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▶ マーティン ゲーエムベーハー ヒュール ウンベルト ウント エナジェテクニックの特許一覧

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  • 特開-ラビリンスシール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169114
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ラビリンスシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/447 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
F16J15/447
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073092
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10 2022 001 707.5
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】521060914
【氏名又は名称】マーティン ゲーエムベーハー ヒュール ウンベルト ウント エナジェテクニック
【氏名又は名称原語表記】MARTIN GmbH fur Umwelt und Energietechnik
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ウーリッヒ マーティン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン フライ
【テーマコード(参考)】
3J042
【Fターム(参考)】
3J042AA04
3J042CA10
3J042DA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ラビリンスシールに欠陥がある場合、それらのディスクをより容易に取り外すこと、再度、新しいディスクを分割ディスクとしてより容易に挿入することで、修復を容易にする。
【解決手段】外側ディスクが配置されるシールハウジングと、内側ディスクが配置されるシャフトとを伴うラビリンスシールであって、シャフトはシールハウジング内で偏心して移動でき、その結果、内側ディスク及び外側ディスクが互いに半径方向に移動できることによって、シャフトの位置合わせで重なり、ディスクのうちの少なくとも1つは複数の部分に分割されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラー設備及び火格子燃焼のシール用のラビリンスシール(1)であって、前記ラビリンスシール(1)は、ふるい分けホッパーに配置され、外側ディスク(6)が配置される、シールハウジング(8)と、内側ディスク(5)が配置されるシャフト(2)とを伴い、前記シャフト(2)は前記シールハウジング(8)で偏心して移動でき、その結果、前記内側ディスク(5)及び前記外側ディスク(6)が互いに半径方向に移動できることによって、前記シャフト(2)の位置合わせで重なり、前記ディスク(5,6)の少なくとも1つは複数の部分(15,16)に分割されることを特徴とする、ラビリンスシール。
【請求項2】
前記ディスク(5,6)は2つの部分(15,16)だけに分割されることを特徴とする、請求項1に記載のラビリンスシール。
【請求項3】
前記内側ディスク(5)及び前記外側ディスク(6)は分割されることを特徴とする、請求項1または2に記載のラビリンスシール。
【請求項4】
複数の内側ディスク(5)は前記シャフト(2)に配置され、複数の外側ディスク(6)は前記シールハウジング(8)に配置され、前記シャフト(2)の位置合わせで、交互に、前記ハウジング上に固定され、前記シャフト上に固定されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のラビリンスシール。
【請求項5】
前記ディスク(5,6)の複数の前記部分(15,16)は、アンダーカット接続部と互いに接続されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のラビリンスシール。
【請求項6】
前記アンダーカット接続部はボタン穴接続部であることを特徴とする、請求項5に記載のラビリンスシール。
【請求項7】
前記アンダーカット接続部は燕尾形接続部であることを特徴とする、請求項5に記載のラビリンスシール。
【請求項8】
複数の前記部分は、安全措置として、少なくとも1つの仮付け溶接(25)で互いに接続されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のラビリンスシール。
【請求項9】
前記シールハウジング(8)は洗浄用開口部(10)を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のラビリンスシール。
【請求項10】
前記シールハウジング(8)はふるい分けホッパー(13)に配置されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のラビリンスシール。
