(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169096
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】フィルムヒータ
(51)【国際特許分類】
H05B 3/84 20060101AFI20231121BHJP
H05B 3/20 20060101ALI20231121BHJP
F21S 45/60 20180101ALI20231121BHJP
F21V 29/90 20150101ALI20231121BHJP
F21W 102/10 20180101ALN20231121BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231121BHJP
【FI】
H05B3/84
H05B3/20 311
F21S45/60
F21V29/90
F21W102:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189292
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2022080246
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 太郎
(72)【発明者】
【氏名】三神 文宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆仁
【テーマコード(参考)】
3K034
【Fターム(参考)】
3K034AA03
3K034AA05
3K034AA15
3K034BB08
3K034BB13
3K034CA02
3K034CA03
3K034CA15
3K034EA18
3K034HA09
3K034JA07
(57)【要約】
【課題】部品点数を増やすことなく、過電流に対する保護を図ることが可能なフィルムヒータを提供する。
【解決手段】フィルムヒータ10は、加熱対象物となるヘッドライトHLのレンズ部分RZに取り付けられる。フィルムヒータ10は、通電により発熱する導電膜20と、導電膜20に接続される一対の電極部30、40と、電気絶縁性を有する絶縁部50と、を備える。導電膜29、一対の電極部30、40、絶縁部50は、所定の順序で積層された積層体STとして構成されている。積層体STは、レンズ部分RZに取り付けられる本体部11と、本体部11に連なるとともにレンズ部分RZから離間する離間部位12と、を含んでいる。そして、コネクタ接続部12は、過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部DCになっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象物(HL、RZ)に取り付けられるフィルムヒータであって、
通電により発熱する導電膜(20)と、
前記導電膜に接続される一対の電極部(30、40)と、を備え、
前記導電膜および前記一対の電極部を含む構造体は、前記加熱対象物に取り付けられる取付部位(11)と、前記取付部位に連なるとともに前記加熱対象物から離間する離間部位(12)を含んでおり、
前記離間部位は、過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部(DC)になっている、フィルムヒータ。
【請求項2】
前記構造体は、前記導電膜および前記一対の電極部の少なくとも一方を支持する基材(50、80)を含んでいる、請求項1に記載のフィルムヒータ。
【請求項3】
前記一対の電極部は、前記取付部位に存する取付電極部位(34、44)および前記離間部位に存する離間電極部位(35、45)を有しており、
前記離間電極部位は、少なくとも一部の電気抵抗が、前記取付電極部位の電気抵抗よりも大きくなっており、
前記離間電極部位のうち電気抵抗が大きい部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項1に記載のフィルムヒータ。
【請求項4】
前記離間電極部位は、少なくとも一部における電流の流れ方向に交差する断面積が前記取付電極部位の前記断面積よりも小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記断面積が小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項3に記載のフィルムヒータ。
【請求項5】
前記構造体は、前記導電膜および前記一対の電極部が所定の順序で積層された積層体(ST)として構成され、
前記離間電極部位は、少なくとも一部における前記積層体の積層方向の厚みが前記取付電極部位における前記積層体の積層方向の厚みよりも小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記積層体の積層方向の厚みが小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項4に記載のフィルムヒータ。
【請求項6】
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位よりも電極幅が小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記電極幅が小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項4に記載のフィルムヒータ。
【請求項7】
前記離間電極部位の一部は、前記離間電極部位の他の部位よりも電気伝導率が小さい導電性材料で構成されており、
前記離間電極部位のうち前記電気伝導率が小さい導電性材料で構成された部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項3に記載のフィルムヒータ。
【請求項8】
前記一対の電極部は、前記取付部位に存する取付電極部位(34、44)および前記離間部位に存する離間電極部位(35、45)を有しており、
前記離間電極部位は、少なくとも一部における熱伝達量が、前記取付電極部位における前記熱伝達量よりも小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記熱伝達量が小さい部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項1に記載のフィルムヒータ。
【請求項9】
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位よりも表面粗さが小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記表面粗さが小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項8に記載のフィルムヒータ。
【請求項10】
前記構造体は、前記導電膜および前記一対の電極部が所定の順序で積層された積層体(ST)として構成され、
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位が配置された位置よりも前記積層体の周囲を流れる気流の流速が小さくなる位置に配置されており、
前記離間電極部位のうち前記気流の流速が小さくなる位置に在る部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、請求項8に記載のフィルムヒータ。
【請求項11】
前記一対の電極部は、前記取付部位に存する取付電極部位(34、44)および前記離間部位に存する離間電極部位(35、45)を有しており、
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位を構成する材料よりも熱伝導率が小さい材料で構成されており、
