(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169318
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】システム、チップトレイ、及び方法
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023151990
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2021520416の分割
【原出願日】2019-10-09
(31)【優先権主張番号】62/743,451
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】エメリック ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】リード ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】グロナウ グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(72)【発明者】
【氏名】ジェリノット エマニュエル シルヴェイン
(72)【発明者】
【氏名】スイヨ ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】モリナ バーナード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】様々な種類のゲーミングチップの収納量を変更するシステム、チップトレイ及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】チップトレイシステムは、複数のチップチューブ部品を含んでよい。チップトレイにおける第1のチップチューブ部品は、ゲーミングチップの第1のサイズに対応する複数のゲーミングチップ収納列を含んでよい。チップトレイにおける第2のチップチューブ部品は、ゲーミングチップの第2のサイズに対応する複数のゲーミングチップ収納列を含んでよい。第1のチップチューブ部品の第1の端部は、第2のチップチューブ部品の第2の端部に結合されてよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグが埋め込まれたゲーミングチップを収容するための下段トレイと、
前記下段トレイの上に重ねられた状態と前記下段トレイの上面を開放する状態との間で移動可能な、RFIDタグが埋め込まれたゲーミングチップを収容するための上段トレイと、
前記下段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取るための上段RFIDアンテナと、
前記上段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取るための下段RFIDアンテナと、
前記上段RFIDアンテナの読取結果及び前記下段RFIDアンテナの読取結果に基づいて、前記上段トレイに収容されたゲーミングチップと前記下段トレイに収容されたゲーミングチップとを決定するゲーミングテーブル装置と、
を備え、
前記上段トレイが前記下段トレイの上に重ねられた状態で、前記上段RFIDアンテナが前記下段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らないように、かつ/又は、前記下段RFIDアンテナが前記上段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らず、
前記ゲーミングテーブル装置は、前記上段トレイに収容されたゲーミングチップと前記下段トレイに収容されたゲーミングチップとを個別に決定する、
二重チップトレイ。
【請求項2】
前記上段トレイが前記下段トレイの上に重ねられた状態で、前記上段RFIDアンテナが前記下段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らないように、かつ/又は、前記下段RFIDアンテナが前記上段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らないように、前記上段RFIDアンテナ及び/又は前記下段RFIDアンテナからの電磁波を制限する制限手段をさらに備えた、請求項1に記載の二重チップトレイ。
【請求項3】
前記制限手段は、前記上段RFIDアンテナ及び/又は前記下段RFIDアンテナからの電磁波を遮断するシールドである、請求項2に記載の二重チップトレイ。
【請求項4】
前記制限手段は、前記上段RFIDアンテナ及び/又は前記下段RFIDアンテナからの電磁波を部分的に打ち消し、又は弱めるための電磁波を発生させるジャミングアンテナである、請求項2に記載の二重チップトレイ。
【請求項5】
前記上段RFIDアンテナは、前記上段トレイに収容されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取るとともに、前記下段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らず、
前記下段RFIDアンテナは、前記下段トレイに収容されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取るとともに、前記上段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らない、請求項1に記載の二重チップトレイ。
【請求項6】
前記上段RFIDアンテナは、前記上段トレイに収容されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取るとともに、前記下段トレイに収納された一部又は全部のゲーミングチップのRFIDタグを読み取り、
前記制限手段は、前記下段RFIDアンテナが前記上段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らないように、前記下段RFIDアンテナからの電磁波を制限し、
前記ゲーミングテーブル装置は、前記上段RFIDアンテナの読取結果と前記下段RFIDアンテナの読取結果との集合的な関係に基づいて、前記上段トレイに収容されたゲーミングチップと前記下段トレイに収容されたゲーミングチップと個別に決定する、請求項1に記載の二重チップトレイ。
【請求項7】
前記下段RFIDアンテナは、前記上段トレイに収容されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取るとともに、前記上段トレイに収納された一部又は全部のゲーミングチップのRFIDタグを読み取り、
前記制限手段は、前記上段RFIDアンテナが前記下段トレイに収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らないように、前記上段RFIDアンテナからの電磁波を制限し、
