(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169101
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】毛髪用化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/64 20060101AFI20231121BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231121BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20231121BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20231121BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20231121BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231121BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20231121BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20231121BHJP
【FI】
A61K8/64
A61K8/86
A61K8/60
A61Q5/00
A61Q5/02
A61K8/73
A61Q5/12
A61K8/9789
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209590
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2022080394
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森田 三佳
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC392
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC782
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD221
4C083AD222
4C083AD251
4C083AD252
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD532
4C083AD662
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】 本発明は、タンパク質の変性を抑制でき、使用後の髪の感触及び保湿性が良好であり、さらに、洗浄又は紫外線照射による染毛後の髪の褪色を防止し、ヘアアイロンの熱による髪強度を向上させることができる毛髪用化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、キク科植物種子からの抽出物であるタンパク質と糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールからなる群から選ばれる1種以上のアルコールとを含有する毛髪用化粧料である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キク科植物の種子から抽出されたタンパク質と、糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールからなる群から選ばれる1種以上のアルコールとを含有する毛髪用化粧料。
【請求項2】
前記アルコールの重量に対する、前記タンパク質の重量割合が、9.4~250重量%である請求項1に記載の毛髪化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
植物種子から抽出したタンパク質は、毛髪損傷の予防又は毛髪損傷の補修に適した天然成分として知られており、特に感触及び使用感(毛髪の感触及び光沢等)に優れた毛髪用化粧料(シャンプー及びコンディショナー等)として、ベニバナ属の植物種子から抽出したタンパク質を配合した毛髪用化粧料が知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の毛髪用化粧料はタンパク質が経時的に変性することで、沈殿の発生や、製剤の毛髪補修機能が低下するという課題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、タンパク質の変性が生じない毛髪用化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、キク科植物の種子から抽出されたタンパク質と、糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールからなる群から選ばれる1種以上のアルコールとを含有する毛髪用化粧料である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の毛髪用化粧料は、タンパク質の変性を抑制でき、使用後の髪の感触及び保湿性が良好であり、さらに、洗浄又は紫外線照射による染毛後の髪の褪色を防止し、ヘアアイロンの熱により髪強度を向上させるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳述する。
【0009】
本発明は、キク科植物の種子から抽出されたタンパク質と糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールからなる群から選ばれる1種以上のアルコールとを含有する毛髪用化粧料である。
なお、本願発明において、毛髪用化粧料は、毛髪の洗浄、補修及び保護などを目的として毛髪に用いる物品を示し、シャンプー、コンディショナー及びヘアジェル等が含まれる。
【0010】
<タンパク質>
本発明の毛髪用化粧料に含まれるタンパク質は、キク科植物の種子から抽出されたタンパク質である。
【0011】
本発明の毛髪用化粧料に用いるタンパク質は、キク科植物の種子から抽出されたものであれば制限なく使用することが出来る。
本発明の毛髪用化粧料に用いるタンパク質を抽出するキク科植物としては、アザミ属、ベニバナ属、ノゲシ属、タンポポ属、ガーベラ属、キク属、ヨモギ属、キンセンカ属、コスモス属、ダリア属、ヒマワリ属、及びコウオウソウ属等に属する植物があげられ、たんぱく質の変性を抑制する観点から、ベニバナ属の植物が好ましい。
【0012】
本発明に用いるタンパク質は、キク科植物の種子から米国特許第4072669号及び国際公開2017/096479号公報等に記載の公知の抽出方法によって抽出することで得ることが出来る。
【0013】
キク科植物の種子から抽出されたタンパク質は、市場から入手することができ、例えば、ベニバナの種子から抽出したタンパク質を主成分として含むタンパク質含有組成物として、Botaneco社製の商品名:Karmynを好ましく用いることができる。
市場から入手できるタンパク質含有組成物は、タンパク質以外にも不飽和脂肪酸、炭化水素化合物及び水等を含む場合があり、本発明の毛髪用化粧料には市場から入手したタンパク質含有組成物をそのまま用いても良いし、タンパク質含有組成物から公知の方法で抽出したタンパク質を用いても良い。
【0014】
<糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコール>
本発明の毛髪用化粧料は、糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールからなる群から選ばれる1種以上のアルコールとを含有する。
【0015】
本願発明の毛髪用化粧料に含まれる糖化合物としては、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類及び五つ以上の単糖が結合した多糖類(以下、多糖類と記載する)等が挙げられる。
単糖類としては、グルコース、フルクトース及びガラクトース等が挙げられる。
二糖類としては、スクロース、マルトース、ラクトース、セロビオース、トレハロース及びラクツロース等が挙げられる。
三糖類としては、ニゲロトリオース、マルトトリオース、メレジトース、マルトトリウロース、ラフィノース及びケストース等が挙げられる。
