(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169338
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】オイルセパレータ及び圧縮空気乾燥システム
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20231121BHJP
【FI】
B01D46/00 301
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023155702
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2022108091の分割
【原出願日】2015-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】510063502
【氏名又は名称】ナブテスコオートモーティブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】湊 一郎
(72)【発明者】
【氏名】川浪 裕昭
(57)【要約】
【課題】清浄空気の排出音を小さくすることができるオイルセパレータを提供する。
【解決手段】オイルセパレータは、圧縮空気が流入する吸気ポート16と、清浄空気が排出される排気ポート17とが設けられた筐体5aと、筐体5a内に設けられ、圧縮空気を気液分離するフィルタ42とを備える。筐体5aには、フィルタ42に圧縮空気を流入する第1通気孔56と、フィルタ42を通過した清浄空気が流出するフィルタ出口57が設けられる。排気ポート17の開口面積は、フィルタ出口57の開口面積よりも大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気が流入する吸気ポート、及び清浄空気が排出される排気ポートが設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、圧縮空気を気液分離するフィルタ部と、
前記吸気ポートから前記排気ポートまでの通路のうち、前記フィルタ部と前記排気ポートとの間に設けられた整流部と、を備え、
前記整流部は、
複数の貫通孔が設けられた第1多孔板と、
圧縮空気が通過する多数の細孔を有する多孔質材と、
複数の貫通孔が設けられた第2多孔板と、
前記筐体に設けられた抜け防止部材を備え、
前記第1多孔板、前記多孔質材及び前記第2多孔板は、前記抜け防止部材によって前記排気ポートの排出口側への移動が規制され、
前記筐体は、
前記第1多孔板と前記フィルタ部のフィルタ出口との間に空間を有する
オイルセパレータ。
【請求項2】
前記フィルタ部のフィルタ出口は、清浄空気を鉛直方向と平行な第1方向に沿って通過させ、前記第1多孔板は、清浄空気を前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿って通過させる
請求項1に記載のオイルセパレータ。
【請求項3】
前記フィルタ部を通過した清浄空気を流出させるフィルタ出口と前記第1多孔板との間には、清浄空気を膨張させる膨張室が設けられる
請求項1又は2に記載のオイルセパレータ。
【請求項4】
圧縮空気から油分及び水分を除去するロード運転と、除去した油分及び水分を排出口から排出するアンロード運転とを行うエアドライヤと、
前記エアドライヤの排出口に接続するオイルセパレータと、を備え、
前記オイルセパレータは、
圧縮空気が流入する吸気ポート、及び清浄空気が排出される排気ポートが設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、圧縮空気を気液分離するフィルタ部と、
前記吸気ポートから前記排気ポートまでの通路のうち、前記フィルタ部と前記排気ポートとの間に設けられた整流部と、を備え、
前記整流部は、
複数の貫通孔が設けられた第1多孔板と、
圧縮空気が通過する多数の細孔を有する多孔質材と、
複数の貫通孔が設けられた第2多孔板と、
前記筐体に設けられた抜け防止部材を備え、
前記第1多孔板、前記多孔質材及び前記第2多孔板は、前記抜け防止部材によって前記排気ポートの排出口側への移動が規制され、
前記筐体は、
前記第1多孔板と前記フィルタ部のフィルタ出口との間に空間を有する
圧縮空気乾燥システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を通過した空気に含まれる油分を空気から分離するオイルセパレータ及び圧縮空気乾燥システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、バス、建機等の車両は、エンジンと直結したコンプレッサから送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。この圧縮空気には、大気中に含まれる水分やコンプレッサ内を潤滑する油分が含まれている。この水分や油分を含む圧縮空気が各システム内に入ると、錆の発生やゴム部材(Oリング等)の膨潤を招き作動不良の原因となる。このため、コンプレッサの下流には、圧縮空気中の水分や油分を除去するためのエアドライヤが設けられている。
