合凸部83及び嵌合凹部84の一方のみを有していてもよい。
【0038】
例えば
図4Bに示す重ね合わせプレートペア89において、第1成形プレート80aの調理面81は、複数の嵌合凸部83(すなわち4つの嵌合凸部83)を有するが、嵌合凹部84を有していない。一方、第2成形プレート80bは、複数の嵌合凹部84(すなわち第1成形プレート80aの4つの嵌合凸部83のそれぞれに嵌合可能な4つの嵌合凹部84)を有するが、嵌合凸部83を有していない。
【0039】
この場合、第1成形プレート80aと第2成形プレート80bとの間で構造が異なるため、全ての成形プレート80の構成を共通化することはできず、第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bをお互いに区別して取り扱う必要がある。ただし、
図4Bに示す第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bの各々は点対称性を有するため、成形プレート80の向き(置き方)は、第1成形プレート80aと第2成形プレート80bとの間で区別されない。
【0040】
また図示は省略するが、第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bとしてお互いに異なる構造の成形プレート80を使用してもよい。例えば、互いに厚みの異なる成形プレート80や互いに異なる形状の貯留凹部82を有する成形プレート80を、第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bとして使用することも可能である。例えば各貯留凹部82が非対称形状(一例として魚を模した形状)を有する場合、お互いに異なる構造の成形プレート80が第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bとして用いられることがある。そのような場合でも第1成形プレート80aの貯留凹部82及び第2成形プレート80bの貯留凹部82が互いに対して鏡像対称性を有することで、成形プレート80a、80bが重ね合わされた際に対応の貯留凹部82同士をぴったりと重ねることが可能である。
【0041】
食品製造装置10では、上述の第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bのうちの少なくともいずれか一方の各貯留凹部82に調理対象食材が供給され、調理面81同士が対面するようにこれらの成形プレート80a、80bが重ね合わされる。そして第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bは、各嵌合凸部83が対応の嵌合凹部84に嵌合している状態で、調理面81間に位置する調理対象食材を加熱して焼成する。
【0042】
[食品製造装置]
図5は、食品製造装置10の構成例を示す機能ブロック図である。
図6は、プレート搬送部20の構成例を示す機能ブロック図である。
図7は、食材供給部30の構成例を示す機能ブロック図である。
図8は、温調部40の構成例を示す機能ブロック図である。
【0043】
本実施形態の食品製造装置10は、
図5に示すように、制御部11、プレート搬送部20、食材供給部30、温調部40、重ね合わせ部36、重ね合わせ解除部37、プレート排出追加部50及び食材放出部38を備える。
【0044】
制御部11は、食品製造装置10が具備する各部を統合的に制御する。制御部11は、任意の構造を有することができ、単一デバイスにより構成されてもよいし、複数のデバイスにより構成されてもよい。制御部11が複数のデバイスを含む場合、複数のデバイス間で情報の送受信が適宜行われて互いに連携がとられてもよい。
【0045】
プレート搬送部20は、調理搬送経路Tに沿って複数の成形プレート80を搬送する。
【0046】
図1に示す調理搬送経路Tは無端経路であり、第1処理経路部Tp1、第2処理経路部Tp2、第1連絡経路部Tc1及び第2連絡経路部Tc2を含む。第1処理経路部Tp1及び第2処理経路部Tp2は、第1水平方向D1に延びる。第1連絡経路部Tc1及び第2連絡経路部Tc2は、第1処理経路部Tp1と第2処理経路部Tp2との間において、第1水平方向D1と垂直を成す第2水平方向D2に延びる。
【0047】
プレート搬送部20によって搬送され調理搬送経路Tを循環する成形プレート80は、第1処理経路部Tp1、第1連絡経路部Tc1、第2処理経路部Tp2及び第2連絡経路部Tc2を、この順番で通過する。
【0048】
第1処理経路部Tp1は、第1食材供給ステーションS1、第1追加食材供給ステーションS2、プレート追加ステーションS3、第2食材供給ステーションS4、第2追加食材供給ステーションS5及び重ね合わせステーションS6を含む。第2処理経路部Tp2は、本調理ステーションS7、重ね合わせ解除ステーションS8、プレート排出ステーションS9及び食材放出ステーションS10を含む。
【0049】
プレート搬送部20により基本搬送ルートに沿って搬送される各成形プレート80は、第1食材供給ステーションS1~食材放出ステーションS10を順次巡る。
【0050】
ただし一部の成形プレート80は、後述のように、プレート排出ステーションS9において調理搬送経路Tの基本搬送ルートから外れ、排出追加経路Tbを通ってプレート追加ステーションS3で再び基本搬送ルートに合流する。このようにして基本搬送ルートから外れた成形プレート80は、食材放出ステーションS10、第1食材供給ステーションS1及び第1追加食材供給ステーションS2を通過せず、また第2連絡経路部Tc2を通過せずに、プレート追加ステーションS3に送られる。
【0051】
本例のプレート搬送部20は、
図6に示す複数の搬送デバイス21~27を含む。
【0052】
各成形プレート80は、第1処理経路部Tp1において第1水平方向D1の正方向(
図1の右方向)に搬送される。すなわち第1処理経路搬送デバイス21は、
図1に示す第1処理経路部Tp1のうちの第1搬送域R1において、複数の成形プレート80を第1水平方向D1の正方向に搬送する。第2処理経路搬送デバイス22は、
図1に示す第1処理経路部Tp1のうちの第2搬送域R2において、複数の成形プレート80を第1水平方向D1の正方向に搬送する。
【0053】
各成形プレート80は、第2処理経路部Tp2において第1水平方向D1の逆方向(
図1の左方向)に搬送される。すなわち第3処理経路搬送デバイス23は、
図1に示す第2処理経路部Tp2のうちの第3搬送域R3において、複数の成形プレート80を第1水平方向D1の逆方向に搬送する。第4処理経路搬送デバイス24は、
図1に示す第2処理経路部Tp2のうちの第4搬送域R4において、複数の成形プレート80を第1水平方向D1の逆方向に搬送する。第5処理経路搬送デバイス25は、
図1に示す第2処理経路部Tp2のうちの第5搬送域R5において、複数の成形プレート80を第1水平方向D1の逆方向に搬送する。
【0054】
第1連絡経路搬送デバイス26は、
図1に示す第1連絡経路部Tc1において、複数の成形プレート80を第2水平方向D2の正方向(
図1の上方向)に搬送する。第2連絡経路搬送デバイス27は、
図1に示す第2連絡経路部Tc2において、複数の成形プレート80を第2水平方向D2の逆方向(
図1の下方向)に搬送する。
【0055】
図1には、調理搬送経路Tにおける各成形プレート80の搬送方向が矢印によって示されている。
【0056】