四糖類としては、ニストース、ニゲロテトラオース及びスタキオース等が挙げられる。
多糖類としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、デンプン、セルロース、キチン及びグルコマンナン等が挙げられる。
これらの糖化合物のうち、タンパク質の変性の抑制の観点から、二糖類が好ましく、トレハロース及びスクロースがさらに好ましい。
【0016】
本願発明の毛髪用化粧料に含まれるポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールとして好ましいものとしては、ポリエチレングリコール、炭素数1~16のモノオール化合物のエチレンオキシド付加物、及び炭素数1~16のポリオール化合物のエチレンオキシド付加物と脂肪酸との部分エステル化物等があげられる。
炭素数1~16のモノオール化合物のエチレンオキシド付加物、及び炭素数1~16のポリオール化合物のエチレンオキシド付加物と脂肪酸との部分エステル化物としては、ポリ(オキシエチレン)基以外のポリ(オキシアルキレン)基を有さないアルコールが好ましい。
【0017】
本願発明の毛髪用化粧料に含まれる、ポリエチレングリコールとしては、タンパク質の変性の抑制の観点から、重合度が4~400のポリエチレングリコールが好ましい。
【0018】
炭素数1~16のモノオール化合物のエチレンオキシド付加物を構成する炭素数1~16のモノオール化合物としては、メタノール、炭素数2~16の直鎖又は分岐脂肪族モノアルコール(エタノール、iso又はtert-ブタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、セチルアルコール、オレイルアルコール及びラウリルアルコール等)、炭素数7~16の芳香族モノアルコール[ベンジルアルコール、(メトキシフェニル)メタノール及びクミルアルコール等]、並びに炭素数6~16のフェノール化合物[メチルフェノール、ナフトール及び4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール等]等があげられる。
炭素数1~16のモノオール化合物のエチレンオキシド付加物における、モノオール化合物1モルに対するエチレンオキシドの付加モル数は、2~50モルが好ましい。
本願発明の毛髪用化粧料に含まれる、炭素数1~16のモノオール化合物のエチレンオキシド付加物としては、タンパク質の変性抑制の観点から、炭素数6~16のフェノール化合物のエチレンオキシド付加物が好ましく、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール1モルにエチレンオキシドが2~50モル付加してなるアルコールがさらに好ましい。
【0019】
炭素数1~16のポリオール化合物のエチレンオキシド付加物と脂肪酸との部分エステル化物を構成する炭素数1~16のポリオール化合物としては、炭素数2~12であり2~6価のポリオールが好ましく、好ましいポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン、前記の単糖類及び前記の二糖類があげられる。
炭素数1~16のポリオール化合物のエチレンオキシド付加物と脂肪酸との部分エステル化物におけるポリオール化合物1モルに対するエチレンオキシドの付加モル数は、2~50モルが好ましい。
脂肪酸としては、炭素数4~22の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、炭素数16~22の不飽和脂肪酸がさらに好ましい。
本願発明の毛髪用化粧料に含まれる、炭素数1~16のポリオール化合物のエチレンオキシド付加物と脂肪酸との部分エステル化物としては、タンパク質の変性の抑制の観点から、ソルビタンのエチレンオキシド付加物(付加モル数2~50モル)とオレイン酸とのモノエステル化物が特に好ましい。
【0020】
ポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールとしては、多価(2価~10価)アルコールの高級脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物も用いることができる。多価(2価~10価)アルコールの高級脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物としては、カプリル酸及びカプリン酸のグリセリンエステルに6モルのエチレンオキシドを付加重合したもの[別名:(カプリル酸/カプリン酸)PEG-6グリセリズ]、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(10)[別名:ラウリン酸PEG-10ソルビタン]、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(80)[別名:ラウリン酸PEG-80ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(6)[別名:オレイン酸PEG-6ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(3)[別名:オレイン酸PEG-3ソルビタン]、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(40)[別名:オレイン酸PEG-40ソルビタン]、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(6)[別名:ステアリン酸PEG-6ソルビタン]、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(40)[別名:ステアリン酸PEG-40ソルビタン]、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド(120)[別名:ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース]並びにトリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(160)[別名:トリイソステアリン酸PEG-160ソルビタン]等が挙げられる。
なお、括弧内の数字は、化合物中のエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0021】
本発明の毛髪用化粧料に含まれる、糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールからなる群から選ばれる1種以上のアルコールとしては、トレハロース、スクロース、α-シクロデキストリン、ポリエチレングリコール(重合度75)、ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート(エチレンオキシドの付加モル数10モル)及びポリエチレングリコールtert-オクチルフェニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数10モル)が最も好ましい。
【0022】
糖化合物及びポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールがタンパク質の変性を抑制する原理としては、タンパク質がアルコールのもつ水酸基と相互作用することにより、タンパク質の表面張力を低下するため、タンパク質の凝集を抑制することができると考えられる。
【0023】
<毛髪用化粧料>
毛髪用化粧料は、前記タンパク質と前記アルコールとを含む毛髪用化粧料である。
【0024】
本発明の毛髪用化粧料は、前記タンパク質及びアルコールの他に、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、前記のポリ(オキシエチレン)基を有するアルコール以外のノニオン性界面活性剤(以下、ノニオン性界面活性剤と記載する)、溶剤、油剤、水、溶剤、保湿剤、キレート剤、コンディショニング剤、増粘剤、美白剤、pH調整剤、清涼剤、着色料、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、防腐剤及び酸化防止剤等の公知の化粧料成分が挙げられる。
【0025】
両性界面活性剤としては、アルキルジメチル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン型両性界面活性剤及びアミノ酸系界面活性剤等が挙げられる。
