IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルメンタム オペレーションズ エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特開-回転ビーム対称化装置 図1A
  • 特開-回転ビーム対称化装置 図1B
  • 特開-回転ビーム対称化装置 図2
  • 特開-回転ビーム対称化装置 図3
  • 特開-回転ビーム対称化装置 図4
  • 特開-回転ビーム対称化装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169315
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】回転ビーム対称化装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/064 20140101AFI20231121BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20231121BHJP
   B23K 26/062 20140101ALI20231121BHJP
   G02B 7/00 20210101ALI20231121BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B23K26/064 Z
B23K26/38 A
B23K26/062
G02B7/00 H
G02B5/30
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023151912
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2020101772の分割
【原出願日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/864,333
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/592,488
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】マーティン エイチ メンデル
(72)【発明者】
【氏名】パトリック グレッグ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第1の空間回転方向を有する光パワーおよび第2の空間回転方向の光パワーを有する双方向回転光ビームを提供するための光学装置を提供する。
【解決手段】光学装置は、一方向回転光ビームを第1の偏光状態を有する第1の回転光ビームと第2の偏光状態を有する第2の回転光ビームとに分割する偏光分割器を含むことができる。前記一方向の回転光ビームおよび前記第2の回転光ビームは、第1の空間回転方向を有する光パワーを有することができる。本光学装置は、前記第1の回転光ビームの光パワーに第2の空間回転方向を持たせることに関連して前記第1の回転光ビームのパリティを反転させる反射要素を含むことができる。本光学装置は、前記第1の回転光ビームのパリティの反転後に、前記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビームを合成して、前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態を有する双方向回転光ビームを生成する偏光結合器を含むことができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向回転光ビームを第1の偏光状態を有する第1の回転光ビームと第2の偏光状態を
有する第2の回転光ビームとに分割する偏光分割器を備え、前記一方向回転光ビームと前
記第2の回転光ビームが、第1の空間回転方向を有する光パワーを有すること、
前記第1の回転光ビームの光パワーに第2の空間回転方向を持たせることに関連して前
記第1の回転光ビームのパリティを反転させる反射要素を備え、前記第2の空間回転方向
は前記第1の空間回転方向と反対の空間回転方向であること、および
前記第1の回転光ビームのパリティの反転後、前記第1の回転光ビームと前記第2の回
転光ビームを結合して、前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態を有する双方向回転光
ビームを生成する偏光結合器を備え、前記双方向回転光ビームは前記第1の空間回転方向
を有する光パワーと、前記第2の空間回転方向を有する光パワーを有すること、
を特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビームはほぼ等しい光パワーを有すること
、を特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記第1の偏光状態は第1の直線偏光であり、前記第2の偏光状態は第2の直線偏光で
あり、前記第1の直線偏光および前記第2の直線偏光は直交直線偏光であること、を特徴
とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1の偏光状態は第1の円偏光であり、前記第2の偏光状態は第2の円偏光であり
、前記第1の円偏光および前記第2の円偏光は直交円偏光であること、を特徴とする請求
項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記双方向回転光ビーム中の前記第1の偏光状態を第3の偏光状態に変換し、前記双方
向回転光ビーム中の前記第2の偏光状態を第4の偏光状態に変換する偏光変換器をさらに
備え、
前記偏光変換器は、前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態がワークピースに送
達される最終偏光状態であるように一組の偏光感応光学要素を含むこと、および
前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態は回転対称の直交偏光状態であること、
を特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記偏光変換器は1/4波長板であり、前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態
