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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169235
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20231121BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20231121BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W72/0453
H04L27/26 113
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145242
(22)【出願日】2023-09-07
(62)【分割の表示】P 2020538843の分割
【原出願日】2019-01-14
(31)【優先権主張番号】18157042.5
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】タオ ミン-フン
(72)【発明者】
【氏名】バムリ アンキット
(57)【要約】
【課題】移動端末がソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバをより迅速に行うこと。
【解決手段】集積回路は、ターゲット基地局の処理を制御し、前記処理は、ソース基地局から少なくとも構成された第1帯域幅部分および構成された第2帯域幅部分で通信する移動端末の能力に関する情報を含むハンドオーバ要求メッセージを受信することと、前記ハンドオーバ要求メッセージの受信時に、前記移動端末のために少なくとも前記第1帯域幅部分および前記第2帯域幅部分を構成することと、前記ソース基地局にハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信することと、を含み、前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージは前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット基地局の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、
ソース基地局から少なくとも構成された第1帯域幅部分および構成された第2帯域幅部分で通信する移動端末の能力に関する情報を含むハンドオーバ要求メッセージを受信することと、
前記ハンドオーバ要求メッセージの受信時に、前記移動端末のために少なくとも前記第1帯域幅部分および前記第2帯域幅部分を構成することと、
前記ソース基地局にハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信することと、
を含み、
前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージは前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含む、
集積回路。
【請求項2】
前記処理は、前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信した後に、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの前記移動端末がアクティブ化することが期待される同じ予め選択された1つをアクティブ化することを含み、
前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する前記情報は、特定のシーケンスがあり、前記処理は、前記特定のシーケンスの最初の帯域幅部分もしくは最後の帯域幅部分、または前記少なくとも第1帯域幅部分および前記第2帯域幅部分より多くの帯域幅部分が構成される場合には特定の他の帯域幅部分を、前記帯域幅部分のうちの前記予め選択された1つとしてアクティブ化することを含み、または、
前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、帯域幅部分インデックスをさらに含み、前記処理は、前記帯域幅部分インデックスに対応する、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分または前記第2帯域幅部分のうちの前記予め選択された1つをアクティブ化することを含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記ハンドオーバ要求メッセージは、アクティブ化された帯域幅部分の状態に関する情報または予測トラフィック情報をさらに含み、
前記処理は、前記ハンドオーバ要求メッセージの受信時に、前記移動端末がハンドオーバ手順の一部として前記予め選択された帯域幅部分としてアクティブ化することが期待される前記少なくとも前記第1帯域幅部分および前記第2帯域幅部分のうちの少なくとも1つを選択およびアクティブ化することを含む、
請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記処理は、前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信した後に、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちのすべてをアクティブ化することを含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、
-前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数の異なるアップリンク共有チャネル送信パラメータ
をさらに含み、
前記処理は、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分または前記第2帯域幅部分と関連付けられた前記複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータのうちのすべてを使用してハンドオーバ完了メッセージの送信の候補をスケジューリングすることを含み、任意に、
前記複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータは、
-前記ターゲット基地局に前記ハンドオーバ完了メッセージを送信するときに前記移動端末により使用される無線チャネルリソースの時間および周波数
を含み、
前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージが、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータをさらに含む場合には、前記処理は、前記移動端末から、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分または前記第2帯域幅部分のうちの前記移動端末によって選択およびアクティブ化されたものに関連付けられた前記複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータのうちの1つを使用してハンドオーバ完了メッセージ送信をさらに受信することを含み、
前記処理は、前記移動端末が選択およびアクティブ化していない、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの残りを非アクティブ化することを含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、
-前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数の異なるランダムアクセス送信パラメータ
をさらに含み、
前記処理は、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分または前記第2帯域幅部分に関連付けられた前記複数のランダムアクセス送信パラメータのうちのすべてを使用してランダムアクセスメッセージの送信を予約することを含み、
前記複数のランダムアクセス送信パラメータは、
-前記ランダムアクセスメッセージとともに送信されるランダムアクセスプリアンブルシーケンス、
-前記ターゲット基地局に前記ランダムアクセスメッセージを送信するときに前記移動端末により使用される無線チャネルリソースの時間および周波数
のうちの少なくとも1つまたは複数を含み、
前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージが、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数の異なるランダムアクセス送信パラメータをさらに含む場合には、前記処理は、前記移動端末から、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分または前記第2帯域幅部分のうちの前記移動端末によって選択およびアクティブ化されたものに関連付けられた前記複数のランダムアクセス送信パラメータのうちの1つを使用してランダムアクセスメッセージ送信をさらに受信することを含み、
前記処理は、前記移動端末が選択およびアクティブ化していない、前記構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの残りを非アクティブ化することを含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記ハンドオーバ要求メッセージは、
-前記ソース基地局で前記移動端末のために構成された少なくとも第3帯域幅部分および異なる第4帯域幅部分に関する情報
をさらに含み、
前記ハンドオーバ要求メッセージは、
-前記ソース基地局の前記構成された少なくとも第3帯域幅部分および第4帯域幅部分のうちのアクティブ化された1つに関する情報
をさらに含み、
前記処理は、前記移動端末のために、前記第3帯域幅部分および前記第4帯域幅部分にそれぞれ基づいて前記第1帯域幅部分および前記第2帯域幅部分を構成することを含み、
前記処理は、帯域幅部分インデックスを含む前記ハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信することを含み、
前記帯域幅部分インデックスは、前記ソース基地局の前記構成された少なくとも第3帯域幅部分および第4帯域幅部分のうちの以前にアクティブ化されたものと同じ帯域幅部分を指示する、
請求項1に記載の集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順を行う移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、次世代のセルラー技術(第5世代(5G)とも称される)の技術仕様の次のリリース(リリース15)に重点的に取り組んでいる。
【0003】
3GPPの技術仕様グループ(TSG:Technical Specification Group)の無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access network)会合#71(2016年3月、Gothenburg)において、RAN1、RAN2、RAN3、およびRAN4が関与する、5Gの最初の検討項目「Study on New Radio Access Technology(新しい無線アクセス技術に関する検討)」が承認され、この検討は5Gの最初の標準規格を定義するリリース15の作業項目(WI:work item)の基礎を築いている。
【0004】
5G新無線(NR:new radio)は、非特許文献1(www.3gpp.orgで入手可能)に定義されているすべての使用シナリオ、要件、および配置シナリオに対処し、少なくとも、高度モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含む、単一の技術的枠組みを提供する。
【0005】
例えば、eMBBの配置シナリオには、屋内のホットスポット、密集都市部、郊外、都市部、および高速が含まれうる。URLLCの配置シナリオには、産業制御システム、モバイル健康管理(遠隔モニタリング、診断、および治療)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドの広域監視・制御システムが含まれうる。mMTCには、スマートウェアラブルやセンサネットワークなど遅延の影響が小さいデータ伝送による多数の装置を使用するシナリオが含まれうる。
【0006】
5Gでは、将来のユースケース/配置シナリオを見込んだ前方互換性も提供される。Long Term Evolution(LTE)への後方互換性は要求されず、これにより完全に新しいシステム設計および/または新規な特徴の導入が促進される。
【0007】
NR(新無線)の検討項目の技術報告書の1つ(非特許文献2)に要約されているように、物理レイヤの基本的な信号波形は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に基づく。ダウンリンクおよびアップリンクの両方において、サイクリックプレフィックスを使用するOFDM(CP-OFDM)をベースとする波形がサポートされる。少なくとも、40GHzまでのeMBBのアップリンクでは、CP-OFDM波形の補助として、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transformation)拡散OFDM(DFT-S-OFDM)をベースとする波形もサポートされる。
【0008】