【0026】
アルキルジメチル酢酸ベタインとしては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ラウリルベタイン]、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ミリスチルベタイン]及びステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン[別名:ステアリルベタイン]等が挙げられる。
【0027】
脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン[別名:ラウラミドプロピルベタイン]、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン[別名:ミリスタミドプロピルベタイン]、イソステアリン酸アミドプロピルベタイン及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン[別名:コカミドプロピルベタイン]等が挙げられる。
【0028】
アルキルイミダゾリニウムベタインとしてはN-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム[別名:ラウロアンホ酢酸Na]及びN-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム[別名:ココアンホ酢酸Na]等が挙げられる。
【0029】
スルホベタイン型両性界面活性剤としては、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン及びコカミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。
【0030】
アミノ酸系界面活性剤としては、ラウリルアスパラギン酸ナトリウム、ミリスチルアスパラギン酸ナトリウム、ラウリル-β-アミノプロピオン酸ナトリウム及びラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム[別名:ラウロイルメチルアラニンNa]等が挙げられる。
【0031】
アニオン性界面活性剤としては、エーテルカルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸塩及びアシル化アミノ酸塩等が挙げられる。
【0032】
エーテルカルボン酸又はその塩としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム(4)[別名:ラウレス-4カルボン酸Na]、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム(6)[別名:ラウレス-6カルボン酸Na]、ポリオキシエチレントリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム(4)[別名:トリデセス-4カルボン酸Na]及びポリオキシエチレントリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム(7)[別名:トリデセス-7カルボン酸Na]等が挙げられる。
なお、括弧内の数字は、化合物中のエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0033】
硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム[別名:ラウリル硫酸Na]、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(3)[別名:ラウレス-3硫酸Na]、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(3)[別名:ラウレス-3硫酸TEA]、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム(3)[別名:PEG-3ヤシ脂肪酸アミドMEA硫酸Na]及びポリオキシエチレンアルキル(炭素数12-13)エーテル硫酸ナトリウム(3)[別名:(C12,C13)パレス-3硫酸Na]等が挙げられる。
なお、括弧内の数字は、化合物中のエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0034】
スルホン酸塩としてはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム[別名:ドデシルベンゼンスルホン酸Na]、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム塩(2)[別名:スルホコハク酸ラウレス2Na]、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム[別名:スルホコハク酸ラウリル2Na]及びポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウロイルエタノールアミド二ナトリウム(5)等が挙げられる。
なお、括弧内の数字は、化合物中のエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0035】
リン酸エステル塩としては、ラウリルリン酸ナトリウム[別名:ラウリルリン酸Na]及びポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム[別名:トリラウレス-4リン酸]等が挙げられる。
【0036】
脂肪酸塩としては、ミリスチン酸ナトリウム[別名:ミリスチン酸Na]、ミリスチン酸カリウム[別名:ミリスチン酸K]、ミリスチン酸トリエタノールアミン[別名:ミリスチン酸TEA]、ラウリン酸ナトリウム[別名:ラウリン酸Na]、ラウリン酸カリウム[別名:ラウリン酸K]、ラウリン酸トリエタノールアミン[別名:ラウリン酸TEA]、ステアリン酸ナトリウム[別名:ステアリン酸Na]、ステアリン酸トリエタノールアミン[別名:ステアリン酸TEA]、パルミチン酸ナトリウム[別名:パルミチン酸Na]及びパルミチン酸トリエタノールアミン[別名:パルミチン酸TEA]等が挙げられる。
【0037】
アシル化アミノ酸塩としては、N-ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム[別名:ココイルメチルタウリンNa]、N-ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム[別名:ココイルサルコシンNa]、N-ラウロイルサルコシンナトリウム[別名:ラウロイルサルコシンNa]、N-ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン[別名:アシルグルタミン酸TEA]、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン[別名:ココイルグルタミン酸TEA]、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム[別名:ココイルグルタミン酸Na]及びラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン[別名:ラウロイルグルタミン酸TEA]等が挙げられる。
【0038】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩及びアミン塩が挙げられる。
【0039】
第4級アンモニウム塩としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム[別名:ステアルトリモニウムクロリド]、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム[別名:ベヘントリモニウムクロリド]、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム[別名:ジステアリルジモニウムクロリド]及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム[別名:クオタニウム-33]等が挙げられる。
【0040】
アミン塩としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド[別名:ステアラミドエチルジエチルアミン]及びベヘン酸ジメチルアミノエチルアミド[別名:ベヘナミドプロピルジメチルアミン]等が挙げられる。
