IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッドの特許一覧

特開2023-169344刺激された運動反応の検出のためのシステムおよび方法
<>
  • 特開-刺激された運動反応の検出のためのシステムおよび方法 図1
  • 特開-刺激された運動反応の検出のためのシステムおよび方法 図2
  • 特開-刺激された運動反応の検出のためのシステムおよび方法 図3
  • 特開-刺激された運動反応の検出のためのシステムおよび方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169344
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】刺激された運動反応の検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/388 20210101AFI20231121BHJP
   A61B 5/395 20210101ALI20231121BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A61B5/388
A61B5/395
A61B5/11 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023157449
(22)【出願日】2023-09-22
(62)【分割の表示】P 2019507104の分割
【原出願日】2017-08-10
(31)【優先権主張番号】15/234,530
(32)【優先日】2016-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504101304
【氏名又は名称】メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】インマン,デイナ・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マクファーリン,ケヴィン・エル
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウェンジェン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】刺激反応の存在を決定するように構成される監視システム及び方法を提供する。
【解決手段】手術的処置のために患者に対して置かれるように構成される刺激電極アセンブリが開示される。引き起こされた刺激応答は、被験者の一部の近くのセンサによって検知されてよい。引き起こされた応答は電極によって検知され、監視システムによって決定されてよい。引き起こされた応答は、追加および/または代替として、運動センサによって検知されてよい。位置センサは、センサが処置中に移動したかどうかを測定または決定するために提供されてよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の刺激反応を監視するためのシステムであって、
運動を検知するように構成される運動検知システムであって、前記刺激反応に対する前記被験者の少なくとも第1の部分の運動を検知するように構成される器具(instrument)上に置かれた運動検知部分を含む、運動検知システムと、
前記刺激反応に対する前記被験者の少なくとも前記部分の前記運動検知部分の運動に関する運動信号を受け取り、前記運動信号に少なくとも部分的に基づいて前記刺激反応の存在を決定するように構成される監視システムと
を備える、システム。
【請求項2】
前記被験者の前記第1の部分で応答を引き起こすために、前記被験者の前記第1の部分から離れた場所に刺激パルスを与えるように構成される刺激電極
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記被験者の喉頭に設置されるように構成される気管チューブを含む器具
をさらに備え、
前記運動検知部分が前記器具に取り付けられる、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記監視システムが、前記運動検知部分によって前記検知された運動に基づく前記刺激パルスに応答して、前記被験者の前記第1の部分で前記引き起こされた応答を決定するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記被験者の少なくとも前記第1の部分と接触するように構成される、接点を有する器具であって、前記接点が、前記刺激反応を起こす刺激に対する応答を検知するように構成される、器具
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記接点が、筋電図検査(EMG)応答を検知するように構成される導電部材を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記監視システムが、前記接点によって前記検知された応答の変化と、運動検出との間の相関性を決定する命令を実行するように構成されるプロセッサを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記運動検知部分が、加速度計、ジャイロスコープ、または磁力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記運動検知部分が、少なくとも2つの検知部分を含み、前記2つの検知部分のうちの第1の検知部分が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの1つであり、前記2つの検知部分のうちの第2の検知部分が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの1つである、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記運動検知部分が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のすべてを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
被験者運動検知部分であって、前記被験者に取り付けられるように構成される、被験者運動検知部分
をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
被験者の刺激反応を監視するためのシステムであって、
前記被験者に設置されるように構成される外面を有するチューブと、
前記外面上に接続され、第1の場所で前記被験者と接触して設置されるように構成される接点であって、刺激に対する応答を検知するように構成される、接点と、
運動を検知するように構成される運動検知システムであって、
前記接点に対する前記チューブに取り付けられた運動検知構成要素、および
前記運動検知構成要素の運動を決定するために、前記運動検知構成要素から信号を受信するように構成される運動モニタ
を含む、運動検知システムと、
前記刺激に対する前記検知された応答を受け取るように構成される信号監視システムであって、
監視するためのベースラインの検知信号を決定し、現在の信号を、前記決定されたベースライン信号と比較するように構成されるプロセッサ、および
メッセージをユーザに提示するためのメッセージデバイス
を含む、信号監視システムと
備える、システム。
【請求項13】
刺激信号を前記被験者に送信し、前記接点によって検知されることになる神経応答を引き起こすように構成される刺激電極をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記メッセージデバイスによって提示された前記メッセージが、検知された神経応答の値を含む、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記運動モニタおよび前記信号監視システムが、単一の監視システムとして統合される、請求項12から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサが、前記運動検知構成要素によって送られた運動信号に基づいて前記運動検知構成要素の運動を決定する命令をさらに実行するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記運動検知構成要素が、加速度計、ジャイロスコープ、または磁力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項12から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記運動検知構成要素が、加速度計、ジャイロスコープ、または磁力計のうちの少なくとも2つを含む、請求項12から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記検知された刺激信号を含む第1の信号、および前記検知された運動信号を含む第2の信号を送信するように構成されるワイヤレス送信アセンブリと、
前記第1の信号と前記第2の信号の両方を受信するための前記1つの監視システムと共に含まれるワイヤレス受信アセンブリと
をさらに備える、請求項12から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
被験者の刺激反応を監視する方法であって、
運動検知構成要素の運動を決定するために前記運動検知構成要素からの受信信号を評価するステップと、