は反対の円偏光であること、特徴とする請求項5に記載の光学装置。
【請求項7】
前記偏光変換器は、前記第1の空間回転方向が前記第3の偏光状態の方向と整列し、前
記第2の空間回転方向が前記第4の偏光の方向と反整列するように配向されている、こと
を特徴とする請求項5に記載の光学装置。
【請求項8】
前記偏光変換器は、前記第1の空間回転方向が前記第3の偏光状態の方向と反整列し、
前記第2の空間回転方向が前記第4の偏光の方向と整列するように、配向されている、こ
とを特徴とする請求項5に記載の光学装置。
【請求項9】
前記偏光変換器の配向は、前記第1の空間回転方向を前記第3の偏光状態の方向と、お
よび前記第2の空間回転方向を前記第4の偏光状態と選択的に整列または反整列させるこ
とに関連して調整可能であること、を特徴とする請求項5に記載の光学装置。
【請求項10】
前記双方向回転光ビーム内の前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態との間に空間オ
フセットを生じさせることに関連して前記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビーム
との間に角度シフトを導入するための回転光学要素をさらに備える、ことを特徴とする請
求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
前記回転光学要素の回転の向きが前記空間オフセットの制御に関連して調整可能である
、ことを特徴とする請求項10に記載の光学装置。
【請求項12】
前記回転光学要素の回転の向きは切断ヘッドの並進光学系と同期する、ことを特徴とす
る請求項10に記載の光学装置。
【請求項13】
前記光学装置は、
材料加工システム、
光デリバリファイバ、または
スプライスボックス、
内に実装されている、請求項1に記載の光学装置。
【請求項14】
一方向回転光ビームを第1の偏光状態を有する第1の回転光ビームと第2の偏光状態を
有する第2の回転光ビームとに分割するステップを備え、前記一方向回転光ビームと前記
第2の回転光ビームが、第1の空間回転方向を有する光パワーを有すること、
前記第1の回転光ビームの光パワーに第2の空間回転方向を持たせるステップを備え、
前記第2の空間回転方向は前記第1の空間回転方向と反対の空間回転方向であること、お
よび
前記第1の回転光ビームの光パワーに第2の空間回転方向を持たせるステップ後に、前
記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビームを結合して双方向回転光ビームを生成す
るステップを備え、前記双方向回転光ビームは前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態
を有すること、および前記双方向回転光ビームは前記第1の空間回転方向を有する光パワ
ーと前記第2の空間回転方向を有する光パワーを有すること、
を特徴とする方法。
【請求項15】
前記双方向回転光ビーム中の前記第1の偏光状態を第3の偏光状態に変換するステップ
、および
前記双方向回転光ビーム中の前記第2の偏光状態を第4の偏光状態に変換するステップ
、を備え、
前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態は回転対称の直交偏光状態であること、
を特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態は反対の円偏光であること、
特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の空間回転方向を前記第3の偏光状態の方向と整列させ、前記第2の空間回転
方向を前記第4の偏光の方向と整列させること、または
前記第1の空間回転方向を前記第3の偏光状態の方向と反整列させ、前記第2の空間回
転方向を前記第4の偏光の方向と反整列させることを選択的に実行するステップを備える

ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記双方向回転光ビーム内の前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態との間の空間オ
フセットの制御と関連して回転光学要素の向きを調製するステップをさらに備えること、
を特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
第1の空間回転方向の光パワーを有する入力回転光ビームを受け取る光入力部を備える
こと、
前記入力回転光ビームを第1の回転光ビームと第2の回転光ビームに分割する分割器を備
え、前記第1の回転光ビームは第1の直線偏光状態を有し、前記第2の回転光ビームは第
2の直線偏光状態を有し、前記第1の直線偏光状態と前記第2の直線偏光状態は直交直線
偏光状態であること、
前記第1の回転光ビームの前記光パワーに第2の空間回転方向を持たせる一組の反射器を
備え、前記第2の空間回転方向は前記第1の空間回転方向と反対の空間回転方向であるこ
と、
前記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビームを受け取り、出力回転光ビームを出
力する結合器を備え、前記出力回転光ビームは前記第1の直線偏光状態および前記第2の
直線偏光状態を有すること、および前記出力回転光ビームは前記第1の空間回転方向を有
する光パワーおよび前記第2の空間回転方向を有する光パワーを有すること、
を特徴とするシステム。
【請求項20】
前記出力回転光ビームの前記第1の直線偏光状態を第3の直線偏光状態に変換し、前記
出力回転光ビームの前記第2の直線偏光状態を第4の直線偏光状態に変換する変換器をさ
らに備え、前記第3の直線偏光状態および前記第4の直線偏光状態は回転対称の偏光状態
であること、
を特徴とする請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2019年6月20日に出願された米国仮特許出願第62/864,33
3号に対して、35U.S.C.§119に基づいて、優先権を主張するものであり、そ
の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、回転光ビームの提供と関連する光学装置に関し、より詳細には、第1の空間
