IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

特開2023-169149装飾的なガラス上にタッチパネルを有するディスプレイ用のデッドフロントおよび関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169149
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】装飾的なガラス上にタッチパネルを有するディスプレイ用のデッドフロントおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231121BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20231121BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20231121BHJP
   C03C 17/34 20060101ALN20231121BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G06F3/041 495
G06F3/041 460
G06F3/041 640
B60K35/00 A
B60K35/00 Z
C03C17/34 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133392
(22)【出願日】2023-08-18
(62)【分割の表示】P 2020514953の分割
【原出願日】2018-09-12
(31)【優先権主張番号】62/557,502
(32)【優先日】2017-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/679,278
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/729,695
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ウェイド フェントン
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ デー ルジュフルール
(72)【発明者】
【氏名】シュィ オウヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーウェイ スゥン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア リー トーカー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好なデッドフロント外観と、ディスプレイがオンであるときの高品質のディスプレイとの両方を達成することができるデッドフロント製品を提供する。
【解決手段】デッドフロント製品は、第1の面および第2の面を有する基板を有する。デッドフロント製品は、基板の第2の面に配置された半透明層も有する。半透明層は、単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有し、半透明層は第1の光学濃度を有する。さらに、デッドフロント製品は、領域に配置されたコントラスト層を有する。コントラスト層は、半透明層の色の可視性を高めるように構成されている。
【選択図】図28
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッドフロント製品であって、
基板であって、第1の面と、該第1の面と反対側の第2の面とを有する基板と、
前記基板の前記第2の面に配置され、0.1~0.5の光学濃度を有し、2つ以上の色のパターンを形成する半透明層であって、CMYK色モデルを使用して前記基板の前記第2の面に印刷される半透過層と、
前記領域の少なくとも一部に配置されたコントラスト層であって、可視スペクトルの光を反射し、前記デッドフロント物品を前記第1の面から見たときに前記パターンが見えるようにする反射面を含む、コントラスト層と、
前記コントラスト層上に配置されたカラー層であって、複数の色からなるカラー層と、
を備え、
前記半透明層は、CMYK色モデルを使用して前記コントラスト層上に印刷される、デッドフロント製品。
【請求項2】
前記コントラスト層は、白またはグレーである、請求項1記載のデッドフロント製品。
【請求項3】
前記コントラスト層は、白であり、ISO 11475:2004に従って測定された20W以上の白色度を有する、請求項2記載のデッドフロント製品。
【請求項4】
前記半透明層は、前記コントラスト層と前記基板の間に配置され、
前記コントラスト層は、前記カラー層と前記半透明層の間に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のデッドフロント製品。
【請求項5】
前記半透明層が、第1の熱硬化性インクまたはUV硬化性インク、
前記コントラスト層が、第2の熱硬化性インクまたはUV硬化性インク、
前記カラー層が、第3の熱硬化性インクまたはUV硬化性インク、
であることのうちの少なくとも1つである、請求項1から3までのいずれか1項記載のデッドフロント製品。
【請求項6】
前記2つ以上の色のパターンは、革シボパターン、木目調パターン、織物パターン、ブラシ研磨金属仕上げパターン、グラフィックまたはロゴのうちの少なくとも1つである、請求項1から3までのいずれか1項記載のデッドフロント製品。
【請求項7】
前記半透明層は、1μm~6μmの平均厚さを有し、
前記コントラスト層は、1μm~14μmの平均厚さを有し、
前記カラー層は、1μm~6μmの平均厚さを有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のデッドフロント製品。
【請求項8】
前記コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層をさらに備え、前記コントラスト層が、前記高光学濃度層と前記半透明層との間に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のデッドフロント製品。
【請求項9】
前記コントラスト層は、第1の光学濃度を有し、前記高光学濃度層は、第2の光学濃度を有し、前記半透明層は、第3の光学濃度を有し、前記第1の光学濃度、前記第2の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、少なくとも3.4である、請求項8記載のデッドフロント製品。
【請求項10】
前記カラー層は、0.3~0.7の第4の光学濃度を有し、
少なくとも1つの領域において、前記第1の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、1.2~1.6である、請求項9記載のデッドフロント製品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2018年9月11日に出願された米国特許仮出願第62/729695号明細書、2018年6月1日に出願された米国特許仮出願第62/679278号明細書および2017年9月12日に出願された米国特許仮出願第62/557502号明細書の、米国特許法第119条の下での優先権の利益を請求し、各明細書の内容は、引用によりそれらの全体が援用されかつ本明細書に組み込まれる。
また、本願は、2018年9月12日に出願された特願2020-514953号の分割出願である。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ディスプレイ用のデッドフロント製品、特に、ディスプレイ用のデッドフロント製品を含む車両インテリアシステムおよびこれを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイを含む様々な用途では、デッドフロント外観を有するディスプレイ表面または機能的表面を有することが望まれる。一般に、デッドフロント外観は、ディスプレイ領域と非ディスプレイ領域との間または製品のデッドフロント領域と非デッドフロント領域またはその他の表面との間に継ぎ目のない移行部が存在するように、ディスプレイまたは機能的表面を隠す方法である。例えば、ガラスまたはプラスチックのカバー表面を有する典型的なディスプレイでは、ディスプレイがオフにされているときもディスプレイの縁部(またはディスプレイ領域から非ディスプレイ領域への移行部)を見ることができる。しかしながら、美的な外観またはデザインの観点から、ディスプレイがオフのとき、ディスプレイ領域と非ディスプレイ領域とが互いに識別不能なものとして存在し、カバー表面が、統一された外観を呈するようなデッドフロント外観を有することが望まれることが多い。デッドフロント外観が望まれる1つの用途は、車載ディスプレイまたはタッチインターフェースを含む自動車インテリア、およびモバイルデバイスおよび家電製品を含む消費者モバイルまたはホームエレクトロニクスにおけるその他の用途である。しかしながら、良好なデッドフロント外観と、ディスプレイがオンであるときの高品質のディスプレイとの両方を達成することは困難である。
【発明の概要】
【0004】
1つの態様において、本開示の実施形態は、デッドフロント製品に関する。デッドフロント製品は、基板、半透明層およびコントラスト層を有する。基板は、第1の面と、第1の面と反対側の第2の面とを有する。半透明層は、基板の第2の面の少なくとも第1の部分に配置されている。さらに、半透明層は、単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有する。コントラスト層は、領域の少なくとも一部に配置されている。コントラスト層は、領域の色の可視性を高めるように、またはコントラスト層が配置されている領域の部分における、領域のデザインの色間のコントラストを高めるように、構成されている。
【0005】
別の態様において、デッドフロント製品を組み込んだ装置の実施形態が提供される。装置は、基板と、基板の第1の面に配置された半透明層と、半透明層の少なくとも一部に配置されたコントラスト層と、コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層とを有するデッドフロント製品を有する。高光学濃度層は、少なくとも1つのアイコンを少なくとも部分的に形成している。装置は、少なくとも1つのアイコンの背後に配置されたタッチパネルをさらに有する。
【0006】
本開示の別の実施形態は、ディスプレイ用の湾曲したデッドフロント製品を形成する方法に関する。方法は、湾曲した面を有する支持体において、ガラス層を有するデッドフロント製品を湾曲させるステップと、デッドフロント製品が支持体の湾曲した面の湾曲した形状に一致するように、湾曲したデッドフロント製品を支持体に固定するステップと、を含む。デッドフロント製品を湾曲させかつ固定する間、デッドフロント製品の最大温度は、ガラス層のガラス転移温度未満である。さらに、デッドフロント製品は、ガラス層の第1の面に配置された半透明層と、コントラスト層とを有する。半透明層は、単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有し、コントラスト層は、領域の少なくとも一部に配置されている。コントラスト層は、領域の色の可視性を高めるように、またはコントラスト層が配置されている領域の部分における、領域のデザインの色間のコントラストを高めるように、構成されている。
【0007】
付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明に示され、一部は、その説明から当業者に容易に明らかになりまたは以下の詳細な説明、請求項および添付の図面を含む本明細書に説明されている実施形態を実施することによって認識される。
【0008】
前記の概略的な説明および以下の詳細な説明の両方は単に例示的であり、請求項の性質および特性を理解するための概略または枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部に組み込まれておりかつ本明細書の一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を示しており、説明と共に、様々な実施形態の原理および操作を説明するために機能する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書において説明された実施形態のうちの1つ以上によるデッドフロント製品を利用した車両インテリアシステムを備える車両インテリアの斜視図である。
図2】1つの典型的な実施形態による、ディスプレイが消灯された単色デッドフロント製品を備えるディスプレイを示している。
図3】1つの典型的な実施形態による、ディスプレイが点灯された図2のデッドフロント製品を備えるディスプレイを示している。
図4】1つの典型的な実施形態による、ディスプレイが消灯された、パターン化されたデッドフロント製品を備えるディスプレイを示している。
図5】1つの典型的な実施形態による、ディスプレイが点灯された図4のデッドフロント製品を備えるディスプレイを示している。
図6】1つの典型的な実施形態による、半透明層およびコントラスト層を有するディスプレイのためのデッドフロント製品の縦断面図である。
図7】1つの典型的な実施形態による、機能表面層および不透明層を有するディスプレイのためのデッドフロント製品の別の縦断面図である。
図8】1つの典型的な実施形態による、デッドフロント製品を有するLEDディスプレイの縦断面図である。
図9】1つの典型的な実施形態による、デッドフロント製品を有するDLP MEMSチップの縦断面図である。
図10】1つの典型的な実施形態による、タッチスクリーン機能を備えるデッドフロントディスプレイの縦断面図である。
図11】1つの典型的な実施形態による、車両インテリアのための革シボデッドフロントディスプレイである。
図12】1つの典型的な実施形態による、車両インテリアのための木目調デッドフロントディスプレイである。
図13A】半透明層が印刷されたガラス層の前側を示している。
図13B】半透明層が印刷されたガラス層の裏側を示している。
図14A】1つの典型的な実施形態による、半透明層およびコントラスト層が印刷されたガラス層の前側を示している。
図14B】1つの典型的な実施形態による、半透明層およびコントラスト層が印刷されたガラス層の裏側を示している。
図15】1つの典型的な実施形態による、ガラスシートに印刷された、可変白色度のコントラスト層を示している。
図16】1つの典型的な実施形態による、可変透過率のコントラスト層のための透過率のグラフである。
図17】1つの典型的な実施形態による、デッドフロント製品のための、4つの異なるパターンの半透明層を示している。
図18】1つの典型的な実施形態による、革シボから黒単色へ移行する半透明層を有するデッドフロント製品を示している。
図19】デッドフロント製品のためのニットパターンの半透明層を示している。
図20】1つの典型的な実施形態による、デッドフロント製品のためのニットパターンの半透明層を示しており、ニットパターンの半透明層の背後にコントラスト層が印刷されている。
図21】1つの典型的な実施形態による、コントラスト層に窓を備える、大理石パターンの半透明層を有するデッドフロント製品の前側を示している。
図22】1つの典型的な実施形態による、コントラスト層に窓を備える、大理石パターンの半透明層を有するデッドフロント製品の裏側を示している。
図23】1つの典型的な実施形態による、ディスプレイと共に使用するための、湾曲したガラスデッドフロント製品の側面図である。
図24】1つの典型的な実施形態による、湾曲形成の前の図6のガラスデッドフロント製品のためのガラス層の前方斜視図である。
図25】1つの典型的な実施形態による、湾曲したディスプレイフレームに合致するように成形されたガラス層を有する、湾曲したデッドフロント製品を示している。
図26】1つの典型的な実施形態による、ガラス層を含むデッドフロント製品を湾曲した形状に冷間成形するためのプロセスを示している。
図27】1つの典型的な実施形態による、湾曲したガラス層を含む湾曲したデッドフロント製品を形成するためのプロセスを示している。
図28】1つの典型的な実施形態による、デッドフロント製品の層の分解図である。
図29】1つの典型的な実施形態による、木目調デッドフロント製品を示している。
図30】1つの典型的な実施形態による、照明された裏側を有する木目調デッドフロント製品を示している。
図31】1つの典型的な実施形態による、照明された裏側および異なる色のアイコンを有する木目調デッドフロント製品を示している。
図32】不透明率が高すぎる、炭素繊維パターンデッドフロント製品を示している。
図33】照明された裏側を有する図32のデッドフロント製品を示しており、高レベルの不透明率がアイコンを分かりにくくすることを実証している。
図34】1つの典型的な実施形態による、開示された範囲内の不透明率を有する、炭素繊維パターンデッドフロント製品を示している。
図35】照明された裏側を有する図34のデッドフロント製品を示しており、アイコンのより良い可視性を実証している。
図36】1つの典型的な実施形態による、タッチパネルを有するデッドフロント製品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
全体的に図面を参照すると、車両インテリアシステムは、湾曲したディスプレイ表面などの、透明であるように設計された様々な異なる湾曲した表面を有してもよく、本開示は、これらの湾曲した表面を形成するための製品および方法を提供する。1つ以上の実施形態において、このような表面は、ガラス材料またはプラスチック材料から形成されている。ガラス材料から湾曲した車両表面を形成することは、車両インテリアにおいて従来見られる典型的な湾曲したプラスチックパネルと比較して多くの利点を提供することがある。例えば、ガラスは、一般的に、プラスチックカバー材料と比較して、ディスプレイ用途およびタッチスクリーン用途などの、多くの湾曲したカバー材料用途のための高められた機能性およびユーザエクスペリエンスを提供すると考えられる。
【0011】