前記離間電極部位における前記熱伝導率が小さい材料で構成される部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断する、請求項1に記載のフィルムヒータ。
【請求項12】
前記構造体は、電気絶縁性を有する絶縁部(50)を含んで構成され、
前記絶縁部は、前記取付部位に存する取付絶縁部位(34、44)および前記離間部位に存する離間絶縁部位(35、45)を有しており、
前記離間絶縁部位の少なくとも一部は、前記取付絶縁部位を構成する材料よりも熱伝導率が小さい材料で構成されており、
前記一対の電極部のうち、前記離間絶縁部位における前記熱伝導率が小さい材料で構成される部位に近接する部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断する、請求項1に記載のフィルムヒータ。
【請求項13】
前記構造体は、電気絶縁性を有する絶縁部(50)を含んで構成され、
前記絶縁部は、前記取付部位に存する取付絶縁部位(51)および前記離間部位に存する離間絶縁部位(52)を有しており、
前記離間絶縁部位の少なくとも一部は、前記取付絶縁部位を構成する材料よりも線膨張係数の大きい材料で構成されている、請求項1に記載のフィルムヒータ。
【請求項14】
前記離間部位は、前記取付部位の上方に配置されている、請求項1ないし13のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【請求項15】
前記加熱対象物は、電磁波を透過する透明なものであって、
前記導電膜は、電磁波を透過する透明導電膜で構成されている、請求項1ないし13のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱対象物に取り付けられるフィルムヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光が透過する前照灯カバーを加熱するフィルムヒータが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のフィルムヒータの制御部には、過電流の発生に伴い溶断する電流ヒューズを含む保護回路が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、特許文献1の如く、過電流の発生に伴い溶断する電流ヒューズを制御回路の保護回路に設ける場合、部品点数が増えることでコストが増加してしまう。
【0005】
本開示は、部品点数の増加を抑えつつ、過電流に対する保護を図ることが可能なフィルムヒータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
加熱対象物(HL、RZ)に取り付けられるフィルムヒータであって、
通電により発熱する導電膜(20)と、
導電膜に接続される一対の電極部(30、40)と、を備え、
導電膜および一対の電極部を含む構造体は、加熱対象物に取り付けられる取付部位(11)と、取付部位に連なるとともに加熱対象物から離間する離間部位(12)と、を含んでおり、
離間部位は、過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部(DC)になっている。
【0007】
フィルムヒータは、加熱対象物から離間している箇所がある場合、当該箇所に在る一対の電極部で生ずる熱は加熱対象物へ移動し難い。このため、加熱対象物から離間している箇所は、加熱対象物に接触する箇所に在る一対の電極部よりも高い温度になり易い。
【0008】
このことを加味して、本開示のフィルムヒータは、導電膜および一対の電極部を含む構造体に対して加熱対象物から離間する離間部位を設けている。この離間部位を利用して、過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部とすれば、部品点数の増加を抑えつつ、過電流に対する保護を図ることができる。
【0009】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るフィルムヒータを適用した車両の正面図である。
【
図2】第1実施形態に係るフィルムヒータを含むヒータシステムの構成図である。
【
図4】意図しない短絡が生じた際のフィルムヒータにおける電流の流れ方を説明するための説明図である。
【
図5】過電流が流れた際のフィルムヒータを説明するための説明図である。
【
図6】第2実施形態に係るフィルムヒータの取付電極部位および離間電極部位における電気抵抗を説明するための説明である。
【
図7】第2実施形態に係るフィルムヒータの一部を示す正面図である。
【
図9】第3実施形態に係るフィルムヒータの一部を示す正面図である。
【
図10】第3実施形態の変形例となるフィルムヒータの一部を示す正面図である。
【
図11】第4実施形態に係るフィルムヒータの一部を示す正面図である。
【
図12】断線部と他の部位における電気伝導率を説明するための説明である。
【
図13】第5実施形態に係るフィルムヒータの取付電極部位および離間電極部位における熱伝達量を説明するための説明である。
【
図14】取付電極部位および離間電極部位における表面粗さを説明するための説明である。
【
図15】第6実施形態に係るフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図16】取付電極部位および離間電極部位の周囲を流れる気流の流速を説明するための説明である。
【
図17】第7実施形態に係るフィルムヒータの取付電極部位および離間電極部位を構成する材料の熱伝導率を説明するための説明である。
【
図18】第8実施形態に係るフィルムヒータの取付電極部位および離間電極部位を構成する材料の熱伝導率を説明するための説明である。
【
図19】第9実施形態に係るフィルムヒータの取付絶縁部位および離間絶縁部位を構成する材料の線膨張係数を説明するための説明である。
【
図20】第10実施形態に係るフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図21】第11実施形態に係るフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図22】第12実施形態に係るフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図23】第12実施形態の変形例となるフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図24】第13実施形態に係るフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図25】第13実施形態の第1の変形例となるフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図26】第13実施形態の第2の変形例となるフィルムヒータの模式的な断面図である。
【
図27】第14実施形態に係るフィルムヒータを含むヒータシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
【0012】
(第1実施形態)
本実施形態について、
図1~
図5を参照して説明する。本実施形態では、本開示のフィルムヒータ10を車両Cの前照灯であるヘッドライトHLに適用した例について説明する。本実施形態では、ヘッドライトHLが、フィルムヒータ10の“加熱対象物”となっている。ヘッドライトHLは、電磁波(本例では可視光)を透過する透明な光透過部材である。
【0013】
ここで、ヘッドライトHLは、光源にLEDが採用されたLEDランプとして構成されている。LEDランプは、ハロゲンランプに比べて、赤外光の放出が少なく、レンズ部分RZが温まり難いので、レンズ部分RZに雪や氷が付着すると、それらが溶け難い。これらは、ヘッドライトHLの照度を低下させる要因となることから好ましくない。
