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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169060
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
G05B23/02 G
G05B23/02 302R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080516
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 艶艶
(72)【発明者】
【氏名】木村 亮祐
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA02
3C223AA04
3C223AA05
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223FF03
3C223FF04
3C223FF13
3C223FF16
3C223FF22
3C223FF26
3C223GG01
3C223HH02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象の状態監視を支援するシステムに関する。
【解決手段】対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、前記グループ情報で示されるグループごとに、前記測定データ取得部により取得される測定データのうち、異常な測定データを特定する特定部と、前記グループ情報で示されるグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する供給部と、前記モデルから出力される前記状態指標値に応じた信号を出力する出力部と、を備える装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、
前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、
前記グループ情報で示されるグループごとに、前記測定データ取得部により取得される測定データのうち、異常な測定データを特定する特定部と、
前記グループ情報で示されるグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する供給部と、
前記モデルから出力される前記状態指標値に応じた信号を出力する出力部と、
を備える装置。
【請求項2】
前記状態指標値の対象時点を指定する指定部をさらに備え、
前記特定部は、前記対象時点における異常な測定データを特定し、
前記供給部は、前記モデルに対し、前記対象時点における異常な測定データを供給する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記特定部は、第1のグループ内の複数の測定データのうち、前記対象時点を含む基準期間での平均変化率と、前記対象時点での変化率との差が最も大きい測定データを、前記第1のグループにおける異常な測定データとする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記対象時点での第2のグループ内の複数の測定データのうち、前記供給部により別々に前記モデルに供給される場合に最も不良な前記状態指標値を前記モデルから出力させる測定データを、前記第2のグループにおける異常な測定データとする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記対象時点を含む基準期間において、第3のグループ内の複数の測定データのうち一の測定データと、他の各測定データとの相関係数がそれぞれ閾値未満である場合に、当該一の測定データを前記第3のグループにおける異常な測定データとする、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記特定部は、3種類以上の測定データを含むグループを前記第3のグループとし、前記第3のグループ内の複数の測定データのうち前記一の測定データと、他の何れかの測定データとの相関係数が閾値以上である場合に、前記第3のグループ内の複数の測定データのうち、前記一の測定データとの間で最も相関係数が低い測定データを前記第3のグループにおける異常な測定データとする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記特定部は、第4のグループ内の複数の測定データのうち、前記対象時点での自己共分散が最も大きい測定データ、または、自己相関が最も低い測定データを、前記第4のグループにおける異常な測定データとする、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記特定部は、第5のグループ内の各測定データのうち、基準時点と前記対象時点との間で差異が最も大きい測定データを、当該第5のグループにおける異常な測定データとし、前記第5のグループに含まれない2種類以上の測定データのデータセットについての各取得時点のうち、前記対象時点でのデータセットに対して最も近似度が高いデータセットの取得時点を前記基準時点とする、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記供給部は、グループごとに何れか一種類の測定データを選択した任意の組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力する前記モデルに対し、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する、請求項1から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのグループに含まれる各測定データを正規化する正規化部をさらに備え、
前記供給部は、前記モデルに対し、前記正規化部により正規化され、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データを供給する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのグループに含まれる各測定データを正規化する正規化部と、
前記正規化部により正規化された各グループの測定データと、前記状態指標値とを含む学習データを用いて前記モデルの学習処理を行う学習処理部と、
をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記供給部は、各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に設けられる複数の前記モデルであって、対応する組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力する複数の前記モデルのうち、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データの組み合わせパターンに対応する前記モデルに対し、当該異常な測定データをそれぞれ供給する、請求項1から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力する前記モデルの学習処理を行う学習処理部をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、
前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、
各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記対象の状態の良否を示す状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部と、
を備える装置。
【請求項15】
前記グループ情報取得部は、
前記複数種類の測定データにおける測定データの組み合わせごとに相関係数を算出する算出部と、
基準相関係数よりも相関係数が高い組み合わせの測定データ同士をグループ化するグループ化部と、
グループ化された測定データのグループを示す前記グループ情報を生成する生成部と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記グループ情報は、前記複数種類の測定データのうち、他の各測定データに対する相関が基準よりも低い測定データそれぞれを、別々のグループとして示す、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得段階と、
前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得段階と、
前記グループ情報で示されるグループごとに、前記測定データ取得段階により取得される測定データのうち、異常な測定データを特定する特定段階と、
前記グループ情報で示されるグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記特定段階によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する供給段階と、