さらに、デッドフロント外観を備えるディスプレイ、特に車両インテリアシステムのためのディスプレイを装備することが多くの用途において望ましいと考えられる。概して、デッドフロント外観は、ディスプレイがオフのとき、下にあるディスプレイコンポーネント、アイコン、グラフィックなどの可視性を遮断するが、ディスプレイがオンのときまたは作動させられたとき(タッチイネーブル式ディスプレイの場合)、ディスプレイコンポーネントが容易に見えるようにする。加えて、デッドフロント効果を提供する製品(すなわち、デッドフロント製品)は、デッドフロント製品から周囲のコンポーネントへの移行部の可視性を排除するために製品の色またはパターンを隣接するコンポーネントと適合させるために使用することができる。これは、デッドフロント製品が周囲のコンポーネントと異なる材料であるときに特に有効である可能性がある(例えば、デッドフロント製品は、ガラス材料から形成されているが、革で被覆されたセンターコンソールによって包囲されている)。例えば、デッドフロント製品は、ディスプレイの外観を、ディスプレイが取り付けられている車両インテリアシステムの周囲の木製または革製コンポーネント(例えば、木製または革製のダッシュボード)と適合させるために革パターンを使用することができる木目調パターンまたは革パターンを有してもよい。
【0012】
本開示の様々な実施形態は、冷間成形または冷間曲げプロセスを利用する、湾曲したガラスベースのデッドフロント製品の形成に関する。本明細書において説明するように、典型的なガラス熱間成形プロセスの欠点を回避する、湾曲したガラスベースのデッドフロント製品およびこれを形成するためのプロセスが提供される。例えば、熱間成形プロセスは、大きなエネルギを必要とし、本明細書において説明される冷間曲げプロセスに対して、湾曲したガラスコンポーネントを形成するコストを増大させる。加えて、熱間成形プロセスは、一般的に、デッドフロントインクまたは顔料層などのガラスコーティング層の適用をより困難にする。例えば、インクまたは顔料材料は、一般的に、熱間成形プロセスの高温に耐えることができないので、熱間成形プロセスの前にガラス材料の平坦なピースに多くのインクまたは顔料材料を塗布することはできない。さらに、熱間曲げの後での湾曲したガラス製品の表面へのインクまたは顔料材料の塗布は、平坦なガラス製品への塗布よりも実質的により困難である。
【0013】
図1は、1つの典型的な実施形態による、3つの異なる車両インテリアシステム100,200,300を有する車両インテリア10を示している。車両インテリアシステム100は、湾曲したディスプレイ130として示されたディスプレイを有する湾曲した表面120を備えるセンターコンソールベース110を有する。車両インテリアシステム200は、湾曲したディスプレイ230として示されたディスプレイを有する湾曲した表面220を備えるダッシュボードベース210を有する。ダッシュボードベース210は、一般的に、インストルメントパネル215を有し、このインストルメントパネル215もまた湾曲したディスプレイを有してもよい。車両インテリアシステム300は、湾曲した表面320と、湾曲したディスプレイ330として示されたディスプレイとを備える、ダッシュボードステアリングホイールベース310を有する。1つ以上の実施形態において、車両インテリアシステムは、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、または湾曲した表面を有する車両のインテリアのあらゆる部分であるベースを有してもよい。
【0014】
本明細書に説明されるデッドフロント製品の実施形態は、車両インテリアシステム100,200および300のうちのいずれかまたは全てにおいて使用することができる。図1は自動車インテリアを示しているが、車両インテリアシステムの様々な実施形態は、人間によって操縦される車両、半自律的車両および完全に自律的な車両を含む、電車、自動車(例えば、乗用車、トラック、バスなど)、船舶(ボート、船、潜水艦など)、航空機(例えば、ドローン、飛行機、ジェット、ヘリコプターなど)のあらゆるタイプの車両に組み込まれてもよい。さらに、本明細書における説明は、主に、車両ディスプレイにおいて使用されるデッドフロントの実施形態の使用に関するが、本明細書において説明される様々なデッドフロントの実施形態はあらゆるタイプのディスプレイ用途において使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0015】
図2および図3を参照すると、ディスプレイ130,230および/または330などの車両ディスプレイ用のデッドフロント製品400が示されており、説明される。図2は、関連するディスプレイの光源が非作動であるときのデッドフロント製品400の外観を示しており、図3は、関連するディスプレイの光源が作動しているときのデッドフロント製品400の外観を示している。図3に示したように、光源が作動しているとき、グラフィック410および/または複数のアイコンが、デッドフロント製品を通じて見える。光源が非作動であるとき、グラフィック410は消え、デッドフロント製品400は、グラフィック410によって途切れない所望の表面仕上げを示す表面(例えば、図2における黒い表面)を表示する。実施形態において、光源は、電源ボタン420を使用して作動させられる。図2および図3の実施形態に示したように、電源ボタン420は、点灯させられており、作動したときに赤色から緑色へ変化する。典型的な実施形態において、電源ボタン420は、IEC 60417-5007、IEC 60417-5008、IEC 60417-5009およびIEC60417-5010のうちの1つに従うように選択される。
【0016】
図4および図5は、ディスプレイ130,230および/または330などの車両ディスプレイ用のデッドフロント製品400の別の実施形態を示している。図2の単色のデッドフロント製品400と比較して、図4には、パターン化されたデッドフロント製品400が示されている。図4に示したように関連するディスプレイの光源が非作動であるとき、デッドフロント製品400のパターンのみを見ることができる。図5において、関連するディスプレイの光源は作動しており、デッドフロント製品400を通じてアイコン430を見ることができる。したがって、光源が非作動であるとき、アイコン430は消え、デッドフロント製品400は、アイコン430によって途切れない所望のパターンを示す表面(例えば、図4における革シボパターン)を表示する。
【0017】
以下でより詳細に説明するように、デッドフロント製品400は、外側基板と光源との間に配置された1つ以上の着色層を利用することによって、このディファレンシャルアイコンディスプレイを提供する。着色層の光学的特性は、光源がオフにされたとき、着色層の下のアイコンまたはその他のディスプレイ構造の境界は見えないが、光源がオンであるとき、グラフィック410および/またはアイコン430が見えるように設計されている。様々な実施形態において、本明細書において説明されたデッドフロント製品は、光源がオンであるときの高コントラストアイコンを含む高品質のデッドフロント外観を、ライトがオフであるときの均一なデッドフロント外観と組み合わせて提供するように設計されている。さらに、出願人は、これらの様々なデッドフロント製品に、以下で説明するように、複雑な湾曲した形状を含む湾曲した形状に冷間成形するのに適した材料を提供する。
【0018】
ここで図6を参照すると、デッドフロント製品400の構造の1つの実施形態が示されている。特に、デッドフロント製品400は、少なくとも、基板450と、半透明層460と、コントラスト層470とを有する。基板450は、見る人に面した外側面480と、内側面490とを有し、内側面490には、半透明層460および/またはコントラスト層470が少なくとも部分的に配置されている。本明細書において使用されるとき、「配置する」という用語は、技術分野において公知のあらゆる方法を用いて面に材料を被覆、堆積および/または形成することを含む。配置された材料は、本明細書において規定されるように、層を構成してもよい。本明細書において使用されるとき、「~に配置される」という語句は、材料が面と直接接触するように材料を面上に形成する例を含み、かつまた配置される材料と面との間に1つ以上の介在する材料が存在するように材料が面に形成される例を含む。介在する材料は、本明細書において規定されるように、層を構成してもよい。「層」という用語は、1つの層を含んでもよいまたは1つ以上の副層を含んでもよい。このような副層は互いに直接接触していてもよい。副層は、同じ材料または2つ以上の異なる材料から形成されていてもよい。1つ以上の代替的な実施形態において、このような副層は、副層の間に配置された異なる材料の介在する層を有してもよい。1つ以上の実施形態において、層は、1つ以上の隣接した中断していない層および/または1つ以上の不連続な中断した層(すなわち、互いに隣接して形成された異なる材料を有する層)を含んでもよい。層または副層は、個別の堆積または連続的な堆積プロセスを含む、技術分野において公知のあらゆる方法によって形成されてもよい。1つ以上の実施形態において、層は、連続的な堆積プロセスのみを用いて、または代替的に個別の堆積プロセスのみを用いて形成されてもよい。
【0019】
基板450の特性が以下でより詳細に説明されるが、実施形態において、基板450は、0.05~2.0mmの厚さを有する。1つ以上の実施形態において、基板は、PMMA、ポリカーボネートなどの透明なプラスチックであってもよいまたは(選択的に強化されていてもよい)ガラス材料を含んでもよい。やはり以下でより詳細に説明するように、実施形態において、半透明層460は、基板450の内側面490の少なくとも一部に印刷されてもよい。その他の実施形態において、半透明層460は、非導電真空蒸着を使用して堆積させられる。さらに、実施形態において、コントラスト層470は、基板450の内側面490の少なくとも一部および/または半透明層460の少なくとも一部に印刷される。
【0020】
図7に示したようなある実施形態において、デッドフロント製品400は、機能的表面層500および/または不透明層510(「高光学濃度層」とも呼ばれる)も有する。機能的表面層500は、様々な機能のうちの1つ以上を提供するように構成することができる。別の典型的な実施形態において、機能的表面層500は、清掃容易性能、眩惑防止特性、反射防止特性および/またはハーフミラーコーティングを提供するように構成された光学的コーティングである。このような光学的コーティングは、1つの層または複数の層を使用して形成することができる。反射防止機能的表面層の場合、このような層は、高い屈折率と低い屈折率とが交互に位置した複数の層を使用して形成されてもよい。低屈折率材料の限定しない例は、SiO2、MgF2およびAl23を含み、高屈折率材料の限定しない例は、Nb25、TiO2、ZrO2、HfO2およびY23を含む。実施形態において、(眩惑防止表面または滑らかな基板表面上に配置されてもよい)このような光学的コーティングの総厚さは、5nm~750nmである。加えて、実施形態において、清掃容易性能を提供する機能的表面層500は、タッチスクリーンのための向上した感覚および/または指紋を減じるためのコーティング/処理を提供する。幾つかの実施形態において、機能的表面層500は、基板の第1の面と一体的である。例えば、このような機能的表面層は、眩惑防止表面(または例えば2%~20%の曇り)を提供する、基板450の第1の面におけるエッチングされた表面を含むことができる。機能的表面層500は、設けられている場合、基板450、半透明層460およびコントラスト層470と共に、デッドフロント製品400の半透明構造520を構成する。
【0021】
以下でより詳細に説明するように、不透明層510は、光透過を遮断するための高光学濃度を有する。本明細書において使用されるとき、「不透明層」は、「高光学濃度層」と互換的に用いられる。実施形態において、不透明層510は、デッドフロント製品400のある領域を光が透過することを遮断するために使用される。ある実施形態において、不透明層510は、デッドフロント製品400の作動のために設けられた機能的エレメントまたは非装飾的エレメントを見えにくくする。その他の実施形態において、不透明層510は、(図2および図3に示されたグラフィック410および/または電源ボタン420および図5に示されたアイコン430などの)背面照明されるアイコンおよび/またはその他のグラフィックの輪郭を示すために設けられており、これにより、このようなアイコンおよび/またはグラフィックの縁部におけるコントラストを高める。したがって、実施形態において、不透明層510は、グラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430のための窓を形成する、層における断続部を有する。すなわち、実施形態において、不透明層510は、グラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430のための周囲の縁部に達するまで連続的に延びている。このような周縁部において、不透明層510は途切れているまたは幾つかの実施形態において、光学濃度を実質的に減じる(例えば、材料の厚さを小さくする、材料密度を減じるなど)。実施形態において、不透明層510は、例えば、ある電源ボタン420の「I」および「O」を形成するなど、グラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430の特徴を形成するためにグラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430の領域において断続的に再び始まる。したがって、実施形態において、不透明層510は、基板450の外側面480を通じて使用者に見えるグラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430の部分が不透明層510のブランク領域であることにより、グラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430のイメージネガを形成している。
【0022】
不透明層510は、あらゆる色であることができるが、特定の実施形態において、不透明層510は、黒またはグレーである。実施形態において、不透明層510は、基板450の半透明層460および/または内側面490上にスクリーン印刷またはインクジェット印刷によって提供される。概して、インクジェット印刷された不透明層510の厚さは、1μm~5μmであるのに対し、スクリーン印刷された不透明層510の厚さは、5μm~20μmである。したがって、印刷された不透明層510は、1μm~20μmの範囲の厚さを有することができる。しかしながら、その他の実施形態において、不透明層510は、物理蒸着法によって堆積された金属層であるかつ/またはカラーマッチングのために上述の高屈折率/低屈折率スタッキングを用いて製造された光学的スタックである。
【0023】
図28は、1つの実施形態におけるデッドフロント製品400を有する層の分解図を示している。見ることができるように、層は、基板450、半透明層460、コントラスト層470、不透明層510およびカラー層650を含む。図28に見ることができるように、半透明層460は、木目調パターンであり、不透明層510は、例えば、電源ボタン420、チューニング制御、音量制御、プリセットなどの、エンターテイメントコンソールのためのアイコン430のネガイメージを提供している。半透明層460、コントラスト層470および不透明層510の組合せは、図29および図30に示したようにデッドフロント製品400を提供する。図29において、半透明層460の木目調は、デッドフロント製品400が背面照明されていないときに見られ、デッドフロント製品400が背面照明されたとき、アイコン430は、デッドフロント製品400の外側面480を通じて見ることができる。再び図28を参照すると、カラー層650が(少なくともアイコン430の領域において)不透明層510に重なって配置されている場合、図31に示したようにアイコン430の色を変化させることができる。さらに、単色層650が図28に示されているのに対し、カラー層650は、図31に示された、層にわたる複数の色および/または特定のアイコン430またはアイコン430の部分の領域における特定の色を含むことができる。これにより、幾つかの実施形態において、カラー層650は連続的な層であり、その他の実施形態において、カラー層650は不連続であり、すなわち、色は、アイコン430を規定する領域において、不透明層510および/またはコントラスト層470にわたる所定の位置にのみ提供されている。
【0024】
実施形態において、層の光学濃度は、デッドフロント製品400が背面照明されているときのグラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430の可視性を高めるように調整される。特定の実施形態において、照明される領域(すなわち、グラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430)における半透明層460およびコントラスト層470の組み合わされた光学濃度は、1.0~2.1である。その他の実施形態において、組み合わされた光学濃度は1.2~1.6であり、さらに別の実施形態では、組み合わされた光学濃度は、約1.4である。照明される領域の光学濃度を提供する場合、実施形態において、コントラスト層470の光学濃度は0.9~2.0であり、実施形態において、半透明層460の光学濃度は0.1~0.5である。照明されない領域(すなわち、グラフィック410、電源ボタン420および/またはアイコン430を包囲する領域)において、半透明層460、コントラスト層470および不透明層510の組み合わされた光学濃度は、少なくとも3.4である。照明されない領域の光学濃度を提供する場合、実施形態において、コントラスト層470の光学濃度は0.9~2.0であり、実施形態において、半透明層460の光学濃度は0.1~0.5であり、実施形態において、不透明層510の光学濃度は少なくとも2.4である。典型的な実施形態において、カラー層650の光学濃度は、0.3~0.7である。さらに、実施形態において、特定の層の光学濃度は、高められたコントラストを提供するためにまたはインクもしくは層を含む材料を保つために、層にわたって変化していることができる。例えば、コントラスト層470における光学濃度は、照明されない領域より照明される領域において低いことができる。加えて、カラー層650の光学濃度は、照明される領域よりも照明されない領域において低い(またはゼロである)ことができる。