刺激に応答している現在の受信刺激応答を、決定されたベースラインの刺激応答と比較することによって、前記現在の受信刺激応答が、決定されたベースラインの刺激応答と異なるかどうかを決定するステップと、
前記現在の受信刺激応答が、前記決定されたベースラインの刺激応答と異なる場合、前
記決定された相違が、前記運動検知構成要素の前記決定された運動に基づく運動によるものであるかどうかを決定するステップと、
前記決定された相違が、前記決定された運動に関するかどうかの出力を出力するステップと
を含む、方法。
【請求項21】
前記出力が、前記決定された相違が、前記決定された運動に関するというメッセージをユーザに提示するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記決定された相違が、決定された運動によるものであるかどうかの前記決定を出力するステップが、前記現在の受信刺激応答を使用して新しいベースラインを決定するステップを含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記被験者の運動に関する被験者運動センサからの信号を評価するステップと、
前記被験者の前記評価された運動を、前記運動検知構成要素からの前記受信信号の前記評価と比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記被験者の前記運動が、前記運動検知構成要素からの前記受信信号の前記評価に類似しているかどうかを決定するステップと、
前記被験者の前記運動が、前記運動検知構成要素からの前記受信信号の前記評価に類似している場合、前記出力として警告メッセージを前記ユーザに送るステップと
をさらに含む、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
加速度計、ジャイロスコープ、または磁力計のうちの少なくとも2つを有する前記運動検知構成要素から前記信号を送信するステップ
をさらに含む、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記運動検知構成要素からの前記受信信号を評価するステップが、前記受信信号に基づいて前記運動検知構成要素の運動を決定するために、プロセッサで命令を実行するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記決定された相違が、前記運動検知構成要素の決定された運動に基づく前記運動によるものかどうかを決定するステップが、前記運動検知構成要素の前記決定された運動と、前記現在の受信刺激応答との少なくとも時間の相関性を決定するために、前記プロセッサで命令を実行するステップ含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
チューブの筐体の外部に接続された接点を提供するステップと、
第1の場所で前記被験者と接触して設置されるように前記チューブおよび前記接点を構成するステップと
をさらに含む、請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は活動監視に関し、詳細には、運動監視デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]本セクションは、必ずしも従来技術ではない、本開示に関連した背景情報を提供する。
[0003]様々な喉の処置、または神経線維の近くおよび/または隣接して発生する他の処置などの様々な処置の最中に、神経保全の決定または刺激が選択されることがある。神経保全を決定することは、神経に沿った刺激活動を保証または監視することを含むことができる。これは、神経上で誘発された信号の送受信を含むことができる。このような保全監視を行う際に、電極、または電極を含む素子は、神経線維を監視または刺激するために、神経または神経線維に接続される。単一時間に、またはある期間にわたって引き起こされる信号の監視は、神経保全および連続性を決定するのを補助することができる。様々な監視システムは、ミネソタ州ミネアポリスに事業所があるMedtronic,Inc.によって販売されているNIM-Response(登録商標)3.0を含む。監視システムは、システムによって監視され得る神経の自動的かつ周期的な刺激を可能にするAPS(登録商標)電極を含む電極を含んでよく、またこの電極を用いて動作してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明の一実施例は、例えば、刺激された運動反応の検出のためのシステムおよび方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本セクションは、本開示の全体概要を提供するが、本開示の完全な範囲または本開示の特徴のすべてについての包括的な開示ではない。
[0005]神経または神経束に接続する選ばれたカフまたは電極の他のコネクタを含む、選ばれた神経束または経路に刺激を与えるシステムが開示される。コネクタは、有線またはワイヤレスでよい。ワイヤレス刺激アセンブリは、神経を刺激するため、および/または神経の刺激を検出するために、神経に隣接して、または近くに置かれてよい。コネクタは、接続されたときに神経に接触できる電極を含むことができる。コネクタは、神経束の少なくとも一部を確実に接続するか取り囲む能動固定(active fixation)を含むことができる。別の方式では、電極は神経に接触するように設置されてよく、神経を取り囲まなくてもよい。
【0005】
[0006]監視システムは、アプリケーション固有のプロセッサになり得るプロセッサを含むことができ、またメモリに格納された命令を実行できる汎用プロセッサでもよい。メモリは、監視システムに組み込まれるか、ネットワークを介してアクセスされる物理メモリでよい。命令は、時間と共に神経保全を決定するのを補助するために、筋電図検査(EMG:electromyography)など、筋肉内で受信された信号を分析するためにプロセッサによって実行される。監視システムは、ユーザが監視の結果を眺めるための表示デバイス、オーディオ出力、または他の出力をさらに含むことができる。
【0006】
[0007]受信される信号は、刺激電極または送信電極から離れた位置に置かれる監視電極によるものでよい。監視電極は、例えば、気管チューブ上にあってよい。チューブは、選ばれた処置の最中に人間の患者などの被験者の気管の通路内に置かれてよい。チューブ上に置かれた監視電極は、送信電極によって選ばれた神経の刺激による筋肉内のEMG応答
などの応答を検知することができ、信号は監視システム上に表示されてよい。監視電極における信号は、運動および/または位置変化に敏感であることがある。位置監視センサまたは移動監視センサはチューブを提供されてよい。
【0007】
[0008]応用のさらなる分野は、本明細書で行われる説明から明らかになるであろう。本概要における説明および具体例は、単に例証のためのものであり、本開示の範囲を限定するためのものではない。
【0008】
[0009]本明細書で説明される図面は、選ばれた実施形態の例証のためだけのものであり、すべての可能な実装形態というわけではなく、本開示の範囲を限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0010]監視システムおよび電極アセンブリの環境図である。
図2】[0011]様々な実施形態による、気管チューブを有する電極アセンブリの透視図である。
図3】[0012]図2の気管チューブの一部の詳細図である。
図4】[0013]様々な実施形態による、監視システムの動作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]対応する参照数字は、図面のいくつかの図の全体を通して対応する部品を示す。
[0015]次に添付の図面を参照しながら、実施形態の例がさらに完全に説明される。
[0016]初めに図1を参照すると、NIM(登録商標)神経保全監視システム(nerve integrity monitoring system)などの監視システム16は、表示画面またはデバイス22、および1つまたは複数の入力デバイスを有する監視アセンブリ20を含むことができる。入力デバイスは、ノブ24a、タッチスクリーン24b、キーボード24c、または他の適正な入力デバイスなどの、情報のコマンドを入力するための1つまたは複数のシステムまたは構造を含むことができる。入力デバイスは、電子的または物理的な入力デバイスを含む、音声または他の触覚入力デバイスを含むこともできる。
【0011】
[0017]監視アセンブリ20は、プロセッサ26およびメモリ28をさらに含むことができる。プロセッサ26は、メモリ28に格納された命令を実行するため、またはメモリ28上の他のデータにアクセスするためにメモリ28にアクセスできることが理解される。メモリ28は、スピニングハードディスクドライブ、ソリッドステートメモリ、または他の適正なタイプのメモリなどの物理メモリを含むことができる。さらに、メモリ28は、監視アセンブリ20に組み込まれなくてもよく、通信ネットワークなどを介してプロセッサ26によってアクセスされてよい。プロセッサ26は、本明細書でさらに論じられるような、選ばれた出力を生成する命令を実行するように動作可能な汎用プロセッサでよい。プロセッサ26は、オンボードメモリをさらに含むことができる。さらにプロセッサ26は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)などの専用プロセッサを含むことができる。したがって、プロセッサ26は、表示デバイス22上のディスプレイに出力するために、メモリ28に格納された命令を実行することができ、このメモリは非一時的メモリでよい。次にユーザ30は、本明細書でさらに論じられるように、選ばれた目的のために表示デバイス22を眺めることができる。