【0041】
炭素数1~16のモノオール化合物のエチレンオキシド負荷物、ポリ(オキシエチレン)基を必須とする炭素数1~16のポリオール化合物のエチレンオキシド付加物と脂肪酸との部分エステル化物以外のノニオン性界面活性剤としては、炭素数4~24のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数3~8)付加物、炭素数8~24の脂肪酸とアルキレンオキシド(炭素数3~8)重合物とのエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
【0042】
炭素数8~24の脂肪酸とアルコール又はアルキレンオキシド(炭素数3~8)重合物とのエステルとしては、モノステアリン酸グリセリル[別名:ステアリン酸グリセリル]、モノカプリル酸グリセリル[別名:カプリル酸グリセリル]、モノミリスチン酸グリセリル[別名:ミリスチン酸グリセリル]、モノオレイン酸グリセリル[別名:オレイン酸グリセリル]、モノステアリン酸エチレングリコール[別名:ステアリン酸グリコール]、モノラウリン酸ソルビタン[別名:ラウリン酸ソルビタン]、モノパルミチン酸ソルビタン[別名:パルミチン酸ソルビタン]、モノステアリン酸ソルビタン[別名:ステアリン酸ソルビタン]、モノオレイン酸ソルビタン[別名:オレイン酸ソルビタン]、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(3)[別名:ジステアリン酸PEG-3]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(150)[別名:ジステアリン酸PEG-150]、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリコール(190)[別名:ジステアリン酸PEG-190]及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60)[別名:PEG-60水添ヒマシ油]等が挙げられる。
なお、括弧内の数字は、化合物中のエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0043】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸デカグリセリル[別名:オレイン酸ポリグリセリル-10]、モノラウリン酸デカグリセリル[別名:ラウリン酸ポリグリセリル-10]、イソステアリン酸デカグリセリル[別名:イソステアリン酸ポリグリセリル-10]、ジステアリン酸ポリグリセリル[別名:ジステアリン酸ポリグリセリル-10]、ステアリン酸ポリグリセリル[別名:ステアリン酸ポリグリセリル-10]、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル[別名:ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6]及びモノイソステアリン酸ジグリセリル[別名:イソステアリン酸ポリグリセリル-2]等が挙げられる。
【0044】
脂肪酸アルカノールアミドとしては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド[別名:コカミドMEA]、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[別名:コカミドメチルMEA]及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド[別名:コカミドDEA]等が挙げられる。
【0045】
水としては、常水、精製水の他、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、温泉水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン交換水及びクラスター水等が挙げられる。
【0046】
油剤としては、液体油脂、固体油脂、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油及び精油等が挙げられる。
【0047】
液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミア種子油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、コムギ胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、シロバナワタ種子油、ダイズ油、ピーナッツ油、チャ実油、コウスイガヤ油、コメヌカ油、ホホバ油、コメ胚芽油、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル[別名:トリエチルヘキサノイン]及びトリイソパルミチン酸グリセリル[別名:トリイソパルミチン]等が挙げられる。
【0048】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、キャンデリラロウ、ミツロウ、シア脂、馬油、水添ヤシ油、パーム油、牛脂、ラノリン、水添牛脂、パーム核油、水添パーム油、豚脂、モクロウ及び水添ヒマシ油等が挙げられる。
【0049】
炭化水素油としては、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン[別名:イソドデカン]、2,2,4,4,6,8,8-ヘプタメチルノナン[別名:イソヘキサデカン]、ヘキサメチルテトラコサン[別名:スクワラン]、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサ-2,6,10,14,18,22-ヘキサエン[別名:スクワレン]、ワセリン、パラフィン、水添ポリイソブテン、オゾケライト、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン、セレシン及びマイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0050】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジエチルヘキサン酸グリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、カプリル酸とカプリン酸とグリセリンとのトリエステル[別名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル]、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸及びロジン酸とジペンタエリスリトールとのヘキサエステル[別名:ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル]、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、パルミチン酸エチルヘキシル、トリミリスチン酸グリセリル[別名:トリミリスチン]、リシノレイン酸メチル、オレイン酸オレイル、アジピン酸ジイソブチル、ラウロイルグルタミン酸とフィトステロールとオクチルドデカノールとのエステル[別名:ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)]、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、ラウリン酸エチル、セバシン酸ジエチルヘキシル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル、クエン酸トリエチル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(エチレンオキシドの付加モル数:3)トリメチロールプロパン[別名:トリイソステアリン酸PEG-3トリメチロールプロパン]、トリイソステアリン酸ジグリセリル[別名:トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2]並びにテトライソステアリン酸スクロース等が挙げられる。
【0051】