【0014】
このことを加味して、本実施形態では、フィルムヒータ10をヘッドライトHLに適用している。フィルムヒータ10は、ヒータシステム1の一部を構成している。フィルムヒータ10は、光学粘着シートで構成され、
図1に示すように、ヘッドライトHLのレンズ部分RZに貼り付けられる。フィルムヒータ10は、発熱することにより、ヘッドライトHLのレンズ部分RZを加熱することで、当該レンズ部分RZの解氷、融雪、防曇等を行う。これによれば、ヘッドライトHLの照度を確保し、車両Cの走行時の安全性を高めることができる。
【0015】
図2に示すように、ヒータシステム1は、フィルムヒータ10および制御部100を含んでいる。
図2等に示す上下を示す矢印は、フィルムヒータ10をヘッドライトHLのレンズ部分RZに取り付けた際のフィルムヒータ10の上下方向DR1を示している。
【0016】
フィルムヒータ10は、フィルム状に形成されたヒータである。
図3に示すように、フィルムヒータ10は、導電膜20、第1電極部30、第2電極部40、絶縁部50、支持材60を含んでいる。
【0017】
絶縁部50は、フィルムヒータ10における基材となる部材である。絶縁部50は、電気的な絶縁性を有する透明な薄膜である。絶縁部50は、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂で構成されている。絶縁部50は、例えば、0.05~0.5[mm]程度の厚みを有する。本実施形態では、絶縁部50が、導電膜20および一対の電極部30、40の少なくとも一方を支持する基材を構成している。
【0018】
導電膜20は、通電により発熱する発熱部である。導電膜20は、電気導電性を有する透明な薄膜である。導電膜20は、絶縁部50の一面に対して積層される。
【0019】
導電膜20は、例えば、ITOまたはカーボンチューブ等で形成されている。ITOは、Indium-Tin-Oxideの略称である。導電膜20は、絶縁部50に比べて厚みが小さい。導電膜20は、数ナノメートルの厚みを有する。導電膜20の抵抗率は、面内で一様であってもよいし、一様でなく偏っていてもよい。このような導電膜20は、その内部を電流が線状ではなく面状に流れるように構成されている。
【0020】
第1電極部30および第2電極部40は、導電膜20に電気的に接続される一対の電極部である。第1電極部30および第2電極部40は、導電膜20および絶縁部50の一面に対して積層される。
【0021】
第1電極部30と第2電極部40は、導電膜20を介して電気的に接続されている。第1電極部30および第2電極部40は、例えば銀ペーストや銅ペーストが導電膜20に印刷されて焼成されることで形成されてもよい。第1電極部30および第2電極部40は、導電膜20と物理的に接触している部分において、導電膜20と電気的に導通する。
【0022】
第1電極部30および第2電極部40の抵抗率は、導電膜20の抵抗率よりも充分に小さい。換言すれば、第1電極部30および第2電極部40の電気伝導率は、導電膜20の電気伝導率よりも充分に大きい。例えば、第1電極部30および第2電極部40の電気伝導率の平均値は、導電膜20の電気伝導率の平均値の10倍以上である。また、第1電極部30および第2電極部40は、導電膜20よりも厚みが大きく、絶縁部50よりも厚みが小さい。第1電極部30および第2電極部40は、例えば、数ミクロン程度の厚みを有する。
【0023】
第1電極部30は、導電膜20の上方側に或る上縁部分21に接続されている。第1電極部30は、導電膜20に物理的に接触する第1接触部31および第1接触部31とコネクタCNとを接続する第1リード部32を有する。第1電極部30は、第1接触部31が上下方向DR1に交差する方向に延び、第1リード部32が第1接触部31に交差するように上下に直線状に延びている。
【0024】
第2電極部40は、導電膜20の下方側に或る下縁部分22に接続されている。第2電極部40は、導電膜20に物理的に接触する第2接触部41および第2接触部41とコネクタCNとを接続する第2リード部42を有する。
【0025】
第2電極部40の第2接触部41は、上下方向DR1に交差する方向に延びている。第2リード部42は、第2接触部41に接触する部位から導電膜20の側方を上下に直線状に延びる第1部位、当該第1部位に交差して第1電極部30の第1接触部31に沿って延びる第2部位、当該第2部位に交差して上下に直線状に延びる部位を有する。
【0026】
このように構成される導電膜20、一対の電極部30、40、絶縁部50を含む構造体は、所定の順序で積層された積層体STとして構成されている。この積層体STは、例えば、スクリーンマスクを用いて基材となる絶縁部50に対して所定の形状の導電膜20を形成した後、所定のパターンの一対の電極部30、40を形成することで得られる。なお、
図3等に示す一方および他方を示す矢印は、積層体STの積層方向DR2を示している。本実施形態では、積層体STにおける一対の電極部30、40側を一方側とし、積層体STにおける絶縁部50側を他方側としている。また、
図2等の正面図では、一対の電極部30、40と他とを区別するために、一対の電極部30、40に対してドット柄を付している。なお、実製品では、一対の電極部30、40に対してドット柄が付されているわけではない。
【0027】
積層体STは、フィルム状またはシート状に形成されており、全体として積層方向DR2の厚みが小さくなっている。積層体STは、略矩形状の本体部11および本体部11から上方に延びるコネクタ接続部12を含んでいる。
【0028】
本体部11は、導電膜20、一対の電極部30、40、絶縁部50それぞれを含む部位である。本体部11は、導電膜20を含んでおり、通電により発熱する発熱部として機能する。本体部11は、自身の熱がレンズ部分RZに効率的に伝わるように、支持材60を介してレンズ部分RZに取り付けられている。具体的には、積層体STは、積層方向DR2の他方側が支持材60によってレンズ部分RZに貼り付けられている。
【0029】
ここで、支持材60は、フィルム状またはシート状のもので、例えば、光透過性に優れたOCRやOCA等の光学用接着剤が採用される。OCRは、“Optical Clear Resin”の略称である。OCAは、“Optical Clear Adhesive”の略称である。本実施形態では、支持材60が、導電膜20および一対の電極部30、40の少なくとも一方を支持する支持部材を構成している。
【0030】
コネクタ接続部12は、一対の電極部30、40および絶縁部50を含む部位である。コネクタ接続部12は、導電膜20が含まれておらず、導電膜20へ電力を供給する給電部として機能する。コネクタ接続部12は、その上端部分に、フィルムヒータ10の積層体STと制御部100とを電気的に接続するためのコネクタCNが取り付けられている。なお、コネクタ接続部12は、一対の電極部30、40および絶縁部50だけでなく、導電膜20が含まれていてもよい。
【0031】
コネクタ接続部12は、レンズ部分RZとの間に支持材60が設けられておらず、レンズ部分RZから離間している。具体的には、積層体STは、積層方向DR2の他方側が支持材60によってレンズ部分RZに貼り付けられている。本実施形態の積層体STは、本体部11が加熱対象物に取り付けられる“取付部位”を構成し、コネクタ接続部12が加熱対象物から離間する“離間部位”を構成している。
【0032】
本実施形態では、本体部11に在る第1電極部30および第2電極部40を第1取付電極部位34および第2取付電極部位44とし、コネクタ接続部12に在る第1電極部30および第2電極部40を第1離間電極部位35および第2離間電極部位45としている。また、本体部11に在る絶縁部50を取付絶縁部位51とし、コネクタ接続部12に在る絶縁部50を離間絶縁部位52としている。
【0033】