前記モデルから出力される前記状態指標値に応じた信号を出力する出力段階と、
を備える方法。
【請求項18】
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得段階と、
前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得段階と、
各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記対象の状態の良否を示す状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理段階と、
を備える方法。
【請求項19】
コンピュータを、
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、
前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、
前記グループ情報で示されるグループごとに、前記測定データ取得部により取得される測定データのうち、異常な測定データを特定する特定部と、
前記グループ情報で示されるグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する供給部と、
前記モデルから出力される前記状態指標値に応じた信号を出力する出力部
として機能させるプログラム。
【請求項20】
コンピュータを、
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、
前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、
各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記対象の状態の良否を示す状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「出力部12cは、収集部12aによって収集されたセンサデータを入力として、各モデルを用いて各検知対象機器20の異常度合いをそれぞれ出力する」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第6453504号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、前記グループ情報で示されるグループごとに、前記測定データ取得部により取得される測定データのうち、異常な測定データを特定する特定部と、前記グループ情報で示されるグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する供給部と、前記モデルから出力される前記状態指標値に応じた信号を出力する出力部と、を備えてよい。
【0004】
装置は、前記状態指標値の対象時点を指定する指定部をさらに備えてよい。前記特定部は、前記対象時点における異常な測定データを特定してよい。前記供給部は、前記モデルに対し、前記対象時点における異常な測定データを供給してよい。
【0005】
前記特定部は、第1のグループ内の複数の測定データのうち、前記対象時点を含む基準期間での平均変化率と、前記対象時点での変化率との差が最も大きい測定データを、前記第1のグループにおける異常な測定データとしてよい。
【0006】
前記特定部は、前記対象時点での第2のグループ内の複数の測定データのうち、前記供給部により別々に前記モデルに供給される場合に最も不良な前記状態指標値を前記モデルから出力させる測定データを、前記第2のグループにおける異常な測定データとしてよい。
【0007】
前記特定部は、前記対象時点を含む基準期間において、第3のグループ内の複数の測定データのうち一の測定データと、他の各測定データとの相関係数がそれぞれ閾値未満である場合に、当該一の測定データを前記第3のグループにおける異常な測定データとしてよい。
【0008】
前記特定部は、3種類以上の測定データを含むグループを前記第3のグループとし、前記第3のグループ内の複数の測定データのうち前記一の測定データと、他の何れかの測定データとの相関係数が閾値以上である場合に、前記第3のグループ内の複数の測定データのうち、前記一の測定データとの間で最も相関係数が低い測定データを前記第3のグループにおける異常な測定データとしてよい。
【0009】
前記特定部は、第4のグループ内の複数の測定データのうち、前記対象時点での自己共分散が最も大きい測定データ、または、自己相関が最も低い測定データを、前記第4のグループにおける異常な測定データとしてよい。
【0010】
前記特定部は、第5のグループ内の各測定データのうち、基準時点と前記対象時点との間で差異が最も大きい測定データを、当該第5のグループにおける異常な測定データとし、前記第5のグループに含まれない2種類以上の測定データのデータセットについての各取得時点のうち、前記対象時点でのデータセットに対して最も近似度が高いデータセットの取得時点を前記基準時点としてよい。
【0011】
上記何れかの装置において前記供給部は、グループごとに何れか一種類の測定データを選択した任意の組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力する前記モデルに対し、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給してよい。
【0012】
上記の装置は、少なくとも1つのグループに含まれる各測定データを正規化する正規化部をさらに備えてよい。前記供給部は、前記モデルに対し、前記正規化部により正規化され、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データを供給してよい。
【0013】
上記の装置は、少なくとも1つのグループに含まれる各測定データを正規化する正規化部をさらに備えてよい。装置は、前記正規化部により正規化された各グループの測定データと、前記状態指標値とを含む学習データを用いて前記モデルの学習処理を行う学習処理部をさらに備えてよい。
【0014】
上記何れかの装置において前記供給部は、各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に設けられる複数の前記モデルであって、対応する組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力する複数の前記モデルのうち、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データの組み合わせパターンに対応する前記モデルに対し、当該異常な測定データをそれぞれ供給してよい。
【0015】
上記の装置は、各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力する前記モデルの学習処理を行う学習処理部をさらに備えてよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、装置が提供される。装置は、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記対象の状態の良否を示す状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部と、を備えてよい。
【0017】
上記何れかの装置において、前記グループ情報取得部は、前記複数種類の測定データにおける測定データの組み合わせごとに相関係数を算出する算出部を有してよい。前記グループ情報取得部は、基準相関係数よりも相関係数が高い組み合わせの測定データ同士をグループ化するグループ化部を有してよい。前記グループ情報取得部は、グループ化された測定データのグループを示す前記グループ情報を生成する生成部を有してよい。
【0018】
上記何れかの装置において、前記グループ情報は、前記複数種類の測定データのうち、他の各測定データに対する相関が基準よりも低い測定データそれぞれを、別々のグループとして示してよい。
【0019】
本発明の第3の態様においては、方法が提供される。方法は、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得段階と、前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得段階と、前記グループ情報で示されるグループごとに、前記測定データ取得段階により取得される測定データのうち、異常な測定データを特定する特定段階と、前記グループ情報で示されるグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記特定段階によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する供給段階と、前記モデルから出力される前記状態指標値に応じた信号を出力する出力段階と、を備えてよい。
【0020】