回転方向を有する光パワーおよび第2の空間回転方向の光パワーを有する双方向回転光ビ
ームを提供するための光学装置に関する。
【背景技術】
【0003】
光ビームのビームプロファイルは、光ビームを使って実行される材料加工に関連する加
工性能に大きな影響を与える。例えば、環状ビームプロファイルを有する光ビームは、表
面に沿ってビームを走査することで改善された金属切断、溶接、および/または他のタイ
プの材料加工を可能にする。場合によっては、環状ビーム形状を有する光ビームは、光フ
ァイバ内で(すなわち、自由空間光学系なしで)生成され得る。そのような場合、生成さ
れた光ビームは回転光ビーム(すなわち、光ファイバ内を螺旋方向に伝播する光ビーム)
であり、光ファイバを出た後も環状ビーム形状を有する光ビームを提供する。この光ビー
ムの回転特性は(たとえば、光ビームが光ファイバから出るとき)維持され得るため、光
ファイバからワークピースに投影されたレーザスポットは、鋭いエッジを有し、高いビー
ム品質を有する環状ビームプロファイルを示す。したがって、環状ビーム形状を有する光
ビームを生成することができ、それにより、材料加工の向上を促進することができる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの可能な実装によれば、光学装置は、一方向回転光ビームを第1の偏光状態を
有する第1の回転光ビームと第2の偏光状態を有する第2の回転光ビームとに分割する偏
光分割器を含むことができ、前記一方向回転光ビームおよび前記第2の回転光ビームは、
第1の空間回転方向を有する光パワーを有すること、前記第1の回転光ビームの光パワー
に第2の空間回転方向を持たせることに関連して前記第1の回転光ビームのパリティを反
転させる反射要素を含むことができ、前記第2の空間回転方向は前記第1の空間回転方向
と反対の空間回転方向であること、および前記第1の回転光ビームのパリティの反転後、
前記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビームを結合して、前記第1の偏光状態と前
記第2の偏光状態を有する双方向回転光ビームを生成する偏光結合器を含むことができ、
前記双方向回転光ビームは前記第1の空間回転方向を有する光パワーおよび前記第2の空
間回転方向を有する光パワーを有すること、を特徴とする。
【0005】
いくつかの可能な実装によれば、方法は、一方向回転光ビームを、第1の偏光状態を有
する第1の回転光ビームと第2の偏光状態を有する第2の回転光ビームとに分割するステ
ップを含むことができ、前記一方向の回転光ビームおよび前記第2の回転光ビームは、第
1の空間回転方向を有する光パワーを有すること、前記第1の回転光ビームの光パワーに
第2の空間回転方向を持たせるステップを含むことができ、前記第2の空間回転方向は前
記第1の空間回転方向と反対の空間回転方向であること、および前記第1の回転光ビーム
の光パワーに前記第2の空間回転方向を持たせた後に、前記第1の回転光ビームと前記第
2の回転光ビームを結合して、前記第1の偏光状態および前記第2の偏光状態を有する双
方向回転光ビームを生成するステップを含むことができ、前記双方向回転光ビームは前記
第1の空間回転方向を有する光パワーおよび前記第2の空間回転方向を有する光パワーを
有すること、を特徴とする。
【0006】
いくつかの可能な実装によれば、システムは、第1の空間回転方向を有する光パワーを
有する入力回転光ビームを受け取る光入力部を含むことができ、前記入力回転光ビームを
、第1の回転光ビームと第2の回転光ビームに分割する分割器を含むことができ、前記第
1回転光ビームは第1の直線偏光状態を有し、前記第2の回転光ビームは第2の直線偏光
状態および前記第1の光空間回転方向を有する光パワーを有し、前記第1の直線偏光状態
および前記第2の直線偏光状態は直交直線偏光状態であること、前記第1の回転光ビーム
の光パワーに第2の空間回転方向を持たせる一組の反射器を含むことができ、前記第2の
空間回転方向は、前記第1の空間回転方向と反対の空間回転方向であること、および前記
第1の回転光ビームおよび前記第2の回転光ビームを受信して出力回転光ビームを出力す
る結合器を含むことができ、前記出力回転光ビームは、前記第1の直線偏光状態および前
記第2の直線偏光状態を有すること、および前記出力回転光ビームは、前記第1の空間回
転方向の光パワーと前記第2の空間回転方向の光パワーを有すること、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】ワークピースを切断するレーザビームの一例を示す図である。
図1B】一方向回転光ビームを使用して材料加工を実行する場合の異なる切断面相互作用を示す図である。
図2】本明細書で説明される、一方向回転光ビームを双方向回転光ビームに変換し得る回転ビーム対称化装置の例示的な実施形態を示す図である。
図3】双方向回転光ビームの部分間の空間オフセットの説明と関連する図である。
図4】本明細書で説明される、双方向回転光ビーム内の第1の偏光状態と第2の偏光状態との間に空間オフセットを導入し得る回転ビーム対称化装置の例示的な実施形態を示す図である。
図5】本明細書で説明される、一方向回転光ビームを双方向回転光ビームに変換する例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照するものである。異なる図
面において、同じ参照番号は、同一もしくは類似の要素を示し得る。
【0009】
上述したように、回転光ビームは、金属切断、溶接、および/または他のタイプの材料
加工などの用途で使用することができ、この加工処理ではビームが表面に沿って走査され
る。一方向回転光ビーム(つまり、1つの主空間回転方向を有する光パワーを有するビー
ム)が使用される場合、走査方向が光回転方向と整列するか反対であるかに応じて、走査
の2つの対向側面でのレーザと材料の相互作用が異なり得る。したがって、一方向回転光
ビームを加工材料の両対向則面と相互作用する双方向回転ビーム(つまり、第1の空間回
転方向を有する光パワーと第2(反対)の空間回転方向を有する光パワーを持つビーム回
転)に変換する必要があり得る。
【0010】
レーザビームがワークピースの1つの表面に衝突し、ワークピースを貫通する、レーザ
切断の例を考える。図1Aは、ワークピースを切断するレーザビームの例を示している。
図1Aでは、ワークピースに切断部を生成するためにレーザビームが(例えば、レーザお
