IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋紡STC株式会社の特許一覧 ▶ 有限会社エムテー工業の特許一覧

特開2023-169011高分子シート防水用の通気構造体およびそれを用いた防水工法
<>
  • 特開-高分子シート防水用の通気構造体およびそれを用いた防水工法 図1
  • 特開-高分子シート防水用の通気構造体およびそれを用いた防水工法 図2
  • 特開-高分子シート防水用の通気構造体およびそれを用いた防水工法 図3
  • 特開-高分子シート防水用の通気構造体およびそれを用いた防水工法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169011
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】高分子シート防水用の通気構造体およびそれを用いた防水工法
(51)【国際特許分類】
   E04D 11/00 20060101AFI20231121BHJP
   E04D 5/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
E04D11/00 M
E04D5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080453
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】508179545
【氏名又は名称】東洋紡STC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】303059576
【氏名又は名称】有限会社エムテー工業
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 賢一
(72)【発明者】
【氏名】生村 公徳
(72)【発明者】
【氏名】横山 雄紀
(72)【発明者】
【氏名】谷本 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 邦憲
(57)【要約】
【課題】屋根部分から発生する水蒸気等の気体を防水シートの平面方向に通気させることができ、屋根部分へ容易に固定することができる通気構造体、および通気構造体を配置する工程を有する防水工法を提供する。
【解決手段】防水シートの屋根側面に配置される通気構造体1であって、織布20と、織布20に並行して配置されている複数の粘着層10と、を有しており、隣接する複数の粘着層10の間に隙間を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水シートの屋根側面に配置される通気構造体であって、
織布と、
前記織布に並行して配置されている複数の粘着層と、を有し、
隣接する複数の前記粘着層の間に隙間を有していることを特徴とする通気構造体。
【請求項2】
前記織布を構成する糸は、第1の糸と第2の糸を含んでおり、
前記第1の糸は、前記第2の糸よりも太い請求項1に記載の通気構造体。
【請求項3】
前記織布を構成する経糸および緯糸の少なくとも一方は、複数の糸が平行に引き揃えられている引き揃え糸を含んでいる請求項1または2に記載の通気構造体。
【請求項4】
前記織布は、複数の前記引き揃え糸と、複数の単糸とを有しており、
前記引き揃え糸と、該引き揃え糸と隣接する前記引き揃え糸との間隔は、前記単糸と、該単糸と隣接する前記単糸との間隔よりも大きい請求項3に記載の通気構造体。
【請求項5】
前記粘着層を構成する材料は、ブチルゴムを含んでいる請求項1または2に記載の通気構造体。
【請求項6】
隣接する複数の前記粘着層の間の距離は、前記粘着層の幅よりも小さい請求項1または2に記載の通気構造体。
【請求項7】
前記粘着層は、通気構造体の幅方向および長さ方向の少なくとも一方に複数配置されている請求項1または2に記載の通気構造体。
【請求項8】
屋根側に屋根側離型シートを有し、
防水シート側に防水シート側離型シートを有しており、
前記屋根側離型シートの剛性は、前記防水シート側離型シートの剛性よりも高い請求項1に記載の通気構造体。
【請求項9】
前記屋根側離型シートを構成する材料および前記防水シート側離型シートを構成する材料は、それぞれ合成樹脂フィルムおよび紙の少なくとも一方を含んでいる請求項8に記載の通気構造体。
【請求項10】
請求項8または9に記載の通気構造体と、防水シートと、を用いた防水工法であって、
前記通気構造体の少なくとも一部の前記屋根側離型シートを剥離する工程と、
前記通気構造体を屋根に配置する工程と、
前記通気構造体の上に前記防水シートを配置する工程と、
前記通気構造体の前記防水シート側離型シートを剥離する工程と、を順次行うことを特徴とする防水工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水シートを用いた高分子シート防水工法の際に防水シートの屋根側面に配置される通気構造体、および通気構造体を用いた防水工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の屋上等の防水工法として、屋根部分に防水シートを貼付して防水構造体を形成するシート防水工法、屋根部分に防水塗料を塗布して防水構造体を形成する塗膜防水工法等がある。