このように構成されるフィルムヒータ10は、コネクタ接続部12がレンズ部分RZから離間しているので、コネクタ接続部12に或る第1離間電極部位35および第2離間電極部位45で生ずる熱は、レンズ部分RZへ移動し難い。このため、第1離間電極部位35および第2離間電極部位45は、第1取付電極部位34および第2取付電極部位44よりも高い温度になり易い。
【0034】
これらを加味して、フィルムヒータ10では、コネクタ接続部12を過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部DCとして機能させている。なお、コネクタ接続部12は、過電流の発生時に第1離間電極部位35および第2離間電極部位45で生ずるジュール熱によって離間絶縁部位52の温度が離間絶縁部位52の融点を超えるように、各離間電極部位35、45の電気抵抗値等が設定されている。
【0035】
図2に戻り、フィルムヒータ10は、コネクタCNを介して制御部100に接続されている。制御部100は、フィルムヒータ10への通電状態および通電量を制御するものである。制御部100は、電流ヒューズFSを介して、車載バッテリBTに接続されている。なお、電流ヒューズFSは、車載バッテリBTと制御部100との間で過電流が生じた際に溶断して、車載バッテリBT等の車載機器を保護するものである。
【0036】
図示しないが、制御部100は、車両Cにおける走行用の駆動機器が収容される機器収容部の内側に収容される。制御部100は、プロセッサ、メモリを含むマイコンを含んでおり、メモリに記憶されたプログラムに従ってプロセッサが各種処理を実施する。なお、制御部100には、フィルムヒータ10および制御部100を保護するためのヒューズが設けられていない。
【0037】
制御部100は、例えば、ヘッドライトHLが点灯された状態で、ヘッドライトHLのレンズ部分RZの解氷、融雪、防曇のいずれかが必要となる加熱必要条件が成立すると、フィルムヒータ10への通電を開始する。なお、加熱必要条件は、例えば、外気温センサにて検出される外気温が5℃以下になると成立する条件になっていてもよい。
【0038】
フィルムヒータ10は、通電により導電膜20が発熱する。そして、導電膜20の熱がヘッドライトHLのレンズ部分RZに移動することで、レンズ部分RZが昇温する。これにより、レンズ部分RZの解氷、融雪、防曇が実現される。
【0039】
ここで、例えば、
図4に示すように、何らかの要因で、第1電極部30と第2電極部40とが短絡すると、第1電極部30から第2電極部40へ電流が流れる。この場合、フィルムヒータ10の合成抵抗が低下することで、第1電極部30から第2電極部40へより大きな電流(すなわち、過電流)が流れる。この過電流によって第1電極部30および第2電極部40に生ずるジュール熱が大きくなる。特に、各電極部30、40のうち、各離間電極部位35、45は、レンズ部分RZへの熱移動が生じないので、各取付電極部位34、44よりも温度が早期に高くなる。そして、各離間電極部位35、45の温度が離間絶縁部位52の融点を超えると、離間絶縁部位52の一部が溶けて変形する。この際、各離間電極部位35、45に対して熱応力等が作用することで、例えば、
図5に示すように、離間電極部位35、45の一部が破断する。
【0040】
以上説明したフィルムヒータ10は、コネクタ接続部12が積層体STに加熱対象物であるレンズ部分RZから離間している。そして、コネクタ接続部12は、過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部DCになっている。このように、フィルムヒータ10の一部に熱に対して弱い箇所を設け、この箇所を過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部DCとすれば、部品点数を増加させることなく過電流に対する保護を図ることができる。
【0041】
また、フィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
(0)導電膜20および一対の電極部30、40を含む構造体は、導電膜20および一対の電極部30、40の少なくとも一方を支持する支持材60を含んでいる。このように構成されるフィルムヒータ10は、支持材60によってレンズ部分RZへの取り付けの作業性を向上させたり、支持材60によって導電膜20および一対の電極部30、40を補強したりすることができる。
(1)コネクタ接続部12は、発熱部を構成する本体部11の上方に配置されている。このように、コネクタ接続部12が本体部11の上方に配置されていれば、本体部11で温められた周囲の熱がコネクタ接続部12付近に上昇することで、コネクタ接続部12が早期に昇温し易くなる。このため、過電流の発生時には、コネクタ接続部12に存する各離間電極部位35、45を適切に溶断または破断させることができる。
【0042】
(2)本実施形態の加熱対象物は、電磁波を透過する透明なヘッドライトHLのレンズ部分RZである。導電膜20は、電磁波を透過する透明導電膜で構成されている。絶縁部50は、電磁波を透過する透明な絶縁材料で構成されている。このように構成されるフィルムヒータ10は、加熱対象物の機能や意匠性への影響を抑えつつ、加熱対象物を適切に加熱することができる。
【0043】
(3)絶縁部50は、本体部11に存する取付絶縁部位51およびコネクタ接続部12に存する離間絶縁部位52を有している。この離間絶縁部位52は、積層体STの積層方向DR2の厚みが0.05mm~0.5mmになっている。このように、離間絶縁部位52の厚みを小さくすれば、熱容量が小さくなり、過電流の発生時に離間絶縁部位52が早期に昇温し易くなるので、過電流の発生時に各電極部30、40のうち離間絶縁部位52に近接する部位を適切に破断させることができる。
【0044】
(4)絶縁部50は、熱可塑性材料で構成されている。これによると、過電流が生じた際に、各離間電極部位35、45のジュール熱で離間絶縁部位52が変形し易くなる。このため、各離間電極部位35、45に生ずる熱応力等によって各離間電極部位35、45の一部を破断させ易くなる。
【0045】
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態のフィルムヒータ10は、過電流によって離間絶縁部位52の一部が溶けて変形し、この際に各離間電極部位35、45に対して熱応力等が作用することで、離間電極部位35、45の一部が破断すると、説明したが、これに限定されない。フィルムヒータ10は、例えば、過電流によって各離間電極部位35、45に生ずるジュール熱によって、各離間電極部位35、45の一部が溶断するようになっていてもよい。このことは、以降の実施形態においても同様である。
【0046】
第1実施形態では、制御部100の電流ヒューズの代わりにフィルムヒータ10に対して断線部DCが設けられたものを例示したが、ヒータシステム1は、これに限定されない。ヒータシステム1は、例えば、フィルムヒータ10に対して断線部DCが設けられ、制御部100に対して電流ヒューズが設けられる構成になっていてもよい。このような構成によれば、部品点数の増加を抑えつつ、過電流に対する保護機能を冗長化させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図6~
図8を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0048】
図6に示すように、フィルムヒータ10は、各離間電極部位35、45の少なくとも一部の電気抵抗が、各取付電極部位34、44の電気抵抗よりも大きくなっている。そして、各離間電極部位35、45のうち電気抵抗が大きい部位が、断線部DCになっており、過電流の発生に伴い溶断または破断する。
【0049】
図7、