【0025】
図32および図33と、図34および図35とは、異なるレベルの光学濃度を有する異なるデッドフロント製品を示しており、これにより、これらの図面は、照明される領域において光学濃度が高すぎるデッドフロント製品400(図32および図33)と、光学濃度が、照明される領域に関して上述された範囲にあるデッドフロント製品400(図34および図35)との異なる外観を示している。図32に見られるように、デッドフロント製品は炭素繊維パターンを有し、この炭素繊維パターンにおいて、半透明層の光学濃度が高すぎる。これにより、図33に見られるように、照明される領域が見えにくくなっている。比較して、図34におけるデッドフロント製品400には、上述の範囲内の光学濃度を有する半透明層460、コントラスト層470および不透明層510を有する炭素繊維パターンが提供されている。したがって、図35に示したように、アイコン430は、大幅によりくっきりとしており、明確に見えている。やはり図35に示したように、中央アイコン430は、カラー層650を使用して赤色が提供された電源ボタン420である。
【0026】
図8および図9に示したように、デッドフロント製品400は、ディスプレイ530上またはディスプレイ530の前側に配置されている。1つ以上の実施形態において、ディスプレイは、ディスプレイおよびタッチパネルを含むタッチ・イネーブルド・ディスプレイを含んでもよい。典型的なディスプレイは、LEDディスプレイ(図8)、DLP MEMSチップ(図9)、LCD、OLED、透過性ディスプレイ、反射性ディスプレイなどを含む。実施形態において、ディスプレイ530は、例えば、光学的にクリアな接着剤540を使用してデッドフロント製品400に固定されているまたは取り付けられている。デッドフロント製品400は、可視スペクトル、すなわち400nm~700nmの波長にわたって約5%~30%の透過率を有する。言い換えれば、デッドフロント製品400は、約400nm~約700nmの波長範囲全体にわたって約5%~約30%の範囲の平均光透過率を有する。本明細書において使用されるとき、「透過率」という用語は、ある材料(例えば、デッドフロント製品、基板またはその層)を透過させられる任意の波長範囲における入射光学的パワーの割合として定義される。実施形態において、デッドフロント製品400は、可視スペクトル全体にわたって光透過率が10%以下である低透過率デッドフロント製品である。このような例において、不透明層510は、ディスプレイ530のエッジ、すなわち、ディスプレイ境界部などの非ディスプレイ領域、および/または配線、コネクタなどを見えにくくするために必要ないことがある。その他の実施形態において、デッドフロント製品400は、約10%~約30%の平均透過率を有する高透過率デッドフロント製品である。このような実施形態において、不透明層510は、非ディスプレイ領域が見えることを阻止するために必要となることがある。
【0027】
ある実施形態において、デッドフロント製品400には、図10に示したようにタッチ機能が提供されている。図10において、デッドフロント製品400は、基板450と、黒色半透明層460と、基板450および半透明層460の部分に配置されたコントラスト層470とを有する。この場合、コントラスト層470および半透明層460は、(例えば、図2および図3に示したような)電源ボタン420などのアイコンまたはグラフィックを形成している。1つの実施形態において、タッチ機能は、容量性センシングによって提供される。ある実施形態において、容量性センサは、透明な導電性フィルムまたはコーティング550によって形成される。1つの典型的な実施形態において、透明な導電性フィルム550は、透明な導電性酸化物(例えば、酸化インジウムスズ(ITO))によってコーティングされたポリエステル(例えば、PET)フィルムである。
【0028】
(例えば、透明な導電性フィルム550の領域においてデッドフロント製品400に触れることによって)トグルスイッチを作動させることにより、光源570が作動させられるまたは作動停止させられる。図10の実施形態において、光源570は、赤色LED580および緑色LED590を含む。車両などのあるセッティングにおいて、赤色LED580および緑色LED590は、デッドフロント製品400の状態を示す。例えば、車両を作動させる前、赤色LED580および緑色LED590は両方とも、図10の左側における電源ボタン420の状態の凡例の一番下に示したようにオフである。車両が作動させられたとき、電源ボタン420に触れる前、赤色LED580がオンであるのに対し、緑色LED590がオフであり(電源ボタン420の状態の凡例の一番上)、ディスプレイ530が作動していないことを示している。電源ボタン420に触れると、トグルスイッチ560が赤色LED580をオフにし、緑色LED590をオンにし、ディスプレイ530を作動させる。車両を引き続き作動させたまま使用者がディスプレイ530を作動停止させることを望むと、使用者は再び電源ボタン420に触れることができ、トグルスイッチ560は緑色LED590をオフにし、赤色LED580をオンにし、ディスプレイ530を切る。ある実施形態において、トグルスイッチ560が作動させられるたびに触覚的フィードバックを提供するために、振動モータ600が設けられている。
【0029】
ディスプレイ530のための電源ボタン420の典型的な実施形態が示されているが、タッチ機能はその他の特徴にも適している。引き続き車両の例において、タッチ機能は、とりわけ、クライメートコントロール(すなわち、暖房および空気調整)システム、ラジオ/エンターテイメントシステム、(例えば、速度計、オドメータ、トリップオドメータ、タコメータ、車両警告インジケータなどのための)ダッシュボードディスプレイパネル、(例えば、GPSディスプレイ、車載情報などのための)センターコンソールディスプレイパネルなどの、様々な車両システムを制御するために使用するのに適している。図11において、デッドフロント製品400は、速度計610およびクライメートコントロール620と共に示されている。デッドフロント製品400は、革シボパターンを有する。図12は、速度計610およびクライメートコントロール620を備える実質的に類似のデッドフロント製品400を示しているが、デッドフロント製品400は、木目調パターンを有する。
【0030】
特定の実施形態において、基板450は、使用者の指に触覚的フィードバックを提供するためにボタンの領域において(例えば、サンドブラスト、エッチング、彫刻などによって)処理されている。これにより、使用者は、(道路車両セッティングにおいて)道路から目を離すことなくデッドフロント製品400のボタンを感じることができる。さらに、実施形態において、トグルスイッチ560には、トグルスイッチ560の偶発的な作動を回避するために、例えば、1~3秒の遅れが提供されている。
【0031】
図36は、タッチ機能を備えるデッドフロント製品400の別の実施形態を示している。特に、デッドフロント製品400は、タッチパネル660を有する。タッチパネル660は、抵抗性タッチパネル、容量性(例えば、表面または突出した)タッチパネル、表面音波タッチパネル、赤外線タッチパネル、光学イメージングタッチパネル、分散信号タッチパネルまたは音響パルス認識タッチパネルなどの、様々な適切なタッチパネルのうちのいずれかであることができる。実施形態において、タッチパネル660は、光学的にクリアな接着剤540を使用してデッドフロント製品400に積層されている。その他の実施形態において、タッチパネル660は、光学的にクリアな接着剤540が不要であるように、デッドフロント製品400に印刷されている。有利には、タッチパネル660は、三次元形状を提供するように冷間曲げ可能である。(タッチパネル660を含む)デッドフロント製品400の冷間曲げは、さらに以下でより詳細に説明される。
【0032】
デッドフロント製品400の構造を概略的に説明したが、半透明層460およびコントラスト層470に注意を向ける。上述のように、半透明層460およびコントラスト層470は基板450に配置されている。実施形態において、半透明層460は、CMYK色モデルを使用して基板に印刷されている。グレーなど、コントラスト層が白ではない実施形態において、CMYK色モデルは、コントラスト層470を印刷するためにも使用することができる。コントラスト層470が白であるその他の実施形態において、コントラスト層470を印刷するために、白インクを含んだ色モデルを使用することができる。印刷された半透明層460および印刷されたコントラスト層470はそれぞれ、1μm~6μmの厚さを有する。実施形態において、カラー層650もまた、1μm~6μmの厚さを有する。実施形態において、コントラスト層470は、1μm~14μmの厚さを有する。さらに、実施形態において、カラー層650は、不透明層510および/またはコントラスト層470に印刷されている。ある実施形態において、カラー層650は、CMYK色モデルを使用して不透明層510および/またはコントラスト層470に印刷されている。
【0033】
半透明層460、コントラスト層470および/またはカラー層650を印刷するために使用されるインクは、熱硬化性インクまたはUV硬化性インクであることができる。特に、インクは、少なくとも1つ以上の着色剤と、ビヒクルとから成る。着色剤は、ビヒクルに可溶性または不溶性であることができる。実施形態において、着色剤は、微粉末の形式の乾燥着色剤である。このような微粉末は、実施形態において、10nm~500nmのサイズの粒子を有する。CMYK色モデルを使用すると、着色剤は、シアン、マゼンタ、イエローおよび/またはキー(黒)の色を提供する。白色インクの場合、着色剤は、TiO2、Sb23、BaSO4、BaSO4:ZnS、ZnOおよび(PbCO32:Pb(OH)2などの、様々な適切な顔料のうちのいずれかであることができる。着色剤は、ビヒクルに溶解または懸濁させられている。
【0034】
ビヒクルは、インクが塗布される表面への接着を生じるための結合剤として機能することができる。さらに、実施形態において、特にガラス/プラスチック表面への接着を高める目的でビヒクルに添加剤が含まれている。着色剤のためのビヒクルの限定しない例は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルアセトアミドおよびトルエンを含む。概して、このようなビヒクルは、80℃~200℃の温度において固化する。実施形態において、インクは、0.5体積%~6体積%の着色剤と、94体積%~99.5体積%のビヒクルとを含む。
【0035】
図13Aおよび図13Bに示したように、革シボ半透明層460は、CMYK色モデルに従って特にインクジェットプリンタを使用して基板450に印刷されている(しかしながら、その他の実施形態において、その他のプリンタタイプおよび/または印刷モデルが使用される)。図14Aおよび図14Bにおいて、白色コントラスト層470は半透明層460の背後に印刷されている。図13Bおよび図14Bは、これらの印刷された層の裏側を示している。図13Aおよび図14Aの比較において見られるように、半透明層460の革シボパターンのコントラストは、白色コントラスト層470によって図14Aにおいて高められている。実際、コントラスト層470を使用すると、半透明層460におけるパターンまたはデザインの全体的な外観がより明るくなり、そのパターンまたはデザインにおける色間のコントラストが高められる。
【0036】
コントラスト層470の厚さおよび組成は、可視および赤外波長範囲において特定の透過率を示すように調整可能である。図15は、ガラス背景上に印刷されたコントラスト層470を示している。コントラスト層470は、変化する白色度(W)を有する。本明細書において使用される「白色度」は、可視スペクトル(400nm~700nmの波長)にわたって白色面によって反射される光の量を測定する、CIE白色度もしくはISO 11475:2004を意味する。図15の左下の角にあるのは、100Wのコントラスト層である。コントラスト層470の白色度は、下の列に沿って左から右へ100Wから60Wへ減少しており、上の列に沿って、白色度は、左から右へ50Wから10Wへ減少している。見られるように、相対的により低い白色度コントラスト層470は、相対的により高い白色度コントラスト層470より多くの光を透過する。これは、図16の透過率(T)グラフにおいても実証されている。白色度が高まると、可視スペクトルにわたる透過パーセント(%T)が減少する。図16のグラフを作成するためのデータは、ジエチレングリコールジエチルエーテル溶剤を有する白色インクを、128ノズルと、40pLプリントヘッドとを使用して印刷した後に計算された。透過率(T)は、印刷解像度および層厚さの操作によって制御される。実施形態において、デッドフロント製品400には、10W~60Wの白色度を有するコントラスト層470が提供される。その他の実施形態において、コントラスト層470は、20W~50Wの白色度を有する。特定の実施形態において、コントラスト層470は、20W~30Wの白色度を有する。
【0037】
図17は、半透明層460と、半透明層460に印刷されたコントラスト層470とを有する4つのガラス基板450を示している。図17に見られるように、半透明層460は、編物パターン、革シボパターンおよび2つの木目調パターンのデザインを特徴とする。図18は、革シボパターンから黒単色パターンへ移行する半透明層460を示している。図18において、緑色の電源ボタンも、左下の角に印刷されている。図19および図20は、同じ編物パターンの半透明層460どうしの比較を示している。しかしながら、図20において、コントラスト層470は半透明層460の背後に印刷されている。図20において、デッドフロント製品400は、可視スペクトル(400nm~700nmの波長)にわたって5%~10%の透過率を有する。図21および図22は、大理石デッドフロント製品400を示している。特に、図21は、デッドフロント製品400の見る人の側であるのに対し、図22は、デッドフロント製品400の裏側である。図22に見られるように、半透明層460の1つのセクションは、コントラスト層470によって被覆されていない。実施形態において、ディスプレイは、コントラスト層470によって被覆されていないセクションに取り付けることができる。
【0038】
図23図27を参照すると、湾曲したガラスベースのデッドフロントを形成するための様々なプロセスと共に、ガラスベースのデッドフロント製品のための様々なサイズ、形状、曲率、ガラス材料などが示されかつ説明されている。図23図27は、説明しやすくするために、単純化された湾曲したデッドフロント製品2000に関して説明されるが、デッドフロント製品2000は、本明細書において説明されたデッドフロントの実施形態のうちのいずれかであってもよいことが理解されるべきである。
【0039】
図23に示したように、1つ以上の実施形態において、デッドフロント製品2000は、少なくとも第1の曲率半径R1を有する湾曲した外側ガラス基板2010を有し、様々な実施形態において、湾曲した外側ガラス基板2010は、少なくとも1つの付加的な曲率半径を有する、ガラス材料の複雑な湾曲したシートである。様々な実施形態において、R1は、約60mm~約1500mmの範囲である。
【0040】
湾曲したデッドフロント製品2000は、湾曲した外側ガラス基板2010の内側の主面に沿って配置されたデッドフロント着色層2020(例えば、上述のようなインク/顔料層)を有する。概して、デッドフロント着色層2020は、木目調デザイン、革シボデザイン、織物デザイン、ブラシ研磨された金属デザイン、グラフィックデザイン、単色および/またはロゴを提供するように、印刷、着色、成形などがなされている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらのデザインまたはパターンに限定されない。湾曲したデッドフロント製品2000は、上述のようなまたは本明細書において説明されたディスプレイまたは車両インテリアシステムに関連させられていることがある付加的な層2030(例えば、高光学濃度層、光ガイド層、反射体層、ディスプレイモジュール、ディスプレイスタック層、光源、タッチパネルなど)のうちのいずれかを含んでもよい。
【0041】
以下でより詳細に説明するように、様々な実施形態において、ガラス基板2010および着色層2020を有する湾曲したデッドフロント製品2000は、図23に示したように、湾曲した形状に一緒に冷間成形されてもよい。幾つかの実施形態において、ガラス基板2010、着色層2020および付加的な層2030を有する湾曲したデッドフロント製品2000は、図23に示されたデッドフロント製品2000のように、湾曲した形状に一緒に冷間成形されてもよい。その他の実施形態において、ガラス基板2010が湾曲した形状に成形され、次いで、湾曲成形の後に層2020および2030が提供されてもよい。
【0042】
図24を参照すると、図23に示された湾曲した形状に成形される前の外側ガラス基板2010が示されている。概して、出願人は、本明細書において説明された製品およびプロセスが、前に提供されていないサイズ、形状、組成、強度などのガラスを利用する高品質デッドフロント製品を提供すると考える。
【0043】
図24に示したように、外側ガラス基板2010は、第1の主面2050と、第1の主面2050と反対側の第2の主面2060とを有する。小口面または副面2070は、第1の主面2050と第2の主面2060とを接続している。外側ガラス基板2010は、実質的に一定でありかつ第1の主面2050と第2の主面2060との間の距離として規定された厚さ(t)を有する。幾つかの実施形態において、本明細書において使用される厚さ(t)は、外側ガラス基板2010の最大厚さを意味する。外側ガラス基板2010は、厚さ(t)に対して直交する第1または第2の主面のうちの一方の第1の最大寸法として規定される幅(W)を有し、外側ガラス基板2010は、厚さおよび幅の両方に対して直交する第1または第2の面のうちの一方の第2の最大寸法として規定される長さ(L)も有する。その他の実施形態において、本明細書において説明される寸法は、平均寸法である。
【0044】