【0003】
中でも、シート防水工法は、塗膜防水工法等の他の防水工法と比較して、施工が簡便であるという利点を有している。シート防水工法は、建物の屋根部分にクロロプレンゴム系等の接着剤を塗布し、接着剤を乾燥させてから防水シートを屋根部分へ貼り付けることによって防水構造体を構成する(例えば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-270148号公報
【特許文献2】特開2005-146633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
防水工法を施した後の建築物の屋根部分から水蒸気等の気体が発生することがある。例えば、建築物の屋上等に敷設される下地コンクリートは、夏場は約60℃、冬場は約-20℃という激しい温度変化にさらされる。そのため、温度が高くなると、コンクリートに含有される水蒸気等の気体が大量に外部へ放出される。
【0006】
特許文献1および2のような防水構造体では、屋根部分から発生した水蒸気等の気体を外部に放出することができず、防水シートに膨れが発生することや、防水シートが破断することがあるという問題があった。
【0007】
また、特許文献1および2の防水構造体は、建築物の屋根部分に接着剤を塗布して防水構造体を配置している。屋根部分に接着剤を均一に塗布することは難しく、接着剤の塗布にムラが発生して屋根部分へ防水シートを固定する作業が困難であるという問題や、防水構造体を形成するための作業時間が長くなってしまうという問題もあった。
【0008】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、屋根部分から発生する水蒸気等の気体を防水シートの平面方向に通気させることができ、屋根部分へ容易に固定することができる通気構造体、および通気構造体を配置する工程を有する防水工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決することのできた本発明の実施の形態に係る通気構造体は、以下の通りである。
[1]防水シートの屋根側面に配置される通気構造体であって、
織布と、
前記織布に並行して配置されている複数の粘着層と、を有し、
隣接する複数の前記粘着層の間に隙間を有していることを特徴とする通気構造体。
[2]前記織布を構成する糸は、第1の糸と第2の糸を含んでおり、
前記第1の糸は、前記第2の糸よりも太い[1]に記載の通気構造体。
[3]前記織布を構成する経糸および緯糸の少なくとも一方は、複数の糸が平行に引き揃えられている引き揃え糸を含んでいる[1]または[2]に記載の通気構造体。
[4]前記織布は、複数の前記引き揃え糸と、複数の単糸とを有しており、
前記引き揃え糸と、該引き揃え糸と隣接する前記引き揃え糸との間隔は、前記単糸と、該単糸と隣接する前記単糸との間隔よりも大きい[3]に記載の通気構造体。
[5]前記粘着層を構成する材料は、ブチルゴムを含んでいる[1]~[4]のいずれかに記載の通気構造体。
[6]隣接する複数の前記粘着層の間の距離は、前記粘着層の幅よりも小さい[1]~[5]のいずれかに記載の通気構造体。
[7]前記粘着層は、通気構造体の幅方向および長さ方向の少なくとも一方に複数配置されている[1]~[6]のいずれかに記載の通気構造体。
[8]屋根側に屋根側離型シートを有し、
防水シート側に防水シート側離型シートを有しており、
前記屋根側離型シートの剛性は、前記防水シート側離型シートの剛性よりも高い[1]~[7]のいずれかに記載の通気構造体。
[9]前記屋根側離型シートを構成する材料および前記防水シート側離型シートを構成する材料は、それぞれ合成樹脂フィルムおよび紙の少なくとも一方を含んでいる[8]に記載の通気構造体。
【0010】
上記課題を解決することのできた本発明の実施の形態に係る防水工法は、下記[10]の通りである。
[10][8]または[9]に記載の通気構造体と、防水シートと、を用いた防水工法であって、
前記通気構造体の少なくとも一部の前記屋根側離型シートを剥離する工程と、
前記通気構造体を屋根に配置する工程と、
前記通気構造体の上に前記防水シートを配置する工程と、
