(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169416
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20231121BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20231121BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/465
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023169218
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2020548635の分割
【原出願日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0077252
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヨン ジューン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ、ギョウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミン セオク
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ジョン セオン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン チュル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザに高い喫煙満足感を提供することができるエアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法、及びそのエアロゾル生成装置を提供する。
【解決手段】エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、ヒータの温度を制御するための第1時間及び第2時間に係わる情報を保存する保存部と、ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、制御部は、ヒータの温度が第1目標温度に達してから、第1時間が経過すれば、ヒータの温度を第2目標温度に変更させ、第2時間の間維持させ、第1時間及び第2時間の和は、既設定範囲の時間であることを特徴とするエアロゾル生成装置を開示する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、
ヒータの温度を制御するための第1時間、第2時間及び第3時間に係わる情報を保存する保存部と、
前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ヒータの温度が第1目標温度に到達し、前記第1時間が経過すれば、前記ヒータの温度を前記第3時間にわたって第2目標温度に変更させた後、前記第2時間の間維持し、
前記第1時間、前記第2時間、及び前記第3時間の和は、既設定範囲の時間であるエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第1時間の長さは、前記第2時間の長さよりも長い請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記第1目標温度は、前記第2目標温度よりも高い請求項1又は2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記第1時間及び第2時間の和は、4分超過5分未満である請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記第1時間及び第2時間の和は、3分超過4分未満である請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第2時間の長さに対する前記第1時間の長さの比率が一定値である請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記ヒータは、電気伝導性コイルを含む誘導加熱式ヒータである、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ヒータを予熱し、前記ヒータの温度を前記第1目標温度に到達させる、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記制御部は、第1区間でニコチン移行量が増加していて、前記第1区間以後の第2区間でニコチン移行量が減少するように、前記ヒータの温度を制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記制御部は、第1区間でグリセリン移行量が増加していて、前記第1区間以降の第2区間でグリセリン移行量が減少するように、前記ヒータの温度を制御する、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法、及びそのエアロゾル生成装置に係り、さらに具体的には、エアロゾル生成装置のヒータ温度を、ユーザのパフ数と関係なく、経時的に特異性あるように制御することにより、ユーザに高い喫煙満足感を提供することができるエアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法、及びそのエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法への需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法への需要が増大している。それにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置のヒータによって加熱される物質は、エアロゾル生成基質以外に多様であるので、ヒータを加熱する方法を異にすることにより、加熱される物質によって発現される喫煙満足度も顕著に異なってくる。
【0004】