【0012】
[0018]1つまたは複数の刺激または監視アセンブリが監視アセンブリ20と接続されてよい。例えば、甲状腺摘出または他の甲状腺手術などの様々な処置において、患者36の反回神経(RLN:recurrent laryngeal nerve)、迷走神経
、または他の適正な神経の監視が選択されてよい。RLNの監視は、1つまたは複数の導電性電極接点44を含む、1つまたは複数の監視部分を有することができる神経監視気管チューブアセンブリ40を含むことができる。電極接点44は、人間の患者など、患者36の選択部分と接触してよい。電極接点44は、(回線もしくはハードラインとも呼ばれる)任意選択の有線接続46などの接続、またはワイヤレス送信機48を含むワイヤレス接続を介してモニタ20に接続されてよい。しかし、モニタ20への接続に関わらず、電極接点44から送信される信号は、監視アセンブリ20に対して行われてよいことが理解される。例示的な気管チューブは、Medtronic,Incによって販売されるNIM Trivantage(登録商標)監視チューブを含むことができる。例示的な気管チューブは、米国特許出願第14/455,258号、次に米国特許出願公開第2016/0038072号において開示されるものをさらに含むことができ、参照により本明細書に組み込まれる。しかし、チューブ40は、NIM Trivantage(登録商標)監視チューブ、および上記で論じられたものに対して現在利用可能なもの以外の部分、または現在利用可能なものとは異なる部分を含むことができることが理解される。
【0013】
[0019]さらに、様々な実施形態による、図1に示されるような、接続された電極アセンブリ50を含む、周期的な刺激パルスを送受信できる電極を含む、電極アセンブリなどの、他の器具がモニタ20に接続されてよい。接続された電極アセンブリ50は、ワイヤ52などの物理接続でモニタ20に接続されてよい。接続された電極アセンブリ50は、同様にまたは一方、ワイヤレス送信を介して接続されてよく、またそうでなければ神経56に刺激を与えてもよい。他の器具は、神経損傷または他の組織の損傷が発生したか、発生する可能性があるかを決定するのを補助するために、患者に対する刺激信号を送受信するために使用され得るモニタ20と接続されてもよい。器具58(例えば、外科用メス、鉗子、など)は、人間の外科医などのユーザ30によって操作されてよく、モニタ20に直接的に接続される必要はない。器具58は、チューブ40の接点44を通じて受信され得る神経活動電位を引き起こすために送信される刺激信号を有することができる。器具58は、患者の組織を解剖および/または切除するために使用されてよく、また切り口60を通じて使用されてよい。
【0014】
[0020]監視システムの動作および監視システム16の使用は、NIM-Response(登録商標)3.0神経監視システムを含む、Medtronic,Inc.によって販売されるNIM(登録商標)監視システムに類似していてよい。動作中、電極アセンブリ50は神経56と接続されてよく、信号は、電極50を通じて監視システム20から神経56に、接続52に沿って送信されてよい。電極接点44は次に、電極50の刺激によって引き起こされる、筋肉内などのEMG信号を受信することができる。
【0015】
[0021]上記で簡単に論じられたようなチューブ40は、図2および図3に詳細に示される。チューブ40は、EMG気管チューブアセンブリ40および対応する筐体70でよい。EMG気管チューブアセンブリ40は、筐体70、ならびにワイヤレス送信アセンブリ48および/または有線接続46を含む電子アセンブリを含むことができる。チューブアセンブリ40は、チューブの遠位の(第1の)端部74、および近位の(第2の)端部76を含む。遠位端74はコネクタ80に接続され、このコネクタは、気体および/または流体などの選ばれた物質を、チューブ40を介して患者に供給するためのポンプに接続されてよい。チューブ40は患者36の喉に挿入されてよく、気体および/または流体は、例えば、患者36の肺に供給されてよい。近位端76は、(ふくらんだ状態で示される)ふくらませることのできる部分86を含み、この部分は、他の任意の流体または物質が、ふくらんだ部分86の周りを通って肺に入るのを防ぐために、例えば気管を密封するために使用されてよい。
【0016】
[0022]チューブアセンブリ40は接点44を含む。接点44は、筐体70上またはその
中に形成された電極90と電気的に接続されてよい。接点44および/または電極90は、EMGチューブ筐体70上にペイントされるか、印刷されてよい。例えば、導電性部分を形成するために、チューブ筐体70、またはその一部に、導電性塗料またはインクが塗られてよい。さらに、電極および送信部分は、フレキシブルプリント回路基板上に形成され、筐体70にあてがわれる図形を含むことができる。接点44を外部環境に露出させると共に、ペイントされた部分の上にコーティングまたは保護層が形成されてもよい。別の実施形態において、電極90および/または接点44は、EMGチューブ筐体70上に印刷され、および/またはフレキシブルプリント回路基板(PCB:printed circuit board)の一部として実装される。
【0017】
[0023]電極90は、ワイヤレス送信機48および/または有線接続46を含む接続部分まで、接点44から伸ばすことができる。電極90は、チューブ筐体70に沿って並行に伸ばすことができ、互いに接触しないように分離される。電極90との外部電気接触を防ぐために、1つまたは複数の絶縁層94が電極90上にあてがわれてよい。絶縁層94のそれぞれは、電極90の1つまたは複数を覆うことができるが、チューブ筐体70の周りに完全に巻き付けなくてもよい。絶縁層94は、非導電材料(例えば、ゴム)から形成される非導電性シール(stamp)でよい。
【0018】
[0024]上述のように、チューブアセンブリ40は、患者36の体内の電気活動信号を監視するために、監視アセンブリ20と共に使用されてよい。接点44を通じて検知された刺激は、監視アセンブリ20に接続された電極アセンブリ50を通じてもたらされてよい。上述のように、Medtronic,Inc.によって販売されるNIM(登録商標)刺激および監視システムは、選ばれた速度または間隔で、神経56または任意の選ばれた神経で検知するか、これらの神経を刺激するために、および神経56の刺激を検知または検出するために提供されてよい。(例えば、筋肉のEMG応答、および/または筋肉に関連した電気活動を含む)神経からの刺激を検知すると、監視システム20は、ベースラインを決定した後、またベースラインを決定するために、EMG信号を監視することができる。さらに、ユーザまたは他の適正な個人は、外科的処置の最中に神経保全を保証するために、ディスプレイ22などの監視システム20を観察することができる。処置は、上述のような、喉または甲状腺の切除処置を含むことができる。
【0019】
[0025]複数の接点44は、様々な目的のために、チューブアセンブリ40の周りに備えつけられてよい。様々な実施形態において、複数の電極および/または接点は、したがって、左右の神経を区別するため、様々な神経と神経枝を区別するため、解剖に関連した様々な深さおよび/または軸方向の位置にユーザがチューブ接点を置くことを補償するために使用されてよい。同様に、選ばれた位置から離れて測定できるようにするために、複数の電極がチューブに沿って軸方向に設置されてよい。参照用記録電極は、ノイズおよび干渉を最小化するために、他の記録電極から離れて設置されてもよい。(人間の喉頭の中の声帯を含み得る筋肉36aなどの内部組織を含む)患者36に対して接点44を移動させると、監視システム20への信号は変化することがある。監視システム20への信号の変化は、神経56への創傷として解釈されるか、解釈される可能性があり得る。システム20は、受けた刺激の変化を決定するか、変化を検知すると、創傷が発生したこと、および処置が中断されるべきであることをユーザ30に示すことができる。しかし、意図的であろうと、非意図的であろうと、チューブアセンブリ40の移動のためだけに監視システム20への信号が変化する場合、創傷は発生していない。
【0020】
[0026]したがって、1つまたは複数の移動または運動センサ100を含む移動または運動検出システムは、チューブアセンブリ40上に備えつけられてよい。運動センサ100は、ワイヤレスモジュール48と相互接続されてよく、また監視システム20への導電性接続(例えば有線接続)46でもよい。1つまたは複数の運動センサ100によって検出
された運動は、チューブアセンブリ40が患者36に対して移動したかどうかを決定するのを補助することができ、接点44によって検知された信号の変化が、チューブアセンブリ40の移動によるものであるか、神経56への切り傷または創傷によるものであるかを決定するのを補助することができる。運動センサ100からの信号は、運動処理システム102に送信されてよい。信号は、運動のタイプ、速さ、量、などを決定するために運動処理システム102で処理されてよい。処理された運動信号は次に、プロセッサ26に送信されてよい。しかし、運動処理システムは、監視システム20に組み込まれてよいことが理解される。例えば、プロセッサ26は、運動システム100の運動を決定するために、運動処理システム102で動作させるための、メモリシステム28に格納された固有の命令を実行することができる。
【0021】