NRの設計目標の1つは、進行中のトラフィックがある場合にはその中断を最小化し、同時にユーザ機器の電力消費を増加させずに、ユーザのモビリティを向上させることである。RAN#78では、IMT-2020の0msのハンドオーバ中断時間に関する要件が、Rel-15の時間フレームの中でLTEおよびNRでどのように対応されうるかを調査することがRAN2の課題とされた。最初のステップでは、LTEにおけるハンドオーバ手順がNRのベースライン設計として議論されている。NRのモビリティ向上のためにどのような機能性が追加または修正される必要があるかに関し、3gppワーキンググループにおいて議論が進行中である。
【0009】
用語「ダウンリンク」は、上位のノードから下位のノードへの(例えば、基地局から中継ノード、基地局からUE、中継ノードからUE、など)通信を意味する。用語「アップリンク」は、下位のノードから上位のノードへの(例えば、UEから中継ノード、UEから基地局、中継ノードから基地局、など)通信を意味する。用語「サイドリンク」は、同じレベルのノード間の通信(例えば、2基のUE間、2基の中継ノード間、または2基の基地局間)を意味する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TSG RAN TR 38.913 v14.1.0,“Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies”,Dec.2016
【非特許文献2】3GPP TSG TR 38.801 v2.0.0,“Study on New Radio Access Technology;Radio Access Architecture and Interfaces”,March 2017
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一つの非限定的な例示的実施形態は、移動端末がソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバをより迅速に行うことを可能にする。ターゲット基地局が既にハンドオーバ中に移動端末のために複数の帯域幅部分を構成し、同じ構成を移動端末にシグナリングすれば、移動端末はハンドオーバ中に適切な帯域幅部分の構成でターゲット基地局との通信を即座に(再び)開始しうる。ハンドオーバ後には、追加の再構成の試みが回避されうる。
【0012】
一実施形態では、本明細書に開示される技術は、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順を行うための移動端末を特徴とする。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。移動端末は、動作時にソース基地局から構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するトランシーバと、動作時およびハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、トランシーバにおいて、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも予め選択された1つをアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちのアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局との通信を行うようにトランシーバを制御する、プロセッサなどの処理回路と、を含む。
【0013】
別の一般的な態様では、本明細書に開示される技術は、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順を行うための移動端末を特徴とする。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。移動端末は、動作時にソース基地局から構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するトランシーバと、動作時およびハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、トランシーバにおいて、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも1つを選択およびアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの選択およびアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局との通信を行うようにトランシーバを制御する、プロセッサと、を含む。
【0014】
さらなる一般的な態様では、本明細書に開示される技術は、移動通信システムにおいてソース基地局からの移動端末のハンドオーバ手順を行うためのターゲット基地局を特徴とする。ターゲット基地局は、そのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分のそれぞれで移動端末と通信することができる。ターゲット基地局は、動作時にソース基地局から少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分で通信する移動端末の能力に関する情報を含むハンドオーバ要求メッセージを受信するトランシーバと、動作時およびハンドオーバ要求メッセージの受信時に、移動端末のために少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分を構成するようにトランシーバを制御し、ソース基地局にハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信するようにトランシーバを制御するプロセッサであって、ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含む、プロセッサと、を含む。
【0015】
さらに別の一般的な態様では、本明細書に開示される技術は、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局への移動端末のハンドオーバ手順を行うための方法を特徴とする。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。この方法は、ソース基地局から、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するステップと、ハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも予め選択された1つをアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちのアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局と通信するステップと、を含む。
【0016】
さらなる一般的な態様では、本明細書に開示される技術は、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局への移動端末のハンドオーバ手順を行うための別の方法を特徴とする。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。この方法は、ソース基地局から、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するステップと、ハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも1つを選択およびアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの選択およびアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局と通信するステップと、を含む。
【0017】
さらに別の一般的な態様では、本明細書に開示される技術は、移動通信システムにおいてターゲット基地局がソース基地局からの移動端末のハンドオーバ手順を行うためのさらなる方法を特徴とする。ターゲット基地局は、そのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分のそれぞれで移動端末と通信することができる。この方法は、ソース基地局から少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分で通信する移動端末の能力に関する情報を含むハンドオーバ要求メッセージを受信するステップと、ハンドオーバ要求メッセージの受信時に、移動端末のために少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分を構成し、ソース基地局にハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信するステップであって、ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含む、ステップと、を含む。
【0018】
なお、一般的な実施形態または特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして、実施できることに留意されたい。
【0019】
開示されている実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって個別に得ることができ、ただしこのような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るために、これらの特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】例示的なハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。
図1B】時間に対する帯域幅調整を説明するシナリオを示す。
図2A】ハンドオーバの前および後のソースセルおよびターゲットセルにおける帯域幅部分の構成を含む例示的なシナリオを示す。
図2B】ハンドオーバの前および後のソースセルおよびターゲットセルにおける帯域幅部分の構成を含む例示的なシナリオを示す。
図3】移動端末、ソース基地局およびターゲット基地局の構造を示すブロック図である。
図4】3GPP NR配置シナリオにおける第1実施形態の例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。
図5】3GPP NR配置シナリオにおける第1実施形態の異なる例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。
図6】3GPP NR配置シナリオにおける第2実施形態の例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。
図7図6によるハンドオーバ手順のためのアソシエーションテーブルを示す。
図8】3GPP NR配置シナリオにおける第2実施形態の異なる例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。
図9図8によるハンドオーバ手順のための別のアソシエーションテーブルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
3GPP NRでは、新たな特徴として帯域幅部分(BWP:bandwidth part)動作が導入される。隣接する物理リソースブロック(PRB:physical resource block)のグループのBWPは、セルの動作帯域幅内のUEの動作帯域幅を定義する。さらに、BWPの帯域幅は、UEによりサポートされる最大帯域幅能力以下である。
【0022】
各UE固有のサービングセルで、UEのための専用無線リソース制御RRCシグナリングにより1つまたは複数のダウンリンクBWPおよび1つまたは複数のアップリンクBWPが構成されうる。BWPの構成は、ヌメロロジ、周波数位置(例えば中心周波数)、および帯域幅(例えばPRBの数)の特性を含み得、ヌメロロジは、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスを意味する。
【0023】
しかしながら、Release-15では、UEにとってサービングセルに対して所与の時間に最大で1つのアクティブなダウンリンクBWPがあり、最大で1つのアクティブなアップリンクBWPがある。UEは、アクティブなBWPを介したgNBへの/からの通信しか期待しない、すなわちUEはアクティブなダウンリンクBWPだけでPDCCHおよび考えられるPDSCHを監視し得、アクティブなアップリンクBWPだけでPUSCH/PUCCHを送信しうる。
【0024】
NRは、単一のスケジューリングDCI(ダウンリンク制御情報)がUEのアクティブなBWPをUEのために構成されているBWPの中であるものから別のものに切り替えられるケースをサポートする。これは(動的)BWP調整と呼ばれる。
【0025】
帯域幅調整は、新無線NRおよび次世代NG無線アクセスネットワークRANの3GPP技術仕様(3GPP TSG TS 38.300 V.2.0.0,“NR;NR and NG-RAN Overall Description”,December 2017)において以下のように説明される。
【0026】
帯域幅調整(BA:Bandwidth Adaptation)では、UEの受信および送信帯域幅はセルの帯域幅ほど大きい必要はなく、調節されることができ、幅は変化する(例えば低アクティビティの期間中に電力を節約するために縮小する)ように注文されることができ、位置は(例えばスケジューリングの柔軟性を高めるために)周波数領域において移動することができ、サブキャリア間隔は(例えばさまざまなサービスを許容するために)変化するように注文されることができる。セルの全セル帯域幅のサブセットが帯域幅部分(BWP)と呼ばれ、UEをBWPで構成し、UEに構成されたBWPのうちのいずれが現在アクティブなBWPであるかを教えることによりBAが達成される。