【0003】
エアドライヤには、水分を除去する乾燥剤と、油分を捕捉するフィルタが設けられている。このエアドライヤは、コンプレッサから送られた圧縮空気内の水分を除去する除湿作用と、乾燥剤に吸着させた水分を外部に排出する再生作用とを有する。
【0004】
乾燥剤の再生時にエアドライヤから排出される空気には水分とともに油分も含まれるため、環境負荷を考慮して、エアドライヤのドレン排出口にオイルセパレータが設けられることがある(特許文献1参照)。このオイルセパレータは、水分及び油分を含んだ空気が衝突する衝突材を筐体内に備えており、空気を衝突材に衝突させて空気に含まれる水分及び油分を分離する。分離された油分はオイルセパレータ内に回収され、油分を除去した清浄空気は外部に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、エアドライヤの乾燥剤の再生には、エアドライヤによって乾燥された圧縮空気などが利用される。そのため、オイルセパレータから清浄空気が排出される際、排出音が大きくなるといった問題がある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、清浄空気の排出音を小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するオイルセパレータは、圧縮空気が流入する吸気ポート、及び清浄空気が排出される排気ポートが設けられた筐体と、前記筐体内に設けられ、圧縮空気を気液分離するフィルタ部と、を備え、前記フィルタ部には、前記フィルタ部に圧縮空気を流入させるフィルタ入口と、前記フィルタ部を通過した清浄空気を流出させるフィルタ出口が設けられ、前記排気ポートの開口面積が、前記フィルタ出口の開口面積よりも大きいことを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、排気ポートの開口面積が、フィルタ出口の開口面積よりも大きいため、清浄空気は、フィルタ出口から排気ポートに向かうにつれ流速が低下する。これにより、清浄空気がフィルタ出口を通過して排気ポートから排出されるまでの間に発生する排出音を小さくすることができる。
【0010】
上記オイルセパレータについて、前記フィルタ出口から前記排気ポートまでを含む通路には、複数の貫通孔を有する多孔板が設けられ、前記多孔板の開口面積は、前記フィルタ出口の開口面積よりも大きいことが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、フィルタ部を通過した清浄空気が、多孔板に設けられた複数の貫通孔によって整流されて排気ポート側に排出される。これにより、乱流の発生に伴う騒音を抑制することができる。また、多孔板の開口面積は、フィルタ出口の開口面積よりも大きいため、清浄空気が、フィルタ出口から多孔板に向かうに伴い流速が低下する。これにより、清浄空気の排出音を小さくすることができる。
【0012】
上記オイルセパレータについて、前記フィルタ出口には複数の通気孔が設けられ、前記多孔板は、前記通気孔よりも内径が大きい複数の貫通孔を有することが好ましい。
上記構成によれば、多孔板とフィルタ出口との間で清浄空気の流速を低下させることができる。このように、清浄空気がフィルタ出口から排出される前に流速が低下されるため、清浄空気が排気ポートから排出されるときの排出音を小さくすることができる。
【0013】
上記オイルセパレータについて、前記フィルタ出口から前記排気ポートまでを含む通路には、複数の貫通孔を有する第1多孔板と、当該第1多孔板よりも前記排気ポート側に配置された第2多孔板とが設けられ、前記第1多孔板と前記第2多孔板との間にはサイレンサが設けられるとともに、前記第1多孔板の開口面積は、前記第2多孔板の開口面積よりも大きいことが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、第1多孔板の開口面積は第2多孔板の開口面積よりも大きいため、それらの間に配置されたサイレンサにおいて清浄空気を循環させることができる。このため、サイレンサによる静音効果を高めることができる。
【0015】
上記オイルセパレータについて、前記第2多孔板に形成された第2貫通孔の内径は、前記第1多孔板に形成された第1貫通孔の内径よりも小さいことが好ましい。
上記構成によれば、第2貫通孔が第1貫通孔よりも内径が大きい場合に比べ、第2貫通孔から清浄空気を分散させて排出することができる。このように清浄空気を分散して排出することにより、フィルタ出口を通過した清浄空気の流速を低下させることができるため、清浄空気が排気ポートから排出されるときの排出音を小さくすることができる。
【0016】