従来に普及されたエアロゾル生成装置は、ユーザのパフ数を計数し、一括的にヒータの温度を変更するか、あるいは一般的なユーザの喫煙時間と対比させて短時間に設定されたヒータ加熱時間を有する傾向があった。前述のような場合、指摘される問題点としては、エアロゾル生成装置の電力消費量が過度に高いか、あるいは短時間になされる反復喫煙により、ヒータの冷却効果を原因とし、固体相内で溶出される粒子発生の限界による粒子発生量不足現象またはエアロゾルの温熱感不足現象があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決すべき技術的課題は、エアロゾル生成装置のヒータ温度を、ユーザのパフ数計数と関係なく、一定に制御することにより、一貫して豊かな喫煙満足感をユーザに提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による装置は、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、ヒータの温度を制御するための第1時間及び第2時間に係わる情報を保存する保存部と、ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、制御部は、ヒータの温度が第1目標温度に達してから、第1時間が経過すれば、ヒータの温度を第2目標温度に変更させ、第2時間の間維持させ、第1時間及び第2時間の和は、既設定範囲の時間であることを特徴とする。
【0007】
技術的課題を解決するための本発明の他の一実施形態による方法は、エアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法であって、ヒータを第1目標温度に加熱する一次加熱段階と、加熱されたヒータの温度を、第1目標温度に第1時間の間維持する一次維持段階と、第1時間が経過すれば、ヒータの温度を第2目標温度に変更する温度変更段階と、前記変更されたヒータの温度を、第2目標温度に第2時間の間維持する二次維持段階と、を含み、第1時間及び第2時間の和は、既設定範囲の時間であることを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施例は、方法を具現するためのプログラムを保存しているコンピュータ可読記録媒体を提供することができる。
【0009】
それら以外にも、技術的課題を解決するために、本発明の他の一実施形態によるエアロゾル生成装置がユーザに提供されうる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの個別的な喫煙回数を考慮する必要なしに、ニコチン移行量とグリセリン移行量とを高めることができる温度制御方式を介し、ユーザに高い喫煙満足感を提供することができる。
【0011】
特に、本発明は、単に加熱時間を一定時間範囲に限定することにより、高い喫煙満足感を具現するものではなく、温度維持、温度変更、温度維持というパターンを、維持時間を適切に調節する方式と組み合わせることにより、エアロゾル生成装置を使用するユーザに、早期に、高喫煙刺激感と高煙量感とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を図示した図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を図示した図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を図示した図面である。
【
図6】本発明によるエアロゾル生成装置の一例のブロック図を図式的に示した図面である。
【
図7】本発明によってヒータの温度を制御するときのニコチン移行量を、グラフで示した図面である。
【
図8】本発明によってヒータの温度を制御するときのグリセリン移行量を、グラフで示した図面である。
【
図9】本発明によるエアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法の一例のフローチャートを図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による装置は、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、ヒータの温度を制御するための第1時間及び第2時間に係わる情報を保存する保存部と、ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、制御部は、ヒータの温度が第1目標温度に達してから、第1時間が経過すれば、ヒータの温度を第2目標温度に変更させ、第2時間の間維持させ、第1時間及び第2時間の和は、既設定範囲の時間であることを特徴とするものである。
【0014】
装置において、第1時間及び第2時間の和は、4分超過5分未満であることを特徴とするものである。
【0015】
装置において、第1時間の長さは、第2時間の長さよりさらに長いことを特徴とするものである。
【0016】
装置において、第2時間の長さは、第1時間の長さよりさらに長いか、あるいは第2時間の長さは、第1時間の長さと同じであることを特徴とするものである。
【0017】
装置において、第2時間の長さに対する第1時間の長さの比率が一定値であることを特徴とするものである。
【0018】
装置において、第1目標温度は、第2目標温度よりさらに低いことを特徴とするものである。
【0019】
装置において、第1目標温度は、315℃以上325℃以下であり、第2目標温度は、325℃以上335℃以下であることを特徴とするものである。
【0020】
装置において、第1目標温度は、第2目標温度よりさらに高いことを特徴とするものである。
【0021】
装置において、第1目標温度は、325℃以上335℃以下であり、第2目標温度は、310℃以上320℃以下であることを特徴とするものである。
【0022】
装置において、保存部は、第3時間に係わる情報をさらに保存し、制御部は、ヒータの温度が第1目標温度に達し、第1時間が経過すれば、ヒータの温度を、第3時間にわたって第2目標温度に変更させた後、第2時間の間維持させ、第1時間、第2時間及び第3時間の和は、既設定範囲の時間であることを特徴とするものである。
【0023】
技術的課題を解決するための本発明の他の一実施形態による方法は、エアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法であって、ヒータを第1目標温度に加熱する一次加熱段階と、加熱されたヒータの温度を、第1目標温度に第1時間の間維持する一次維持段階と、第1時間が経過すれば、ヒータの温度を第2目標温度に変更する温度変更段階と、変更されたヒータの温度を、第2目標温度に第2時間の間維持する二次維持段階と、を含み、第1時間及び第2時間の和は、既設定範囲の時間であることを特徴とするものである。
【0024】