よび/またはワークピースを移動させることによって)ワークピースに対して走査される
。ここでは、ビームの側面が、加工中の材料の切断面と相互作用する。レーザビームが一
方向回転光ビームである場合、空間回転は、スキャンの方向と関連して、2つの切断面が
レーザビームと異なる相互作用を生じさせる可能性がある。図1Bは、一方向回転光ビー
ムによって材料加工が実行されるときの異なる切断面の相互作用の概略図である。
【0011】
図1Bに示される例では、レーザビームは時計回りに回転しており、ワークピースに対
して左から右に走査されている。側面A(図1Bに示す上部切断面)に対して、回転方向
とスキャン方向は整列するが、側面B(図1Bに示す下部切断面)に対して、回転方向と
スキャン方向は反対である。したがって、切断品質、表面仕上げ、達成可能な切断速度な
どが側面Aと側面Bで異なる可能性があり、一方または他方の方が望ましいことがある。
どちらの向きが望ましいかは、材料の種類、材料の厚さ、レーザの出力、アシストガスの
使用、切断速度、および/または1つ以上の他の要因によって異なり得る。材料加工の柔
軟性を向上させるには、回転光ビームの望ましい特性を維持するとともに、加工中にレー
ザビームの両側で材料と大きく異なる相互作用をしないレーザビームを使用するのが有利
であり得る。
【0012】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、一方向回転光ビームを一部の光パワーが一方
向に回転し、一部の光パワーが反対方向に回転する双方向回転光ビームに変換することが
できる回転ビーム対称化装置を提供する。
【0013】
図2は、一方向回転光ビームを双方向回転光ビームに変換することができる回転ビーム
対称化装置200の例示的な実施形態の図である。図2に示すように、回転ビーム対称化
装置200は、偏光分割器202、反射要素204、偏光結合器206、および偏光変換
器208を備える光学装置を含み得る。ここで、一方向回転光学ビーム250は、第1方
向の空間回転を有する光パワーを有し得る(例えば、一方向回転光ビーム250は、第1
方向の空間回転を有する一方向回転光ビームであってよい)。
【0014】
偏光分割器202は、一方向回転光ビーム250を、第1の偏光状態を有する第1の回
転光ビーム252-1と、第2の偏光状態を有する第2の回転光ビーム252-2とに分
割する光学要素を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、偏光分割器202は、第1の回転光ビーム252-1と第2の
回転光ビーム252-2がほぼ等しい光パワー(たとえば、5%~10%未満の差の光パ
ワー)を有するように、一方向回転光ビーム250をほぼ半分に分割することができる。
あるいは、いくつかの実装形態では、偏光分割器202は、第1の回転光ビーム252-
1とび第2の回転光ビーム252-2がほぼ等しい光パワーにならないように、一方向回
転光ビーム250を分割してもよい。
【0016】
いくつかの実装形態では、第1の回転光ビーム252-1および第2の回転光ビーム2
52-2は、直線偏光ビーム(例えば、s偏光およびp偏光を有する)であってよい。い
くつかの実装形態では、第1の偏光状態は第1の直線偏光であり、第2の偏光状態は第2
の直線偏光であり、第1の直線偏光および第2の直線偏光は直交直線偏光であってよい。
あるいは、いくつかの実装形態では、第1の偏光状態は第1の非直線偏光(たとえば、円
偏光、楕円偏光)であり、第2の偏光状態は第2の非線形偏光であり、第1の非直線偏光
と第2の非直線偏光は直交非直線偏光であってよい。
【0017】
いくつかの実装形態では、一方向回転光ビーム250は非偏光であり得る。そのような
場合には、偏光分割器202は、偏光分割器202を通過する際に、一方向回転光ビーム
250のほぼ等しい2つの部分を自動的に生成することができる。あるいは、一方向回転
光ビーム250は偏光または部分的に偏光されているものとすることができ、その場合に
は、一方向回転光ビーム250の偏光軸を偏光分割器202と整列させてほぼ等しい光パ
ワーの2つの偏光ビームを生成することができる。例えば、一方向回転光ビーム250が
直線偏光光ビームである場合には、第1の回転光ビーム252-1と第2の回転光ビーム
252-2に等しいパワーを生成するために、偏光軸を偏光分割器202の軸に対して約
45度に配向する必要がある。しかしながら、偏光分割器202と偏光結合器206が反
対方向を有する限り、偏光分割器202の任意の配向角を使用してもよい。いくつかの実
装形態では、偏光分割器202は、第1の回転光ビーム252-1および第2の回転光ビ
ーム252-2がほぼ等しい光パワーにならないように一方向回転光ビーム250を分割
するように構成してもよい。
【0018】
図2に示すように、偏光分割器202は、第1の回転光ビーム252-1を(例えば、
反射によって)反射要素204への光路に向け、第2の回転光ビーム252-2を(例え
ば、透過によって)偏光結合器206への光路に向けることができる。ここで、偏光分割
器202による反射の後で、反射要素204による反射の前に、第1の回転光ビーム25
2-1は、第2の空間回転方向(例えば、第1の空間回転方向と反対の空間回転方向)を
有する光パワーを有するが、第2の回転光ビーム252の光パワーは、第1の空間回転方
向を維持する。
【0019】
反射要素204は、第1の回転光ビーム252-1のパリティを反転させるための光学
要素を含む。例えば、反射要素204は、1つの反射器(例えば、高反射器(HR))、
または任意の奇数の反射器を含み得る。図2に示されるように、第1の回転光ビーム25
2-1は、反射要素204によって反射され得る。ここで、第1の回転光ビーム252-
1は、反射要素204による反射の後で、偏光結合器206による反射の前に、第1の空
間回転方向を有する光パワーを再び有し得る。以下に述べるように、偏光結合器206に
よる反射後、第1の回転光ビーム252-1(双方向回転光ビーム254を形成するため
に第2の回転光ビーム252-2と結合された後)は、第2の空間回転方向の光パワーを
有することができる。ここで、回転ビーム対称化装置200によって提供される第1の回
転光ビーム252-1の奇数回の反射(例えば、この例では3回の反射)は、回転光ビー