前記ゲーミングテーブル装置は、前記上段RFIDアンテナの読取結果と前記下段RFIDアンテナの読取結果との集合的な関係に基づいて、前記上段トレイに収容されたゲーミングチップと前記下段トレイに収容されたゲーミングチップと個別に決定する、請求項1に記載の二重チップトレイ。
【発明の詳細な説明】
【関連する出願との相互参照】
【0001】
本出願は、2018年10月9日に出願されたUS仮出願第62/743,451号に対する優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【分野】
【0002】
本開示は、ゲーミングチップを収納するためのゲーミングチップ収納列、チップトレイ、及び方法を有する新規なシステムに関する。
【背景】
【0003】
賭博ゲームのディーラーが使用するゲーミングチップを収納するためのチップトレイを使用することができる。チップトレイは、異なるデノミネーションのゲーミングチップを安全な場所に保管することができる。チップトレイは、プラスチック及び金属を含む様々な材料から作ることができる。
【0004】
過去20年の間に、カジノ業界は、ギャンブル、ペイアウトを可能にするための額面価値を有するトークンであるプラーク及びチップとも呼ばれる通貨製品を保護及び追跡するためにRFID技術を使用してきた。RFIDタグは、各アイテムに固有の識別子を提供し、また、通常、通貨製品の特定の情報を収納するためのROMメモリを含んでいる。チップは、ゲーミングテーブルのいくつかのトレイに収納されている。バカラのような大きなギャンブルゲームのために、カジノでは二段のチップトレイを使用している。タグにRFIDを使用することで、カジノはこれらのフロートのライブインベントリを持つことができる。これらの二段のフロートの開閉機構は、一般的に2つのハンドルをベースにしており、補助がないため、フロートに多くのチップがある場合(最大2000チップ)にはオープンすることが困難である。
【概要】
【0005】
本開示は、様々な種類のゲーミングチップの収納量を変更するシステム、チップトレイ及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一側面は、ゲーミングチップの第1のサイズに対応する少なくとも1つの第1のゲーミングチップ収納列からなる第1のチップチューブ部品と、ゲーミングチップの第2のサイズに対応する少なくとも1つの第2のゲーミングチップ収納列からなる第2のチップチューブ部品とを含むシステムであって、第1のチップチューブ部品の第1の端部は、第2のチップチューブ部品の第2の端部に結合されているシステムである。
【0007】
本開示の一側面は、ゲーミングチップの第1のサイズに対応する少なくとも1つの第1のゲーミングチップ収納列からなる第1のチップチューブ部品と、ゲーミングチップの第2のサイズに対応する少なくとも1つの第2のゲーミングチップ収納列からなる第2のチップチューブ部品とからなるチップトレイであって、ここで、第1のチップチューブ部品の第1のエッジが第2のチップチューブ部品の第2のエッジに結合されている、チップトレイである。
【0008】
本開示の一側面は、第1のチップチューブ部品を第2のチップチューブ部品に結合すること、第3のチップチューブ部品を第2のチップチューブ部品に結合して複数の結合チップ部品を形成すること、及び複数の結合チップ部品を筐体内に配置することからなる方法である。
【0009】
2つのハンドルでは、開口部が同期していない。本発明は、メンテナンス上の問題のリスクを生じさせることなく、上段トレイの開封をガイドされた方法で補助するための機構を設けることからなる。
【0010】
この機構は3つの原理に基づいている。
-トレイの左右を連結して開く一本のバー。重要なのは、左側と右側を連結してガイド付きの開きを持たせる仕組みを持つこと。
-開くときの労力を軽減するためのレバー機構。
-トレイを開閉する際の動作の開始を助けるためにレバーシステムに連結されたバネ。
【0011】
このようなシステムでは、片手でトレイを開き、もう片方の手で底部トレイからチップを取り出すことができる。この機能は、高額チップを底部トレイの保護された領域に保持しながら、ディーラーの時間を節約する。
【0012】
本発明はまた、トレイ内に複数のコンパートメントを有し、したがって上段トレイの一部のみを開放する可能性を与えることができる。このようにして、いくつかのコンパートメントへのアクセスは、アクセス制御装置によってブロックすることもできる。
【0013】
センサを統合することで、開口部のソフトウェア制御、トレーサビリティ、フロートの内容物の安全性を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施形態及びその利点をより完全に理解するために、以下に簡単に説明する添付の図と併せて、参照により以下の説明を行う。
【0015】
【
図1】
図1は、様々な例示的な実施形態に従ったゲーミングテーブルの図面である。
【0016】
【
図2】
図2は、様々な例示的な実施形態に従ったネットワーク化された環境の図面である。
【0017】
【
図3】
図3は、様々な例示的な実施形態に従ったチップトレイである。
【0018】
【
図4】
図4は、本開示の様々な例示的な実施形態に従ったチップトレイの構成要素の分解図である。
【0019】
【
図5】
図5は、本開示の様々な実施形態によるチップトレイの構成要素の分解図を示す。
【0020】
【
図6】
図6は、本開示の様々な実施形態によるチップチューブの構成要素を示す。
【0021】
【
図7】
図7は、本開示の様々な実施形態に従ったゲーミングチップ収納列の一部を図示している。
【0022】
【
図8】
図8は、本開示の様々な実施形態に従って、
図2のネットワーク化された環境で採用される例示的なコンピューティングデバイスを示す概略ブロック図である。
【0023】
【
図9】
図9は、第2の実施形態に従ったチップトレイの斜視図である。
【0024】
【
図10】
図10は、第2の実施形態によるチップトレイ104の下段トレイを開いた状態での断面図である。
【0025】
【
図11】
図11は、第2の実施形態によるチップトレイを、下段トレイに上段トレイを収容した状態での断面図である。
【0026】
【
図12】
図12は、第2実施形態によるチップチューブ部品(小型円形チップ用)の斜視図である。
【0027】
【
図13】
図13は、第2の実施形態に従ったチップチューブ部品(大型円形チッ用)の斜視図である。
【0028】
【
図14】
図14は、第2の実施形態によるチップチューブ部品(プラーク用)の斜視図である。
【0029】
【
図15】
図15は、第3の実施形態によるチップトレイの斜視図である。
【0030】
【
図16】
図16は、第3の実施形態によるチップトレイの断面図である。
【0031】
【
図17】
図17は、第3の実施形態に従った回収チップチューブ部品の斜視図である。