方法において、第1時間及び第2時間の和は、4分超過5分未満であることを特徴とするものである。
【0025】
方法において、第1時間の長さは、第2時間の長さよりさらに長いことを特徴とするものである。
【0026】
方法において、第2時間の長さに対する第1時間の長さの比率が一定値であることを特徴とするものである。
【0027】
方法において、第1目標温度は、第2目標温度よりさらに低いことを特徴とするものである。
【0028】
方法において、第1目標温度は、315℃以上325℃以下であり、第2目標温度は、325℃以上335℃以下であることを特徴とするものである。
【0029】
方法において、第1目標温度は、第2目標温度よりさらに高いことを特徴とするものである。
【0030】
方法において、第1目標温度は、325℃以上335℃以下であり、第2目標温度は、310℃以上320℃以下であることを特徴とするものである。
【0031】
方法において、温度変更段階は、ヒータの温度が第1目標温度に達し、第1時間が経過すれば、ヒータの温度を第3時間にわたって第2目標温度に変更させることを特徴とするものである。
【0032】
本発明の一実施例は、方法を実行させるためのプログラムを保存しているコンピュータ可読記録媒体を開示する。
【0033】
本実施形態で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り現在汎用される一般的な用語が選択されているが、それは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0034】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」のような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによっても具現され、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0035】
以下においては、添付図面を参照し、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0036】
以下においては、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0037】
図1ないし
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を図示した図面である。
【0038】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、シガレット2が挿入されうる。
【0039】
図1ないし
図3に図示されたエアロゾル生成装置1には、本実施形態と係わる構成要素が図示されている。従って、
図1ないし
図3に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0040】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が含まれているように図示されているが、必要により、ヒータ13は、省略されてもよい。
【0041】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒータ13が一列に配置されているように図示されている。また、
図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されているように図示されている。また、
図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されているように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、
図1ないし
図3に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置1の設計により、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14の配置は、変更されうる。
【0042】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0043】
必要により、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0044】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように、電力を供給することができ、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0045】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13及び蒸気化器14だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0046】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施例が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0047】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によっても加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、シガレットの外部に位置することができる。従って、加熱されたヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0048】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13には、電気伝導性トラックを含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱されうる。しかし、ヒータ13は、前述の例に限定されるものではなく、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしにも当該する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既設定のものでもあり、ユーザ所望の温度に設定されるものでもある。
【0049】