ム252-1のパリティを反転し、その結果、第1の回転光ビーム252-1の空間回転
の方向は、第2の回転光ビーム252-2の空間回転の方向と反対である。
【0020】
いくつかの実装形態では、図2に示されるように、第2の回転光ビーム252-2は、
偏光結合器206に真っ直ぐに(すなわち、反射なしで)向けることができる。したがっ
て、偏光結合器206において、第2の回転光ビーム252-2は、第1の空間回転方向
の光パワーを有し得る。あるいは、第2の回転光ビーム252-2は、偏光結合器206
への光路上で偶数の反射器により反射させてよい。反射器からのすべての反射は、反射さ
れるビームのパリティの反転を引き起こし、空間回転の方向の反転を引き起こす。ここで
、第1の回転光ビーム252-1の光路は奇数のパリティ反転を有し、第2の回転光ビー
ム252-2の光路はゼロまたは偶数のパリティ反転を有するので、偏光結合器206に
おいて、第1の回転光ビーム252-1と第2の回転光ビーム252-2は反対の空間回
転方向を有する。
【0021】
偏光結合器206は、第1の回転光ビーム252-1と第2の回転光ビーム252-2
を結合して、第1の偏光状態および第2の偏光状態を有する双方向回転光ビーム254を
生成する光学要素を含む。ここで、第1の回転光ビーム252-1は、第2の回転光ビー
ム252-2との結合時の偏光結合器206による反射の後に、再び第2の空間回転方向
を有する光パワーを有し得る。第1の回転光ビーム252-1は、第2の空間回転方向を
有する光パワーを有し、第2の回転光ビーム252-2は、第1の空間回転方向を有する
光パワーを有するので、双方向回転光ビーム254は、第1の空間回転方向を有する光パ
ワーと第2の空間回転方向を有する光パワーを有する。いくつかの実装形態では、双方向
回転光ビーム254は、第1および第2の空間回転方向のそれぞれにほぼ等しい光パワー
部分を有し得るため、正味の回転の観点からほぼ対称であり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、偏光結合器206での結合後に、双方向回転光ビーム254
は、偏光に関して非対称性を有し得る。例えば、双方向回転光ビーム254の空間回転の
1つの方向が1つの偏光に関連付けられ、双方向回転光ビーム254の空間回転の他の方
向が別の偏光に関連付けられるため、双方向回転光ビーム254内に偏光非対称性が存在
し得る。この非対称性は、たとえばスキャン方向が2つの偏光に対してどのように整列す
るかに応じて、ワークピース加工に差異を生じる可能性がある(たとえば、材料吸収率は
偏光状態と方向に依存するため)。
【0023】
したがって、いくつかの実装形態では、回転ビーム対称化装置200は、偏光変換器2
08を含み得る。偏光変換器208は、例えば、1/4波長板を含み得る。いくつかの実
装形態では、偏光変換器208は、双方向回転光ビーム254の第1の偏光状態を第3の
偏光状態に変換し、双方向回転光ビーム254の第2の偏光状態を第4の偏光状態に変換
する光学要素を含み得る。いくつかの実装形態では、第3の偏光状態および第4の偏光状
態は、回転対称な直交偏光状態とし得る。いくつかの実装形態では、偏光変換器208は
、第3の偏光状態および第4の偏光状態がワークピースに供給すべき最終偏光状態になる
ように1組の偏光感応光学要素を含み得る。
【0024】
いくつかの実装形態では、偏光変換器208は、偏光結合器206の後の双方向回転光
ビーム254の光路上に配置することができる。いくつかの実装形態では、偏光変換器2
08は偏光結合器206の軸に対して45度に配向されるように回転することができる。
結果として、偏光結合器206から発する2つの直線偏光は、回転対称である円偏光に変
換することができる。したがって、その結果得られる偏光変換された双方向回転光学ビー
ム256は、それぞれ独自の円偏光を有する2つの回転部分を含むため、完全な回転対称
性を有する。すなわち、いくつかの実装形態では、第3の偏光状態と第4の偏光状態は反
対の円偏光である。回転対称である楕円偏光などの他の偏光も考えられる。
【0025】
いくつかの実施形態では、偏光変換器208の45度の配向(たとえば、偏光変換器2
08が+45度または-45度に配向されているかどうか)に応じて、偏光変換された双
方向回転光学ビーム256を構成する2つのビームの空間および偏光回転方向が整列する
か、または反対になるように選択することができる。例えば、偏光変換器208の1つの
配向で、時計回りの回転ビームは時計回りの円偏光を有することができ、反時計回りの回
転ビームは反時計回りの円偏光を有することができる。偏光変換器208の反対の配向(
すなわち、偏光変換器208の+/-90度の回転)により、時計回りの回転ビームは反
時計回りの偏光を有し、反時計回りのビームは時計回りの偏光を有する。これらの2つの
オプションは、本明細書では回転/偏光の整列または反整列と呼ぶ。したがって、いくつ
かの実装形態では、偏光変換器208は、第1の空間回転方向が第3の偏光状態の方向と
整列し、第2の空間回転方向が第4の偏光状態の方向と整列するように配向することがで
きる。あるいは、偏光変換器208は、第1の空間回転方向が第3の偏光状態の方向と反
整列し、第2の空間回転方向が第4の偏光状態の方向と反整列するように配向することも
できる。
【0026】
これらのオプションは両方とも、走査方向に関して完全に対称であり、対称の加工結果
を提供することができる。ただし、回転と偏光の両方がレーザビームとワークピースの相
互作用に影響を与えるため、どちらか一方のオプション(回転/偏光整列または回転/偏
光反整列)が、例えば、加工されている材料のタイプ、形状、レーザ出力などに応じて、
優れた加工結果(例えば、加工速度、加工品質などに関して)を提供することができる可
能性がある。
【0027】
いくつかの用途では、回転/偏光整列から回転/偏光反整列に変更するのが望ましい場
合(例えば、同じ切断機で加工中の材料を別の材料に変更する場合、または1回の切断ま
たは他の加工処理中に動的に変更する場合)があり得る。したがって、いくつかの実施形
態では、偏光変換器208の向きは、第1の空間回転の方向を第3の偏光状態の方向と、
第2の空間回転の方向を第4の偏光状態の方向と選択的に整列または反整列させることに
関連して調整可能とすることができる。速度が約100ミリ秒以上のオーダーである場合
、これは、偏光変換器208を90度回転させることによって達成され得る。あるいは、