第1処理経路部Tp1では、第1搬送域R1が全体として第2搬送域R2の上流側に位置するが、第1搬送域R1の下流側端と第2搬送域R2の上流側端が第1重なり範囲C1で重なる。第1搬送域R1は、第1食材供給ステーションS1及び第1追加食材供給ステーションS2を含む。第2搬送域R2は、プレート追加ステーションS3、第2食材供給ステーションS4、第2追加食材供給ステーションS5及び重ね合わせステーションS6を含む。
【0057】
第2処理経路部Tp2では、第3搬送域R3、第4搬送域R4及び第5搬送域R5が全体として上流側から下流側に向けて順次位置する。第3搬送域R3の下流側端と第4搬送域R4の上流側端は第4重なり範囲C4で重なり、第4搬送域R4の下流側端と第5搬送域R5の上流側端は第5重なり範囲C5で重なる。
【0058】
第3搬送域R3は、本調理ステーションS7の一部を含む。第4搬送域R4は、本調理ステーションS7の一部、重ね合わせ解除ステーションS8及びプレート排出ステーションS9を含む。第5搬送域R5は、食材放出ステーションS10を含む。
【0059】
第1連絡経路部Tc1の上流側端は第2搬送域R2の下流側端と第2重なり範囲C2で重なり、第1連絡経路部Tc1の下流側端は第3搬送域R3の上流側端と第3重なり範囲C3で重なる。第2連絡経路部Tc2の上流側端は第5搬送域R5の下流側端と第6重なり範囲C6で重なり、第2連絡経路部Tc2の下流側端は第1搬送域R1の上流側端と第7重なり範囲C7で重なる。
【0060】
本実施形態のプレート搬送部20は、第1処理経路部Tp1、第1連絡経路部Tc1、第2処理経路部Tp2及び第2連絡経路部Tc2の各々において、各成形プレート80を間欠的に搬送する。
【0061】
具体的には、第1処理経路搬送デバイス21は、第1搬送域R1において、各成形プレート80を、隣り合う2つの成形プレート80に対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送する。第2処理経路搬送デバイス22は、第2搬送域R2において、各成形プレート80を、隣り合う4つの成形プレート80に対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送する。
【0062】
第3処理経路搬送デバイス23は、第3搬送域R3において、各成形プレート80を、隣り合う2つの成形プレート80に対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送する。第4処理経路搬送デバイス24は、第4搬送域R4において、各成形プレート80を、隣り合う4つの成形プレート80に対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送する。第5処理経路搬送デバイス25は、第5搬送域R5において、各成形プレート80を、隣り合う2つの成形プレート80に対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送する。
【0063】
第1連絡経路搬送デバイス26は、第1連絡経路部Tc1において、各成形プレート80(本例では一度に2つの成形プレート80)を、少なくとも第3重なり範囲C3において停止させるように間欠的に搬送する。第2連絡経路搬送デバイス27は、第2連絡経路部Tc2において、各成形プレート80(本例では一度に2つの成形プレート80)を、少なくとも第7重なり範囲C7において停止させるように間欠的に搬送する。
【0064】
上述の各成形プレート80の間欠搬送が組み合わされることによって、各成形プレート80は以下のようにして搬送される。
【0065】
すなわちプレート搬送部20(特に第2処理経路搬送デバイス22)は、第1食材供給ステーションS1からの成形プレート80を、プレート追加ステーションS3で間欠停止させることなく、重ね合わせステーションS6に向けて間欠的に搬送する。またプレート搬送部20(特に第2処理経路搬送デバイス22)は、重ね合わせステーションS6で重ね合わされた成形プレート80(重ね合わせプレートペア89)を、第2重なり範囲C2において停止させる。
【0066】
またプレート搬送部20(特に第4処理経路搬送デバイス24)は、本調理ステーションS7で、重ね合わされた成形プレート80(重ね合わせプレートペア89)を、隣り合う位置に1つの成形プレート80に対応するスペースを作り出すように間欠搬送する。
【0067】
またプレート搬送部20(特に第4処理経路搬送デバイス24)は、重ね合わせ解除部37によって重ね合わせが解除されることで調理対象食材を保持する成形プレート80を、プレート排出ステーションS9で停止させない。すなわち重ね合わせが解除されることで調理対象食材を保持する成形プレート80は、プレート排出ステーションS9をスキップして、食材放出ステーションS10に向けて間欠的に搬送される。
【0068】
なおプレート搬送部20による各成形プレート80の具体的な搬送方法は限定されない。例えば、プレート搬送部20は、各成形プレート80を下方から支持しつつ下流に搬送してもよいし、各成形プレート80を上方から支持しつつ下流に搬送してもよい。
【0069】
図1には、プレート搬送部20として機能する2つのユニットが第1処理経路部Tp1に沿って示されており、これらのユニットが第1処理経路搬送デバイス21及び第2処理経路搬送デバイス22として機能する。同様に、
図1には、プレート搬送部20として機能する3つのユニットが第2処理経路部Tp2に沿って示されており、これらのユニットが第3処理経路搬送デバイス23、第4処理経路搬送デバイス24及び第5処理経路搬送デバイス25の各々として機能する。
【0070】
第1処理経路搬送デバイス21~第5処理経路搬送デバイス25(
図6参照)の各々は、支持バー85(
図2参照)を介して各成形プレート80の全体を上方又は下方から持ち上げつつ、各成形プレート80を下流に搬送する。同様に、第1連絡経路搬送デバイス26及び第2連絡経路搬送デバイス27の各々は、支持バー85を介して各成形プレート80の全体を上方又は下方から持ち上げつつ、各成形プレート80を下流に搬送する。
【0071】
第1重なり範囲C1~第7重なり範囲C7の各々は、上流側の搬送デバイスと下流側デバイスとの間で成形プレート80が受け渡される遷移領域である。すなわち第1重なり範囲C1~第7重なり範囲C7の各々に、上流側の搬送デバイスによって搬送されてくる成形プレート80が一旦配置(間欠停止)される。そして第1重なり範囲C1~第7重なり範囲C7の各々に配置されている成形プレート80は、下流側の搬送デバイスによって下流に向けて搬送される。
【0072】
なお、第1重なり範囲C1、第5重なり範囲C5、第6重なり範囲C6及び第7重なり範囲C7の各々には、2つの成形プレート80が同時的に配置される。一方、第2重なり範囲C2、第3重なり範囲C3及び第4重なり範囲C4の各々には、2つの重ね合わせプレートペア89(すなわち4つの成形プレート80)が同時的に配置される。
【0073】
図5に示す食材供給部30は、
図7に示すように第1食材供給デバイス31、第1追加食材供給デバイス32、第2食材供給デバイス33及び第2追加食材供給デバイス34を含む。
【0074】
第1食材供給デバイス31は、
図1に示す第1食材供給ステーションS1において、成形プレート80の調理面81に調理対象食材を供給する。本例の第1食材供給デバイス31は、小麦粉、卵、砂糖及び水を含む生地を調理対象食材として使用し、当該調理対象食材を成形プレート80の調理面81の各貯留凹部82(
図2及び
図3参照)に注入する。
【0075】
図1に示す第1食材供給ステーションS1には、基本搬送ルートに沿って第5搬送域R5及び第2連絡経路部Tc2を経た成形プレート80が搬送され、一度に2つの成形プレート80が間欠的に停止される。第1食材供給デバイス31は、第1食材供給ステーションS1に位置する2つの成形プレート80に対する調理対象食材の供給を、これらの成形プレート80が間欠停止している間に開始して完了させる。