なお、他例として、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含んでもよく、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含んでもよい。
【0050】
例えば、ヒータ13は、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素または棒型加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形態により、シガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0051】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されてもよい。このとき、複数個のヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるようにも配置され、シガレット2の外部にも配置される。また、複数個のヒータ13のうち一部は、シガレット2の内部に挿入されるようにも配置され、残りは、シガレット2の外部にも配置される。また、ヒータ13の形状は、
図1ないし
図3に図示された形状に限定されるものではなく、多様な形状にも作製される。
【0052】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過し、ユーザに伝達されうる。言い換えれば、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動することができ、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルが、シガレットを通過してユーザに伝達されるようにも構成される。
【0053】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。例えば、当該の液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0054】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14に対して脱付着自在にも作製され、蒸気化器14と一体としても作製される。
【0055】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0056】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿ファイバ、セラミックスファイバ、ガラスファイバ、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0057】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックスヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、液体伝達手段に巻かれる構造にも配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触した液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されるのである。
【0058】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0059】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14以外に、汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ、及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする構造にも作製される。
【0060】
図1ないし
図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11充電にも利用される。または、クレードルとエアロゾル生成装置1とが結合された状態でヒータ13が加熱されもする。
【0061】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似している。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、シガレット2の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分にも挿入される。
【0062】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1の内部に、第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体、及び第2部分の一部が挿入されもする。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸入することができる。このとき、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0063】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介しても流入される。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉、及び/または空気通路の大きさは、ユーザによっても調節される。それにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成された少なくとも1つの孔を介し、シガレット2の内部にも流入される。
【0064】
以下、
図4及び
図5を参照し、シガレット2の例について説明する。
【0065】
図4及び
図5は、シガレットの例を図示した図面である。
【0066】
図4を参照すれば、シガレット2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。
図1ないし
図3を参照して説明した第1部分21は、タバコロッド21を含み、第2部分22は、フィルタロッド22を含む。
【0067】
図4には、フィルタロッド22が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド22は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要により、フィルタロッド22には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0068】