シリコーン油としては、鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン及び変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、アルキル変性ポリシロキサン及びフッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0052】
鎖状シロキサンとしては、メチルフェニルポリシロキサン[別名:ジフェニルジメチコン]、カプリリルメチコン、ジメチコン、ジビニルジメチルポリシロキサンで架橋したジメチルポリシロキサン[別名:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー]及びフェニルビニルジメチルポリシロキサンで架橋したジメチルポリシロキサン共重合体[別名:(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー]等が挙げられる、
【0053】
環状シロキサンとしては、デカメチルシクロペンタシロキサン[別名:シクロペンタシロキサン]及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン[別名:シクロヘキサシロキサン]等が挙げられる。
【0054】
変性ポリシロキサンとしてはアミノプロピルジメチコン、アルキル(C26-28)ジメチコン、アルキル(C30-45)ジメチコン、ポリオキシエチレン(10)・メチルポリシロキサン共重合体[別名:PEG-10ジメチコン]、ポリオキシエチレン(12)・メチルポリシロキサン共重合体[別名:PEG-12ジメチコン]及びポリオキシエチレンジメチルシロキシエチルジメチコン(9)[別名:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン]等が挙げられる。
なお、括弧内の数字は、化合物中のエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0055】
溶剤としては、エタノール、イソプレンジオール[別名:イソペンチルジオール]、変性アルコール、ジプロピレングリコール[別名:DPG]、1,2-ヘキサンジオール、イソドデカン、イソプロパノール、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル[別名:エトキシジグリコール]及びプロピレングリコール[別名:PG]等が挙げられる。
【0056】
保湿剤としては、グリセリン、1,3-ブチレングリコール[別名:BG]、硬化ナタネ油アルコール[別名:水添ナタネ油アルコール]、ソルビトール、酢酸ナトリウム[別名:乳酸Na]、ピロリドンカルボン酸ナトリウム[別名:PCN-Na]、ヒアルロン酸ナトリウム[別名:ヒアルロン酸Na]及びコンドロイチン硫酸ナトリウム[別名:コンドロイチン硫酸Na]等が挙げられる。
【0057】
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸[別名:EDTA]、エチレンジアミン四酢酸の2ナトリウム塩[別名:EDTA-2Na]、ポリリン酸ナトリウム[別名:ポリリン酸Na]、ピロリン酸ジナトリウム塩[別名:ピロリン酸2Na]、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム[別名:グルコン酸Na]及びアスコルビン酸等が挙げられる。
【0058】
コンディショニング剤としては、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体[別名:ポリクオタニウム-10]、アクリル酸アミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドから得られる4級アンモニウム塩の重合体[別名:ポリクオタニウム-7]、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体[別名:ポリクオタニウム-22]、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体[別名:(VP/VA)コポリマー]、グアーガムに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加した4級アンモニウム塩[別名:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド]、ポリエチレングリコール20000[別名:PEG-400]、ポリ(アクリル酸)ナトリウム[別名:ポリアクリル酸Na]、ヒドロキシエチルセルロース及びD-パントテニルアルコール[別名:パンテノール]等が挙げられる。
【0059】
増粘剤としては、グアーガム、キサンタンガム、デンプン、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、セタノール、ミリスチルアルコール、カルボキシビニルポリマー[別名:カルボマー]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)ナトリウム[別名:ポリアクリル酸Na]、デンプンにアクリル酸をグラフト重合したもののナトリウム塩[別名:アクリル酸Naグラフトデンプン]、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト[別名:ジステアルジモニウムヘクトライト]、タルク、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[別名:コカミドメチルMEA]並びにジステアリン酸グリコール及びアクリル酸・メタクリル酸アルキル(炭素数10~30)共重合体[別名:(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー]等が挙げられる。
【0060】
美白剤としては、トラネキサム酸、アルブチン及びハイドロキノン等が挙げられる。
【0061】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0062】
着色料としては、青色1号、青色2号、緑色3号及び赤色1号等が挙げられる。
【0063】
清涼剤としては、メントール、ハッカ油、チモール、サリチル酸メチル及びカンフル等が挙げられる。
【0064】
紫外線散乱剤としては、酸化チタン及び酸化亜鉛等が挙げられる。
【0065】
紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジメチルパラアミノ安息香酸と2-エチルヘキシルアルコールとのエステル[別名:ジメチルPABAエチルヘキシル]及びt-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0066】
防腐剤としては、フェノキシエタノール、o-シメン-5-オール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン及びイソブチルパラベン等が挙げられる。
【0067】
酸化防止剤としては、ビタミンE[別名:トコフェロール]、ジブチルヒドロキシトルエン[別名:BHT]、ブチルヒドロキシアニソール[別名:BHA]、グリチルリチン酸ジカリウム[別名:グリチルリチン酸2K]及びパルミチン酸アスコルビル、ローズマリー葉エキス等が挙げられる。
【0068】
毛髪用化粧料に対する前記タンパク質の重量割合は、洗浄又は紫外線照射による染毛後の髪の褪色を防止する観点から、好ましくは0.38~3.75重量%であり、さらに好ましくは1.50~3.75重量%である。
毛髪用化粧料に対する前記アルコールからなる群から選ばれる1種以上のアルコールの重量割合は、毛髪用化粧料の全重量に基づき、保湿性の観点から、好ましくは0.6~5重量%、さらに好ましくは0.8~1.3重量%である。
【0069】
前記アルコールに対する、前記タンパク質の重量割合が、タンパク質の変性の抑制及びヘアアイロンを用いた熱処理後の髪強度の観点から、好ましくは9.4~250重量%であり、さらに好ましくは187.5~250重量%である。
【0070】
毛髪用化粧料に含まれる両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、水、油剤、溶剤及び保湿剤は、毛髪用化粧料の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ50重量%以下、さらに好ましいのは10重量%以下である。
