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特開2023-169065機能制限管理システム、モバイル端末、コンピュータプログラムおよびモバイル端末の機能制限管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169065
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】機能制限管理システム、モバイル端末、コンピュータプログラムおよびモバイル端末の機能制限管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/667 20230101AFI20231121BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20231121BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231121BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20231121BHJP
【FI】
H04N5/232 450
G03B17/00 N
G03B15/00 F
G06F21/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080537
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】緒方 哲治
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA09
5C122DA19
5C122EA07
5C122EA42
5C122GA34
5C122GC01
5C122HA26
5C122HA86
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】機能制限エリアに入場する際、機能制限エリアに応じた機能制限をモバイル端末に簡単に設定でき、更に、機能制限エリアから退場する際、機能制限エリアに入場する際にモバイル端末に設定した機能制限を簡単に解除できるようにする。
【解決手段】機能制限管理システム1は、モバイル端末2と、モバイル端末2に設定する機能制限を示す設定情報を記憶した第1のRFIDタグ3aと、モバイル端末2で解除する機能制限を示す解除情報を記憶した第2のRFIDタグ3bを含む。モバイル端末2が備える機能制限管理手段200は、第1のRFIDタグ3aから設定情報を読み出すと、設定情報で示される機能制限をモバイル端末2に設定をする処理を行い、第2のRFIDタグ3bから解除情報を読み出すと、解除情報で示されるモバイル端末2の機能制限を解除する処理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグと無線通信する手段を備えたモバイル端末と、
前記モバイル端末に設定する機能制限を示す設定情報を記憶した第1のRFIDタグと、
前記モバイル端末で解除する機能制限を示す解除情報を記憶した第2のRFIDタグから少なくとも構成され、
前記モバイル端末は、前記設定情報を読み出すと、前記設定情報で示される機能制限を前記モバイル端末に設定をする処理を行い、前記解除情報を読み出すと、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能制限を解除する処理を行う機能制限管理手段を備えている、
ことを特徴とする機能制限管理システム。
【請求項2】
前記第1のRFIDタグに記憶させる前記設定情報を、使用禁止に設定する前記モバイル端末の機能を示す情報とし、前記第2のRFIDタグに記憶させる前記解除情報を、使用禁止を解除する前記モバイル端末の機能を示す情報とし、
前記機能制限管理手段は、前記設定情報で示される機能制限を前記モバイル端末に設定をする処理として、前記設定情報で示される前記モバイル端末の機能を無効にする処理を実行し、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能制限を解除する処理として、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能を有効にする処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載した機能制限管理システム。
【請求項3】
前記第1のRFIDタグに記憶させる前記設定情報を、前記モバイル端末で有効にする機能制限モードを示す情報とし、前記第2のRFIDタグに記憶させる前記解除情報を、前記モバイル端末で無効にする機能制限モードを示す情報とし、
