(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169352
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】カンチレバープローブヘッドおよび対応するコンタクトプローブ
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20231121BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G01R1/067 G
G01R1/073 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023159086
(22)【出願日】2023-09-22
(62)【分割の表示】P 2020539201の分割
【原出願日】2019-01-14
(31)【優先権主張番号】102018000001170
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェットーリ、リカルド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】PCB基板と関連付けられた支持環、および、カンチレバー状に支持環から突出し、支持環と関連付けられた支持体によって保持されている複数のコンタクトプローブを備えるカンチレバープローブヘッドを提供する。
【解決手段】コンタクトプローブ31は、カンチレバープローブヘッド30により、被試験デバイスのウェーハの平面に対応する参照平面πに対して傾いている長手方向軸を有する棒状本体31e、および被試験デバイスのウェーハの方向において支持体34から突出する第1のプローブセクション31bにおいて備えられている少なくとも1つの第1の端部31aを有し、第1の端部は、屈曲点PG2に始まり、ウェーハの被試験デバイスの接触パッド35Aに当接するように構成された、コンタクトプローブの接触先端36Aで終端するように、長手方向軸に対して曲げられている。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンチレバープローブヘッド(30)であって、PCB基板(33)と関連付けられた支持環(32)、および、カンチレバー状に前記支持環(32)から突出し、前記支持環(32)と関連付けられた支持体(34)によって保持されている複数のコンタクトプローブ(31)を備え、
前記複数のコンタクトプローブ(31)それぞれが、前記カンチレバープローブヘッド(30)により、被試験デバイス(35)のウェーハの平面に対応する参照平面(π)に対して傾いた略棒状のプローブ本体(31e)および長手方向軸(HH)と、前記被試験デバイス(35)の前記ウェーハの方向において前記支持体(34)から突出する第1のプローブセクション(31b)において実現された少なくとも1つの第1の端部(31a)と、を有し、
前記第1の端部(31a)は、屈曲点(PG1)に始まり、前記ウェーハの前記被試験デバイス(35)の接触パッド(35A)に当接するように構成された、前記コンタクトプローブ(31)の接触先端(36A)で終端するように、前記長手方向軸(HH)に対して曲げられており、
前記複数のコンタクトプローブ(31)それぞれが、前記PCB基板(33)に向けて、前記第1のプローブセクション(31b)に対して反対の方向において前記支持体(34)から突出する第2のプローブセクション(31d)において実現された第2の端部(31c)をさらに備え、
前記第2の端部(31c)は、さらなる屈曲点(PG2)に始まり、前記PCB基板(33)の接触パッド(33A)に当接するように構成された、前記コンタクトプローブ(31)のさらなる接触端(36B)で終端するように、前記長手方向軸(HH)に対して曲げられているカンチレバープローブヘッド(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カンチレバープローブヘッドを、および対応するコンタクトプローブを表す。
【背景技術】
【0002】
本発明は、排他的でないが、特に、半導体ウェーハ上に集積されたデバイスを電気的に試験するための試験装置内に実装されるように構成されたプローブヘッドに関し、以下の開示はその説明を簡素化する目的のみで本出願の技術分野を参照して行う。
【0003】
よく知られているように、プローブヘッドは基本的には、マイクロストラクチャの複数の接触パッドを、その試験を行う試験装置の対応するチャンネルと電気的に接続するのに好適な装置である。
【0004】
集積回路に対して行われる試験は、既に製造工程に入っている欠陥回路を検出し、分離するために使用される。通常、プローブヘッドは、ウェーハ上に集積された回路の、それらの切断、および、チップ格納パッケージ内での組み立て前に電気的に試験するために使用される。
【0005】
いわゆる「カンチレバー」プローブヘッド、すなわち、適切な支持体からカンチレバー状に突出する複数のプローブを備えるプローブヘッドは広く使用されている。
【0006】
特に、
図1に概略的に示すように、カンチレバープローブヘッド10は通常、集積回路基板すなわちPCB基板12と関連付けられた、たとえば、アルミニウム、セラミック、または別の好適な材料でできた支持環11を備える。樹脂で通常できている支持体13は、支持環11と関連付けられ、および、複数の可動の接触要素すなわちコンタクトプローブ14であって、通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金でできた線材で構成され、および、参照平面、特に被試験デバイス15、たとえば、そうしたコンタクトプローブ14によって試験される対象の集積回路のウェーハの平面に対して好適な角度αで樹脂支持体13を出る複数の可動の接触要素すなわちコンタクトプローブ14を実装するのに好適である。この理由で、そうしたコンタクトプローブ14は、実際に、カンチレバープローブとして推奨される。
【0007】
特に、カンチレバーコンタクトプローブ14は、プローブ本体14bに対して、適切な角度をなして曲がっている、フック14aと通常呼ばれる端部を有する。フック14aは、被試験デバイス15の接触パッド15Aに当接するように構成された接触先端16Aで終端する。フック14aは、被試験デバイス15の平面に対してフック14aが略直交となるように、プローブ本体14bとフック14aとの間に画定された屈曲点14cにおいて曲げられる。
【0008】
カンチレバープローブヘッド10のコンタクトプローブ14の接触先端16Aと、被試験デバイス15の接触パッド15Aとの間の良好な接続はデバイス自体へのカンチレバープローブヘッド10の圧力によって確実にされ、コンタクトプローブ14はカンチレバープローブヘッド10に向けたデバイスの移動に対して反対の方向において垂直方向に曲がる。