毛髪用化粧料に含まれるキレート剤、コンディショニング剤、増粘剤及び美白剤及は、毛髪用化粧料の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ30重量%以下、さらに好ましいのは10重量%以下である。
毛髪用化粧料に含まれるpH調整剤、清涼剤、着色料、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、防腐剤及び酸化防止剤は、毛髪用化粧料の全重量に基づき、好ましいのはそれぞれ10重量%以下、さらに好ましいのは5重量%以下である。
【0071】
毛髪用化粧料の製造方法としては、植物種子からの抽出物であるタンパク質を含有する組成物、アルコール及びその他の成分を攪拌機で混合することで製造できる。
毛髪用化粧料を製造する際の撹拌機としては、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ジェットミル、ニーダー、プラネタリーミキサー、サンドミル、アトライター、リボンブレンダー、ディスパーミキサー及びホモミキサー等が挙げられ、ディスパーミキサーを好ましく用いることができる。
【0072】
本発明の毛髪用化粧料は、25℃で固状、液状又はペースト状であることが好ましく、取り扱い易さの観点からさらに好ましいのは液状である。
【実施例0073】
以下、実施例及び比較例から本願発明をさらに説明するが、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
<実施例1~8及び比較例1~3>
表1及び2のC欄に記載の化粧料成分を秤量し、80℃で30分加温し、第一の混合物を得た。次いで、表1及び2のB欄に記載の糖化合物又はポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールを秤量し、80℃で30分加温し、第二の混合物を得た。第一の混合物を第二の混合物に徐々に添加し、ディスパーミキサーで3000rpm、5分間攪拌して、第三の混合物を得た。第三の混合物を放冷し、50℃まで冷却した第三の混合物に表1及び2のA欄に記載のベニバナ由来のタンパク質含有組成物を添加し、ディスパーミキサーで2000rpm、5分間攪拌し、実施例1~8及び比較例1~3にかかる毛髪用化粧料を得た。
実施例1~8及び比較例1~3にかかる毛髪用化粧料について、タンパク質変性率と、使用後の毛髪の摩擦係数及び保湿性とを評価した。
【0075】
<タンパク質変性率>
作製直後の毛髪用化粧料1gをイオン交換水で10倍希釈したものを下記条件の高速液体クロマトグラフィーで測定し、保持時間10分に現れるベニバナ由来のタンパク質のピーク面積を算出した。
さらに、50℃で1週間静置した毛髪用化粧料1gをイオン交換水で10倍希釈したものを下記条件の高速液体クロマトグラフィーで測定し、保持時間10分に現れるベニバナ由来のタンパク質のピーク面積を分析した。下記の計算式で、作製直後の毛髪用化粧料に含まれるタンパク質のピークの大きさ対する、50℃で1週間静置することで減少したピークの大きさの比率を算出し、タンパク質変性率として表1及び2に記載した。
タンパク質変性率は小さいほど50℃で1週間静置したときのタンパク質減少量が少なく、変性したタンパク質が少なかったことを意味する。
[タンパク質変性率の計算式]
タンパク質変性率(%)=[{(作製直後のベニバナ由来タンパク質のピーク面積)-(1週間静置後のベニバナ由来タンパク質のピーク面積)}/(作製直後のベニバナ由来タンパク質のピーク面積)]×100
[タンパク質変性率の高速液体クロマトグラフィーの測定条件]
カラム : TSK-G3000SW[東ソー(株)製]
移動相 : 0.027mol/Lリン酸二水素カリウム、0.21mol/Lリン酸水素二ナトリウム及び0.15mol/L硫酸ナトリウムを含有する水溶液
流量 : 1.0mL/min
オーブン温度 : 35℃
サンプル注入量 : 25μL
検出器 : UV(220nm)
測定時間 : 30分
【0076】
<毛髪の摩擦係数:シャンプー>
長さ30cm、重さ10gのアジア人同一人物毛[(株)ビューラックス製](アジア人同一人毛とは、アジア人かつ同一人物から得られた毛髪のことである)の毛束を10%重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製(エマールは花王(株)の登録商標である)}]で洗浄してタオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るし、25℃で24時間自然乾燥した。自然乾燥後の毛束を、過酸化水素水3重量%水溶液に25℃で12時間浸漬したものを評価用の毛束とした。
評価用の毛束を40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、実施例1~7並びに比較例1及び2のシャンプー1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすぎいだ後、ヘアドライヤーで5分間乾燥した。次に、乾燥後の毛束の摩擦係数を、摩擦摩耗試験機を用いて下記条件で測定した。測定した毛束の摩擦係数が低い程、洗浄後の毛髪の感触(さらさら感)に優れることを示す。
[摩擦摩耗試験機の測定条件]
装置 :TRILAB静・動摩擦測定機TL201Ts[(株)トリニティーラボ製]
接触子 : 平面接触子(接触子の表面積:1cm2)
測定垂直荷重 : 50g
測定速度 : 3.3mm/秒
【0077】
<毛髪の摩擦係数:コンディショナー>
長さ30cm、重さ10gのアジア人同一人物毛[(株)ビューラックス製]の毛束を10%重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]で洗浄してタオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るした状態で25℃で24時間、自然乾燥した。
次に、自然乾燥後の毛束を、過酸化水素水3重量%水溶液に25℃で12時間浸漬したものを評価用の毛束とした。
評価用の毛束を40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、実施例8及び比較例3のコンディショナー1gを毛束に均一に塗布し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、ヘアドライヤーで評価用の毛束を5分間乾燥した。次に、得られた毛束の摩擦係数を、摩擦摩耗試験機を用いて下記条件で測定した。測定した摩擦係数が低い程、コンディショナー使用後の毛髪の感触(さらさら感)に優れることを示す。
[摩擦摩耗試験機の測定条件]
装置 :TRILAB静・動摩擦測定機TL201Ts[(株)トリニティーラボ製]
接触子 : 平面接触子(接触子の表面積:1cm2)
測定垂直荷重 : 50g
測定速度 : 3.3mm/秒
【0078】
<保湿性:シャンプー>
20歳から50歳の日本人男女合計20名が、40℃のお湯で十分に頭髪を濡らした後、実施例1~7並びに比較例1及び2のシャンプー1gで頭髪を洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、ヘアドライヤーで髪を5分間乾燥することを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始14日目の頭皮洗浄後の2時間後にコルネオメーター[商品名:Corneometer CM825{Courage+Khazaka製(CorneometerはCourage + Khazaka Electronic GmbHの登録商標である)}]で頭皮の角質水分量をランダムに3か所測定し、その平均値を計算した。
【0079】
<保湿性:コンディショナー>
20歳から50歳の日本人男女合計20名が、40℃のお湯で十分に頭髪を濡らした後、10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄した。洗浄後に実施例8及び比較例3のコンディショナー1gを頭髪に均一に塗布し、髪全体になじませた後、40℃のお湯で十分にすすぎ、ヘアドライヤーで髪を5分間乾燥することを一日一回、毎日繰り返した。
使用開始14日目の頭皮洗浄後の2時間後にコルネオメーター[商品名:Corneometer CM825{Courage+Khazaka製}]で頭皮の角質水分量をランダムに3か所測定し、その平均値を計算した。
【0080】
<洗浄又は紫外線を原因とする染毛後の髪の褪色:シャンプー>