【0027】
図1Bに示されるように、同じまたは異なる中心周波数、異なる(帯域)幅および/または異なるサブキャリア間隔をそれぞれもつ3つの異なるBWP
- 40MHzの幅および15kHzのサブキャリア間隔のBWP1、
- 10MHzの幅および15kHzのサブキャリア間隔のBWP2、および
- 20MHzの幅および60kHzのサブキャリア間隔のBWP3
が構成されるシナリオを考えることが可能である。
【0028】
ネットワーク制御モビリティの一般的な説明が、新無線NRおよび次世代NG無線アクセスネットワークRANの3GPP技術仕様(3GPP TSG TS 38.300 V.2.0.0,“NR;NR and NG-RAN Overall Description”,December 2017)に記載されている。ネットワーク制御モビリティは、RRC_CONNECTEDのUEに適用され、セルレベルのモビリティおよびビームレベルのモビリティの2つのタイプのモビリティに分類される。
【0029】
セルレベルのモビリティは、例えばハンドオーバなど、明示的なRRCシグナリングがトリガされること必要とする。gNB間ハンドオーバでは、シグナリング手順は、一貫性の理由から本明細書において図1Aとして再現される、図9.2.3.1-1に示される少なくとも以下の要素コンポーネントを含む。それとは別に、ビームレベルのモビリティは、明示的なRRCシグナリングがトリガされる必要がなく、下位レイヤで処理され、RRCが所与の時点でどのビームが使用されているかを知る必要はない。
【0030】
図1Aに示すように、RRC駆動型モビリティは、セルレベルのモビリティ、例えばハンドオーバを担う。ハンドオーバシグナリング手順は、Rel-13のLTEと同じ原則を採用する。gNB間ハンドオーバでは、シグナリング手順は、少なくとも以下の要素コンポーネントからなる。
【0031】
1.ソースgNBがハンドオーバを開始し、Xnインタフェースを介してハンドオーバ要求を発出する。
【0032】
2.ターゲットgNBは、アドミッション制御を行い、ハンドオーバ応答確認の一部としてRRC構成を提供する。
【0033】
3.ソースgNBは、ハンドオーバコマンドにおいてUEにRRC構成を提供する。ハンドオーバコマンドメッセージは、少なくともセルIDと、ターゲットセルにアクセスするために必要な情報とを含み、その結果UEはシステム情報を読まずにターゲットセルにアクセスすることができる。場合によっては、コンテンションベースおよびコンテンションフリーのランダムアクセスに必要な情報が、ハンドオーバコマンドメッセージに含まれうる。ターゲットセルへのアクセス情報は、もしあればビーム固有情報を含みうる。
【0034】
4.UEはRRC接続をターゲットgNBに移動し、ハンドオーバ完了を返信する。
【0035】
RRCによってトリガされるハンドオーバメカニズムは、UEが少なくともMACエンティティをリセットし、RLCを再確立することを必要とする。PDCPエンティティの再確立がある場合とない場合のRRC管理ハンドオーバの両方がサポートされる。RLC AMモードを使用するDRBでは、PDCPはセキュリティキーの変更とともに再確立されるかまたはキーの変更なしでデータ回復手順を開始しうる。RLC UMモードを使用するDRBおよびSRBでは、PDCPはセキュリティキーの変更とともに再確立されるかまたはキーの変更なしでそのままでありうる。
【0036】
ターゲットgNBがソースgNBと同じDRB構成およびQoSフローからDRBへのマッピングを使用するときには、ハンドオーバ時のデータ転送、順次配信、および重複回避が促進されうる。NRにおいて、タイマベースのハンドオーバ失敗手順がサポートされる。ハンドオーバ失敗からの回復のために、RRC接続再確立手順が使用される。
【0037】
図1Aに示される要素コンポーネントは、gNB間ハンドオーバを特徴付けるだけでなく、NR RAN内ハンドオーバの一部でもあることに言及しなければならない。簡潔のため、AMF/UPF内ハンドオーバの特定の態様を開示する図9.2.3.2.1-1を参照する。この図では、ハンドオーバ要求はメッセージ3の中にあり、ハンドオーバ(要求)応答確認はメッセージ5の中にあり、ハンドオーバコマンドは通信6の一部であり、ハンドオーバ完了は通信8の一部である。
【0038】
現在知られているハンドオーバの要素コンポーネントは、帯域幅調整の概念をサポートしていないことが重要である。これらの欠点を認識して、本開示は、ハンドオーバ手順を改善することを目指す。
【0039】
非限定的な例示的実施形態は、移動端末がソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバをより迅速に行うことを促進し、進行中のデータ送信(あれば)の中断を最小化し、移動端末の電力消費の増加を回避する。
【0040】
ターゲット基地局が既にハンドオーバ中に移動端末のために複数の帯域幅部分を構成し、同じ構成を移動端末にシグナリングすれば、移動端末はハンドオーバ中に適切な帯域幅部分の構成でターゲット基地局との通信を即座に(再び)開始しうる。ハンドオーバ後には、追加の再構成または帯域幅部分調整の試みが必要なくなりうる。
【0041】
gNB間メッセージ交換のためのXnインタフェースは、本開示の例証の目的で選ばれていることに言及しなければならない。これは本開示の制限と見なされてはならず、本開示は、本開示で言及される帯域幅部分の使用に関する情報がgNBとコアネットワークとの間のインタフェースを介して交換されるAMF/UPF間ハンドオーバのケースに直接適用されうる。
【0042】
本開示によって提供される利点についてのより包括的な議論のために、2つの異なるシナリオをさらに詳細に説明する。この説明から、ハンドオーバ時の帯域幅調整を考慮したときに達成されうるさらなる相乗効果があることが明らかになるであろう。
【0043】
図2Aを参照すると、移動端末が、例えばハンドオーバの前または後で、ソースセルおよびターゲットセルにおいて複数の帯域幅部分で構成される例示的なシナリオが示される。
【0044】
この例示的なシナリオは、移動端末がソース基地局から(特にソース基地局によってサービスされるソースセルから)ターゲット基地局(特にターゲット基地局によってサービスされるターゲットセル)へのハンドオーバを行う状況を示す。ソースセルおよびターゲットセルの両方において、移動端末は、複数の帯域幅部分、例えば対応するインデックス#0および#1の第1および第2帯域幅部分で構成される。
【0045】
特に、ソースセルおよびターゲットセルで、例えば周波数領域のキャリア帯域幅の同期信号SSブロックに関して第1帯域幅部分(インデックス#0のBWPと呼ばれる)および第2帯域幅部分(インデックス#1のBWPと呼ばれる)の構成(例えば位置および帯域幅)が示される。指示された第1および第2帯域幅部分は、SSブロックによっても占有される同じキャリア帯域幅に含まれるため、それらはいずれも移動端末のダウンリンク帯域幅部分に対応する。しかしながら、さらなる説明は、アップリンク帯域幅部分にも等しく当てはまり、そのため具体的な区別は簡潔のために省略されている。
【0046】
ソースセルでは、第1および第2帯域幅部分はいずれも1つの(例えば下側の)SSブロックと(周波数領域で)中央揃えで構成され、ターゲットセルでは、第1および第2帯域幅部分はいずれも別の(例えば上側の)SSブロックと(周波数領域で)中央揃えで構成される。言い換えれば、この例示的なシナリオでは、複数の帯域幅部分は、キャリア周波数の異なる部分に位置する。
【0047】
したがって、移動端末は、ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバを行うようにトリガされたときに、キャリア帯域幅の異なる部分から無線リソースを受信する。これは、ターゲットセルにおける負荷分散の目的のために有益である。
【0048】
しかしながら、移動端末における受信動作の調整は、それぞれの帯域幅部分が位置する異なる中心周波数への(再)チューニング、および帯域幅部分の対応する(帯域)幅へのフィルタリング帯域幅の調節を含む。
【0049】
図2Bを参照すると、移動端末が例えばハンドオーバの前および後でソースセルおよびターゲットセルにおいて複数の帯域幅部分で(再び)構成される別の例示的なシナリオが示される。
【0050】
ここでは、ソースセルでもターゲットセルでも、第1および第2帯域幅部分は、1つまたは別のSSブロックと(周波数領域で)中央揃えで構成されなくなっており、代わりにキャリア帯域幅にわたってより柔軟に分散されている。移動端末は、ソースセルおよびターゲットセルの同じ位置にある同じ(帯域)幅(例えば物理リソースブロックPRBの数)の第1帯域幅部分で構成されているのが重要である。
【0051】
したがって、移動端末は、ソースセルの第1帯域幅部分(BWP#0)からターゲットセルの第1帯域幅部分(BWP#0)へのハンドオーバを行うようにトリガされたときには、キャリア帯域幅の異なる部分から無線リソースを受信しなくてよい。代わりに、移動端末での受信動作は同じままでよい。
【0052】
この他の例示的なシナリオは、(再)チューニングおよびフィルタ調整が実行されることを必要としないため、ハンドオーバ中の周波数の再チューニングによる進行中のトラフィックの中断が回避される。
【0053】
しかしながら、この他の例示的なシナリオでは、移動端末は、ソースセルおよびターゲットセルにおいてそれぞれの第1帯域幅部分(BWP#0)と(周波数領域で)中央揃えされていない第2帯域幅部分(BWP#1)で構成されることは言うまでもないであろう。異なる帯域幅部分の間で変更する際には、移動端末は、キャリア帯域幅の異なる部分から無線リソースを受信する。
【0054】
言い換えれば、ソースセルおよびターゲットセルの各々内の第1帯域幅部分と第2帯域幅部分との間での変更には、(再)チューニングおよびフィルタ調整の両方が実行されることが必要になるため、変更が遅延する(レイテンシが増加する)。しかしながらこれは、移動端末がソースセルおよびターゲットセルの第2帯域幅部分(BWP#1)で利用できる帯域幅の増加により補償されうる。
【0055】
要約すれば、2つの異なる例示的なシナリオが議論され、後者(図2Bに示す)は、少なくともソースセルおよびターゲットセルの第1帯域幅部分の間でのシームレスなハンドオーバを可能にするという利点があり、前者は、負荷分散を達成できる(図2Aに示す)。
【0056】
これらの検討事項は、ダウンリンク帯域幅部分に限定されず、ソースセルまたはターゲットセルのアップリンク帯域幅部分にも当てはまる。また、アップリンク帯域幅部分については、位置および幅が移動端末における送信動作にとって決定的である。移動端末は、異なる周波数リソースでアップリンク送信を実行することが必要でありうるが、それにも通常は(再)チューニングおよびフィルタ調整が必要である。
【0057】
したがって、上述の利点/欠点は、ダウンリンク帯域幅部分にもアップリンク帯域幅部分にも等しく当てはまる。
【0058】
図3は、移動端末100(ユーザ機器、UEとも呼ばれる)、ソース基地局200-a(ソースgノードB、GNBとも呼ばれる)、およびターゲット基地局200-b(ターゲットgノードB、gNBとも呼ばれる)を含む移動通信システムのブロック図を示す。このブロック図は、ソース基地局200-aからターゲット基地局200-bへのハンドオーバを行う状況の移動端末を示す目的を果たす。
【0059】
一般に、ソース基地局200-aに移動端末100のハンドオーバをトリガさせる複数のイベントが存在する。例えば、ソース基地局200-aは、移動端末100のカバレッジが悪い状況によりハンドオーバをトリガしうる。カバレッジは、移動端末100によって測定値の形で測定され、(その後)ソース基地局200-aに報告される。あるいは、ソース基地局200-aは、ソース基地局200-aにおける負荷分散の理由により、移動端末100のハンドオーバをトリガすることもできる。
【0060】
原因が何であるかにかかわらず、ソース基地局200-aのプロセッサ230-aは、そのトランシーバ220-aに、ハンドオーバ要求メッセージ(図1のメッセージ1を参照)をターゲット基地局200-bへ送信させることにより、ターゲット基地局200-bへのハンドオーバをトリガする。
【0061】
このメッセージおよび他のメッセージは、基地局を互いに接続するワイヤレスまたはワイヤードインタフェースにより送られうる。例えば、ハンドオーバ要求メッセージは、次世代NG無線アクセスネットワークRANの一部として定義されるXnインタフェースにより、またはアクセスおよびモビリティ管理機能AMFおよび/またはユーザプレーン機能UPFを提供するエンティティを介して次世代NGインタフェースにより送信されうる。ハンドオーバが異なる5Gコアネットワークを含む場合には、同じメッセージを異なるAMF/PDFエンティティ間で転送することも必要でありうる。
【0062】
ターゲット基地局200-bのトランシーバ220-bは、ソース基地局200-aからハンドオーバ要求メッセージを受信する。特に、このメッセージは、(とりわけ)アップリンクおよびダウンリンクで少なくとも二つの異なる帯域幅部分、例えば第1帯域幅部分BWP#0および第2帯域幅部分BWP#1で通信する移動端末100の能力に関する情報を含む。この情報は、ターゲット基地局200-bが移動端末100のために構成することが期待される帯域幅部分の数を判断するのを助ける。
【0063】
例のために、移動端末100が複数ではなく1つの帯域幅部分でのみ通信できると仮定した場合、ターゲット基地局200-bは、移動端末100のために複数の帯域幅部分を構成することはしない。この可能性にかかわらず、本開示は、複数の帯域幅部分で通信でき、したがってターゲット基地局200-bが移動端末のために複数の帯域幅部分のすべてを構成することを促進する移動端末100に焦点を当てる。