本発明の第4の態様においては、方法が提供される。方法は、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得段階と、前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得段階と、各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記対象の状態の良否を示す状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理段階と、を備えてよい。
【0021】
本発明の第5の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、前記グループ情報で示されるグループごとに、前記測定データ取得部により取得される測定データのうち、異常な測定データを特定する特定部と、前記グループ情報で示されるグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記特定部によりグループごとに特定された異常な測定データをそれぞれ供給する供給部と、前記モデルから出力される前記状態指標値に応じた信号を出力する出力部として機能させてよい。
【0022】
本発明の第6の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する測定データ取得部と、前記複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループを示すグループ情報を取得するグループ情報取得部と、各グループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、前記対象の状態の良否を示す状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて前記状態指標値を出力するモデルの学習処理を行う学習処理部として機能させてよい。
【0023】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係るシステム1を示す。
図2】グループ情報ファイル431のデータ構造を示す。
図3】モデル435の学習処理を行う場合の装置4の動作を示す。
図4】モデル435を使用する場合の装置4の動作を示す。
図5】変形例に係るシステム1Aを示す。
図6】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
[1.システム1の構成]
図1は、本実施形態に係るシステム1を示す。システム1は、対象の状態監視を支援するものであり、対象の一例としての設備2と、装置4とを備える。
【0027】
[1.1.設備2]
設備2には、複数のセンサ20が設けられる。例えば設備2は、複数の機器21が設けられたプラントでもよいし、複数の機器21を複合させた複合装置でもよい。プラントとしては、化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。
【0028】
[1.1-1.機器21]
各機器21は、器具、機械または装置であり、例えば、設備2のプロセスにおける圧力、温度、pH、速度、流量などの少なくとも1つの物理量を制御するバルブ、ポンプ、ヒータ、ファン、モータ、スイッチ等のアクチュエータであってよい。各機器21は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上の機器21が同種でもよい。
【0029】
[1.1-2.センサ20]
各センサ20は、設備2の状態の測定を行う。センサ20は、圧力、温度、pH、速度、流量などの少なくとも1つの物理量を測定してよい。また、センサ20は、設備2の収量や、混入する不純物の割合、各機器21の運転状況などの測定を行ってもよい。各センサ20は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上のセンサ20が同種でもよい。一例として、2以上のセンサ20は、設備2内の炉における別々の位置に設けられた温度センサであってよい。複数のセンサ20により測定される複数の測定データのうち、一部の測定データは、他の測定データとの間で高い相関を示してよい。各センサ20は、測定データを装置4に供給してよい。
【0030】
なお、センサ20と、装置4との間の通信は、例えばISA(International Society of Automation:国際計測制御学会)の通信プロトコルで行われてよく、一例として無線通信プロトコルのISA100またはWireless HART(Highway Addressable Remote Transducer)(登録商標)等の少なくとも1つで行われてもよいし、有線通信プロトコルのBRAIN(登録商標)、FOUNDATION FieldbusまたはPROFIBUS等の少なくとも1つで行われてよい。
【0031】
[1.2.装置4]
装置4は、測定データを用いてモデル435の学習処理を行ってよい。これに加えて、または、これに代えて、装置4は、学習済みのモデル435を用いて設備2の監視を支援してよい。装置4は、測定データ取得部401と、前処理部402と、記憶部403と、入力部404と、ラベル付加部405と、グループ情報取得部406と、学習処理部407と、指定部408と、特定部409と、供給部410と、出力部411と、表示部412とを有する。
【0032】
[1.2.1.測定データ取得部401]
測定データ取得部401は、設備2の状態を示す複数種類の測定データを取得する。測定データ取得部401は、各センサ20から各種類の測定データを逐次取得してよい。測定データ取得部401は、各センサ20によって予め測定された測定データを、外部の記憶装置(図示せず)から一括して取得してもよい。センサ20が交換や故障などにより測定を行っていない場合には、測定データ取得部401は、当該センサ20からの測定データを取得しなくてよい。測定データの種類は、本実施形態では一例としてセンサ20毎に異なってよいが、対象とする物理量によって異なってもよい。
【0033】
測定データ取得部401は、取得した測定データに測定時間と、測定データの識別情報(測定データID、タグとも称する)とを付加してよい。測定データIDは、測定したセンサ20の識別情報であってもよい。測定データの測定時間は、当該測定データが測定された時間であってもよいし、測定データ取得部401による測定データの取得時間であってもよい。測定時間および測定データIDは、センサ20から供給される測定データに予め付加されていてもよい。測定データ取得部401は、取得した測定データを、前処理部402を介して測定データファイル430に格納してよい。
【0034】
[1.2.2.前処理部402]
前処理部402は、測定データに対し、いわゆる前処理を行う。前処理部402は、前処理後の測定データを記憶部403の測定データファイル430に格納してよい。これに加えて、または、これに代えて、前処理部402は、測定データファイル430に格納された測定データを読み出して前処理を行い、前処理後の測定データとして測定データファイル430に格納してもよい。本実施形態では一例として、前処理後の測定データが後述のグループ情報取得部406、学習処理部407、特定部409および供給部410により読み出されてよい。
【0035】
前処理部402により行われる前処理は、従来より公知の外れ値処理、正規化処理、または欠損値処理のうち、少なくとも1つであってもよいし、これに加えて、または、これに代えて、他の前処理を行ってもよい。外れ値処理は、測定データの外れ値を除外する処理であってもよいし、各種類の測定データに対して予め設定された範囲内の値に外れ値を修正する処理であってもよい。正規化処理は、種類ごとの測定データを、複数種類の測定データの間で共通の範囲内の値にそれぞれ修正する処理(一例として0~1の範囲にスケーリングする処理)であってよい。正規化処理は、測定データの平均を0、分散を1にスケーリングする処理、つまり標準化処理を含んでもよい。欠損値処理は、一の測定データが欠損している場合に、当該一の測定データと同じ測定時間が付加された他の測定データを削除する処理であってもよいし、当該一の測定データを補完する処理であってもよい。
【0036】
[1.2.3.記憶部403]
記憶部403は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部403は、測定データファイル430と、グループ情報ファイル431と、複数のモデル435とを記憶してよい。
【0037】
[1.2.3-1.測定データファイル430]
測定データファイル430は、測定データ取得部401から供給される測定データを格納する。測定データには前処理部402によって前処理が行われていてもよい。
【0038】
[1.2.3-2.グループ情報ファイル431]
グループ情報ファイル431は、測定データ取得部401により取得される複数種類の測定データのうち、基準よりも相関の高い測定データ同士のグループ(測定データグループとも称する)を示すグループ情報を格納する。なお、同じ測定データグループに含まれる測定データ同士であっても、何れかの測定データが相対的に異常となり、一時的に相関が低くなることはあり得る。
【0039】
グループ情報は、複数種類の測定データのうち、他の各測定データに対する相関が基準よりも低い測定データそれぞれを、別々の測定データグループ、つまり単一要素の測定データグループとして示してよい。グループ情報は、後述のグループ情報取得部406から供給されてよい。