【0009】
特に、集積回路のウェーハを試験する通常の動作において生じるように、被試験デバイス15が、フック14aに対して垂直方向に移動すると、対応するコンタクトプローブ14は、そうした被試験デバイス15の平面に対して略直交の方向に曲がり、その屈曲点14cは円弧を進む。
【0010】
被試験デバイス15の方向において樹脂支持体13に対して突出している第1のプローブセクション18aは、その垂直方向の屈曲動作における、コンタクトプローブ14用の作動アームを画定し、通常、「自由長」との語で示される。
【0011】
複数のカンチレバーコンタクトプローブ14のフック形状は、被試験デバイス15の接触パッド15Aとの接触、および、予め決められた接触点を超えたそれらの上方のトラベル、すなわち「オーバートラベル」の間に、プローブヘッド~被試験デバイスのシステムの配置によって画定される方向において接触パッド15A上を移動し、そうした接触パッド15Aに対する、カンチレバーコンタクトプローブ14の接触先端16Aのいわゆるスクラブを確実にする。
【0012】
各カンチレバーコンタクトプローブ14はさらに、PCB基板12の方向において樹脂支持体13から突出しており、通常、溶接部17においてPCB基板12に溶接されたコンタクトプローブ14のさらなる端部16Bで終端する第2のプローブセクション18bを備える。
【0013】
そうした溶接部を作るために、第2のプローブセクション18bは、特に数センチメートルオーダー、すなわち、一辺5mmの寸法のチップまたはダイである被試験デバイス15の通常の寸法の少なくとも2倍の好適なサイズを有しているべきであり;実際に、通常、顕微鏡およびピンセットを使用してプローブ毎に手作業で溶接部17が作られる。
【0014】
したがって、溶接部17を作るために、PCB基板12に向けて突出しているプローブセクション18bに対して多少のスペースを想定する必要性が存在している;特に、カンチレバープローブヘッド10の全体の寸法は、別個の接触部、すなわち、コンタクトプローブ14毎に別個の溶接部17を作るために支持環11周りに想定しなければなければならないスペースの所為で増加する。
【0015】
特に、チップまたはダイの形式における被試験デバイス15の寸法が約5mmである一方で、溶接部17を作るための第2のプローブセクション18bは、数センチメートル(少なくとも10mm=1cm、すなわち、ダイの寸法の2倍)もの長さを有しているべきであることが考慮に入れられるべきである。
【0016】
被試験デバイス15の接触パッド15Aに対して各コンタクトプローブ14によって加えられる力が、とりわけ主に:コンタクトプローブ14ができている材料の種類、その形状、その接触フック14の角度α、突出しているその第1の部分18aの長さすなわち自由長、および被試験デバイス15のオーバートラベルである、多くの要因に依存することに留意することはさらに適切である。上記要因は、接触パッド15A上の接触フック14aの摺動、すなわち「スクラブ」の程度をさらに定める。
【0017】
コンタクトプローブ14の自由長値を均一にし、パッド自体に対して加えられる力の値を均一にし、よって、カンチレバープローブヘッド10全体の消耗および挙動の均一性を確実にするように、それに対して試験を行わなければならないその接触パッド15Aの組に応じて、異なる形状を有する、一般にアルミニウム、セラミック、または別の好適な材料でできている支持環11を当該技術分野において使用することがさらに知られている。
溶接されたプローブを備える、上記タイプのカンチレバープローブヘッドは、たとえば、Ni et al.(KING YUAN ELECTRONICS CO LTD)による米国特許出願公開第2010/0182028号明細書、およびLou et al.(STAR TECHN INC.)による米国特許出願公開第2011/0279139号明細書によって知られている。さらに、Nasu et al.による米国特許出願公開第2014/0009182号明細書、およびKuniyoshi et al.(NIHON MICRONICS KK)による米国特許出願公開第2010/0219854号明細書は、取り付け端を有する基部と、横方向に基部から延在し、およびプローブ先端を支持するアーム部とを備えるプローブを開示している。
被試験デバイスに面する底面と反対側の、PCTの最上面にカンチレバープローブが溶接される、特に高周波応用分野用の、カンチレバープローブヘッドについての異なる構成は、Lou et al.(STAR TECHN INC)による米国特許出願公開第2007/069745号明細書、およびChank et al.(MPI CORPORATION)による米国特許出願公開第2014/0015561号明細書によっても知られている。
【0018】
あるいは、
図2に概略的に示すように、垂直手法により、プローブヘッドを製作することが可能である。
【0019】
全体として20で示すそうした垂直プローブヘッドは基本的には、上述したように、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金でできた線材でできており、略板状の互いに平行である、少なくとも一対の支持体またはガイドによって保持され、通常、集積回路のウェーハとして成形された被試験デバイス25によって画定された平面に対して略直交している方向において延在している、複数のコンタクトプローブ21を備えている。
【0020】
特に、垂直プローブヘッド20は、それらの中で少なくとも1つのコンタクトプローブ21が通って摺動するガイド穴22Aおよび23Aそれぞれを有する、通常「下方ダイ」、または単に下方ガイド22として表される少なくとも1つの板状の下方支持体、および、通常「上方ダイ」、または単に上方ガイド23として示される板状の上方支持体を備える。
【0021】
プローブおよびガイドは、ケース24内に収容され、自由ゾーンまたはエアゾーン24Aに、コンタクトプローブ21の移動および考えられる変形をさせるように互いに特定の距離をおいて配置される;この理由で、上記ゾーン24Aは、屈曲ゾーンとしても表される。
【0022】
各コンタクトプローブ21は、被試験デバイス25の接触パッド25Aに、上記被試験デバイス25と、垂直プローブヘッド20が端要素を形成するその試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的接触をもたらすように当接することが意図された接触先端21Aを有する一端において終端する。
【0023】
