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▶ 曽木 隆秀の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169076
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ビターズ
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20231121BHJP
【FI】
C12G3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022089936
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】592104106
【氏名又は名称】曽木 隆秀
(72)【発明者】
【氏名】曽木 隆秀
【テーマコード(参考)】
4B115
【Fターム(参考)】
4B115LH12
(57)【要約】
【課題】 焼酎のお湯割り・水割り・炭酸割り(酎ハイ)、また、ウイスキーのロック・水割り・ハイボールなどには、ビールにおけるホップがそうであるように苦味が合うのであるが、今まで適当なビターズがなかった。
有名なアンゴスチュラ・アロマチックビターズなどは強い苦味でこれらの飲料の印象を一変させてくれるのであるが、独特の薬草臭が気になるところであった。
他にも数種類のビターズがあるが、それぞれ独自の香りや風味をもつものであり、その独特な香りや風味がベースとなる酒の持ち味を損ない勝ちだった。
本発明は、アルコール飲料にすっきりとした苦味だけを添えることのできるビターズを提供することを課題とする。
【解決手段】 乾燥したセンブリの全草を焼酎などに適当量・適当期間浸漬して苦味成分を滲出させた溶液を、ビターズとして、液分が微量しか出ない構造の容器で提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センブリのみを酒類への浸漬材として成ることを特徴とするビターズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬草、香草、香辛料などを酒に浸漬して造るビターズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビターズは、カクテルをつくる際にごく少量ずつ使用されるもので、苦味の強い薬酒を由来とし、製品ごとに独特の苦味と風味を有しており、苦味酒とも言われる。
【0003】
ビターズは、酒税法上は混成酒類に分類され、品目区分はリキュールとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビールにおけるホップのように、苦味がその酒の美味しさの重要な要素となり得る。
【0005】
ビールの他には、カンパリ、フェルネット・ブランカ、アブサン、などのリキュール、また、ブドウ酒ではアマローネ、などが、苦味が美味しい酒として有名である。
【0006】
これらは、それ自体を楽しんだり、ソーダで割って楽しんだり、ある程度の量を使ってカクテルで楽しむものであるが、ビターズは、同じく苦味を特徴とするが、わずか数滴で色々なカクテルの制作に役立つ、添加剤的な酒である。
【0007】
アンゴスチュラビターズは、元来、強い苦味と独特の香りのある西洋の薬酒であるが、カクテル用に調合してアロマチックの名を冠したものがビターズの代表格となっている。 アンゴスチュラ・アロマチック・ビターズは、マンハッタンやピンクジンなど、色々なカクテルに使用され、バーには必ず置かれるべきビターズとされている。
【0008】
実は、焼酎のお湯割り・水割り・ロック・チューハイ、そして、ウイスキーのロック・水割り・ハイボール、など、身の回りで普段よく飲まれる酒にも苦味が合うのである。
【0009】
例えば、アンゴスチュラ・アロマチック・ビターズを上のような酒に添えた場合、その苦味が新感覚の美味さを覚えさせてくれる。
しかしながら、二杯目以降、その特有の薬草臭が鼻についてくることになる。
【0010】
ビターズも数種あるが、いずれも苦味とともに独特のフレーバーを有するものであり、一杯だけ楽しむことが多いカクテルと異なり、何杯か楽しむ普段飲みの酒に添える場合、一杯目は新趣向が嬉しいが、数杯重ねると、その風味を重たく感じるようになる。
【0011】
苦味だけを添えてくれるビターズ、というものが今までなかった。
【0012】
本発明は、薬草・香草・香辛料などの匂い・香り、そして、他の特別な風味も持たず、すっきりした苦味のみを添えことのできるビターズを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
センブり・ゲンノショウコ・ドクダミは日本の三大民間薬として知られている。
センブリの名前の由来は、千回振り出しても苦さが消えないということから来ており、別名を当薬といわれ、日本では古くから、煎じるなどして健胃薬として使用されてきた。
【0014】
<花期の全草には、苦味成分のスウェルチアマリン、スエロサイド、アマロゲンチン、アマロスエリン、ゲンチオピクロサイド、などの苦味配糖体や、オレアノール酸のトリテルペノイドを含み、中でもアマロスエリンは天然物で屈指の苦い物質である。>
[以上Wikipediaセンブリの項目から抜粋]
【0015】
本発明は、センブリに屈指の苦味がありながら特に薬草臭のないことに着目し、これを唯一の浸漬材とするビターズを提供することを課題解決の手段とする。
【0016】
センブリの乾燥品は、日本薬局方の第3類医薬品とされるので、これを販売する場合、「医薬品、医療機器等の有効性及び安全性の確保等に関する法律」の許可を要する。
本発明は、乾燥センブリ全草を材料とするが、その使用目的・使用分量・使用効果から混成酒類のリキュールに区分されるものであり、医薬品と指定されるべきものではない。
【発明の効果】
【0017】
本発明のビターズは、薬草の匂いも、香草の香りも、香辛料の匂いも、特別な味わいも持つものではなく、さわやかな苦味だけ添えることを特徴とするので、焼酎のお湯割り・チューハイ、ウイスキーのハイボール・ロック・水割り、などの、普段よく飲まれる酒に数滴加えるだけで、さわやかな苦みのある新感覚のアルコール飲料を造ることができる。
【0018】
本発明のビターズは、その癖のない苦味で、新しいカクテルを生み出すこともできる。
【0019】
それに、コーヒーやチョコレートなどのように苦味をもつものは甘味とよく合うので、本発明のビターズは、新しい飲料、菓子、料理などの創作に資するものともなりえる。
【0020】
センブリ草は、中国、朝鮮半島、日本だけに生育するが、薬草として利用するのは日本だけであり、特別な薬草臭のない、そのさわやかな強い苦味は希少・貴重なものであり、これに着目した本発明のビターズは、日本独自のビターズとして世界にも訴求できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、数滴というほどの少量を使用するものなので、これを考慮した構造の容器で提供することが商品としての基本的な形態となる。
【0022】
この容器の構造としては、スプレー式、スポイト式、絞り口式などがある。
【0023】
また、業務用や趣味用として、洗練された造形のビターズ用の容器もあるので、液体を移し替え易い容器口を持ち、内容量も多め、というような本発明のビターズも用意されるべきものである