【0040】
[1.2.3-3.モデル435]
各モデル435は、グループ情報で示される測定データグループごとに何れか一種類の測定データが入力されることに応じて、設備2の状態の良否を示す状態指標値を出力する。本実施形態においては一例として、各モデル435は、各測定データグループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に設けられてよく、対応する組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて状態指標値を出力してよい。各モデル435には、対応する組み合わせパターンの識別情報(パターンIDとも称する)が付加されてよい。
【0041】
ここで、各モデル435は、設備2の状態が良好であることを示す値と、不良であることを示す値とで2値化されていない状態指標値(ヘルスインデックスとも称する)を出力してよい。例えば、モデル435は、設備2の状態が良であることを示す値、および設備2の状態が不良であることを示す値の2値を用いて学習したものであってよく、閾値との比較による2値化前の状態指標値を出力してよい。本実施形態では一例として、設備2の状態が良好である場合(または良好に近い場合)には状態指標値は正の値であってよく、設備2の状態が不良である場合(または不良に近い場合)には状態指標値は負の値であってよい。モデル435は、例えばサポートベクトルマシンであってよいが、ロジスティック回帰や決定木、ニューラルネットワークなどの他のアルゴリズムによる学習済みのモデルであってもよい。モデル435は、線形モデルであってよい。
【0042】
[1.2.4.入力部404]
入力部404は、オペレータからの操作入力を受ける。
【0043】
入力部404は、測定データが表示されている場合に、測定データに対して設備2の状態の良否を示すラベルを付加する旨の操作を受けてよい。入力部404は、操作が行われた旨の信号をラベル付加部405に供給してよい。
【0044】
入力部404は、モデル435に出力させる状態指標値の対象時点を指定する旨の操作を受けてもよい。対象時点は現在の時点でもよいし、過去の時点でもよい。入力部404は、操作が行われた旨の信号を指定部408に供給してよい。
【0045】
[1.2.5.ラベル付加部405]
ラベル付加部405は、オペレータの操作に応じて、各測定データに対し、設備2の状態の良否を示すラベルを付加する。ラベル付加部405は、測定データファイル430内の該当の測定データに対し、良好な状態または不良な状態であったことを示すラベルを付加してよい。ラベル付加部405によって付加されるラベルは、学習処理部407による学習処理で用いられてよい。
【0046】
[1.2.6.グループ情報取得部406]
グループ情報取得部406は、グループ情報を取得する。グループ情報取得部406は、取得したグループ情報を記憶部403のグループ情報ファイル431に格納してよい。
【0047】
グループ情報取得部406は、グループ情報を生成してよい。本実施形態においては一例として、グループ情報取得部406は、算出部461と、グループ化部462と、生成部463とを有してよい。
【0048】
[1.2.6-1.算出部461]
算出部461は、測定データ取得部401により取得される複数種類の測定データにおける測定データの組み合わせごとに、相関係数を算出する。算出部461は、測定データファイル430内に格納された全期間の測定データのうち、少なくとも一部の期間(相関係数の算出対象期間とも称する)の測定データを用いて相関係数を算出してよい。相関係数は、2つのデータの相関を示す指標であり、-1~+1の範囲内の値であってよい。相関係数の算出対象期間はオペレータによって任意に指定されてよく、一例として、測定データファイル430内の測定データの全測定期間を等分した何れかの期間であってよい。算出部461は、各組み合わせについての相関係数をグループ化部462に供給してよい。
【0049】
[1.2.6-2.グループ化部462]
グループ化部462は、基準相関係数よりも相関係数が高い組み合わせの測定データ同士をグループ化する。グループ化部462は、一の測定データと、当該一の測定データに対する相関係数が基準相関係数よりも高い各測定データとを、同じ測定データグループとしてよい。グループ化部462は、基準相関係数よりも相関係数の高い他の測定データが存在しない測定データのそれぞれ、つまり他の各測定データに対する相関係数が基準相関係数よりも低い測定データのそれぞれを別々の測定データグループとしてよい。基準相関係数は予め設定される固定値(一例として0.9以上の値や、0.95以上の値)であってもよいし、オペレータにより任意に変更される値であってもよい。
【0050】
グループ化部462は、グループ化の結果を生成部463に供給してよい。一例として、グループ化部462は、グループ化された測定データの測定データIDを、測定データグループごとに生成部463に供給してよい。
【0051】
[1.2.6-3.生成部463]
生成部463は、グループ化部462によりグループ化された測定データグループを示すグループ情報を生成する。生成部463は、測定データグループに含まれる各測定データの測定データIDを互いに対応付けてグループ情報を生成してよい。生成部463は、測定データグループの識別情報(グループIDとも称する)をグループ情報に付加してよい。生成部463は、他の各測定データに対する相関が基準よりも低い測定データのグルプのグループIDを、当該測定データの測定データIDとしてもよい。生成部463は、生成したグループ情報をグループ情報ファイル431に格納してよい。
【0052】
[1.2.7.学習処理部407]
学習処理部407は、各測定データグループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎にモデル435の学習処理を行う。学習処理部407は、組み合わせパターンに含まれる各測定データと、状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて状態指標値を出力するモデル435(本実施形態では一例として、組み合わせパターンのパターンIDに対応するモデル435)の学習処理を行ってよい。学習処理部407は、測定データの組み合わせパターンの違いによる状態指標値の差異が任意の範囲(一例として標準誤差の範囲)となるよう各モデル435の学習処理を行ってよい。
【0053】
学習データに含まれる状態指標値の値は、ラベル付加部405により測定データに付加されたラベルに応じた二値の値であってよい。本実施形態では一例として学習データに含まれる状態指標値の値は、良好な状態を示すラベルが測定データに付加されている場合には「1」であってよく、不良な状態を示すラベルが測定データに付加されている場合には「-1」であってよい。
【0054】
[1.2.8.指定部408]
指定部408は、モデル435に出力させる状態指標値の対象時点を指定する。指定部408は、オペレータの操作に応じて対象時点を指定してよい。指定部408は、指定された対象時点を示す情報を特定部409に供給してよい。
【0055】
[1.2.9.特定部409]
特定部409は、グループ情報で示される測定データグループごとに、測定データ取得部401により取得される測定データのうち、異常な測定データ(異常測定データとも称する)を特定する。異常測定データは、測定データグループ内の他の測定データとの間で相対的に異常な測定データであってよい。特定部409は、対象時点における異常測定データを特定してよい。
【0056】
本実施形態では一例として、特定部409は、第1の測定データグループ内の複数の測定データのうち、対象時点を含む基準期間での平均変化率と、対象時点での変化率との差が最も大きい測定データを、第1の測定データグループにおける異常測定データとしてよい。これにより、対象時点において最も異常な挙動を示した測定データが異常測定データとして特定される。
【0057】
対象時点での測定データの変化率とは、対象時点での測定データと、対象時点よりも1つ前の測定時点での測定データとの変化率であってよい。また、対象時点を含む基準期間での測定データの平均変化率は、基準期間内に測定された測定データのうち、前後のタイミングで測定された測定データ同士の各変化率の平均値であってよい。特定部409は、各種の測定データを移動平均などによって時間軸方向に平滑化してから変化率を算出してよい。
【0058】
基準期間は、測定データの測定タイミングを複数含む任意の長さの期間であってよい。基準期間は相関係数の算出対象期間よりも短い期間であってよい。基準期間は、対象時点を起点に含んでもよいし、終点に含んでもよいし、起点から終点までの間に含んでもよい。
【0059】
特定部409は、2種類以上の測定データを含む測定データグループを第1の測定データグループとしてよい。特定部409は、1種類の測定データのみを含む測定データグループについては、当該測定データを異常測定データとしてよい。
【0060】
特定部409は、測定データグループごとの異常測定データの測定データIDと、対象時点を示す情報とを供給部410に供給してよい。
【0061】
[1.2.10.供給部410]