上記オイルセパレータについて、前記フィルタ出口には複数の通気孔が設けられるとともに、前記吸気ポートと前記フィルタ部との間には、第1膨張室が設けられ、前記フィルタ出口と前記排気ポートとの間には、第2膨張室が設けられることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、吸気ポートから流入した圧縮空気は、まず第1膨張室に流入することによって膨張し、フィルタ入口からフィルタに流入する。また、フィルタを通過してフィルタ出口から排出される際、清浄空気は圧縮される。圧縮された清浄空気は、第2膨張室に流入することにより再び膨張する。このように吸気ポートから流入した圧縮空気は、膨張後に圧縮され、再び膨張するので、圧縮空気及び清浄空気の脈動を抑制し、脈動に伴う騒音を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、清浄空気の排出音を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】オイルセパレータの一実施形態について、当該オイルセパレータが適用される圧縮空気乾燥システムの概略構成を示すブロック図。
【
図3】同実施形態のオイルセパレータのフィルタ出口近傍を拡大した拡大図。
【
図4】同実施形態のオイルセパレータの排気ポート近傍を拡大した拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1~
図4を参照して、オイルセパレータを、車両に搭載された圧縮空気乾燥システムに適用した一実施形態を説明する。
図1に示されるように、コンプレッサ1の下流には、コンプレッサ1から送られる圧縮空気中の油分及び水分を除去する圧縮空気乾燥システムが設けられている。圧縮空気乾燥システムには、圧縮空気から油分及び水分を除去するエアドライヤ2が設けられている。エアドライヤ2内には、乾燥剤2aが設けられている。エアドライヤ2は、圧縮空気を乾燥剤2aに通過させて水分や油分を除去するロード運転と、乾燥剤2aに捕捉された水分や油分を外部に排出することによって乾燥剤2aを再生するアンロード運転とを行う。エアドライヤ2は、ロード運転によって圧縮空気から油分及び水分を除去した空気である乾燥圧縮空気を、システムタンク6に送出する。システムタンク6は、ブレーキやサスペンション等の各システムに圧縮空気を供給する。システムタンク6の圧力が所定値に達すると、エアドライヤ2のエキゾストバルブ2bが開放されて、アンロード運転が行われる。エキゾストバルブ2bが開放されると、システムタンク6から乾燥圧縮空気がエアドライヤ2に供給され、エアドライヤ2に流入した乾燥圧縮空気がロード運転時とは逆方向に流れる。これにより、乾燥剤2aに捕捉された水分や油分が除去される。除去された水分及び油分は、空気とともにエアドライヤ2のドレン排出口2cから排出される。このときエアドライヤ2から排出された空気をパージエアという。
【0021】
また、圧縮空気乾燥システムにおいて、エアドライヤ2のドレン排出口2cには、オイルセパレータ5が接続されている。オイルセパレータ5は、エアドライヤ2のドレン排出口2cに接続ホース2dを介して接続されている。
【0022】
オイルセパレータ5は、油分及び水分を含んだパージエアを、油分及び水分を含む液体であるドレン液と清浄空気とに気液分離する。オイルセパレータ5は、分離した清浄空気を排出口5cから排出する。また、オイルセパレータ5は、分離したドレン液を、その筐体5a内に貯留する。
【0023】
次に
図2を参照して、オイルセパレータ5について詳述する。オイルセパレータ5の筐体5aは、ボディ10と、ドレンボウル30とを備えている。ボディ10は、吸気ポート16と、排出口5cを有する排気ポート17とを備えている。排出口5cは、直径(内径)D10の円形状である。
【0024】
ボディ10は、円筒状に形成されている。ボディ10の一方の端は閉塞されている。ボディ10の他方の端には開口部11が設けられている。ボディ10の内周面であって開口部11側には、雌螺子12が設けられている。
【0025】
ドレンボウル30は、円筒状に形成されている。ドレンボウル30の一方の端は底部を有する。ドレンボウル30の他方の端には開口部31が設けられている。ドレンボウル30の内側には、ドレン液を貯留する空間である貯留部32が設けられている。ドレンボウル30の開口部31の外周面には、雄螺子33が設けられている。ボディ10の雌螺子12とドレンボウル30の雄螺子33とが螺合することによって、ドレンボウル30がボディ10に固定される。オイルセパレータ5は、ボディ10を鉛直方向上方に配置し、且つドレンボウル30を鉛直方向下方に配置した状態で車両側に固定され、ドレンボウル30にドレン液を貯留する。貯留されたドレン液は、ドレンボウル30に設けられた図示しないドレン排出口から排出される。なお、貯留されたドレン液は、ボディ10からドレンボウル30を外して捨てることもできる。
【0026】
ボディ10の底部には、フィルタ部40が固定されている。フィルタ部40は、フィルタ収容部としてのフィルタケース41と、フィルタケース41の内側に収容されたフィルタ42と、フィルタ蓋43とを備えている。
【0027】
ボディ10の内側であって、その底部の径方向における中央部には、環状突部13が設けられている。環状突部13の内周面には、雌螺子14が設けられている。また、フィルタケース41は、円筒状に形成されている。フィルタケース41の一方の端部には、天井部53が設けられている。フィルタケース41の他方の端部には開口部54が設けられている。天井部53の径方向における中央部には、フィルタケース41の外側へ突出する環状突部51が設けられている。環状突部51の外周面には、雄螺子52が設けられている。ボディ10の雌螺子14とフィルタケース41の雄螺子52とを螺合することにより、フィルタ部40はボディ10に固定される。