【0076】
図7に示す第1追加食材供給デバイス32は、第1食材供給ステーションS1と重ね合わせステーションS6との間に位置する第1追加食材供給ステーションS2において、成形プレート80の調理面81に調理対象食材を供給する。
図1に示す例では、第1追加食材供給ステーションS2が第1食材供給ステーションS1とプレート追加ステーションS3との間に位置する。
【0077】
第1追加食材供給ステーションS2には、基本搬送ルートに沿って第5搬送域R5、第2連絡経路部Tc2及び第1食材供給ステーションS1を経た成形プレート80が搬送され、一度に2つの成形プレート80が間欠的に停止される。第1追加食材供給デバイス32は、第1追加食材供給ステーションS2に位置する2つの成形プレート80に対する調理対象食材の供給を、これらの成形プレート80が間欠停止している間に開始して完了させる。本例の第1追加食材供給デバイス32は、餡を調理対象食材として使用し、当該調理対象食材を成形プレート80の調理面81の各貯留凹部82に投入する。
【0078】
このように第1追加食材供給デバイス32は、第1食材供給ステーションS1で調理対象食材(生地)が供給された成形プレート80の調理面81(特に各貯留凹部82)に、調理対象食材(餡)を供給する。その結果、第1追加食材供給ステーションS2に位置する成形プレート80の各貯留凹部82には、生地及び餡が調理対象食材として載せられる。
【0079】
図7に示す第2食材供給デバイス33は、プレート追加ステーションS3と重ね合わせステーションS6との間に位置する第2食材供給ステーションS4において、成形プレート80の調理面81に調理対象食材を供給する。
図1に示す例では、第2食材供給ステーションS4がプレート追加ステーションS3と第2追加食材供給ステーションS5との間に位置する。
【0080】
第2食材供給ステーションS4には、プレート排出ステーションS9で基本搬送ルートから外れて排出追加経路Tb及びプレート追加ステーションS3を経た成形プレート80が搬送され、一度に2つの成形プレート80が停止される。したがって第2食材供給デバイス33は、プレート追加ステーションS3で供給された成形プレート80の調理面81に、調理対象食材を供給する。
【0081】
第2食材供給デバイス33は、第2食材供給ステーションS4において間欠停止される2つの成形プレート80に対する調理対象食材の供給を、これらの成形プレート80が間欠停止している間に開始して完了させる。本例の第2食材供給デバイス33は、上述の第1食材供給デバイス31と同じ生地を調理対象食材として使用し、当該調理対象食材を成形プレート80の調理面81の各貯留凹部82に注入する。
【0082】
図7に示す第2追加食材供給デバイス34は、第2食材供給ステーションS4と重ね合わせステーションS6との間に位置する第2追加食材供給ステーションS5において、成形プレート80の調理面81に調理対象食材を供給する。
【0083】
図1に示す例では、第2追加食材供給ステーションS5に、プレート排出ステーションS9で基本搬送ルートから外れて排出追加経路Tb、プレート追加ステーションS3及び第2食材供給ステーションS4を経た成形プレート80が間欠的に停止される。すなわち第2追加食材供給ステーションS5には、第2食材供給ステーションS4で調理対象食材(生地)が供給された2つの成形プレート80が、間欠的に停止される。
【0084】
第2追加食材供給デバイス34は、第2追加食材供給ステーションS5に位置する2つの成形プレート80に対する調理対象食材の供給を、これらの成形プレート80が間欠停止している間に開始して完了させる。本例の第2追加食材供給デバイス34は、上述の第1追加食材供給デバイス32と同じ餡を調理対象食材として使用し、当該調理対象食材を成形プレート80の調理面81の各貯留凹部82に投入する。
【0085】
このように第2追加食材供給デバイス34は、第2食材供給ステーションS4で調理対象食材(生地)が供給された成形プレート80の調理面81(特に各貯留凹部82)に、調理対象食材(餡)を供給する。その結果、第2追加食材供給ステーションS5に位置する成形プレート80の各貯留凹部82には、生地及び餡が調理対象食材として載せられる。
【0086】
図5に示す温調部40は、各成形プレート80を加熱して、各成形プレート80の温度を調整する。温調部40による具体的な成形プレート80の温度調整方法は限定されない。温調部40は、例えば、ガス燃焼熱を利用して成形プレート80を加熱してもよいし、電磁誘導加熱(IH加熱)を利用して成形プレート80の温度を調整してもよい。
【0087】
本例の温調部40は、
図8に示すように、第1予備温調デバイス41、前段温調デバイス42、第2予備温調デバイス43、本温調デバイス44及び後段温調デバイス45を含む。これらの温調デバイス41~45の各々は、単一の装置のみを含んでいてもよいし、相互に独立して駆動制御可能な複数の装置を含んでいてもよい。
【0088】
第1予備温調デバイス41は、成形プレート80が食材放出ステーションS10から第1食材供給ステーションS1に向けて搬送される間に、当該成形プレート80を加熱して、当該成形プレート80の温度を調整する。
図1の例では、第5搬送域R5のうち食材放出ステーションS10よりも下流の領域、第2連絡経路部Tc2、及び第1連絡経路部Tc1のうち第1食材供給ステーションS1よりも上流の領域のうちの少なくとも一部に、第1予備温調デバイス41が設けられる。
【0089】
第1予備温調デバイス41は、第1食材供給ステーションS1よりも上流に位置する各成形プレート80の温度を調整する。その結果、第1食材供給ステーションS1で供給される調理対象食材の加熱調理に適した所望温度に調整された成形プレート80が、第1食材供給ステーションS1に安定的に搬送される。
【0090】
前段温調デバイス42は、第1食材供給ステーションS1と重ね合わせステーションS6との間の範囲を含む「本調理ステーションS7よりも上流の領域」の全部又は一部において、成形プレート80の温度を調整する。
【0091】
第2予備温調デバイス43は、成形プレート80がプレート排出ステーションS9から排出追加経路Tbを通ってプレート追加ステーションS3に移動する間に、当該成形プレート80の温度を調整する。
【0092】
本温調デバイス44は、本調理ステーションS7において、相互に重ね合わされている成形プレート80のうちの少なくともいずれか一方(本例では両方)の温度を調整して、重ね合わせプレートペア89の調理面81間に位置する調理対象食材を加熱する。
【0093】
後段温調デバイス45は、本調理ステーションS7と食材放出ステーションS10との間の範囲において、成形プレート80の温度を調整する。
【0094】
図5に示す重ね合わせ部36は、重ね合わせステーションS6において、お互いに隣り合う2つの成形プレート80同士を重ね合わせて、これらの成形プレート80の調理面81間に調理対象食材(本例では生地及び餡)を位置づける。
【0095】
重ね合わせ部36によってお互いに重ね合わされる2つの成形プレート80は、上述の第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bであり、重ね合わせプレートペア89を構成する。本例では、第1食材供給ステーションS1及び第1追加食材供給ステーションS2において調理対象食材が供給された成形プレート80が、第1成形プレート80aとなる。一方、第2食材供給ステーションS4及び第2追加食材供給ステーションS5において調理対象食材が供給された成形プレート80が、第2成形プレート80bとなる。