【0032】
【
図18】
図18は、第3の実施形態に従った回収チップチューブ部品の断面図である。
【0033】
【
図19】
図19は、第3の実施形態によるチップチューブ部品(ゲーミングチップ用)の斜視図である。
【0034】
【
図20】
図20は、第3の実施形態に従ったチップチューブ部品(プラーク用)の斜視図である。
【0035】
【
図21】
図21は、第3の実施形態によるスペーサ部品の斜視図である。
【詳細な説明】
【0036】
図面は、例示的な実施形態のみを示しており、他の同様に有効な実施形態が本開示の範囲及び精神の範囲内にあるため、本明細書に記載された範囲を限定するものと考えてはならない。図面に示された要素及び特徴は、必ずしも縮尺で描かれているわけではなく、代わりに、実施形態の原理を明確に示すことに重点が置かれている。さらに、特定の寸法は、特定の原理を視覚的に伝えるのに役立つように誇張されてもよい。図面では、図の間の類似の参照数字は、類似又は対応するが、必ずしも同じではない要素を示す。
【0037】
以下の段落において、実施形態は、添付の図面を参照して例示的にさらに詳細に説明される。説明において、周知の構成要素、方法、及び/又は処理技術は、実施形態を不明瞭にしないように、省略され、又は簡潔に記載されている。本明細書で使用されるように、「本開示」は、本明細書に記載された実施形態のうちの任意の1つ及び任意の同等物を指す。さらに、「本開示の実施形態」の様々な特徴を参照することは、すべての実施形態が参照された特徴を含まなければならないことを示唆するものではない。
【0038】
実施形態のうち、本開示のいくつかの側面は、説明され、図示されているように、1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムによって実行される。当技術分野における通常の技術を有する者には明らかなように、1つ以上の実施形態は、様々な形態のコンピュータ読み取り可能な命令によって少なくとも部分的に実装されてもよく、本開示は、プロセッサによって実行される特定のセット又は命令のシーケンスに限定されることを意図していない。
【0039】
本明細書に記載された実施形態は、以下の説明に記載された詳細に適用されるか、又は図面に図示された詳細に限定されるものではない。開示された主題は、他の実施形態を実施することが可能であり、様々な方法で実施されるか、又は実施される。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明の目的のためのものであり、限定的であるとみなされるべきではない。本明細書で使用される「含む」、「構成する」、又は「有する」の使用及びその変形は、その後に記載された項目、追加の項目、及びそれらの等価物を包含することを意味する。接続されている」及び「結合されている」という用語は広義に使用され、直接的及び間接的な接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続されている」及び「結合されている」という用語は、電気的、物理的、又は機械的な接続又はカップリングに限定されない。本明細書で使用されるように、「機械」、「コンピュータ」、「サーバ」、及び「ワークステーション」という用語は、単一のプロセッサを有するデバイスに限定されるものではなく、システム内でリンクされた複数のデバイス(例えば、コンピュータ)、複数のプロセッサを有するデバイス、特殊目的デバイス、様々な周辺機器及び入出力デバイスを有するデバイス、コンピュータ又はサーバとして機能するソフトウェア、及び上記の組み合わせを包含することができる。
【0040】
本明細書で使用されるゲーミングチップという用語は、カジノ、ゲーミングルーム、又はデジタルゲームで使用され得る任意のチップ、プラーク、ジェトン、又は他のゲーミング通貨を含むことができる。各ゲーミングチップは、予め定められた値を表すことができ、又は定められていない値を表すことができる。ゲーミングチップは、カジノでの使用条件に抵抗するのに十分に堅固な構造を得るために、剛性のあるプラスチック材料又は粘土から作ることができる。ゲーミングチップは、カジノの至る所で使用することができる。例えば、ゲーミングテーブルにおいて、ゲーミングチップは、プレイ又はハンドの終了時に受け取ることができ、現金を受け取ってゲーミングチップを払い出す(バイイン)ことができ、プレイ中にゲーミングチップを払い出すことができる。キャッシャーエリアでは、ゲーミングチップを受け取り、現金を払い出す(キャッシュアウト)ことができる。あるいは、現金を受け取り、ゲーミングチップを払い出す(バイイン)ようにしてもよい。
【0041】
<第1の実施形態>
次に図面に目を向けると、例示的な実施形態が詳細に記載されている。
図1を参照して、示されているのは、本開示の様々な実施形態によるゲーミングテーブル100である。ゲーミングテーブル100は、他の構成要素のうちチップトレイ103を含む。チップトレイ103は、1つ以上のチップチューブ部品106、例えば、チップチューブ部品106a、106b、及び106cを含むことができる。チップトレイ103の筐体は、ロック可能な蓋109を含むことができる。
【0042】
チップトレイ103の筐体は、チップトレイ103へのアクセスを制限するためにロック可能な蓋109を含むことができる。賭博ゲームが作動しているときには、蓋109は完全に取り外され得る。同様に、賭博テーブルが開いているときには、蓋109は、従業員が望ましい場合には蓋を持ち上げることができるようにロックを解除することができる。賭博ゲームが閉じているときには、蓋109をロックすることができる。
【0043】
図2を参照して、様々な実施形態によるネットワーク化された環境103が示されている。ネットワーク化された環境103は、コンピューティング環境203と、1つ以上のゲーミングテーブル100内に配置された1つ以上のゲーミングテーブル装置206と、ネットワーク212を介して互いにデータ通信している1つ以上のカメラ209とを含む。ネットワーク212は、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又は他の適当なネットワーク等、又はそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、そのようなネットワークは、衛星ネットワーク、ケーブルネットワーク、イーサネットネットワーク、及び他のタイプのネットワークから構成されてもよい。
【0044】