[0027]さらに図3を参照すると、運動センサ100は、チューブアセンブリ40の近位端76の近く、または近位端76に備えつけられてよい。様々な実施形態において、運動センサ100は接点44の位置にあるか、その近くにある。例えば、運動センサ100は、接点44に実質的に隣接して備えつけられてよい。接点44の近く、または隣接して運動センサ100を備えつける際に、接点44の移動は、運動センサ100の検知または測定された運動により、実質的に直接、決定されてよい。しかし、当業者は、運動センサ100が、遠位端、または遠位端74の近くに備えつけられてよいということを理解するであろう。任意選択で、アセンブリ40は、運動センサ100および第2の運動センサ100’を含むことができる。第2の運動センサ100’は、遠位端76に設置されるなど、第1の運動センサ100から離れて一定の間隔を置かれてよい。第2の運動センサ100’は、ワイヤレス送信アセンブリ48の1つもしくは複数への通信によって、または運動処理システム102および/もしくはモニタ20に送信するための回線46を通じて備えつけられてもよい。したがって、アセンブリ40は、運動センサ100の1つまたは複数を含むことができ、運動センサ100についての本明細書の議論は、例示的なものにすぎないということがさらに理解される。
【0022】
[0028]運動センサ100は、運動の量またはタイプを測定するために、ならびに接点44および/またはチューブアセンブリ40の運動を決定するために使用されてよい。チューブアセンブリ40および/または接点44の運動は、絶対測定で、および/または患者36に相対して決定されてよい。例えば、運動センサ100は、チューブアセンブリ40の中心軸または長さ軸106の周囲の矢印104の方向などの、回転移動または角移動(rotational or angular movement)を決定するために使用されてよい。さらに、運動センサ100は、チューブアセンブリ40の軸106に沿った両矢印108の方向などの、軸方向の運動を決定するために使用されてよい。したがって、運動センサ100は、接点44を含むチューブアセンブリ40の1次元または複数次元の移動を決定するために備えつけられてよい。本明細書で論じられるように、運動センサ100は、単独で、または接点44と組み合わせて、刺激に対して引き起こされた応答を検知または決定するように動作してもよい。引き起こされた応答は一般に、筋肉の移動を含むことができ、したがって、筋収縮によるチューブアセンブリの運動は、運動センサ100によって検知および/または測定されてよい。
【0023】
[0029]運動センサ100は、加速度計または加速度計部分110などの選ばれた運動センサを含むことができる。運動センサ100は、本明細書でさらに論じられるような、1つまたは複数のタイプの運動センサを含むことができる。様々な実施形態において、運動センサ100は、加速度計110だけを含むことができる。
【0024】
[0030]加速度計部分110は、チューブアセンブリ40の筐体70上に置かれることが可能な適切な大きさの加速度計を含むことができる。例示的な加速度計は、微小電極機械システム(MEMS:microelectrode-mechanical syst
ems)を含む。熱MEMSまたは他の選ばれた加速度計デバイスなどの、他の適正なタイプの加速度計が使用されてもよいことが理解される。一般に、加速度計部分110は、筐体70の中、または先端に備えつけられるように、厚さ数ミクロンなどの選ばれた寸法で備えつけられてよい。加速度計部分110は、例えば、オランダに事業所があるNXP
Semiconductors Netherlands B.V.によって販売されるXTRINSIC(登録商標)MA8491Q加速度計を含むことができる。
【0025】
[0031]加速度計部分110は、接点44に対する選ばれた位置で筐体に取り付けられてよい。例えば、加速度計部分110は、筐体70に付着させられるか、筐体70に合わせて形成されてよい。上述のように、電極90はコーティング94で覆われてよく、コーティング94は、接点44に対する加速度計部分110の位置に取り付けることができ、また取り付けるのを補助することもできる。
【0026】
[0032]加速度計部分110、および運動センサ100を伴って含む他の任意の適正な部分は、通信管114などの適正な通信回線を通じて送信デバイス48および/または回線46に接続されてよい。通信回線114は、導電性の印刷されたインクもしくは塗料、またはコネクタもしくは電極90に類似のメカニズムを形成する他の適正な電極を含むことができる。しかし、加速度計部分110は一般に、監視アセンブリ20と通信するように備えつけられる。
【0027】
[0033]当業者によって理解されるように、加速度計110は、2軸加速度計または3軸加速度計を含む、1つまたは複数の軸で加速度を測定することができる。加速度計は、手術的処置中の患者36の体内など、安静時に、重力により地球の中心の方へ下る加速度を一般に測定する。加速度計110を移動させると、加速度計110は、加速度計110の移動による1つまたは複数の軸における加速度の変化を測定することができる。例えば、手術的処置中に、チューブアセンブリ40は、矢印104の方向に軸106の周りでねじられることがあり、加速度計110は、軸106の周りのチューブアセンブリ40の移動による加速度を測定することができる。
【0028】
[0034]上述のように、チューブアセンブリ40の移動は、接点44の移動を起こし、したがって監視システム20におけるEMG信号の変化を起こすことがある。本明細書でさらに論じられるように、加速度計110によって検知または測定された移動と、接点44によって検知されたEMG信号の変化との間の(同時にまたは時間的に近くで発生するなどの)決定された相関性は、患者36に対して創傷が発生しておらず、処置は継続できるということを決定できるようにすることができる。したがって、監視システム20は、警告状態(すなわち、EMG信号の選ばれた変化)が偽の警告であるということを決定することができる。
【0029】
[0035]運動センサ100は、3軸ジャイロスコープ120などの1つまたは複数の軸のジャイロスコープを含む、上述のような加速度計110以外の部分を含むことができる。3軸ジャイロスコープ120は、含まれるジャイロスコープにより、回転移動または角移動を直接的に測定することができる。上述のように、加速度計110は、重力に対する運動を推定または決定する必要があることがある。したがって、ジャイロスコープ120は、バックアップとして作用できる可能性があり、また角運動を直接的に決定することによって加速度計110をチェックできる可能性もある。しかし、ジャイロスコープ120は、運動センサ100として単独で備えつけられてよいことが理解される。
【0030】
[0036]運動センサ100の一部としてのジャイロスコープ120は、接点44の近く、または近くに隣接して置かれてよい。したがって、本明細書で論じられるように、電極44の移動は、ジャイロスコープ120を介して運動を検知することによって決定されてよ
く、上述のように、通信回線114に沿って信号として送信されてよい。監視システム20は次に、ジャイロスコープ120の運動が発生したと決定することができ、電極接点44の運動も発生したと推定することができる。
【0031】
[0037]例示的なジャイロスコープは、集積回路またはプリント回路基板に類似のシリコン基板を含む、選ばれた基板上に形成され得るMEMSジャイロスコープを含むことができる。例示的なMEMSジャイロスコープは、角速度を測定するための、NXP Semiconductors Netherlands B.V.によって販売されるものを含むことができる。ジャイロスコープは、偏揺れ、縦揺れ、および横揺れを含むなど、1つまたは複数の軸の運動を測定することができる。したがって、ジャイロスコープ120は、運動センサ100の直接の角運動または加速度を決定するために使用されてよく、したがって接点44の角運動を決定するために使用されてよい。また一方で、本明細書で論じられるように、接点44の運動は、信号の変化の理由を推定するために使用されてよい。
【0032】
[0038]運動センサ100は磁力計130をさらに含むことができる。磁力計は、運動センサ100の決定される移動または方向に影響を及ぼし得る磁石極を決定するために使用されてよい。磁力計130は、同様にまたは一方、地球によって生成されるものなどの磁極に対する磁力計130の位置を決定するように動作することができる。磁力計130は、地球などの磁極に対する絶対位置、または磁極に相対する運動を決定するように動作することができる。
【0033】
[0039]磁力計130は、オランダに事業所があるNXP Semiconductors Netherlands B.V.によって製造され、販売されるものを含むMEMS磁力計などの小型または微小磁力計を含むことができる。磁力計は、運動センサ100、およびしたがって接点44の運動または移動を決定するのを補助するために、通信回線114で監視アセンブリ20に信号を送ることができる。
【0034】
[0040]運動センサ100は、上記で論じられたものを含む、様々な構成要素および部分を含むことができる。例示的な実施形態において、運動センサ100は、加速度計110、ジャイロスコープ120、または磁力計130のうちの1つだけを含むことができる。さらに、運動センサ100は、上記で論じられた構成要素の3つのうちの任意の2つ、または3つすべてを含み得ることが理解される。様々な実施形態によれば、運動センサ100は、加速度計110および磁力計130を含む、6軸の運動検出器を含むことができる。しかし、接点44の運動または移動を決定するために、正確さを保証するのを補助するのにさらなる情報が必要である可能性があり、したがって構成要素の3つすべてが備えつけられてよいということが選択される可能性がある。さらに、様々な実施形態において、接点44の運動を決定するのを補助するために加速度計110だけが備えつけられてよい。ジャイロスコープ120を含むことは、磁気干渉、および/または運動センサ100の線形加速度などの様々なタイプの加速度の影響を低減させるのを補助することができる。