【請求項11】
前記シャフト(2)は可動式格子ステップに接続されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のラビリンスシール。
【請求項12】
シャフト(2)によって駆動される可動式格子ステップと、シールハウジング(8)が配置されるふるい分けホッパー(13)とを伴う燃焼格子であって、前記シャフト(2)は前記シールハウジング(8)を通って延在し、請求項1~11のいずれか1項に記載のラビリンスシール(1)は、前記シャフト(2)と前記シールハウジング(8)との間に配置されることを特徴とする、燃焼格子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラー設備及び火格子燃焼のシール用のラビリンスシールに関し、ラビリンスシールは、ふるい分けホッパーに配置され、外側ディスクが配置される、シールハウジングと、内側ディスクが配置されるシャフトとを伴い、シャフトはシールハウジングで偏心して移動でき、その結果、内側ディスク及び外側ディスクが互いに半径方向に移動できることによって、シャフトの位置合わせで重なる。さらに、本発明は、シャフトによって駆動される可動式格子ステップと、シールハウジングが配置されるふるい分けホッパーとを伴う燃焼格子に関し、シャフトはシールハウジングを通って延在する。
【背景技術】
【0002】
壁を通してシャフトを誘導する必要があり、そして、一方では、シールが壁に必要であり、他方では、回転運動だけでなく偏心運動を伝達するために、シャフトが偏心して搭載されるような応用分野がある。
【0003】
そのような状況、例えば、ボイラー設備には、ステップ格子がシャフトとともに移動するような状況が存在している。外側から加熱炉の中に誘導されたシャフトは偏心して移動し、かなりの温度差があり、加熱炉の内側及び外側に異なる媒体がある結果として、信頼性できるシールを確実にする必要がある。
【0004】
そのような課題について、ラビリンスシールとともにシャフトを使用することが知られている。ここで、シャフトは半径方向に突出する内側ディスクを有し、ハウジングは、内側ディスクの間に配置されて半径方向に突出する、外側ディスクを有し、その結果、シャフトのディスク及びハウジングのディスクは交互に並ぶ。したがって、これは、ボイラー設備の内側の媒体が外部に漏れること、または外気が外部からボイラー設備の中に入ることを防止する。
【0005】
とりわけ、ボイラー設備の内側のほこりが、ラビリンスシールの中に入り、ディスク上に堆積されるほこりがもたらされる。したがって、全ての残存する残りのチャネルが閉鎖されるため、最初は、そこに付着したほこりにより、シール性が向上する。しかしながら、これは、また、シャフトの運動を邪魔する可能性があり、最終的に、ディスクの破損をもたらす可能性があり、次に、ラビリンスシールの機能が制限される。
【0006】
この効果として、そのようなラビリンスシールの場合、最初は、シールの機能は向上するが、その後、その耐用期間の経過中、再度、悪化し、最終的に、ディスクはさらに破壊する可能性があり、シールを分解及び交換することが必要になる。これをするために、シャフトは、そのディスクとともに、簡単に取り外すことはできないが、むしろ、新しいシールを挿入することを可能にするために、ハウジング及び/またはシャフト上にあるディスクを完全に取り外す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これは多くの時間と労力を要し、一般に、プラントをシャットダウンすることがもたらされるため、本発明の根本的な課題として、そのようなラビリンスシールを開発すること、または、ラビリンスシールを別のシールと交換することが挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を有するラビリンスシールによって解決される。有利になる開発は、従属請求項の主題となる。
【0009】
幸運にも、結果的に、ラビリンスシールの原理を保持しながら、本発明の根本的な課題は、複数のディスクのうちの少なくとも1つが汎用のラビリンスシールで複数の部分に分離されるという事実によって解決できる。これにより、シールに欠陥がある場合、内側ディスク及び/または外側ディスクを分割することが可能になり、ひいては、それらのディスクをより容易に取り外すことが可能になる。また、再度、新しいディスクを分割ディスクとしてより容易に挿入することもできる。これにより、修復がかなり容易になる。
【0010】
ディスクを2つまたは3つだけの部分に分割する場合に有利になる。原則として、ディスクをより容易に分解するために、ディスクを多くの部分に分割することが可能になる。特に、大きいディスクは、好ましくは、より多い部分に分割される。実際には、しかしながら、一般に、2つまたは3つだけの部分への分割で十分であることが発見されている。
【0011】
ラビリンスシールの実施形態に応じて、内側ディスクまたは外側ディスクだけを分割することが十分になり得る。実際には、しかしながら、内側ディスクまたは外側ディスクを分割する場合に有利になる。
【0012】
1つだけのディスクがシャフト上またはシールハウジング上に配置される場合に十分であり得る。しかしながら、複数の内側ディスクはシャフトに配置され、複数の外側ディスクはシールハウジングに配置され、シャフトの位置合わせで、交互に、ハウジング上に固定され、シャフト上に固定される場合に有利になる。