前記通気構造体の前記防水シート側離型シートを剥離する工程と、を順次行うことを特徴とする防水工法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の通気構造体は、織布と、織布に並行して配置されている複数の粘着層と、を有し、隣接する複数の粘着層の間に隙間を有していることにより、防水シートを屋根部分へ容易に固定することができ、さらに、防水シートの屋根側面に通気のための空間を設けることができるため、屋根部分から発生する水蒸気等の気体を防水シートの平面方向に通気させることが可能となる。また、本発明の防水工法は、通気構造体を用いることによって防水シートの屋根側面に通気空間を設けて屋根部分から発生する気体を防水シートの平面方向に通気させることができ、さらに、通気構造体の少なくとも一部の屋根側離型シートを剥離する工程と、通気構造体を屋根に配置する工程と、通気構造体の上に防水シートを配置する工程と、通気構造体の防水シート側離型シートを剥離する工程とを順次行うことにより、防水シートを意図した位置に美麗に貼付しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態における通気構造体の上面図を表す。
図2図1に示した通気構造体のII-II断面図を表す。
図3】本発明の他の実施の形態における通気構造体の上面図を表す。
図4図3に示した通気構造体のIV-IV断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る防水構造体に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0014】
建築物の屋上等の屋根部分へ防水シートを用いて防水構造体を形成する高分子シート防水工法において、本発明の通気構造体は、防水シートの屋根側面に配置され、防水シートと屋根部分との間に通気のための空間を形成する。つまり、通気構造体を防水シートの屋根側面に配置することにより、建築物の屋根部分から放出された水蒸気等の気体を防水シートの平面方向に通気させることが可能となる。
【0015】
図1は本発明に係る通気構造体1を上から見た図である上面図を表しており、図2は通気構造体1の断面図を表している。図1および図2に示すように、本発明の実施の形態に係る通気構造体1は、織布20と、織布20に並行して配置されている複数の粘着層10と、を有し、隣接する複数の粘着層10の間に隙間を有している。通気構造体1が織布20と、その間に隙間を有するように複数配置された粘着層10とを有していることにより、通気構造体1を屋根に配置した状態において、織布20が複数の粘着層10の位置を固定することができ、複数の粘着層10の間の隙間が気体の流通路となる。その結果、防水シートと屋根部分との間において屋根部分から放出された気体を複数の粘着層10の間の隙間を通じて防水シートの平面方向に通過させることができる。また、通気構造体1が粘着層10を有していることにより、通気構造体1自体に粘着性を付与することができ、通気構造体1によって防水シートを屋根部分へ固定することが容易となる。
【0016】
図示していないが、防水構造体に脱気筒を設けることにより、屋根部分から放出された気体を防水シートの平面方向に通過させ、脱気筒を介して外部に放出させることが可能である。そのため、屋根部分から水蒸気等の気体が放出されても防水シートに膨れや破断が発生しにくくなる。なお、図2において、図面の上側が防水シートの配置される側であり、図面の下側が屋根側である。
【0017】
防水シートは、建築物の屋根部分に防水性を付与するために用いられるシート状物である。防水シートを構成する材料としては、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)等の合成ゴム、塩化ビニル等の合成樹脂等が挙げられる。
【0018】
粘着層10は、織布20に並行して複数配置されている。粘着層10は、織布20の屋根側面に配置されていてもよく、防水シート側面に配置されていてもよい。中でも、粘着層10は、織布20の一方面および他方面に並んで複数配置されていることが好ましい。つまり、図1および図2に示すように、織布20の屋根側面および防水シート側面の両方に粘着層10が複数配置されていることが好ましい。粘着層10が織布20の一方面および他方面に並んで複数配置されていることにより、屋根と通気構造体1、および通気構造体1と防水シートを強固に固定しやすくなり、その結果、防水シートを屋根に十分固定することができる。
【0019】
織布20の種類としては、例えば、平織、綾織、朱子織等の織物が挙げられる。中でも、織布20は、平織であることが好ましい。織布20が平織であることにより、織布20が丈夫なものとなり、例えば、通気構造体1をロールに巻いた状態としておき、ロール状の通気構造体1を引っ張りながら屋根部分に通気構造体1を配置した場合でも織布20の過度な伸張や破損が起こりにくく、通気構造体1を配置する工程の作業性を向上させることができる。
【0020】
織布20を構成する繊維は、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ナイロンなどの合成繊維、綿、麻等の天然繊維、ガラス繊維等が挙げられる。中でも、織布20を構成する繊維は、合成繊維であることが好ましく、ポリエステルであることがより好ましい。織布20を構成する繊維が合成繊維であることにより、織布20の強度や耐久性を高めることが可能となる。
【0021】