【0064】
帯域幅部分の能力についての上記の制限は、周波数分割複信FDD動作モードにおけるアップリンクおよびダウンリンク、ならびに時分割複信TDD動作モードにおけるアップリンクおよびダウンリンクに等しく当てはまるものとして理解されうる。
【0065】
言い換えれば、移動端末がFDD動作モードにおいて1つの帯域幅部分で通信できると言われる場合には、これは、ダウンリンクの最大1つの帯域幅部分およびアップリンクの別個の1つの帯域幅部分をもつ構成を示唆するものと理解されうる。移動端末がTDD動作モードにおいて1つの帯域幅部分で通信できると言われる場合には、これは、(同じく)ダウンリンクの最大1つの帯域幅部分およびアップリンクの1つの帯域幅部分を(対として)もつジョイント構成を示唆するものと理解されうる。
【0066】
この理由で、本開示は、用語「アップリンクおよびダウンリンク帯域幅部分」または「アップリンクおよびダウンリンク帯域幅部分対」にも等しく言及されうることを知りながら、用語「帯域幅部分」に言及して説明される。どちらのケースも、例えばアップリンクおよびダウンリンクで別個の帯域幅部分が必然的に構成されることを強調するにすぎない。したがって、FDDおよびTDD動作で、第1または第2アップリンクおよびダウンリンク帯域幅部分を同時に構成することが不可欠である。
【0067】
ターゲット基地局200-bが、移動端末100がアップリンクおよびダウンリンクで少なくとも2つの、例えば第1および第2の帯域幅部分で通信できることを示すハンドオーバ要求メッセージを受信しているときには、プロセッサ230-bは、移動端末のために少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分の両方を構成するようにトランシーバ220-bを制御する。
【0068】
また、ターゲット基地局200-bのプロセッサ230-bは、少なくともアップリンクおよびダウンリンクの構成された少なくとも第1および第2帯域幅部分の両方に関する情報を含むハンドオーバ(要求)応答確認メッセージ(図1のメッセージ2を参照)をソース基地局200-aに送信するようにトランシーバ220-bを制御する。
【0069】
例えば、この情報には、アップリンクおよびダウンリンクの帯域幅部分のそれぞれの、位置(例えば中心周波数)、帯域幅(例えば物理リソースブロックPRBの数)、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスを示すヌメロロジ、ならびにこの帯域幅と関連付けられたインデックスが含まれる。
【0070】
情報には、位置の代わりに、ダウンリンク帯域幅部分の(所与の)位置からのオフセット、または既知の参照位置、例えばDLキャリア帯域幅の最初のPRBからのオフセットを指定することにより、アップリンク帯域幅部分の位置を間接的に識別するオフセットが含まれてもよい。帯域幅部分の構成のためのいくつかのパラメータ、例えば位置および帯域幅は、構成の中で1つのパラメータになるように一緒に符号化されうることに言及することができる。
【0071】
ここでも、このハンドオーバ(要求)応答確認メッセージは、基地局を相互に直接接続するXnインタフェース、または基地局をコアネットワークに接続するNGインタフェースを介して送信されうる。
【0072】
次に、ソース基地局200-aは、このハンドオーバ(要求)応答確認メッセージからの情報を移動端末100に転送する。この情報は、ハンドオーバコマンドメッセージ(図1のメッセージ3を参照)の形で伝達される。言い換えれば、少なくともターゲット基地局200-bで構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報が、移動端末100へのハンドオーバコマンドメッセージに(も)含まれる。
【0073】
移動端末100のトランシーバ120が、(上述の)構成された帯域幅部分に関する情報をとりわけ含む、ソース基地局200-aからのハンドオーバコマンドメッセージを受信する。このハンドオーバコマンドメッセージを受信すると、プロセッサ130は、本開示において含まれる情報を以下で第1実施形態および第2実施形態として議論する2つの異なるメカニズムで処理しうる。
【0074】
詳細とは別に、両方の実施形態において、移動端末100のプロセッサ130は、この移動端末100のために(特に)構成されている帯域幅部分のうちの1つをアクティブ化することに成功し、この構成された帯域幅部分で既にハンドオーバを行うことができることを理解することが重要である。したがって、移動通信システムは、例えばシステム情報メッセージを介してすべての移動端末にブロードキャストされる帯域幅部分の共通の構成でハンドオーバを行うことに限定されない。本開示の方法により、共通の構成された帯域幅部分における輻輳が回避されうる。
【0075】
第1実施形態では、移動端末100は、プロセッサ130がトランシーバ120においてアップリンクおよびダウンリンクの構成された少なくとも第1および第2帯域幅部分のうちの少なくとも1つの予め選択されたものをアクティブ化するように、ハンドオーバコマンドの情報を処理する。例えば、移動端末100は、アップリンクの(正確に)1つの予め選択された帯域幅部分およびダウンリンクの1つの予め選択された帯域幅部分をアクティブ化する。しかしながら、これはいかなる点においても限定として理解されてはならない。むしろ、移動端末100は、アップリンクおよびダウンリンクで2つ以上の予め選択された帯域幅部分をアクティブ化してもよい。将来、同時複数ヌメロロジ処理をサポートするために、移動端末がアップリンクおよびダウンリンクキャリア帯域幅で異なるヌメロロジの2つの帯域幅部分を同時にアクティブ化することが有益でありうる。したがって、移動端末100は構成された帯域幅部分のうちの少なくとも予め選択された1つをアクティブ化すると言うことができる。
【0076】
本開示の文脈において、用語「予め選択された」は、選択が移動端末自体によって行われないことを強調するものとして理解されるものとする。選択は、特定のインデックス(例えばインデックス#0)の帯域幅部分、または初期帯域幅部分もしくはデフォルト帯域幅部分などの特別な帯域幅部分として仕様によって定義されることができ、選択はターゲット基地局によって行われ、その後、移動端末に指示される。
【0077】
少なくとも1つの予め選択された帯域幅部分をアクティブ化すると、移動端末100のプロセッサ130は、アクティブ化された少なくとも1つの予め選択された帯域幅部分でハンドオーバの一部としてターゲット基地局200-bとの通信を行うようにトランシーバ120を制御する。
【0078】
ターゲット基地局200-bも、構成された少なくとも2つの帯域幅部分のうちのいずれが移動端末によりアクティブ化される予め選択された1つであるかを等しく知っているため、ターゲット基地局200-bは、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージを送信した後に、移動端末がアクティブ化することが期待される同じ予め選択された少なくとも1つの帯域幅部分のアクティブ化も進めることができる。
【0079】
第1実施形態では、移動端末100に、構成された少なくとも2つの帯域幅部分に関する情報が提供される。この情報は、少なくとも2つの帯域幅部分のうちの1つ(だけ)が既に予め選択されているにもかかわらず、移動端末100にシグナリングされる。ハンドオーバコマンドへのペイロード(が追加される)にもかかわらず、この情報は、ハンドオーバ時の柔軟性を有利に高める、すなわち(既に)ハンドオーバ時に構成された少なくとも2つの帯域幅部分の間の切り替えを可能にする。
【0080】
反対に、第2実施形態では、移動端末100は、プロセッサ130がトランシーバ120においてアップリンクおよびダウンリンクの少なくとも2つの構成された帯域幅部分のうちの少なくとも1つをまず(能動的に)選択し、その後アクティブ化するように、ハンドオーバコマンドの情報を処理する。例えば、ここでも、移動端末100は、少なくとも2つの帯域幅部分のうちの(正確に)1つを選択およびアクティブ化する。
【0081】
ここでも、これはいかなる点においても限定として理解されてはならない。むしろ、移動端末100は、アップリンクおよびダウンリンクの少なくとも2つの構成された帯域幅部分のうちの2つ以上を選択およびアクティブ化してもよい。これは、例えば異なるヌメロロジの2つの隣接しない帯域幅部分を同時に選択およびアクティブ化する際に、複数のヌメロロジを同時に処理する、または利用可能な無線リソースの間の輻輳を緩和する目的にさらに再び役立つ。
【0082】
アップリンクおよびダウンリンクの少なくとも2つの構成された帯域幅部分のうちの少なくとも1つを選択およびアクティブ化すると、移動端末100のプロセッサ130は、選択およびアクティブ化された帯域幅部分でハンドオーバの一部としてターゲット基地局200-bとの通信を行うようにトランシーバ120を制御する。
【0083】
ここで、ターゲット基地局200-bは、構成された少なくとも2つの帯域幅部分のうちのいずれが移動端末100によって選択およびアクティブ化されているかを(正確に)知らない。それにもかかわらず、少なくとも2つの帯域幅部分の両方が(特に)移動端末のために選択およびアクティブ化されるために構成されているため、ターゲット基地局200-bは、構成された少なくとも2つの帯域幅部分のすべてのアクティブ化を進め、移動端末と通信する最も初期の局面でこの不確実性を解消しうる。
【0084】
その後、後の段階で、次に詳述するように、移動端末は、RACHリソースまたはPUSCHリソース差別化の方法によって、第1のアクティブ化された帯域幅の選択をターゲット基地局に通知しうる。
【0085】
その結果、ターゲット基地局200-bは、移動端末100とのさらなる通信から、構成された帯域幅部分のうちのいずれが実際に通信に使用されているかを検出しうる。これにより、ターゲット基地局200-bは、移動端末が構成された帯域幅部分のうちのいずれを選択およびアクティブ化しているかの情報を(遡及的に)取得しうる。
【0086】
ここでも、第2実施形態において、移動端末100に、構成された少なくとも2つの帯域幅部分に関する情報が提供されることを認識することが重要である。この情報は、(後で詳述する他の情報と一緒に)移動端末100にシグナリングされて、移動端末が選択を行い、その後選択をターゲット基地局に指示することを可能にする。
【0087】
ハンドオーバコマンドへのペイロード(が追加される)にもかかわらず、この情報は、ハンドオーバ時の柔軟性を有利に高める、すなわち(既に)ハンドオーバ時に構成された少なくとも2つの帯域幅部分の間の切り替えを可能にする。
【0088】
図4は、3GPP NR配置シナリオにおける第1実施形態の例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。特に、ソースgノードB、gNBからターゲットgNBへのハンドオーバを行うときのユーザ機器UEが示される。
【0089】
ハンドオーバの準備において、ソースgNBは、ハンドオーバ要求メッセージ(図4のメッセージ1を参照)をターゲットgNBに送信する。ハンドオーバ要求メッセージは、通常、次世代NG無線アクセスネットワークRANのgNB間の通信を確立するXnインタフェースを介して送信される。このハンドオーバ要求メッセージは、ターゲットgNBがUEのハンドオーバのために準備する、例えばアドミッション制御を行うために十分な詳細を提供する。
【0090】
このハンドオーバ要求メッセージを介して、ターゲットgNBは、アップリンクおよびダウンリンクで少なくとも2つの帯域幅部分で通信するUEの能力に関する情報を受信する。これにより、ターゲットgNBは、例えばUEの能力に合う、UEのために適切な数の帯域幅部分を構成することが可能になる。例えば、UEが2つの、狭帯域幅部分および広帯域幅部分で通信できる場合には、ターゲットgNBは、UEのために同様に2つの帯域幅部分を首尾よく構成する。
【0091】
アップリンクおよびダウンリンクで適切な数の帯域幅部分を構成すると、ターゲットgNBは、その情報をハンドオーバ(要求)応答確認メッセージ(図4のメッセージ2を参照)に含める。このメッセージは、ターゲットgNBからソースgNBに送信される。ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージも、通常、gNB間のXnインタフェースが利用可能な場合にはXnインタフェースにより送信される。
【0092】
続いて、ソースgNBは、この情報をハンドオーバコマンドメッセージ(図4のメッセージ3を参照)においてUEに中継する。その結果、適切な数の構成された帯域幅部分に関する情報は、UEによって受信される。3GPP NRに関して議論されたように、ハンドオーバコマンドメッセージは、UEがターゲットgNBへのハンドオーバを行うための多数の詳細を含む。
【0093】
(適切な数の)構成された帯域幅部分についての情報により、UEは、UEのためにUE固有の様式で構成されている帯域幅部分を利用してターゲットgNBへのハンドオーバを行える状況におかれるのが重要である。言い換えれば、UEは、一度に多数のUEの間で共有される(共通の)初期帯域幅部分でハンドオーバを行うことに限定されない。
【0094】
したがって、構成された帯域幅部分についての情報により、ハンドオーバ中の輻輳の影響が軽減されると同時に、この情報により、後の時点で帯域幅部分を構成する必要がなくなる。これらの利点は、限られた数のメッセージが交換される固定されたハンドオーバシーケンスにかかわらず達成される。
【0095】