【0028】
フィルタケース41の周壁部55には、複数の第1通気孔56が形成されている。周壁部55には、周方向に沿って形成された複数の第1通気孔56からなる列が、複数列形成されている。天井部53の中央であって、環状突部51で囲まれた部分には、フィルタ出口57が設けられている。フィルタ出口57は、フィルタケース41の内側と外側とを連通する複数の通気孔58を有している。
【0029】
フィルタ蓋43は、フィルタケース41の開口を閉蓋するように設けられている。フィルタ蓋43には、複数の排出孔44が形成されている。フィルタ42は、フィルタケース41とフィルタ蓋43とで形成された空間に収容されている。フィルタ42は、圧縮空気が通過する多数の細孔を有するものである。フィルタ42は、例えば、多数の気泡を有するスポンジ(ウレタンフォーム)、金属の線材や金属箔などの金属材を成形したものであって多数の細孔を有するもの(クラッシュドアルミ)、ガラス繊維などからなる。
【0030】
フィルタケース41の第1通気孔56からフィルタ42内に流入した圧縮空気は、フィルタ42に衝突することによって、気液分離される。フィルタ42によって分離されたドレン液は、重力によってフィルタ42内を鉛直方向下方に向かって流れ、排出孔44を介して貯留部32に落下する。またフィルタ42によって分離された清浄空気は、フィルタ出口57の通気孔58を介してフィルタ部40から排出される。
【0031】
また、ボディ10の吸気ポート16は、接続ホース2d(
図1参照)を介してエアドライヤ2に接続されている。吸気ポート16は、ボディ10の開口部11側に向かって延びる第1通路18に接続している。
【0032】
第1通路18は、ドレンボウル30の貯留部32に接続している。第1通路18は、貯留部32側に向かうにつれて、段階的又は連続的に拡径している。この第1通路18とドレンボウル30の貯留部32とは、吸気ポート16を介して流入した圧縮空気が膨張する第1膨張室34として機能する。圧縮空気が第1膨張室34内で膨張することによって、圧縮空気内の油分及び水分が凝集し易くなる。
【0033】
ボディ10の排気ポート17は、フィルタ部40によって気液分離された清浄空気を外部へ放出する。排気ポート17は、第2通路19に接続されている。第2通路19は、略L字状に形成され、フィルタ出口57に接続する小通路21と、小通路21と排気ポート17との間に設けられた小通路22とからなる。小通路21は、ドレンボウル30の軸方向に沿って延びる。小通路22は、小通路21が延びる方向と直交する方向に延びる。第2通路19は、圧縮空気が膨張する第2膨張室23として機能する。なお、フィルタケース41の前段の空間を第1膨張室34、その後段の空間を第2膨張室23としたが、フィルタケース41内の空間も、第1膨張室34及び第2膨張室23に比べ膨張効果は低いものの第1通気孔56を通過することによって圧縮された空気を膨張させる機能を有する。
【0034】
第2通路19の排気ポート17側の小通路22には、第1多孔板61と、第2多孔板62と、第1多孔板61及び第2多孔板62の間に配置されたサイレンサ65とが設けられている。第1多孔板61には、厚み方向に貫通する複数の第1貫通孔63が形成されている。また、第2多孔板62には、厚み方向に貫通する複数の第2貫通孔64が形成されている。サイレンサ65は、圧縮空気が通過する多数の細孔を有するものであって、例えば、多数の気泡を有するスポンジ(ウレタンフォーム)、金属の線材や金属箔などの金属材を成形したものであって、多数の細孔を有するもの(クラッシュドアルミ)などからなる。また、サイレンサ65は、フィルタ42と同じ材料でも良いし、異なる材料でも良い。
【0035】
第1多孔板61は、フィルタ出口57側に配置され、第2通路19の内側面に形成された段差部25とサイレンサ65との間に挟まれることで固定されている。第2多孔板62は、排気ポート17側に配置されている。第2多孔板62は、リテーナリング66が第2通路19の内側面に形成された溝部28に嵌合されることで、ボディ10に対して抜け止めされている。
【0036】
次に、
図3及び
図4を参照して、第2通路19の構成について詳述する。
図3に示すように、フィルタ出口57に設けられた通気孔58は、直径D1を有する円形状に形成されている。通気孔58は、天井部53に等間隔に形成されていてもよいし、ランダムに形成されていてもよい。通気孔58の数がL個であるとき、フィルタ出口57における開口面積S1は、「π{(D1)/2}
2・L」である。
【0037】
なお、排気ポート17は、直径D10の円形状であるため、その開口面積S10は、「π{(D10)/2}2」となる。この排気ポート17の開口面積S10は、フィルタ出口57における開口面積S1よりも大きくなっている(開口面積S10>開口面積S1)。
【0038】
