(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001694
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】健康食品
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20221226BHJP
【FI】
A23L33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102571
(22)【出願日】2021-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】518356844
【氏名又は名称】neten株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七沢 賢治
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE02
4B018MD04
4B018MD07
4B018MD08
4B018MD18
4B018MD20
4B018MD25
4B018MD26
4B018MD44
4B018MD90
4B018ME02
4B018ME14
(57)【要約】
【課題】少ないNMNでも、その効果を十分に発揮させる。
【解決手段】NMNを20%以上30%以下、貝殻、卵の殻など炭酸カルシウムを主成分とした食品添加用還元剤を25%以上35%以下、抗酸化物質を10%以上20%以下、及び、核酸を10%以上20%以下混合する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NMNを20%以上30%以下、
貝殻、卵の殻など炭酸カルシウムを主成分とした食品添加用還元剤を25%以上35%以下、
抗酸化物質を10%以上20%以下、及び、
核酸を10%以上20%以下混合してなる
ことを特徴とする健康食品。
【請求項2】
上記食品添加用還元剤は、カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻と天然ゼオライトから製造されたセラミック、貝殻及び卵の殻からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項1に記載の健康食品。
【請求項3】
上記核酸は、DNA及びRNAからなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の健康食品。
【請求項4】
上記抗酸化物質は、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ビタミンC、ビタミンE、グルチオタン、ポリフェノール及びカロテノイドからなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の健康食品。
【請求項5】
上記カロテノイドは、リコペン、αカロテン、βカロテン、γカロテン、δカロテン、リコピン、フィトフルエン、フィトエン、ルテイン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アドニキサンチン、アンテラキサンチン、ビオラキサンチン、ラクツカキサンチン、ツナキサンチン、ネオキサンチン、アマロウシアキサンチン、ハロシンチアキサンチン、ペニジニン、デイノクローム、レチノール、レチナール、レチノイン酸、カプソルビン及びカプサンチンからなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項4に記載の健康食品。
【請求項6】
1つのカプセルに
NMN75mgと、
カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻及び天然ゼオライトから製造された食品添加用還元剤80mgと、
アスタキサンチン50mgと、
核酸50mgとが混合されて封入されている
ことを特徴とする健康食品。
【請求項7】
NMNを20%以上30%以下、
食品添加用セラミックを25%以上35%以下混合してなり、
上記食品添加用セラミックは、加熱焼成されたカキ殻等の二枚貝類の貝殻と、加熱焼成された天然ゼオライトとを水溶液に投入して加熱した後、乾燥処理して粉砕形成したものよりなる
ことを特徴とする健康食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を含む健康食品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のような、カキ殻等の貝殻類と天然ゼオライトとを特殊な熱処理と粉体の水温処理により形成された食品添加用還元剤が知られている。具体的には、この食品添加用還元剤は、カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻を先ず電気炉で、初期温度550℃で3時間、その後温度を上昇させて700℃で5時間と、さらに840℃で8時間加熱焼成したものを10ミクロンの粉体に加工形成した後、該粉体に対し天然ゼオライトを初期温度250℃で2時間、750℃で5時間熱処理を、その後10ミクロンの粉体に加工し、該貝殻の粉体90%に対し、該ゼオライト粉体10%を混合した混合物を水温90℃で平衡温度を維持したまま8時間イオン交換させた後、含水比3%になるまで乾燥し、さらに電気炉で、840℃で5時間焼成することにより得られる。
【0003】
近年、抗老化候補物質として期待されているニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、健康な人に対して安全に投与できることが分かっている。
【0004】
また、体内のニコチンアドアデニンジヌクレチオド(NAD)は、加齢と共に減少し、糖尿病などの疾病の原因になることが知られている。
【0005】
一方、NMNの投与によってNADが増加し、加齢による疾病が抑制されることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