UEは、ランダムアクセスチャネルRACHベースのハンドオーバにおいて、(共通の)初期帯域幅部分のみに頼ることを必要とせずにUE固有に構成された帯域幅部分でターゲットgNBとランダムアクセスメッセージ送信を既に行いうるのが有利である。
【0096】
特に、UE固有に構成された帯域幅部分により、RACHメッセージ1の輻輳がより少なくなり、RACHメッセージ2がより柔軟にスケジューリングされうる。
【0097】
UEは、ターゲットgNBにハンドオーバ完了メッセージ(図4メッセージ4を参照)を送信することにより、ハンドオーバを終了する。
【0098】
UEのための帯域幅部分のさまざまな構成について詳述してきたが、複数の帯域幅部分のうちのいずれがアクティブ化されるかについての議論はこれまで行われていない。より多くの帯域幅をアクティブ化すれば電力消費も処理の複雑さも増加するため、UEもターゲットgNBも(恐らく)アップリンクのすべての構成された帯域幅部分およびダウンリンクの1つの帯域幅部分をアクティブ化することはないことから、これは重要な言及点である。これが理由で、Release-15においては、NR移動端末は常に1つのダウンリンク帯域幅部分および1つのアップリンク帯域幅部分をアクティブ化することが合意されている。
【0099】
したがって、ハンドオーバ中に、UEおよびターゲットgNBは、アップリンクの構成された帯域幅部分のうちの1つだけとダウンリンクの1つの帯域幅部分をアクティブ化する。したがって、ターゲットgNBとUEとの間で、アップリンクおよびダウンリンクの両方で構成された2つの帯域幅部分のうちのいずれがアクティブ化されるべきかにつき、共通の理解を確立することが必要である。
【0100】
この例示的な実装では、構成された帯域幅部分に関する情報の中から、アップリンクおよびダウンリンクにアクティブ化される(常に)1つの予め選択された帯域幅部分があると仮定される。
【0101】
例えば、構成された帯域幅部分に関する情報に特定のシーケンスがあると仮定した場合、UEもターゲットgNBも、特定のシーケンスの最初または最後の帯域幅部分を(常に)アクティブ化しうる。シーケンスに3つ以上の構成された帯域幅部分がある場合には、UEもターゲットgNBも、特定のシーケンスの別の帯域幅部分、例えば第2帯域幅部分、第3帯域幅部分などを(常に)アクティブ化することもできる。
【0102】
別の例として、予め選択された帯域幅部分は、なんらかの特別な帯域幅部分、例えば初期BWPまたはデフォルトBWPとすることができる。ターゲットgNBでそのような特別なBWPの新たな構成を提供することにより、ターゲットセルの負荷分散も調整されうる。
【0103】
要約すると、構成された帯域幅部分に関する情報が特定のシーケンスで提供されるということだけで、UEとターゲットgNBとの間でこのシーケンスの中のいずれがアクティブ化されるべきかの共通の理解を確立するのに十分である。
【0104】
しかしながら、このために、構成された帯域幅部分に関する情報におけるシーケンスが、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージでもハンドオーバコマンドでも同じであることが必要である。言い換えれば、この情報を中継するソースgNBは、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージからハンドオーバコマンドを生成する際に情報のシーケンスを保存する。
【0105】
この実装の例示的延長では、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージならびにハンドオーバコマンドは、RACHベースのハンドオーバ中に使用されるプリアンブルシーケンスまたは時間および周波数リソースなどのランダムアクセス送信パラメータも含む。
【0106】
含まれるランダムアクセス送信パラメータは、構成された帯域幅部分のうちの少なくとも予め選択された1つと関連付けられる必要があることが重要である。したがって、UEは、アクティブ化されるべき予め選択された帯域幅部分と(特に)関連付けられたランダムアクセス送信パラメータを使用して、ランダムアクセスメッセージ送信(例えばRACHメッセージ1)を行う。
【0107】
ランダムアクセス送信パラメータを構成された帯域幅部分のうちの予め選択された1つだけと関連付けて定義する自由により、RACHリソースの利用が向上されうる。このようなケースでは、ターゲットgNBは、ハンドオーバを行うUEのために予め選択された帯域幅部分以外の他の構成された帯域幅部分に対応するRACHリソースを予約する必要はない。その結果、ターゲットセル内の他のUEのために、より多くの空きRACHリソースが利用可能になる。
【0108】
この実装のさらなる例示的延長では、ハンドオーバ要求メッセージは、ソースgNBのアクティブ化された帯域幅部分の状態に関する情報をさらに含む。代わりにまたは加えて、ハンドオーバ要求メッセージは、ソースgNBによって予測されるデータトラフィック情報、例えばハンドオーバ後に期待されるデータトラフィックに関する情報を含む。
【0109】
例えば、アクティブ化された帯域幅部分の状態は、例えば狭帯域または広帯域の記述子を含むか、またはハンドオーバの前にソースgNBでアクティブ化された帯域幅部分の(例えば物理リソースブロックの)(帯域)幅への参照を含みうる。また、例えば、ソースgNBによって予測されるトラフィック情報は、ダウンリンクのバッファ状態のバッファサイズレベルへのインデックスを含むか、またはハンドオーバの前のアップリンクのUEからのバッファ状態報告からの情報を含みうる。
【0110】
いずれのケースでも、ソースgNBがこの情報をハンドオーバ要求メッセージにおいてターゲットgNBに転送すると、ターゲットgNBは、構成された帯域幅部分のいずれが構成された帯域幅部分のうちの予め選択された1つになるのに最適かを(能動的に)選択しうる。
【0111】
例えば、UEのトラフィックデマンドが低いかまたはない場合には、UEの電力が浪費されないように、ハンドオーバ中およびハンドオーバ後により狭い帯域幅部分をアクティブ化するほうがよいであろう。その一方で、UEのトラフィックデマンドが高い場合には、ハンドオーバ中でも構成された帯域幅部分の中のより広い帯域幅部分をアクティブ化することが賢明な判断であろう。
【0112】
その後、ハンドオーバ後に、追加の帯域幅部分の切り替えを必要とせずに(したがって帯域幅部分の切り替えによって導入される遅延を回避して)、UEのデータがより広い帯域幅部分で(フルキャパシティで)直ちにサービスされうる。
【0113】
ハンドオーバ中には、UEとターゲット基地局との間で通信するための、例えばランダムアクセスを行うための、少量のトラフィックしか存在しないと言うことができる。したがって、ハンドオーバ中には、UEはより狭い帯域幅部分で動作しうる。その後、ランダムアクセスが完了した後に、ターゲットgNBは、DCIによって必要に応じて広いBWPに切り替えることをUEに指示しうる。しかしながら、以下の欠点がみられる。
【0114】
-BWP切り替え遷移時間はまだ議論中であるが、(15kHzのSCSの)少なくとも1つのスロットが必要とされる可能性が高い。したがって、BWP切り替えDCIがスロットnで送信され、その後UEがスロットn+1でBWP切り替えを行う場合に(ヌルデータスケジューリングによるBWP切り替えDCIはサポートされないため、UEは、なお狭いBWPにてスロットnでPDSCHを受信しなければならない)、UEデータを広いBWPにスケジューリングする最初の機会はスロットn+2である。UEトラフィックデマンドが高い場合には、データ配信のレイテンシが損なわれる。
【0115】
-さらに、チャネル状態情報(CSI)も遅延する。CSIはアクティブなBWP内で測定されるため、広いBWPがアクティブ化されるまで広いBWPのCSIは利用できない。したがって、スロットn+2で広いBWPがアクティブ化される上記の例では、gNBは、少なくともスロットn+2に関して(およびUEが同じスロットでCSIをフィードバックできなければ場合によってはスロットn+3に関しても)保守的なスケジューリング判断を用いなければならず、その結果さらなるレイテンシが生じる。
【0116】
-UEがBWP切り替えのためのDCIを見逃すリスクがある。これは一般的なDCIエラーケースに関係するが、ハンドオーバ中およびハンドオーバ後にBWPを一貫して設定することにより不必要なBWP切り替えを回避する方が合理的である。
【0117】
この予め選択された帯域幅部分の選択をUEに伝達するために、ターゲットgNBはその後、構成された帯域幅部分に関する情報を特定のシーケンスで(再)配置する。例えば、ターゲットgNBは、構成された帯域幅部分のうちの最適な1つを、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージに含まれる特定のシーケンスの構成された帯域幅部分のうちの最初の帯域幅部分または最後の帯域幅部分になるように(再)配置しうる。そして、UEが帯域幅部分の特定のシーケンスのうちの(常に)最初の帯域幅部分または最後の帯域幅部分を予め選択された帯域幅部分としてアクティブ化することが期待されるときには、ターゲットgNBは、最適な帯域幅部分を(自動的に)アクティブ化する。
【0118】
図5は、3GPP NR配置シナリオにおける第1実施形態の異なる例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。この異なる例示的な実装は、図4に示される前述の例示的な実装に密接に関係するため、以下の議論は、違いのみに焦点を当てる。
【0119】
以前と同様に、ここでも(適切な数の)構成された帯域幅部分についての情報により、UEは、UEのために構成されている帯域幅部分を利用してターゲットgNBへのハンドオーバを行える状況におかれる。したがって、同じまたは類似の利点が実現される。
【0120】
上記とは異なり、ターゲットgNBからソースgNBへのハンドオーバ(要求)応答確認メッセージ(図5メッセージ2を参照)に追加で含まれ、ソースgNBからUEへのハンドオーバコマンドメッセージ(図5メッセージ3を参照)に追加で含まれるインデックス(または帯域幅部分インデックス)が存在する。このインデックスは、アップリンクおよびダウンリンクで構成された帯域幅部分のうちのいずれがアクティブ化されるべきかを指示する。
【0121】
例えば、いずれのメッセージも、構成された帯域幅部分に関する情報の中からいずれがアクティブ化されるべきかを明確に指示するために、アップリンクおよびダウンリンクのためのインデックス、例えばBWP#1を含みうる。したがって、インデックスにより、アクティブ化されるべき対応する帯域幅部分がターゲットgNBによって予め選択されることもできる。
【0122】
両方のメッセージが、構成された第1および第2帯域幅部分に関する情報を含むことを考慮する。次に、情報が送信される第1または第2の構成された帯域幅部分を指示するインデックスにより、UEは、2つの帯域幅部分のうちの対応する予め選択された1つをアクティブ化することが可能になる。
【0123】
これにより、構成された帯域幅部分に関する情報を特定のシーケンスで提供する必要がなくなり、情報は昇順で配置されることができ、例えばその結果、最初に(最も)狭い帯域幅部分、その後に(より)広い帯域幅部分が配置される。
【0124】
要求メッセージがソースgNBにおいてアクティブ化された帯域幅部分の状態に関する情報またはソースgNBによって予測されるデータトラフィックに関する情報、例えばハンドオーバの後に期待されるデータトラフィックの情報をさらに含むことはさらなる例示的拡張において同様である。
【0125】
いずれのケースでも、ソースgNBがこの情報をハンドオーバ要求メッセージにおいてターゲットgNBに転送すると、ターゲットgNBは、ここでも構成された帯域幅部分のいずれが構成された帯域幅部分のうちの予め選択された1つになるのに最適かを(能動的に)選択しうる。この予め選択された帯域幅部分の選択をUEに伝達するために、ターゲットgNBはその後、前述のように、メッセージに構成された帯域幅部分に関する情報に対応するインデックスを組み込む。
【0126】
図6は、3GPP NR配置シナリオにおける第2実施形態の例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。特に、ソースgNBからターゲットgNBへのハンドオーバを行うときのユーザ機器UEが示される。
【0127】
ハンドオーバの準備において、ソースgNBは、ハンドオーバ要求メッセージ(図6のメッセージ1を参照)をターゲットgNBに送信する。ハンドオーバ要求メッセージは、ここでも通常、次世代NG無線アクセスネットワークRANのgNB間の通信を確立するXnインタフェース(そのようなリンクが利用可能な場合には)で送信され、それ以外の場合には、メッセージはコアネットワークを介して送信される。このハンドオーバ要求メッセージは、ターゲットgNBがUEのハンドオーバのために準備する、例えばアドミッション制御を行うために十分な詳細を提供する。
【0128】
このハンドオーバ要求メッセージを介して、ターゲットgNBは、アップリンクおよびダウンリンクで少なくとも2つの帯域幅部分で通信するUEの能力に関する情報を受信する。これにより、ターゲットgNBは、例えばUEの能力に合う、UEのために適切な数の帯域幅部分を構成することが可能になる。例えば、UEが2つの、狭帯域幅部分および広帯域幅部分で通信できる場合には、ターゲットgNBは、UEのために同様に2つの帯域幅部分を首尾よく構成する。
【0129】
アップリンクおよびダウンリンクで適切な数の帯域幅部分を構成すると、ターゲットgNBは、その情報をハンドオーバ(要求)応答確認メッセージ(図6のメッセージ2を参照)に含める。このメッセージは、ターゲットgNBからソースgNBに送信される。ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージも、通常、可能な場合にはXnインタフェースにより送信される。