織布20を構成する糸としては、例えば、フィラメント糸、紡績糸等が挙げられる。フィラメント糸としては、例えば、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸等が挙げられる。織布20を構成する糸の繊度は、英式綿番手で5番手以上であることが好ましく、10番手以上であることがより好ましく、15番手以上であることがさらに好ましい。織布20を構成する糸の繊度の下限値を上記の範囲に設定することにより、織布20を構成する糸が太くなりすぎず、通気構造体1の軽量化や柔軟性を高めることができる。また、織布20を構成する糸の繊度は、英式綿番手で35番手以下であることが好ましく、30番手以下であることがより好ましく、25番手以下であることがさらに好ましい。織布20を構成する糸の繊度の上限値を上記の範囲に設定することにより、織布20の強度が高まり、通気構造体1を屋根に配置する際等において、織布20に応力が加わっても破損しにくく、耐久性の高い通気構造体1とすることができる。
【0022】
織布20の経密度および緯密度は、8本/インチ以上であることが好ましく、10本/インチ以上であることがより好ましく、12本/インチ以上であることがさらに好ましい。織布20の経密度および緯密度の下限値を上記の範囲に設定することにより、織布20に並行して配置されている粘着層10の位置を固定しやすくなり、複数の粘着層10によって形成される気体の流通路の広さを確保しやすくなる。また、織布20の経密度および緯密度は、20本/インチ以下であることが好ましく、18本/インチ以下であることがより好ましく、16本/インチ以下であることがさらに好ましい。織布20の経密度および緯密度の上限値を上記の範囲に設定することにより、複数の粘着層10の間に存在する織布20を構成する経糸および緯糸の体積を減少させることができ、経糸および緯糸が通気を妨げにくくすることができる。
【0023】
織布20の経密度と緯密度は、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。織布20の経密度と緯密度が同じであることにより、通気構造体1の幅方向と長さ方向とで強度や伸縮性等の物性に差が生じにくくなり、取り扱いやすい通気構造体1とすることが可能となる。
【0024】
図3は本発明の他の実施の形態における通気構造体1を上から見た上面図を表しており、図4は通気構造体1の断面図を表している。図3および図4に示すように、織布20を構成する糸は、第1の糸21と第2の糸22を含んでおり、第1の糸21は、第2の糸22よりも太い構成であってもよい。織布20が第2の糸22と、第2の糸22よりも太い第1の糸21を含んでいることにより、織布20の強度を高めることができ、破損しにくい通気構造体1とすることができる。
【0025】
織布20を構成する糸が、第2の糸22と、第2の糸22よりも太い第1の糸21を含んでいる場合、第1の糸21の太さは、第2の糸22の太さよりも太いことが好ましく、第1の糸21の番手は、第2の糸22の番手よりも小さいことが好ましい。第1の糸21および第2の糸22の具体的な太さについては、次の通りである。第1の糸21の番手は、英式綿番手で3番手以上であることが好ましく、5番手以上であることがより好ましく、8番手以上であることがさらに好ましい。第2の糸22の番手は、英式綿番手で40番手以上であることが好ましく、45番手以上であることがより好ましく、50番手以上であることがさらに好ましい。第1の糸21および第2の糸22の番手の下限値を上記の範囲に設定することにより、織布20が有している第1の糸21および第2の糸22が過度に太くなることを妨げ、通気構造体1の重量が重くなることや、通気構造体1の剛性が高まりすぎて通気構造体1をロール状にすることが困難になること等を防ぎ、通気構造体1を取り扱いやすいものとすることができる。また、第1の糸21の番手は、英式綿番手で30番手以下であることが好ましく、25番手以下であることがより好ましく、20番手以下であることがさらに好ましい。第2の糸22の番手は、英式綿番手で80番手以下であることが好ましく、75番手以下であることがより好ましく、70番手以下であることがさらに好ましい。第1の糸21および第2の糸22の番手の上限値を上記の範囲に設定することにより、織布20の強度を高めることができる。
【0026】
図3および図4に示すように、織布20を構成する経糸および緯糸の少なくとも一方は、複数の糸が平行に引き揃えられている引き揃え糸40を含んでいる構成とすることができる。織布20が引き揃え糸40を含んでいることにより、織布20の寸法の安定性が高まって織布20の目ずれが生じにくく、複数の粘着層10によって形成される気体の流通路の広さを確保しやすくなる。
【0027】
図3および図4に示すように、織布20は、複数の引き揃え糸40と、複数の単糸50とを有する構成とすることができる。引き揃え糸40と、該引き揃え糸40と隣接する引き揃え糸40との間隔D1は、単糸50と、該単糸50と隣接する単糸50との間隔D2よりも大きいことが好ましい。織布20において、隣接する2つの引き揃え糸40の間隔D1が隣接する2つの単糸50の間隔D2よりも大きいことにより、織布20が有している引き揃え糸40の数量が適切なものとなり、通気構造体1の強度を維持しながら、通気構造体1の柔軟性も保つことができる。