供給部410は、モデル435に対し、特定部409により測定データグループごとに特定された異常測定データをそれぞれ供給する。供給部410は、モデル435に対し、対象時点における異常測定データを供給してよい。
【0062】
ここで、本実施形態では一例として、装置4には複数のモデル435が設けられている。そのため、供給部410は、これら複数のモデル435のうち、特定部409により測定データグループごとに特定された異常測定データの組み合わせパターンに対応するモデル435に対して、当該異常測定データをそれぞれ供給してよい。本実施形態では一例として、供給部410は、異常測定データの組み合わせパターンのパターンIDに対応するモデル435に対して異常測定データをそれぞれ供給してよい。
【0063】
供給部410は、出力部411に対して測定データをさらに供給してよい。供給部410は、対象時点を含む期間(一例として上述の基準期間)の測定データを出力部411に供給してよい。出力部411に供給される測定データは、異常測定データであってもよいし、異常測定データとは異なる測定データであってもよい。
【0064】
[1.2.11.出力部411]
出力部411は、モデル435から出力される状態指標値に応じた信号を出力する。出力部411は表示制御部であってよく、表示部412に対して表示制御信号を出力してよい。一例として、出力部411は、状態指標値をそのまま表示部412に表示させてよい。これに加えて、または、これに代えて、出力部411は、設備2の状態が良好であることを示す状態指標値がモデル435から出力されることに応じて、設備2の状態が良好である旨を表示部412に表示させてよい。出力部411は、設備2の状態が不良であることを示す状態指標値がモデル435から出力されることに応じて、設備2の状態が不良である旨を表示部412に表示させてよい。
【0065】
出力部411は、供給部410から測定データが供給される場合には、当該測定データを状態指標値と併せて表示部412に表示させてもよい。一例として、出力部411は、状態指標値および測定データを表示部412の同一画面に表示させてもよいし、別々の画面に表示させてもよい。
【0066】
[1.2.12.表示部412]
表示部412は、出力部411からの制御によって表示を行う。なお、本実施形態においては一例として、表示部412は装置4に具備されているが、装置4に外部接続されてもよい。
【0067】
以上のシステム1における装置4によれば、相関の高い測定データグループごとに何れかの異常な測定データがモデル435に入力され、これに応じて当該モデル435から出力される状態指標値に応じた信号が出力される。従って、測定データグループごとに測定データを選択せずに全ての測定データをモデル435に入力して状態指標値を出力させる場合と比較して、モデル435による演算の負荷や、モデル435の学習処理の負荷を軽減することができる。また、測定データグループ内の測定データのうち、異常測定データとは異なる測定データがモデル435に入力される場合と異なり、設備2の異常を確実に検知することができる。また、取得された測定データ内で異常測定データを特定するので、センサ20の故障などによって一部の測定データが取得できない場合であっても、モデル435に入力するべき測定データを取得できなくなってしまう事態を回避し、設備2の状態を確実に検知することができる。
【0068】
また、指定された対象時点における異常測定データが特定されてモデル435に供給されるので、対象時点での設備2の状態を検知することができる。
【0069】
また、第1の測定データグループ内の複数の測定データのうち、対象時点を含む基準期間での平均変化率と、対象時点での変化率との差が最も大きい測定データが、第1の測定データグループにおける異常測定データとされる。従って、設備2を不良な状態にし得る異常測定データを第1の測定データグループ内で精度よく特定することができる。
【0070】
また、異常測定データの組み合わせパターンに対応するモデル435に対し、当該異常測定データがそれぞれ供給されるので、対応しないモデル435に異常測定データが供給される場合と異なり、設備2の状態を精度よく検知することができる。
【0071】
また、各測定データグループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎にモデル435の学習処理が行われる。従って、異常測定データの組み合わせパターンによらず設備2の状態を検知することができる。
【0072】
また、複数種類の測定データにおける測定データの組み合わせごとに相関係数が算出され、基準相関係数よりも相関係数が高い組み合わせの測定データ同士がグループ化されてグループ情報が生成される。従って、相関の高い測定データ同士をグループ化したグループ情報を生成することができる。
【0073】
また、グループ情報は複数種類の測定データのうち、他の各測定データに対する相関が基準よりも低い測定データそれぞれを別々の測定データグループとして示す。従って、単一要素の測定データグループを構成する測定データをモデル435の入力データに含め、設備2の状態を精度よく検知することができる。
【0074】
[2.グループ情報ファイル]
図2は、グループ情報ファイル431のデータ構造を示す。なお、本図では一例として、測定データの種類を12個としている。
【0075】
グループ情報ファイル431は、各測定データの測定データIDに対し、当該測定データに対して基準よりも相関の高い他の測定データ(強相関の測定データとも称する)の測定データIDを対応付けて、グループ情報として記憶してよい。また、グループ情報ファイル431は、各測定データグループのグループ情報にグループIDを対応付けて記憶してよい。図2では一例として、測定データXa,Xc,Xd,Xg(それぞれ測定データID「Xa」,「Xc」,「Xd」,「Xg」の測定データとも称する)が測定データグループG1(グループID「G1」の測定データグループとも称する)に含まれることが示されている。また、測定データXfが単独で測定データグループG3に含まれることが示されている。
【0076】
なお、図2では、測定データグループ毎に、当該測定データグループに含まれる測定データの数、別言すれば、測定データグループから選択し得る測定データのパターン数が示されている。これらのパターン数を総乗した値「24」は、測定データグループごとに任意の測定データを選択した場合の組み合わせパターンの総数、ひいてはモデル435の数を示してよい。
【0077】
[3.動作]
[3.1.学習段階の動作]
図3は、モデル435の学習処理を行う場合の装置4の動作を示す。装置4は、ステップS11~S19の処理により各モデル435の学習処理を行う。
【0078】
ステップS11において測定データ取得部401は、設備2の状態を示す複数種類の測定データを取得する。本実施形態では一例として、測定データ取得部401は、各センサ20によって予め測定された測定データを、外部の記憶装置(図示せず)から一括して取得してよい。
【0079】
ステップS13において前処理部402は、取得された測定データに対して前処理を行う。前処理部402は、従来より公知の外れ値処理、正規化処理、または欠損値処理のうち、少なくとも1つを測定データに行ってもよいし、これに加えて、または、これに代えて、他の前処理を行ってよい。前処理部402は、前処理後の測定データを測定データファイル430に格納してよい。
【0080】
ステップS15においてラベル付加部405は、オペレータの操作に応じて、測定データファイル430の各測定データに対し、当該測定データの測定時点において設備2の状態が良否の何れであったかを示すラベルを付加する。ラベル付加部405は、設備2が良好な状態であった期間に測定された測定データに対し、良好な状態であったことを示すラベルを一括して付与してよく、設備2が不良な状態であった期間に測定された測定データに対し、不良な状態であったことを示すラベルを一括して付与してよい。
【0081】
ステップS17においてグループ情報取得部406は、測定データファイル430に格納された複数種類の測定データのグループ情報を取得する。グループ情報取得部406は、複数種類の測定データにおける測定データの組み合わせごとに相関係数を算出し、基準相関係数よりも相関係数が高い組み合わせの測定データ同士をグループ化してグループ情報を生成してよい。
【0082】
また、グループ情報取得部406は、グループ情報で示される各測定データグループから一種類ずつ測定データを選択した場合の各組み合わせパターンにパターンIDを対応付けてパターンデータを生成してよい。一例として、上述の図2に示すグループ情報が取得された場合には、測定データグループG1~G6のそれぞれから一種類の測定データを選択した計24個の組み合わせパターンのそれぞれに対し、パターンIDが対応付けられてよい。生成されたパターンデータは記憶部403に格納されてよい。
【0083】