シガレット2は、少なくとも1枚のラッパ24によっても包装される。ラッパ24には、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔が形成されてもよい。一例として、シガレット2は、1枚のラッパ24によっても包装される。他の例として、シガレット2は、2枚以上のラッパ24によって重畳的にも包装される。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド21が包装され、ラッパ242,243,244によってフィルタロッド22が包装されてもよい。そして、単一ラッパ245により、シガレット2全体がさらに包装されてもよい。もしフィルタロッド22が複数のセグメントによって構成されているならば、それぞれのセグメントがラッパ242,243,244によっても包装される。
【0069】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21には、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド21に噴射されることによっても添加される。
【0070】
タバコロッド21は、多様にも作製される。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)にも作製されて、ストランド(strand)にも作製される。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコにも作製される。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によっても覆い包まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を等しく分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。そのとき、図面に図示されていないが、タバコロッド21は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0071】
フィルタロッド22は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。また、フィルタロッド22は、リセス型ロッドでもある。もしフィルタロッド22が複数のセグメントによって構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つが異なる形状にも作製される。
【0072】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれてもよい。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能を遂行することもでき、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル23は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0073】
図5を参照すれば、シガレット3は、前端プラグ33をさらに含んでもよい。前端プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に反対となる一側に位置することができる。前端プラグ33は、タバコロッド31が外部に離脱することを防止することができ、喫煙中、タバコロッド31から液状化されたエアロゾルが、エアロゾル発生装置1(
図1ないし
図3)に流れ出ることを防止することができる。
【0074】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含んでもよい。ここで、第1セグメント321は、
図4のフィルタロッド22の第1セグメントにも対応し、第2セグメント322は、
図4のフィルタロッド22の第3セグメントにも対応する。
【0075】
シガレット3の直径及び全体長は、
図4のシガレット2の直径及び全体長にも対応する。
【0076】
シガレット3は、少なくとも1枚のラッパ35によっても包装される。ラッパ35には、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔が形成されうる。例えば、第1ラッパ351によって前端プラグ33が包装され、第2ラッパ352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパ353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354によって第2セグメント322が包装されてもよい。そして、第5ラッパ355により、シガレット3全体がさらに包装されてもよい。
【0077】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔36が形成されうる。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を取り囲む領域にも形成されるが、それに制限されるものではない。穿孔36は、
図2及び
図3に図示されたヒータ130によって形成された熱を、タバコロッド31の内部に伝達する役割を行うことができる。
【0078】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれてもよい。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能を遂行することもでき、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル34は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0079】
図6は、本発明によるエアロゾル生成装置の一例のブロック図を図式的に示した図面である。
【0080】
図6を参照すれば、本発明によるエアロゾル生成装置は、バッテリ120、制御部110、ヒータ130、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、モータ160、保存装置170を含むということが分かる。以下において、説明の便宜のために、エアロゾル生成装置に含まれている各構成の一般的な機能を一次的に説明し、二次的に、本実施形態による制御部110の動作について詳細に説明する。