【0028】
引き揃え糸40と該引き揃え糸40と隣接する引き揃え糸40との間隔D1は、単糸50と該単糸50と隣接する単糸50との間隔D2の10倍以上であることが好ましく、15倍以上であることがより好ましく、20倍以上であることがさらに好ましい。隣接する2つの引き揃え糸40の間隔D1と隣接する2つの単糸50の間隔D2との比の下限値を上記の範囲に設定することにより、織布20における引き揃え糸40の割合を適切にし、通気構造体1を柔軟なものとして、通気構造体1を配置する工程等において作業性を向上させることができる。また、引き揃え糸40と該引き揃え糸40と隣接する引き揃え糸40との間隔D1は、単糸50と該単糸50と隣接する単糸50との間隔D2の50倍以下であることが好ましく、45倍以下であることがより好ましく、40倍以下であることがさらに好ましい。隣接する2つの引き揃え糸40の間隔D1と隣接する2つの単糸50の間隔D2との比の上限値を上記の範囲に設定することにより、引き揃え糸40を通気構造体1へ十分に設けることができ、通気構造体1の強度を高めることが可能となる。
【0029】
図3および図4に示すように、引き揃え糸40を構成する糸の太さは、単糸50の太さよりも太いことが好ましい。引き揃え糸40を構成する糸の太さが単糸50の太さよりも太いことにより、引き揃え糸40の部分の通気性を高めることができ、通気構造体1の通気の性能を向上させることができる。
【0030】
織布20が、複数の引き揃え糸40と、複数の単糸50とを有する構成である場合、引き揃え糸40を構成する糸の番手は、単糸50の番手よりも小さいことが好ましい。具体的には、引き揃え糸40を構成する糸の番手は、英式綿番手で3番手以上であることが好ましく、5番手以上であることがより好ましく、8番手以上であることがさらに好ましい。単糸50の番手は、英式綿番手で40番手以上であることが好ましく、45番手以上であることがより好ましく、50番手以上であることがさらに好ましい。引き揃え糸40を構成する糸の番手および単糸50の番手の下限値を上記の範囲に設定することにより、織布20を構成している引き揃え糸40や単糸50等の糸が太くなりすぎることを防止し、織布20の重量が増すことによって通気構造体1の重量が重くなることや、織布20の剛性が高まることによって通気構造体1の柔軟性が低下し、通気構造体1をロール状にすることが困難になること等を防ぎ、通気構造体1を取り扱いやすくすることができる。また、引き揃え糸40を構成する糸の番手は、英式綿番手で30番手以下であることが好ましく、25番手以下であることがより好ましく、20番手以下であることがさらに好ましい。単糸50の番手は、英式綿番手で80番手以下であることが好ましく、75番手以下であることがより好ましく、70番手以下であることがさらに好ましい。引き揃え糸40を構成する糸および単糸50の番手の上限値を上記の範囲に設定することにより、織布20の強度を高めることが可能となる。
【0031】
引き揃え糸40を構成する糸の本数は、5本以上50本以下であることが好ましい。引き揃え糸40が5本以上50本以下の糸から構成されていることにより、織布20の強度と柔軟性を両立させやすく、取り扱いやすい通気構造体1とすることができる。
【0032】
引き揃え糸40を構成する糸の本数は、5本以上であることが好ましく、10本以上であることがより好ましく、15本以上であることがさらに好ましい。引き揃え糸40を構成する糸の本数の下限値を上記の範囲に設定することにより、引き揃え糸40の部分の通気性を十分なものとすることができる。また、引き揃え糸40を構成する糸の本数は、50本以下であることが好ましく、45本以下であることがより好ましく、40本以下であることがさらに好ましい。引き揃え糸40を構成する糸の本数の上限値を上記の範囲に設定することにより、織布20における引き揃え糸40の割合が適切となって、通気構造体1の柔軟性を保つことが可能となる。
【0033】
粘着層10を構成する材料としては、例えば、ポリイソブチレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、フッ素系ゴム等が挙げられる。中でも、粘着層10は、ブチルゴム(イソブチレン・イソプレン共重合体)を含んでいることが好ましい。また、粘着層10を構成する材料は、ブチルゴムであることがより好ましい。粘着層10がブチルゴムを含んでいることにより、粘着層10に適度な柔軟性を付与し、防水シートの屋根側面に通気構造体1を配置する際に通気構造体1が建物の屋根部分の表面に沿いやすくなって配置が行いやすくなる。
【0034】
粘着層10の平面形状は、例えば、多角形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。中でも、粘着層10の平面形状は、四角形であることが好ましく、正方形であることがより好ましい。粘着層10の平面形状が四角形であることにより、防水シートと屋根部分との間の、通気のための空間を防水シートの全面にわたって均一に形成し、防水シートの膨れや破断をより効果的に防止することができる。