【0096】
本例の重ね合わせ部36は、各第2成形プレート80bを、反転しつつ、隣り合う第1成形プレート80aに重ねる。その結果、上方に向けられた調理面81を有する第1成形プレート80a上に、下方に向けられた調理面81を有する第2成形プレート80bが重ねられる。この際、第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bの各嵌合凸部83は対応の嵌合凹部84に嵌合し、各貯留凹部82は、密着した調理面81の平坦部によって密閉される。
【0097】
なお重ね合わせ部36は、各第2成形プレート80bではなく、各第1成形プレート80aを反転させつつ、隣り合う第2成形プレート80bに重ねてもよい。この場合、上方に向けられた調理面81を有する第2成形プレート80b上に、下方に向けられた調理面81を有する第1成形プレート80aが重ねられる。
【0098】
図5に示す重ね合わせ解除部37は、重ね合わせ解除ステーションS8において、お互いに重ね合わされている成形プレート80のうちの一方側において調理対象食材(本例では生地及び餡)が保持されるように、成形プレート80の重ね合わせを解除する。すなわち重ね合わせ解除部37は、お互いに重ね合わされている成形プレート80の他方側には調理対象食材が保持されないように、成形プレート80の重ね合わせを解除する。
【0099】
具体的には、重ね合わせ解除部37によって、上下位置で重ね合わされている成形プレート80のうちの上方に位置する成形プレート80が、反転されつつ、下方に位置する成形プレート80(すなわち調理対象食材を保持する成形プレート80)から分離される。
【0100】
このようにして分離された成形プレート80(すなわち調理対象食材を保持しない成形プレート80)は、調理対象食材を保持する成形プレート80に隣り合う空きスペースに配置され、プレート搬送部20(第4処理経路搬送デバイス24)により支持される。すなわち重ね合わせ解除部37は、成形プレート80の重ね合わせを解除することで調理対象食材から調理面81が離された成形プレート80を、重ね合わせ解除ステーションS8において、調理対象食材を保持する成形プレート80に隣り合うように位置づける。
【0101】
なお、成形プレート80の重ね合わせが解除された後も調理対象食材を保持し続ける成形プレート80は、上述の第1成形プレート80a及び第2成形プレート80bのいずれであってもよい。すなわち重ね合わせ解除部37は、プレート追加ステーションS3で追加された成形プレート80(すなわち第2成形プレート80b)において、調理対象食材が保持されないように成形プレート80の重ね合わせを解除してもよい。或いは、重ね合わせ解除部37は、プレート追加ステーションS3で追加された成形プレート80(すなわち第2成形プレート80b)において、調理対象食材が保持されるように成形プレート80の重ね合わせを解除してもよい。
【0102】
なお、必要に応じて、互いに重ね合わされている2つの成形プレート80(各重ね合わせプレートペア89)を回転可能な回転装置(図示省略)が、重ね合わせステーションS6~重ね合わせ解除ステーションS8の任意の箇所に設けられてもよい。例えば、そのような回転装置は、互いに重ね合わされている2つの成形プレート80(各重ね合わせプレートペア89)の上下位置を入れ替えることも可能である。
【0103】
図5に示すプレート排出追加部50は、プレート追加デバイス51及びプレート排出デバイス52を含む。
【0104】
プレート排出デバイス52は、重ね合わせ解除部37によって成形プレート80の重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面81が離された成形プレート80を、プレート排出ステーションS9において調理搬送経路Tから排出する。
【0105】
本例では、プレート排出ステーションS9には2つの成形プレート80が間欠的に停止され、間欠停止中に当該2つの成形プレート80がプレート排出ステーションS9から排出追加経路Tbに送られる。その結果、調理搬送経路T(特にプレート排出ステーションS9よりも下流の第5搬送域R5)において、調理対象食材が載せられている成形プレート80同士が隣り合わされる。
【0106】
プレート追加デバイス51は、プレート追加ステーションS3において、1以上の成形プレート80を、調理対象食材とともに移動する成形プレート80に隣り合うように供給する。
【0107】
本実施形態のプレート追加デバイス51は、プレート排出ステーションS9において調理搬送経路Tから排出される成形プレート80(調理面81に調理対象食材が載せられていない2つの成形プレート80)を、プレート追加ステーションS3に供給する。すなわちプレート追加デバイス51は、調理対象食材とともに移動し且つお互いに隣り合う2つの成形プレート80のセット間に、調理対象食材が載せられていないお互いに隣り合う2つの成形プレート80のセットを供給する。なお、プレート追加デバイス51及びプレート排出デバイス52は、共通の装置によって構成されてもよいし、別々の装置によって構成されてもよい。
【0108】
図1に示す食品製造装置10では、プレート排出ステーションS9の第1水平方向D1に関する位置と、プレート追加ステーションS3の第1水平方向D1に関する位置とが同じである。そのため排出追加経路Tbは、プレート排出ステーションS9とプレート追加ステーションS3との間において、第2水平方向D2に沿って直線的に延びる。その結果、プレート排出ステーションS9から排出される成形プレート80は、最短距離でプレート追加ステーションS3に送られる。
【0109】
図5に示す食材放出部38は、プレート排出ステーションS9よりも下流に位置する食材放出ステーションS10において、成形プレート80から調理対象食材Fを放出させる。
図1に示す例では、一度に2つの成形プレート80が食材放出ステーションS10に間欠的に停止され、食材放出部38によって、これらの2つの成形プレート80から調理食材送出装置70に調理対象食材F(すなわち焼成済み食材)が渡される。
【0110】
本例の食材放出部38は、食材放出ステーションS10に位置する2つの成形プレート80を反転させつつ、下方に向けられたこれらの成形プレート80の調理面81を調理食材送出装置70の上方に位置づける。これにより、これらの2つの成形プレート80から調理対象食材Fが落下して、調理食材送出装置70(例えば搬送ベルト)上に載せられる。
【0111】
調理食材送出装置70は、成形プレート80からの調理対象食材Fを後段に向けて送り、後段に設けられる他の装置や貯留部に調理対象食材Fを供給する。
【0112】
なお
図1に示す食材放出ステーションS10は、2つの成形プレート80が間欠的に停止される範囲に設定されているが、食材放出ステーションS10の範囲は可変であってもよい。例えば、食材放出ステーションS10は、必要に応じて、4つの成形プレート80が間欠的に停止される範囲に設定されてもよい。この場合、食材放出部38は、一度に4つの成形プレート80から調理食材送出装置70に調理対象食材Fを渡すことができ、調理食材送出装置70上に4つの調理対象食材Fを並べて配置することができる。
【0113】
食材放出ステーションS10において調理対象食材Fが放出された後の成形プレート80は、プレート搬送部20によって第1食材供給ステーションS1に向けて搬送される。
【0114】
[食品製造方法]
次に、上述の食品製造装置10を使った食品製造方法の一例について説明する。
【0115】