【0035】
[0041]図1および図2の参照に戻ると、当業者は、追跡またはナビゲーションシステム400は、接点44を含むチューブアセンブリ40の位置変化および/または運動を決定するために使用されてよいということをさらに理解するであろう。例えば、追跡システム400は、磁界を発するか、受けるように構成されるローカライザを含むことができる電磁気追跡システムを含むことができる。磁界を発するか、受けるように構成される運動センサ100、100’、100’’のような追跡センサが備えつけられてよい。追跡システムは次に、(ローカライザにおいて、または追跡デバイスにおいて)検知されたフィールドに基づいて、追跡センサの(x-y-zおよび方向を含む)位置を決定することができる。位置の追跡された変化は、運動を決定するために使用されてよい。例示的な追跡シ
ステムは、米国特許出願公開第2014/014869号で開示されるものを含み、参照により本明細書に組み込まれる。様々な追跡システムは、光学追跡システム、音波追跡システム、電位追跡システム(electro-potential tracking system)、などを含むことができることがさらに理解される。位置の追跡された変化は、運動処理システム102および/または監視20に送信されてよい。
【0036】
[0042]上述のように、チューブアセンブリ40は、チューブアセンブリ40の遠位端に、または遠位端の近くに、運動センサ100’をさらに含むことができる。運動センサ100’は、チューブアセンブリ40上のただ1つの運動センサでよいということ、および接点44の運動は、運動センサ100’から推定され得るということも理解される。運動センサ100’は、さらに多くの、またはさらに少ない構成要素を含むなど、運動センサ100と同一または異なってよい。
【0037】
[0043]さらなる実施形態において、患者36に対して第3の運動センサ100’’があてがわれてよい。患者36に対して直接的に取り付けられた運動センサ100’’を含むことは、運動センサ100および100’を含むチューブアセンブリ40と関係のない、患者36の運動または移動を決定できるようにすることができる。第3の運動センサ100’’は、上述のように、運動処理システム102および/またはモニタ20に信号を送信することもできる。患者36の移動の決定は、チューブ40が空間内で単に移動しただけか、神経56、および/または神経56によって刺激された筋肉組織に対するなど、患者36に対して移動したかを決定するのを補助するために使用されてよい。これは、変則的または変化した受信信号が、患者36に対して接点44を移動させる、患者36に対するチューブ40の運動によるものであるかどうかを決定するのを補助するために使用されてよい。
【0038】
[0044]運動センサ100’’に類似または同一の様式で運動センサ100、100’が移動する場合、信号の変化は創傷の可能性を表すことがある。運動センサ100’’とは異なる様式で(異なる速度または時間または量などで)運動センサ100、100’が移動する場合、信号の変化は、接点44が患者36に対して移動したことだけを表すことができる。本明細書で論じられるように、相違の閾値の量が決定に使用されてよい。さらに監視システム20は、変化のタイプおよび創傷の可能性を決定するために用意されてよい。
【0039】
[0045]したがって、患者36に対する接点44の相対的な運動の可能性を決定するのを補助するために、接点44において、または隣接して、および患者36に対してなど、チューブアセンブリ40と関係なく動作する適正な数の運動センサがチューブアセンブリ40に備えつけられてよいことが理解される。上述のように、接点44の位置が患者36の組織に対して徐々に移動するような、患者36に対する接点44の移動は、監視アセンブリ20によって受信または監視される信号の変化を起こすことがある。
【0040】
[0046]さらに図4を参照すると、流れ図200は、神経56を刺激することにより刺激される筋肉などの組織に接触できる検知電極の、接点44で検知される、電極アセンブリ50などによって誘発される信号の監視を含むことができる監視システム20の例示的な動作を示す。上述のように、チューブ40は、組織の刺激を検知するように構成される接点44を備えつけられてよいことが理解される。しかし、電極接点は、刺激を検知するために、患者36または他の適正な被験者に接触できる任意の適正な器具一式または部分に備えつけられてよいことが理解される。チューブ40は、例示的なものにすぎず、本開示の例証のために提供される。
【0041】
[0047]したがって、具体的に図4を参照すると、流れ図200は、開始ブロック210
で始まってよい。刺激は、神経56を刺激することを含む、監視システム16を動作させることなどによって、ブロック214で開始することができる。上述のように刺激は、監視システム20によって検知され得る周期的な刺激を含むことができる。周期的な刺激は、神経56の反応のない応答時間(refractory response time)などの様々なファクタからなる周期を有することができる。それでも、刺激は、ブロック214で開始することができる。
【0042】
[0048]監視システム20は次に、ブロック216で、刺激からのEMG信号を検知することができる。上述のように、検知された刺激は、患者36の組織と接触した接点44を通じて、また刺激電極50によってもたらされる刺激により、検知されてよい。検知された刺激は、ワイヤレス送信システム48を介してワイヤレスで、または有線送信システム46を通じて、信号を送信させることができる。検知信号は次に、監視システム20によって監視および/または分析されてよい。
【0043】
[0049]電極50による神経56の刺激後の選ばれた準備期間の間など、最初の信号を受信した後に、監視システム20は、ブロック220で、検知信号に基づいてベースライン信号を決定することができる。ブロック220で決定されるベースライン信号は、メモリシステム28から呼び出された命令を実行しているプロセッサシステム26によって決定されてよい。例えば、プロセッサシステム26は、刺激の頻度もしくは周期、電力もしくは電圧を含む刺激の大きさ、または他の適正なパラメータを含むベースライン信号を決定することができる。それにもかかわらず、決定されるベースラインの刺激信号は、後の比較に対してベースラインを決定するために、監視システム20によって使用されてよい。
【0044】
[0050]上述のようにベースライン信号は、神経保全または連続性を妨げる可能性がある、患者に対する処置の前などに、神経56が実質的に傷つけられていないときに決定されてよい。したがってベースライン信号は、神経56に対する創傷または同様のものなどによる、ベースラインからの何らかの変化が発生するかどうかを決定するために使用されてよい。さらに、上述のように、組織に対する接点44の移動が、初期のベースラインからの信号の変化を起こすこともある。したがってベースライン信号は、初期以降の何らかの変化を決定するのを補助するために使用されてよい。
【0045】
[0051]さらにベースライン信号は、接点44の第1の選ばれた位置で決定される。上述のように、検知されたEMG信号は、被験者36の体内の様々な場所で異なる可能性がある。したがって、チューブ40上の接点44は第1の場所に設置されてよく、第1の場所は、特定の筋肉群に隣接した、または接触した、などの所定の場所でよい。したがって第1の場所からの移動は、EMG信号を含む、検知信号の変化を起こすことがある。したがって接点44が移動する場合、接点44は、第1の場所とは異なる第2の場所にある可能性がある。第2の場所は、第1の場所から回転させて、角度をつけて、または軸に沿ってずらされてよい。
【0046】
[0052]ブロック220でのベースラインの決定に続いて、検知信号は、ブロック224で監視されてよい。さらに、チューブ40を含む接点44の位置または位置変化は、ブロック226で監視されてよい。ブロック224での信号の監視、およびブロック226での位置変化の監視は共に、監視システム20によって行われてよい。信号は、ベースライン信号の決定後の神経56の刺激による信号の決定、および位置の変化の検知ができるように監視システム20に送られてよい。
【0047】
[0053]100ミリ秒毎、200ミリ秒毎、1秒毎、または他の適正な頻度などの選ばれた周期または頻度で、受信信号がベースラインから変化したかどうかの決定または測定が、判定ブロック230で発生してよい。ベースラインからの信号の変化は、任意の変化ま
たは閾値を超える変化を含むことができる。例えば、信号の変化は、大きさの変化、頻度の変化、周期の変化、などを含むことができる。閾値の変化は、例えば、約50ミリ秒の変化を含む、約1%から約10%までの周期の変化などの検知信号の変化を含むことができる。したがって、50ミリ秒より大きい周期の変化を検知信号の変化が含む場合、信号の変化が発生したというブロック230での決定は、ブロック232における、はいの経路に沿って進む。電力、電圧、などの変化などの信号の変化が発生したかどうかを決定するために信号の任意の適正な変化が測定され、使用されてもよく、閾値は、割合の変化または絶対値の変化を含むことができることが理解される。