「接触先端」との語は、ここでは、および以下では、被試験デバイスまたは試験装置との接触が意図されたコンタクトプローブの端ゾーンまたは領域を意味し、上記端ゾーンまたは領域は必ずしも尖っていない。
【0024】
場合によっては、複数のコンタクトプローブ21は、上方ガイド23において、ヘッド自体にしっかりと固定される:これは、ブロック化プローブを有するプローブヘッドの場合である。
【0025】
しかし、より頻繁には、固定でブロック化されておらず、場合によってはマイクロコンタクト板により、いわゆる基板とインターフェース接続して保持されたプローブを有するプローブヘッドが使用されている:これは、非ブロック化プローブを有するプローブヘッドの場合である。マイクロコンタクト板は通常、「スペーストランスフォーマ」と呼ばれている。というのは、プローブとの接触の他に、特に、パッド自体の中心間の距離制約の緩和を伴って、被試験デバイス上の接触パッドに対して、その上に設けられた接触パッドを空間的に再配分することも可能にするからである。
【0026】
この場合、
図2に示すように、コンタクトプローブ21は、スペーストランスフォーマ26の複数の接触パッドのうちのパッド26Bの方に向かう接触ヘッド21Bとして表されるさらなる接触先端を有している。プローブ21とスペーストランスフォーマ26との間の良好な電気的接触は、図示しないPCB基板とインターフェース接続することが意図された、スペーストランスフォーマ26の接触パッド26Bに対する、コンタクトプローブ21の接触ヘッド21Bの当接および押圧によって常に確実にされる。
【0027】
図2の例では、複数のコンタクトプローブ21はさらに、被試験デバイス25に対するプローブヘッドの押圧接触中の、上記プローブの曲げを意図するように構成された予変形部21Cも備える。
【0028】
したがって、そうした場合には、複数のコンタクトプローブ21の複数の接触ヘッド21Bは、浮遊しており、および、スペーストランスフォーマ26の接触パッド26Bと押圧接触し、スペーストランスフォーマ26は、それに接続されることが意図されたPCB基板からスペーストランスフォーマが直接得られることを想定しているいわゆるダイレクトアタッチによる、または、スペーストランスフォーマが、PCB基板と物理的に分離され、線材を接合することにより、それに接続される接合手法による、異なる手法によって製作することが可能である。
【0029】
垂直手法の主な利点は、より近い接触パッド、すなわち非常に狭いピッチ、さらに、完全アレイタイプのピッチを有する、すなわち四辺すべての上に配置されたパッドを有するデバイスを試験することができることである。
【0030】
実際には、カンチレバー手法では、先端がテーパー形状を有しているので、カンチレバープローブヘッドは、いずれにせよ、ピッチの点で、特に、対応する支持環について多層構造を使用して、および、非常に近い、すなわち低減されたピッチを有するパッドに接触するための、先端のテーパー形状を正確に利用して、有利である。
【0031】
垂直手法によれば、パッド間の距離は、プローブの径によって、および、ガイド内に設けられるガイド穴を近付け得る能力によって制限される。ここでは、および以下では、「パッド間の距離」の定義は、上記パッドの対称中心間の距離を意味する。
【0032】
現行の手法では、垂直手法によって製作されたプローブヘッドは、カンチレバープローブヘッドによって得られるピッチに達することができない。
【0033】
垂直手法によって製作されたプローブヘッドは、その代わりに、カンチレバーヘッドに対して、被試験デバイス上のパッドの配分を「複製する」接触先端との、平行度を高くした、ダイの接触を首尾よく行うという利点を有する。
【0034】
カンチレバー手法によって製作されたプローブヘッドでは、その代わりに、溶接部を作るために多少のスペースを設ける必要性が存在しており、および、たとえば、垂直手法の特性に達するものでないにもかかわらず、プローブをずらすために段を使用して、または斜めに配置されたプローブを使用して、互いに近い2つのダイを試験するために、この不都合を改善し、単一のダイよりも高い平行度を得るための手段が知られていても、平行して多くのダイの同時の試験を行うことは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
本発明の技術的課題は、先行技術によって製作されたプローブヘッドの制約を解消する、特に、ウェーハ上に集積された異なるダイの平行の試験をもたらすことができるような構造的および機能的特徴を有するカンチレバープローブヘッドを提供することである。
【0036】
本発明の根底にある解決策の考えは、支持体自体により近い接触ゾーンをもたらすために、PCB基板に向かって樹脂支持体から突出する、プローブのセクション内のさらなる屈曲点を有するようにカンチレバープローブの構造を修正し、PCB基板とのプローブの溶接を実現するのに適切な長さを設けることの必要性を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
この解決策の考えに基づけば、技術的課題は、カンチレバープローブヘッドであって、PCB基板と関連付けられた支持環、および、カンチレバー状にそうした支持環から突出し、支持環と関連付けられた支持体によって保持されている複数のコンタクトプローブを備え、複数のコンタクトプローブそれぞれが、カンチレバープローブヘッドにより、被試験デバイスのウェーハの平面に対応する参照平面に対して傾いた略棒状のプローブ本体および長手方向軸と、被試験デバイスのウェーハの方向において支持体から突出する第1のプローブセクションにおいて備えられている少なくとも1つの第1の端部とを有し、第1の端部は、屈曲点に始まり、ウェーハの被試験デバイスの接触パッドに当接するように構成された、コンタクトプローブの接触先端で終端するように、長手方向軸に対して曲げられており、複数のコンタクトプローブそれぞれが、PCB基板に向けて、第1のプローブセクションに対して反対の方向において支持体から突出する第2のプローブセクションにおいて備えられている第2の端部をさらに備え、第2の端部は、さらなる屈曲点に始まり、PCB基板の接触パッドに当接するように構成された、コンタクトプローブのさらなる接触端で終端するように、長手方向軸に対して曲げられているカンチレバープローブヘッドによって解決される。
【0038】
さらに特に、本発明は、単独で、または必要に応じて互いに組み合わせで考慮に入れられる以下のさらなる、および任意的な特徴を備える。
【0039】
本発明の別の態様によれば、複数のコンタクトプローブそれぞれが、第1のプローブセクションおよび/または第2のプローブセクションにおいて備えられている少なくとも1つの減衰部をさらに備える場合がある。