より速い速度の場合には、電子駆動調整を使用してもよく、例えば、偏光変換器208は
、電気光学変調波長板としてもよい。
【0028】
さらに他の用途においては、偏光変換された双方向回転光ビーム256に完全な偏光対
称化は必要とされない(または望まれない)と判断される場合がある。そのような場合に
は、偏光変換器208は、軸のリターダンスまたは向きを変更することによって完全な円
偏光以外の変更状態を生成するように調整することができ、または偏光変換器208は、
(例えば、2つの直交する直線偏光状態を残すために)省略することもできる。
【0029】
いくつかの実装形態では、回転ビーム対称化装置200は材料処理システム、例えば、
プロセスヘッド(たとえば、ワークピースに直接隣接するアセンブリ)、光送達ファイバ
(たとえば、光送達ファイバの入力端)またはスプライスボックスに実装することができ
る。光送達ファイバに実装する場合、光送達ファイバは、好ましくは、丸いコア(例えば
、ビームの回転特性を維持するために円形または環状コア)、および低複屈折または円形
複屈折(例えば、円偏光状態を維持するため)のいずれかを有することができる。
【0030】
図2に示される要素の数および配置は、一例として提示されている。実際には、回転ビ
ーム対称化装置200は、図2に示されるものよりも、追加の要素、より少ない要素、異
なる要素、または異なる配置の要素を含んでもよい。加えてまたは代わりに、回転ビーム
対称化装置200の要素のセット(例えば、1つ以上の要素)は、回転ビーム対称化装置
200の要素の別のセットによって実行されるとして記載された1つまたは複数の機能を
実行することもできる。
【0031】
上述のように、切断用途においては、回転光ビームがターゲット材料(例えば、図1B
の側面A対側面B)に対して好ましい方向が存在し得る。そのような場合、第1の回転光
ビーム252-1および第2の回転光ビーム252-2を空間的にオフセットして、双方
向回転光ビーム254(または回転ビーム対称化装置が偏光変換器208を含むときの偏
光変換された双方向回転光ビーム256)の各側が所望の回転方向により支配されるよう
にすることができる。
【0032】
図3は、双方向回転光ビーム254の部分の間の空間オフセットの説明と関連する図を
含む。図3の左側の図は、一方向回転光ビーム250の場合を示し、この場合には側面A
および側面Bが上で説明したように、切断動作で異なる回転方向を経験する。図3の中央
の図は、双方向回転光ビーム(例えば、双方向回転光ビーム254または偏光変換された
双方向回転光ビーム256)がオフセットなしで提供される場合を示す。ここでは、双方
向回転光ビームは双方向であり、切断の両側面が等しい方向のビーム回転と切断方向を経
験し得る。図3の右側の概略図は、双方向回転光ビーム254の一部が互いに空間的にオ
フセットされている場合を示す。図に示されるように、空間的なオフセットのために、各
側面が材料にとって好ましい有利な回転により支配され得る。光ビームにはテール(つま
り、ローカルパワーがゼロに減少する長さ)があるため、オフセットは、所望の方向のロ
ーカルパワーが不所望ビームのテールのローカルパワーを無効にするのに十分な大きさと
する必要がある(たとえば、完全な空間分離が必要である)。
【0033】
上述のように、図3は、例示を目的とした単なる一例として提示されている。他の例は
図3に関して説明したものとは異なり得る。
【0034】
いくつかの実装形態では、図3の右の図に示されるような空間オフセットを達成するた
めに、回転ビーム対称化装置200は回転光学要素を含むことができる。図4は、双方向
回転光ビーム(例えば、双方向回転光ビーム254および偏光変換された双方向回転光学
ビーム256)内の第1の偏光状態と第2の偏光状態との間に空間オフセットを導入する
ことができる回転ビーム対称化装置400の例示的な実施形態の図である。図4に示すよ
うに、回転ビーム対称化装置400は、回転ビーム対称化装置200に含まれる光学要素
と同様の光学要素を含むことができ、回転光学要素210をさらに含むことができる。図
に示すように、回転光学要素210は、反射要素204と偏光結合器206との間の第1
の回転光ビーム252-1の経路に配置することができる。
【0035】
回転光学要素210は、双方向回転光ビーム254内の第1の偏光状態と第2の偏光状
態との間に空間オフセットを生じさせることに関連して、第1の回転光ビーム252-1
と第2の回転光ビーム252-2との間に角度シフトを導入する光学要素を含む。例えば
、切断ヘッド内に回転ビーム対称化装置400を実装する場合、回転光学要素210は回
転くさびを含み得る。いくつかの実施形態では、回転くさびは、第1の回転光ビーム25
2-1と第2の回転光ビーム252-2との間に角度シフトを導入するために機械的に回
転させることができるプリズムとすることができる。この角度シフトは、ワークピース上
の双方向回転光ビーム254(または偏光変換された双方向回転光ビーム256)の部分
間に空間オフセットをもたらす。回転光学要素210を回転させると、空間オフセットの
方向が変化して材料加工状態を最適化することができる。空間オフセットの可能な方向は
、切断方向に垂直な方向のビーム間のオフセット(たとえば、図3の右側の図に示される
ように)を含み、このオフセットによってビームの方向を切断方向などに対してずらせる
ことができる。このような実施は、上述したように、切断方向に対して支配的な方向の選
択、および偏光回転に対するビーム回転の選択の可能な利点を保持する。
【0036】
いくつかの実装形態では、回転光学要素210の回転の向きは、空間オフセットの制御
に関連して調整可能であり得る。加えて、または代りに、回転光学要素210の回転の向
きは、切断ヘッドの並進光学系と同期させることができる。
【0037】
図4に示される要素の数および配置は、一例として提供される。実際には、回転ビーム
対称化装置400は、図4に示されるものよりも、追加の要素、より少ない要素、異なる
要素、または異なる配置の要素を含み得る。さらに、または代りに、回転ビーム対称化装
置400の要素のセット(例えば、1つ以上の要素)は、対称化装置400の要素の別の
セットにより実行されるものとして記載された1つまたは複数の機能を実行することもで
きる。
【0038】
図5は、本明細書で説明されるように、一方向回転光ビーム250を双方向回転光ビー