図8に示すように、各電極部30、40のうち、各離間電極部位35、45は、少なくとも一部における電流の流れ方向に交差する断面積が他の部位における断面積に比べて小さくなっている。換言すれば、各離間電極部位35、45は、少なくとも一部における電流の流れ方向に交差する断面積が、各取付電極部位34、44における断面積よりも小さくなっている。なお、本実施形態の各離間電極部位35、45では、電流が上下に流れる。このため、各離間電極部位35、45における電流の流れ方向に交差する断面積は、各離間電極部位35、45における上下方向DR1に交差する断面積である。
【0050】
具体的には、各離間電極部位35、45は、少なくとも一部における積層体STの積層方向DR2の厚みが各取付電極部位34、44における積層体STの積層方向DR2の厚みよりも小さくなっている。そして、各離間電極部位35、45のうち厚みの小さい部位が、断線部DCになっている。
【0051】
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0052】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0053】
(1)フィルムヒータ10は、各離間電極部位35、45の少なくとも一部の電気抵抗が大きくなっている。これによると、過電流の発生時に各離間電極部位35、45に発生するジュール熱が大きくなるので、過電流の発生時に、周囲との間に生ずる熱歪みや過加熱等によって各離間電極部位35、45を適切に溶断または破断させることができる。
【0054】
(2)各離間電極部位35、45は、少なくとも一部における電流の流れ方向に交差する断面積が各取付電極部位34、44の断面積よりも小さくなっている。このように、各離間電極部位35、45の少なくとも一部における積層方向DR2の厚みを小さくすれば、新たな部品を追加することなく、各離間電極部位35、45の電気抵抗を各取付電極部位34、44に比べて大きくすることができる。
【0055】
(3)具体的には、各離間電極部位35、45は、少なくとも一部における積層体STの積層方向DR2の厚みが各取付電極部位34、44における積層体STの積層方向DR2の厚みよりも小さくなっている。このように、各離間電極部位35、45の少なくとも一部における積層方向DR2の厚みを小さくすれば、新たな部品を追加することなく、各離間電極部位35、45の電気抵抗を各取付電極部位34、44に比べて大きくすることができる。
【0056】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、
図9を参照して説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0057】
図9に示すように、各離間電極部位35、45は、積層方向DR2の厚みの代わりに、少なくとも一部における電極幅が各取付電極部位34、44における積層体STの積層方向DR2の厚みよりも小さくなっている。そして、各離間電極部位35、45のうち電極幅が小さい部位が断線部DCになっている。なお、電極幅は、電流の流れ方向に交差する方向の各電極部30、40の幅寸法である。
【0058】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0059】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0060】
(1)各離間電極部位35、45は、少なくとも一部における電極幅が各取付電極部位34、44における電極幅よりも小さくなっている。このように、各離間電極部位35、45の少なくとも一部における電極幅を小さくすれば、新たな部品を追加することなく、各離間電極部位35、45の電気抵抗を各取付電極部位34、44に比べて大きくすることができる。
【0061】
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態の各離間電極部位35、45は、少なくとも一部における電極幅が各取付電極部位34、44における電極幅よりも小さくなっているが、これに限定されない。各離間電極部位35、45は、例えば、
図10に示すように、導電性のないマスク箇所が1つ以上設けられることで、電流の流れ方向に交差する断面積が小さくなるように構成されていてもよい。
【0062】
また、第3実施形態の各離間電極部位35、45は、少なくとも一部の積層方向DR2の厚みが小さくなっていてもよい。これによっても、電流の流れ方向に交差する断面積を小さくすることができる。
【0063】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、
図11、
図12を参照して説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0064】
図11に示すように、各離間電極部位35、45の一部が、当該一部を除く他の部位に比べて電気伝導率が小さく導電性材料で構成されている。そして、各離間電極部位35、45のうち電気伝導率が小さい導電性材料で構成された部位が断線部DCになっている。
図12に示すように、断線部DCは、電気伝導率が他の部位に比べて小さくなっている。各離間電極部位35、45は、例えば、断線部DCがアルミニウムで構成され、他の部位が銅で構成される。
【0065】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0066】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0067】
(1)本実施形態の如く、各離間電極部位35、45の一部が、電気伝導率の小さい導電性材料で構成されていれば、新たな部品を追加することなく、各離間電極部位35、45の電気抵抗を各取付電極部位34、44に比べて大きくすることができる。
【0068】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、
図13、
図14を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0069】
図13に示すように、本実施形態のフィルムヒータ10は、各離間電極部位35、45の少なくとも一部における熱伝達量が、各取付電極部位34、44における熱伝達量よりも小さくなっている。そして、各離間電極部位35、45のうち熱伝達量が小さい部位が、断線部DCになっており、過電流の発生に伴い溶断または破断する。なお、熱伝達量は、各電極部30、40における外部へ移動する熱の移動量である。
【0070】
具体的には、
図14に示すように、各離間電極部位35、45の少なくとも一部は、各取付電極部位34、44よりも表面粗さが小さくなっている。これにより、各離間電極部位35、45における伝熱面積が各取付電極部位34、44における伝熱面積よりも小さくなることで、各離間電極部位35、45のうち熱伝達量が小さくなる。
【0071】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0072】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0073】
(1)フィルムヒータ10は、各離間電極部位35、45の少なくとも一部の熱伝達量が小さくなる構造になっている。これによれば、過電流の発生時に各離間電極部位35、45が早期に昇温し易くなるので、過電流の発生時に各離間電極部位35、45を適切に溶断または破断させることができる。
【0074】
(2)各離間電極部位35、45の少なくとも一部は、各取付電極部位34、44よりも表面粗さが小さくなっている。これによると、新たな部品を追加することなく、各離間電極部位35、45の熱伝達量を各取付電極部位34、44に比べて小さくすることができる。
【0075】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、