【0040】
さらに特に、そうした少なくとも1つの減衰部が第1のプローブセクションにおいて備えられる場合がある。
【0041】
さらに、そうした少なくとも1つの減衰部が、基本的には、それぞれの屈曲点において、第1の端部に、およびプローブ本体に接続されたパンタグラフ部として成形される場合がある。
【0042】
そうした少なくとも1つのパンタグラフ部が基本的には、実質的に平行六面体として配置された可変セクションを有しており、および、それらの中の空のスペースを画定するそれらの四辺を備える場合がある。
【0043】
本発明の別の態様によれば、そうした少なくとも1つの減衰部が第2のプローブセクションにおいて備えられている場合がある。
【0044】
特に、そうした少なくとも1つの減衰部が基本的には、さらなる屈曲点においてプローブ本体に接続されたばね部として成形され、および、コンタクトプローブのさらなる接触端を画定するように構成される場合がある。
【0045】
本発明の別の態様によれば、カンチレバープローブヘッドは、支持環に接続され、および、複数のコンタクトプローブのさらなる接触端を備えている第2の端部の通過に好適な穴を設けている少なくとも1つの支持板をさらに備える場合がある。
【0046】
さらに特に、支持板が、好適な絶縁材料でできており、および支持環に溶接されている場合がある。
【0047】
さらに、本発明の別の態様によれば、複数のコンタクトプローブそれぞれの第2の端部は、PCB基板の平面に対応する参照平面に対して略直交するように長手方向軸に対して曲げられる場合がある。
【0048】
本発明の別のさらなる態様によれば、複数のコンタクトプローブの第1の端部は、より多くのレベル上の、それらの配置を可能にするテーパー形状を有している場合がある。
【0049】
さらに、本発明の別の態様によれば、支持板を、および支持体を備えている支持環は、
コンタクトプローブの端部のさらなる端がPCB基板の接触パッドに当接するようにPCB基板との押圧接触において実装される場合がある。
【0050】
本発明の別の態様によれば、カンチレバープローブヘッドは、それぞれが支持環を備えており、および、第1および第2の端部で終端する、コンタクトプローブがそこから突出するその支持体を備えている複数のモジュールを備え、モジュールは、単一の被試験デバイスのサイズと比較することが可能なサイズを有する場合がある。
【0051】
さらに特に、複数のモジュールは、被試験デバイスのウェーハの面積に等しい、PCB基板の面積を包含するように配分される場合がある。
【0052】
さらに、複数のモジュールそれぞれは、好適には、少なくとも1つの固定要素を収容するように構成された少なくとも1つの穴を設けている少なくとも1つの接触部を備える場合がある。
【0053】
複数のモジュールそれぞれが、同じ数の収容部と相補的な好適な形状を有するアラインメントピンをさらに備える場合がある。
【0054】
本発明のこの態様によれば、カンチレバープローブヘッドは、モジュールを収容するための、PCB基板に関連付けられ、および、モジュールのアラインメントピン用の収容部を備えている支持構造をさらに備える場合がある。
【0055】
本発明の別の態様によれば、カンチレバープローブヘッドは、PCB基板の接触パッドの配分を修正するように、支持体から突出し、異なるサイズを有する、それぞれの第2のプローブセクション、および/または、それぞれの第2の端部を有するコンタクトプローブを備える場合がある。
【0056】
課題は、コンタクトプローブがカンチレバープローブヘッドの支持環と関連付けられた支持体内に実装されると、被試験デバイスのウェーハの平面に対応する参照平面に対して傾いていることが意図された所定の長手方向軸を有するプローブ本体を備えるカンチレバーコンタクトプローブであって、カンチレバーコンタクトプローブがさらに、被試験デバイスのウェーハの方向において支持体から突出することが意図された第1のプローブセクションにおいて備えられている少なくとも1つの第1の端部を備え、第1の端部は、屈曲点に始まり、および、ウェーハの被試験デバイスの接触パッドに当接するように構成されたカンチレバーコンタクトプローブの接触先端で終端するように長手方向軸に対して曲げられ、PCB基板に向けて、第1のプローブセクションに対して反対の方向において支持体から突出することが意図された第2のプローブセクションにおいて備えられている第2の端部をさらに備え、第2の端部は、さらなる屈曲点に始まり、PCB基板の接触パッドに当接するように構成された、カンチレバーコンタクトプローブのさらなる接触端で終端するように長手方向軸に対して曲げられているカンチレバーコンタクトプローブによってさらに解決される。
【0057】
本発明の別の態様によれば、カンチレバーコンタクトプローブは、第1のプローブセクション、および/または第2のプローブセクションにおいて備えられている少なくとも1つの減衰部をさらに備える場合がある。
【0058】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの減衰部が、第1のプローブセクションにおいて備えられている場合がある。
【0059】
特に、そうした少なくとも1つの減衰部は、基本的には、それぞれの屈曲点において、第1の端部に、およびプローブ本体に接続されたパンタグラフ部として成形される場合がある。
【0060】
さらに、そうした少なくとも1つのパンタグラフ部が、基本的には、実質的に平行六面体として配置された可変セクションを有しており、および、それらの中の空のスペースを画定する四辺を備える場合がある。
【0061】
本発明の別の態様によれば、そうした少なくとも1つの減衰部が基本的には、さらなる屈曲点においてプローブ本体に接続されたばね部として成形され、および、コンタクトプローブのさらなる接触端を画定するように構成される場合がある。
【0062】
さらに、本発明の別の態様によれば、第1の端部は、コンタクトプローブがカンチレバープローブヘッドの支持環と関連付けられた支持体内に実装されると、被試験デバイスのウェーハの参照平面に対して略直交するように長手方向軸に対して曲げられる場合がある。
【0063】
最後に、本発明の別の態様によれば、第2の端部は、コンタクトプローブがカンチレバープローブヘッドの支持環と関連付けられた支持体内に実装されると、PCB基板の平面に対応する参照平面に対して略直交するように長手方向軸に対して曲げられる場合がある。
【発明の効果】
【0064】
本発明によるカンチレバープローブヘッドの、およびコンタクトプローブの特徴および利点は、添付図面を参照して、限定的でない例によって表す、その一実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】先行技術によって製作されたカンチレバープローブヘッドの断面図を概略的に示す。