【0130】
上記とは異なり、ターゲットgNBは、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージに、構成された2つの帯域幅部分のそれぞれをさまざまなランダムアクセス送信パラメータと関連付けるアソシエーションテーブルも含める。
【0131】
このようなアソシエーションテーブルの例が図7に示される。この例は、アップリンクおよびダウンリンクで少なくとも2つの帯域幅部分が構成され、UL BWP#0およびUL BWP#1またはDL BWP#0およびDL BWP#1とそれぞれ識別されるものと仮定する。3つのドットを含む余分の列により、さらなる構成された帯域幅部分が含まれる可能性が示唆される。
【0132】
このテーブルから、アップリンクならびにダウンリンクの構成された帯域幅部分のそれぞれが、異なる送信パラメータと関連付けられることが分かる。
【0133】
例えば、構成されたUL BWP#0はいくつかのランダムアクセス送信パラメータ、すなわちRACH#0またはRACH#2と関連付けられ、さらなる構成されたUL BWP#1はさまざまなランダムアクセス送信パラメータ、すなわちRACH#1またはRACH#3と関連付けられる。同じように、構成されたDL BWP#0およびBWP#1も、さまざまなランダムアクセス送信パラメータと関連付けられる。
【0134】
アップリンクならびにダウンリンクの構成された帯域幅部分のそれぞれは、個別に(前述のように)さまざまなランダムアクセスパラメータと関連付けられるが、組合せてもさまざまなランダムアクセスパラメータと関連付けられることは言うまでもないであろう。
【0135】
言い換えれば、ここでは、アップリンクおよびダウンリンクの構成された帯域幅部分のそれぞれの組合せも、さまざまなランダムアクセス送信パラメータと関連付けられる。例えば、DL BWP#0およびUL BWP#0の組合せはパラメータRACH#0に関連付けられる一方で、DL BWP#0およびUL BWP#1の異なる組合せはパラメータRACH#1と関連付けられる。
【0136】
しかしながら、これは有益であるにもかかわらず、以下から明らかになるように、有利な効果を達成するために必須ではない。
【0137】
続いて、ソースgNBは、この情報をハンドオーバコマンドメッセージ(図6のメッセージ3を参照)においてUEに中継する。その結果、適切な数の構成された帯域幅部分に関する情報は、UEによって受信される。図4で説明されたケースと同様に、構成された帯域幅部分についての情報により、ハンドオーバ中の(共通の)初期帯域幅部分への輻輳の影響が軽減されると同時に、後の時点で帯域幅部分を構成する必要がなくなる。
【0138】
ソースgNBは、UEへのハンドオーバコマンドメッセージにおいてアソシエーションテーブルも中継する。このアソシエーションテーブルにより、UEは、ランダムアクセスチャネル(RACH)ベースのターゲットgNBへのハンドオーバを行うことが可能になる。ターゲットgNBがコンテンションベースまたはコンテンションフリーRACHリソースをアソシエーションテーブルに入れると決定するか否かに応じて、コンテンションベースおよびコンテンションフリーのランダムアクセスの両方が行われうる。
【0139】
UEは、RACHベースのハンドオーバにおいて、(共通の)初期帯域幅部分のみに頼ることを必要とせずに構成された帯域幅部分でターゲットgNBとランダムアクセスメッセージ送信を行いうる。
【0140】
特に、構成された帯域幅部分により、アップリンクのRACHメッセージ1の輻輳がより少なくなり、ダウンリンクでRACHメッセージ2がより柔軟にスケジューリングされうる。
【0141】
UEは、ターゲットgNBにハンドオーバ完了メッセージ(図6メッセージ6を参照)を送信することにより、ハンドオーバを終了する。
【0142】
UEのための帯域幅部分のさまざまな構成について詳述してきたが、ターゲットgNBとUEとの間で、アップリンクおよびダウンリンクの両方で2つの構成された帯域幅部分のうちのいずれがアクティブ化されるべきかにつき、共通の理解を確立することも必要である。
【0143】
この例示的な実装では、UEは、アクティブ化されるべき構成された帯域幅部分を(能動的に)選択すると仮定される。言い換えれば、ここではUEは、ターゲットgNBによって実行されるいかなる予めの選択による制約も受けず、ターゲットgNBから情報が中継される構成された帯域幅部分のうちのいずれかを(自由に)選択できる状況におかれる。
【0144】
UEは通常、自らのアップリンクトラフィックについて知り、予測するのに最適であるのが有利である。UEからソースgNBにバッファ状態報告がシグナリングされるにもかかわらず、これはハンドオーバ中にターゲットgNBで必ずしも説明されない。さらにバッファ状態報告は、バッファ状態が報告されてから、UEによりハンドオーバコマンドが受信されるまでの時間ギャップにより古くなりうる。したがって、UEがアクティブ化されるべき構成された帯域幅部分を(能動的に)選択することにより、少なくともアップリンクにおいて、アクティブ化がハンドオーバ中およびハンドオーバ後のUEのデマンドに最も適することが保証されうる。
【0145】
構成された帯域幅部分のうちの1つを選択すると、UEは、まず選択された1つの帯域幅部分をアクティブ化し、次に、選択およびアクティブ化された1つの帯域幅部分と関連付けられたパラメータを使用してランダムアクセスメッセージ送信を行うことにより、RACHベースのハンドオーバを行う。
【0146】
ランダムアクセスメッセージ送信は、関連付けられたパラメータを使用するだけでなく、選択およびアクティブ化された帯域幅部分で実行される。したがって、送信のパラメータと、送信が実行される帯域幅部分との間に明確な関連付けが存在する。これにより、以下の利点が提供される。
【0147】
例えば、UEがUL BWP#1を選択およびアクティブ化すると仮定した場合、図7のアソシエーションテーブルにより、UEはパラメータRACH#1またはRACH#3を使用することを要求される。いずれにしても、UEがパラメータRACH#1またはRACH#3でランダムアクセスメッセージ送信を行った際に、ターゲットgNBは、ランダムアクセス送信が(正しい)UL BWP#1で生じたことを再確認できる。
【0148】
このレベルの再確認は有益である。ランダムアクセス送信は完全なアップリンク帯域幅部分を占有せず、したがって、特に例えば2つの構成されたアップリンク帯域幅部分が互いに中央揃えされている場合または大きく重なって構成されている場合に、ターゲットgNBが異なるアップリンク帯域幅部分を区別することが難しくなる。
【0149】
したがって、アソシエーションテーブルにより、ターゲットgNBがランダムアクセスメッセージ送信を受信するが、どのアップリンク帯域幅部分がUEによって使用されたか、したがって選択およびアクティブ化されているかを判断できない状況が阻止される。
【0150】
加えて、図7のアソシエーションテーブルのパラメータは、選択およびアクティブ化されたダウンリンク部分に関する情報も伝達する。例えば、UEがパラメータRACH#1でランダムアクセスメッセージ送信を行うと、ターゲットgNBは、UL BWP#1だけでなくDL BWP#0が選択されたことも分かる。
【0151】
したがって、アソシエーションテーブルは、UEおよびgNBが、ハンドオーバ手順の(既に)一部である通信において使用するために、アップリンクおよびダウンリンクで構成された帯域幅部分のうちのいずれをUEが選択およびアクティブ化しているかの共通の理解に達するのを助ける。
【0152】
ここで、RACHベースのハンドオーバをさらに詳細に参照する。ハンドオーバコマンド中の情報に基づいて、UEは、アップリンクおよびダウンリンクで構成された帯域幅部分のうちの1つを選択およびアクティブ化する。これらの帯域幅部分は、後続のハンドオーバ手順で使用される。
【0153】
UEは、プリアンブルシーケンスならびに/または選択およびアクティブ化された帯域幅に対応するアソシエーションテーブルからの時間および周波数リソースを用いてランダムアクセスプリアンブルメッセージ(図6メッセージ4を参照)をターゲットgNBに送信する。
【0154】
このランダムアクセスプリアンブルメッセージはターゲットgNBで受信され、ランダムアクセス応答メッセージ(図6メッセージ5を参照)により応答される。このメッセージは、ターゲットgNBからUEに送信される。ターゲットgNBは、このメッセージの送信のために、ダウンリンクの対応する帯域幅部分を使用する。
【0155】
ランダムアクセス送信パラメータがRACH#1である例に戻ると、ターゲットgNBは、ランダムアクセス応答メッセージの送信のために、ダウンリンク帯域幅部分DL BWP#0を使用する。ここでも、アソシエーションテーブルにより、UEとターゲットgNBとの間で構成された帯域幅部分のうちのいずれがハンドオーバ中およびハンドオーバ後に使用されるべきかの共通の理解が達成されることが理解できる。
【0156】
しかしながら、UEでのこのレベルの自律性が望ましくないか、または不利にさえなる状況がある。
【0157】
したがって、この実装の例示的延長では、ハンドオーバ(要求)応答確認は、UEが帯域幅部分を選択する自由を制限する、ハンドオーバコマンドにおいてUEに転送される帯域幅部分インデックスを含む。したがって、UEは、構成された帯域幅部分に関する情報を受信するが、その中からインデックスに対応するものしか選択できない。この制限は、ソースgNBによってハンドオーバコマンドにおいて課されることもできる。そのようなケースでは、帯域幅部分インデックスはソースgNBによって決定される。
【0158】
このインデックスが、使用されるべき特定のダウンリンク帯域幅部分にインデックス付けすると同時に、UEがハンドオーバのためのそのアップリンク帯域幅部分を(能動的に)選択する自由を保つときに、特に有利な効果が得られる。この場合、インデックスは、帯域幅部分の組合せのサブセット、すなわち帯域幅部分インデックスに対応する特定のダウンリンク帯域幅部分に対するアップリンク帯域幅部分にインデックス付けする。
【0159】
帯域幅部分インデックスのこのような定義により、UEは、ハンドオーバコマンドに情報が含まれるすべての構成された帯域幅部分のサブセットから帯域幅部分を選択およびアクティブ化するように制限される。このサブセットは、すべての構成されたアップリンク帯域幅部分を含むが、ダウンリンク帯域幅部分はインデックスによって予め選択されるため、構成されたダウンリンク帯域幅部分は含まない。
【0160】
UEは通常、自らのアップリンクトラフィックについて知り、予測するのに最適である一方で、ソースgNBまたはターゲットgNBは、ダウンリンクトラフィックを予測するのに最善をなしうるという観察から、有利な効果が生じる。言い換えれば、このインデックスは2つの対極、すなわちターゲットgNBがすべての帯域幅部分を予め選択する一つの対極と、UEがすべての帯域幅部分を選択するもう一つの対極との間に立つ。
【0161】
インデックスをもつこの例示的延長は、以下の修正と組合せたときにさらなる利点をもたらす。
【0162】
この実装のさらなる例示的延長では、ハンドオーバ要求メッセージは、ソースgNBのアクティブ化された帯域幅部分の状態に関する情報をさらに含む。代わりにまたは加えて、ハンドオーバ要求メッセージは、ソースgNBによって予測されるデータトラフィックに関する情報、例えばハンドオーバ後に期待されるデータトラフィックに関する情報を含む。
【0163】
いずれのケースでも、ソースgNBは、この情報をハンドオーバ要求メッセージにおいてターゲットgNBに転送する際に、UEが構成された帯域幅部分からアップリンク帯域幅部分を(能動的に)選択する自由は制限せずに、構成された帯域幅部分のうちのいずれが予め選択されたダウンリンク帯域幅部分になるのに最適かを(能動的に)選択しうる。
【0164】
この予め選択されたダウンリンク帯域幅部分の選択をUEに伝達するために、ターゲットgNBは、対応するインデックス(帯域幅部分インデックス)を、ソースgNBによりハンドオーバコマンドの形でUEに中継されるハンドオーバ(要求)応答確認メッセージに含める。
【0165】
そして、UEが構成された帯域幅部分を選択およびアクティブ化することが期待されるときには、UEは、ハンドオーバコマンドに情報が含まれるすべての構成された帯域幅部分のサブセットからそれを行うように制限される。これにより、UEは最善のアップリンク帯域幅部分を(能動的に)選択できないだけでなく、最善のダウンリンク帯域幅部分を選択する際のガイダンスも受信できない。
【0166】
言うまでもなく、アソシエーションテーブルにより、ターゲットgNBは、構成されたアップリンク帯域幅部分のうちのいずれがUEによって選択およびアクティブ化されているかに関するレベルの再確認を得ることができる。
【0167】
この実装の別の例示的延長では、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージおよびハンドオーバコマンドに含まれる帯域幅部分インデックスは、ダウンリンクだけでなくアップリンクでも1つの帯域幅部分にインデックス付けする。それにより、UEは、ダウンリンクにおいてもアップリンクにおいても、構成された帯域幅部分のいずれか1つを選択する自由を奪われる。
【0168】
例示的な実装のより一般的な議論に戻ると、ターゲットgNBは、UEがRACHメッセージ1を送ることによりターゲットgNBに最初にコンタクトするまでは、UEが構成された帯域幅部分のうちの1つを事前に選択したことを知らないことに言及しなければならない。言い換えれば、UEには、(少なくともアップリンクのために)構成された帯域幅部分のうちの(最適な)1つを選択し(同時に)アクティブ化する自由が真に与えられる。