ステップS19において学習処理部407は、各測定データグループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターン毎に、当該組み合わせパターンに含まれる各測定データと、状態指標値とを含む学習データを用いて、当該組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて状態指標値を出力するモデル435の学習処理を行う。学習処理部407は、ステップS17で生成されたパターンデータで示される組み合わせパターンごとに、当該パターンデータで示される各測定データを含む学習データを用いて、別々のモデル435の学習処理を行ってよい。一例として、ステップS17において上述の図2に示すグループ情報が取得された場合には、学習処理部は、計24個の組み合わせパターンの測定データを用いて、24個のモデル435の学習処理を行ってよい。
【0084】
これにより、各組み合わせパターンに対応するモデル435が生成される。学習処理部407は、各モデル435に対し、当該モデル435に対応する組み合わせパターンのパターンIDを付加してよい。
【0085】
[3.2.運用段階の動作]
図4は、モデル435を使用する場合の装置4の動作を示す。装置4は、ステップS31~S43の処理により設備2の監視を支援する。なお、この動作は設備2が起動されることに応じて開始してよい。また、動作の開始時点においては上述のステップS17において取得されたグループ情報と、上述のステップS19により生成された各モデル435とが予め記憶部403に記憶されていてよい。
【0086】
ステップS31において測定データ取得部401は、設備2の状態を示す複数種類の測定データを取得する。本実施形態では一例として、測定データ取得部401は、各センサ20から逐次、測定データを取得してよい。
【0087】
ステップS33において前処理部402は、取得された測定データに対して前処理を行う。前処理部402は、上述のステップS13と同様にして前処理を行ってよい。
【0088】
ステップS35において装置4は、対象時点の指定操作が行われるか否かを判定する。指定操作が行われたと判定した場合(ステップS35;Yes)にはステップS35に処理が移行してよい。指定操作が行われないと判定した場合(ステップS35;No)にはステップS31に処理が移行してよい。
【0089】
ステップS37において指定部408は対象時点を指定する。指定部408は、オペレータの操作に応じて対象時点を指定してよい。指定部408は、現時点を指定してもよいし、過去の時点を指定してもよい。
【0090】
ステップS39において特定部409はグループ情報で示される測定データグループごとに、ステップS31の処理で取得される測定データ内で異常測定データを特定する。例えば、上述の図2のグループ情報がグループ情報取得部406により取得されている場合には、特定部409は、グループIDが「G1」~「G6」の測定データグループそれぞれから、何れかの測定データを異常測定データとして特定してよい。特定部409は、対象時点における異常測定データを特定してよい。
【0091】
ステップS41において供給部410は、測定データグループごとに特定された異常測定データをそれぞれモデル435に供給する。供給部410は、複数のモデル435のうち、特定された異常測定データの組み合わせパターンのパターンIDが付加されたモデル435を検出し、当該モデル435に対して対象時点における各異常測定データを供給してよい。本実施形態では一例として、供給部410は、上述のステップS17で記憶部403に格納されたパターン情報を参照することにより、異常測定データの組み合わせに対応するパターンIDを特定し、当該パターンIDに対応するモデル435に対して異常測定データをそれぞれ供給してよい。
【0092】
これに加えて、供給部410は、他の組み合わせパターンに対応するモデル435に対し、当該他の組み合わせパターンに含まれる測定データをそれぞれ供給してよい。他の組み合わせパターンは、予め定められたデフォルトの組み合わせパターンであってよい。供給部410は、他の組み合わせパターンに対応するモデル435に対し、対象時点における各測定データを供給してよい。
【0093】
ステップS43において出力部411は、モデル435から出力される状態指標値に応じた信号を出力する。一例として、出力部411は、状態指標値を表示部412に表示させると共に、設備2の状態が良否の何れであるかを表示部412に表示させてよい。
【0094】
なお、ステップS41において他の組み合わせパターンに対応するモデル435に対しても測定データがそれぞれ供給される場合には、出力部411は、当該モデル435から出力される状態指標値にも応じた信号を出力してよい。例えば、出力部411は、異常測定データの組み合わせパターンに対応するモデル435から出力される状態指標値と、他の組み合わせパターンに対応するモデル435から出力される状態指標値とのうち、より不良な状態を示す状態指標値に応じた信号を出力してよい。出力部411は、オペレータの選択操作に応じて、2つの状態指標値に応じた信号をそれぞれ出力してもよい。
【0095】
以上の動作によれば、測定データグループごとの異常測定データに対応するモデル435から出力される状態指標値と、他の組み合わせパターンに対応するモデル435から出力される状態指標値とに応じた信号が出力される。従って、異常測定データの特定精度が悪い場合であっても、設備2の異常を精度よく検知することができる。
【0096】
なお、上記の運用段階の動作においては、ステップS31の処理前から予め記憶部403にグループ情報が記憶されていることとして説明したが、ステップS31の処理後からステップS39の処理前の何れかのタイミングでグループ情報取得部406によりグループ情報が取得されてもよい。この場合には、ステップS31の処理によって取得された過去の測定データに基づいてグループ情報取得部406によりグループ情報が生成されてよい。
【0097】
[4.システム1の変形例]
図5は、変形例に係るシステム1Aを示す。システム1Aは装置4Aを備え、装置4Aは前処理部402Aと、記憶部403Aと、学習処理部407Aと、供給部410Aとを有する。
【0098】
[4.1.前処理部402A]
前処理部402Aは、正規化部の一例であり、少なくとも1つの測定データグループに含まれる各測定データを正規化する。正規化は、各種類の測定データの平均を0、分散を1にする標準化を含んでもよい。
【0099】
ここで、グループ情報取得部406によりグループ情報が取得されていない場合には、前処理部402Aは、全種類の測定データに対して共通に設定された範囲内の値に測定データをそれぞれ修正(スケーリングとも称する)してよい。別言すれば、前処理部402Aは、全測定データグループで共通の範囲内に測定データをそれぞれ正規化してよい。
【0100】
グループ情報取得部406によりグループ情報が取得されている場合には、前処理部402Aは、2種類以上の測定データを含む各測定データグループに含まれる測定データをそれぞれ正規化してよい。一例として、前処理部402Aは、2種類以上の測定データを含む各測定データグループに含まれる測定データそれぞれを、当該測定データグループに設定された範囲内の値に修正してよい。前処理部402Aは、1種類の測定データのみを含む測定データグループの測定データに対しては、当該測定データグループ内での正規化を行ってもよいし、行わなくてもよい。これに代えて、なお、前処理部402Aは、グループ情報取得部406によりグループ情報が取得されている場合にも、グループ情報取得部406によりグループ情報が取得されていない場合と同様にして正規化を行ってもよい。
【0101】
前処理部402Aは、記憶部403の測定データファイル430に格納された測定データを読み出して正規化を行い、正規化後の測定データとして測定データファイル430に格納してよい。本変形例では正規化後の測定データが少なくとも学習処理部407Aおよび供給部410Aにより読み出されてよい。前処理部402Aは、上述の前処理部402と同様の外れ値処理または欠損値処理の少なくとも一方を、測定データに対してさらに行ってもよいし、これに加えて、または、これに代えて、他の前処理を行ってもよい。
【0102】
[4.2.記憶部403A]
記憶部403Aは、単一のモデル435Aを記憶する。モデル435Aは、測定データグループごとに何れか一種類の測定データを選択した任意の組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて状態指標値を出力する。モデル435Aは、上述のモデル435と同様に、設備2の状態が良好であることを示す値と、不良であることを示す値とで2値化されていない状態指標値を出力してよい。モデル435Aは、例えばサポートベクトルマシンであってよいが、ロジスティック回帰や決定木、ニューラルネットワークなどの他のアルゴリズムによる学習済みのモデルであってもよい。モデル435は、線形モデルであってよい。
【0103】
[4.3.学習処理部407A]
学習処理部407Aは、モデル435Aの学習処理を行う。学習処理部407Aは、前処理部402Aにより正規化された各測定データグループの測定データと状態指標値とを含む学習データを用いてモデル435Aの学習処理を行ってよい。なお、1種類の測定データのみを含む測定データグループの測定データは正規化されていなくてもよい。学習処理部407Aは、測定データの組み合わせパターンの違いによる状態指標値の差異が任意の範囲(一例として標準誤差の範囲)となるようモデル435Aの学習処理を行ってよい。