【
図2】先行技術によって製作された垂直プローブヘッドの断面図を概略的に示す。
【
図3A】本発明によって製作されたカンチレバープローブヘッドの実施形態の断面図を概略的に示す。
【
図3B】本発明によって製作されたカンチレバープローブヘッドの代替的な実施形態の断面図を概略的に示す。
【
図3C】本発明によって製作されたカンチレバープローブヘッドの代替的な実施形態の断面図を概略的に示す。
【
図4】少なくとも一対のコンタクトプローブを備える、
図3Cのカンチレバープローブヘッドの断面図を概略的に示す。
【
図5】
図3A~3Cまたは
図4のカンチレバープローブヘッドの上平面図を概略的に示す。
【
図6A】モジュール式に、本発明によって製作されたプローブヘッドの平面図および側面図それぞれを概略的に示す。
【
図6B】モジュール式に、本発明によって製作されたプローブヘッドの平面図および側面図それぞれを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
これらの図、および特に
図3Aを参照すれば、以下でカンチレバープローブヘッドと呼ばれ、および全体として30で表される、本発明によって実現される、カンチレバー手法におけるプローブヘッドを説明する。
【0067】
図が、本発明によるプローブヘッドの概略図を示し、縮尺通りに描かれていないが、その代わりに、本発明の重要な特徴を強調するように描かれていることに留意すべきである。さらに、図では、異なる構成要素は概略的に示されており、それらの形状は、必要な応用分野によって変わり得る。図では、同一の参照番号が、形状または機能の点で同一の構成要素を表していることにさらに留意すべきである。最後に、図において例として示されている異なる態様は明らかに、互いに組み合わせることが可能であり、一実施形態と別の実施形態との間で入れ替え可能である。
【0068】
さらに特に、カンチレバープローブヘッド30は、集積回路基板すなわちPCB基板33と関連付けられた、たとえば、アルミニウム、セラミック、または別の好適な材料でできている支持環32からカンチレバー状に突出する複数の可動の接触要素すなわちコンタクトプローブ31を備える。
図3Aの例では、1つのコンタクトプローブ31のみが図示の便宜上、示されている。各コンタクトプローブ31は通常、PCB基板33による、試験装置(図示せず)との良好な電気的接触を確実にするのに好適な、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金でできた線材でできている。
【0069】
先行技術に関して説明されるように、通常、樹脂でできている支持体34は、支持環32と関連付けられ、および、参照平面π、特に、被試験デバイス35、たとえば被試験集積回路のウェーハの平面と第1の角度αをなして傾いた長手方向軸HHに沿って樹脂支持体34を出るコンタクトプローブ31を実装するのに好適であり、各コンタクトプローブ31は、一種の釣り竿として、すなわちカンチレバー状に、上記ウェーハの上方に突出する。特に、第1の角度αの値は、0~30度、好ましくは5度であり得る。
【0070】
好都合には、カンチレバーコンタクトプローブ31は、長手方向軸HHに沿って延在するプローブ本体31eに対して第2の角度βをなして曲がっている、通常、フック31aと呼ばれる端部を有する。フック31aは、被試験デバイス35の接触パッド35Aに当接するように構成された、コンタクトプローブ31の接触先端36Aで終端する。特に、第2の角度βの値は、90~120度、好ましくは105度であり得る。
【0071】
好ましい実施形態では、第2の角度βは、各コンタクトプローブ31のフック31aが、被試験デバイス35の参照平面πに対して略直交、すなわち、β=90°+α、または、さらに、β-α=90°であるように設定される。
【0072】
先行技術に関して行われるように、「先端」との語が、必ずしも尖っていない、コンタクトプローブの端ゾーンまたは領域を示していることを強調する。
【0073】
フック31aは、コンタクトプローブ31がカンチレバープローブヘッド30内に実装されると、プローブ本体31e自体において、特に、被試験デバイス35の方向において樹脂支持体34から突出することが意図された第1のプローブセクション31bにおいて、画定される屈曲点PG1において曲がっている;上記第1のプローブセクション31bは、よって、その通常の動作において被試験デバイス35へのカンチレバープローブヘッド30の接触中のその垂直屈曲動作における、カンチレバーコンタクトプローブ31用の作動アームを画定し、それは通常、「自由長」との語で示される。
【0074】
実際に、先行技術に関して説明したように、カンチレバーコンタクトプローブ31の接触ピン36Aと、被試験デバイス35の接触パッド35Aとの間の良好な接続は、デバイス自体に対するカンチレバープローブヘッド30の圧力によって確実にされ、カンチレバーコンタクトプローブ31は、その場合、デバイスの移動に対して逆の向きに、参照平面πに対して直交する方向において(すなわち、図において示すような方向Zにおいて)、曲げを受ける。
【0075】
特に、被試験デバイス35がフック31aに対して移動すると、対応するカンチレバーコンタクトプローブ31は曲がり、その屈曲点PG1は円弧を進む一方で、そこでフック31aが終端するその接触先端36Aが参照平面πに沿って、特に、それぞれの接触パッド35A上を移動し、上記パッドの表面のいわゆるスクラブを確実にする。
【0076】
さらに、フック31aは、非常に近い、すなわち、低減されたピッチを有する、被試験デバイス35の接触パッド35Aに接触するために、特に、多層構造において使用することが可能なテーパー形状を有している。
【0077】
当業者によく知られているように、「ピッチ」、すなわち接触パッド間の距離とは、関係しているパッドの対称中心との意味である、対応する中心間の距離を意味する。
【0078】
各カンチレバーコンタクトプローブ31は、PCB基板33の方向において樹脂支持体34から突出する第2のプローブセクション31dをさらに備える。また、第2のプローブセクション31dは、長手方向軸HHに沿って樹脂支持体34から突出する。上述したように、従来のカンチレバーコンタクトプローブ31では、PCB基板の方向において樹脂支持体から突出するプローブセクションは、プローブ自体の溶接を実現するために続く。
【0079】