コンピューティング環境203は、例えば、サーバコンピュータ又はコンピューティング能力を提供する他の任意のシステムを含むことができる。代替的に、コンピューティング環境203は、例えば、1つ以上のサーババンク又はコンピュータバンク又は他の配置に配置されてもよい複数のコンピューティングデバイスを採用してもよい。そのようなコンピューティングデバイスは、単一の設置場所に配置されてもよいし、多くの異なる地理的な場所に分散して配置されてもよい。例えば、コンピューティング環境203は、ホストコンピューティングリソース、グリッドコンピューティングリソース、及び/又は任意の他の分散コンピューティング配置を一緒に構成してもよい複数のコンピューティングデバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティング環境203は、処理、ネットワーク、ストレージ、又は他のコンピューティング関連リソースの割り当てられた容量が時間の経過とともに変化する、弾力性のあるコンピューティングリソースに対応してもよい。
【0045】
様々な実施形態に従って、様々なアプリケーション及び/又は他の機能がコンピューティング環境203で実行されてもよい。また、様々なデータは、コンピューティング環境203にアクセス可能なデータストア215に収納される。データストア215は、理解され得るように、複数のデータストア215の代表的なものであってもよい。データストア215に収納されたデータは、例えば、以下に説明する様々なアプリケーション及び/又は機能エンティティの動作に関連付けられる。データストア215は、他のデータのうち、通貨データ218及びゲーミングデータ221を含むことができる。
【0046】
コンピューティング環境203上で実行される部品は、例えば、ゲーミングサービス227、及び本明細書で詳細に論じない他のアプリケーション、サービス、プロセス、システム、エンジン、又は機能を含む。ゲーミングサービス227は、1つ以上のテーブル206上で使用されるゲーミングチップを認識するために実行される。一例として、賭博ゲームの間、ゲーミングチップのスタックをゲーミングテーブル100上の様々な位置に配置することができる。ゲーミングテーブル100の1つ又は複数の画像を撮影することができ、ゲーミングサービス227は、画像内のゲーミングチップの1つ又は複数のスタックを識別し、各スタック内のゲーミングチップを数え、ゲーミングチップのデノミネーションを評価することができる。ゲーミングサービス227に関連して説明したような機能の一部又は全部が、ゲーミングテーブル100のコンピューティングデバイスを含むゲーミングテーブルデバイス206で実行され得ることが理解されよう。
【0047】
通貨データ218は、例えば、RFIDタグ識別子、バーコード識別子、色情報を含む視覚的特徴、及び他の識別子など、ゲーミングチップに関連付けられた任意の識別子を含む、すべてのアクティブなゲーミングチップのリストを含むことができる。ゲーミングデータ221は、受信したセンサ入力の履歴、及び任意の構成、較正、及び制御設定を記憶することができる。
【0048】
ゲーミングテーブル100は、ネットワーク212に結合され得る複数のゲーミングテーブルの代表である。ゲーミングテーブル装置206は、例えば、コンピュータシステムのようなプロセッサベースのシステムを有する1つ以上のコンピューティング装置を含むことができる。そのようなコンピュータシステムは、組み込みコンピューティングデバイス又は同様の能力を有する他のデバイスの形態で具現化されてもよい。ゲーミングテーブル100は、1つ以上のカメラ230、1つ以上のセンサ233、チップトレイ103、1つ以上のベットスポット239、チップリサイクル装置242、及びビルバリデータ245を含むことができる。
【0049】
カメラ209と同様に、カメラ230は、ゲーミングテーブル100の表面の画像を撮影することができる。ゲーミングテーブル装置206又はカメラ230は、ネットワーク212を介して、画像をゲーミングサービス227に送信することができる。画像は、ゲーミングテーブル100の表面のビデオストリームとしてゲーミングサービス227に送信することができる。ゲーミングサービス227は、カメラ209、230から様々な角度から画像を受信することができる。センサ233は、RFIDアンテナ、ビデオバーコードスキャナ、体重計などを含むことができる。センサ233は、ゲーミングテーブル上でプレイされたゲーミングチップを識別するために使用することができる。
【0050】
ゲーミングサービス227は、RFIDアンテナであるセンサ233から読み取られた情報に基づいてRFID通貨を検証することができる。RFIDアンテナは、チップトレイ103、ベットスポット239の各々、チップリサイクル装置242、及び別の位置に配置することができる。ゲーミングテーブル装置206は、RFIDアンテナを用いて、RFID対応ゲーミングチップからRFIDタグを読み取ることができる。RFIDタグからの情報は、RFIDアンテナがRFIDタグを読み取ったことに関連するデータと共に記憶することができる。例えば、1つ以上のRFID対応ゲーミングチップからの識別子は、特定のベットスポット239でRFIDアンテナによって読み取ることができる。
【0051】
図3を参照して、示されているのは、本開示の様々な実施形態に従ったチップトレイ103である。チップトレイ103は、ゲーミングチップを収納するための収納ラックを含むことができる。チップトレイ103は、カジノゲーミングチップを安全に保管するために、ゲーミングテーブルに配置することができる。チップトレイ103は、ディーラーやマネージャーなどの従業員が使用することができる。
【0052】
ゲーミングチップは、異なる理由で異なる形状及びサイズを有することができる。一例として、ゲーミングチップのサイズ及び形状は、デノミネーションに基づいて異なることができる。ゲーミングチップが対象としている人口のカテゴリは、サイズ及び形状に影響を与えることができる。例えば、マスマーケット、重要人物(VIP)、プレミアム、その他のカテゴリを対象としたゲーミングチップは、様々なサイズと形状を持つことができる。
【0053】
カジノ運営者は、使用されるチップトレイ103のレイアウトに関して好みを持つことができる。好みは、カジノの歴史や地域を含む様々な要因に依存することができる。ほとんどのカジノは、賭博ゲーム及び正確な場所の通貨のニーズに応じて、チップトレイ103を適応させるか、又はカスタマイズする。射出成形されたチップトレイ103では、それらのカスタマイズがチップトレイ103内の収納領域のレイアウトの変更を伴う場合、新たな射出成形金型が必要になることがあり、これは製造コストを大幅に増加させる可能性がある。
【0054】
カジノにとって、ゲーミングテーブルの回転率、ゲーミングテーブルでのフィルとクレジット、及びゲーミングテーブルの開閉などを管理するために、チップトレイ103内のゲーミングチップの現在の額及び枚数を知ることは重要であり得る。カジノ運営者は、ゲーミングチップの数を目視で確認することができる。しかし、これは非現実的であり、時間がかかる場合がある。他の実施形態では、RFID対応チップ及びプラークが利用される場合、カジノ運営者はRFIDチップトレイを利用することができる。
【0055】