前記機能制限管理手段は、前記設定情報で示される機能制限を前記モバイル端末に設定をする処理として、前記設定情報で示される前記機能制限モードを前記モバイル端末で有効にする処理を実行し、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能制限を解除する処理として、前記解除情報で示される前記機能制限モードを無効する処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載した機能制限管理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載した機能制限管理システムを構成するモバイル端末。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一つに記載した機能制限管理システムを構成するモバイル端末が備える機能制限管理手段としてモバイル端末のプロセッサを動作させるコンピュータプログラム。
【請求項6】
RFIDタグと無線通信する手段を備えたモバイル端末が、前記モバイル端末に設定する機能制限を示す設定情報を記憶した第1のRFIDタグから前記設定情報を読み出すステップa、
前記モバイル端末が、前記第1のRFIDタグから読み出した前記設定情報で示される機能制限を前記モバイル端末に設定するステップb、
前記モバイル端末が、前記モバイル端末で解除する機能制限を示す解除情報を記憶した第2のRFIDタグから前記解除情報を読み出すステップc、
前記モバイル端末が、前記第2のRFIDタグから読み出した前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能制限を解除するステップd、
を含むことを特徴するモバイル端末の機能制限管理方法。
【請求項7】
前記モバイル端末は、前記ステップaにおいて、使用禁止に設定する前記モバイル端末の機能を示す前記設定情報を前記第1のRFIDタグから読み出すと、前記ステップbにおいて、前記設定情報で示される前記モバイル端末の機能を無効にし、
前記モバイル端末は、前記ステップcにおいて、使用禁止を解除する前記モバイル端末の機能を示す前記解除情報を前記第2のRFIDタグから読み出すと、前記ステップdにおいて、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能を有効にする、
ことを特徴とする請求項6に記載したモバイル端末の機能制限管理方法。
【請求項8】
前記モバイル端末は、前記ステップaにおいて、前記モバイル端末が予め有する機能制限モードを示す前記設定情報を前記第1のRFIDタグから読み出すと、前記ステップbにおいて、前記設定情報で示される前記機能制限モードを前記モバイル端末で有効にし、
前記モバイル端末は、前記ステップcにおいて、前記機能制限モードを示す前記解除情報を前記第2のRFIDタグから読み出すと、前記ステップdにおいて、前記解除情報で示される前記機能制限モードを無効する、
ことを特徴とする請求項6に記載したモバイル端末の機能制限管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、モバイル端末に機能制限を設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な用途に利用できるモバイル端末は様々な機能を備えるが、モバイル端末を使用するエリアによっては、モバイル端末に機能制限が設けられる。例えば、美術館など写真撮影を禁止しているエリアでは、モバイル端末が備えるカメラ機能の使用が禁止される。また、飛行機の中では、モバイル端末が備える無線通信機能のすべてまたは一部が禁止される。
【0003】
モバイル端末に機能制限が設けられたエリアである機能制限エリアでは、ポスターや音声などを利用して、モバイル端末に機能制限を設定することを来場者に伝達している。しかし、モバイル端末に機能制限を設定する方法を知らない人もいるため、モバイル端末の機能制限を簡単に設定できる仕組みが求められている。
【0004】
モバイル端末の機能制限に係る発明として、機能制限を設定する信号を他の機器から受信すると、この信号で指示される所定機能の実行を禁止する発明が、特許文献1で開示されている。また、ユーザ自身で機能制限を簡単に設定できるようにした発明が、特許文献2で開示されている。更に、撮影対象となる物に貼り付けた無線タグを用いて不正撮影を防止する発明が、特許文献3で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-264745号公報
【特許文献2】特開2018-160115号公報
【特許文献3】特開2007-5936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
モバイル端末の所持者が入場する機能制限エリアに応じた機能制限をモバイル端末に簡単に設定できることも必要であるが、機能制限エリアから退場する際、機能制限エリアに入場する際にモバイル端末に設定した機能制限を簡単に解除できることも必要である。