【0048】
[0054]はいの経路232が続く場合、ブロック234で、ユーザ30に任意選択の初期警告メッセージが表示されてよく、またそうでなければ提示されてもよい。警告メッセージは、フラッシュ画面、ブランク画面、言語メッセージ、聴覚メッセージ、視覚メッセージ、などの任意の適正な警告メッセージを含むことができる。それにもかかわらず、ブロック234での警告メッセージは、信号が変化したこと、および患者36への創傷の可能性が発生したことをユーザ30に示すことができる。
【0049】
[0055]しかし、はいの経路232の直後のブロック234における警告メッセージは任意選択でよい。むしろ、はいの経路232は、ブロック240における、信号が変化したときに位置変化が決定されたかどうかについての第2の決定ブロックに続いてよい。上述のように、運動センサ100は、チューブアセンブリ40上に備えつけられてよい。チューブアセンブリ40の位置変化は次に、上述のような選ばれた位置検知部分を含む適正なメカニズムに従って、運動センサ100によって決定されてよい。したがって、ブロック240における、位置変化が発生したかどうかについての決定は、監視システム20によって行われてよい。運動センサ100からの信号は、位置変化を決定するためにプロセッサシステム26によって分析されてよい。プロセッサ26は、運動センサ100が位置の変化を検知するかどうかを決定するのを補助するために、メモリ28から呼び出された命令を実行することができる。したがって、プロセッサシステム26は、接点44および/またはチューブアセンブリ40の位置が変化したかどうかを決定することもできる。
【0050】
[0056]決定ブロック240は、位置変化が決定されない場合、ブロック254における、いいえの経路に沿って進んでよい。いいえの経路254は次に、ブロック234における、警告メッセージを送る、に続いてよい。上述のように、検知信号の変化が発生し、運動センサ100において、決定された位置変化が決定されない場合、接点44による検知信号の変化は、接点44の移動以外の理由で変化した可能性がある。変化の理由のさらなる可能性は、神経56の保全の変化によるものである可能性があり、ユーザ30は、神経56の連続性を決定するため、また少なくとも一瞬、処置を中断するために、メッセージを提供されてよい。
【0051】
[0057]しかし、ブロック240において、変化した位置が決定される場合、はいの経路258は、位置変化が閾値より大きかったかどうかを決定することを含む、さらなる判定ブロック262に続いてよい。運動センサ100は、接点44、またはチューブアセンブリ40の他の適正な部分の位置の変化を測定するために使用されてよい。しかし、位置の小さい変化、またはゆっくりとした変化などの選ばれた変化は、ブロック230において決定された信号の変化が運動センサ100の移動によるものであるという決定に至らないことがある。したがって、選ばれた閾値は、位置測定のエラーの可能性を取り除くこと、または最小化することを補助するために使用されてよい。
【0052】
[0058]変化の速さ、変化の絶対値、位置の変化の割合の大きさ、または他の適正な閾値を含み得る様々な閾値が、決定ブロック262において使用されてもよい。1つの例において、(例えば、1秒毎に1回、測定するときの)EMG信号の測定された変化が、以前
の測定値からプラスマイナス50%より大きいが、測定された信号のレイテンシが変化しなかった場合、これは、チューブ40の移動による接点44の移動が信号の変化を起こしたと決定されてよい。しかし、例示的な大きさの変化は、約40%から60%までを含む、約20%から80%まででよい。上述のように、これは、自動的に決定されてよく、いいえを選んだ場合、本明細書で論じられるように、ブロック234において警告されてよい。さらなる例において、センサの1つの軸において重力によって及ぼされる力を検出する複数軸のセンサが減少するが、別の軸において重力によって及ぼされる力が、例えば30%より大きい差で増加し、プロセッサは、既知の方向にチューブ40が回転したことを決定する命令を実行することができる。
【0053】
[0059]ブロック262において、変化が閾値より大きいと決定されると、ブロック234における、警告メッセージを送る、に、いいえの経路266が続いてよい。また一方で、位置の変化が、信号の変化に相関しない可能性がある場合、神経56の連続性および保全を決定するために、警告メッセージがユーザ30に送られてよい。したがって、変化の大きさが閾値以上でない場合、決定は、位置の変化が決定されないことに類似してよい。
【0054】
[0060]ブロック262において、変化が閾値より大きいと決定される場合、ブロック270における、はいの経路が続いてよい。最初に、任意選択の実施形態において、第2の決定ブロック274は、ブロック240における接点の位置変化と類似または同じの、同じ様式で発生した患者の位置変化が行われた可能性があるかどうかを決定することができる。上述のように、任意選択の運動センサ100’’は、患者36に対して置かれてよい。運動センサ100’’は、処置中に患者36の位置も監視できるようにする。運動センサ100のブロック240において決定された位置変化に患者36の位置変化がマッチする場合、これは、あお向けの位置から横を向いたなど、患者36が処置中に移動されたと推定または決定されてよい。チューブアセンブリ40の位置センサ100のものと実質的に同じまたは同一の様式で患者36の位置が変化する場合、接点44で検知された信号の変化は、やはり、患者36の組織に対する接点44の移動以外の何かによる変化であると決定または推定されてよい。これは、接点44で検知された信号の変化を起こさない、患者36の対外の空間に絶対的に相対する接点44の位置によるものである。むしろ、接点44が接触している組織に対する接点44の位置の変化は、検知信号の変化を起こすことがある。したがって、ブロック240におけるチューブ40の決定された変化と同じ様式で患者が位置を変化させたと決定される場合、ブロック234において警告信号を与えるために、はいの経路276が続いてよい。また一方、刺激による検知信号の変化は変化するが、チューブと患者の位置の両方は、患者36に対して接点44が移動しなかったような実質的に類似の様式で変化したと決定される。
【0055】
[0061]また一方で、任意選択で、ブロック274における患者の位置変化の決定が行われ、チューブ40の位置とは異なる様式で患者の位置が変化した場合、ブロック292における、処置完了信号が受信されたかどうかという決定ブロックに、いいえの経路290が続いてよい。この事例では、患者の位置は、位置が変化したとしても、チューブアセンブリ40の位置とは異なる様式で変化した。したがって、チューブ40の絶対位置の変化だけでなく患者36に対するチューブ40の位置も変化したと決定されてよい。
【0056】
[0062]はいの経路270が続くように、チューブの位置変化が閾値より大きく、任意選択の患者の位置センサが備えつけられない場合、はいの経路270は、処置完了信号が受信されたかどうかの判定ブロック292に続いてよい。また一方、接点44を含むチューブアセンブリ40の位置変化が閾値より大きく変化した場合、検知された刺激信号の変化は、接点44を含むチューブアセンブリ40の移動により引き起こされたと決定されてよい。
【0057】
[0063]処置完了信号が受信されると、はいの経路296がブロック300での終了に続いてよい。ブロック300での終了は、神経56の刺激もしくは監視の終了、または外科的処置の他の適正な終了部分を意味する。
【0058】
[0064]ブロック292において処置完了信号が受信されなかった場合、ブロック320において変化した検知信号で新しいベースラインを決定するために、いいえの経路310が続いてよい。上述のように、変化検知信号は、チューブ40が位置を変えたかどうかの決定またはチェックを始めることができる。チューブアセンブリ40の位置が変化したと決定される場合、これは、位置変化が検知信号の変化を起こしたと、メモリ28から呼び出された命令を実行するプロセッサシステム26などによって決定されてよい。位置変化が検知信号の変化を起こした場合、神経56への創傷は発生しなかったと決定されてよい。したがって、ブロック292において処置を終了するための信号が受信されなかった場合、ブロック220において決定されたベースライン信号とは異なる新しい検知信号による新しいベースラインが、ブロック320において決定されてよい。ブロック320において新しい(すなわち第2の)ベースラインを決定した後に、ブロック224における信号の監視、およびブロック226の位置変化の監視は、継続することができる。この事例では、処置はその後、継続することができ、上述のように、検知する刺激信号および検知される位置の監視は継続し、定期的にチェックされてよい。
【0059】
[0065]さらに、刺激の検知された変化が決定されない場合、ブロック224において検知された刺激信号を、およびブロック226において監視される位置変化信号を監視し続けるために、いいえの経路330が続いてよく、上述のように、これらは、選ばれた周期でチェックされてよいことが理解される。したがって、監視システム16は、患者36の刺激信号を監視し、チューブ40の位置変化が刺激信号の検知された変化を起こしたかどうかを決定するのを補助することができる。接点44を有するチューブ40の検知された位置変化が行われた場合、検知された位置変化が検知された電気刺激の変化を起こしたかどうかの決定が行われてよい。
【0060】