長さ30cm、重さ10gのアジア人同一人物毛[(株)ビューラックス製]の毛束を10%重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るし、25℃で24時間自然乾燥した。自然乾燥後の毛束を、過酸化水素水3重量%水溶液に25℃で12時間浸漬し、さらに10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。
タオルドライ後の毛束を、市販の染毛剤[商品名:Liese泡カラーロイヤルブラウン[花王(株)製(Lieseは花王(株)の登録商標である)]の使用方法に従って茶色に染毛し、さらに10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るし、25℃で24時間自然乾燥した。自然乾燥後の毛束を「洗浄前の毛束」とし、「洗浄前の毛束」の色彩値を分光色彩計[日本電色工業(株)、SD 7000]を用いて下記条件で測定した。
次に、「洗浄前の毛束」を40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、実施例1~7並びに比較例1及び2のシャンプー1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、ヘアドライヤーで5分間乾燥することを10回繰り返した。この段階の毛束を「洗浄後の毛束」とし、「洗浄後の毛束」の色彩値を分光色彩計[日本電色工業(株)、SD 7000]を用いて下記条件で測定し、下記計算式に数値を代入して洗浄前後の色差「ΔE*ab」を算出した。色差「ΔE*ab」が小さいほど、染毛した髪の洗浄を原因とする褪色を抑制できていると言える。ΔE*ab
=[(「洗浄前の毛束」のL*―「洗浄後の毛束」のL*)2+(「洗浄前の毛束」のa*―「洗浄後の毛束」のa*)2+(「洗浄前の毛束」のb*―「洗浄後の毛束」のb*)2]1/2
次に、「洗浄後の毛束」をスーパーキセノンウェザーメーター[スガ試験機(株)]に入れ、下記条件で紫外線(300-400nm)を7日間照射した。この段階の毛束を「紫外線照射後の毛束」とし、「紫外線照射後の毛束」の色彩値を分光色彩計[日本電色工業(株)、SD 7000]を用いて下記条件で測定し、下記計算式に数値を代入して洗浄前後の色差「ΔE*ab」を算出した。色差「ΔE*ab」が小さいほど、染毛した髪の紫外線を原因とする褪色を抑制できていると言える。
ΔE*ab
=[(「洗浄後の毛束」のL*―「紫外線照射後の毛束」のL*)2+(「洗浄後の毛束」のa*―「紫外線照射後の毛束」のa*)2+(「洗浄後の毛束」のb*―「紫外線照射後の毛束」のb*)2]1/2
[分光色彩計の測定条件]
装置 :分光色彩計 SD 7000[日本電色工業(株)製]
測定条件 :反射
光源 :D65
視野 :2°
[スーパーキセノンウェザーメーターの条件]
装置 :スーパーキセノンウェザーメーター[スガ試験機(株)製]
放射照度 :100W/m2
ブラックパネル温度(BPT温度) :40℃
槽内湿度 :50%rh
【0081】
<洗浄又は紫外線を原因とする染毛後の髪の褪色:コンディショナー>
長さ30cm、重さ10gのアジア人同一人物毛[(株)ビューラックス製]の毛束を10%重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るし、25℃で24時間自然乾燥した。自然乾燥後の毛束を、過酸化水素水3重量%水溶液に25℃で12時間浸漬し、さらに10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。
タオルドライ後の毛束を、市販の染毛剤[商品名:Liese泡カラーロイヤルブラウン{花王(株)製]の使用方法に従って染毛し、さらに10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るし、25℃で24時間自然乾燥した。自然乾燥後の毛束を「洗浄前の毛束」とし、「洗浄前の毛束」の色彩値を分光色彩計[日本電色工業(株)、SD 7000]を用いて下記条件で測定した。
次に、「洗浄前の毛束」を40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ。洗浄後に実施例8及び比較例3のコンディショナー1gを毛束に均一に塗布し、髪全体になじませた後、40℃のお湯で十分にすすぎ、ヘアドライヤーで髪を5分間乾燥することを10回繰り返した。この段階の毛束を「洗浄後の毛束」とし、「洗浄後の毛束」の色彩値を分光色彩計[日本電色工業株式会社、SD 7000]を用いて下記条件で測定し、下記計算式に数値を代入して洗浄前後の色差「ΔE*ab」を算出した。色差「ΔE*ab」が小さいほど、染毛した髪の洗浄を原因とする褪色を抑制できていると言える。
ΔE*ab
=[(「洗浄前の毛束」のL*―「洗浄後の毛束」のL*)2+(「洗浄前の毛束」のa*―「洗浄後の毛束」のa*)2+(「洗浄前の毛束」のb*―「洗浄後の毛束」のb*)2]1/2
次に、「洗浄後の毛束」をスーパーキセノンウェザーメーター[スガ試験機(株)]に入れ、下記条件で紫外線(300-400nm)を7日間照射した。この段階の毛束を「紫外線照射後の毛束」とし、「紫外線照射後の毛束」の色彩値を分光色彩計[日本電色工業株式会社、SD 7000]を用いて下記条件で測定し、下記計算式に数値を代入して紫外線照射前後の色差「ΔE*ab」を算出した。色差「ΔE*ab」が小さいほど、染毛した髪の紫外線を原因とする褪色を抑制できていると言える。
ΔE*ab
=[(「洗浄後の毛束」のL*―「紫外線照射後の毛束」のL*)2+(「洗浄後の毛束」のa*―「紫外線照射後の毛束」のa*)2+(「洗浄後の毛束」のb*―「紫外線照射後の毛束」のb*)2]1/2
[分光色彩計の測定条件]
装置 :分光色彩計 SD 7000[日本電色工業(株)製]
測定条件 :反射
光源 :D65
視野 :2°
[スーパーキセノンウェザーメーターの条件]
装置 :スーパーキセノンウェザーメーター[スガ試験機(株)製]
放射照度 :100W/m2
ブラックパネル温度(BPT温度) :40℃
槽内湿度 :50%rh
【0082】
<ヘアアイロンを用いた熱処理後の髪強度:シャンプー>
長さ30cm、重さ10gのアジア人同一人物毛[(株)ビューラックス製]の毛束を10%重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るし、25℃で24時間自然乾燥した。自然乾燥後の毛束を、過酸化水素水3重量%水溶液に25℃で12時間浸漬し、さらに10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。
次に、タオルドライ後の毛束を40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、実施例1~7並びに比較例1及び2のシャンプー1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、ヘアドライヤーで5分間乾燥し、220℃に熱したヘアアイロンを10秒/ストロークで10回処理した。シャンプー洗浄、すすぎ及びヘアアイロンでの熱処理の工程を10回繰り返し、評価用の毛束を得た。評価用の毛束の強度はオートグラフ((株)島津製作所製)を用いて下記条件で測定した。
[オートグラフの測定条件]
装置 :オートグラフ[(株)島津製作所製]
サンプル : 毛束から髪を1本取り出したもの
ロードセル容量 : 500N
引張速度 : 200mm/秒
毛髪の片端を上記の速度で引張り、破断点の試験力を下記条件で測定した髪の断面積で割った破断応力(N/mm2)を「髪の強度(N/mm2)」とした。
[毛髪の断面積(mm2)の測定方法]
スタンドタイプデジタル測厚器[(株)テクロック製]を用いて毛束から1本取り出した髪の直径を測定し、そこから髪の断面積を算出した。
髪の断面積(mm2) = (髪の直径/2)2 × 3.14
【0083】
<ヘアアイロンを用いた熱処理後の髪強度:コンディショナー>
長さ30cm、重さ10gのアジア人同一人物毛[(株)ビューラックス製]の毛束を10%重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。タオルドライ後の毛束を吊るし、25℃で24時間自然乾燥した。自然乾燥後の毛束を、過酸化水素水3重量%水溶液に25℃で12時間浸漬し、さらに10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ後、タオルドライを行った。