図4に示すように、第1多孔板61に設けられた第1貫通孔63は、直径D2の円形状であり、フィルタ出口57の通気孔58の直径D1よりも大きい(直径D2>直径D1)。また、第1貫通孔63の数がM個であるとき、第1多孔板61の開口面積S2は、「π{(D2)/2}
2・M」であり、フィルタ出口57の開口面積S1よりも大きくなっている(開口面積S2>開口面積S1)。なお、排気ポート17の開口面積S10は、第1多孔板61の開口面積S2よりも大きい(開口面積S10>開口面積S2>開口面積S1)。また、第1貫通孔63の個数(M個)は、フィルタ出口57の個数(L個)よりも少ない(個数M<個数L)。
【0039】
また、第2多孔板62に設けられた第2貫通孔64は、直径D3の円形状であり、フィルタ出口57の通気孔58の直径D1よりも小さい(直径D3<直径D1<直径D2)。なお、第2貫通孔64の深さL3は、直径D3よりも大きい。また、第2貫通孔64は、等間隔に形成されていてもよいし、ランダムに形成されていてもよい。第2貫通孔64の数がN個であるとき、第2多孔板62における開口面積S3は、「π{(D3)/2}2・N」である。第2貫通孔64の個数(N個)は、フィルタ出口57の通気孔58の個数(L個)に比べて多くなっている(個数N>個数L>個数M)。また、第2多孔板62の開口面積S3は、フィルタ出口57における開口面積S1よりも大きく、第1多孔板61の開口面積S2よりも小さくなっている(開口面積S2>開口面積S3>開口面積S1)。
【0040】
次に
図2を参照して、オイルセパレータ5の作用について説明する。エアドライヤ2のエキゾストバルブ2bが開放されてアンロード運転が行われると、パージエアとともに油分及び水分を含むドレン液がオイルセパレータ5に排出される。パージエアに含まれるドレン液は、ミスト状又は液状である。ドレン液を含むパージエアは、吸気ポート16からオイルセパレータ5内に流入する。
【0041】
パージエアは、吸気ポート16から第1膨張室34に流入することによって膨張する。なお、第1膨張室34で膨張したパージエアの圧力は、大気圧に比べ大きい値に維持されている。膨張したパージエアは、フィルタケース41の第1通気孔56を介してフィルタ部40内に流入する。フィルタ部40内に流入したパージエアは、細孔の壁面との衝突、細孔内での圧縮空気どうしの衝突(摩擦)を繰り返しながらフィルタ42内を通過する。これにより、パージエアは、ドレン液と、ドレン液が除かれた清浄空気とに分離される。分離されたドレン液は、貯留部32に落下する。分離された清浄空気は、フィルタ出口57に向かう。この際、清浄空気は、フィルタケース41内に流入することで一旦は膨張するが、開口面積の小さいフィルタ出口57に向かうに伴い圧縮されていく。
【0042】
清浄空気は、フィルタ出口57の複数の通気孔58を通過することで整流される。これにより、第2通路19内における乱流の発生を抑制することができるため、乱流の発生による騒音が低減される。また、清浄空気は、フィルタ出口57の通気孔58を通過することによって圧縮された後、第2膨張室23(第2通路19)内で膨張する。
【0043】
清浄空気の流れは、第2通路19の向きに沿って屈曲し、第1多孔板61に向かう。また、第2通路19に沿って清浄空気が流れるとき、第1多孔板61の開口面積S2は、フィルタ出口57の開口面積S1よりも大きく、第1多孔板61に設けられた第1貫通孔63は、フィルタ出口57に形成された通気孔58よりも直径が大きいため、フィルタ出口57から第1多孔板61に向かうに伴い清浄空気の流速は低下する。このように清浄空気の流速が低下することによって、清浄空気がフィルタ出口57を通過して排気ポート17から排出されるまでの間に発生する排出音を小さくすることができる。
【0044】
また流速が低下した清浄空気の流れは、第1多孔板61の手前で圧縮され、第1貫通孔63を通過する直前から通過した直後まで流速が一時的に変化する。サイレンサ65が、クラッシュドアルミなどの金属からなる多孔質材である場合には、清浄空気と細孔の内壁面との衝突、又は細孔内での清浄空気の流れの衝突が繰り返される。これにより、清浄空気の振動が低減されて、騒音の発生が抑制される。サイレンサ65が、例えばスポンジなど、気泡を有する合成樹脂からなる多孔質材の場合には、清浄空気と気泡の内壁面との衝突、又は気泡内での清浄空気の流れの衝突が繰り返されることにより、音が吸収される。
【0045】
サイレンサ65よりも排気ポート17側に設けられた第2多孔板62の開口面積S3は、第1多孔板61の開口面積S2よりも小さい。このため、第2多孔板62が、第1多孔板61よりも大きい開口面積を有する場合に比べ、清浄空気が第2多孔板62の第2貫通孔64から排出されにくいため、清浄空気はサイレンサ65内を循環する。このように、第1多孔板61の手前で清浄空気の流速が低下されても、サイレンサ65内で清浄空気を循環させることで、サイレンサ65と清浄空気との衝突や、細孔内での清浄空気どうしの衝突の機会が増え、騒音を低減する効果(静音効果)を高めることができる。
【0046】