【0104】
学習データは、測定データグループごとに少なくとも1種類の測定データを含んでよい。一例として、上述の図2に示すグループ情報がグループ情報取得部406により取得されている場合には、学習データは、測定データグループG1について、測定データXa,Xc,Xd,Xgのうち、何れか1種類の測定データのみを含んでもよいし、複数種類の測定データを含んでもよい。なお、設備2の測定データを用いて学習処理部407Aにより学習処理が行われたモデル435Aは、他の設備2の状態を判定するのに用いられてよい。
【0105】
[4.4.供給部410A]
供給部410Aは、モデル435Aに対し、特定部409により測定データグループごとに特定された異常測定データをそれぞれ供給する。供給部410Aは、モデル435Aに対し、前処理部402Aにより正規化され、特定部409により特定された異常測定データを供給してよい。なお、1種類の測定データのみを含む測定データグループの測定データは正規化されていなくてもよい。供給部410Aは、モデル435Aに対し、対象時点における異常測定データを供給してよい。
【0106】
これに加えて、供給部410Aは、異常測定データの組み合わせパターンとは異なる他の組み合わせパターン(一例としてデフォルトの組み合わせパターン)の測定データをそれぞれモデル435Aに別途、供給してよい。供給部410Aは、モデル435Aに対し、対象時点における各測定データを供給してよい。
【0107】
なお、モデル435Aに対して異常測定データの組み合わせパターンとは異なる他の組み合わせパターンの各測定データが別途、供給される場合には、出力部411は、当該他の組み合わせパターンの各測定データによりモデル435Aから出力される状態指標値にも応じた信号を出力してよい。例えば、出力部411は、測定データグループごとの異常測定データによりモデル435Aから出力される状態指標値と、他の組み合わせパターンの各測定データによりモデル435Aから出力される状態指標値とのうち、より不良な状態を示す状態指標値に応じた信号を出力してもよい。出力部411は、オペレータの選択操作に応じて、各状態指標値に応じた信号をそれぞれ出力してもよい。これらの場合には、異常測定データの特定精度によらず、設備2の状態不良を精度よく検出することができる。
【0108】
以上のシステム1Aにおける装置4Aによれば、上述の装置4と同様にして、相関の高い測定データグループごとに何れかの異常な測定データがモデル435Aに入力され、これに応じて当該モデル435Aから出力される状態指標値に応じた信号が出力される。従って、測定データグループごとに測定データを選択せずに全ての測定データをモデル435Aに入力して状態指標値を出力させる場合と比較して、モデル435Aによる演算の負荷や、モデル435Aの学習処理の負荷を軽減することができる。また、測定データグループ内の測定データのうち、異常測定データとは異なる測定データがモデル435Aに入力される場合と異なり、設備2の異常を確実に検知することができる。また、取得された測定データ内で異常測定データを特定するので、センサ20の故障などによって一部の測定データが取得できない場合であっても、モデル435Aに入力するべき測定データを取得できなくなってしまう事態を回避し、設備2の状態を確実に検知することができる。
【0109】
また、測定データグループごとに何れか一種類の測定データを選択した任意の組み合わせパターンの各測定データが入力されることに応じて状態指標値を出力するモデル435Aに対し、特定された異常測定データがそれぞれ供給される。従って、異常測定データの種類によらず、設備2の状態を確実に検知することができる。
【0110】
また、少なくとも1つの測定データグループに含まれる各測定データが正規化され、測定データグループごとに特定された異常測定データがモデル435Aに供給されるので、当該測定データグループ内で何れの測定データが異常測定データとなる場合であっても、設備2の状態を精度よく検知することができる。
【0111】
また、正規化された少なくとも1つの測定データグループの各測定データと状態指標値とを含む学習データを用いてモデル435Aの学習処理が行われるので、当該測定データグループ内で何れの測定データが異常測定データとなる場合であっても精度の高い状態指標値を出力するモデル435Aを生成することができる。
【0112】
[5.異常測定データの特定手法の変形例]
なお、上記の実施形態および変形例においては、特定部409は、第1の測定データグループ内の複数の測定データのうち、対象時点を含む基準期間での平均変化率と、対象時点での変化率との差が最も大きい測定データを、第1の測定データグループにおける異常測定データとして特定することとして説明した。これに加えて、または、これに代えて、特定部409は、1または複数の他の手法を用いて異常測定データを特定してよい。
【0113】
[5.1.変形例(1)]
例えば、特定部409は、対象時点での第2の測定データグループ内の複数の測定データのうち、供給部410により別々にモデル435,435Aに供給される場合に最も不良な状態指標値をモデル435,435Aから出力させる測定データを、第2の測定データグループにおける異常測定データとしてよい。
【0114】
一例として、上述の図2に示すグループ情報がグループ情報取得部406により取得されている場合には、特定部409は、測定データグループG5について、測定データXiを含む1または複数の組み合わせパターンで各測定データをモデル435,435Aに入力した場合に出力される状態指標値と、測定データXjを含む1または複数の組み合わせパターンで各測定データをモデル435,435Aに入力した場合に出力される状態指標値とを比較してよい。モデル435,435Aに入力される各測定データグループの測定データのうち、測定データグループG5以外の測定データは、測定データXiを含む組み合わせパターンと、測定データXjを含む組み合わせパターンとで同じであってよい。特定部409は、対象時点での各種の測定データを移動平均などによって時間軸方向に平滑化してからモデル435,435Aに入力してよい。特定部409は、測定データXi,Xjのうち、より不良な状態を示す状態指標値をモデル435,435Aから出力させた測定データを異常測定データとしてよい。
【0115】
特定部409は、2種類以上の測定データを含む測定データグループを第2の測定データグループとしてよい。特定部409は、1種類の測定データのみを含む測定データグループについては、当該測定データを異常測定データとしてよい。変形例(1)の手法によれば、設備2を不良な状態にし得る異常測定データを第2の測定データグループ内で精度よく特定することができる。
【0116】
[5.2.変形例(2)]
また、特定部409は、対象時点を含む基準期間において、第3の測定データグループ内の複数の測定データのうち一の測定データと、他の各測定データとの相関係数がそれぞれ閾値未満である場合に、当該一の測定データを第3の測定データグループにおける異常測定データとしてよい。特定部409は、基準期間での各種の測定データを移動平均などによって時間軸方向に平滑化してから相関係数を算出してよい。特定部409は、3種類以上の測定データを含む測定データグループを第3の測定データグループとしてよい。一例として、上述の図2に示すグループ情報がグループ情報取得部406により取得されている場合には、測定データグループG2において測定データXbと測定データXeとの相関係数、および、測定データXbと測定データXlとの相関係数がそれぞれ閾値未満であることに応じて、測定データXbが測定データグループG2の異常測定データとされてよい。
【0117】
特定部409は、第3の測定データグループ内の複数の測定データのうち一の測定データと、他の何れかの測定データとの相関係数が閾値以上である場合に、第3の測定データグループ内の複数の測定データのうち、当該一の測定データとの間で最も相関係数が低い測定データを第3の測定データグループにおける異常測定データとしてよい。一例として、測定データグループG2において測定データXbと測定データXeとの相関係数が閾値より高く、測定データXbと測定データXlとの相関係数が閾値未満である場合には、測定データXlが測定データグループG2の異常測定データとされてよい。これにより、第3測定データグループ内の各測定データを順次、一の測定データに設定して他の測定データとの相関係数を算出する手間を省くことができるため、設備2を不良な状態にし得る異常測定データを第3の測定データグループ内で容易に特定することができる。変形例(2)の手法によれば、設備2を不良な状態にし得る異常測定データを第3の測定データグループ内で精度よく特定することができる。
【0118】
なお、相関係数の閾値は、任意に設定されてよく、基準相関係数と同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。相関係数の閾値は、測定データの組み合わせ毎に設定されてもよい。例えば、測定データファイル430に記憶された測定データXaと、測定データXbとから算出される相関係数の平均値をR、分散をσとした場合に、測定データXa,Xbの間の相関係数の閾値は、R-σであってよい。平均値Rおよび分散σを算出する期間は、相関係数の算出対象期間であってもよいし、その一部の期間であってもよい。