[0066]引き続き図4を、また図1も参照すると、運動センサ100は、選ばれた筋肉グループが刺激されているかどうかを決定するために、監視システム16を伴う監視部分として使用されてよい。例えば、上述のように、筋肉36aは被験者36の声帯を含むか、この声帯と関連付けられてもよい。神経56の刺激は、声帯36aの移動を起こすことがある。神経56の刺激により引き起こされた応答のような声帯36aの移動は、運動センサ100(またはチューブアセンブリ40と関連付けられた他の運動センサ)によって検知および/または測定されてよい。したがって、運動センサ100は、声帯36aに対する筋肉の移動によるチューブアセンブリ40の運動を検知することによって、神経56がダメージを受けたか否かを決定するために使用されてよい。
【0061】
[0067]様々な実施形態において、運動センサ100(例えば加速度計)は、神経56の刺激である刺激された信号を検出する監視部分として動作することができ、監視部分として動作できる接点44の刺激された信号の検出を置換および/または増強することができる。神経56(例えば、反回神経および/または迷走神経)が刺激されて応答を引き起こすと、対応する筋肉組織は声帯の内転を起こし、声帯は、気管チューブアセンブリ40の周囲で衝突または収縮する。チューブ40上でのこれらの声帯の衝突は、チューブアセンブリ40上にマウントされた運動検出器100によって検知され得る対応する運動(例えば振動)を誘発する。したがって、運動センサ100は、神経刺激の冗長な、および/または代替の検知、ならびに声帯移動の検出を提供する。
【0062】
[0068]様々な実施形態において、図4を参照すると、ブロック214において刺激が開始されると、ブロック500において刺激応答による運動が検知されてよい。ブロック5
00において検知された運動は、運動センサ100によるもの、またはチューブ40と関連付けられた任意の適正な運動センサによるものであってよい。チューブアセンブリ40は、被験者36の声帯を含む、選ばれた解剖学上の構造の接触または衝突により移動することがある。声帯を移動させ、チューブ40に接触させた神経56の刺激により筋肉が移動される場合、運動センサ100によって運動が検知されてよい。このような運動は次に、神経56の刺激によって刺激されることになる筋肉の引き起こされた応答に関連するものと推定されてよい。したがって、ブロック216において刺激によって誘発されたEMG信号を検知するのではなく、筋肉36aへの神経56の同じ連続性を推定するために、ブロック500において運動が検知されてよい。
【0063】
[0069]運動処理システム102は、運動センサ100から運動信号を受け取ることができるということ、および運動信号は、監視システム16に転送されてよいことが理解される。監視システム16は次に、選ばれた筋肉で引き起こされた応答が発生していることを運動信号に基づいて決定するために、選ばれた命令を実行することができる。例えば、刺激のタイミングが既知であってよく、検知された運動のタイミングおよび/または大きさは刺激に関連してよい。したがって、刺激の時間と、検知された運動の時間および/または大きさとの相関性は、神経56が無傷であることを決定するために使用されてよい。検知された運動のタイミングおよび/または大きさ(例えば、比較的低いか、検知された運動がない)が変化する場合、損傷が発生したという決定が、監視システム16によってなされることがある。本明細書で論じられるように、警告メッセージがその後、ユーザ30に送られてよい。
【0064】
[0070]したがって、監視システム16は、声帯の移動による運動センサの検知された運動に関して、運動処理システム102から信号を受信すると、表示デバイス22などによって、メッセージをユーザ30に表示または提示することができる。表示デバイス22は、運動を表す波などの表現を含むグラフを表示することができる。ユーザ30は、表示デバイス22を眺めて、選ばれた速度など、運動が発生していることを決定し、引き起こされた応答がまだ発生していることを保証することができる。ブロック500における運動の検知は、ブロック216における検知されたEMG信号の他に、または代替として発生させることができることが理解される。したがって、引き起こされた応答が発生していることを決定するための運動センサ100による運動の検知は、EMG信号の検知の代替および/または代わりでよいことが理解される。
【0065】
[0071]刺激された応答を行うためのベースラインの運動の決定は、ブロック520において任意選択で発生させることができる。シミュレートされた応答による検知された運動によるベースラインの運動の応答の決定は任意選択であり、必要なくてもよい。さらに、ブロック226において位置変化を監視するために、上述のように、処理200にさらに入ることも任意選択である。ブロック226における位置変化の監視は任意選択でよく、引き起こされた応答が発生していることを決定するために、刺激された応答による運動を検知するだけのときに特に任意選択でよい。上述のように、ブロック226における位置変化の監視は、接点44の移動の移動がEMG信号の変化を起こすことを保証するときに発生させることができ、また選択されてもよい。引き起こされた応答が発生していることを決定するためにEMG信号が使用されていない場合、ブロック226における位置変化の監視は選択されなくてもよい。したがって、ブロック520における運動のベースラインの決定、ならびに/またはブロック500において刺激された応答による運動を検知および監視するときのブロック226における位置変化の監視は共に任意選択でよい。
【0066】
[0072]それにもかかわらず、ブロック530において検知された運動に関するメッセージは、表示デバイス22によってもたらされてよい。聴覚メッセージまたは触覚メッセージなどの他の適正なメッセージがユーザ30に提供されてもよいことが理解される。例え
ば、チューブアセンブリ40の移動または検知された振動に関する周期的な濃淡がユーザ30に提供されてよい。処理はその後、被験者36に対する処置を終わらせることをユーザ30が決定または選択すると、300において終了してよい。
【0067】
[0073]したがって、神経56の刺激により筋肉36aで引き起こされた応答は、チューブアセンブリ40上の運動センサ100によって測定または決定されてよい。上述のように、チューブアセンブリ40の振動は、選ばれた筋肉組織において神経56の刺激により引き起こされた応答が発生していることを決定するために分析され、使用されてよい。プロセッサシステム26は、チューブアセンブリ40の運動を決定するために、運動処理システム102によって処理された、運動センサ100による検知された運動に基づいて、運動信号を評価することができる。(選ばれた期間にわたる運動の大きさの変化などの)運動信号の変化、または運動信号の他の適正な変化などに基づいて、選ばれた信号がユーザ30に提供されてよい。したがって、運動センサ100による運動の検知は、上述のような、接点44によるEMG信号の検知の代わりに、または代替として使用されてよい。
【0068】
[0074]これは、患者36に電気的に連結されないセンサ(すなわち、運動センサ100、100’、100’’)の利点をもたらし、したがって電気的干渉の可能性のあるところで、声帯の移動、筋肉の移動、および神経の刺激を検知する手段を提供するが、このような電気的干渉は、高周波の電気外科によって起こされることがある。組織を切断し、焼灼するために一般に使用される電圧信号が、ユーザ36にとって関心のある、および/または監視システム16によって監視される生体電位よりずっと大きいので、様々な電気外科システムによって起こされる信号は、高周波の電気外科ユニットの使用中にEMG信号によって神経の刺激を検知しようとする監視システムとの干渉を起こすことがある。刺激された神経および声帯移動を検出する運動センサの別の利点は、引き起こされた応答を得ることになる筋肉36a(例えば、声帯に関連した筋肉)に対する配置に、運動センサ100が依存しないというものである。チューブ40は、運動センサ100の位置または方向に関わらず、運動センサ100への声帯の衝突によって起こされる振動を伝える。したがって、運動センサ100は、チューブ40の運動を検知および/または測定するのに使用され得る、本明細書で論じられるものすべてを含む任意の適正な運動センサを含んでよいことが理解される。
【0069】
[0075]検知された刺激の変化と、検知された位置変化の間の相関性は、互いに約100マイクロ秒を含む、互いに10~500マイクロ秒の範囲内などの、同時または実質的に類似の時間で発生する変化などの、他の様々なファクタに基づいて行われてよいことが理解される。したがって、約100ミリ秒などの、時間の選ばれた閾値を超える、一度に発生する刺激の検知された変化は、接点44を含むチューブアセンブリ40の移動による変化の可能性として取り除かれるか、無視されてよいことが理解されよう。時間の選ばれた閾値は、選ばれたパラメータに基づいて選択されてよい。
【0070】
[0076]様々な実施形態によれば、神経56への創傷をチェックするため、処置を中断させること、または妨げることなく、処置を継続できるようにするために、検知された刺激信号の変化も測定されるときの、接点44の位置の重要でない変化は無視されてよい。刺激信号の検知された変化は、ユーザ30による閲覧のための警告信号を起こすために提供してよく、また使用されてもよい。しかしユーザ30は、位置の検知された変化が決定される信号を提供されてもよい。したがってユーザ30は、選ばれた期間、検知された刺激信号を監視することなど、神経56の保全について侵襲性のさらに少ない決定を行うことができる。しかし、選ばれた代替実施形態において、プロセッサシステム26は、位置センサ100、100’によって決定されたチューブアセンブリ40の移動によって検知された刺激の変化が起こされたかどうかを決定すること、およびユーザ30に警告信号を送るか、または監視システム20を再較正することだけを行うこと、ならびに上述のように