また、第2多孔板62の第2貫通孔64の直径は、第1多孔板61の第1貫通孔63の直径より小さい。このため、第2貫通孔64の直径が第1貫通孔63よりも大きい場合に比べ、清浄空気を第2貫通孔64から分散させて排出することができる。このように分散させて排出することにより、清浄空気の排出に伴う騒音を低減することができる。
【0047】
また、清浄空気は、サイレンサ65内での衝突を繰り返すことにより拡散される。第2多孔板62には、第1多孔板61の第1貫通孔63の個数よりも多い第2貫通孔64が形成されているため、拡散した清浄空気が各第2貫通孔64から排出され、サイレンサ65内の圧力が過剰に大きくなることが抑制される。第2多孔板62の第2貫通孔64を通過した清浄空気は、排気ポート17から外部へ排出される。
【0048】
排気ポート17の排出口5cの開口面積S10は、フィルタ出口57の開口面積S1よりも大きい。また、フィルタ出口57から排気ポート17に至る第2通路19においては、第1多孔板61の開口面積S2及び第2多孔板62の開口面積S3が、フィルタ出口57の開口面積S1よりも大きい。このため、第1多孔板61を通過するときなど、局所的に流速が大きくなることはあるものの、全体としては、清浄空気の流速は、排気ポート17に向かうにつれて低下する。空気の流速が大きくなると指数関数的に排出音が大きくなるため、第2通路19内での流速が低下されることによって、清浄空気の排出音を小さくすることができる。
【0049】
また、吸気ポート16から流入したパージエアは、第1膨張室34で膨張し、第1通気孔56を介してフィルタ部40に流入するときに圧縮される。また、フィルタ42によって分離された清浄空気は、フィルタ部40から第2通路19からなる第2膨張室23に流入することによって再び膨張し、第1多孔板61を通過することによって再び圧縮される。このように、膨張及び圧縮からなるサイクルを複数回繰り返すことによって、圧縮空気(又は清浄空気)の脈動が抑制される。このため、脈動に伴う騒音も抑制することができる。
【0050】
さらに、第2膨張室23で空気が膨張しても、第1多孔板61の第1貫通孔63、及び第2多孔板62の第2貫通孔64によって、清浄空気の流れは整流化される。そのため、第2通路19の下流側であって排気ポート17の手前において、乱流の発生が抑制され、乱流に伴う騒音が低減される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)排気ポート17の開口面積が、フィルタ出口57の開口面積よりも大きいため、清浄空気は、フィルタ出口57から排気ポート17に向かうにつれ流速が低下する。これにより、清浄空気がフィルタ出口57を通過して排気ポート17から排出されるまでの間に発生する排出音を小さくすることができる。
【0052】
(2)第2通路19には、第1多孔板61及び第2多孔板62が設けられる。このため、フィルタ42を通過した清浄空気が、第1多孔板61に設けられた第1貫通孔63及び第2多孔板62に設けられた第2貫通孔64によって整流されて、排気ポート17側に排出される。これにより、排気ポート17付近での乱流の発生が抑制されるため、乱流に伴う騒音を抑制することができる。また、第1多孔板61の開口面積及び第2多孔板62の開口面積は、フィルタ出口57の開口面積よりも大きい。このため、清浄空気が、フィルタ出口57から第1多孔板61側に向かうに伴い流速が低下する。これにより、清浄空気の排出音を小さくすることができる。
【0053】
(3)フィルタ出口57には複数の通気孔58が設けられ、第1多孔板61は、通気孔58よりも直径(内径)が大きい複数の第1貫通孔63を有する。このため、第1多孔板61とフィルタ出口57との間で清浄空気の流速を低下させることができる。このように、清浄空気がフィルタ出口から排出される前に流速が低下されるため、清浄空気が排気ポート17から排出されるときの排出音を小さくすることができる。
【0054】
(4)第1多孔板61の開口面積は第2多孔板62の開口面積よりも大きい。また、第1多孔板61と第2多孔板62との間にはサイレンサ65が設けられる。このため、第1多孔板61と第2多孔板62との間に配置されたサイレンサ65において清浄空気を循環させることができる。そのため、サイレンサ65による静音効果を高めることができる。
【0055】
(5)第2多孔板62に形成された第2貫通孔64の直径(内径)は、第1多孔板61に形成された第1貫通孔63の直径(内径)よりも小さい。このため、第1多孔板61よりも小さい開口面積を有しながらも、第2貫通孔64の数を多くして、清浄空気を分散させて排出することができる。このため、乱流の発生を抑制する効果が高められ、乱流の発生に伴う騒音を抑制することができる。
【0056】
(6)吸気ポート16とフィルタ42との間には、第1膨張室34が設けられ、フィルタ出口57と排気ポート17との間には、第2膨張室23が設けられる。このため、吸気ポート16から流入した圧縮空気は、まず第1膨張室34に流入することによって膨張し、フィルタ入口である第1通気孔56からフィルタ42に流入する。また、フィルタ42を通過してフィルタ出口57から排出される際、清浄空気は圧縮される。圧縮された清浄空気は、第2膨張室23に流入することにより再び膨張する。このように吸気ポート16から流入した圧縮空気は、膨張後に圧縮され、再び膨張するので、圧縮空気及び清浄空気の脈動を抑制し、脈動に伴う騒音を抑制することができる。