1つ以上の実施形態において、外側ガラス基板2010は、0.05mm~2mmの範囲の厚さ(t)を有する。様々な実施形態において、外側ガラス基板2010は、約1.5mm以下の厚さ(t)を有する。例えば、厚さは、約0.1mm~約1.5mm、約0.15mm~約1.5mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.25mm~約1.5mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.35mm~約1.5mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.45mm~約1.5mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.55mm~約1.5mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.65mm~約1.5mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.1mm~約1.4mm、約0.1mm~約1.3mm、約0.1mm~約1.2mm、約0.1mm~約1.1mm、約0.1mm~約1.05mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約0.95mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約0.85mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.75mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.65mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.55mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.4mmまたは約0.3mm~約0.7mmの範囲であってもよい。
【0045】
1つ以上の実施形態において、外側ガラス基板2010は、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cmまたは約5cm~約75cmの範囲の幅(W)を有する。
【0046】
1つ以上の実施形態において、外側ガラス基板2010は、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cmまたは約5cm~約75cmの範囲の長さ(L)を有する。
【0047】
図23に示したように、外側ガラス基板2010は、R1として示された少なくとも1つの曲率半径を有する湾曲した形状に成形されている。様々な実施形態において、外側ガラス基板2010は、冷間成形および熱間成形を含むあらゆる適切なプロセスによって、湾曲した形状に成形されてもよい。
【0048】
特定の実施形態において、外側ガラス基板2010は、冷間成形プロセスによって、単独でまたは層2020および2030の取付けに続いて、図23に示された湾曲した形状に成形されている。本明細書において使用されるとき、「冷間曲げされた」、「冷間曲げする」、「冷間成形された」または「冷間成形する」という語句は、(本明細書において説明されるように)ガラスの軟化点未満の冷間成形温度においてガラス基板を湾曲させることを意味する。冷間成形されたガラス基板の特徴は、第1の主面2050と第2の主面2060との間の非対称な表面圧縮である。幾つかの実施形態において、冷間成形プロセスの前または冷間成形される前、第1の主面2050および第2の主面2060におけるそれぞれの圧縮応力は実質的に等しい。
【0049】
外側ガラス基板2010が強化されていない幾つかのこのような実施形態において、第1の主面2050および第2の主面2060は、冷間成形の前、認識できる圧縮応力を示さない。(本明細書において説明されるように)外側ガラス基板2010が強化されている幾つかのこのような実施形態において、第1の主面2050および第2の主面2060は、冷間成形の前、互いに関して実質的に等しい圧縮応力を示す。1つ以上の実施形態において、(例えば、図23に示された)冷間成形の後、第2の主面2060(例えば、曲げ後の凹面)における圧縮応力は増大する(すなわち、第2の主面2060における圧縮応力は、冷間成形前よりも冷間成形後により大きい)。
【0050】
理論によって縛られることなく、冷間成形プロセスは、曲げおよび/または成形作業の間に与えられる引張応力を打ち消すために、成形されるガラス基板の圧縮応力を増大させる。1つ以上の実施形態において、冷間成形プロセスにより、第2の主面2060は圧縮応力を生じるのに対し、第1の主面2050(例えば、曲げ後の凸面)は引張応力を生じる。曲げ後に面2050に生じる引張応力の結果、表面圧縮応力の正味減少が生じ、これにより、曲げ後の、強化されたガラスシートの面2050における圧縮応力は、ガラスシートが平らであるときの面2050における圧縮応力より小さい。
【0051】
さらに、強化されたガラス基板が外側ガラス基板2010のために利用される場合、第1の主面および第2の主面(2050,2060)は既に圧縮応力下にあり、したがって、第1の主面2050は、割れのリスクなしに、曲げの間により大きな引張応力を生じることができる。これにより、外側ガラス基板2010の強化された実施形態は、(例えば、より小さなR1値を有するように成形された)より大きく湾曲させられた表面に従うことができる。
【0052】
様々な実施形態において、外側ガラス基板2010の厚さは、所望の曲率半径を達成するために、外側ガラス基板2010がより可撓性であることを可能にするように調整されている。さらに、より薄い外側ガラス基板2010はより容易に変形することがあり、これは、(以下で説明するように)支持部またはフレームの形状によって生じることがある形状不一致および間隙を潜在的に打ち消すことができる。1つ以上の実施形態において、薄くかつ強化された外側ガラス基板2010は、特に冷間成形中、より大きな可撓性を示す。本明細書において説明されるガラス基板のより大きな可撓性は、加熱なしで一貫した曲げ成形を可能にすることがある。
【0053】
様々な実施形態において、外側ガラス基板2010(およびその結果としてデッドフロント製品2000)は、大きな半径および横方向曲率を含む複合的湾曲を有してもよい。複雑に湾曲した冷間成形された外側ガラス基板2010は、2つの独立した方向において別個の曲率半径を有してもよい。したがって、1つ以上の実施形態において、複雑に湾曲した冷間成形された外側ガラス基板2010は、「横方向曲率」を有することによって特徴づけられてもよく、この場合、冷間成形された外側ガラス基板2010は、任意の次元に対して平行な軸線(すなわち、第1の軸線)に沿って湾曲させられておりかつまた同じ次元に対して垂直な軸線(すなわち、第2の軸線)に沿って湾曲させられている。冷間成形された外側ガラス基板2010の曲率は、顕著な最小半径が、顕著な横方向曲率および/または曲げの深さと組み合わされたとき、さらにより複雑になる可能性がある。
【0054】
図25を参照すると、1つの典型的な実施形態によるディスプレイアセンブリ2100が示されている。図示された実施形態において、ディスプレイアセンブリ2100は、ディスプレイモジュール2120として示された光源と、デッドフロント製品2000との両方を(直接的または間接的に)支持するフレーム2110を有する。図25に示したように、デッドフロント製品2000およびディスプレイモジュール2120はフレーム2110に結合されており、ディスプレイモジュール2120は、使用者が、デッドフロント製品2000を通して、ディスプレイモジュール2120によって生成された光、イメージなどを見ることができるように配置されている。様々な実施形態において、フレーム2110は、プラスチック(PC/ABSなど)、金属(Al合金、Mg合金、Fe合金など)などの様々な材料から形成されてもよい。フレーム2110の湾曲した形状を成形するために、鋳造、切削、打抜き加工、射出成形などの様々なプロセスが利用されてもよい。図25は、ディスプレイモジュールの形式の光源を示しているが、ディスプレイアセンブリ2100は、本明細書に説明されたデッドフロントの実施形態のうちのいずれかによってグラフィック、アイコン、イメージ、ディスプレイなどを生成するための、本明細書に説明された光源のうちのいずれかを含んでもよいことが理解されるべきである。さらに、フレーム2110は、ディスプレイアセンブリに関連したフレームとして示されているが、フレーム2110は、車両インテリアシステムに関連したあらゆる支持部またはフレーム製品であってもよい。
【0055】
様々な実施形態において、本明細書に説明されたシステムおよび方法は、デッドフロント製品2000の成形が、フレーム2110が有することがある広範囲の様々な湾曲した形状に合致することを可能にする。図25に示したように、フレーム2110は、湾曲した形状を有する支持面2130を有し、デッドフロント製品2000は、支持面2130の湾曲した形状と合致するように成形されている。理解されるように、デッドフロント製品2000は、ディスプレイアセンブリ2100の所望のフレーム形状に合致するように広範囲の様々な形状に成形されてもよく、ディスプレイアセンブリ2100自体は、本明細書において説明されるように、車両インテリアシステムの一部の形状に適合するように成形されていてもよい。
【0056】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント構造2000(および特に外側ガラス基板2010)は、約60mm以上の第1の曲率半径R1を有するように成形されている。例えば、R1は、約60mm~約1500mm、約70mm~約1500mm、約80mm~約1500mm、約90mm~約1500mm、約100mm~約1500mm、約120mm~約1500mm、約140mm~約1500mm、約150mm~約1500mm、約160mm~約1500mm、約180mm~約1500mm、約200mm~約1500mm、約220mm~約1500mm、約240mm~約1500mm、約250mm~約1500mm、約260mm~約1500mm、約270mm~約1500mm、約280mm~約1500mm、約290mm~約1500mm、約300mm~約1500mm、約350mm~約1500mm、約400mm~約1500mm、約450mm~約1500mm、約500mm~約1500mm、約550mm~約1500mm、約600mm~約1500mm、約650mm~約1500mm、約700mm~約1500mm、約750mm~約1500mm、約800mm~約1500mm、約900mm~約1500mm、約950mm~約1500mm、約1000mm~約1500mm、約1250mm~約1500mm、約60mm~約1400mm、約60mm~約1300mm、約60mm~約1200mm、約60mm~約1100mm、約60mm~約1000mm、約60mm~約950mm、約60mm~約900mm、約60mm~約850mm、約60mm~約800mm、約60mm~約750mm、約60mm~約700mm、約60mm~約650mm、約60mm~約600mm、約60mm~約550mm、約60mm~約500mm、約60mm~約450mm、約60mm~約400mm、約60mm~約350mm、約60mm~約300mmまたは約60mm~約250mmの範囲であってもよい。
【0057】
1つ以上の実施形態において、支持面2130は、約60mm以上の第2の曲率半径を有する。例えば、支持面2130の第2の曲率半径は、約60mm~約1500mm、約70mm~約1500mm、約80mm~約1500mm、約90mm~約1500mm、約100mm~約1500mm、約120mm~約1500mm、約140mm~約1500mm、約150mm~約1500mm、約160mm~約1500mm、約180mm~約1500mm、約200mm~約1500mm、約220mm~約1500mm、約240mm~約1500mm、約250mm~約1500mm、約260mm~約1500mm、約270mm~約1500mm、約280mm~約1500mm、約290mm~約1500mm、約300mm~約1500mm、約350mm~約1500mm、約400mm~約1500mm、約450mm~約1500mm、約500mm~約1500mm、約550mm~約1500mm、約600mm~約1500mm、約650mm~約1500mm、約700mm~約1500mm、約750mm~約1500mm、約800mm~約1500mm、約900mm~約1500mm、約950mm~約1500mm、約1000mm~約1500mm、約1250mm~約1500mm、約60mm~約1400mm、約60mm~約1300mm、約60mm~約1200mm、約60mm~約1100mm、約60mm~約1000mm、約60mm~約950mm、約60mm~約900mm、約60mm~約850mm、約60mm~約800mm、約60mm~約750mm、約60mm~約700mm、約60mm~約650mm、約60mm~約600mm、約60mm~約550mm、約60mm~約500mm、約60mm~約450mm、約60mm~約400mm、約60mm~約350mm、約60mm~約300mmまたは約60mm~約250mmの範囲であってもよい。
【0058】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント構造2000は、フレーム2110の支持面2130の第2の曲率半径の10%以内(例えば、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下または約5%以下)である第1の曲率半径R1を有するように冷間成形される。例えば、フレーム2110の支持面2130は、1000mmの曲率半径を有し、デッドフロント製品2000は、約900mm~約1100mmの範囲の曲率半径を有するように冷間成形される。
【0059】
1つ以上の実施形態において、ガラス基板2010の第1の主面2050および/または第2の主面2060は、本明細書において説明されるように機能的コーティング層を有する。機能的コーティング層は、第1の主面2050および/または第2の主面2060の少なくとも一部をカバーしていてもよい。典型的な機能的コーティングは、眩惑減少コーティングまたは表面、眩惑防止コーティングまたは表面、引掻抵抗コーティング、反射防止コーティング、ハーフミラーコーティングまたは清掃容易コーティングのうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
図26を参照すると、デッドフロント製品2000などの冷間成形されたデッドフロント製品を有するディスプレイアセンブリを形成する方法2200が示されている。ステップ2210において、方法は、デッドフロント製品2000などのデッドフロント製品を、支持体の湾曲した表面に合わせて湾曲させることを含む。概して、支持体は、車両ディスプレイの周囲の湾曲した形状を規定するフレーム2110などの、ディスプレイのフレームであってもよい。概して、フレームは、湾曲した支持面を有し、デッドフロント製品2000の主面2050および2060のうちの一方は、湾曲した支持面と接触して配置される。
【0061】
ステップ2220において、方法は、デッドフロント製品を、支持体の湾曲した表面に一致する(または合致する)ように曲げながら、湾曲したデッドフロント製品を支持体に固定することを含む。この形式において、図23に示された湾曲したデッドフロント製品2000は、概して平らなデッドフロント製品から、湾曲したデッドフロント製品に成形される。この配置において、平らなデッドフロント製品を湾曲させることは、支持体に面した主面において湾曲した形状を形成する一方、対応する(しかしながら相補的な)湾曲を、フレームの向かい合った主面にも形成させる。出願人は、デッドフロント製品を湾曲したフレームにおいて直接曲げることによって、(一般的にその他のガラス曲げプロセスにおいて必要とされる)別個の湾曲した型または金型の必要性が排除されると考える。さらに、出願人は、デッドフロント製品を湾曲したフレームに直接成形することによって、複雑さの小さい製造プロセスにおいて広範囲の湾曲した半径が達成されることがあると考える。
【0062】
幾つかの実施形態において、ステップ2210および/またはステップ2220において加えられる力は、真空フィクスチャによって加えられる空気圧であってもよい。幾つかのその他の実施形態において、空気圧差は、フレームおよびデッドフロント製品を包囲した気密エンクロージャに真空を提供することによって形成される。特定の実施形態において、気密エンクロージャは、プラスチックバッグまたはパウチなどの可撓性のポリマーシェルである。その他の実施形態において、空気圧差は、オートクレーブなどの過圧装置によってデッドフロント製品およびフレームの周囲に増大した空気圧を生じさせることによって形成される。出願人には、さらに、空気圧が、(接触ベースの曲げ方法と比較して)一貫したかつ極めて均一な曲げ力を提供し、このことは、さらに、誤りのない製造プロセスにつながることが判った。様々な実施形態において、空気圧差は、0.5~1.5標準気圧(atm)(506.625~1519.88hPa)、特に0.7~1.1atm(709.275~1114.58hPa)、さらに特に0.8~1atm(810.6~1013.25hPa)である。
【0063】
ステップ2230において、デッドフロント製品の温度は、ステップ2210および2220の間の外側ガラス層の材料のガラス転移温度より低く維持される。これにより、方法2200は、冷間成形または冷間曲げプロセスである。特定の実施形態において、デッドフロント製品の温度は、500℃、400℃、300℃、200℃または100℃より低く維持される。特定の実施形態において、デッドフロント製品は、曲げの間、室温以下に維持される。特定の実施形態において、デッドフロント製品は、ガラスを湾曲した形状に熱間成形する場合のように、曲げの間、加熱エレメント、炉、オーブンなどによって能動的に加熱されない。
【0064】
上述のように、高価なかつ/または遅い加熱ステップを排除するなどの処理上の利点を提供することに加え、本明細書において説明される冷間成形プロセスは、熱間成形プロセスによって達成可能な特性よりも優れていると考えられる様々な特性を備える湾曲したデッドフロント製品を提供すると考えられる。例えば、出願人は、少なくとも幾つかのガラス材料の場合、熱間成形プロセスの間の加熱が、湾曲したガラス基板の光学的特性を低下させ、これにより、本明細書において説明される冷間曲げプロセス/システムを利用して形成された湾曲したガラスベースのデッドフロント製品が、熱間曲げプロセスによって達成可能でないと考えられる、湾曲したガラス形状と、改善された光学的品質との両方を提供すると考える。