好都合には、本発明によるカンチレバーコンタクトプローブ31は、その代わりに、第2のプローブセクション31d、すなわち、コンタクトプローブ31がカンチレバープローブヘッド30内に実装され、および、カンチレバーコンタクトプローブ31のさらなる接触先端を画定するように構成されたさらなる端36Bで終端する傾いた端部31cを画定するように構成されると、PCB基板33の方向において樹脂支持体34から突出することが意図された、コンタクトプローブ31のセクションにおいて画定されたさらなる屈曲点PG2を備える。端部31cは、その値が15~90度であり、好ましくは75度であり得るその第3の角度γを、コンタクトプローブ31の長手方向軸HHとの間で形成する。
【0080】
好ましい実施例では、第3の角度γは、通常、被試験デバイス35に平行して配置された、PCB基板33の平面にも対応している参照平面πに対して略直交、すなわち、γ=90°-α、または、さらに、γ+α=90°であるように傾いている。それにより、さらに、第2のプローブセクション31dは、端部31cがPCB基板33に、特にカンチレバープローブヘッド30の組み立て中に押圧されるときの、カンチレバーコンタクトプローブ31用の作動アームを画定する。
【0081】
コンタクトプローブ31のさらなる接触端36Bが、この場合、たとえば、先行技術に関して説明したような垂直コンタクトプローブの接触ヘッドなどの、プローブの接触端部として作動することができることを強調する。好都合には、本発明によれば、以下に、よりよく説明されるように、垂直手法で一般的な、プローブとPCB基板との接触の方式を採用することが可能である。
【0082】
さらに特に、好都合には、本発明によれば、カンチレバープローブヘッド30はさらに、カンチレバーコンタクトプローブ31のさらなる端36Bを備えている端部31cの通過に好適な穴37Aを設けている支持板37も備える。
【0083】
図3Aに示された例では、支持板37は、セラミックまたは別の好適な材料などの好適な絶縁材料でできており、たとえば、支持環32との溶接により、接続され、または一体化される:さらに特に、支持板37は、コンタクトプローブ31の第2のセクション31dの上方の方向において支持環32から延在する。
【0084】
支持板37は、PCB基板33に固定することが可能である。
【0085】
有利には、本発明によれば、コンタクトプローブ31のさらなる接触端36BがPCB基板33に、特に、その上に作られた適切な接触パッド33Aに直接、接触し、対応する端部31cが好都合には、支持板37の穴37Aによってガイドされることを強調する。
【0086】
それにより、PCB基板33と、接触端部31cを画定するように構成された第2のプローブセクション31dにおけるさらなる屈曲点PG2を備えているコンタクトプローブ31の構造のおかげで、PCB基板33とのコンタクトプローブ31の接合を取り除くことが可能であり、上記PCB基板33との接触は、その代わりに、端部31cにおける、コンタクトプローブ31のさらなる端36Aによってもたらされる。特に、コンタクトプローブ31、および、さらに特に、その端部31cは、垂直手法におけるプローブの接触ヘッドと同様に、穴37Aを設けている支持板37を通って摺動し、PCB基板33の接触パッド33Aへの圧力により接触するように構成されたさらなる端36Bを備えている。
【0087】
好都合には、コンタクトプローブ31が、テーパー状であり、被試験デバイス35のそれぞれの接触パッド35A上で曲がっている端部すなわちフック31aを有しており、特に金属でできており、支持環32によって支持されており、および、樹脂支持体34によって支持される、すなわち、全体としてのプローブおよびヘッド両方についてカンチレバー基部構造を維持することをさらに強調する。
【0088】
カンチレバープローブヘッド30は、この場合、垂直手法のいわゆる「ダイレクトアタッチ」と同様の方法により、PCB基板33に接続される。
【0089】
さらに、それらの作動において、フック31aおよび端部31cは、被試験デバイス25に当接し、PCB基板33に接触する際に、カンチレバーコンタクトプローブ31の両端、すなわち、カンチレバープローブヘッド30の通常の動作中にそれぞれの接触パッドに当接するように構成された端において配置された2つのばねに該当し得る。
【0090】
図3Bにおいて概略的に示す代替的な実施形態によれば、カンチレバーコンタクトプローブ31は、基本的に、第1のプローブセクション31bにおいて備えられているパンタグラフ部50として成形された減衰部をさらに備える。
【0091】
さらに特に、パンタグラフ部50は、それぞれの屈曲点PG1aおよびPG1bにおいて、フック31aに、および、プローブ本体31eに接続される。
【0092】
パンタグラフ部50は基本的には、実質的に平行六面体として配置された、応力を均一に配分するための可変セクションを有しており、および、それらの中の空のスペース50eを画定するそれらの四辺50a~50dを備える。パンタグラフ部50が、被試験デバイス35の接触パッド35Aへのカンチレバーコンタクトプローブ31の接触先端36Aの押圧接触中に所望の減衰機能を提供することができることは即座に明らかである。
【0093】
図3Cに概略的に示すさらなる好ましい実施形態によれば、カンチレバーコンタクトプローブ31は、第2のプローブセクション31cにおいて備えられている、基本的にばね部51として成形されたさらなる減衰部をさらに備え得る。さらに特に、ばね部51は、さらなる屈曲点PG2において、プローブ本体31eに接続され、および、PCB基板33の接触パッド33Aとの接触に好適なさらなる端36Bを画定する。
【0094】
図3Cに示す例では、ばね部51は基本的には、細長いN字として成形される。ばね部51がPCB基板33の接触パッド33Aへのカンチレバーコンタクトプローブ31のさらなる端36Aの押圧接触中に所望の減衰機能を提供することができることは即座に明らかである。
【0095】
ばね部51を備えており、および、パンタグラフ部50のないカンチレバーコンタクトプローブ31を実現することは明らかに可能である。
【0096】
コンタクトプローブ31がカンチレバープローブヘッド30内に実装されると、PCB基板33の方向において樹脂支持体34から突出する、第2のプローブセクション31dにおいて画定されるさらなる屈曲点PG2の存在が、特に、限定的でない例として、
図3Cのコンタクトプローブ31の実施形態を使用して、
図4において概略的に示すように、PCB基板33の接触パッド33Aの空間的配分に従って、コンタクトプローブ31のさらなる端36Bを空間的に配分することを可能にすることに留意すべきである。特に、コンタクトプローブ31の接触ヘッドとしてふるまう、ばね部51、および、さらなる端36Bを有する上昇プローブセクション31cは、より多くの行(図では2行)にわたって配分される一方、接触先端36Aは単一行に並べられ、パンタグラフ部50は図において重なり合っている。