【0119】
[5.3.変形例(3)]
また、特定部409は、第4の測定データグループ内の複数の測定データのうち、対象時点での自己共分散が最も大きい測定データ、または、自己相関が最も低い測定データを、第4の測定データグループにおける異常測定データとしてよい。特定部409は、対象時点での自己共分散が最も大きく、かつ、自己相関が最も低い測定データを異常測定データとしてもよい。特定部409は、1種類以上の測定データを含む測定データグループを第4の測定データグループとしてよい。変形例(3)の手法によれば、設備2を不良な状態にし得る異常測定データを第4の測定データグループ内で精度よく特定することができる。
【0120】
[5.4.変形例(4)]
また、特定部409は、第5の測定データグループにおける各測定データのうち、基準時点と対象時点との間で最も差異が大きい測定データを、第5の測定データグループにおける異常測定データとしてよい。ここで、特定部409は、第5の測定データグループに含まれない2種類以上の測定データのデータセットについての各取得時点のうち、対象時点でのデータセットに対して最も近似度が高いデータセットの取得時点を基準時点としてよい。特定部409は、1種類以上の測定データを含む測定データグループを第5の測定データグループとしてよい。変形例(4)の手法によれば、設備2を不良な状態にし得る異常測定データを第5の測定データグループ内で精度よく特定することができる。
【0121】
なお、データセットに含まれる各種の測定データは、同じ測定データグループに含まれてもよいし、異なる測定データグループに含まれてもよい。データセット同士の近似度が高いとは、データセット同士の距離が近いことであってよい。
【0122】
[6.その他の変形例]
なお、上記の実施形態および変形例においては、特定部409は測定データグループ内で1種類の異常測定データを特定することとして説明したが、2種類以上の異常測定データを特定してもよい。例えば、実施形態および変形例で説明した特定手法において、該当する測定データがn種類(nは2以上の自然数)以上存在する場合には、特定部409は、これらの測定データそれぞれを、同じ測定データグループの異常測定データとしてよい。一例として、特定部409は、実施形態の特定手法において第1の測定データグループ内の複数の測定データのうち、対象時点を含む基準期間での平均変化率と、対象時点での変化率との差が最も大きい測定データが2種類存在する場合には、これらの測定データをそれぞれ第1の測定データグループにおける異常測定データとしてよい。
【0123】
同じ測定データグループ内に複数の異常測定データ(異常測定データX,…Xとも称する)が存在する場合には、装置4の供給部410は、異常測定データX,…Xのうち何れか一つの異常測定データX(但し、Nは1≦N≦nの各自然数)と、他の各測定データグループの異常測定データとの組み合わせパターンそれぞれに対応する各モデル435に対して、当該組み合わせパターンの異常測定データをそれぞれ供給してよい。また、装置4Aの供給部410Aは、同じ測定データグループの異常測定データX,…Xのうち何れか一つの異常測定データXと、他の各測定データグループの異常測定データとの組み合わせパターンごとに、当該組み合わせパターンの異常測定データをそれぞれモデル435Aに供給してよい。これらの場合に、出力部411は、モデル435,435Aから出力される各状態指標値のうち、最も不良な状態を示す状態指標値に応じた信号を出力してもよいし、オペレータの選択操作に応じて、各状態指標値に応じた信号をそれぞれ出力してもよい。
【0124】
また、グループ情報取得部406は、グループ情報を生成することとして説明したが、他の装置で生成されたグループ情報を取得してもよい。
【0125】
また、グループ情報取得部406、学習処理部407、特定部409および供給部410,410Aは、前処理部402,402Aによる前処理後の測定データを記憶部403,403Aから読み出すこととして説明したが、前処理が行われていない測定データを読み出してもよい。また、前処理部402,402Aは、前処理が行われていない測定データを記憶部403,403Aから読み出し、前処理を行ってグループ情報取得部406、学習処理部407、特定部409または供給部410,410Aの何れかに供給してもよい。
【0126】
また、装置4,4Aを別々の装置として説明したが、同一の装置としてもよい。例えば、装置4は、各測定データグループから一種類ずつ選択される測定データの組み合わせパターンの数が基準数を超える場合には、装置4Aとして機能してよい。一例として、装置4の前処理部402は前処理部402Aとして機能してよく、装置4の学習処理部407は学習処理部407Aとして機能してよく、装置4の供給部410は供給部410Aとして機能してよい。これにより、測定データの組み合わせパターン数が少ない場合には組み合わせパターンごとに別々のモデル435の学習を行い、測定データの組み合わせパターン数が多い場合には共通のモデル435Aの学習を行うことにより、学習の負荷を軽減することができる。基準数は、装置4のスペック(一例として並列処理性能)に応じて決定されてもよいし、オペレータにより任意に決定されてもよい。
【0127】
また、装置4,4Aは前処理部402,402Aと、記憶部403,403Aと、入力部404と、ラベル付加部405と、学習処理部407,407Aと、指定部408と、特定部409と、供給部410,410Aと、出力部411と、表示部412とを有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。例えば、装置4,4Aは、記憶部403,403Aを有しない場合には、外部の記憶装置と接続されてよい。装置4,4Aは、ラベル付加部405を有しない場合には、ラベルが予め付加された測定データを測定データ取得部401によって取得してもよい。装置4,4Aは、学習処理部407,407Aを有しない場合には、予め学習処理が行われたモデル435を記憶部403,403Aに記憶してもよい。装置4,4Aは、指定部408を有しない場合には、デフォルトの時点(一例として現時点)を対象時点としてよい。装置4,4Aは、特定部409や供給部410,410A、出力部411を有しない場合には、モデル435の学習処理を行ってよい。
【0128】
また、出力部411は、状態指標値に応じた表示制御信号を出力することとして説明したが、状態指標値に応じた音声信号やアラート信号などの他の種類の信号を出力してもよい。
【0129】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0130】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0131】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0132】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0133】
図6は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0134】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0135】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0136】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0137】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0138】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0139】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0140】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0141】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0142】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0143】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0144】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0145】
1 システム
2 設備
4 装置
20 センサ
21 機器
401 測定データ取得部
402 前処理部
403 記憶部
404 入力部
405 ラベル付加部
406 グループ情報取得部
407 学習処理部
408 指定部
409 特定部
410 供給部
411 出力部
412 表示部
430 測定データファイル
431 グループ情報ファイル
435 モデル
461 算出部
462 グループ化部
463 生成部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6