【0065】
さらに、様々なコーティングおよび層(例えば、清掃容易コーティング、反射防止コーティングなど)のために使用される多くの材料は、湾曲した表面へのコーティングには一般的にあまり適していないスパッタリングプロセスなどの堆積プロセスによって提供される。加えて、デッドフロントインク/顔料材料などの多くのコーティング材料も、熱間曲げプロセスに関連した高温に耐えることができない。したがって、本明細書において説明された特定の実施形態において、層2020は、冷間曲げの前に外側ガラス基板2010に提供される。したがって、出願人は、本明細書において説明されたプロセスおよびシステムが、典型的な熱間成形プロセスとは対照的に、1つ以上のコーティング材料がガラスに提供された後にガラスの曲げを行うと考える。
【0066】
ステップ2220において、湾曲したデッドフロント製品は、湾曲した支持体に取り付けられるまたは固定される。様々な実施形態において、湾曲したデッドフロント製品と湾曲した支持体との間の取付けは、接着剤材料を介して行われてもよい。このような接着剤は、ディスプレイアセンブリ(例えば、ディスプレイのフレーム)に対する所定の位置においてデッドフロント製品を結合するためのあらゆる適切な光学的にクリアな接着剤を含んでもよい。1つの例において、接着剤は、8215の商品名で3Mコーポレーションから販売されている光学的にクリアな接着剤を含んでもよい。接着剤の厚さは、約200μm~約500μmの範囲であってもよい。
【0067】
接着剤材料は、様々な方法で塗布されてもよい。1つの実施形態において、接着剤は、アプリケータガンを使用して塗布され、ローラまたはドローダウンダイを使用して均一にされる。様々な実施形態において、本明細書において説明される接着剤は、構造用接着剤である。特定の実施形態において、構造用接着剤は、(a)強化エポキシ(Masterbond EP21TDCHT-LO、3M Scotch Weld Epoxy DP460 Off-white)、(b)フレキシブルエポキシ(Masterbond EP21TDC-2LO、3M Scotch Weld Epoxy 2216 B/A Gray)、(c)アクリル(LORD Adhesive 410/Accelerator 19 w/LORD AP 134 primer、LORD Adhesive 852/LORD Accelerator 25GB、Loctite HF 8000、Loctite AA4800)、(d)ウレタン(3M Scotch Weld Urethane DP640 Brown)および(e)シリコーン(Dow Corning 995)のカテゴリーのうちの1つ以上から選択された接着剤を含んでもよい。幾つかの場合、(B段階エポキシ接着剤)などのシートフォーマットにおいて利用可能な構造用グルーが利用されてもよい。さらに、3M VHBテープなどの感圧構造用接着剤が利用されてもよい。このような実施形態において、感圧接着剤を利用することにより、湾曲したデッドフロント製品は、硬化ステップの必要なしにフレームに結合される。
【0068】
1つ以上の実施形態において、方法は、湾曲したデッドフロント製品をディスプレイに固定するステップ2240を含む。1つ以上の実施形態において、方法は、ステップ2210の前にディスプレイをデッドフロント製品に固定し、ステップ2210においてディスプレイおよびデッドフロント製品の両方を湾曲させることを含んでもよい。1つ以上の実施形態において、方法は、湾曲したデッドフロント製品およびディスプレイを車両インテリアシステム100,200,300に配置するまたは組み立てることを含む。
【0069】
図27を参照すると、湾曲したデッドフロント製品を利用してディスプレイを形成する方法2300が示されておりかつ説明されている。幾つかの実施形態において、デッドフロント製品の基板(例えば、外側ガラス層2010)は、ステップ2310において湾曲した形状に成形される。ステップ2310における成形は、冷間成形または熱間成形であってもよい。ステップ2320において、デッドフロントインク/顔料層(例えば、層2020)が、成形の後に基板に塗布されて、湾曲したデッドフロント製品が提供される。次いで、ステップ2330において、湾曲したデッドフロント製品は、ディスプレイアセンブリ2100のフレーム2110などのフレームまたは車両インテリアシステムに関連していることがあるその他のフレームに取り付けられる。
【0070】
基板材料
本明細書において説明されるデッドフロント製品の様々な基板は、ポリマー(例えば、PMMA、ポリカーボネートなど)またはガラスなどのあらゆる透明な材料から形成されていてもよい。適切なガラス組成は、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、ボロアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラスおよびアルカリ含有ボロアルミノケイ酸塩ガラスを含む。
【0071】
別段の定めがないかぎり、本明細書において開示されたガラス組成は、酸化物ベースで分析されたモルパーセント(モル%)で記載されている。
【0072】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約66モル%~約80モル%、約67モル%~約80モル%、約68モル%~約80モル%、約69モル%~約80モル%、約70モル%~約80モル%、約72モル%~約80モル%、約65モル%~約78モル%、約65モル%~約76モル%、約65モル%~約75モル%、約65モル%~約74モル%、約65モル%~約72モル%または約65モル%~約70モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲の量のSiO2を含んでもよい。
【0073】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約4モル%より大きいまたは約5モル%より大きい量のAl23を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約7モル%超~約15モル%、約7モル%超~約14モル%、約7モル%~約13モル%、約4モル%~約12モル%、約7モル%~約11モル%、約8モル%~約15モル%、約9モル%~約15モル%、約10モル%~約15モル%、約11モル%~約15モル%または約12モル%~約15モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲のAl23を含む。1つ以上の実施形態においてAl23の上限は、約14モル%、14.2モル%、14.4モル%、14.6モル%または14.8モル%であってもよい。
【0074】
1つ以上の実施形態において、本明細書におけるガラス層は、アルミノケイ酸塩ガラス製品として説明されるまたはアルミノケイ酸塩ガラス組成を有する。このような実施形態において、ガラス組成またはそれから形成された製品は、SiO2およびAl23を含み、ソーダ石灰シリケートガラスではない。これに関して、ガラス組成またはそれから形成された製品は、約2モル%以上、2.25モル%以上、2.5モル%以上、約2.75モル%以上、約3モル%以上の量のAl23を含む。
【0075】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、B23(例えば、約0.01モル%以上)を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0モル%~約5モル%、約0モル%~約4モル%、約0モル%~約3モル%、約0モル%~約2モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.5モル%、約0.1モル%~約5モル%、約0.1モル%~約4モル%、約0.1モル%~約3モル%、約0.1モル%~約2モル%、約0.1モル%~約1モル%、約0.1モル%~約0.5モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲の量のB23を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、実質的にB23を含まない。
【0076】
本明細書において使用されるとき、組成の成分に関して「実質的に含まない」という語句は、その成分が、初期回分処理の間にその組成に能動的にまたは意図的に加えられていないが、約0.001モル%未満の量で不純物として存在することがあることを意味する。
【0077】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、選択的に、P25(例えば、約0.01モル%以上)を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、2モル%、1.5モル%、1モル%または0.5モル%までのかつそれらを含むP25のゼロではない量を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、実質的にP25を含まない。
【0078】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約8モル%以上、約10モル%以上または約12モル%以上のR2Oの合計量(Li2O、Na2O、K2O、Rb2OおよびCs2Oなどのアルカリ金属酸化物の合計量である)を含んでもよい。幾つかの実施形態において、ガラス組成は、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約18モル%、約8モル%~約16モル%、約8モル%~約14モル%、約8モル%~約12モル%、約9モル%~約20モル%、約10モル%~約20モル%、約11モル%~約20モル%、約12モル%~約20モル%、約13モル%~約20モル%、約10モル%~約14モル%または約11モル%~約13モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲のR2Oの合計量を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、Rb2O、Cs2OまたはRb2OおよびCs2Oの両方を実質的に含まなくてもよい。1つ以上の実施形態において、R2Oは、Li2O、Na2OおよびK2Oのみの合計量を含んでもよい。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、Li2O、Na2OおよびK2Oから選択された少なくとも1種のアルカリ金属酸化物を含んでもよく、アルカリ金属酸化物は、約8モル%以上の量で存在する。
【0079】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約8モル%以上、約10モル%以上または約12モル%以上の量のNa2Oを含む。1つ以上の実施形態において、組成は、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約18モル%、約8モル%~約16モル%、約8モル%~約14モル%、約8モル%~約12モル%、約9モル%~約20モル%、約10モル%~約20モル%、約11モル%~約20モル%、約12モル%~約20モル%、約13モル%~約20モル%、約10モル%~約14モル%または約11モル%~約16モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲のNa2Oを含む。
【0080】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約4モル%未満のK2O、約3モル%未満のK2Oまたは約1モル%未満のK2Oを含む。幾つかの例において、ガラス組成は、約0モル%~約4モル%、約0モル%~約3.5モル%、約0モル%~約3モル%、約0モル%~約2.5モル%、約0モル%~約2モル%、約0モル%~約1.5モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.5モル%、約0モル%~約0.2モル%、約0モル%~約0.1モル%、約0.5モル%~約4モル%、約0.5モル%~約3.5モル%、約0.5モル%~約3モル%、約0.5モル%~約2.5モル%、約0.5モル%~約2モル%、約0.5モル%~約1.5モル%または約0.5モル%~約1モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲の量のK2Oを含んでもよい。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、実質的にK2Oを含まなくてもよい。
【0081】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、実質的にLi2Oを含まない。1つ以上の実施形態において、組成におけるNa2Oの量は、Li2Oの量より大きくてもよい。幾つかの例において、Na2Oの量は、Li2OおよびK2Oの組み合わされた量より大きくてもよい。1つ以上の代替的な実施形態において、組成におけるLi2Oの量は、Na2Oの量またはNa2OおよびK2Oの組み合わされた量より大きくてもよい。
【0082】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0モル%~約2モル%の範囲のROの合計量(CaO、MgO、BaO、ZnOおよびSrOなどのアルカリ土類金属酸化物の合計量)を含んでもよい。幾つかの実施形態において、ガラス組成は、約2モル%までのROのゼロではない量を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0モル%~約1.8モル%、約0モル%~約1.6モル%、約0モル%~約1.5モル%、約0モル%~約1.4モル%、約0モル%~約1.2モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.8モル%、約0モル%~約0.5モル%およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲の量のROを含む。
【0083】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約1モル%未満、約0.8モル%未満または約0.5モル%未満の量のCaOを含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、実質的にCaOを含まない。
【0084】
幾つかの実施形態において、ガラス組成は、約0モル%~約7モル%、約0モル%~約6モル%、約0モル%~約5モル%、約0モル%~約4モル%、約0.1モル%~約7モル%、約0.1モル%~約6モル%、約0.1モル%~約5モル%、約0.1モル%~約4モル%、約1モル%~約7モル%、約2モル%~約6モル%または約3モル%~約6モル%およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲の量のMgOを含む。
【0085】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満の量のZrO2を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%または約0.01モル%~約0.10モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲のZrO2を含む。
【0086】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満の量のSnO2を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%または約0.01モル%~約0.10モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲のSnO2を含む。
【0087】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、ガラス製品に色または色合いを提供する酸化物を含んでもよい。幾つかの実施形態において、ガラス組成は、ガラス製品が紫外放射に曝されたときにガラス製品の退色を防止する酸化物を含む。このような酸化物の例は、限定することなく、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、WおよびMoの酸化物を含む。
【0088】
1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、Fe23として表されるFeを含み、Feは、約1モル%までの(かつ約1モル%を含む)量で存在する。幾つかの実施形態において、ガラス組成は、実質的にFeを含まない。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満の量のFe23を含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%または約0.01モル%~約0.10モル%の範囲およびそれらの間の全ての範囲および部分範囲のFe23を含む。
【0089】
ガラス組成がTiO2を含む場合、TiO2は、約5モル%以下、約2.5モル%以下、約2モル%以下または約1モル%以下の量で存在してもよい。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、実質的にTiO2を含まなくてもよい。
【0090】
典型的なガラス組成は、約65モル%~約75モル%の範囲の量のSiO2、約8モル%~約14モル%の範囲の量のAl23、約12モル%~約17モル%の範囲の量のNa2O、約0モル%~約0.2モル%の範囲の量のK2Oおよび約1.5モル%~約6モル%の範囲の量のMgOを含む。選択的に、SnO2は、別段に本明細書に開示された量で含まれてもよい。
【0091】
強化基板