以下では、主として、隣り合って位置する2つ又は4つの成形プレート80に注目して食品製造方法について説明するが、他の成形プレート80も同様の挙動を示す。
【0116】
図1に示す食品製造装置10では、無端状の調理搬送経路Tに沿って、複数の成形プレート80が間欠的に搬送される。第1搬送域R1、第3搬送域R3及び第5搬送域R5では「隣り合う2つの成形プレート80に対応する距離だけ一度に移動する間欠搬送」が行われる。一方、第2搬送域R2及び第4搬送域R4では「隣り合う4つの成形プレート80に対応する距離だけ一度に移動する間欠搬送」が行われる。ただし、調理搬送経路Tの全体にわたって、各成形プレート80の間欠搬送の開始タイミングは一致する。
【0117】
互いに隣り合って位置する2つの成形プレート80が、第1食材供給ステーションS1において同時的に間欠停止し、第1食材供給デバイス31からの調理対象食材の供給を同時的に受ける。
【0118】
その後、隣り合う2つの成形プレート80は、第1食材供給ステーションS1から第1追加食材供給ステーションS2に向けて間欠的に搬送される。そして隣り合う2つの成形プレート80は、第1追加食材供給ステーションS2において同時的に間欠停止し、第1追加食材供給デバイス32からの調理対象食材の供給を同時的に受ける。
【0119】
その後、隣り合う2つの成形プレート80は、第1追加食材供給ステーションS2から重ね合わせステーションS6に向けて間欠的に搬送される。特に第1重なり範囲C1において、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89の間欠搬送距離が「隣り合う2つの成形プレート80に対応する距離」から「隣り合う4つの成形プレート80に対応する距離」に切り替わる。その結果、第1食材供給ステーションS1及び第1追加食材供給ステーションS2で調理対象食材の供給を受けた隣り合う2つの成形プレート80は、第1重なり範囲C1に配置された後、プレート追加ステーションS3で停止することなく下流に搬送される。このようにしてプレート追加ステーションS3をスキップした隣り合う2つの成形プレート80は、その後、第2食材供給ステーションS4及び第2追加食材供給ステーションS5で停止することなく、重ね合わせステーションS6へ間欠搬送される。
【0120】
一方、「隣り合う2つの成形プレート80」の他のセットが、プレート追加ステーションS3に供給され、プレート追加ステーションS3から重ね合わせステーションS6に向けて間欠的に搬送される。この間欠搬送においてプレート追加ステーションS3に供給された「隣り合う2つの成形プレート80」の他のセットは、第2食材供給ステーションS4、第2追加食材供給ステーションS5及び重ね合わせステーションS6において順次間欠的に停止される。当該「隣り合う2つの成形プレート80」の他のセットは、第2食材供給ステーションS4及び第2追加食材供給ステーションS5において、第2食材供給デバイス33及び第2追加食材供給デバイス34から調理対象食材の供給を受ける。
【0121】
その結果、重ね合わせステーションS6には、隣り合う4つの成形プレート80が同時的に間欠的に停止される。これらの4つの成形プレート80のうち、中央に位置する2つの成形プレート80は、第1食材供給ステーションS1及び第1追加食材供給ステーションS2で調理対象食材の供給を受けた成形プレート80(第1成形プレート80a)である。一方、両端に位置する2つの成形プレート80は、第2食材供給ステーションS4及び第2追加食材供給ステーションS5で調理対象食材の供給を受けた成形プレート80(第2成形プレート80b)である。
【0122】
そして重ね合わせステーションS6に位置する両端の2つの成形プレート80(第2成形プレート80b)が、重ね合わせ部36によって反転され、中央の2つの成形プレート80(第1成形プレート80a)に重ねられる。
【0123】
このようにして重ねられた2つの成形プレート80により構成される重ね合わせプレートペア89は間欠的に搬送されて、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89が第2重なり範囲C2において停止される。
【0124】
その後、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89は、第2重なり範囲C2から第2処理経路部Tp2を通って第3重なり範囲C3に搬送される。そして、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89は、第3重なり範囲C3から本調理ステーションS7を通って、重ね合わせ解除ステーションS8に向けて間欠的に搬送される。
【0125】
隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89が本調理ステーションS7を通過する間、成形プレート80間に位置する調理対象食材は加熱されて焼成される。本調理ステーションS7における加熱効率を向上させるため、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89は、本調理ステーションS7において、外部から遮断された包囲体(図示省略)の内側を移動してもよい。
【0126】
本調理ステーションS7の途中の第4重なり範囲C4において、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89の間欠搬送距離が「隣り合う2つの成形プレート80に対応する距離」から「隣り合う4つの成形プレート80に対応する距離」に切り替わる。これにより、第4重なり範囲C4の下流において、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89の両隣には、1つの成形プレート80に対応する距離に相当するスペースが空けられる。
【0127】
その後、隣り合う2つの重ね合わせプレートペア89は重ね合わせ解除ステーションS8に間欠的に搬送される。そして2つの重ね合わせプレートペア89が重ね合わせ解除ステーションS8に停止している間に、重ね合わせ解除部37によって成形プレート80の重ね合わせが解除される。その結果、重ね合わせ解除ステーションS8には、調理対象食材が載せられている2つの成形プレート80が中央に配置されつつ、調理対象食材が載せられていない2つの成形プレート80が両端に配置される。
【0128】
その後、調理対象食材が載せられていない状態で隣り合う2つの成形プレート80は、間欠的に搬送されてプレート排出ステーションS9で停止され、プレート排出デバイス52によってプレート排出ステーションS9から排出される。プレート排出ステーションS9で排出された隣り合う2つの成形プレート80は、プレート追加デバイス51により排出追加経路Tbを介してプレート追加ステーションS3に供給される。
【0129】
一方、調理対象食材が載せられている状態で隣り合う2つの成形プレート80は、重ね合わせ解除ステーションS8から間欠的に搬送され、プレート排出ステーションS9をスキップして第5重なり範囲C5で停止される。
【0130】
その後、調理対象食材が載せられている状態で隣り合う2つの成形プレート80は、食材放出ステーションS10に向けて間欠的に搬送される。そして食材放出ステーションS10において、食材放出部38により、2つの成形プレート80から調理食材送出装置70に向けて調理対象食材Fが放出される。
【0131】
その後、空になった隣り合う2つの成形プレート80は、食材放出ステーションS10から間欠的に搬送されて第6重なり範囲C6で停止され、その後、第6重なり範囲C6から第2連絡経路部Tc2を介して第7重なり範囲C7に向けて送られる。