図15、
図16を参照して説明する。本実施形態では、第5実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0076】
図15に示すように、本実施形態のフィルムヒータ10は、コネクタ接続部12が車両Cのボンネット等の外板OPの内側に配置されている。これにより、コネクタ接続部12には、車両Cの走行風に晒されなくなっている。
【0077】
このようになっていることで、各離間電極部位35、45の少なくとも一部は、各取付電極部位34、44が配置された位置よりも積層体STの周囲を流れる気流の流速が小さくなる位置に配置されている。これにより、各離間電極部位35、45の周囲を流れる気流の流速は、例えば、
図16に示すように、各取付電極部位34、44の周囲を流れる気流の流速よりも小さくなる。そして、各離間電極部位35、45のうち気流の流速が小さくなる位置に在る部位が、過電流の発生に伴い溶断または破断する。
【0078】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0079】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0080】
(1)積層体STの周囲の気流の流速が小さい方が、気流の流速が大きいものに比べて、積層体STの周囲への熱伝達量が小さくなる。各離間電極部位35、45の少なくとも一部は、各取付電極部位34、44が配置された位置よりも積層体STの周囲を流れる気流の流速が小さくなる位置に配置されている。そして、各離間電極部位35、45のうち気流の流速が小さくなる位置に在る部位が、過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部DCを構成している。これによると、新たな部品を追加することなく、各離間電極部位35、45の熱伝達量を各取付電極部位34、44に比べて小さくすることができる。
【0081】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について、
図17を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0082】
図17に示すように、フィルムヒータ10は、各離間電極部位35、45の少なくとも一部が、各取付電極部位34、44を構成する材料よりも熱伝導率が小さい材料で構成されている。そして、各離間電極部位35、45のうち熱伝導率が小さい材料で構成される部位が、断線部DCになっており、過電流の発生に伴い溶断または破断する。例えば、フィルムヒータ10は、各離間電極部位35、45がアルミニウムで構成され、各取付電極部位34、44が銅で構成される。
【0083】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0084】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0085】
(1)フィルムヒータ10は、各離間電極部位35、45の少なくとも一部が、熱伝導率が小さい材料で構成されている。これによれば、過電流の発生時に各離間電極部位35、45から周囲への熱移動が抑えられることで早期に昇温し易くなるので、過電流の発生時に各離間電極部位35、45を適切に溶断または破断させることができる。
【0086】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について、
図18を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0087】
図18に示すように、フィルムヒータ10は、離間絶縁部位52の少なくとも一部が、取付絶縁部位51を構成する材料よりも熱伝導率が小さい材料で構成されている。そして、各離間電極部位35、45のうち、離間絶縁部位52における熱伝導率が小さい材料で構成される部位に近接する部位が、断線部DCになっており、過電流の発生に伴い溶断または破断する。
【0088】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0089】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0090】
(1)フィルムヒータ10は、離間絶縁部位52の少なくとも一部が、熱伝導率が小さい材料で構成されている。これによると、過電流の発生時に離間絶縁部位52から周囲への熱移動が抑えられることで早期に昇温し易くなる。このため、過電流の発生時に一対の電極部30、40のうち離間絶縁部位52に近接する部位を適切に溶断または破断させることができる。
【0091】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について、
図19を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0092】
図19に示すように、フィルムヒータ10は、離間絶縁部位52の少なくとも一部が、取付絶縁部位51を構成する材料よりも線膨張係数の大きい材料で構成されている。そして、各離間電極部位35、45のうち、離間絶縁部位52における線膨張係数の大きい材料で構成される部位に近接する部位が、断線部DCになっており、過電流の発生に伴い溶断または破断する。
【0093】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0095】
(1)フィルムヒータ10は、離間絶縁部位52の少なくとも一部を線膨張係数の大きい材料で構成すれば、過電流の発生時の昇温による熱応力が増大する。これにより、過電流の発生時に一対の電極部30、40のうち離間絶縁部位52に近接する部位を適切に溶断させることができる。
【0096】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について、
図20を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0097】
図20に示すように、積層体STは、積層方向DR2の一方側に配置される電気絶縁性を有する表層部70を含んで構成されている。具体的には、積層体STは、導電膜20および一対の電極部30、40が、電気絶縁性を有する絶縁部50および表層部70で挟持される積層構造になっている。表層部70は、絶縁部50と同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
【0098】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0099】
本実施形態のフィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
【0100】
(1)フィルムヒータ10を構成する積層体STは、導電膜20および一対の電極部30、40が、電気絶縁性を有する絶縁部50および表層部70で挟持される積層構造になっている。これによると、フィルムヒータ10の電気絶縁性を簡易な形態で確保することができる。
【0101】
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について、
図21を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0102】
図21に示すように、フィルムヒータ10は、積層体STにおける各電極部30、40側が支持材60を介してレンズ部分RZに取り付けられている。すなわち、積層体STは、積層方向DR2の一方側が支持材60を介してレンズ部分RZに取り付けられている。