【0035】
粘着層10の厚みは、織布20の厚みよりも大きいことが好ましい。粘着層10の厚みが織布20の厚みよりも大きいことにより、気体の流通路となる複数の粘着層10の間の隙間の空間を十分に確保しやすくすることができる。
【0036】
図1および図3に示すように、隣接する複数の粘着層10の間の距離L1は、粘着層10の幅W1よりも小さいことが好ましい。隣接する複数の粘着層10の間の距離L1が粘着層10の幅W1よりも小さいことにより、通気構造体1の粘着力を高め、通気構造体1を屋根部分へ十分に固定することが可能となる。
【0037】
隣接する複数の粘着層10の間の距離L1は、粘着層10の幅W1の1/30以上1/3以下であることが好ましい。隣接する複数の粘着層10の間の距離L1と粘着層10の幅W1との比を上記の範囲に設定することにより、隣接する複数の粘着層10の間にある通気空間を十分に確保することができ、屋根部分から放出された水蒸気等の気体を防水シートの平面方向に通気させやすくなる。
【0038】
隣接する複数の粘着層10の間の距離L1は、粘着層10の幅W1の1/30以上であることが好ましく、1/20以上であることがより好ましく、1/15以上であることがさらに好ましい。隣接する複数の粘着層10の間の距離L1と粘着層10の幅W1との比の下限値を上記の範囲に設定することにより、防水シートと屋根部分との間の通気空間の大きさを十分なものとすることができる。また、隣接する複数の粘着層10の間の距離L1は、粘着層10の幅W1の1/3以下であることが好ましく、1/4以下であることがより好ましく、1/5以下であることがさらに好ましい。隣接する複数の粘着層10の間の距離L1と粘着層10の幅W1との比の上限値を上記の範囲に設定することにより、粘着層10による通気構造体1の粘着力を高め、屋根に通気構造体1を十分に固定することが可能となる。
【0039】
例えば、粘着層10は、幅W1が30mm、長さが30mmの正方形であり、厚みが0.5mmとすることができ、隣接する複数の粘着層10の間の距離L1は、6mmとすることができる。
【0040】
粘着層10は、通気構造体1の幅方向および長さ方向の少なくとも一方に複数配置されていることが好ましい。粘着層10が通気構造体1の幅方向および長さ方向の少なくとも一方に複数配置されていることにより、通気構造体1が幅方向や長さ方向に屈曲しやすくなって、通気構造体1を屋根に配置しやすく、かつ屋根に通気構造体1が密着しやすくなる。
【0041】
粘着層10は、通気構造体1の幅方向に複数配置されていてもよく、通気構造体1の長さ方向に複数配置されていてもよく、通気構造体1の幅方向および長さ方向の両方に複数配置されていてもよい。中でも、図1および図3に示すように、粘着層10は、通気構造体1の幅方向および長さ方向に複数配置されていることがより好ましい。粘着層10が通気構造体1の幅方向および長さ方向の少なくとも一方に複数配置されていることにより、通気構造体1において、屋根部分から放出された水蒸気等の気体を通過させる流通路の空間の体積を確保しやすくすることができる。
【0042】
図1図4に示すように、通気構造体1は、屋根側に屋根側離型シート31を有し、防水シート側に防水シート側離型シート32を有しており、屋根側離型シート31の剛性は、防水シート側離型シート32の剛性よりも高いことが好ましい。通気構造体1が屋根側離型シート31と防水シート側離型シート32とを有していることにより、通気構造体1の使用時まで屋根側面および防水シート側面を保護することができ、粘着層10や織布20等を傷つきにくくすることができる。また、屋根側離型シート31の剛性が防水シート側離型シート32の剛性よりも高いことにより、通気構造体1の配置の際に、屋根部分に接するために防水シート側面よりも傷つきやすい屋根側面を強固に保護することができる。さらに、通気構造体1の一方側の面に他方側の面よりも剛性の高いシートを配置していることによって通気構造体1全体の剛性が適度に高まり、通気構造体1を配置する際等に通気構造体1が取り扱いやすく、作業性を高めることができる。
【0043】
屋根側離型シート31の剛性を防水シート側離型シート32の剛性よりも高くするには、例えば、屋根側離型シート31を構成する材料を、防水シート側離型シート32を構成する材料よりも高剛性のものとする、屋根側離型シート31の厚みを防水シート側離型シート32の厚みよりも厚くする、防水シート側離型シート32のみ穴やスリットを有する構成とすること等が挙げられる。
【0044】
屋根側離型シート31を構成する材料および防水シート側離型シート32を構成する材料は、それぞれ合成樹脂フィルムおよび紙の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。屋根側離型シート31を構成する材料および防水シート側離型シート32を構成する材料が合成樹脂フィルムおよび紙の少なくとも一方を含んでいることにより、屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32が粘着層10から剥離しやすくなり、通気構造体1を屋根に配置する際に、通気構造体1から屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を剥離することが行いやすくなる。