ム254に変換するための例示的なプロセス500のフローチャートである。
【0039】
図5に示すように、プロセス500は、一方向回転光ビームを第1の偏光状態を有する
第1の回転光ビームと第2の偏光状態を有する第2の回転光ビームとに分割するステップ
を含むことができ、一方向回転光ビームおよび第2の回転光ビームは第1の空間回転方向
の光パワーを有する(ブロック510)。例えば、上述のように、偏光分割器202は、
一方向回転光ビーム250を、第1の偏光状態を有する第1の回転光ビーム252-1お
よび第2の偏光状態を有する第2の回転光ビーム252-2に分割することができる。い
くつかの実装形態では、一方向回転光ビーム250および第2の回転光ビーム252-2
は、第1の空間回転方向の光パワーを有する。
【0040】
図5にさらに示されるように、プロセス500は、第1の回転光ビームの光パワーを第
2の空間回転方向にするステップを含むことができ、第2の空間回転方向は第1の空間回
転方向と反対である(ブロック520)。例えば、反射要素204は、第1の回転光ビー
ム252-1の光パワーを第2の空間回転方向にすることができ、第2の空間回転方向は
、上述したように第1の空間回転方向と反対の空間回転方向である。
【0041】
図5にさらに示されるように、プロセス500は、第1の回転光ビームの光パワーを第
2の空間回転方向にした後に、第1の回転光ビームおよび第2の回転光ビームを結合して
双方向回転光ビームを生成するステップを含むことができ、ここで、双方向回転光ビーム
は、第1の偏光状態および第2の偏光状態の両方を有し、且つ双方向回転光ビームは、第
1の空間回転方向を有する光パワーおよび第2の空間回転方向を有する光パワーを有する
(ブロック530)。例えば、偏光結合器206は、上述したように、第1の回転光ビー
ム252-1の光パワーを第2の空間回転方向にした後に、その第1の回転光ビーム25
2-1と第2の回転光ビーム252-2を結合して双方向回転光学ビーム254を生成す
る。いくつかの実装形態では、双方向回転光ビーム254は、第1の偏光状態と第2の偏光
状態の両方を有する。いくつかの実装形態では、双方向回転光ビーム254は、第1の方
向の空間回転を有する光パワーと、第2の方向の空間回転を有する光パワーとを有する。
【0042】
プロセス500は、追加の実施形態、例えば、以下に記載されるおよび/または本明細
書の他の場所に記載される1つ以上の他のプロセスに関連する任意の単一の実施形態また
は複数の実施形態の任意の組み合わせを含み得る。
【0043】
第1の実施形態において、プロセス500は、双方向回転光ビーム254の第1の偏光
状態を第3の偏光状態に(例えば、偏光変換器208によって)変換し、双方向回転光ビ
ーム254の第2の偏光状態を第4の変更状態に変換するステップを含むことができ、こ
こで、第3の偏光状態および第4の偏光状態は、回転対称な偏光状態である。いくつかの
実装形態では、第3の偏光状態および第4の偏光状態は、反対の円偏光である。
【0044】
第2の実施形態において、プロセス500は、第1の空間回転方向を第3の偏光状態の
方向と整列させ、第2の空間回転方向を第4の偏光の方向と整列させること、または第1
の空間回転方向を第3の偏光状態の方向と反整列させ、第2の空間回転方向を第4の偏光
状態の方向と反整列させることを選択的に生じさせるステップを含むことができる。
【0045】
第3の実施形態において、プロセス500は、双方向回転光ビーム254内の第1の偏
光状態と第2の偏光状態との間の空間オフセットの制御に関連して回転光学要素210の
向きを調整するステップを含むことができる。
【0046】
第4の実施形態において、第1の回転光ビーム252-1および第2の回転光ビーム2
52-2は、ほぼ等しい光パワーを有する。
【0047】
第5の実施形態において、第1の偏光状態は第1の直線偏光であり、第2の偏光状態は
第2の直線偏光であり、第1の直線偏光および第2の直線偏光は直交直線偏光である。
【0048】
第6の実施形態において、第1の偏光状態は第1の円偏光であり、第2の偏光状態は第
2の円偏光であり、第1の円偏光および第2の円偏光は直交円偏光である。
【0049】
第7の実施形態において、偏光変換器208は、第3の偏光状態および第4の偏光状態
がワークピースに送達される最終的な偏光状態になるように、一組の偏光感応光学要素を
含み、第3の偏光状態および第4の偏光状態は回転対称な直交偏光状態である。
【0050】
第8の実施形態において、偏光変換器208は1/4波長板であり、第3の偏光状態と
第4の偏光状態は反対の円偏光である。
【0051】
第9の実施形態において、偏光変換器208は、第1の空間回転方向が第3の偏光状態
の方向と整列し、第2の空間回転方向が第4の偏光状態の方向と整列するように配向され
る。
【0052】
第10の実施形態において、偏光変換器208は、第1の空間回転方向が第3の偏光状
態の方向と反整列し、第2の空間回転方向が第4の偏光状態の方向と反整列するように配
向される。
【0053】
第11の実施形態において、偏光変換器208の配向は、第1の空間回転方向を第3の
偏光状態の方向と、および第2の空間回転方向を第4の偏光状態と、選択的に整列または
反整列させることに関連して調整可能である。
【0054】
第12の実施形態において、回転光学要素210は、双方向回転光ビーム254内の第
1の偏光状態と第2の偏光状態との間に空間オフセットを生じさせることに関連して、第
1の回転光ビーム252-1と第2の回転光ビーム252-2との間に角度シフトを導入
するために使用することができる。
【0055】
第13の実施形態において、回転光学要素210の回転の向きは、空間オフセットの制
御に関連して調整可能である。
【0056】
第14の実施形態において、回転光学要素210の回転の向きは、切断ヘッドの並進光
学系と同期される。
【0057】
第15の実施形態において、回転ビーム対称化装置200/400は、材料加工システ
ムのプロセスヘッド、光送達ファイバ、またはスプライスボックスに実装される。
【0058】
図5はプロセス500の例示的なブロックを示すが、いくつかの実施形態では、プロセ
ス500は、図5に示されるブロックよりも、追加のブロック、より少ないブロック、異
なるブロック、または異なる配置のブロックを含み得る。加えてまたは代わりに、プロセ