【0103】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0104】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について、
図22を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0105】
本実施形態では、ヘッドライトHLのレンズ部分RZではなく、フロントガラスFGにフィルムヒータ10を取り付けた例について説明する。フィルムヒータ10は、例えば、
図22に示すように、フロントガラスFGを構成する合わせガラスDGの2つの中間膜ML1、ML2の間に本体部11を挿入することによって、加熱対象物に取り付けられている。フィルムヒータ10は、コネクタ接続部12が合わせガラスDGの外部に配置される。なお、2つの中間膜MLは、合わせガラスDGのガラス同士を接着する透明な樹脂フィルムである。
【0106】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0107】
(第12実施形態の変形例)
第12実施形態のフィルムヒータ10は、合わせガラスDGの2つの中間膜ML1、ML2の間に本体部11を挿入することによって、加熱対象物に取り付けられているが、これに限定されない。フィルムヒータ10は、例えば、
図23に示すように、合わせガラスDGの一方の内面に沿って本体部11を挿入することによって、加熱対象物に取り付けられていてもよい。
【0108】
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について、
図24を参照して説明する。本実施形態では、第12実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0109】
フィルムヒータ10は、例えば、
図24に示すように、2つの中間膜ML1、ML2の一方に積層した導電膜20に対して、絶縁部50に積層した一対の電極部30、40を押し当てた構造になっている。このような構造は、例えば、合わせガラスDGの製造時に、2つの中間膜ML1、ML2の一方に導電膜20を積層し、当該導電膜20に対して、絶縁部50に積層した一対の電極部30、40を接触させることによって得られる。なお、フィルムヒータ10は、コネクタ接続部12が合わせガラスDGの外部に配置される。
【0110】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0111】
(第13実施形態の変形例)
第13実施形態のフィルムヒータ10は、2つの中間膜ML1、ML2の一方に導電膜20が積層されているが、これに限定されない。フィルムヒータ10は、例えば、
図25に示すように、合わせガラスDGに積層した導電膜20に対して、絶縁部50に積層した一対の電極部30、40を押し当てた構造になっていてもよい。
【0112】
また、フィルムヒータ10は、例えば、
図26に示すように、積層体STの一部が樹脂製の接着剤等によってモーディングされることで保護されていてもよい。なお、フィルムヒータ10は、積層体STの全体が樹脂製の接着剤等によってモーディングされていてもよい。
【0113】
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について、
図27、
図28を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0114】
フィルムヒータ10は、
図27、
図28に示すように、導電膜20、第1電極部30、第2電極部40、支持体80を含んでいる。本実施形態のフィルムヒータ10は、第1実施形態で説明した絶縁部50が省略されている。
【0115】
フィルムヒータ10は、図示しない接着剤等によって導電膜20がヘッドライトHLに貼り付けられている。すなわち、フィルムヒータ10は、支持材60を介さずに、導電膜20が直にヘッドライトHLに取り付けられている。
【0116】
第1電極部30および第2電極部40は、本体部11を構成する第1取付電極部位34および第2取付電極部位44が導電膜20を介してヘッドライトHLに取り付けられている。また、第1電極部30および第2電極部40は、コネクタ接続部12を構成する第1離間電極部位35および第2離間電極部位45がヘッドライトHLから離間している。第1離間電極部位35および第2離間電極部位45は、支持体80が取り付けられている。支持体80は、導電膜20および一対の電極部30、40の少なくとも一方を支持する基材である。この支持体80によって第1離間電極部位35および第2離間電極部位45が補強されている。支持体80は、透明な樹脂材料によって構成されている。支持体80は、例えば、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂で構成されている。支持体80は、例えば、0.05~0.5[mm]程度の厚みを有する。
【0117】
本実施形態のフィルムヒータ10は、その全体が積層体STとして構成されている訳ではない。具体的には、導電膜20、第1電極部30、第2電極部40を含む構造体が、コネクタ接続部12において積層されていない。
【0118】
その他については、これまで説明した実施形態と同様である。本実施形態のフィルムヒータ10は、これまで説明した実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を得ることができる。
【0119】
また、フィルムヒータ10は、以下の特徴を備える。
(1)導電膜20および一対の電極部30、40を含む構造体は、導電膜20および一対の電極部30、40の少なくとも一方を支持する支持体80を含んでいる。このように構成されるフィルムヒータ10は、支持体80によって導電膜20および一対の電極部30、40を補強したりすることができる。
【0120】
(第14実施形態の変形例)
第14実施形態で説明したフィルムヒータ10は、絶縁部50が省略されているが、これに限らず、絶縁部50を備えていてもよい。また、第14実施形態で説明したフィルムヒータ10は、導電膜20が直にヘッドライトHLに取り付けられているが、これに限定されない。フィルムヒータ10は、例えば、支持材60を介して導電膜20がヘッドライトHLに取り付けられていてもよい。
【0121】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0122】
上述の実施形態では、フィルムヒータ10によって車両CのヘッドライトHLのレンズ部分RZを加熱する例について説明したが、フィルムヒータ10の加熱対象は、ヘッドライトHLに限定されない。フィルムヒータ10は、ヘッドライトHL以外に、車両Cに搭載されるカメラ、レーダ装置、LiDAR、ガラスに適用されていてもよい。また、フィルムヒータ10は、車両C以外の移動体、据置型の機器、家屋等にも適用可能である。
【0123】
上述の実施形態では、フィルムヒータ10を可視光等の電磁波を透過する透明部材に取り付けたものを例示したが、フィルムヒータ10は、例えば、不透明な部材に取り付けられていてもよい。
【0124】
上述の実施形態のフィルムヒータ10は、導電膜20および絶縁部50が透明な薄膜で構成されているが、これに限らず、導電膜20および絶縁部50の少なくとも一方が不透明な薄膜で構成されていてもよい。フィルムヒータ10は、積層体STとして構成されていなくてもよい。フィルムヒータ10は、電気絶縁性を有する絶縁部50が基材として用いられているが、これに限らず、例えば、導電性を有するフィルム状の部材が基材として用いられていてもよい。
【0125】
上述の実施形態の如く、フィルムヒータ10は、コネクタ接続部12が発熱部を構成する本体部11の上方に配置されていることが望ましいが、これ限らず、そのようになっていなくてもよい。
【0126】