RFIDを装備しているか否かにかかわらず、チップトレイ103の場合、必要とされるカスタマイズは、行の数及び各行の構成を含むことができ、カスタマイズされた設計に対応するための新しい設計及び金型のような特定の製造ツールを含むことができる。カスタマイズされた構成は、チップトレイの全体的な容量の定義、異なる列に収納されるゲーミングチップの直径の定義、ゲーミングチップの形状の定義などの構成を含むことができる。ゲーミングチップの形状は、カジノ運営者がより大きな長方形のプラークを収納したい場合には、長方形であってもよい。
【0056】
カジノ運営者は、チップトレイ103の中段の列に高いデノミネーションを収納し、チップトレイ103の外段の列に小さいデノミネーションを収納してもよい。より高いデノミネーションを有するゲーミングチップは、より大きな直径、例えば45ミリ(mm)又は48ミリ(mm)を有することができる。低いデノミネーションを有するゲーミングチップは、39ミリ(mm)又は40ミリ(mm)のような小さな直径を有することができる。このような直径のばらつきは、ゲーミングチップを積み重ねる際に、ゲーミングチップを差別化してミスを防止するのに役立つ。
【0057】
チップトレイ103のカスタマイズを容易にするために、チップチューブ部品106の構成を変更可能にすることができる。このチップチューブ部品システムは、設計コストや工具コストを削減することができるとともに、一群のテーブル上のトレイの構成を簡単かつ短時間で変更するソリューションを提供することができる。チップトレイ103は、スケーラブルでモジュール化できるように開発されている。いくつかの実施形態では、チップトレイ103はRFIDに対応している。
【0058】
チップトレイ103は、固定された幅を有することができる。固定サイズの筐体も使用することができる。いくつかの実施形態では、固定幅及び固定サイズの筐体のセットを使用して、好みに基づいて、より大きなチップトレイ103及びより小さなチップトレイ103を可能にすることができる。チップトレイ103は、チューブ303を含むことができるチップチューブ部品106を用いて組み立てることができる。チューブ303の各々は、ゲーミングチップの特定の形状及びサイズを保持するように構成することができ、これは、例えば、円形、長方形、又は他の形状のゲーミングチップを含むことができる。
【0059】
チップトレイ103は、チップチューブ部品106の支持を提供するためのベース構造306と、トリムカバー309とを含むことができる。いくつかの実施形態では、トリムカバー309は、チップチューブ部品106を所定の位置に固定するために、ベース構造306に着脱可能に結合することができる。一例として、トリムカバー309上のタブは、トリムカバー309を所定の位置に保持するために、ベース構造306上のスロットにクリックすることができる。トリムカバー309は、チップチューブ部品106を所定の位置に保持するために、チップチューブ部品106の外縁を覆うことができる。
【0060】
チップチューブ部品106は、1つ以上のチューブ303を有することができ、各チューブ303はゲーミングチップ収納列と呼ばれる。カジノ運営者は、利用可能なスペースを埋めるようにチップチューブ部品106を組み立てることができる。チップトレイは、カジノの現在のニーズに基づいてカスタマイズすることができる。いくつかの実施形態では、ゲーミングチップの重量は、チップチューブ部品106を所定の位置に固定するために使用することができる。チップチューブ部品106の端部は、チップチューブ部品106を所定の位置に固定するために結合することができる。いくつかの実施形態では、隣接するチップチューブ部品106のエッジは、エッジの形状に基づいて一緒にロックすることができる。
【0061】
一実施形態では、チップチューブ部品106はそれぞれ2~3個のゲーミングチップ収納列303を有し、チップトレイ100は、1個以上のチップチューブ部品106を組み立てることにより、合計12~16個のゲーミングチップ収納列303を有することができる。ゲーミングチップ収納列は、35mm、40mm、41mm、45mm、又は別の直径サイズのラウンドゲーミングチップを収納するように構成することができる。ゲーミングチップ収納列は、85mm又は他の直径サイズの長方形のゲーミングチップを保持するように構成することができる。カジノフロアの異なるゲーミングテーブル100は、それぞれのチップトレイ103上に異なる構成のチップチューブ部品106を配置することができる。さらに、各ゲーミングテーブル100のチップトレイ103は、異なるチップチューブ部品106を収容するために、迅速かつ容易に変更することができる。
【0062】
図4を参照して、本開示の様々な実施形態に従った例示的なチップトレイ103の選択された部品400の分解図が示されている。構成要素400は、チップチューブ構成要素106a、106b、及び106c、スペーサ構成要素403及び406、RFIDアンテナ409、ベース412、及び潜在的に他の構成要素を含む。
【0063】
チップチューブ構成要素106a-cは、チップトレイ103の固定幅にまたがるように一緒に組み立てることができる。スペーサ部品403及び406は、固定幅全体にまたがるように、残りのスペースを埋めるために使用することができる。各チップチューブ部品106の幅は、各チップチューブ内に収納されるゲーミングチップのサイズ及びチップチューブの数に基づいてもよい。様々な実施形態では、様々な固定サイズの様々なチップチューブ部品106が選択可能であるため、組み立てられたチップチューブ部品106のスパンは、チップトレイ103の固定スパン内に収まるように正確に設定されていない場合がある。そのため、チップトレイ103の側面とチップチューブ部品106との間に隙間が存在する場合がある。スペーサ部材403、406は、正確な嵌め込みを容易にするために、チップチューブ部品106の側面に結合され得る。
【0064】
1つ以上のRFIDアンテナ409を、チップチューブ部品106の下に配置することができる。いくつかの実施形態では、RFIDアンテナ409は、チップトレイ103のための筐体のベース412の下にゲーミングテーブル100内に設置される。RFIDアンテナ409は、チップトレイ103がゲーミングテーブル100に挿入されたときにRFIDアンテナ409を損傷から保護するためにカバーすることができる。また、RFIDアンテナ409は、改ざんを防止するために、セキュリティ上の理由から、ゲーミングテーブル100にロックされていてもよい。
【0065】
RFIDアンテナ409は、ゲーミングサービス227(
図2)を介して、チップチューブ部品106内に配置されたゲーミングチップを読み取るように構成することができる。読取りの結果は、チップトレイ103内のゲーミングチップの数量及び額を示すディスプレイ上でディーラーに表示することができる。ディスプレイはまた、読み取ったゲーミングチップのすべてが正常に認証されたか否かを示す認証結果を含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、テーブル上に、読み取り又は認証の成功又は失敗を示す1つ以上のインジケータ、例えば、LEDインジケータを含むことができる。いくつかの実施形態では、チップトレイ103は、1つ以上のRFIDアンテナが使用されている場合に、シールドを含むことができる。