【0097】
樹脂支持体34から突出する第2のプローブセクション31d、上昇プローブセクション31c、および、場合によってはその中に設けられたばね部51の、異なるサイズのおかげで、3行以上にわたっても、PCB基板33上の複数の接触パッド33Aの配分を修正することが可能であることを強調する。よって、被試験デバイス35の接触パッド35Aに対する、PCB基板33の上記接触パッド33Aについてのピッチ制約を緩和することが可能である。
【0098】
それにより、有利には、垂直手法において従来生じているような、さらなる部品、特にスペーストランスフォーマ、を導入する必要性なしで、コンタクトプローブ31と、PCB基板33の接触パッド33Aとの間の接触を得ることが可能である。
【0099】
被試験デバイス35の接触パッド35Aの配分と比較してもっと緩和された空間的制約をPCB基板33の接触パッド33Aの配分が有していること、および、さらなる部品の使用なしで、さらなる屈曲点PG2を備えている上記カンチレバーコンタクトプローブ31を備えるカンチレバープローブヘッド30を使用してこれを複製することが可能であることは実際に、よく知られている。
【0100】
特に、
図4には、少なくとも1つの第1のコンタクトプローブ31および第2のコンタクトプローブ31’であって、互いに好都合にずらされ、したがって、異なる位置におけるPCB基板33のパッド33Aに接触することができるそれぞれのさらなる端36B,36B’を画定するように構成されたそれぞれのばね部51,51’に接続されたそれぞれの屈曲点PG2を備えている少なくとも第1のカンチレバーコンタクトプローブ31および第2のカンチレバーコンタクトプローブ31’を備えるカンチレバープローブヘッド30を示す。さらに特に、第2のプローブセクション、すなわち、ばね部51,51’は好都合には、支持板37の異なる穴37A,37A’に収容される。
【0101】
対応する接触先端36Aに対する、コンタクトプローブ31のさらなる端36Bの空間再配分は、
図5に示す、PCB基板33が透視されている、カンチレバープローブヘッド30の上平面図によってさらに強調される。第1の距離すなわちピッチP1を有する、被試験デバイス35の接触パッド35Aが、第1のピッチP1よりも大きな第2の距離すなわちピッチP2を有する(P2>P1)、PCB基板33の接触パッド33Aと接続することを、さらなる屈曲点PG2を備えているコンタクトプローブ31の構成が可能にし、それにより、スペーストランスフォーマなどのさらなる部品を使用する必要なしで所望のスペーストランスフォーメーションを得ることは、その図において特に明らかである。
【0102】
支持板37を備えている支持環32の、および樹脂支持体34の組み合わせが好都合には、プローブヘッド30の通常動作中のPCB基板33の接触パッド33Aとの、コンタクトプローブ31の端部31cの、特に、さらなる接触部36Bの接触を確実にするように、組み立て段階においてPCB基板33に押圧されることがさらに強調される。圧力下の上記組み立ては、プローブヘッド30内に実装されたコンタクトプローブ31の押圧接触中に、特に、支持板37を備えている支持環32がPCB基板33に当接する際にばねとしてふるまうことができる端部31cを形成するさらなる屈曲点PG2の存在のおかげで得ることが可能である。
【0103】
この効果は、
図3Cに示されたもののように、ばね部51を備えているコンタクトプローブ31の場合にさらに確実にされる。
【0104】
コンタクトプローブ31が、そこでフック31aが被試験デバイス35の接触パッド35Aへ終端するその対応する接触先端36Aの十分な接触力を確実にするように好都合に、必要な大きさにされることをさらに強調する。特に、各コンタクトプローブ31によって加えられる力Fは、樹脂支持体34から突出するプローブ部によって備えられているアームに比例し、
F=E*D4/L3 (1)
であり、ここで:
Eは、ヤング率(すなわち長手方向の引張弾性率)であり;
Dは、コンタクトプローブ31の径であって、その断面の最大寸法を意味する、コンタクトプローブ31の径であり;および
Lは、第1のプローブセクション31bの長さであって、そのアーム(すなわち自由長)を画定する、第1のプローブセクション31bの長さである。
【0105】
好適には、本発明によれば、実質的に、垂直手法におけるプローブの接触ヘッド部としてふるまう、上述したような、端部31cにおいても、コンタクトプローブ31の圧縮より、PCB基板33へ同様の力が加えられる。
【0106】
有利には、
図3Cに示す好ましい実施形態では、被試験デバイス35の接触パッド35Aに、およびPCB基板33の接触パッド33Aに加えられる力は、減衰部、特に、第2の屈曲点PG2を備えているカンチレバーコンタクトプローブ31の第1の、および第2のプローブセクション31b、31cにおいて備えられているパンタグラフ部50およびばね部51のおかげで減衰させられる。
【0107】
既に示しているように、第2の屈曲点PG2の異なる配置は、適切なスペーストランスフォーメーションをもたらし、および、PCB基板33の接触パッド33Aを配分することを、特に、
図5にも示すように、それらのより大きな寸法に適切な距離をおいてそれらを配置することによってさらに可能にする。
【0108】
カンチレバープローブヘッド30の組み立て時に作られる、さらなる端36Bにおける、コンタクトプローブ31の端部31cとPCB基板33の接触パッド33Aとの間の接触のおかげで、および、特に、PCB基板33への、支持板37を備えている支持環32の圧力のおかげで、本発明によるカンチレバープローブヘッド30が、垂直手法の否定的な局面、すなわち、垂直プローブのヘッド端部の、PCB基板との接触が浮遊しており、および、被試験デバイスの接触パッドへのそれぞれの先端部の各接触(タッチ)において毎回、再構築すべきであることを解消することをさらに可能にすることをさらに強調する。
【0109】
すなわち、本発明によるカンチレバープローブヘッド30において、PCB基板33の接触パッド33Aへのコンタクトプローブ31の端部31cの接触は、被試験デバイス35の接触パッド35Aへのそれぞれのフック31aの接触がない場合にも確実にされる。
【0110】
さらに、本発明による、コンタクトプローブの、およびカンチレバープローブヘッドの特徴に基づいて、特に、カンチレバープローブヘッド30の好ましい実施形態により、さらなる技術的課題を解決することが可能である。
【0111】