【0045】
屋根側離型シート31を構成する材料は、合成樹脂フィルムおよび紙の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。つまり、屋根側離型シート31を構成する材料は、合成樹脂フィルムを含んでいてもよく、紙を含んでいてもよく、合成樹脂フィルムと紙の両方を含んでいてもよい。
【0046】
防水シート側離型シート32を構成する材料は、合成樹脂フィルムおよび紙の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。つまり、防水シート側離型シート32を構成する材料は、合成樹脂フィルムを含んでいてもよく、紙を含んでいてもよく、合成樹脂フィルムと紙の両方を含んでいてもよい。
【0047】
屋根側離型シート31を構成する材料と防水シート側離型シート32を構成する材料とは、同じ材料であってもよいが、異なる材料であることが好ましい。屋根側離型シート31を構成する材料と防水シート側離型シート32を構成する材料とが異なる材料であることにより、屋根側離型シート31の剛性と防水シート側離型シート32の剛性に差をつけやすく、屋根側離型シート31の剛性を防水シート側離型シート32の剛性よりも高くすることが行いやすくなる。
【0048】
屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を構成する材料に含まれている合成樹脂フィルムを構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。中でも、屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を構成する材料に含まれている合成樹脂は、ポリプロピレンであることが好ましい。屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を構成する材料に含まれている合成樹脂がポリプロピレンであることにより、屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32の取り扱い性が高まるため、通気構造体1から屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を剥離する工程等の作業が行いやすくなる。
【0049】
屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を構成する材料は、紙材を含んでいてもよい。屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を構成する材料に含まれている紙材としては、例えば、クラフト紙、ラグ質原紙、板紙等が挙げられる。中でも、屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を構成する剤量に含まれている紙材は、クラフト紙であることが好ましい。屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を構成する剤量に含まれている紙材がクラフト紙であることにより、屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32の剛性が適度なものとなり、また、屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32の取り扱いが容易となるため、通気構造体1から屋根側離型シート31および防水シート側離型シート32を剥離する工程における作業性がよくなる。
【0050】
本発明の防水工法は、屋根側面に屋根側離型シート31と、防水シート側面に防水シート側離型シート32と、を有する通気構造体1と、防水シートと、を用いた防水工法であって、通気構造体1の少なくとも一部の屋根側離型シート31を剥離する工程と、通気構造体1を屋根に配置する工程と、通気構造体1の上に防水シートを配置する工程と、通気構造体1の防水シート側離型シート32を剥離する工程と、を順次行う。少なくとも一部の屋根側離型シート31を剥離して通気構造体1を屋根に配置し、通気構造体1の上に防水シートを配置した後に防水シート側離型シート32を剥離することにより、屋根と通気構造体1、および通気構造体1と防水シートを意図した位置に配置しやすくなり、防水工法の作業時間を短縮することができ、かつ美麗な仕上りとすることができる。
【0051】
防水工法の各工程について、以下に説明する。防水工法では、屋根側面に屋根側離型シート31と、防水シート側面に防水シート側離型シート32と、を有する通気構造体1と、防水シートと、を用いる。なお、下記の防水工法の説明において、上記の通気構造体1の説明と重複する部分は説明を省略する。