【0007】
そこで、本願では、モバイル端末の機能制限が設けられた機能制限エリアに入場する際、機能制限エリアに応じた機能制限をモバイル端末に簡単に設定でき、更に、機能制限エリアから退場する際、機能制限エリアに入場する際にモバイル端末に設定した機能制限を簡単に解除できるシステムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決する第1発明は、RFIDタグと無線通信する手段を備えたモバイル端末と、前記モバイル端末に設定する機能制限を示す設定情報を記憶した第1のRFIDタグと、前記モバイル端末で解除する機能制限を示す解除情報を記憶した第2のRFIDタグから少なくとも構成される機能制限管理システムである。
第1発明において、前記モバイル端末は、前記第1のRFIDタグから前記設定情報を読み出すと、前記設定情報で示される機能制限を前記モバイル端末に設定をする処理を行い、前記第2のRFIDタグから前記解除情報を読み出すと、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能制限を解除する処理を行う機能制限管理手段を備えている。
第1発明では、カメラ機能など、使用禁止に設定する前記モバイル端末の機能を示す情報を前記設定情報に利用でき、前記モバイル端末で無効にする機能制限モードを示す情報を前記解除情報に利用できる。この場合、前記機能制限管理手段は、前記設定情報を前記第1のRFIDタグから読み出すと、前記設定情報で示される前記モバイル端末の機能を無効にする処理を実行し、使用禁止を解除する前記モバイル端末の機能を示す前記解除情報を前記第2のRFIDタグから読み出すと、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能を有効にする処理を実行する。
また、第1発明では、機内モードなど、前記モバイル端末が予め有する機能制限モードを示す情報を前記設定情報および前記解除情報にそれぞれ利用できる。この場合、前記機能制限管理手段は、前記設定情報を前記第1のRFIDタグから読み出すと、前記設定情報で示される前記機能制限モードを前記モバイル端末で有効にする処理を実行し、前記機能制限モードを示す前記解除情報を記第2のRFIDタグから読み出すと、前記解除情報で示される前記機能制限モードを無効する処理を実行する。
【0009】
上述した課題を解決する第2発明は、第1発明に係る機能制限管理システムを構成するモバイル端末である。また、上述した課題を解決する第3発明は、第1発明に係る機能制限管理システムを構成するモバイル端末が備える機能制限管理手段としてモバイル端末のプロセッサを動作させるコンピュータプログラムである。
【0010】
上述した課題を解決する第4発明は、RFIDタグと無線通信する手段を備えたモバイル端末が、前記モバイル端末に設定する機能制限を示す設定情報を記憶した第1のRFIDタグから前記設定情報を読み出すステップa、前記モバイル端末が、前記第1のRFIDタグから読み出した前記設定情報で示される機能制限を前記モバイル端末に設定するステップb、前記モバイル端末が、前記モバイル端末で解除する機能制限を示す解除情報を記憶した第2のRFIDタグから前記解除情報を読み出すステップc、前記モバイル端末が、前記第2のRFIDタグから読み出した前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能制限を解除するステップdを含むことを特徴するモバイル端末の機能制限管理方法である。
第4発明では、カメラ機能など、使用禁止に設定する前記モバイル端末の機能を示す情報を前記設定情報に利用でき、前記モバイル端末で無効にする機能制限モードを示す情報を前記解除情報に利用できる。この場合、前記モバイル端末は、前記ステップaにおいて、使用禁止に設定する前記モバイル端末の機能を示す前記設定情報を前記第1のRFIDタグから読み出すと、前記ステップbにおいて、前記設定情報で示される前記モバイル端末の機能を無効にし、前記モバイル端末は、前記ステップcにおいて、使用禁止を解除する前記モバイル端末の機能を示す前記解除情報を前記第2のRFIDタグから読み出すと、前記ステップdにおいて、前記解除情報で示される前記モバイル端末の機能を有効にする。
また、第4発明では、機内モードなど、前記モバイル端末が予め有する機能制限モードを示す情報を前記設定情報および前記解除情報にそれぞれ利用できる。この場合、前記モバイル端末は、前記ステップaにおいて、前記モバイル端末が予め有する機能制限モードを示す前記設定情報を前記第1のRFIDタグから読み出すと、前記ステップbにおいて、前記設定情報で示される前記機能制限モードを前記モバイル端末で有効にし、前記モバイル端末は、前記ステップcにおいて、前記機能制限モードを示す前記解除情報を前記第2のRFIDタグから読み出すと、前記ステップdにおいて、前記解除情報で示される前記機能制限モードを無効する。