さらなる屈曲点PG2を備えているカンチレバーコンタクトプローブ31の構成、およびPCB基板33への、さらなる端36Bの圧力下の接触は実際に、モジュール式でプローブヘッドを製作することを可能にする。さらに特に、そうしたモジュール式プローブヘッドは、PCB基板33、および、支持環32と、一方側がフック31aで終端し、他方側が端部31cで終端する、コンタクトプローブ31がそこから突出するその樹脂支持体34とをそれぞれが備えている複数のモジュール40を備え、端部31cは、特に、好都合には、支持環32と一体的に作られた支持板37内に設けられた穴37Aによってガイドされる。各モジュール40は、上述したような、カンチレバープローブヘッド30の特徴を有している一方、単一の被試験デバイス35のものと比較することが可能な、特に、わずかに、より大きいに過ぎないサイズで製作され、「比較することが可能な」とは、モジュール40が占める面積が、被試験デバイス35が占める面積に等しいか、または、最大50%高い、好ましくは20%高いに等しい値でそれよりも大きいことを意味している。
【0112】
複数のモジュール40は特に、PCB基板の使用可能な表面と同等の、被試験デバイスを備えるチップウェーハの面積に対応する面積にわたって延在するように配置され、それにより、さらに多くのデバイスを並行して試験するのに好適なモジュール式プローブヘッドを提供する。
【0113】
さらに特に、PCB基板33は、モジュール40を収容するための適切な支持構造すなわち金属収容部を備えている。
【0114】
好適には、PCB基板33と関連付けられた複数のモジュール40を備えるそうしたモジュール式プローブヘッドは、破損の場合に、モジュールを個々に交換することを可能にするという利点を有しており、その交換は、垂直手法のいわゆる「ダイレクトアタッチ」と同様の、線材を溶接する必要性なしで、PCB基板33の接触パッド33Aへ、それらのさらなる端36Bにおいてコンタクトプローブ31によって行われる接触のおかげで可能である。
【0115】
さらに特に、
図6Aおよび6Bに示すように、各モジュール40は、少なくとも1つの固定要素、特にねじ42を収容するように構成された、好適には少なくとも1つの穴41A、特にねじ穴、を設けている少なくとも1つの接触部41を備え、そのねじ止めのおかげで、モジュール40は、PCB基板33の支持構造と、またはPCB基板33自体と直接、一体化または固定される。
【0116】
図6Aに示す好ましい実施形態では、各モジュール40は、支持板37を備えている支持環32に沿って、特に、略方形である上記支持環32の対角において配置された少なくとも一対の接触部41を備えている。
【0117】
PCB基板33に対する各モジュール40の正しい配置を確実にし、および、その交換を容易にするように、PCB基板33の支持構造において予め配置された、同じ数の収容部(図示せず)と相補的である、好適な形状を有するアラインメント要素すなわちピン43を各モジュールに備えることが、
図6Bに概略的に示すようにさらに可能である。
【0118】
さらに特に、上記アラインメントピン43は、収容部とアラインメントピン43との結合のおかげで、各モジュール40の高精度の組み立てを確実にするように、限定されたクリアランス、たとえば10ミクロン未満で、PCB基板33の支持構造の好適な収容部において収まるように構成された、PCB基板33の方向において支持環32から突出する小さな円柱または角錐として成形することが可能である。
【0119】
支持構造すなわち金属収容部は、好都合には、PCB基板33との位置合わせのための好適な接触点をさらに備えている。
【0120】
複数のモジュール40を備えるモジュール式接触ヘッドが、たとえば破損の場合に、その一部分のみを交換することを可能にするというさらなる利点、すなわち、いわゆる浮遊コンタクトプローブを有していることが、破損した1つまたは複数のプローブを、単にそれらを取り外すことによって交換することを可能にする、これまで垂直手法のほかにはないような利点を有していることを強調する。好都合には、1つまたは複数のモジュール40に対応する交換可能な部分は、プローブカード全体よりも、すなわち、被試験デバイスのウェーハよりも小さく、よって、プローブカード自体の保守コストを削減し、このことは、特に、メモリ試験分野のような、低コストすなわち大量生産の分野において望ましい。
【0121】
PCB基板33の支持構造に、たとえば、ねじ止めによって固定することを可能にする好適な接触部41を備えているモジュール40の使用のおかげで、破損した部分の交換の作業は、垂直手法において製作されるヘッドの1つまたは複数のプローブの交換よりも、なお簡単になる。
【0122】
まとめれば、上述したように、PCB基板の方向において支持環から突出することが意図されたプローブ本体の一部分において少なくとも1つのさらなる屈曲点を備えているカンチレバーコンタクトプローブのおかげで、接触ヘッドは、その基部構造を維持するカンチレバー手法の利点と、溶接部なしで接触が得られる垂直手法の利点と、を組み合わせ可能にし、支持板のみがそれと一体化されるその支持環の全体寸法に対してもっと大きな面積を使用することを必要とすることなく、製作される。
【0123】
特に、そうしたプローブヘッドが、カンチレバー手法の削減されたコストのおかげで製造時点においても、個々に交換可能なモジュールの使用のおかげでプローブヘッドの使用期間中にも確かに高価でないことが強調される。
【0124】
さらに、コンタクトプローブの構成のおかげで、PCB基板の接触パッドの距離すなわちピッチを簡単に修正することが可能である;実際に、非常に大きく、および非常に離れた接触パッドをPCB基板上に実現することができるためには、端部で、およびさらなる端部で終端する複数の第2のプローブセクションを、それらの長さを単に修正して、扇状に「広げる」ことで十分である。
【0125】
よって、実際に、PCB基板であって、そのパッドの密度すなわちピッチおよび寸法に結び付いた、PCB基板のコストも削減することが可能である。
【0126】
本発明によって製作されるプローブヘッド自体が、PCB基板のコスト、すなわち、試験装置についての、および、上述したように、実際に、接触パッドの密度すなわちピッチおよび寸法に結び付いた最も関係のあるコストをさらに削減することを可能にするスペーストランスフォーマになることをさらに強調する。
【0127】
さらに、1つまたは複数の端プローブセクションにおける減衰部の存在は、被試験デバイスの、および/またはPCB基板の、接触パッドへの、対応する端部の接触を改善することを可能にする。
【0128】
最後に、モジュール式での、本発明によるカンチレバープローブヘッドの構成は、1つまたは複数のモジュールに対応する、破損したヘッド部のみを交換することの可能性を確実にする。
【外国語明細書】