【0052】
まず、通気構造体1の少なくとも一部の屋根側離型シート31を剥離する。通気構造体1から屋根側離型シート31を取り除くことにより通気構造体1の屋根側面にある粘着層10の一部が露出し、この粘着層10の一部が屋根に固定されるため、次の工程である通気構造体1を屋根に配置する工程が行いやすくなる。
【0053】
通気構造体1の屋根側離型シート31を剥離する工程の前に、屋根にプライマーを塗布する工程を有していることが好ましい。屋根にプライマーを塗布することにより、通気構造体1の粘着層10の、屋根への粘着力を高めることができ、屋根へ通気構造体1を十分に固定することができる。
【0054】
通気構造体1の屋根側離型シート31を剥離する工程の次に、通気構造体1を屋根に配置する。通気構造体1を屋根に配置することにより、屋根と防水シートとの間に通気のための空間を設けて屋根部分から発生した水蒸気等の気体を防水シートの平面方向に通気させることができ、防水シートへの膨れの発生や破断を起こりにくくすることができる。
【0055】
通気構造体1の屋根側離型シート31を剥離する工程および通気構造体1を屋根に配置する工程において、通気構造体1の端部の屋根側離型シート31を剥離し、屋根側離型シート31を剥離させた通気構造体1の端部を屋根に接触させ、残りの屋根側離型シート31を剥離しながら通気構造体1を屋根に配置することが好ましい。屋根側離型シート31が剥離した通気構造体1の端部を屋根に接触させて、残りの屋根側離型シート31を剥離しながら通気構造体1を屋根に配置することにより、屋根側離型シート31が剥離した通気構造体1の屋根側面をすぐに屋根に配置することができるため、通気構造体1の屋根側面の表面に傷がつくことや塵や埃等が付着することを防止でき、粘着層10の粘着力を保ったまま屋根に固定することができる。その結果、通気構造体1の屋根への固定力を高められる。
【0056】
通気構造体1を屋根に配置する工程の次に、通気構造体1の上に防水シートを配置する。通気構造体1の上に防水シートを配置する工程において、通気構造体1の防水シート側離型シート32は剥離していない状態である。つまり、通気構造体1の防水シート側面に防水シート側離型シート32があり、防水シート側離型シート32の上に防水シートが配置されている。通気構造体1の上に防水シートを配置する工程において、通気構造体1の防水シート側離型シート32は剥離していない状態であることにより、防水シートが通気構造体1に固定されず、防水シートの位置の微調整等を行うことができ、防水工法の作業性を高めることが可能となる。
【0057】
通気構造体1の上に防水シートを配置する工程の次に、通気構造体1の防水シート側離型シート32を剥離する。具体的には、通気構造体1の防水シート側離型シート32を剥離する工程において、通気構造体1の端部の防水シート側離型シート32を剥離させてから、通気構造体1と防水シートとの間から防水シート側離型シート32を横引きして、防水シート側離型シート32を剥離させ、防水シートを通気構造体1に固定する。防水シート側離型シート32を剥離させることにより、通気構造体1の粘着層10が露出するため、通気構造体1の粘着層10に防水シートが固定され、防水シートを屋根に固定することができる。
【0058】
以上のように、通気構造体は、防水シートの屋根側面に配置される通気構造体であって、織布と、織布に並行して配置されている複数の粘着層と、を有しており、隣接する複数の粘着層の間に隙間を有している。通気構造体は、隣接する複数の粘着層の間に隙間を有していることにより、防水シートを屋根部分へ容易に固定することができ、さらに、防水シートの屋根側面に通気のための空間を設けることができるため、屋根部分から発生する水蒸気等の気体を防水シートの平面方向に通気させることが可能となる。
【0059】
また、防水工法は、通気構造体と、防水シートと、を用いた防水工法であって、通気構造体の少なくとも一部の屋根側離型シートを剥離する工程と、通気構造体を屋根に配置する工程と、通気構造体の上に防水シートを配置する工程と、通気構造体の防水シート側離型シートを剥離する工程と、を順次行う。防水工法は、通気構造体を用いることによって防水シートの屋根側面に通気空間を設けて屋根部分から発生する気体を防水シートの平面方向に通気させることができ、さらに、通気構造体の少なくとも一部の屋根側離型シートを剥離する工程と、通気構造体を屋根に配置する工程と、通気構造体の上に防水シートを配置する工程と、通気構造体の防水シート側離型シートを剥離する工程とを順次行うことにより、防水シートを意図した位置に美麗に貼付しやすくすることができる。
【符号の説明】
【0060】
1:通気構造体
10:粘着層
20:織布
21:第1の糸
22:第2の糸
31:屋根側離型シート
32:防水シート側離型シート
40:引き揃え糸
50:単糸
D1:引き揃え糸と、該引き揃え糸と隣接する引き揃え糸との間隔
D2:単糸と、該単糸と隣接する単糸との間隔
L1:隣接する複数の粘着層の間の距離
W1:粘着層の幅
図1
図2
図3
図4