【0169】
ランダムアクセス送信メッセージ(図6メッセージ4を参照)は、UEにより選択されたアップリンク帯域幅部分で既に送信されるため、ターゲットgNBは、選択の結果に関わらずこのメッセージを受信するために手配しなければならない。この不確実性により、ターゲットgNBは、使用されるアップリンク帯域幅部分を予見できない状況におかれる。
【0170】
このため、ターゲットgNBは、構成された帯域幅部分のうちの1つだけでなくすべての、例えばハンドオーバ(要求)応答確認およびハンドオーバコマンドメッセージに情報が含まれたすべてのアップリンク帯域幅部分をアクティブ化する。言い換えれば、以前の実装とは異なり、ターゲットgNBは、1つではなくすべての構成されたアップリンク帯域幅部分を監視しなければならない。
【0171】
それにもかかわらず、アソシエーションテーブルにより構成された帯域幅部分のうちのいずれが選択されたかが明らかになると、ターゲットgNBから不確実性が取り除かれ、ターゲットgNBは、選択されていないすべての帯域幅部分の非アクティブ化を進めうる。
【0172】
UEがランダムアクセスプリアンブル送信(図6メッセージ4)での使用のためにRACH#1を選択している例に戻る。不確実性により、ターゲットgNBは、(以前に)構成され追加の情報の形でUEに指示されているUL BWP#0およびUL BWP#1をアクティブ化しなければならない。そうして初めて、ターゲットgNBは、選択内容にかかわらずメッセージを受信することを確保する。
【0173】
このRACH#1でのランダムアクセスプリアンブル送信の受信により、ターゲットgNBは、UEの選択の結果についての知識を提供され、例えばUEが図7に示すようにDL BWP#0およびUL BWP#1を選択していることを知る。ターゲットgNBは、構成されているが選択されていない残りの非アクティブ化を即座に進めうる。
【0174】
図8は、3GPP NR配置シナリオにおける第2実施形態の異なる例示的な実装によるハンドオーバ手順のシーケンス図を示す。この異なる例示的な実装は、図6に示される前述の例示的な実装に密接に関係するため、以下の議論は、違いのみに焦点を当てる。
【0175】
開始点として、この実装は、ハンドオーバには必ずしもRACH送信(RACHベースのハンドオーバと呼ばれる)は必要とされず、ハンドオーバはRACHなしの様式(RACHなしハンドオーバと呼ばれる)でも考えられるという理解に基づく。
【0176】
このようなRACHなしハンドオーバは、例えば、複数のgNBの間に時間同期が存在するかまたはハンドオーバを行うUEが隣接セルに関する時間アドバンスを既に知っている(例えばセカンダリセル(SCell)がプライマリセル(PCell)に変更されるときに)移動通信システムにおいて想定される。このようなケースでは、UEは、ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバを行うときに時間同期を再確立するためにランダムアクセス手順を行うことを要しない。
【0177】
例えば、UEは、このようなRACHなしハンドオーバで、ソースgNBとまたはターゲットgNBと通信するときに同じタイミングアドバンスコマンドを再使用するであろう。ターゲットgNBのタイミングに不確実性が存在しないときには、ランダムアクセス送信、例えばランダムアクセスプリアンブル送信を行う必要は全くない。
【0178】
この理解により、構成された帯域幅部分をさまざまなランダムアクセス送信パラメータと関連付けるアソシエーションテーブルが無用であることが直ちに明らかである。むしろ、この例示的な実装では、図9に示すように、構成された帯域幅部分をさまざまなアップリンク共有チャネル送信パラメータと関連付けるアソシエーションテーブルが存在する。
【0179】
例えば、さまざまなアップリンク共有チャネル送信パラメータには、ハンドオーバ完了メッセージ(図8メッセージ4を参照)を送信するときにUEにより使用されうる無線チャネルリソースの時間および周波数が含まれうる。言い換えれば、アップリンク共有チャネル送信パラメータは、ターゲット基地局の物理アップリンク共有チャネルのさまざまな無線リソースへのアップリンクグラントであると考えられうる。
【0180】
この基本的な違い以外は、ハンドオーバ手順は、ターゲットgNBからソースgNBを介してUEに送信される、ハンドオーバ(要求)応答確認メッセージ(図8メッセージ2を参照)に含まれ、ハンドオーバコマンドメッセージ(図8メッセージ3を参照)に含まれる情報に関して異なるだけである。
【0181】
これらのメッセージは、構成された帯域幅部分をさまざまなランダムアクセス送信パラメータと関連付けるアソシエーションテーブルを含まず、代わりに構成された帯域幅部分をさまざまなアップリンク共有チャネル送信パラメータと関連付けるアソシエーションテーブルを含む。
【0182】
さまざまなアップリンク共有チャネル送信パラメータにより、ターゲットgNBはここでも有益なレベルの再確認を得る。ハンドオーバ完了送信は完全なアップリンク帯域幅部分を占有しないため、ターゲットgNBは、特に例えば2つの構成されたアップリンク帯域幅部分が互いに中央揃えされているかまたは大きく重なって構成されている場合に、異なるアップリンク帯域幅部分を区別することが難しくなる。
【0183】
したがって、ここでも、アソシエーションテーブルにより、ターゲットgNBがアップリンク共有チャネル送信を受信するが、どのアップリンク帯域幅部分がUEによって使用されたか、したがって選択およびアクティブ化されているかを判断できない状況が有利に阻止される。残りの詳細については、類似の形で手順ならびに利点を説明するものとして理解できる図6の上記の説明を参照されたい。
【0184】
UEのために複数のコンポーネントキャリアが構成されるキャリアアグリゲーションの場合には、本開示の帯域幅部分の構成およびアクティブ化方法は、各コンポーネントキャリアについてのものであることに言及しなければならない。言い換えれば、各コンポーネントキャリアは独立した帯域幅部分の構成を有する。ハンドオーバ中には、UEのPCellが変更される。しかしながら、UEのSCellの構成は、UEにより受信されるハンドオーバ応答確認に応じて解除されることもなお維持されることもできる。同様に、新たな帯域幅部分の構成が適宜提供されうる。
【0185】
最も一般的な説明にここで触れると、本開示は、ハンドオーバ時に協調的な帯域幅部分の構成を可能にするメカニズムを提供し、それによってハンドオーバ時に中断時間を最小化し、電力消費を低減すると要約できる。比喩的に言えば、ターゲット基地局の利用レベルが許せば、帯域幅部分は、図2Bに関して議論したようにソースセルおよびターゲットセルで同じに構成されうる。
【0186】
これは特に、ハンドオーバ要求メッセージ(図4、5、6および8メッセージ1を参照)が、ソース基地局の構成された少なくとも第3および異なる第4帯域幅部分に関する情報ならびに/またはソース基地局の構成された少なくとも第3および第4帯域幅部分のうちのアクティブ化されたものに関する情報をさらに含む場合に該当する。
【0187】
この場合、ターゲット基地局は、トランシーバにおいて、第3帯域幅部分および第4帯域幅部分にそれぞれ基づいて第1帯域幅部分および第2帯域幅部分を移動端末のために構成しうる。特に、ターゲット基地局は、第1帯域幅部分を第3帯域幅部分と同じ(または類似)に、第2帯域幅部分を第4帯域幅部分と同じ(または類似)に構成しうる。
【0188】
このように、ハンドオーバ時に協調的な帯域幅部分の構成が達成され、上で議論した多数の利点が実現される。
【0189】
最後に、ソース基地局で一番最近アクティブ化された帯域幅部分に関する情報をターゲット基地局ですぐに利用可能にすれば、このターゲット基地局は、移動端末のための帯域幅部分を協調的に構成できるだけでなく、ソース基地局の構成された帯域幅部分の中で以前にアクティブ化されたものと同じ帯域幅部分にインデックス付けする帯域幅部分インデックスを含むハンドオーバ(要求)応答確認メッセージを送信することもできる。
【0190】
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって、実施することができる。上述した各実施形態の説明において使用される各機能ブロックは、その一部または全体を、集積回路などのLSIによって実施することができ、各実施形態において説明した各プロセスは、その一部または全体を、同じLSIまたはLSIの組合せによって制御することができる。LSIは、チップとして個別に形成する、または、機能ブロックの一部またはすべてが含まれるように1個のチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIとも称される。
【0191】
しかしながら、集積回路を実施する技術は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを使用することによって実施することができる。さらには、LSIの製造後にプログラムすることのできるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続および設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実施することができる。半導体技術または別の派生技術が進歩する結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0192】
第1態様によれば、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順を行うための移動端末が提案される。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。移動端末は、動作時にソース基地局から構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するトランシーバと、動作時およびハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、トランシーバにおいて、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも予め選択された1つをアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちのアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局との通信を行うようにトランシーバを制御するプロセッサと、を含む。
【0193】
第1態様と組合せることができる第2態様によれば、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報は、特定のシーケンスがあり、プロセッサは、動作時に、特定のシーケンスの最初の帯域幅部分もしくは最後の帯域幅部分、または少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分より多くの帯域幅部分が構成される場合には特定の他の帯域幅部分を、帯域幅部分のうちの予め選択された1つとしてアクティブ化する。
【0194】
第1態様と組合せることができる第3態様によれば、受信されるハンドオーバコマンドメッセージは、帯域幅部分インデックスをさらに含み、プロセッサは、帯域幅部分インデックスに対応する、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの予め選択された1つをアクティブ化する。
【0195】
第1~第3態様と組合せることができる第4態様によれば、プロセッサは、ハンドオーバ手順の一部として少なくともターゲット基地局へのランダムアクセスメッセージ送信を行うようにトランシーバを制御する。
【0196】
第1~第4態様と組合せることができる第5態様によれば、受信されるハンドオーバコマンドメッセージが、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの少なくとも予め選択された1つと関連付けられた複数の異なるランダムアクセス送信パラメータをさらに含む場合には、プロセッサは、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちのアクティブ化された予め選択された1つに関連付けられたランダムアクセス送信パラメータを使用して少なくともターゲット基地局へのランダムアクセスメッセージ送信を行うようにトランシーバを制御する。
【0197】
第6態様によれば、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局へのハンドオーバ手順を行うための移動端末が提案される。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。移動端末は、動作時にソース基地局から構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するトランシーバと、動作時およびハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、トランシーバにおいて、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも1つを選択およびアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの選択およびアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局との通信を行うようにトランシーバを制御するプロセッサと、を含む。
【0198】