【0132】
そして隣り合う2つの成形プレート80は、第7重なり範囲C7から第1食材供給ステーションS1に向けて間欠的に搬送され、第1食材供給ステーションS1において再び間欠的に停止される。
【0133】
以上説明したように本実施形態によれば、必要に応じて調理搬送経路Tにおける成形プレート80の排出及び追加が行われるため、調理対象食材の調理に実質的に寄与していない成形プレート80が調理搬送経路Tにおいて占めるスペースを低減できる。そのため本実施形態は、調理対象食材を成形プレート80で挟みつつ温調調理する食品製造装置10の省スペース化に有利である。
【0134】
例えば、上述の
図1に示す食品製造装置10によれば、互いに連結された2つの成形プレートを重ね合わせプレートペアとして使用する従来型装置に比べ、焼成スペースの大きさを半分程度に低減することが可能である。或いは、
図1に示す食品製造装置10は、同サイズのそのような従来型装置に比べ、2倍程度の焼成スペースを生み出すことが可能である。
【0135】
また上述の
図1に示す例によれば、各成形プレート80の間欠搬送距離が切り替えられるタイミングに応じて、調理搬送経路Tにおける成形プレート80の排出及び追加が行われる。これにより、調理搬送経路Tにおける無駄なスペースの発生を抑えつつ、調理搬送経路Tの全体における成形プレート80の搬送を阻害せずに、調理搬送経路Tにおける成形プレート80の排出及び追加をスムーズに行うことができる。
【0136】
また、調理対象食材の加熱に実質的に寄与しない成形プレート80を調理搬送経路Tから排出することで、そのような成形プレート80の不必要な加熱のためのスペース及びエネルギーが抑えられ、装置全体としての熱効率を向上できる。
【0137】
また、個々の成形プレート80が独立して設けられており、重ね合わせプレートペア89を構成する2つの成形プレート80はお互いに連結されない。そのため成形プレート80同士を連結するためのヒンジなどの連結具が不要であり、また2つの成形プレート80の連結状態を維持するための鉄枠などの支持枠が不要である。その結果、食品製造装置10で使用する複数の成形プレート80の軽量化及びコンパクト化が促進され、成形プレート80の取り扱い性及びメンテナンス性に関しても有利である。
【0138】
また、重ね合わせプレートペア89を構成する2つの成形プレート80がお互いに独立しているため、一方の成形プレート80にのみ不具合が生じた場合、当該一方の成形プレート80のみのメンテナンス及び交換を行うことが可能である。すなわち、不具合が生じていない他方の成形プレート80は、メンテナンス及び交換が不要であり、引き続き使用可能であるため、経済的である。
【0139】
また重ね合わせプレートペア89を構成する2つの成形プレート80が連結具によって拘束されていないため、当該2つの成形プレート80を、重ね合わせ及び重ね合わせ解除のために、基本的に自由に動作させることができる。例えば、重ね合わせプレートペア89の一方又は両方の成形プレート80の重ね合わせ軌道及び重ね合わせ解除軌道は円弧軌道には限定されず、任意の軌道に沿って一方又は両方の成形プレート80を移動させることが可能である。
【0140】
またプレート搬送部20の間欠搬送距離に応じて、調理搬送経路Tを複数の搬送域(第1搬送域R1~第5搬送域R5)に区分でき、搬送域毎にプレート搬送部20をユニット化できる。この場合、例えば一部の搬送域の長さに変更が生じても、基本的にはプレート搬送部20の対応ユニットを変更することでそのような搬送域の長さ変更に対応でき、必ずしもプレート搬送部20の全体の変更は必要とされない。
【0141】
また食材供給部30が、お互いに分離して設けられる食材供給デバイス31~34(
図7参照)を含むため、各食材供給デバイスから成形プレート80に供給される調理対象食材を簡単に変更することが可能である。例えば、第1食材供給デバイス31によって供給される調理対象食材を、第2食材供給デバイス33によって供給される調理対象食材とは異ならせてもよい。同様に、第1追加食材供給デバイス32によって供給される調理対象食材を、第2追加食材供給デバイス34によって供給される調理対象食材と異ならせてもよい。例えば、第1追加食材供給デバイス32から成形プレート80に固形物入りの具材を供給する一方で、第2追加食材供給デバイス34から成形プレート80に固形物を含まない具材(例えばクリーム状具材)を供給してもよい。
【0142】
なお成形プレート80の経年劣化を均等化する観点からは、重ね合わせ解除部37が、プレート追加ステーションS3で追加された成形プレート80において調理対象食材が保持されるように、成形プレート80の重ね合わせを解除することが好ましい。この場合、プレート追加ステーションS3で追加された成形プレート80がその後に基本搬送ルートに沿って搬送される一方で、基本搬送ルートに沿って搬送された成形プレート80がその後にプレート排出ステーションS9で排出されて基本搬送ルートから外れる。その結果、各成形プレート80は、基本搬送ルートと、基本搬送ルートから外れるルートと、を交互にたどり、全ての成形プレート80の経年劣化が同じように進む。
【0143】
[変形例]
調理搬送経路Tにおいて、各成形プレート80が温調部40によって加熱される範囲は限定されない。またプレート排出ステーションS9からプレート追加ステーションS3に向かって排出追加経路Tbを移動する成形プレート80は、温調部40(すなわち第2予備温調デバイス43)によって加熱されなくてもよい。
【0144】
第1追加食材供給ステーションS2は、上述の
図1に示す例ではプレート追加ステーションS3よりも上流に設けられているが、プレート追加ステーションS3よりも下流(ただし重ね合わせステーションS6よりも上流)に設けられてもよい。
【0145】
プレート排出ステーションS9から排出された成形プレート80(特に調理面81)を、プレート追加ステーションS3に供給する前にクリーニングするクリーニング装置(図示省略)が設けられてもよい。同様に、食材放出ステーションS10から下流に搬送される成形プレート80(特に調理面81)を、第1食材供給ステーションS1に供給する前にクリーニングするクリーニング装置(図示省略)が設けられてもよい。
【0146】
食材供給部30は、
図7に示す複数の食材供給デバイスのうちの1以上を含んでいなくてもよいし、他の食材供給デバイスを含んでいてもよい。
【0147】
上述の実施形態は、成形プレートを使って調理対象食材を加熱調理する場合について説明した。ただし上述の技術は、成形プレートを使って調理対象食材を冷却調理する場合や、調理対象食材の単なる成形を目的とした成形調理が行われる場合にも応用可能である。ここでの加熱調理は、上述の実施形態のように調理対象食材に対して成形プレートの外部から積極的に熱などのエネルギーを加える調理だけではなく、外部からの積極的な加熱エネルギーの付与を伴わない調理も含みうる。したがって調理環境下の成形プレートの温度(例えば常温(5℃~35℃))よりも低い温度の調理対象食材を、成形プレート間で放置することで、成形プレートの温度に近づけるように調理対象食材の温度を上昇させる調理も、ここでの加熱調理に含まれうる。同様に、冷却調理は、調理対象食材に対して成形プレートの外部から積極的に冷却エネルギーを加える調理だけではなく、外部からの積極的な冷却エネルギーの付与を伴わない調理も含みうる。したがって調理環境下の成形プレートの温度(例えば常温)よりも高い温度の調理対象食材を、成形プレート間で放置することで、成形プレートの温度に近づけるように調理対象食材の温度を低下させる調理も、ここでの冷却調理に含まれうる。温調調理の概念は、このような加熱調理及び冷却調理を包括的に含む。また調理環境温度、成形プレートの温度及び調理対象食材の温度が互いにほぼ同じ状態で、調理対象食材は成形プレート間で、基本的に加熱も冷却もされることなく、所望形状に成形されてもよい。