【0066】
図5を参照して、本開示の様々な実施形態に従った例示的なチップトレイ103の選択された構成要素500の分解図が示されている。構成要素500は、チップチューブ構成要素106d、106e、及び106f、スペーサ構成要素403及び406、ならびに潜在的に他の構成要素を含む。チップチューブ部品106は、第1の側面にカップリングエッジを有し、第1の側面とは反対側の第2の側面にカップリングエッジを有することができる。カップリングエッジは、結合部503において互いに嵌合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、カップリングエッジは、チップチューブ部品106が、互いに対向してカップリングエッジに沿って反対方向にスライドしない限り、隣接するチップチューブ部品106の切断を防止することができる。示されたカップリングエッジは、引っ掛け機構に対応するが、他の実施形態では、トングアンドグローブジョイント、フィンガージョイント、又は他のタイプのエッジジョイントなどの他のタイプのエッジジョイントを使用することができる。示されているように、スペーサ部材403、406はまた、隣接するチップチューブ部品106とエッジ結合するための結合エッジを含むことができる。
【0067】
図6を参照して、本開示の様々な実施形態による例示的なチップチューブ部品106が示されている。チップチューブ部品106は、1つ以上のチューブ303a~303cを含むことができる。チップチューブ部品106は、第1の結合縁603と、第1の結合縁に対向する第2の結合縁606とを有することができる。いくつかの実施形態では、前縁609及び/又は後縁(図示せず)は、スペーサ部品403及び406と同様に、前後のスペーサ部品に結合するための結合縁を有することができる。
【0068】
チップチューブ部品106は、3Dプリンタ又はプラスチック及び金属材料の他の任意の製造プロセスを使用して作成することができる。例として、材料の除去又は機械加工は、チップチューブ部品106を形成するために使用することができる。また、チップチューブ部品106は、成形又は射出成形されてもよい。
【0069】
各チップトレイ103の構成を容易にするために、チップチューブ部品106のカタログをカジノ運営者に提供することができる。RFIDが利用されている場合、1つ又は複数のRFIDアンテナ及び潜在的に遮蔽板をチップチューブ部品106の下に配置することができる。RFIDアンテナ及び遮蔽板は、チップチューブ部品106の構成に関係なく、トレイから離れた完全な幅を覆うようにすることができる。
【0070】
図7を参照して、本開示の様々な実施形態による例示的なゲーミングチップ収納列303dの一部700の上面図が示されている。チップチューブ部品106は、1つ又は複数のゲーミングチップストレージ列303dを含むことができる。ゲーミングチップ収納列303dは、1つ以上の長方形のプラークを空間703内に保持することができる。エッジ706は、指がプラークに手を伸ばしてプラークをつかむためのスペースを提供する一方で、プラークのための水平支持を提供することができる。
【0071】
図8に目を向けると、コンピューティングデバイス800の例示的なハードウェア図が示されている。ゲーミングサービス227は、コンピューティングデバイス800の1つ又は複数の要素を使用して、部分的に実装されてもよい。コンピューティングデバイス800は、プロセッサ810、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)820、リードオンリーメモリ(「ROM」)830、メモリデバイス840、ネットワークインターフェース850、及び入力出力(「I/O」)インターフェース860のうちの1つ又は複数を含むことができる。コンピューティングデバイス800の要素は、バス802を介して通信的に結合されている。
【0072】
プロセッサ810は、演算プロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、又は他のタイプのハードウェア又はソフトウェアプロセッサを含むことができる。RAM及びROM820及び830は、プロセッサ810によって実行されるコンピュータ可読命令を記憶するメモリを含むことができる。メモリ装置830は、プロセッサ810によって実行されると、本明細書に記載された本開示の様々な局面を実行するようにプロセッサ810に指示するコンピュータ可読命令をそこに記憶する。プロセッサ810がASICを含む場合、本明細書に記載されるプロセスは、ASICの組み込み回路設計に従って、ASICによって、ASICのファームウェアによって、又はASICの組み込み回路設計とファームウェアの両方によって実行されてもよい。非限定的な例示的グループとして、記憶装置830は、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ(すなわち、半導体、フローティングゲート、又は同様のフラッシュベースのメモリ)、磁気テープメモリ、リムーバブルメモリ、それらの組み合わせ、又はコンピュータ読み取り可能な命令を記憶するための任意の他の既知の記憶手段のうちの1つ又は複数を構成する。ネットワークインターフェース850は、データネットワークを介して通信するためのハードウェアインターフェースを含むことができる。I/Oインターフェース860は、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ、通信、及び他のインターフェースなどのデバイス入出力インターフェースを含むことができる。バス802は、プロセッサ810、RAM820、ROM830、メモリデバイス840、ネットワークインターフェース850、及びI/Oインターフェース860を電気的及び通信的に結合し、データ及び命令がそれらの間で通信され得るようにすることができる。
【0073】
動作において、プロセッサ810は、メモリ装置840、RAM820、ROM830、又は別の記憶手段に記憶されたコンピュータ読み取り可能な命令を取得し、コンピュータ読み取り可能な命令を、例えば実行のためにRAM820又はROM830にコピーするように構成されている。プロセッサ810は、本開示の様々な側面及び特徴を実施するために、コンピュータ可読命令を実行するようにさらに構成される。例えば、プロセッサ810は、ゲーミングサービス227によって実行されると記載されたプロセスを含む、
図2を参照して上述したプロセスを実行するように適合され、構成されていてもよい。また、記憶装置840は、データベース215に収納されたデータを収納してもよい。
【0074】