【0013】
シャフトの部分を接続するとき、シャフトの位置合わせでディスクの厚さがかなり増加しないように注意する必要がある。この理由として、そのように注意しないと、ラビリンスシールのディスクパックの寸法が過度に大きくなるためである。したがって、ディスクの部分は、アンダーカット接続部と互いに接続される。ボタン穴接続部または燕尾形接続部は、例えば、アンダーカット接続部として使用できる。
【発明の効果】
【0014】
また、そのような接続は非常に確実に構成もできるが、分割ディスクの部分が安全措置として少なくとも1つの仮付け溶接で互いに接続される場合、多くの応用分野で有利である。
【0015】
さらに、シールハウジングが洗浄用開口部を含む場合に有利になる。
【0016】
そのようなラビリンスシールは、ボイラー設備及び火格子燃焼のシールに特に適切である。したがって、特定の応用分野として、ふるい分けホッパーのシールハウジングの装置が挙げられる。
【0017】
具体的には、そのような場合、シャフトが可動式格子ステップに接続される場合に有利になる。
【0018】
したがって、本発明の根本的な課題は、また、請求項12に記載の特徴がある燃焼格子を用いることによっても解決される。
【0019】
実施形態の例は図面に示され、以下に詳細にさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ラビリンスシールの断面図を示す。
図2】分割ディスクの平面図を示す。
図3図2に示されるディスクの側面図を示す。
図4図2の拡大詳細図を示す。
図5】溶接線がある図4の拡大詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、水平格子上にラビリンスシールをオーバーホールするための方法の例を使用して説明される。水平格子では、可動式格子ステップの駆動力は、シャフト2を介して、水平格子の下に配設されるふるい分けホッパー13に伝送される。シャフト2は回転運動を行うだけでなく、円形軌道上を移動するため、この運動を可能にするために、ふるい分けホッパー13を通るシャフト開口部3をシャフトの直径よりもかなり大きく作る必要がある。壁4を通ってふるい分けホッパー13までのシャフト2は薄板シール1によって行われる。この薄板シール1は、シャフト上に固定して配置された内側ディスクと、ハウジング上に固定して配置された外側ディスク6とが交互に並ぶ複数のディスクの薄板状の一連の接続部を含み、シーリングディスクが互いに半径方向に移動にできるため、また、それにもかかわらず、常に重なることにより、ラビリンスシールと同様のシールが生じる。
【0022】
これまで、新しいプラントの生産では、または交換用揺動部の生産では、シーリングディスクは、外側駆動レバー7の溶接前に揺動部の生産中、シャフト2に既に押し付けられていた。次に、外側駆動レバー7がシャフト上に設置及び溶接されることにより、組み立てられたシーリングディスク5,6は分解非破壊式ではなかった。
【0023】
しかしながら、シーリングディスクは動作中に摩耗を受け、必要なとき、交換する必要がある。一体型シーリングディスク5,6の分解は、組み立てられたディスクの破壊だけによって行うことができる。したがって、新しい一体型ディスクの組み立ては、分解されたシャフト2及び分解された外部駆動レバー7だけを用いて行うことができる、または、現場で新しいディスクを分割し、その後、結合することによって組み立てを行う必要があった、のいずれかであった。シールに必要な一緒に接合されたディスク半分の表面品質の生産は、困難な状況で、そしてアクセスに制限がある状況だけで可能である。したがって、両方のアプローチはかなりの時間及び生産コストが必要であるため、さらに、生産に関連する困難性が生じることに関連付けられる。
【0024】
この課題に関連して、図1は、外側ディスク6が配置されるシールハウジング8と、内側ディスク5が配置されるシャフト2とを示す。洗浄用開口部10はねじ9によって閉鎖された状態のままになり、安全シート11は反対側に設けられている。これは、ねじりレバー12からシャフト2を介して、ふるい分けホッパー13にある駆動レバー7に力を伝達し、そこから、可動式格子ステップ(示されない)の上に向かって、その力を前方に伝達することを可能にする。
【0025】
図2は分割された内側ディスク5を示し、内側ディスク5は、上側ディスク半分15及び下側ディスク半分16に、交差点14で分割される。交差点14において、上側ディスク半分15の2つの突出要素17及び18は、下側ディスク半分16の対応する凹部19及び20に係合する。それに応じて、2つの突出要素21及び22は、反対側にある対応する凹部23及び24に係合する。したがって、ディスク半分15及びディスク半分16は、互いに堅固に接続される。凹部19ならびに凹部20及び凹部23ならびに凹部24はアンダーカット部を有し、アンダーカット部は、突出要素17,18及び21,22が凹部19,20及び凹部23,24から分離されることを防止する。
【0026】
しかしながら、安全措置として、溶接点25が、上側ディスク半分15と下側ディスク半分16との間の接続領域14の半径方向外側領域に設けられる。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】