【0148】
このように食品製造装置、温調プレート及び食品製造方法による調理対象食材の調理の概念には、上述のような調理対象食材の温調調理(加熱調理及び冷却調理)だけではなく、調理対象食材の温調を伴わない調理(例えば単なる成形調理)も含まれうる。したがって食品製造装置、温調プレート及び食品製造方法によって行われる調理対象食材の成形調理の概念には、調理対象食材の温調(加熱及び冷却)を伴う成形調理と、調理対象食材の温調を伴わない成形調理とが含まれうる。
【0149】
上述の実施形態では、今川焼きを焼成する食品製造装置10及び食品製造装置について説明したが、今川焼き以外の焼き菓子や焼き菓子以外の任意の食材を温調調理する装置及び方法に対しても、上述の技術を応用することが可能である。具体的には、たい焼き、お好み焼き、ピザ、キッシュ、クロックムッシュ、具入りオムレツ、具入り焼おにぎり、エッグタルト或いはハンバーグを作る装置及び方法(食品焼成装置及び食品焼成方法)に対し、上述の技術を応用することが可能である。またゼリー、寒天、煮凝り、アイスクリーム、或いはチョコレートを作る装置及び方法(食品冷却装置及び食品冷却方法)に対し、上述の技術を応用することが可能である。また常温環境下でおにぎり或いはサンドイッチを作る装置及び方法に対し、上述の技術を応用することが可能である。このように合わせ成形によって作られる焼成食品、常温食品及び冷却食品の製造のための装置及び方法に対し、上述の技術を応用することが可能である。
【0150】
[付記]
上述からも明らかなように、本開示は以下の態様を含む。
【0151】
[態様1]
少なくとも第1食材供給ステーション、プレート追加ステーション、重ね合わせステーション、重ね合わせ解除ステーション、プレート排出ステーション、及び食材放出ステーションを含む調理搬送経路に沿って、複数の成形プレートを搬送するプレート搬送部と、
前記第1食材供給ステーションにおいて、成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する第1食材供給デバイスと、
前記第1食材供給ステーションよりも下流に位置する前記プレート追加ステーションにおいて、1以上の成形プレートを、調理対象食材とともに移動する成形プレートに隣り合うように供給するプレート追加デバイスと、
前記プレート追加ステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせステーションにおいて、調理対象食材とともに移動する成形プレートと、前記プレート追加ステーションで供給された成形プレートとを重ね合わせて、調理面間に調理対象食材を位置づける重ね合わせ部と、
前記重ね合わせステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、お互いに重ね合わされている成形プレートの一方側において調理対象食材が保持されるように、成形プレートの重ね合わせを解除する重ね合わせ解除部と、
前記重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された成形プレートを、前記プレート排出ステーションにおいて前記調理搬送経路から排出するプレート排出デバイスと、
前記プレート排出ステーションよりも下流に位置する前記食材放出ステーションにおいて、成形プレートから調理対象食材を放出させる食材放出部と、
を備える食品製造装置。
【0152】
[態様2]
前記プレート搬送部は、前記食材放出ステーションにおいて調理対象食材が放出された成形プレートを、前記第1食材供給ステーションに向けて搬送する態様1に記載の食品製造装置。
【0153】
[態様3]
成形プレートが前記食材放出ステーションから前記第1食材供給ステーションに向けて搬送される間に、当該成形プレートの温度を調整する第1予備温調デバイスを備える態様2に記載の食品製造装置。
【0154】
[態様4]
前記プレート追加デバイスは、前記プレート排出ステーションにおいて前記調理搬送経路から排出される成形プレートを、前記プレート追加ステーションに供給する態様1~3のいずれかに記載の食品製造装置。
【0155】
[態様5]
成形プレートが前記プレート排出ステーションから前記プレート追加ステーションに移動する間に、当該成形プレートの温度を調整する第2予備温調デバイスを備える態様4に記載の食品製造装置。
【0156】
[態様6]
前記調理搬送経路のうちの前記プレート追加ステーションと前記重ね合わせステーションとの間に位置する第2食材供給ステーションにおいて、前記プレート追加ステーションにおいて供給された成形プレートの調理面に、調理対象食材を供給する第2食材供給デバイスを更に備える態様1~5のいずれかに記載の食品製造装置。
【0157】
[態様7]
前記重ね合わせ解除部は、前記プレート追加ステーションで追加された成形プレートにおいて調理対象食材が保持されるように、成形プレートの重ね合わせを解除する態様1~6のいずれかに記載の食品製造装置。
【0158】
[態様8]
前記調理搬送経路のうちの前記第1食材供給ステーションと前記重ね合わせステーションとの間に位置する第1追加食材供給ステーションにおいて、前記第1食材供給ステーションで調理対象食材が供給された成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する第1追加食材供給デバイスを備える態様1~7のいずれかに記載の食品製造装置。
【0159】
[態様9]
前記調理搬送経路のうちの前記第2食材供給ステーションと前記重ね合わせステーションとの間に位置する第2追加食材供給ステーションにおいて、前記第2食材供給ステーションで調理対象食材が供給された成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する第2追加食材供給デバイスを備える態様6及び態様6を引用する態様7及び8のいずれかに記載の食品製造装置。
【0160】
[態様10]
前記重ね合わせステーションと前記重ね合わせ解除ステーションとの間に位置する本調理ステーションにおいて、相互に重ね合わされている成形プレートのうちの少なくともいずれか一方の温度を調整して、調理面間に位置する調理対象食材を加熱又は冷却する本温調デバイスを備える態様1~9のいずれかに記載の食品製造装置。
【0161】
[態様11]
前記第1食材供給ステーションと前記重ね合わせステーションとの間において、成形プレートの温度を調整する前段温調デバイスを備える態様1~10のいずれかに記載の食品製造装置。
【0162】
[態様12]
前記プレート追加デバイスは、調理対象食材とともに移動し且つお互いに隣り合う2つの成形プレートのセット間に、お互いに隣り合う2つの成形プレートのセットを供給する、態様1~11のいずれかに記載の食品製造装置。
【0163】
[態様13]
前記プレート搬送部は、
前記第1食材供給ステーションからの成形プレートを、前記プレート追加ステーションで停止させることなく、前記重ね合わせステーションに向けて間欠的に搬送し、
前記重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材を保持する成形プレートを、前記プレート排出ステーションで停止させることなく、前記食材放出ステーションに向けて間欠的に搬送する、態様1~12のいずれかに記載の食品製造装置。