【0081】
バッテリ120は、ヒータ130に電力を供給し、ヒータ130に供給される電力の大きさは、制御部110が生成した制御信号によっても調節される。一実施形態により、バッテリ120と制御部110との間には、バッテリの電圧を一定に維持させるレギュレータ(regulator)が含まれてもよい。
【0082】
制御部110は、制御信号を生成して送信する方法を介し、エアロゾル生成装置1に含まれているバッテリ120、ヒータ130、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、モータ160、保存装置170を総括的に制御する。
図6に図示されていないが、一実施形態により、制御部110は、ユーザのボタン入力やタッチ入力を受信する入力受信部(図示せず)、及びユーザ端末のような外部通信装置と通信を行うことができる通信部(図示せず)をさらに含んでもよい。また、
図6に図示されていないが、制御部110は、ヒータ130に対して比例積分微分制御(PID)を行うためのモジュールを追加してさらに含んでもよい。
【0083】
ヒータ130は、電流が印加されれば、固有抵抗によって発熱し、エアロゾル生成基質が、加熱されたヒータ130に接触(結合)すれば、エアロゾルが生成されうる。
【0084】
パルス幅変調処理部140は、ヒータ130に、PWM(pulse width modulation)信号を伝達する方式を介し、制御部110をして、ヒータ130に供給される電力を制御させる。一実施形態により、パルス幅変調処理部140は、制御部110に含まれる方式によっても具現され、パルス幅変調処理部140から出力されるPWM信号は、デジタルパルス幅変調信号(digital PWM signal)でもある。
【0085】
ディスプレイ部150は、エアロゾル生成装置1で発生する各種アラームメッセージ(alarm message)を視覚的に出力し、エアロゾル生成装置1を使用するユーザをして確認させる。ユーザは、ディスプレイ部150に出力されるバッテリ電力不足メッセージや、サセプタの過熱警告メッセージなどを確認し、エアロゾル生成装置1の動作を止めたり、エアロゾル生成装置1が破損される前、適切な措置を取ったりすることができることになる。
【0086】
モータ160は、制御部110によって駆動され、エアロゾル生成装置1が使用する準備ができたという事実を、ユーザをして、触覚を介して認知させる。
【0087】
保存装置170は、制御部110がヒータ130に供給される電力を適切に制御し、エアロゾル生成装置1を使用するユーザに、一貫した風味を提供させるための各種情報を保存している。保存装置170は、フラッシュメモリのように不揮発性メモリによって構成されるだけではなく、さらに迅速なデータ入出力(I/O)速度を確保するために、通電時にのみ制限的にデータを保存する揮発性メモリによっても構成される。以下において、保存装置170は、一実施形態により、保存部170という名称と混用されうる。
【0088】
以下においては、一実施形態による制御部110の動作について詳細に説明する。
【0089】
本発明の一実施例として、保存部170は、第1時間及び第2時間に係わる情報を保存し、制御部110は、ヒータ130の温度が第1目標温度に達してから、第1時間が経過すれば、ヒータ130の温度を第2目標温度に変更させたまま、第2時間の間維持することができる。
【0090】
ここで、保存部170に保存されている第1時間及び第2時間は、ヒータの温度制御において、制御部110が参照する情報であり、特定範囲の時間を意味する。一例として、第1時間は、210秒、第2時間は、60秒にもなる。本発明において、第1時間及び第2時間の単位を特定単位に限定せず、一実施形態により、保存部170は、時分秒ではない他の単位を介して測定された時間を、第1時間及び第2時間にして保存することができる。
【0091】
制御部110は、ヒータ130にバッテリ120の電力を供給させ、ヒータ130の温度を第1目標温度に到達させる。ヒータ130の温度が第1目標温度に達する過程は、電子タバコで一般的に周知されているヒータの予熱過程と同一にも理解される。一例として、制御部110は、ヒータ130を20秒の間予熱することにより、第1目標温度である330℃に上昇させる。ここで、20秒及び330℃は、例示的な数値に過ぎないので、一実施形態により、他の時間長及び温度値が使用されうるということは、自明である。
【0092】
制御部110は、ヒータ130の温度が第1目標温度に達してから、第1時間が経過するか否かということをチェックする。ここで、第1時間は、保存部170に保存されている情報ということは、前述の通りであり、制御部110は、第1時間の経過をチェックするためにタイマ(図示せず)を含んでもよい。
【0093】
制御部110は、ヒータ130の温度が第1目標温度に達してから第1時間が経過すれば、ヒータ130の温度を第2目標温度に変更させたまま、第2時間の間その温度を維持させる。ここで、第2目標温度は、ヒータ130の温度が第1目標温度に達した後、第1時間が経過した後、ヒータ130の温度がさらに異なっていて、第2時間の間維持されるときの温度を意味する。それにより、第2目標温度は、ヒータ130の温度が第1目標温度に達してから第2目標温度に変更されるために、経時的に続けて変わるときの温度を意味するものではなく、ヒータ130の温度の変化が中止され、温度が固定された状態で、第2時間の経過に対し、制御部110が計数し始めた時点でのヒータ130の温度と定義される。ここで、当該の第1目標温度及び第2目標温度は、制御部110または保存部170にあらかじめ保存されている情報である。
【0094】
保存部170に保存された第1時間及び第2時間の時間長の和は、既設定範囲の時間である。例えば、制御部110は、第1時間が200秒であり、第2時間が60秒であるならば、保存部170に保存された第1時間及び第2時間の時間長の和は、260秒になる。前述のような例において、制御部110は、総260秒の間ヒータ130の温度を維持させるようになり、さらに具体的には、ヒータ130の温度を第1目標温度で200秒間維持した後、第2目標温度で60秒間維持するように制御することにより、ユーザに高い喫煙満足感を提供することができる。一実施形態により、保存部170は、第1時間及び第2時間以外、第3時間を追加して保存することができ、第3時間は、ヒータ130の温度が第1目標温度に達していて、第2目標温度に変更するのにかかる時間とも定義される。本実施形態よれば、第1時間ないし第3時間の和が既設定範囲の時間でもある。
【0095】