1つ以上の実施形態において、基板は、本明細書において説明されたデッドフロント製品の実施形態のうちのいずれかのガラス材料(外側ガラス基板2010またはその他のガラス基板など)を含む。1つ以上の実施形態において、このようなガラス基板は、強化されていてもよい。1つ以上の実施形態において、ガラス基板は、表面から圧縮深さ(DOC)まで延びる圧縮応力を有するように強化されていてもよい。圧縮応力領域は、引張応力を有する中央部分によって平衡させられている。DOCにおいて、応力は、正の(圧縮)応力から負の(引張)応力へ変化する。
【0092】
1つ以上の実施形態において、本明細書において説明されたデッドフロント製品において使用されるガラス基板は、圧縮応力領域と、引張応力を有する中央領域とを形成するために、ガラスの部分の間における熱膨張率の不一致を利用することによって、機械的に強化されていてもよい。幾つかの実施形態において、ガラス基板は、ガラス転移温度より高い温度までガラスを加熱し、次いで、急速に急冷することによって、熱的に強化されていてもよい。
【0093】
1つ以上の実施形態において、本明細書において説明されたデッドフロント製品に使用されるガラス基板は、イオン交換によって化学的に強化されてもよい。イオン交換プロセスにおいて、ガラス基板の表面におけるイオンまたはガラス基板の表面の近くのイオンが、同じ原子価または酸化状態を有するより大きなイオンによって置き換えられるまたは同じ原子価または酸化状態を有するより大きなイオンと交換される。ガラス基板がアルカリアルミノケイ酸塩ガラスまたはソーダ石灰ケイ酸塩ガラスを含む実施形態において、製品の表面層におけるイオンおよびより大きなイオンは、Li+、Na+、K+、Rb+およびCs+などの、一価のアルカリ金属カチオンである。代替的に、表面層における一価のカチオンは、Ag+などの、アルカリ金属カチオン以外の一価のカチオンと置き換えられてもよい。このような実施形態において、ガラス基板内へ交換される一価のイオン(またはカチオン)は応力を生ずる。
【0094】
イオン交換プロセスは、通常、ガラス基板におけるより小さなイオンと交換されるべきより大きなイオンを含む溶融塩浴(または2つ以上の溶融塩浴)にガラス基板を浸漬させることによって行われる。水性塩浴が利用されてもよいことに留意すべきである。加えて、浴の組成は、2つ以上のタイプのより大きなイオン(例えば、Na+およびK+)または1つのより大きなイオンを含んでもよい。浴組成および温度、浸漬時間、塩浴(または浴)におけるガラス基板の浸漬回数、複数の塩浴の使用、焼きなまし、洗浄などの付加的なステップを含むが、これらに限定されない、イオン交換プロセスのためのパラメータは、ガラス基板の組成(基板の構造および存在するあらゆる結晶相を含む)および強化の結果として生じる基板の所望のDOCおよびCSによって概して決定されることが、当業者によって理解されるであろう。
【0095】
典型的な溶融浴組成は、より大きなアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩および塩化物を含んでもよい。典型的な硝酸塩は、KNO3、NaNO3、LiNO3、NaSO4およびそれらの組合せを含む。溶融塩浴の温度は、通常、約380℃~約450℃の範囲であるが、浸漬時間は、ガラス厚さ、浴温度およびガラス(または一価のイオン)拡散率に応じて約15分~約100時間の範囲である。しかしながら、上述のものと異なる温度および浸漬時間が利用されてもよい。
【0096】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント製品において使用されるガラス基板は、約370℃~約480℃の温度を有する100%のNaNO3、100%のKNO3またはNaNO3およびKNO3の組合せの溶融塩浴に浸漬させられてもよい。幾つかの実施形態において、デッドフロント製品のガラス基板は、約5%~約90%のKNO3および約10%~約95%のNaNO3を含む混合された溶融塩浴に浸漬させられてもよい。1つ以上の実施形態において、ガラス基板は、第1の浴における浸漬後に、第2の浴に浸漬させられてもよい。第1および第2の浴は、互いに異なる組成および/または温度を有してもよい。第1および第2の浴における浸漬時間は異なってもよい。例えば、第1の浴における浸漬は、第2の浴における浸漬より長くてもよい。
【0097】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント製品を形成するために使用されるガラス基板は、約5時間未満またはさらに約4時間未満の間、約420℃未満(例えば、約400℃または約380℃)の温度を有する、NaNO3およびKNO3(例えば、49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む混合された溶融塩浴に浸漬させられてもよい。
【0098】
イオン交換条件は、デッドフロント製品の結果として生じるガラス基板の表面においてまたはこの表面の近くで「スパイク」を提供するまたは応力分布の傾斜を増大させるように調整することができる。スパイクは、より大きな表面CS値を結果として生じることがある。このスパイクは、本明細書において説明されたデッドフロント製品のガラス基板において使用されるガラス組成の独特の特性により、1つの組成または混合された組成を有する、1つの浴または複数の浴によって達成することができる。
【0099】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント製品において使用されるガラス基板内へ2つ以上の一価のイオンが交換される場合、ガラス基板内の異なる深さまで、異なる一価のイオンが交換されてもよい(かつ異なる深さにおいてガラス基板内に異なる大きさの応力を生じてもよい)。応力を生じるイオンの、この結果として生じる相対的な深さを決定することができ、これは、応力分布の異なる特性を生じることができる。
【0100】
CSは、Orihara Industrial Co.,Ltd(日本)によって製造されたFSM-6000などの市販されている機器を使用する表面応力計(FSM)などによって、技術分野において公知の手段を使用して測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連した応力光係数(SOC)の正確な測定に依存する。SOC自体は、ファイバおよび4点曲げ法などの、技術分野において公知の方法によって測定され、その両方は、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient」というタイトルの、ASTM規格C770-98(2013)に記載されており、その内容全体は、引用したことにより本明細書に組み込まれ、バルクシリンダ法によっても測定される。本明細書において使用されるとき、CSは、圧縮応力層内で測定された最も高い圧縮応力値である「最大圧縮応力」であってもよい。幾つかの実施形態において、最大圧縮応力は、ガラス基板の表面に存在している。その他の実施形態において、最大圧縮応力は、表面内部の所定の深さにおいて生じることがあり、圧縮分布に「埋め込まれたピーク」の外観を与える。
【0101】
DOCは、強化方法および条件に応じて、FSMによってまたは散乱光偏光器(SCALP)(エストニア、タリンに所在するGlasstress Ltd.から市販されているSCALP-04散乱光偏光器など)によって測定されてもよい。ガラス基板がイオン交換処理によって化学的に強化される場合、FSMまたはSCALPが、どのイオンがガラス基板内へ交換されるかに応じて使用されてもよい。ガラス基板における応力が、ガラス基板内へカリウムイオンを交換することによって生じさせられる場合、DOCを測定するためにFSMが使用される。ガラス基板内へナトリウムイオンを交換することによって応力が生じさせられる場合、DOCを測定するためにSCALPが使用される。ガラス内へカリウムイオンおよびナトリウムイオンの両方を交換することによってガラス基板における応力が生じさせられる場合、DOCは、SCALPによって測定される。なぜならば、ナトリウムの交換深さがDOCを示し、カリウムイオンの交換深さは、圧縮応力の大きさの変化を示す(しかしながら、圧縮から引張への応力の変化は示さない)と考えられるからである。このようなガラス基板におけるカリウムイオンの交換深さは、FSMによって測定される。中央張力またはCTは、最大引張応力であり、SCALPによって測定される。
【0102】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント製品を形成するために使用されるガラス基板は、(本明細書において説明されるように)ガラス基板の厚さtの割合として説明されるDOCを有するように強化されてもよい。例えば、1つ以上の実施形態において、DOCは、約0.05t以上、約0.1t以上、約0.11t以上、約0.12t以上、約0.13t以上、約0.14t以上、約0.15t以上、約0.16t以上、約0.17t以上、約0.18t以上、約0.19t以上、約0.2t以上、約0.21t以上であってもよい。幾つかの実施形態において、DOCは、約0.08t~約0.25t、約0.09t~約0.25t、約0.18t~約0.25t、約0.11t~約0.25t、約0.12t~約0.25t、約0.13t~約0.25t、約0.14t~約0.25t、約0.15t~約0.25t、約0.08t~約0.24t、約0.08t~約0.23t、約0.08t~約0.22t、約0.08t~約0.21t、約0.08t~約0.2t、約0.08t~約0.19t、約0.08t~約0.18t、約0.08t~約0.17t、約0.08t~約0.16tまたは約0.08t~約0.15tの範囲であってもよい。幾つかの例において、DOCは、約20μm以下であってもよい。1つ以上の実施形態において、DOCは、約40μm以上(例えば、約40μm~約300μm、約50μm~約300μm、約60μm~約300μm、約70μm~約300μm、約80μm~約300μm、約90μm~約300μm、約100μm~約300μm、約110μm~約300μm、約120μm~約300μm、約140μm~約300μm、約150μm~約300μm、約40μm~約290μm、約40μm~約280μm、約40μm~約260μm、約40μm~約250μm、約40μm~約240μm、約40μm~約230μm、約40μm~約220μm、約40μm~約210μm、約40μm~約200μm、約40μm~約180μm、約40μm~約160μm、約40μm~約150μm、約40μm~約140μm、約40μm~約130μm、約40μm~約120μm、約40μm~約110μmまたは約40μm~約100μm)であってもよい。
【0103】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント製品を形成するために使用されるガラス基板は、約200MPa以上、300MPa以上、400MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約800MPa以上、約900MPa以上、約930MPa以上、約1000MPa以上または約1050MPa以上のCS(ガラス製品の表面またはガラス製品内の所定の深さに見られることがある)を有してもよい。
【0104】
1つ以上の実施形態において、デッドフロント製品を形成するために使用されるガラス基板は、約20MPa以上、約30MPa以上、約40MPa以上、約45MPa以上、約50MPa以上、約60MPa以上、約70MPa以上、約75MPa以上、約80MPa以上または約85MPa以上の最大引張応力または中央張力(CT)を有してもよい。幾つかの実施形態において、最大引張応力または中央張力(CT)は、約40MPa~約100MPaの範囲であってもよい。
【0105】
本開示の態様(1)は、デッドフロント製品であって、
基板であって、第1の面と、該第1の面と反対側の第2の面とを有する基板と、
単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有する、前記基板の前記第2の面の少なくとも第1の部分に配置された半透明層と、
前記領域の少なくとも一部に配置されたコントラスト層であって、前記領域の色の可視性を高めるようにまたは前記コントラスト層が配置されている前記領域の部分における前記領域のデザインの色間のコントラストを高めるように構成されているコントラスト層と、
を備える、デッドフロント製品に関する。
【0106】
本開示の態様(2)は、前記領域は、2つ以上の色のデザインを有し、該デザインは、革シボパターン、木目調パターン、織物パターン、ブラシ研磨金属仕上げパターン、グラフィックまたはロゴのうちの少なくとも1つである、態様(1)記載のデッドフロント製品に関する。
【0107】
本開示の態様(3)は、前記半透明層は、印刷された半透明層を含む、態様(1)または(2)記載のデッドフロント製品に関する。
【0108】
本開示の態様(4)は、前記半透明層は、最大で6μmの平均厚さを有する、態様(1)から(3)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0109】
本開示の態様(5)は、前記半透明層は、少なくとも1μmの平均厚さを有する、態様(1)から(4)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0110】
本開示の態様(6)は、前記半透明層は、CMYK色モデルを使用してインクジェットプリンタによって前記基板の前記第2の面に印刷されている、態様(1)から(5)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0111】
本開示の態様(7)は、前記コントラスト層の色は、白またはグレーである、態様(1)から(6)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0112】
本開示の態様(8)は、前記コントラスト層は、最大で6μmの平均厚さを有する、態様(1)から(7)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0113】
本開示の態様(9)は、前記コントラスト層は、少なくとも1μmの平均厚さを有する、態様(1)から(8)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0114】
本開示の態様(10)は、前記基板の前記第2の面は、前記コントラスト層が配置されている第2の部分を有する、態様(1)から(9)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0115】
本開示の態様(11)は、前記コントラスト層は、白であり、ISO 11475:2004に従って測定された20W以上の白色度を有する、態様(1)から(10)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0116】
本開示の態様(12)は、前記半透明層は、前記第2の面と前記コントラスト層との間に配置されている、態様(1)から(11)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0117】
本開示の態様(13)は、前記半透明層および前記コントラスト層の組合せは、約400nm~約700nmの波長範囲にわたって約5%~約30%の範囲の平均光透過率を有する、態様(1)から(12)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0118】
本開示の態様(14)は、約400nm~約700nmの波長範囲にわたって約5%~約10%の範囲の平均光透過率を有する、態様(1)から(13)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0119】
本開示の態様(15)は、前記コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層をさらに備え、前記コントラスト層が、前記高光学濃度層と前記半透明層との間に配置されている、態様(1)から(14)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0120】
本開示の態様(16)は、前記高光学濃度層は、グラフィックまたはロゴの少なくとも一部を形成するように前記コントラスト層に配置されている、態様(15)記載のデッドフロント製品に関する。
【0121】
本開示の態様(17)は、前記グラフィックまたは前記ロゴの領域に配置されたカラー層をさらに備え、前記高光学濃度層によって形成された前記グラフィックまたは前記ロゴの少なくとも一部において、前記コントラスト層は、前記半透明層と前記カラー層との間に配置されている、態様(16)記載のデッドフロント製品に関する。
【0122】
本開示の態様(18)は、前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有する、態様(15)から(17)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0123】
本開示の態様(19)は、前記高光学濃度層は、第2の光学濃度を有し、前記半透明層は、第3の光学濃度を有し、前記第1の光学濃度、前記第2の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、少なくとも3.4である、態様(18)記載のデッドフロント製品に関する。
【0124】
本開示の態様(20)は、前記第2の光学濃度は、少なくとも2.4である、態様(19)記載のデッドフロント製品に関する。
【0125】
本開示の態様(21)は、前記第2の光学濃度は、少なくとも3である、態様(20)記載のデッドフロント製品に関する。
【0126】
本開示の態様(22)は、前記カラー層は、0.3~0.7の第4の光学濃度を有する、態様(19)から(21)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0127】
本開示の態様(23)は、少なくとも1つの領域において、前記第1の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、1.0~2.1である、態様(19)から(22)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0128】