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0127】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0128】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0129】
(本開示)
【0130】
[開示1]
加熱対象物(HL、RZ)に取り付けられるフィルムヒータであって、
通電により発熱する導電膜(20)と、
前記導電膜に接続される一対の電極部(30、40)と、を備え、
前記導電膜および前記一対の電極部を含む構造体は、加熱対象物に取り付けられる取付部位(11)と、前記取付部位に連なるとともに前記加熱対象物から離間する離間部位(12)と、を含んでおり、
前記離間部位は、過電流の発生に伴い溶断または破断する断線部(DC)になっている、フィルムヒータ。
【0131】
[開示2]
前記構造体は、前記導電膜および前記一対の電極部の少なくとも一方を支持する基材(50、80)を含んでいる、開示1に記載のフィルムヒータ。
【0132】
[開示3]
前記一対の電極部は、前記取付部位に存する取付電極部位(34、44)および前記離間部位に存する離間電極部位(35、45)を有しており、
前記離間電極部位は、少なくとも一部の電気抵抗が、前記取付電極部位の電気抵抗よりも大きくなっており、
前記離間電極部位のうち前記電気抵抗が大きい部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示1または2に記載のフィルムヒータ。
【0133】
[開示4]
前記離間電極部位は、少なくとも一部における電流の流れ方向に交差する断面積が前記取付電極部位の前記断面積よりも小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記断面積が小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示3に記載のフィルムヒータ。
【0134】
[開示5]
前記構造体は、前記導電膜および前記一対の電極部が所定の順序で積層された積層体として構成され、
前記離間電極部位は、少なくとも一部における前記積層体の積層方向の厚みが前記取付電極部位における前記積層体の積層方向の厚みよりも小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記積層方向の厚みが小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示4に記載のフィルムヒータ。
【0135】
[開示6]
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位よりも電極幅が小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記電極幅が小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示4または5に記載のフィルムヒータ。
【0136】
[開示7]
前記離間電極部位の一部は、前記離間電極部位の他の部位よりも電気伝導率が小さい導電性材料で構成されており、
前記離間電極部位のうち前記電気伝導率が小さい導電性材料で構成された部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示3ないし6のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【0137】
[開示8]
前記一対の電極部は、前記取付部位に存する取付電極部位(34、44)および前記離間部位に存する離間電極部位(35、45)を有しており、
前記離間電極部位は、少なくとも一部における熱伝達量が、前記取付電極部位における前記熱伝達量よりも小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記熱伝達量が小さい部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示1ないし7のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【0138】
[開示9]
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位よりも表面粗さが小さくなっており、
前記離間電極部位のうち前記表面粗さが小さい部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示8に記載のフィルムヒータ。
【0139】
[開示10]
前記構造体は、前記導電膜および前記一対の電極部が所定の順序で積層された積層体(ST)として構成され、
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位が配置された位置よりも前記積層体の周囲を流れる気流の流速が小さくなる位置に配置されており、
前記離間電極部位のうち前記気流の流速が小さくなる位置に在る部位が、前記過電流の発生に伴い溶断または破断する、開示8または9に記載のフィルムヒータ。
【0140】
[開示11]
前記一対の電極部は、前記取付部位に存する取付電極部位(34、44)および前記離間部位に存する離間電極部位(35、45)を有しており、
前記離間電極部位の少なくとも一部は、前記取付電極部位を構成する材料よりも熱伝導率が小さい材料で構成されており、
前記離間電極部位における前記熱伝導率が小さい材料で構成される部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断する、開示1ないし10のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【0141】
[開示12]
前記構造体は、電気絶縁性を有する絶縁部(50)を含んで構成され、
前記絶縁部は、前記取付部位に存する取付絶縁部位(34、44)および前記離間部位に存する離間絶縁部位(35、45)を有しており、
前記離間絶縁部位の少なくとも一部は、前記取付絶縁部位を構成する材料よりも熱伝導率が小さい材料で構成されており、
前記一対の電極部のうち、前記離間絶縁部位における前記熱伝導率が小さい材料で構成される部位に近接する部位が、前記断線部になっており、前記過電流の発生に伴い溶断する、開示1ないし11のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【0142】
[開示13]
前記構造体は、電気絶縁性を有する絶縁部(50)を含んで構成され、
前記絶縁部は、前記取付部位に存する取付絶縁部位(51)および前記離間部位に存する離間絶縁部位(52)を有しており、
前記離間絶縁部位の少なくとも一部は、前記取付絶縁部位を構成する材料よりも線膨張係数の大きい材料で構成されている、開示1ないし12のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【0143】
[開示14]
前記離間部位は、前記取付部位の上方に配置されている、開示1ないし13のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【0144】
[開示15]
前記加熱対象物は、電磁波を透過する透明なものであって、
前記導電膜は、電磁波を透過する透明導電膜で構成されている、開示1ないし14のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。なお、前記絶縁部は、前記電磁波を透過する透明な絶縁材料で構成されている。
【符号の説明】
【0145】
10 フィルムヒータ
11 本体部(取付部位)
12 コネクタ接続部(離間部位)
20 導電膜
30、40 第1電極部、第2電極部
50 絶縁部
DC 断線部