【発明の効果】
【0011】
本願では、モバイル端末の機能制限が要求される機能制限エリアに入場する際、設定情報を記憶した第1のRFIDタグにモバイル端末を近づけるだけで、機能制限エリアに応じた機能制限をモバイル端末に設定できる。更に、機能制限エリアから退場する際、解除情報を記憶した第2のRFIDタグにモバイル端末を近づけるだけで、機能制限エリアに入場する際にモバイル端末に設定した機能制限を解除できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】機能制限管理システムの構成を説明する図。
図2】RFIDタグを説明する図。
図3】第1のスマートポスターを説明する図。
図4】第2のスマートポスターを説明する図。
図5】モバイル端末を説明する図。
図6】モバイル端末の動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここから、本願に係る実施形態について記載する。本願に係る実施形態は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、本願発明は、これから記載する実施形態に限定されるものではない。また、特に断りのない限り、図面は、本願発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
【0014】
図1は、機能制限管理システム1の構成を説明する図である。図2は、RFIDタグ3を説明する図である。図3は、第1のスマートポスター4aを説明する図である。図4は、第2のスマートポスター4bを説明する図である。図5は、モバイル端末2を説明する図である。図6は、モバイル端末2の動作を説明する図である。
【0015】
本願に係る機能制限管理システム1は、モバイル端末2の所持者6が入場する機能制限エリア5に応じた機能制限をモバイル端末2に簡単に設定でき、更に、所持者6が機能制限エリア5から退場する際、機能制限エリア5に入場する際にモバイル端末2に設定した機能制限を簡単に解除できることを目的として発案されたシステムである。
【0016】
図1で図示した通り、本願に係る機能制限管理システム1は、RFIDタグ3から情報を読み出す手段を備えたモバイル端末2と、所定の機能制限が設けられた機能制限エリア5の入口に掲示する第1のRFIDタグ3aと、機能制限エリア5の出口に掲示する第2のRFIDタグ3bから少なくとも構成される。
【0017】
本願において、RFIDタグ3は、NFC(Near Field Communication)に対応した媒体である。図2で図示した通り、RFIDタグ3は、ICチップ31とこれに接続するアンテナコイル30を備えている。RFIDタグ3が備えるICチップ31には、モバイル端末2の機能制限に係る情報が記憶される。機能制限エリア5の入口に掲示するRFIDタグ3である第1のRFIDタグ3aには、モバイル端末2に設定する機能制限を示す設定情報が記憶される。また、機能制限エリア5の出口に掲示するRFIDタグ3である第2のRFIDタグ3bには、モバイル端末2で解除する機能制限を示す解除情報が記憶される。
【0018】
機能制限エリア5で使用を禁止するモバイル端末2の機能を示す情報を、第1のRFIDタグ3aに記憶させる設定情報に用いることができる。モバイル端末2の機能とは、OS21によって提供される機能またはアプリケーションによって提供される機能になる。OS21によって提供される機能には、移動体通信機能、カメラ機能および近距離無線通信機能などがある。アプリケーションによって提供される機能には、電話機能などがある。また、モバイル端末2が、機能制限モード(例えば、飛行機に乗車するときに設定する機内モード)を予め有している場合、機能制限モードを示す情報を、第1のRFIDタグ3aに記憶させる設定情報に用いることができる。
【0019】
解除情報は、第1のRFIDタグ3aに記憶させた設定情報で示される機能制限を解除する情報になる。機能制限エリア5で使用を禁止するモバイル端末2の機能を示す情報を設定情報に用いる場合、機能制限エリア5で使用を禁止するモバイル端末2の機能に係る機能制限を示す情報を、第2のRFIDタグ3bに記憶させる解除情報に用いる。また、機能制限モードを示す情報を設定情報に用いる場合、この機能制限モードを示す情報を解除情報に用いる。
【0020】
本願に係る実施形態において、RFIDタグ3の掲示にはスマートポスター4が利用される。スマートポスター4とは、紙のポスターにRFIDタグ3を貼り付けた媒体である。図1では、機能制限エリア5の入口に、第1のRFIDタグ3aを貼り付けた第1のスマートポスター4aがポスタースタンドを用いて掲示されている。また、機能制限エリア5の出口に、第2のRFIDタグ3bを貼り付けた第2のスマートポスター4bがポスタースタンドを用いて掲示されている。