、ブロック320において新しいベースライン信号を決定し、処置を継続することを行う命令を実行することができる。したがって、位置変化に基づいて受信信号の変化を監視し、決定し、新しいベースラインを決定することはすべて、ユーザ30からのさらなる介入または入力なく、自動的でよい。
【0071】
[0077]実施形態の例は、本開示が完全になり、当業者に範囲を十分に伝えるように提供される。本開示の実施形態を完全に理解するように、特定の構成要素、デバイス、および方法の例などの非常に多くの具体的詳細が示される。具体的詳細が用いられる必要はないということ、多くの様々な形で実施形態の例が具体化されてよいということ、本開示の範囲を限定するように解釈されるべきでもないということが当業者には明らかであろう。実施形態のいくつかの例において、よく知られた処理、よく知られたデバイス構造、およびよく知られた技術は、詳細に説明されない。
【0072】
[0078]実施形態の前述の説明は、例証および説明のために提供された。これは、網羅的であること、または本開示を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は全体的に、特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合、具体的に示されなくても、または説明されなくても、選ばれた実施形態の中で入れ替えることができ、使用されてよい。同じことが、多くの方式で変えられてもよい。このような変形形態は、本開示から逸脱するものとみなされるべきではなく、このようなすべての修正は、本開示の範囲に含まれることを意図するものである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の刺激反応を監視するためのシステムであって、
前記被験者に設置されるように構成される外面を有するチューブと、
前記外面上に接続され、第1の場所で前記被験者と接触して設置されるように構成される接点であって、刺激に対する応答を検知するように構成される、接点と、
運動を検知するように構成される運動検知システムであって、
前記接点に対する前記チューブに取り付けられた運動検知構成要素、および
前記運動検知構成要素の運動を決定するために、前記運動検知構成要素から信号を受信するように構成される運動モニタを含む、運動検知システムと、
前記刺激に対する検知された前記応答を受け取るように構成される信号監視システムであって、
監視するためのベースラインの検知信号を決定し、現在の信号を、前記決定されたベースライン信号と比較するように構成されるプロセッサ、および
メッセージをユーザに提示するためのメッセージデバイスを含む、信号監視システムと備える、システム。
【請求項2】
刺激信号を前記被験者に送信し、前記接点によって検知されることになる神経応答を引き起こすように構成される刺激電極をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メッセージデバイスによって提示された前記メッセージが、検知された神経応答の値を含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記運動モニタおよび前記信号監視システムが、単一の監視システムとして統合される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記運動検知構成要素によって送られた運動信号に基づいて前記運動検知構成要素の運動を決定する命令をさらに実行するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記運動検知構成要素が、加速度計、ジャイロスコープ、または磁力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記運動検知構成要素が、加速度計、ジャイロスコープ、または磁力計のうちの少なくとも2つを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記検知された刺激信号を含む第1の信号、および前記検知された運動信号を含む第2の信号を送信するように構成されるワイヤレス送信アセンブリと、
前記第1の信号と前記第2の信号の両方を受信するための前記1つの監視システムと共に含まれるワイヤレス受信アセンブリとをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記チューブが、前記被験者の喉頭に配置されるように構成される気管チューブを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記接点が、筋電図検査(EMG)応答を検知するように構成される導電部材を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記接点によって前記検知された応答の変化と、運動検出との間の相関性を決定する命令を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記運動検知構成要素は、少なくとも2つの検知部分を含み、前記2つの検知部分のうちの第1の検知部分が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの1つであり、前記2つの検知部分のうちの第2の感知部分が、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記運動検知構成要素は、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計のすべてを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
被験者運動検知構成要素であって、前記被験者に取り付けられるように構成される、被験者運動検知構成要素をさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
被験者の刺激反応を監視する方法であって、
運動検知構成要素の運動を決定するために前記運動検知構成要素からの受信信号を評価するステップと、
刺激に応答している現在の受信刺激応答を、決定されたベースラインの刺激応答と比較することによって、前記現在の受信刺激応答が、決定されたベースラインの刺激応答と異なるかどうかを決定するステップと、
前記現在の受信刺激応答が、前記決定されたベースラインの刺激応答と異なる場合、前記決定された相違が、前記運動検知構成要素の前記決定された運動に基づく運動によるものであるかどうかを決定するステップと、
前記決定された相違が、前記決定された運動に関するかどうかの出力を出力するステップとを含む、方法。
【請求項16】
前記出力が、前記決定された相違が、前記決定された運動に関するというメッセージをユーザに提示するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記決定された相違が、決定された運動によるものであるかどうかの前記決定を出力するステップが、前記現在の受信刺激応答を使用して新しいベースラインを決定するステップを含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記被験者の運動に関する被験者運動センサからの信号を評価するステップと、
前記被験者の前記評価された運動を、前記運動検知構成要素からの前記受信信号の前記評価と比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記被験者の前記運動が、前記運動検知構成要素からの前記受信信号の前記評価に類似しているかどうかを決定するステップと、
前記被験者の前記運動が、前記運動検知構成要素からの前記受信信号の前記評価に類似している場合、前記出力として警告メッセージをユーザに送るステップとをさらに含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
加速度計、ジャイロスコープ、または磁力計のうちの少なくとも2つを有する前記運動検知構成要素から前記信号を送信するステップをさらに含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記運動検知構成要素からの前記受信信号を評価するステップが、前記受信信号に基づいて前記運動検知構成要素の運動を決定するために、プロセッサで命令を実行するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記決定された相違が、前記運動検知構成要素の決定された運動に基づく前記運動によるものかどうかを決定するステップが、前記運動検知構成要素の前記決定された運動と、前記現在の受信刺激応答との少なくとも時間の相関性を決定するために、前記プロセッサで命令を実行するステップ含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
チューブの筐体の外部に接続された接点を提供するステップと、
第1の場所で前記被験者と接触して設置されるように前記チューブおよび前記接点を構成するステップと
をさらに含む、請求項15から21のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】