【0057】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・排気ポート17の排出口5cは、その開口面積がフィルタ出口57よりも大きければよく、円形状以外の形状でもよい。
【0058】
・第1多孔板61の第1貫通孔63及び第2多孔板62の第2貫通孔64は、円形状でなくてもよい。その場合、第1多孔板61の開口面積は、第1貫通孔63の開口面積に個数(M個)を乗算することによって算出される。また、第2多孔板62の開口面積は、第2貫通孔64の開口面積に個数(N個)を乗算することによって算出される。
【0059】
・上記実施形態では、第1多孔板61に形成された第1貫通孔63の数を、第2多孔板62に形成された第2貫通孔64の数よりも少なくした。この態様以外に、清浄空気がサイレンサ65を通過することによって十分な静音効果が得られる場合には、第1貫通孔63の数は、第2多孔板62に形成された第2貫通孔64の数と同数、又は多くてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、第1多孔板61の開口面積を、第2多孔板62の開口面積よりも大きくした。この態様以外に、サイレンサ65内での清浄空気の循環効果が得られなくても十分に騒音を低下できる場合には、第1多孔板61の開口面積は、第2多孔板62の開口面積と同じか、第2多孔板62よりも小さくてもよい。
【0061】
・上記実施形態では、第1多孔板61及び第2多孔板62の間にサイレンサ65を設けたが、これを省略してもよい。少なくとも第1多孔板61及び第2多孔板62があれば、清浄空気の整流効果を高めることができる。
【0062】
・上記実施形態では、第2多孔板62の第2貫通孔64の直径D3よりもフィルタ出口57の通気孔58の直径D1を大きくするとともに、通気孔58の直径D1よりも第1多孔板61の第1貫通孔63の直径D2を大きくした(直径D3<直径D1<直径D2)。しかし、通気孔58の直径D1、第1貫通孔63の直径D2、及び第2貫通孔64の直径D3は、上記した関係に限定されない。例えば、第2貫通孔64の直径D3を、通気孔58の直径D1よりも大きく、且つ第1貫通孔63の直径D2よりも小さくしてもよい(直径D1<直径D3<直径D2)。また、第2貫通孔64の直径D3を、第1貫通孔63の直径D2と同じか、それよりも大きくしてもよい(直径D1<直径D2=直径D3、又は直径D1<直径D2<直径D3)。直径D1~D3の関係は、オイルセパレータ5の構成などに応じて変更することが可能である。
【0063】
・上記実施形態では、第2通路19に、第1多孔板61及び第2多孔板62を設けたが、一つの多孔板を設けてもよいし、多孔板を省略してもよい。これらの場合でも、少なくとも排気ポート17の開口面積が、フィルタ出口57の開口面積よりも大きければ、清浄空気の排出音を低減できる。
【0064】
・
図5に示すように、オイルセパレータ5のフィルタ出口は、フィルタケースの周壁部に設けられていてもよい。このオイルセパレータ5は、筐体としてのボディ110及びドレンボウル130を備えている。ドレンボウル130には、ドレン液を排出するドレン排出口159が設けられている。ボディ110は、吸気ポート116及び排気ポート117を有するとともに、吸気ポート116から流入した圧縮空気を膨張させる第1膨張室134を備えている。ボディ110には、カバー111を介してフィルタ部140が固定されている。フィルタ部140は、フィルタケース141、フィルタ142、及びフィルタ蓋143を備えている。フィルタケース141の天井部には、フィルタ入口である通気孔156が複数形成され、フィルタケース141の周壁部には、フィルタ出口である通気孔158が貫通形成されている。すなわち、フィルタ出口は、必ずしもフィルタケースの天井部に形成されていなくてもよい。通気孔158は、フィルタケース141の周方向に沿って複数形成されている。なお、
図5にでは排気ポート117側に多孔板が設けられていない態様を示しているが、
図5のオイルセパレータ5に多孔板を設けてもよい。多孔板の有無に関らず、排気ポート117の開口面積は、複数の通気孔158からなるフィルタ出口の開口面積よりも大きくなっている。吸気ポート116から流入した圧縮空気は、第1膨張室134で膨張した後、フィルタケース141の通気孔156からフィルタ部140に流入する。フィルタ142で分離されたドレン液は、フィルタ蓋143の排出孔144から貯留部132に流れ落ちる。分離された清浄空気は、フィルタケース141の周壁部に形成された各通気孔158を通って、ドレンボウル130とフィルタ部140との間の空間を通って排気ポート117に向かう。このように、排気ポート117の開口面積が、フィルタ出口の開口面積よりも大きいことにより、少なくとも清浄空気がフィルタ出口から排気ポート117に向かって流れるとき、流速が低下される。そのため、清浄空気の排出に伴う騒音を低減することができる。
【0065】