他の選択的一実施例として、第1時間及び第2時間の和は、4分超過5分未満でもある。本発明により、何回か実験した結果により、第1時間及び第2時間の和が4分超過5分未満である場合が、最も安定的しており、満足すべき喫煙経験を提供すると明らかされたので、制御部110は、第1時間及び第2時間の和が4分超過5分未満になるように、ヒータ130の温度を適切に制御することにより、エアロゾル生成装置から生成されるエアロゾルの物性を、ユーザの好みに合うように調節することができることになる。
【0096】
さらに他の選択的一実施例として、第1時間の長さは、第2時間の長さよりさらに長いようにも設定される。前述ように、第2時間の長さを第1時間の長さよりさらに短く設定することにより、ユーザに適切に加工されたエアロゾルを提供することができる。
【0097】
前述の例と反対の例として、第2時間の長さは、第1時間の長さよりさらに長いか、あるいは第2時間の長さは、第1時間の長さと同じでもある。第1時間と第2時間との長さ調整を介し、特定のパフ回数区間において、一定数値を超えるニコチン移行量及びグリセリン移行量が確保されうる。
【0098】
前述の例と異なる選択的一実施例として、第2時間の長さに対する第1時間の長さの比率が一定値でもある。一例として、第1時間の長さが200秒であり、第2時間の長さが50秒であるならば、第2時間の長さに対する第1時間の長さの比率は、4になり、制御部110は、そのような比率を固定させ、第1時間または第2時間のうちいずれか1つの値が任意に調整されれば、調整されていない残り時間長も共に調整されるように誘導することができる。
【0099】
前述の例とさらに異なる選択的一実施例として、第1目標温度は、第2目標温度よりさらに低いものでもある。一例として、第1目標温度は、315℃以上325℃以下であり、第2目標温度は、325℃以上335℃以下でもある。前述のような場合、ヒータ130の温度は、予熱され、第1目標温度に達していて、第1時間の間維持し、第2目標温度に変更された後、第2時間の間維持する方式を取ることになる。以下においては、説明の便宜のため、第2目標温度が第1目標温度よりさらに高い方式を、持続上昇制御方式と称する。
【0100】
前述の例とさらに異なる選択的一実施例として、第1目標温度は、第2目標温度よりさらに高いものでもある。一例として、第1目標温度は、325℃以上335℃以下であり、第2目標温度は、310℃以上320℃以下でもある。前述のような場合、ヒータ130の温度は、予熱され、第1目標温度に達し、第1時間の間、第1目標温度が維持され、第2目標温度に低くなった後、第2時間の間維持される方式を取ることになる。以下においては、説明の便宜のため、第2目標温度が第1目標温度よりさらに低い方式を持続下降制御方式と称する。
【0101】
図7は、本発明により、ヒータの温度を制御するときのニコチン移行量を、グラフで示した図面である。
【0102】
図7を参照すれば、ニコチン移行量は、ユーザがパフ数を増やすことにより、ある程度のパフ数までは、増加する勢いを示していて、だんだんと下降する形態を有するということが分かる。
【0103】
まず、対照群A 710は、従来のエアロゾル生成装置のヒータ温度制御方式を意味する。
図7を参照すれば、対照群A 710による場合、パフ数が7回~9回であるとき、ニコチン移行量が最も高い0.15mgに近接し、その後には、緩く減少することが分かる。対照群A 710は、従来周知のエアロゾル生成装置のヒータ温度制御方式により、ヒータの全体加熱時間を6分に設定し、ユーザのパフ数が12回に達すれば、ヒータ130に対する電力供給を中止する方式である。
【0104】
次に、
図7を参照すれば、持続上昇制御方式720または持続下降制御方式730による場合、パフ数が4回~6回であるとき、ニコチン移行量が最も高い地点に近接し、その後には、緩く減少するということが分かる。
【0105】
特に、対照群A 710と、持続上昇制御方式720または持続下降制御方式730とを比較すれば、持続上昇制御方式720または持続下降制御方式730により、ヒータの温度を制御するときの初期パフに該当するパフの2回から6回または7回に至るまでのニコチン移行量が、対照群A 710により、ヒータ温度を制御するときのニコチン移行量よりさらに高いということが分かる。一般的に、ニコチン移行量は、喫煙刺激感と直接に係わりがあると知られており、高いニコチン移行量によれば、喫煙欲求を迅速に解消することになるので、本発明による制御方式によれば、ユーザがパフの何回かだけでもいち早く喫煙欲求を満たすことができることになる。
【0106】
図8は、本発明により、ヒータの温度を制御するときのグリセリン移行量を、グラフで示した図面である。
【0107】
図8を参照すれば、グリセリン移行量は、ニコチン移行量と同様に、ユーザがエアロゾル生成装置で吸煙しながら、パフ数を増やすことにより、ある程度のパフ数までは増加する勢いを示していて、だんだんと下降する形態を有するということが分かる。
【0108】
まず、対照群A 710は、従来のエアロゾル生成装置のヒータ温度制御方式を意味する。
図8を参照すれば、対照群A 810による場合、パフ数が8回~10回であるとき、ニコチン移行量が最も高い0.40mgに近接し、その後には、緩く減少することが分かる。対照群A 710は、従来に周知のエアロゾル生成装置のヒータ温度制御方式により、ヒータの全体加熱時間を6分に設定し、ユーザのパフ数が12回に達すれば、ヒータ130に対する電力供給を中止する方式である。
【0109】
次に、
図8を参照すれば、持続上昇制御方式820または持続下降制御方式830による場合、パフ数が4回~6回であるとき、グリセリン移行量が最も多い地点に達し、その後には、緩く減少するということが分かる。
【0110】
特に、対照群A 810と、持続上昇制御方式820または持続下降制御方式830とを比較すれば、持続上昇制御方式820または持続下降制御方式830により、ヒータの温度を制御するときの初期パフに該当するパフの2回から7回に至るまでのグリセリン移行量が、対照群A 810により、ヒータの温度を制御するときのグリセリン移行量よりさらに多いということが分かる。一般的に、グリセリン移行量は、煙量感と係わりがあると知られており、本発明の制御方式によれば、ユーザは、豊かな煙量感を経験することができることになる。
【0111】
図7と