【0021】
図3で図示した通り、第1のRFIDタグ3aを貼り付けた第1のスマートポスター4aには、機能制限エリア5(図3では、撮影禁止エリア)に入場することを告げる絵柄4a1、モバイル端末2を近づける箇所を示す絵柄4a2、および、第1のスマートポスター4aの使用方法を説明する絵柄4a3が印刷されている。図3において、第1のRFIDタグ3aは、モバイル端末2を近づける箇所を示す絵柄4a2の裏側に貼られている。
【0022】
図4で図示した通り、第2のRFIDタグ3bを貼り付けた第2のスマートポスター4bには、機能制限エリア5(図4では、撮影禁止エリア)から退場することを告げる絵柄4b1、モバイル端末2を近づける箇所を示す絵柄4b2、および、第2のスマートポスター4bの使用方法を説明する絵柄4b3が印刷されている。図4において、第2のRFIDタグ3bは、モバイル端末2を近づける箇所を示す絵柄4b2の裏側に貼られている。
【0023】
スマートポスター4では、NDEF (NFC Data Exchange Format)と呼ばれる形式をデータの形式に利用することが多い。この場合、例えば、NDEFレコードのID要素に、設定情報であることを示す情報または解除情報であることを示す情報を記憶させることができる。また、NDEFレコードのPAYLOAD要素に、設定情報の本体または解除情報の本体を記憶させることができる。
【0024】
図5で図示した通り,モバイル端末2は,モジュールとして,移動体通信モジュール22,近距離無線通信モジュール23、カメラモジュール24、位置検出モジュール25およびNFCモジュール26を備える。モジュールとは、機能に合わせて必要な要素を集積した電子部品を意味する。当然のことながら,モバイル端末2は,プロセッサおよびメモリなど,モバイル端末2として動作するために必要で図5では図示していないハードウェアを備えている。また,モバイル端末2は,プロセッサを動作させるコンピュータプログラムとして,OS21とサービスアプリケーション20(これ以降,「サービスApp20」と略す。)を備えている。
【0025】
モバイル端末2の移動体通信モジュール22は,移動体通信機能に必要な要素を集積した電子部品である。近距離無線通信モジュール23は、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信機能に必要な要素を集積した電子部品である。カメラモジュール24は、レンズ、撮像センサおよびカメラ用のプロセッサなど、カメラ機能に必要な要素を集積した電子部品である。位置検出モジュール25は、GNSS(Global Navigation Satellite System)で必要な要素など、位置検出機能に必要な要素を集積した電子部品である。NFCモジュール26は,NFCで必要な要素を集積した電子部品である。NFCの規格では、非接触ICカードとしてNFCモジュール26を機能させることもできるが、本願では,RFIDタグ3と無線通信する手段として機能させるために、RFIDタグ3から情報を読み取るリーダライタとしてNFCモジュール26を機能させる。
【0026】
モバイル端末2が備えるOS21は、モバイル端末2の動作を制御するコンピュータプログラムである。モバイル端末2が備えるOS21は、OS21の上で動作するアプリケーションに対し、モバイル端末2に実装されたモジュールを制御するためのAPI210(Application Programming Interface)を提供する。
【0027】
モバイル端末2が備えるサービスApp20は,モバイル端末2に実装されたOS21の上で動作するコンピュータプログラムである。モバイル端末2が備えるサービスApp20は,モバイル端末2で作動すると、RFIDタグ3から読みだした情報に基づいて、モバイル端末2の機能制限を制御する機能制限管理手段200として機能する。RFIDタグ3から読み出した情報が設定情報である場合、機能制限管理手段200は、設定情報で示される機能制限をモバイル端末2に設定をする処理を行う。また、RFIDタグ3から読み出した情報が解除情報である場合、機能制限管理手段200は、解除情報で示される機能制限を解除する処理を行う。
【0028】
図6は、モバイル端末2が備える機能制限管理手段200の動作を説明する図である。なお、図6の説明は、本願に係るモバイル端末2の機能制限管理方法の説明も兼ねている。
【0029】
モバイル端末2が備えるサービスApp20が起動した後、サービスApp20で所定の操作(例えば、機能制限のメニューを選択する操作)が実行されると、モバイル端末2の機能制限管理手段200が作動し(ステップS1)、モバイル端末2が備える機能制限管理手段200は、NFCモジュール26を利用してRFIDタグ3を検出する動作を行う(ステップS2)。RFIDタグ3の検出には、ポーリングコマンドと呼ばれるコマンドが利用される。モバイル端末2が備える機能制限管理手段200は、ポーリングコマンドに対するレスポンスを受信することで、モバイル端末2の近傍に存在するRFIDタグ3を検出する。