【0164】
[態様14]
前記調理搬送経路は、第1水平方向に延びる第1処理経路部及び第2処理経路部と、前記第1処理経路部と前記第2処理経路部との間において前記第1水平方向と垂直を成す第2水平方向に延びる第1連絡経路部及び第2連絡経路部と、を含む無端経路であり、
前記第1食材供給ステーション、前記プレート追加ステーション及び前記重ね合わせステーションは、前記第1処理経路部に設けられ、
前記重ね合わせ解除ステーション、前記プレート排出ステーション、及び前記食材放出ステーションは、前記第2処理経路部に設けられ、
前記プレート搬送部は、
前記第1処理経路部において各成形プレートを前記第1水平方向の正方向に搬送し、
前記第1連絡経路部において各成形プレートを前記第2水平方向の正方向に搬送し、
前記第2処理経路部において各成形プレートを前記第1水平方向の逆方向に搬送し、
前記第2連絡経路部において各成形プレートを前記第2水平方向の逆方向に搬送する、態様1~13のいずれかに記載の食品製造装置。
【0165】
[態様15]
前記プレート搬送部は、
前記第1食材供給ステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う2つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送し、
前記プレート追加ステーション及び前記重ね合わせステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う4つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送し、
前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う4つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送し、
前記食材放出ステーションにおいて、各成形プレートを、隣り合う2つの成形プレートに対応する距離だけ一度に移動するように間欠的に搬送する、態様1~14のいずれかに記載の食品製造装置。
【0166】
[態様16]
前記重ね合わせ解除部は、前記重ね合わせ解除部によって成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された成形プレートを、前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、調理対象食材を保持する成形プレートに隣り合うように位置づける態様1~15のいずれかに記載の食品製造装置。
【0167】
[態様17]
2つの成形プレートが組み合わされて用いられ、一方の成形プレートの調理面と他方の成形プレートの調理面との間に位置する調理対象食材を、前記一方の成形プレート及び前記他方の成形プレートによって成形するための成形プレートであって、
前記一方の成形プレート及び前記他方の成形プレートは、お互いに独立して設けられ、
前記一方の成形プレートの調理面は嵌合凸部を有し、
前記他方の成形プレートの調理面は、前記一方の成形プレートの調理面が有する嵌合凸部が嵌合可能な嵌合凹部を有し、
前記一方の成形プレート及び前記他方の成形プレートは、前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合している状態で、調理面間に位置する調理対象食材を成形する、
成形プレート。
【0168】
[態様18]
各成形プレートの調理面は、当該調理面の中心を基準とした対称位置に設けられる1つ以上の前記嵌合凸部及び1つ以上の前記嵌合凹部を有する態様17に記載の成形プレート。
【0169】
[態様19]
各成形プレートの調理面は、前記嵌合凸部及び前記嵌合凹部のうちの一方のみを複数有し、
前記一方の成形プレートの調理面は、前記複数の嵌合凸部を有し、
前記他方の成形プレートの調理面は、前記一方の成形プレートの調理面が有する前記複数の嵌合凸部が嵌合可能な前記複数の嵌合凹部を有する態様17に記載の成形プレート。
【0170】
[態様20]
少なくとも第1食材供給ステーション、プレート追加ステーション、重ね合わせステーション、重ね合わせ解除ステーション、プレート排出ステーション、及び食材放出ステーションを含む調理搬送経路に沿って、複数の成形プレートを搬送する工程と、
前記第1食材供給ステーションにおいて、前記成形プレートの調理面に調理対象食材を供給する工程と、
前記第1食材供給ステーションよりも下流に位置する前記プレート追加ステーションにおいて、1以上の前記成形プレートを、調理対象食材とともに移動する前記成形プレートに隣り合うように供給する工程と、
前記プレート追加ステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせステーションにおいて、調理対象食材とともに移動する前記成形プレートと、前記プレート追加ステーションで供給された前記成形プレートとを重ね合わせて、前記成形プレートの調理面間に調理対象食材を位置づける工程と、
前記重ね合わせステーションよりも下流に位置する前記重ね合わせ解除ステーションにおいて、お互いに重ね合わされている前記成形プレートの一方側において調理対象食材が保持されるように、前記成形プレートの重ね合わせを解除する工程と、
前記重ね合わせ解除部によって前記成形プレートの重ね合わせが解除されることで調理対象食材から調理面が離された前記成形プレートを、前記プレート排出ステーションにおいて前記調理搬送経路から排出する工程と、
前記プレート排出ステーションよりも下流に位置する前記食材放出ステーションにおいて、前記成形プレートから調理対象食材を放出させる工程と、
を含む食品製造方法。
【符号の説明】
【0171】
10 食品製造装置、11 制御部、20 プレート搬送部、21 第1処理経路搬送デバイス、22 第2処理経路搬送デバイス、23 第3処理経路搬送デバイス、24 第4処理経路搬送デバイス、25 第5処理経路搬送デバイス、26 第1連絡経路搬送デバイス、27 第2連絡経路搬送デバイス、30 食材供給部、31 第1食材供給デバイス、32 第1追加食材供給デバイス、33 第2食材供給デバイス、34 第2追加食材供給デバイス、36 重ね合わせ部、37 重ね合わせ解除部、38 食材放出部、40 温調部、41 第1予備温調デバイス、42 前段温調デバイス、43 第2予備温調デバイス、44 本温調デバイス、45 後段温調デバイス、50 プレート排出追加部、51 プレート追加デバイス、52 プレート排出デバイス、70 調理食材送出装置、80 成形プレート、80a 第1成形プレート、80b 第2成形プレート、81 調理面、82 貯留凹部、83 嵌合凸部、84 嵌合凹部、85 支持バー、88 プレート本体部、89 重ね合わせプレートペア、C1 第1重なり範囲、C2 第2重なり範囲、C3 第3重なり範囲、C4 第4重なり範囲、C5 第5重なり範囲、C6 第6重なり範囲、C7 第7重なり範囲、D1 第1水平方向、D2 第2水平方向、F 調理対象食材、R1 第1搬送域、R2 第2搬送域、R3 第3搬送域、R4 第4搬送域、R5 第5搬送域、S1 第1食材供給ステーション、S2 第1追加食材供給ステーション、S3 プレート追加ステーション、S4 第2食材供給ステーション、S5 第2追加食材供給ステーション、S6 重ね合わせステーション、S7 本調理ステーション、S8 重ね合わせ解除ステーション、S9 プレート排出ステーション、S10 食材放出ステーション、T 調理搬送経路、Tb 排出追加経路、Tc1 第1連絡経路部、Tc2 第2連絡経路部、Tp1 第1処理経路部、Tp2 第2処理経路部