図8との結果を整理すれば、持続上昇制御方式または持続下降制御方式により、エアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する場合、ユーザは、初期パフ(2回~7回)区間において、高いニコチン移行量及び高いグリセリン移行量を得ることになり、高い喫煙刺激感と豊かな煙量感とを得ることができることになるのである。すなわち、喫煙刺激感と煙量感とを、包括的に喫煙満足感と総称すれば、本発明による方式によってヒータの温度を制御する場合、従来に知られた方式に比べ、ユーザに高い喫煙満足感を提供することができる。また、
図7及び
図8を参照したとき、持続上昇制御方式が持続下降制御方式より、さらに良好なニコチン移行量及びグリセリン移行量を算出するということが分かる。
【0112】
本発明によれば、ユーザの個別的な喫煙回数を考慮する必要なしに、ニコチン移行量とグリセリン移行量とを多くすることができる温度制御方式を介し、ユーザに高い喫煙満足感を提供することができる。特に、本発明は、単に、加熱時間を一定時間範囲に限定することにより、高い喫煙満足感を具現するものではなく、温度維持、温度変更、温度維持というパターンを、維持時間を適切に調節する方式と組み合わせることにより、エアロゾル生成装置を使用するユーザに、早期に、高喫煙刺激感と高煙量感とを提供することができることになる。
【0113】
図9は、本発明によるエアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法の一例のフローチャートを図示した図面である。
【0114】
図9による方法は、
図6によるエアロゾル生成装置によって具現されうるので、以下においては、
図6を参照して説明するが、
図6で説明した内容と重複する説明については、省略する。
【0115】
まず、制御部110は、ヒータ130を加熱し、第1目標温度に到達させる(S910)。
【0116】
次に、制御部110は、第1目標温度に達してから、第1時間が経過したか否かということを判断する(S930)。
【0117】
制御部110は、ヒータ130の温度を、第1目標温度から第2目標温度に変更させる(S950)。
【0118】
制御部110は、第1時間と特定比を有する第2時間の間、ヒータ130の温度を変更させた第2目標温度を維持する(S970)。ここで、第1時間と、それと特定比を有する第2時間との組み合わせについては、すでに多様な実施例を介して説明している。一例として、第1時間及び第2時間の和は、既設定範囲の時間でもある。
【0119】
前述の本発明による実施例は、コンピュータ上で多様な構成要素を介して実行されうるコンピュータプログラムの形態にも具現され、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体にも記録される。このとき、媒体は、ハードディスク、フロッピィーディスク及び磁気テープのような磁気媒体;CD-ROM(compact disc read only memory)及びDVD(digital versatile disc)のような光記録媒体;フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気・光媒体(magneto-optical medium);及びROM(read only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリのような、プログラム命令語を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含んでもよい
【0120】
なお、コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計されて構成されたものでもあり、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知されて使用可能なものでもある。コンピュータプログラムの例には、コンパイラによって作われるような機械語コードだけではなく、インタープリタなどを使用し、コンピュータによって実行されうる高級言語コードも含まれてもよい。
【0121】
本発明で説明する特定実行は、一実施形態であり、いかなる方法によっても、本発明の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、システムの他の機能的な側面の記載は、省略される。また、図面に図示された構成要素間の線連結または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的な連結を例示的に示したものであり、実際の装置においては、代替可能であったり追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結または回路連結としても示される。また、「必須な」、「重要に」というような具体的な言及がなければ、本発明の適用のために必ずしも必要な構成要素ではない。
【0122】
本発明の明細書(特に、特許請求の範囲)において、「」の用語、及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数のいずれにも該当するのである。また、本発明において範囲を記載した場合、範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであり、(それに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に、範囲を構成する各個別的な値を記載した通りである。最後に、本発明による方法を構成する段階について、明白に順序を記載するか、あるいは反対となる記載がなければ、段階は、適切な順序で行われうるのである。必ずしも段階の記載順序により、本発明が限定されるものではない。本発明において、全ての例、または例示的な用語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明について詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない以上、前述の例、または例示的な用語により、本発明の範囲が限定されるものではない。また、当業者は、多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲またはその均等物の範疇内において、設計条件及びファクタによって構成されうるということが分かるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の一実施例は、ヒータの温度を多段式に制御する次世代電子タバコを作製するのに利用されうる。
【外国語明細書】