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態によるチップトレイ104の斜視図である。チップトレイ1004は、上段トレイ1041と下段トレイ1042とによって構成された二重チップトレイである。
図10は、下段トレイ1042を開放した状態におけるチップトレイ104の断面図であり、
図11は、上段トレイ1041が下段トレイ1042に収容された状態におけるチップトレイ104の断面図である。
【0075】
下段チップトレイ1042は、その上面が開放された直方体形状を有し、その内部の下面にチップチューブ部品106が並んで配置されている。上段チップトレイ1041は、その上面が開放されたトレイ形状を有し、チップチューブ部品106がその内部の底面に並んで配置されている。上段チップトレイ1041は、下段チップトレイ1042に収納されたチップの上から下段チップトレイ1042に収納することができる。
【0076】
上段トレイ1041は、リンク機構1043を介して下段トレイ1042に移動可能に連結されている。ハンドル1044を持ち上げることにより、上段トレイ1041の姿勢を保ったまま、上段トレイ1041を下段トレイ1042から斜め上方に移動させ、下段トレイ1042の上面を開放状態にすることができる。
【0077】
図示は省略するが、上段トレイ1041の下面には、上段トレイ1041に収納されたゲーミングチップに埋め込まれたRFIDタグを読み取るためのRFIDアンテナが設けられ、下段トレイ1042の下面にも、下段トレイ1042に収納されたゲーミングチップに埋め込まれたRFIDタグを読み取るためのRFIDアンテナが設けられている。なお、上段トレイ1041のRFIDアンテナが下段トレイ1042に収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らないように、あるいは下段トレイ1042のRFIDアンテナが上段トレイ1041に収納されたゲーミングチップのRFIDタグを読み取らないように、RFIDアンテナからの電磁波を遮断するシールドや、RFIDアンテナからの電磁波を部分的に打ち消したり弱めたりするための電磁波を発生させるジャミングアンテナを用いてもよい。
【0078】
図12は本実施形態に係るチップチューブ部品(小円形チップ用)の斜視図、
図13は本実施形態に係るチップチューブ部品(大円形チップ用)の斜視図、
図14は本実施形態に係るチップチューブ部品(プラーク用)の斜視図である。各チップチューブ部品は、1つのゲーミングチップ収納列によって構成されている。小円形チップ用チップチューブ部品106、大円形チップ用チップチューブ部品106及びプラーク用チップチューブ部品106は、それぞれ、そこに収納されるゲーミングチップのサイズに対応して、その幅が異なっている。
【0079】
各チップチューブ部品106の側面の一面は平坦面であり、チップチューブ部品106を結合したときにこの平坦面が互いに接触して、側面同士の間には隙間が形成されていない。上述したように、隣接するチップチューブ部品106が右端部及び左端部で互いに結合した際に、結合部分において垂直方向に隣接するチップチューブ部品106が互いに重なるような構造ではないので、後述する固定L字アングル1051を外すことにより、各チップチューブ部品106を他のチップチューブ部品106とは別に上段トレイ1041又は下段トレイ1042に独立して着脱することが可能となり、各チップチューブ部品106は上段トレイ1041又は下段トレイ1042に着脱可能となる。
【0080】
上段トレイ1041及び下段トレイ1042のそれぞれにおいて、チップチューブ部品106は、前端が上側、かつ、後端が下側に来るように、やや傾斜した状態で配置されている。さらに、上段トレイ1041用のチップチューブ部品106は、下段トレイ1042用のチップチューブ部品よりも長手方向に短くなるように形成されている。
【0081】
チップチューブ部品106の長手方向の前端部及び後端部には、それぞれ保持フランジ1061及び1062が形成されている。後端の保持フランジ1062は、上段トレイ1041及び下段トレイ1042にそれぞれ形成されたロック溝1045及び1046に嵌合する。チップチューブ部品106の前端部は、前端部のフランジ1061を上方から保持する固定L字アングル1051によって上段トレイ1041及び下段トレイ1042に固定されている。また、固定L字アングル1051は、ネジ1052により上段トレイ1041及び下段トレイ1042にそれぞれ固定されている。
【0082】
チップチューブ部品106の前端部及び後端部は開放されている。チップチューブ部品106が上段トレイ1041又は下段トレイ1042に装着された状態では、上段トレイ1041及び下段トレイ1042は、ゲーミングチップの平面を傾斜方向に支持する。
【0083】
<第3の実施形態>
図15は、第3の実施形態によるチップトレイ108の斜視図である。本実施形態のチップトレイ108も、第2の実施形態と同様に、上段トレイ1081と下段トレイ1082とを含む二重チップトレイである。チップトレイ108は、回収チップチューブ部品107をさらに備えている。回収チップチューブ部品107は、チップチューブ部品106の一種であり、複数の(2つの)チューブ303を有する。回収チップチューブ部品107は、ゲームに負けたプレイヤから回収されたチップを一時的に保管するためのトレイである。
【0084】
図16は、チップトレイ108の断面図である。
図16に示すように、回収チップチューブ部品107は、下段トレイ1082に収容される上段トレイ1081と水平になるように下段トレイ1082に嵌め込まれている。回収チップチューブ部品107の下方には空間が設けられ、その空間内にカメラ(図示せず)が配置されている。
【0085】
図16に示すように、下段トレイ1041のチップチューブ部品106の配列方向の両端部には、スペーサ部材407が設けられている。このようなスペーサ部材407を用いることで、円形のゲーミングチップ用チップチューブ部品106とプラーク用チップチューブ部品106という幅が互いに異なるチップチューブ部品106を任意の数で組み合わせて、下段トレイ1081内に配置することができる。また、上段トレイ1081においても、スペーサ部材407を用いることにより、円形ゲーミングチップ用チップチューブ部品106とプラーク用チップチューブ部品106とを任意の数で組み合わせて、同様に配置することができる。
【0086】
図17は、回収チップチューブ部品107の斜視図であり、
図18は回収チップチューブ部品107の断面図である。回収チップチューブ部品107の各チューブ303には、チューブ長手方向(すなわちゲーミングチップの積層方向)にスリット1071が形成されている。回収チップチューブ部品107の下方に配置されたカメラは、スリット1071から露出したゲーミングチップの側面を撮影する。カメラとスリット1071との間には、複数のミラーが設けられており、スリット1071を照らす照明光も設けられている。複数のミラーは、照明光によって照明されたスリット1071からの反射光をカメラのレンズに導く。