次に、タオルドライ後の毛束を40℃のお湯で十分に髪を濡らした後、10重量%に希釈したポリ(オキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(重合度2)水溶液[商品名:エマール20C{花王(株)製}]1gで洗浄し、40℃のお湯で十分にすすいだ。洗浄後に実施例8及び比較例3のコンディショナー1gを毛束に均一に塗布し、髪全体になじませた後、40℃のお湯で十分にすすぎ、ヘアドライヤーで5分間乾燥し、220℃に熱したヘアアイロンを10秒/ストロークで10回処理した。シャンプー洗浄、すすぎ及びヘアアイロンでの熱処理の工程を10回繰り返し、評価用の毛束を得た。評価用の毛束の強度はオートグラフ((株)島津製作所製)を用いて下記条件で測定した。
[オートグラフの測定条件]
装置 :オートグラフ[(株)島津製作所製]
サンプル : 毛束から髪を1本取り出したもの
ロードセル容量 : 500N
引張速度 : 200mm/秒
毛髪の片端を上記の速度で引張り、破断点の試験力を下記条件で測定した髪の断面積で割った破断応力(N/mm2)を「髪の強度(N/mm2)」とする。
[毛髪の断面積(mm2)の測定方法]
スタンドタイプデジタル測厚器[(株)テクロック製]を用いて毛束から1本取り出した髪の直径を測定し、そこから髪の断面積を算出した。
髪の断面積(mm2) = (髪の直径/2)2 × 3.14
【0084】
【0085】
【0086】
実施例1~8及び比較例1~3においては、本願発明における糖化合物としてトレハロース、スクロース及びα-シクロデキストリンを使用し、ポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールとしてPEG-4000、ポリソルベート80及びt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノールを使用した。
【0087】
なお、表1及び2に記載した化粧料成分としては、以下のものを用いた。
・ベニバナ由来のタンパク質含有組成物[商品名:Karmyn(Botaneco製)]
・トレハロース[(株)林原製]
・スクロース[富士フイルム和光純薬(株)製]
・α-シクロデキストリン[富士フイルム和光純薬(株)製]
・PEG-4000[重合度75のポリエチレングリコール、商品名:PEG-4000N{三洋化成工業(株)製}]
・ポリソルベート80[ソルビタンのエチレンオキシド20モル付加物のオレイン酸モノエステル、商品名:イオネットT-80V{三洋化成工業(株)製}]
・t-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール[商品名:Triton X-100{メルク製}]
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキシドの付加モル数:2)の26重量%水溶液[商品名:ビューライトNA-25S{三洋化成工業(株)製(ビューライトは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(エチレンオキシドの付加モル数:4)の28重量%水溶液[商品名:ビューライトLCA-25N{三洋化成工業(株)製}]
・ラウリルグリコールカルボン酸Naの29重量%水溶液[商品名:ビューライトSHAA{三洋化成工業(株)製}]
・ココイルグルタミン酸Naの29重量%水溶液[商品名:Plantapon Amino SCG-L{BASF製(Plantaponはコグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの登録商標である)}]
・ラウロイルグルタミン酸TEAの30重量%水溶液[商品名:アミソフト LT-12{味の素ヘルシーサプライ(株)製(アミソフトは味の素(株)の登録商標である)}]
・N-ラウロイルサルコシンNaの30重量%水溶液[商品名:ソイポン SLE{川研ファインケミカル(株)製(ソイポンは川研ファインケミカル(株)の登録商標である)}]
・ヤシ油脂肪酸グリシンK[商品名:Plantapon Amino KG-P{BASF製}]
・オレフィン(炭素数14~16)スルホン酸Naの37%水溶液[商品名:リポランLJ-441{ライオン(株)製(リポランはライオン・スペシャリティケミカルズ(株)の登録商標である)}]
・ラウラミノプロピオン酸Naの29%水溶液[商品名:ピウセリアAMC{三洋化成工業(株)製(ピウセリアは三洋化成工業(株)の登録商標ある}]
・コカミドプロピルベタインの30重量%水溶液[商品名:レボンHC-30W{三洋化成工業(株)製}]
・2-ヤシ油脂肪酸-N-ヒドロキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインの43重量%水溶液[商品名:レボンCIB{三洋化成工業(株)製}]
・ラウリン酸[商品名:NAA-122{日油(株)製(NAAは日油(株)の登録商標である)}]
・ステアリン酸[商品名:NAA―172{日油(株)製}]
・パルミチン酸[商品名:NAA-160{日油(株)製}]
・ベヘントリモニウムクロリド45重量%及びセテアリルアルコール55重量%混合物[商品名:エコノールTM-22{三洋化成工業(株)製}]
・セテアリルアルコール[商品名:コノール1668{新日本理化(株)製(コノールは新日本理化(株)の登録商標である)}]
・1,3-ブチレングリコール[ナカライテスク(株)製]
・グリセリン[商品名:化粧品用濃グリセリン{花王(株)製}]
・ポリクオタニウム-22[商品名:MERQUAT280{ルブリゾール製(MERQUATはルブリゾル アドバンスド マテリアルズ,インコーポレイテッドの登録商標である)}]
・ポリクオタニウム-7[商品名:MERQUAT550(ルブリゾール製)]
・ポリクオタニウム-10[商品名:Sensomer 10M Polymer(ルブリゾール製)]
・ジメチコン[商品名:KF-96A-2CS{信越化学工業(株)製}]
・ビタミンE[商品名:D-α-トコフェロール{東京化成工業(株)製}]
・EDTA-2Na[商品名:2NA(EDTA・2Na){(株)同仁化学研究所製}]
・ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド[商品名:アミノーンC-11S{花王(株)製(アミノーンは花王(株)の登録商標である)}]
・トリイソステアリン酸PEG-160ソルビタン[商品名:レオドールTW-IS399C{花王(株)製(レオドールは花王(株)の登録商標である)}]
・ジステアリン酸PEG-190[商品名:エマルミン862{三洋化成工業(株)製(エマルミンは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
・ジステアリン酸グリコール[商品名:EMALEX EG-di-S{日本エマルジョン(株)製(EMALEXは日本エマルジョン(株)の登録商標である)}]
・メントール[商品名:l-メントール{富士フィルム和光純薬(株)製}]
・クエン酸[富士フィルム和光純薬(株)製]
・水酸化カリウム[富士フィルム和光純薬(株)製]
・シア脂[商品名:精製シアバター{生活の木(株)製}]
・ステアリン酸グリセリル[商品名:TG-C{三洋化成工業(株)製}]
・ミネラルオイル[商品名:Carnation{Sonneborn LLC製(Carnationはソンボーンエルエルシーの登録商標である)}]
・フェノキシエタノール[商品名:ニューポールEFP{三洋化成工業(株)製(ニューポールは三洋化成工業(株)の登録商標である)}]
【0088】
キク科植物種子から抽出されたタンパク質と糖化合物及び/又はポリ(オキシエチレン)基を有するアルコールとを含む本発明の毛髪用化粧料は、表1及び2に記載した通り、タンパク質の変性を抑制でき、比較例の毛髪用化粧料に比べて使用後の毛髪の感触及び保湿性が良好である。さらに、洗浄又は紫外線照射による染毛後の髪の褪色を防止でき、ヘアアイロンの熱による髪強度を向上させることができる。
本発明の毛髪用化粧料は、タンパク質の変性を抑制でき、使用後の毛髪の感触及び保湿性が良好であり、さらに、洗浄又は紫外線照射による染毛後の髪の褪色を防止し、ヘアアイロンの熱による髪強度を向上させることができるため、シャンプー及びコンディショナー等に好適である。また、ボディソープ、洗顔料及び食器用洗剤などの洗浄剤に用いることもできる。