NMNは、近年注目されている物質であるが、品質のよいNMNは、入手が必ずしも容易ではなく高価であることから、少ないNMNでも、その効果を十分に発揮させたいというニーズがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少ないNMNでもその効果を十分に発揮させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、NMNに炭酸カルシウムを主成分とした食品添加用還元剤を加えた。
【0010】
具体的には、第1の発明では、
NMNを20%以上30%以下、
貝殻、卵の殻など炭酸カルシウムを主成分とした食品添加用還元剤を25%以上35%以下、
抗酸化物質を10%以上20%以下、及び、
核酸を10%以上20%以下混合してなる。
【0011】
上記の構成によると、炭酸カルシウムを主成分とした食品添加用還元剤を適量加えることで、摂取したNMNが確実にミトコンドリアのクエン酸回路で使われるため、NMNの作用を高めることができる。抗酸化物質及び核酸を適量加えることで、その効果がさらに高まる。NMNが20%よりも少なくなると、抗酸化や抗老化に関わる機能が落ちる。食品添加用還元剤が25%よりも少なくなると、phがアルカリに偏らず、NMNや他の物質の効能が下がる。抗酸化物質や核酸は、それぞれ10%よりも少なくなったり、逆に20%よりも多くなったりすると、他の物質との相乗効果を発揮しにくくなる。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、
上記食品添加用還元剤は、カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻と天然ゼオライトから製造されたセラミック、貝殻及び卵の殻からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0013】
上記の構成のように、カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻と天然ゼオライトから製造されたセラミックは、NMNの作用を効果的に高めるが、容易に入手できる貝殻や卵の殻でも、NMNの作用を高めることができる。
【0014】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記核酸は、DNA及びRNAからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0015】
上記の構成のように、核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)でもリボ核酸(RNA)でもよく、それらの組み合わせでもよい。
【0016】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、
上記抗酸化物質は、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ビタミンC、ビタミンE、グルチオタン、ポリフェノール及びカロテノイドからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0017】
上記の構成のように、抗酸化性を効果的に発揮する物質が適している。
【0018】
第5の発明では、第4の発明において、
上記カロテノイドは、リコペン、αカロテン、βカロテン、γカロテン、δカロテン、リコピン、フィトフルエン、フィトエン、ルテイン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アドニキサンチン、アンテラキサンチン、ビオラキサンチン、ラクツカキサンチン、ツナキサンチン、ネオキサンチン、アマロウシアキサンチン、ハロシンチアキサンチン、ペニジニン、デイノクローム、レチノール、レチナール、レチノイン酸、カプソルビン及びカプサンチンからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0019】
上記の構成のような抗酸化性を効果的に発揮するカロテノイドが適している。
【0020】
第6の発明では、
1つのカプセルに
NMN75mgと、
カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻及び天然ゼオライトから製造された食品添加用還元剤80mgと、
アスタキサンチン50mgと、
核酸50mgとが混合されて封入されている。
【0021】
上記の構成によると、カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻及び天然ゼオライトから製造された食品添加用還元剤を適量加えることで、摂取したNMNが確実にミトコンドリアのクエン酸回路で使われるため、NMNの作用を高めることができる。抗酸化作用の高いアスタキサンチン及び核酸を適量加えることで、その効果がさらに高まる。さらにカプセルの中に4つの材料を適量に混合させることにより、簡易かつ確実に摂取でき、相乗効果を発揮できる。
【0022】
第7の発明では、
NMNを20%以上30%以下、
食品添加用セラミックを25%以上35%以下混合してなり、
上記食品添加用セラミックは、加熱焼成されたカキ殻等の二枚貝類の貝殻と、加熱焼成された天然ゼオライトとを水溶液に投入して加熱した後、乾燥処理して粉砕形成したものよりなる。
【0023】
上記の構成によると、食品添加用セラミックを適量加えることで、摂取したNMNが確実にミトコンドリアのクエン酸回路で使われるため、NMNの作用を極めて効果的に高めることができる。食品添加用セラミックによりNMNが胃酸によって溶けにくくなり、空腹時でも吸収し易くなる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、少ないNMNでも、その効果を十分に発揮させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0026】
本発明の実施形態に係る健康食品としてのサプリメントは、NMNを20%以上30%以下、貝殻、卵の殻など炭酸カルシウムを主成分とした食品添加用還元剤を25%以上35%以下、抗酸化物質を10%以上20%以下、及び、核酸を10%以上20%以下混合してなる。
【0027】