本開示の態様(24)は、少なくとも1つの領域において、前記第1の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、1.2~1.6である、態様(23)記載のデッドフロント製品に関する。
【0129】
本開示の態様(25)は、前記基板は、ガラス基板を含み、0.05mm~2mmの範囲の、前記第1の面と前記第2の面との間の平均厚さを有する、態様(1)から(24)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0130】
本開示の態様(26)は、前記基板の前記第1の面は、眩惑防止面を含む、態様(1)から(25)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0131】
本開示の態様(27)は、前記基板の前記第1の面に配置された機能層をさらに備える、態様(1)から(26)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0132】
本開示の態様(28)は、前記機能層は、5nm~600nmの平均厚さを有する、態様(27)記載のデッドフロント製品に関する。
【0133】
本開示の態様(29)は、前記機能層は、眩惑防止層、引掻抵抗層、反射防止層、ハーフミラー層または清掃容易層である、態様(27)または(28)記載のデッドフロント製品に関する。
【0134】
本開示の態様(30)は、前記基板は、強化ガラス材料から形成されている、態様(1)から(29)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0135】
本開示の態様(31)は、前記基板は、第1の曲率半径を有するように湾曲させられている、態様(1)から(30)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0136】
本開示の態様(32)は、前記第1の曲率半径は、約60mm~約1500mmの範囲にある、態様(31)記載のデッドフロント製品に関する。
【0137】
本開示の態様(33)は、前記基板は、前記第1の曲率半径と異なる第2の曲率半径を有する、態様(31)または(32)記載のデッドフロント製品に関する。
【0138】
本開示の態様(34)は、前記基板は、湾曲した形状に冷間成形されている、態様(31)から(33)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0139】
本開示の態様(35)は、前記第1の面と前記第2の面との間で測定された前記基板の最大厚さは、1.5mm以下である、態様(1)から(34)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0140】
本開示の態様(36)は、前記第1の面と前記第2の面との間で測定された前記基板の最大厚さは、0.3mm~0.7mmである、態様(1)から(35)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0141】
本開示の態様(37)は、前記基板は、約5cm~約250cmの範囲にある幅および約5cm~約250cmである長さを有する、態様(1)から(36)までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品に関する。
【0142】
本開示の態様(38)は、装置であって、
デッドフロント製品であって、
基板と、
該基板の第1の面に配置された半透明層と、
該半透明層の少なくとも一部に配置されたコントラスト層と、
少なくとも1つのアイコンを少なくとも部分的に形成する、前記コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層と、を有するデッドフロント製品と、
使用者による接触に応答するように構成された、前記少なくとも1つのアイコンの背後に配置されたタッチパネルと、
を備える、装置に関する。
【0143】
本開示の態様(39)は、前記タッチパネルは、光学的にクリアな接着剤を使用して前記少なくとも1つのアイコンの背後に積層されている、態様(38)記載の装置に関する。
【0144】
本開示の態様(40)は、前記タッチパネルは、前記少なくとも1つのアイコンの背後に印刷されている、態様(38)記載の装置に関する。
【0145】
本開示の態様(41)は、前記基板は、前記第1の面と反対側の第2の面を有し、前記第1の面および前記第2の面は、前記基板の厚さを規定しており、前記第2の面の領域は、前記少なくとも1つのアイコンの触覚的または視覚的な表示を提供するように変更されている、態様(38)から(40)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0146】
本開示の態様(42)は、前記領域は、前記第2の面の周囲の領域より大きい表面粗さを有する、態様(41)記載の装置に関する。
【0147】
本開示の態様(43)は、前記基板の厚さは、前記領域においてより大きい、態様(41)記載の装置に関する。
【0148】
本開示の態様(44)は、前記基板の厚さは、前記領域においてより小さい、態様(41)記載の装置に関する。
【0149】
本開示の態様(45)は、前記領域は、前記第2の面の周囲の領域と異なる眩惑防止処理を有する、態様(41)記載の装置に関する。
【0150】
本開示の態様(46)は、前記半透明層は、単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有する、態様(38)から(45)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0151】
本開示の態様(47)は、前記領域は、2つ以上の色のデザインを有し、該デザインは、革シボパターン、木目調パターン、織物パターン、ブラシ研磨金属仕上げパターン、グラフィックまたはロゴのうちの少なくとも1つである、態様(46)記載の装置に関する。
【0152】
本開示の態様(48)は、前記コントラスト層は、白またはグレーである、態様(38)から(47)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0153】
本開示の態様(49)は、前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有する、態様(38)から(48)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0154】
本開示の態様(50)は、前記高光学濃度層は、第2の光学濃度を有し、該第2の光学濃度は、少なくとも2.4である、態様(49)記載の装置に関する。
【0155】
本開示の態様(51)は、前記第2の光学濃度は、少なくとも3である、態様(50)記載の装置に関する。
【0156】
本開示の態様(52)は、前記アイコンの領域に配置されたカラー層をさらに備え、前記高光学濃度層によって形成された前記アイコンの少なくとも一部において、前記コントラスト層は、前記半透明層と前記カラー層との間に配置されている、態様(38)から(51)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0157】
本開示の態様(53)は、前記カラー層は、0.3~0.7の第3の光学濃度を有する、態様(52)記載の装置に関する。
【0158】
本開示の態様(54)は、前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有し、前記半透明層は、第4の光学濃度を有し、少なくとも1つのアイコンの領域において、前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.0~2.1である、態様(38)から(53)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0159】
本開示の態様(55)は、前記少なくとも1つのアイコンの領域において、前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.2~1.6である、態様(54)記載の装置に関する。
【0160】
本開示の態様(56)は、作動させられたときに触覚的フィードバックを提供するように構成された振動モータをさらに備える、態様(38)から(55)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0161】
本開示の態様(57)は、前記振動モータは、前記基板に前記使用者が触れたとき触覚的フィードバックを提供する、態様(56)記載の装置に関する。
【0162】
本開示の態様(58)は、前記基板の、前記第1の面と同じ側に配置されたダイナミックディスプレイをさらに備える、態様(38)から(57)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0163】
本開示の態様(59)は、前記ダイナミックディスプレイは、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイ、LEDディスプレイまたはDLP MEMSチップのうちの少なくとも1つを含む、態様(58)記載の装置に関する。
【0164】
本開示の態様(60)は、前記少なくとも1つのアイコンのうちの1つのアイコンは、IEC 60417-5007、IEC 60417-5008、IEC 60417-5009およびIEC 60417-5010のうちの1つによる電源シンボルである、態様(38)から(59)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0165】
本開示の態様(61)は、前記装置は、車両ダッシュボード、車両センターコンソール、車両空調またはラジオ制御パネルまたは車両乗員エンターテインメントパネルに配置されている、態様(38)から(60)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0166】
本開示の態様(62)は、前記基板は、強化ガラス材料を含み、0.05mm~2mmの範囲の、前記第1の面と、該第1の面と反対側の第2の面との間の平均厚さを有する、態様(38)から(61)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0167】
本開示の態様(63)は、前記基板は、前記第1の面および前記第2の面のうちの少なくとも一方に沿って、60mm~1500mmの曲率半径を有する、態様(62)記載の装置に関する。
【0168】
本開示の態様(64)は、光源をさらに備え、前記デッドフロント製品は、前記光源上に配置されている、態様(38)から(63)までのいずれか1つ記載の装置に関する。
【0169】
本開示の態様(65)は、前記使用者の接触に応答して、前記光源は、前記アイコンの色を変化させる、態様(64)記載の装置に関する。
【0170】
本開示の態様(66)は、湾曲したデッドフロント製品を形成する方法であって、
湾曲した面を有する支持体においてデッドフロント製品を湾曲させるステップであって、前記デッドフロント製品は、
ガラス層と、
単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有する、前記ガラス層の第1の面に配置された半透明層と、
前記領域の少なくとも一部に配置されたコントラスト層であって、前記領域の色の可視性を高めるようにまたは前記コントラスト層が配置されている前記領域の部分における前記領域のデザインの色間のコントラストを高めるように構成されているコントラスト層と、を有する、ステップと、
前記デッドフロント製品が前記支持体の前記湾曲した面の湾曲した形状に一致するように、前記湾曲したデッドフロント製品を前記支持体に固定するステップと、
を含み、
前記デッドフロント製品を湾曲させかつ固定する間、前記デッドフロント製品の最大温度は、前記ガラス層のガラス転移温度未満である、
方法に関する。
【0171】
本開示の態様(67)は、前記湾曲したデッドフロント製品を固定するステップは、
前記支持体の前記湾曲した面と前記デッドフロント製品の面との間に接着剤を提供するステップと、
力を加えている間に前記接着剤によって前記デッドフロント製品をフレームの支持面に結合するステップと、
を含む、態様(66)記載の方法に関する。
【0172】
本開示の態様(68)は、前記ガラス層は、強化されている、態様(66)または(67)記載の方法に関する。
【0173】
本開示の態様(69)は、前記ガラス層は、前記第1の面と反対側の第2の面を有し、前記第1の面と前記第2の面との間で測定された前記ガラス層の最大厚さは、1.5mm以下である、態様(68)記載の方法に関する。
【0174】
本開示の態様(70)は、前記デッドフロント製品を湾曲させかつ固定する間、前記デッドフロント製品の最大温度は、200℃未満である、態様(66)から(69)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0175】
本開示の態様(71)は、前記デッドフロント製品は、前記コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層をさらに備える、態様(66)から(70)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0176】
本開示の態様(72)は、前記デッドフロント製品は、前記コントラスト層または前記高光学濃度層のうちの少なくとも一方に配置されたタッチパネルをさらに備える、態様(66)から(71)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0177】
本開示の態様(73)は、前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有する、態様(66)から(72)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0178】
本開示の態様(74)は、前記高光学濃度層は、少なくとも2.4の第2の光学濃度を有する、態様(71)から(73)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0179】
本開示の態様(75)は、前記第2の光学濃度は、少なくとも3である、態様(74)記載の方法に関する。
【0180】
本開示の態様(76)は、前記高光学濃度層および前記コントラスト層は一緒に、少なくとも1つのアイコンを形成している、態様(71)から(75)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0181】
本開示の態様(77)は、前記デッドフロント製品は、前記少なくとも1つのアイコンの領域に配置されたカラー層をさらに備え、前記高光学濃度層によって形成された前記少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部において、前記コントラスト層は、前記半透明層と前記カラー層との間に配置されている、態様(76)記載の方法に関する。
【0182】
本開示の態様(78)は、前記カラー層は、0.3~0.7の第3の光学濃度を有する、態様(77)記載の方法に関する。
【0183】
本開示の態様(79)は、前記半透明層は、第4の光学濃度を有し、前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.0~2.1である、態様(73)記載の方法に関する。
【0184】
本開示の態様(80)は、前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.2~1.6である、態様(79)記載の方法に関する。
【0185】
明示的に別段の定めがないかぎり、本明細書に示されたいずれの方法も、そのステップが特定の順序で行われることを要求すると解されることは意図されていない。したがって、方法の請求項が、そのステップが従うべき順序を実際には列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであることが請求項または詳細な説明において別段に特に述べられていない場合、いかなる特定の順序が推定されることも意図されていない。加えて、本明細書において使用されるとき、冠詞「a」は、1つまたは2つ以上の構成要素またはエレメントを含むことが意図されており、1つのみを意味すると解されることは意図されていない。
【0186】
開示された実施形態の思想または範囲から逸脱することなく、様々な改良および変更を行うことができることが当業者に明らかになるであろう。実施形態の思想および実質を組み込んだ、開示された実施形態の改良、組合せ、サブコンビネーションおよび変化態様が当業者に想起されることもあるので、開示された実施形態は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内の全てを包含すると解すべきである。
【0187】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0188】
実施形態1
デッドフロント製品であって、
基板であって、第1の面と、該第1の面と反対側の第2の面とを有する基板と、
単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有する、前記基板の前記第2の面の少なくとも第1の部分に配置された半透明層と、
前記領域の少なくとも一部に配置されたコントラスト層であって、前記領域の色の可視性を高めるようにまたは前記コントラスト層が配置されている前記領域の部分における前記領域のデザインの色間のコントラストを高めるように構成されているコントラスト層と、
を備える、デッドフロント製品。
【0189】
実施形態2
前記領域は、2つ以上の色のデザインを有し、該デザインは、革シボパターン、木目調パターン、織物パターン、ブラシ研磨金属仕上げパターン、グラフィックまたはロゴのうちの少なくとも1つである、実施形態1記載のデッドフロント製品。
【0190】
実施形態3
前記半透明層は、印刷された半透明層を含む、実施形態1または2記載のデッドフロント製品。
【0191】
実施形態4