【0030】
モバイル端末2の近傍に存在するRFIDタグ3を検出すると、モバイル端末2が備える機能制限管理手段200は、NFCモジュール26を利用して、検出したRFIDタグ3から情報を読み出し(ステップS3)、RFIDタグ3から読み出した情報に従い処理を分岐する(ステップS4)。
【0031】
モバイル端末2が備える機能制限管理手段200は、RFIDタグ3から読み出した情報が設定情報である場合、すなわち、検出したRFIDタグ3が第1のRFIDタグ3aである場合、RFIDタグ3から読み出した設定情報に従う機能制限をモバイル端末2に設定する処理を実行して(ステップS5)、図6の手順に含まれるステップS2に戻る。
【0032】
設定情報が、モバイル端末2の所持者6が入場するエリアで使用を禁止するモバイル端末2の機能を示す情報である場合、機能制限管理手段200は、API210を利用して、設定情報で示されるモバイル端末2の機能を無効にする処理を実行する。また、設定情報が機能制限モードを示す情報である場合、機能制限管理手段200は、API210を利用して、設定情報で示される機能制限モードをモバイル端末2で有効する処理を実行する。
【0033】
モバイル端末2が備える機能制限管理手段200は、図6の手順に含まれるステップS3においてRFIDタグ3から読み出した情報が解除情報である場合、すなわち、検出したRFIDタグ3が第2のRFIDタグ3bである場合、RFIDタグ3から読み出した解除情報に従い、モバイル端末2に設定された機能制限を解除する処理を実行して(ステップS6)、図6の手順に含まれるステップS2に戻る。なお、図6で図示した手順は、サービスApp20が終了することで終了する。
【0034】
解除情報が、モバイル端末2の所持者6が入場する機能制限エリア5で使用を禁止するモバイル端末2の機能を解除することを示す情報である場合、機能制限管理手段200は、API210を利用して、解除情報で示されるモバイル端末2の機能を有効にする処理を実行する。また、解除情報が、機能制限モードを解除することを示す情報である場合、機能制限管理手段200は、API210を利用して、解除情報で示される機能制限モードを解除する処理を実行する。
【0035】
ここから、本願に係る機能制限管理システム1を不正撮影防止に適用した例について説明する。本願に係る機能制限管理システム1を不正撮影防止に適用する場合、機能制限エリア5は、美術館など、写真撮影が禁止されたエリアになる。写真撮影が禁止されたエリアへの入場にはチケットが必要になることが多いため、チケットを管理するアプリケーションに、本願に係るサービスApp20を適用することが好適である。
【0036】
本願に係る機能制限管理システム1を不正撮影防止に適用する場合、モバイル端末2で制限される機能はカメラ機能になる。この場合、第1のRFIDタグ3aは、カメラ機能の使用禁止を示す設定情報を記憶し、第2のRFIDタグ3bは、カメラ機能の使用禁止を解除することを示す解除情報を記憶する。
【0037】
本願に係る機能制限管理システム1を不正撮影防止に適用する場合、機能制限管理手段200は、図6のステップS3において設定情報を読み取ると、図6のステップS5においてモバイル端末2のカメラ機能を無効にする処理を実行する。モバイル端末2のカメラ機能を無効にするとは、カメラモジュール24を論理的にOS21から取り外すことを意味する。また、機能制限管理手段200は、図6のステップS3において解除情報を読み取ると、図6のステップS5においてモバイル端末2のカメラ機能を有効にする処理を実行する。モバイル端末2のカメラ機能を有効にするとは、カメラモジュール24とOS21を論理的に接続させることを意味する。
【0038】
このように、モバイル端末2を所持する所持者6は、撮影禁止となるエリアに掲示されたスマートポスター4にモバイル端末2を近づけるだけで、モバイル端末2のカメラ機能を無効にしたり、モバイル端末2のカメラ機能を有効にしたりできる。
【0039】
なお、本願に係る機能制限管理システム1において、機能制限の対象になるモバイル端末2の機能は、カメラモジュール24に限定されない。例えば、本願に係る機能制限管理システム1では、NFCモジュール26を除く図5で図示したモジュールに対応する機能を機能制限の対象にできる。また、電話機能など、アプリケーションで提供される機能も機能制限の対象にできる。
【符号の説明】
【0040】
1 機能制限管理システム
2 モバイル端末
200 機能制限管理手段
3 RFIDタグ
3a 第1のRFIDタグ
3b 第2のRFIDタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6