1つの実施例として、1つのカプセルにNMN75mgと、カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻及び天然ゼオライトから製造された食品添加用還元剤80mgと、アスタキサンチン50mgと、核酸50mgとが混合されて封入されている。
【0028】
カプセルは、特に限定されないが、ゼラチン、セルロースなどの可食性皮膜よりなり、賦形剤としてステアリン酸カルシウムと結晶セルロースが微量含まれていてもよい。
【0029】
NMNは、ニコチンアミドモノヌクレオチドであり、ビタミンB3に由来する成分であり、もともと人間の体の中でも合成されるが、加齢に伴って体内での生産量が減ることが知られている。NMNは、断食や運動などで維持することもできる。NMNは、枝豆、ブロッコリー、キュウリ等にもごく少量含まれるが、酵母を発酵させるなどにより作ることができる。
【0030】
NMNが20%よりも少なくなると、抗酸化や抗老化に関わる機能が落ちる。NMNが30%よりも多くなると、入手性、価格などが問題となり得る。
【0031】
食品添加用還元剤は、例えば、特許文献1のように、加熱焼成されたカキ殻等の二枚貝類の貝殻と、加熱焼成された天然ゼオライトとを水溶液に投入して加熱した後、乾燥処理して粉砕形成した食品添加用セラミックが適している。この食品添加用セラミックは、触媒としての効果があり、例えば抗酸化物質と組み合わせることにより、抗酸化物質の効果を高める働きがある。この食品添加用セラミックにより、摂取したNMNが確実にミトコンドリアのクエン酸回路で使われるため、NMNの作用を高めることができる。少なくともNMNを20%以上30%以下、食品添加用セラミックを25%以上35%以下含まれていれば、抗酸化物質や核酸が含まれていなくても、ある程度はNMNの作用を高めることができる。食品添加用セラミックによりNMNが胃酸によって溶けにくくなり、空腹時でも吸収し易くなる。
【0032】
食品添加用還元剤は、貝殻、卵の殻など炭酸カルシウムを主成分とした食品添加用還元剤でもよく、これらを食品添加用セラミックと混ぜ合わせてもよい。容易に入手できる貝殻や卵の殻でも、ある程度はNMNの作用を高めることができる。食品添加用還元剤が25%よりも少なくなると、phがアルカリに偏らず、NMNや他の物質の効能が下がる。食品添加用還元剤が35%よりも多くなりすぎると、他の物質との相乗効果を発揮しにくくなる。
【0033】
また、アスタキサンチンに代表される抗酸化物質を加えることで、食品添加用還元剤との相乗効果でNMNの効果をさらに高めることができる。アスタキサンチンは、抗酸化力がビタミンCの数千倍と、極めて高い抗酸化力を発揮するので望ましいが、抗酸化物質としては、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ビタミンC、ビタミンE、グルチオタン、ポリフェノール及びカロテノイドでもよく、これらの組み合わせでもよい。抗酸化物質は、10%よりも少なくなったり、逆に20%よりも多くなったりすると、他の物質との相乗効果を発揮しにくくなる。
【0034】
カロテノイドとしては、リコペン、αカロテン、βカロテン、γカロテン、δカロテン、リコピン、フィトフルエン、フィトエン、ルテイン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アドニキサンチン、アンテラキサンチン、ビオラキサンチン、ラクツカキサンチン、ツナキサンチン、ネオキサンチン、アマロウシアキサンチン、ハロシンチアキサンチン、ペニジニン、デイノクローム、レチノール、レチナール、レチノイン酸、カプソルビン及びカプサンチンでもよく、これらの組み合わせでもよい。
【0035】
ポリフェノールは、柑橘類に含まれるポリメトキシフラボン類(ノビレチン、スダチチン、タンゲリチン、ナリルチン、ヘスペリジン)、お茶などに含まれる、カテキン類(エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート)でもよく、これらの組み合わせでもよい。
【0036】
核酸は、リボ核酸(RNA)でもデオキシリボ核酸(DNA)でもよく、それらの組み合わせでもよい。核酸は、塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドがホスホジエステル結合で連なった生体高分子である。核酸は、魚の白子などに多く含まれている。核酸は、人の肝臓でも作られるが加齢に伴いその生産量が減る。単体で摂るだけでも、老化抑制、肝機能改善、もう機能の改善などの効果がある。食事性核酸は、正常細胞の栄養にはなるががん細胞の栄養にはなりにくいとの説もあり、適度に取得することでがん細胞の栄養になる核酸を減らすことができる。核酸は、混合割合が10%よりも少なくなったり、逆に20%よりも多くなったりすると、他の物質との相乗効果を発揮しにくくなる。
【0037】
NMNは、NAD+となった後、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NDAH)となって最終的にミトコンドリアの中で使われる。この際、ミトコンドリアの内外膜に入っていくためには電子が必要となる。この電子を供給するのが、食品添加用還元剤及び抗酸化物質である。このように、食品添加用還元剤を適量加え、さらに抗酸化物質及び核酸を適量加えることで、NMNの様々な効果が極めて効果的に発揮される。
【0038】
本実施形態では、カプセルの中に4つの材料を適量に混合させることにより、簡易かつ確実に4つの材料を摂取でき、上述した相乗効果を発揮できる。
【0039】
以上説明したように、本発明によれば、少ないNMNでもその効果を発揮させることができる。
【0040】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0041】
すなわち、上記実施形態では、一例として、1つのカプセルにNMN75mgと、カキ殻等の二枚貝類よりなる貝殻及び天然ゼオライトから製造された食品添加用還元剤80mgと、アスタキサンチン50mgと、核酸50mgとが混合されて封入する例について示したが、上述したように、アスタキサンチン50mgと、核酸50mgが含まれていない場合や、他の抗酸化物質が含まれる、様々な変形例が考えられる。
【0042】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。