前記半透明層は、最大で6μmの平均厚さを有する、実施形態1から3までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0192】
実施形態5
前記半透明層は、少なくとも1μmの平均厚さを有する、実施形態1から4までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0193】
実施形態6
前記半透明層は、CMYK色モデルを使用してインクジェットプリンタによって前記基板の前記第2の面に印刷されている、実施形態1から5までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0194】
実施形態7
前記コントラスト層の色は、白またはグレーである、実施形態1から6までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0195】
実施形態8
前記コントラスト層は、最大で6μmの平均厚さを有する、実施形態1から7までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0196】
実施形態9
前記コントラスト層は、少なくとも1μmの平均厚さを有する、実施形態1から8までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0197】
実施形態10
前記基板の前記第2の面は、前記コントラスト層が配置されている第2の部分を有する、実施形態1から9までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0198】
実施形態11
前記コントラスト層は、白であり、ISO 11475:2004に従って測定された20W以上の白色度を有する、実施形態1から10までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0199】
実施形態12
前記半透明層は、前記第2の面と前記コントラスト層との間に配置されている、実施形態1から11までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0200】
実施形態13
前記半透明層および前記コントラスト層の組合せは、約400nm~約700nmの波長範囲にわたって約5%~約30%の範囲の平均光透過率を有する、実施形態1から12までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0201】
実施形態14
約400nm~約700nmの波長範囲にわたって約5%~約10%の範囲の平均光透過率を有する、実施形態1から13までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0202】
実施形態15
前記コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層をさらに備え、前記コントラスト層が、前記高光学濃度層と前記半透明層との間に配置されている、実施形態1から14までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0203】
実施形態16
前記高光学濃度層は、グラフィックまたはロゴの少なくとも一部を形成するように前記コントラスト層に配置されている、実施形態15記載のデッドフロント製品。
【0204】
実施形態17
前記グラフィックまたは前記ロゴの領域に配置されたカラー層をさらに備え、前記高光学濃度層によって形成された前記グラフィックまたは前記ロゴの少なくとも一部において、前記コントラスト層は、前記半透明層と前記カラー層との間に配置されている、実施形態16記載のデッドフロント製品。
【0205】
実施形態18
前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有する、実施形態15から17までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0206】
実施形態19
前記高光学濃度層は、第2の光学濃度を有し、前記半透明層は、第3の光学濃度を有し、前記第1の光学濃度、前記第2の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、少なくとも3.4である、実施形態18記載のデッドフロント製品。
【0207】
実施形態20
前記第2の光学濃度は、少なくとも2.4である、実施形態19記載のデッドフロント製品。
【0208】
実施形態21
前記第2の光学濃度は、少なくとも3である、実施形態20記載のデッドフロント製品。
【0209】
実施形態22
前記カラー層は、0.3~0.7の第4の光学濃度を有する、実施形態19から21までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0210】
実施形態23
少なくとも1つの領域において、前記第1の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、1.0~2.1である、実施形態19から22までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0211】
実施形態24
少なくとも1つの領域において、前記第1の光学濃度および前記第3の光学濃度は合わせて、1.2~1.6である、実施形態23記載のデッドフロント製品。
【0212】
実施形態25
前記基板は、ガラス基板を含み、0.05mm~2mmの範囲の、前記第1の面と前記第2の面との間の平均厚さを有する、実施形態1から24までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0213】
実施形態26
前記基板の前記第1の面は、眩惑防止面を含む、実施形態1から25までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0214】
実施形態27
前記基板の前記第1の面に配置された機能層をさらに備える、実施形態1から26までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0215】
実施形態28
前記機能層は、5nm~600nmの平均厚さを有する、実施形態27記載のデッドフロント製品。
【0216】
実施形態29
前記機能層は、眩惑防止層、引掻抵抗層、反射防止層、ハーフミラー層または清掃容易層である、実施形態27または28記載のデッドフロント製品。
【0217】
実施形態30
前記基板は、強化ガラス材料から形成されている、実施形態1から29までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0218】
実施形態31
前記基板は、第1の曲率半径を有するように湾曲させられている、実施形態1から30までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0219】
実施形態32
前記第1の曲率半径は、約60mm~約1500mmの範囲にある、実施形態31記載のデッドフロント製品。
【0220】
実施形態33
前記基板は、前記第1の曲率半径と異なる第2の曲率半径を有する、実施形態31または32記載のデッドフロント製品。
【0221】
実施形態34
前記基板は、湾曲した形状に冷間成形されている、実施形態31から33までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0222】
実施形態35
前記第1の面と前記第2の面との間で測定された前記基板の最大厚さは、1.5mm以下である、実施形態1から34までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0223】
実施形態36
前記第1の面と前記第2の面との間で測定された前記基板の最大厚さは、0.3mm~0.7mmである、実施形態1から35までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0224】
実施形態37
前記基板は、約5cm~約250cmの範囲にある幅および約5cm~約250cmである長さを有する、実施形態1から36までのいずれか1つ記載のデッドフロント製品。
【0225】
実施形態38
装置であって、
デッドフロント製品であって、
基板と、
該基板の第1の面に配置された半透明層と、
該半透明層の少なくとも一部に配置されたコントラスト層と、
少なくとも1つのアイコンを少なくとも部分的に形成する、前記コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層と、を有するデッドフロント製品と、
使用者による接触に応答するように構成された、前記少なくとも1つのアイコンの背後に配置されたタッチパネルと、
を備える、装置。
【0226】
実施形態39
前記タッチパネルは、光学的にクリアな接着剤を使用して前記少なくとも1つのアイコンの背後に積層されている、実施形態38記載の装置。
【0227】
実施形態40
前記タッチパネルは、前記少なくとも1つのアイコンの背後に印刷されている、実施形態38記載の装置。
【0228】
実施形態41
前記基板は、前記第1の面と反対側の第2の面を有し、前記第1の面および前記第2の面は、前記基板の厚さを規定しており、前記第2の面の領域は、前記少なくとも1つのアイコンの触覚的または視覚的な表示を提供するように変更されている、実施形態38から40までのいずれか1つ記載の装置。
【0229】
実施形態42
前記領域は、前記第2の面の周囲の領域より大きい表面粗さを有する、実施形態41記載の装置。
【0230】
実施形態43
前記基板の厚さは、前記領域においてより大きい、実施形態41記載の装置。
【0231】
実施形態44
前記基板の厚さは、前記領域においてより小さい、実施形態41記載の装置。
【0232】
実施形態45
前記領域は、前記第2の面の周囲の領域と異なる眩惑防止処理を有する、実施形態41記載の装置。
【0233】
実施形態46
前記半透明層は、単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有する、実施形態38から45までのいずれか1つ記載の装置。
【0234】
実施形態47
前記領域は、2つ以上の色のデザインを有し、該デザインは、革シボパターン、木目調パターン、織物パターン、ブラシ研磨金属仕上げパターン、グラフィックまたはロゴのうちの少なくとも1つである、実施形態46記載の装置。
【0235】
実施形態48
前記コントラスト層は、白またはグレーである、実施形態38から47までのいずれか1つ記載の装置。
【0236】
実施形態49
前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有する、実施形態38から48までのいずれか1つ記載の装置。
【0237】
実施形態50
前記高光学濃度層は、第2の光学濃度を有し、該第2の光学濃度は、少なくとも2.4である、実施形態49記載の装置。
【0238】
実施形態51
前記第2の光学濃度は、少なくとも3である、実施形態50記載の装置。
【0239】
実施形態52
前記アイコンの領域に配置されたカラー層をさらに備え、前記高光学濃度層によって形成された前記アイコンの少なくとも一部において、前記コントラスト層は、前記半透明層と前記カラー層との間に配置されている、実施形態38から51までのいずれか1つ記載の装置。
【0240】
実施形態53
前記カラー層は、0.3~0.7の第3の光学濃度を有する、実施形態52記載の装置。
【0241】
実施形態54
前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有し、前記半透明層は、第4の光学濃度を有し、少なくとも1つのアイコンの領域において、前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.0~2.1である、実施形態38から53までのいずれか1つ記載の装置。
【0242】
実施形態55
前記少なくとも1つのアイコンの領域において、前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.2~1.6である、実施形態54記載の装置。
【0243】
実施形態56
作動させられたときに触覚的フィードバックを提供するように構成された振動モータをさらに備える、実施形態38から55までのいずれか1つ記載の装置。
【0244】
実施形態57
前記振動モータは、前記基板に前記使用者が触れたとき触覚的フィードバックを提供する、実施形態56記載の装置。
【0245】
実施形態58
前記基板の、前記第1の面と同じ側に配置されたダイナミックディスプレイをさらに備える、実施形態38から57までのいずれか1つ記載の装置。
【0246】
実施形態59
前記ダイナミックディスプレイは、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイ、LEDディスプレイまたはDLP MEMSチップのうちの少なくとも1つを含む、実施形態58記載の装置。
【0247】
実施形態60
前記少なくとも1つのアイコンのうちの1つのアイコンは、IEC 60417-5007、IEC 60417-5008、IEC 60417-5009およびIEC 60417-5010のうちの1つによる電源シンボルである、実施形態38から59までのいずれか1つ記載の装置。
【0248】
実施形態61
前記装置は、車両ダッシュボード、車両センターコンソール、車両空調またはラジオ制御パネルまたは車両乗員エンターテインメントパネルに配置されている、実施形態38から60までのいずれか1つ記載の装置。
【0249】
実施形態62
前記基板は、強化ガラス材料を含み、0.05mm~2mmの範囲の、前記第1の面と、該第1の面と反対側の第2の面との間の平均厚さを有する、実施形態38から61までのいずれか1つ記載の装置。
【0250】
実施形態63
前記基板は、前記第1の面および前記第2の面のうちの少なくとも一方に沿って、60mm~1500mmの曲率半径を有する、実施形態62記載の装置。
【0251】
実施形態64
光源をさらに備え、前記デッドフロント製品は、前記光源上に配置されている、実施形態38から63までのいずれか1つ記載の装置。
【0252】
実施形態65
前記使用者の接触に応答して、前記光源は、前記アイコンの色を変化させる、実施形態64記載の装置。
【0253】
実施形態66
湾曲したデッドフロント製品を形成する方法であって、
湾曲した面を有する支持体においてデッドフロント製品を湾曲させるステップであって、前記デッドフロント製品は、
ガラス層と、
単色の領域または2つ以上の色のデザインの領域を有する、前記ガラス層の第1の面に配置された半透明層と、
前記領域の少なくとも一部に配置されたコントラスト層であって、前記領域の色の可視性を高めるようにまたは前記コントラスト層が配置されている前記領域の部分における前記領域のデザインの色間のコントラストを高めるように構成されているコントラスト層と、を有する、ステップと、
前記デッドフロント製品が前記支持体の前記湾曲した面の湾曲した形状に一致するように、前記湾曲したデッドフロント製品を前記支持体に固定するステップと、
を含み、
前記デッドフロント製品を湾曲させかつ固定する間、前記デッドフロント製品の最大温度は、前記ガラス層のガラス転移温度未満である、
方法。
【0254】
実施形態67
前記湾曲したデッドフロント製品を固定するステップは、
前記支持体の前記湾曲した面と前記デッドフロント製品の面との間に接着剤を提供するステップと、
力を加えている間に前記接着剤によって前記デッドフロント製品をフレームの支持面に結合するステップと、
を含む、実施形態66記載の方法。
【0255】
実施形態68
前記ガラス層は、強化されている、実施形態66または67記載の方法。
【0256】
実施形態69
前記ガラス層は、前記第1の面と反対側の第2の面を有し、前記第1の面と前記第2の面との間で測定された前記ガラス層の最大厚さは、1.5mm以下である、実施形態68記載の方法。
【0257】
実施形態70
前記デッドフロント製品を湾曲させかつ固定する間、前記デッドフロント製品の最大温度は、200℃未満である、実施形態66から69までのいずれか1つ記載の方法。
【0258】
実施形態71
前記デッドフロント製品は、前記コントラスト層の少なくとも一部に配置された高光学濃度層をさらに備える、実施形態66から70までのいずれか1つ記載の方法。
【0259】
実施形態72
前記デッドフロント製品は、前記コントラスト層または前記高光学濃度層のうちの少なくとも一方に配置されたタッチパネルをさらに備える、実施形態66から71までのいずれか1つ記載の方法。
【0260】
実施形態73
前記コントラスト層は、0.9~2.0の第1の光学濃度を有する、実施形態66から72までのいずれか1つ記載の方法。
【0261】
実施形態74
前記高光学濃度層は、少なくとも2.4の第2の光学濃度を有する、実施形態71から73までのいずれか1つ記載の方法。
【0262】
実施形態75
前記第2の光学濃度は、少なくとも3である、実施形態74記載の方法。
【0263】
実施形態76
前記高光学濃度層および前記コントラスト層は一緒に、少なくとも1つのアイコンを形成している、実施形態71から75までのいずれか1つ記載の方法。
【0264】
実施形態77
前記デッドフロント製品は、前記少なくとも1つのアイコンの領域に配置されたカラー層をさらに備え、前記高光学濃度層によって形成された前記少なくとも1つのアイコンの少なくとも一部において、前記コントラスト層は、前記半透明層と前記カラー層との間に配置されている、実施形態76記載の方法。
【0265】
実施形態78
前記カラー層は、0.3~0.7の第3の光学濃度を有する、実施形態77記載の方法。
【0266】
実施形態79
前記半透明層は、第4の光学濃度を有し、前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.0~2.1である、実施形態73記載の方法。
【0267】
実施形態80
前記第1の光学濃度および前記第4の光学濃度は合わせて、1.2~1.6である、実施形態79記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36