ス500のブロックの2つ以上を並行して実行することができる。
【0059】
本明細書に記載したいくつかの実施形態は、(一方向)回転光ビーム250を双方向回
転光ビームに変換することができる回転ビーム対称化装置(例えば、回転ビーム対称化装
置200、回転ビーム対称化装置400など)を提供する。この装置においては、一部の
光パワーが一方向に回転し、一部の光パワーが反対方向に回転する。上述したように、双
方向回転は、偏光の分割、分割したビームの一方の反転、および偏光の再結合によって達
成することができる。いくつかの実装形態では、得られた直線偏光状態を、(たとえば、
両ビームの空間特性と偏光の完全な回転対称性を実現するために)2つの回転状態に対し
て反対の円偏光に変換することができる。
【0060】
前述の開示は、例示および説明を提供するが、網羅的であること、または実施形態を開
示の正確な形態に限定することを意図するものではない。様々な修正や変更が以上の開示
に照らして可能であり、また実施形態の実施から得ることができる。
【0061】
特定の特徴の組み合わせが請求の範囲に列挙されおよび/または明細書に開示されてい
るが、これらの組み合わせは様々な実施形態の開示を限定することを意図するものではな
い。実際に、これらの特徴の多くは請求の範囲に明確に列挙されていないおよび/または
明細書に開示されていない方法で組み合わせてもよい。以下に列挙される各従属請求項は
一つの請求項にのみ直接従属してよいが、様々な実施形態の開示は各従属請求項と請求の
範囲内のすべての他の請求項との組み合わせも含むものである。
【0062】
本明細書で使用する要素、操作または命令は、特に明記されない限り、決定的または本
質的と解釈されるべきである。また、冠詞“a”及び“an”は一以上の要素を含むことが
意図され、「一以上」と互換的に使用され得る。さらに、冠詞“the”は“the”と関連す
る一以上の要素を含むことが意図され、「一以上」と互換的に使用され得る。さらに、本
明細書で使用される「セット」は一以上の要素(例えば、関連要素、非関連要素、それら
の要素の組み合わせ等)を含むことが意図され、「一以上」と互換的に使用され得る。唯
一の要素が意図される場合には、「一つ」または類似の語が使用される。また、本明細書
で使用する語「有する」、「有している」等はオープンエンデッドタームであることが意
図されている。さらに、語句「基づく」は特に明記されない限り「少なくとも部分的に基
づく」を意味することが意図されている。また、本明細書で使用する「または」は、シリ
ーズで使用される場合に包括的であることが意図され、特に明記されていない限り(例え
ば、「いずれか」または「1つのみ」と組み合わせて使用される場合)、「および/また
は」と交換可能に使用され得る。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向回転光ビームを第1の偏光状態を有する第1の回転光ビームと第2の偏光状態を有する第2の回転光ビームとに分割する偏光分割器を備え、
前記一方向回転光ビームと前記第2の回転光ビームとは、第1の空間回転方向を有する光パワーを有し、
第1の空間回転方向は、時計回りまたは反時計回りの一方であり、
前記第1の回転光ビームの光パワーに第2の空間回転方向を持たせることに関連して前記第1の回転光ビームのパリティを反転させる反射要素を備え、
前記第2の空間回転方向は、前記時計回りまたは前記反時計回りのもう一方であり、
前記第1の回転光ビームのパリティの反転後、前記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビームとを結合して、前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態とを有する双方向回転光ビームを生成する偏光結合器を備え、
前記双方向回転光ビームは、前記第1の空間回転方向を有する光パワーと前記第2の空間回転方向を有する光パワーとを有し、
前記双方向回転光ビーム中の前記第1の偏光状態を第3の偏光状態に変換し、前記双方向回転光ビーム中の前記第2の偏光状態を第4の偏光状態に変換する偏光変換器をさらに備え、
前記偏光変換器は、前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態がワークピースに送達される最終偏光状態であるように一組の偏光感応光学要素を含み、
前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態は、回転対称の直交偏光状態であり、
前記偏光変換器は、前記第1の空間回転方向が前記第3の偏光状態の方向と整列し、前記第2の空間回転方向が前記第4の偏光の方向と整列するように配向されている、光学装置。
【請求項2】
一方向回転光ビームを第1の偏光状態を有する第1の回転光ビームと第2の偏光状態を有する第2の回転光ビームとに分割する偏光分割器を備え、
前記一方向回転光ビームと前記第2の回転光ビームとは、第1の空間回転方向を有する光パワーを有し、
第1の空間回転方向は、時計回りまたは反時計回りの一方であり、
前記第1の回転光ビームの光パワーに第2の空間回転方向を持たせることに関連して前記第1の回転光ビームのパリティを反転させる反射要素を備え、
前記第2の空間回転方向は、前記時計回りまたは前記反時計回りのもう一方であり、
前記第1の回転光ビームのパリティの反転後、前記第1の回転光ビームと前記第2の回転光ビームとを結合して、前記第1の偏光状態と前記第2の偏光状態とを有する双方向回転光ビームを生成する偏光結合器を備え、
前記双方向回転光ビームは、前記第1の空間回転方向を有する光パワーと前記第2の空間回転方向を有する光パワーとを有し、
前記双方向回転光ビーム中の前記第1の偏光状態を第3の偏光状態に変換し、前記双方向回転光ビーム中の前記第2の偏光状態を第4の偏光状態に変換する偏光変換器をさらに備え、
前記偏光変換器は、前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態がワークピースに送達される最終偏光状態であるように一組の偏光感応光学要素を含み、
前記第3の偏光状態および前記第4の偏光状態は、回転対称の直交偏光状態であり、
前記偏光変換器は、前記第1の空間回転方向が前記第3の偏光状態の方向と反整列し、前記第2の空間回転方向が前記第4の偏光の方向と反整列するように、配向されている、光学装置。
【外国語明細書】