第6態様と組合せることができる第7態様によれば、受信されるハンドオーバコマンドメッセージは、帯域幅部分インデックスをさらに含み、プロセッサは、動作時に、トランシーバにおいて、帯域幅部分インデックスに対応する、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のサブセットのうちの1つを選択およびアクティブ化する。
【0199】
第6態様と組合せることができる第8態様によれば、帯域幅部分インデックスは、特定のダウンリンク帯域幅部分に対するアップリンク帯域幅部分のサブセットにインデックス付けし、プロセッサは、動作時に、トランシーバにおいて、帯域幅部分インデックスに対応する、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のサブセットを選択およびアクティブ化する。
【0200】
第6~第8態様と組合せることができる第9態様によれば、受信されるハンドオーバコマンドメッセージは、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のそれぞれまたはサブセットと関連付けられた複数の異なるランダムアクセス送信パラメータをさらに含み、プロセッサは、動作時に、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの選択およびアクティブ化された1つに関連付けられたランダムアクセス送信パラメータを使用して少なくともランダムアクセスメッセージ送信を行うようにトランシーバを制御する。
【0201】
第9態様と組合せることができる第10態様によれば、複数のランダムアクセス送信パラメータは、ランダムアクセスメッセージとともに送信されるランダムアクセスプリアンブルシーケンス、およびターゲット基地局にランダムアクセスメッセージを送信するときに移動端末により使用される無線チャネルリソースの時間および周波数のうちの少なくとも1つまたは複数を含む。
【0202】
第11態様によれば、移動通信システムにおいてソース基地局からの移動端末のハンドオーバ手順を行うためのターゲット基地局が提案される。ターゲット基地局は、そのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分のそれぞれで移動端末と通信することができる。ターゲット基地局は、動作時にソース基地局から少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分で通信する移動端末の能力に関する情報を含むハンドオーバ要求メッセージを受信するトランシーバと、動作時およびハンドオーバ要求メッセージの受信時に、移動端末のために少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分を構成するようにトランシーバを制御し、ソース基地局にハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信するようにトランシーバを制御するプロセッサであって、ハンドオーバ要求応答確認メッセージは構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含む、プロセッサと、を含む。
【0203】
第11態様と組合せることができる第12態様によれば、プロセッサは、動作時およびハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信するようにトランシーバを制御した後に、トランシーバにおいて、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの移動端末がアクティブ化することが期待される同じ予め選択された1つをアクティブ化する。
【0204】
第12態様と組合せることができる第13態様によれば、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報は、特定のシーケンスがあり、プロセッサは、動作時に、特定のシーケンスの最初の帯域幅部分もしくは最後の帯域幅部分、または少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分より多くの帯域幅部分が構成される場合には特定の他の帯域幅部分を、帯域幅部分のうちの予め選択された1つとしてアクティブ化する。
【0205】
第12態様と組合せることができる第14態様によれば、ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、帯域幅部分インデックスをさらに含み、プロセッサは、動作時に、帯域幅部分インデックスに対応する、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの予め選択された1つをアクティブ化する。
【0206】
第11~第14態様と組合せることができる第15態様によれば、ハンドオーバ要求メッセージは、アクティブ化された帯域幅部分の状態に関する情報または予測トラフィック情報をさらに含み、プロセッサは、動作時およびハンドオーバ要求メッセージの受信時に、移動端末がハンドオーバ手順の一部として予め選択された帯域幅部分としてアクティブ化することが期待される少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの少なくとも1つを選択およびアクティブ化するようにトランシーバを制御する。
【0207】
第11態様と組合せることができる第16態様によれば、プロセッサは、動作時およびハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信するようにトランシーバを制御した後に、トランシーバにおいて、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちのすべてをアクティブ化する。
【0208】
第11態様と組合せることができる第17態様によれば、ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数の異なるアップリンク共有チャネル送信パラメータをさらに含み、プロセッサは、動作時に、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分と関連付けられた複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータのうちのすべてを使用してハンドオーバ完了メッセージ送信の候補をスケジューリングするようにトランシーバを制御する。
【0209】
第17態様と組合せることができる第18態様によれば、複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータは、ターゲット基地局にハンドオーバ完了メッセージを送信するときに移動端末により使用される無線チャネルリソースの時間および周波数を含む。
【0210】
第17または第18態様と組合せることができる第19態様によれば、ハンドオーバ要求応答確認メッセージが、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータをさらに含む場合には、トランシーバは、動作時に、移動端末から、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの移動端末によって選択およびアクティブ化されたものに関連付けられた複数のアップリンク共有チャネル送信パラメータのうちの1つを使用してハンドオーバ完了メッセージ送信をさらに受信し、プロセッサは、動作時に、移動端末が選択およびアクティブ化していない、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの残りを非アクティブ化する。
【0211】
第11態様と組合せることができる第20態様によれば、ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数の異なるランダムアクセス送信パラメータをさらに含み、プロセッサは、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分に関連付けられた複数のランダムアクセス送信パラメータのうちのすべてを使用してランダムアクセスメッセージ送信を予約するようにトランシーバを制御する。
【0212】
第20態様と組合せることができる第21態様によれば、複数のランダムアクセス送信パラメータは、ランダムアクセスメッセージとともに送信されるランダムアクセスプリアンブルシーケンス、ターゲット基地局にランダムアクセスメッセージを送信するときに移動端末により使用される無線チャネルリソースの時間および周波数のうちの少なくとも1つまたは複数を含む。
【0213】
第21態様と組合せることができる第22態様によれば、ハンドオーバ要求応答確認メッセージが、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの異なるものとそれぞれ関連付けられた複数の異なるランダムアクセス送信パラメータをさらに含む場合には、トランシーバは、動作時に、移動端末から、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの移動端末によって選択およびアクティブ化されたものに関連付けられた複数のランダムアクセス送信パラメータのうちの1つを使用してランダムアクセスメッセージ送信をさらに受信し、プロセッサは、動作時に、移動端末が選択およびアクティブ化していない、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分のうちの残りを非アクティブ化する。
【0214】
第11態様と組合せることができる第23態様によれば、ハンドオーバ要求メッセージは、ソース基地局で移動端末のために構成された少なくとも第3帯域幅部分および異なる第4帯域幅部分に関する情報をさらに含む。
【0215】
第23態様と組合せることができる第24態様によれば、ハンドオーバ要求メッセージは、ソース基地局の構成された少なくとも第3帯域幅部分および第4帯域幅部分のうちのアクティブ化された1つに関する情報をさらに含む。
【0216】
第24態様と組合せることができる第25態様によれば、プロセッサは、動作時に、トランシーバにおいて、移動端末のために、第3帯域幅部分および第4帯域幅部分にそれぞれ基づいて第1帯域幅部分および第2帯域幅部分を構成する。
【0217】
第25態様と組合せることができる第26態様によれば、プロセッサは、動作時に、帯域幅部分インデックスを含むハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信するようにトランシーバを制御し、帯域幅部分インデックスは、ソース基地局の構成された少なくとも第3帯域幅部分および第4帯域幅部分のうちの以前にアクティブ化されたものと同じ帯域幅部分を指示する。
【0218】
第27態様によれば、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局への移動端末のハンドオーバ手順を行うための方法が提案される。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。この方法は、ソース基地局から、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するステップと、ハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも予め選択された1つをアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちのアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局と通信するステップと、を含む。
【0219】
第28態様によれば、移動通信システムにおいてソース基地局からターゲット基地局への移動端末のハンドオーバ手順を行うための方法が提案される。ターゲット基地局は、移動端末のためにそのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分で構成される。この方法は、ソース基地局から、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含むハンドオーバコマンドメッセージを受信するステップと、ハンドオーバコマンドメッセージの受信時に、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの少なくとも1つを選択およびアクティブ化し、構成された少なくとも第1帯域幅部分または第2帯域幅部分のうちの選択およびアクティブ化された少なくとも1つでハンドオーバ手順の一部としてターゲット基地局と通信するステップと、を含む。
【0220】
第29態様によれば、移動通信システムにおいてターゲット基地局がソース基地局からの移動端末のハンドオーバ手順を行うための方法が提案される。ターゲット基地局は、そのセル帯域幅内の少なくとも第1帯域幅部分および異なる第2帯域幅部分それぞれで移動端末と通信することができる。この方法は、ソース基地局から少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分で通信する移動端末の能力に関する情報を含むハンドオーバ要求メッセージを受信するステップと、ハンドオーバ要求メッセージの受信時に、移動端末のために少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分を構成し、ソース基地局にハンドオーバ要求応答確認メッセージを送信するステップであって、ハンドオーバ要求応答確認メッセージは、構成された少なくとも第1帯域幅部分および第2帯域幅部分に関する情報を含む、ステップと、を含む。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9