・上記実施形態及び他の実施形態では、オイルセパレータ5内に第1膨張室34,134及び第2膨張室23を設けたが、エアドライヤ2から送られる圧縮空気の脈動が見込まれない場合には、これらの膨張室を省略してもよい。
【0066】
・
図6に示すように、オイルセパレータは、その筐体が、直方体状のものであってもよい。筐体は、開口を有するケース170と、ケース170の開口を封止する蓋171とを備える。ケース170は、吸気ポート172と排気ポート173とを有している。ケース170の底部には、ドレン液を排出する図示しないドレン排出口が設けられている。ケース170内には、孔182を有する隔壁181が設けられ、隔壁181によって、吸気ポート172側の第1膨張室183と、排気ポート173側の第2膨張室184とに区画されている。また隔壁181には、第1膨張室183と第2膨張室184との間でドレン液の通過を可能にする連通孔185が形成されている。隔壁181の両側には、一対の衝突板186,187がそれぞれ設けられている。各衝突板186,187にはスリット188,189がそれぞれ形成されている。また、各衝突板186,187の下端にはドレン液の通過を可能にする連通孔191,192がそれぞれ形成されている。また、第1膨張室183のうち衝突板186,187よりも上流側には、フィルタ194が設置されている。フィルタ194は、上記実施形態のフィルタ42と同じ材料からなり、吸気ポート172と反対側の面に複数の孔が開いた多孔板193が設けられている。さらに、第2膨張室184のうち衝突板186,187よりも下流側には、複数の孔が開いた多孔板195,196が両側に取り付けられたフィルタ197が設置されている。前段の多孔板195の開口面積は、後段の多孔板196の開口面積よりも大きいことが好ましい。フィルタ出口は、排気ポート173側の多孔板196に形成された複数の通気孔198であって、フィルタ出口の開口面積は、全ての通気孔198の総面積である。排気ポート173の開口面積は、フィルタ出口(全ての通気孔198)の開口面積よりも大きくなっている。このように、排気ポート173の開口面積が、フィルタ出口の開口面積よりも大きいことにより、少なくとも清浄空気がフィルタ出口から排気ポート173に向かって流れるとき、清浄空気の流速が低下する。そのため、清浄空気の排出音を低減することができる。また、多孔板195により、清浄空気を整流して、乱流に伴う排出音を低減することができる。
【0067】
・オイルセパレータ5の筐体は、ボディ、ドレンボウル及びフィルタケース、又は、ケース及び蓋以外の構成であってもよい。例えば吸気ポート及び排気ポートが設けられたドレンボウルとドレンボウルの開口を閉塞する蓋とから構成してもよい。
【0068】
・上記実施形態及び他の実施形態では、エアドライヤ2から送られるパージエアに含まれるドレン液をオイルセパレータ5によって除去する態様、及びコンプレッサ1から送られる圧縮空気に含まれる油分及び水分をオイルセパレータ5によって除去する態様について説明したが、これ以外の態様であってもよい。すなわち、オイルセパレータ5は、コンプレッサ以外の油分を含む気体を排出する機器に接続され、その機器から排出される油分を除去してもよい。
【0069】
・フィルタ部40は、圧縮空気を気液分離できる構成であれば、上述した材料からなるフィルタ42を備える以外の構成であってもよい。例えば、フィルタケース41内に邪魔板を備える構成でもよく、邪魔板に圧縮空気を衝突させることによって気液分離する構成であってもよい。
【0070】
・上記実施形態及び他の実施形態では、オイルセパレータ5を、車両(自動車)に搭載された圧縮空気乾燥システムに適用したが、油分を含む空気(気体)を気液分離する機能を備えるシステムであれば、そのほかのシステムに適用してもよい。例えば、電車、船舶、航空機などの自動車以外の移動体にオイルセパレータを適用してもよい。また、移動体以外の空圧システムにオイルセパレータを適用してもよい。
【0071】
・上記実施形態では、第2貫通孔64の深さL2を直径D2よりも大きくした。これにより、圧縮空気を整流して静音化する効果が期待できる。同様に、フィルタ出口57の通気孔58の深さを、その直径D1よりも大きくしてもよい。また、第1多孔板61の第1貫通孔63の深さを、その直径D2よりも大きくしてもよい。このようにしても、圧縮空気を整流して静音化する効果が期待できる。
【符号の説明】
【0072】
1…コンプレッサ、2…エアドライヤ、2a…乾燥剤、2b…エキゾストバルブ、2c…ドレン排出口、2d…接続ホース、5…オイルセパレータ、6…システムタンク、10…ボディ、11…開口部、12…雌螺子、13…環状突部、14…雌螺子、16…吸気ポート、17…排気ポート、18…第1通路、19…第2通路、21…小通路、22…小通路、23…第2膨張室、25…段差部、26…溝部、30…ドレンボウル、31…開口部、32…貯留部、33…雄螺子、34…第1膨張室、40…フィルタ部、41…フィルタケース、42…フィルタ、43…フィルタ蓋、44…排出孔、51…環状突部、52…雄螺子、53…天井部、54…開口部、55…周壁部、56…第1通気孔、57…フィルタ出口、58…通気孔、61…第1多孔板、62…第2多孔板、63…第1貫通孔、64…第2貫通孔、65…サイレンサ、66…リテーナリング。