【0087】
本実施形態で使用されるゲーミングチップは、その側面表面に厚さ方向にストライプ状のパターンが形成されている。ストライプパターンは、着色層を共通色層で挟んで形成されている。着色層の色は、ゲーミングチップのデノミネーション(価値)ごとに設定されている。より具体的には、着色層の色がゲーミングチップのデノミネーションを表現する。共通色は、異なるデノミネーションを有するチップに共通して用いられる。以上のような構成によれば、ゲーミングチップを積層した際に、デノミネーションを判別するための着色層が互いに隣接しておらず、ゲーミングチップのデノミネーションをゲーミングチップ毎に判別することができる。
【0088】
演算装置800は、カメラの撮影画像に対して画像解析を行うことにより、回収チップチューブ部品107に収納されているゲーミングチップの各々におけるデノミネーションを特定する。なお、回収チップチューブ部品107にRFIDアンテナを設け、回収チップチューブ部品107に収納されているゲーミングチップのRFIDタグをRFIDアンテナで読み取るようにしてもよい。このとき、演算装置800は、カメラの撮影画像から取得したデノミネーションと、RFIDタグを読み取って取得したデノミネーションとを比較して、回収チップチューブ部品107に収納されているゲーミングチップの検査を行ってもよい。
【0089】
図19は、本実施形態に係るチップチューブ部品(円形ゲーミングチップ用)の斜視図であり、
図20は、本実施形態に係るチップチューブ部品(プラーク用)の斜視図である。各チップチューブ部品は、1つのゲーミングチップ収納列によって構成されている。小円形チップ用チップチューブ部品106とプラーク用チップチューブ部品106は、ゲーミングチップの大きさに対応してその幅が異なっている。
【0090】
本実施形態に従ったチップチューブ部品106は、その前端部は開放されているが、後端部にはゲーミングチップを支持する後端壁1063を有している。その結果、ゲーミングチップをチップチューブ部品106に収納した状態で、チップチューブ部品106が上段トレイ1081又は下段トレイ1082から取り外された場合でも、ゲーミングチップをチップチューブ部品106に安定して保持することができる。
【0091】
図21は、本実施形態に従ったスペーサ部材の斜視図である。スペーサ部材407の前端部及び後端部には、チップチューブ部品106と同様に、フランジ4071及び4072が形成されている。その結果、スペーサ部品407もまた、チップチューブ部品106と同様に、L字型のアングル1081(
図15参照)によって、上段トレイ1081又は下段トレイ1082に固定される。なお、
図20では、スペーサ部材407の一例を図示しているが、幅の異なる複数種類のスペーサ部材407を用意し、使用するチップチューブ部品106の種類や数に対応させて使用してもよい。
【0092】
回収チップチューブ部品107の下に設置されるカメラは、可視光カメラであってもよいし、回収チップチューブ部品107内のゲーミングチップの個数のみを検出するために使用される赤外線カメラであってもよい。
【0093】
回収チップチューブ部品107の下に設置されたカメラによる認識が不要な場合には、カメラを設置せず、RFIDのみでチップチューブ部品106内の他のチップとは独立して回収チップを検出するようにしてもよい。
【0094】
チップトレイの薄型化を図るために、上段トレイ1041の下面のみにRFIDアンテナを設けてもよい。この場合、RFIDアンテナは、上段トレイ1041に収納されている円形ゲーミングチップ又はプラークに埋め込まれたRFIDタグと、下段トレイ1042に収納されている円形ゲーミングチップ又はプラークに埋め込まれたRFIDタグとの両方を読み取るようにしてもよい。また、上段トレイ1041が下段トレイ1042に収容されている場合には、上段トレイ1041と下段トレイ1042に収容されている全てのRFIDタグが単一のRFIDアンテナで読み取られてよく、上段トレイ1041が下段トレイ1042から外れている場合には、上段トレイ1041に収容されているRFIDタグが単一のRFIDアンテナで読み取られてよい。この場合、ゲーミングチップ内のRFIDタグと上段トレイ1041の下面に設けられたRFIDアンテナとの距離が一定となるように下段トレイ1042を設計することが好ましい。
【0095】
上段トレイ1041の下面と下段トレイ1042の下面にそれぞれRFIDアンテナを設けた場合、上側アンテナが上段トレイ1041のゲーミングチップのみを読み取り、下側アンテナが下段トレイ1042のゲーミングチップと上段トレイ1041のゲーミングチップの一部又は全部を読み取るようにしてもよいし、上側アンテナが上段トレイ1041のゲーミングチップの一部又は全部を読み取り、下側アンテナが下段トレイ1042のゲーミングチップのみを読み取るようにしてもよい。これらのいずれにおいても、上側アンテナと下側アンテナからの読み取り結果の集合的な関係を検証することで、上段トレイ1041内のゲーミングチップと下段トレイ1042内のゲーミングチップのそれぞれを決定することが可能である。
【0096】
特に明記されていない限り、「X、Y、又はZの少なくとも1つ」のような語句は、項目、用語等がX、Y、又はZのいずれか、又はその任意の組み合わせ(例えば、X、Y、及び/又はZ)であり得ることを提示するために一般的に使用される文脈で理解されるべきである。同様に、「X、Y、及びZの少なくとも1つ」は、特に明記されない限り、項目、用語等がX、Y、及びZ、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y、及び/又はZ)のいずれかであり得ることを提示するために理解されるべきである。したがって、本明細書で使用されるように、そのような言い回しは、一般に、特定の実施形態では、X、Y、又はZのいずれかの少なくとも1つが存在することを必要とするが、例えば、1つのX及び1つのYが存在することを必要としないことを暗示するものではなく、また、そのような言い回しは、特定の実施形態では、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つのそれぞれが存在することを必要とすることを暗示するものではないはずである。
【0097】
実施形態が本明細書に詳細に記載されてきたが、その記述は例示のためのものである。本明細書に記載された実施形態の特徴は代表的なものであり、代替的な実施形態では、特定の特徴及び要素が追加又は省略されてもよい。さらに、本明細書に記載された実施形態の側面への修正は、以下の請求項に定義された本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者であれば行うことができ、その範囲は、修正及び同等の構造を包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。