(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169452
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】通信端末、認証装置、及び基地局装置
(51)【国際特許分類】
H04W 12/06 20210101AFI20231122BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20231122BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20231122BHJP
【FI】
H04W12/06
H04W88/06
H04W48/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177374
(22)【出願日】2020-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】日向 崚輝
(72)【発明者】
【氏名】竹花 秀一
(72)【発明者】
【氏名】國定 温子
(72)【発明者】
【氏名】高木 佑介
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067GG01
5K067HH36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通信端末は複数の外部機器と同時に通信することができない、またどのような通信端末でも外部端末と通信できてしまうという問題を解決すべく、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信する技術を提供する。
【解決手段】通信システムにおいて、通信端末1は、ゲート4に認証処理において参照される認証用データを送信し、ゲートから認証に基づくデータを取得し、取得したデータを参照して、第1の無線通信網との通信及び第2の無線通信網との通信の少なくとも何れかを有効化又は無効化する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信網及び第2の無線通信網の少なくとも何れかと通信可能に構成された通信モジュールと、
前記通信モジュールを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
認証装置による認証処理において参照される認証用データを送信し、
前記認証装置による認証に基づくデータを取得し、
取得した前記データを参照して、前記第1の無線通信網との通信及び前記第2の無線通信網との通信の少なくとも何れかを有効化又は無効化する
ことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1の無線通信網と通信可能な状態において、前記第2の無線通信網との通信を許可することを示すデータを取得した場合、前記制御部は、前記第1の無線通信網との通信を有効化したまま、前記第2の無線通信網との通信を有効化する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の無線通信網と通信可能な状態において、前記第2の無線通信網との通信を許可することを示すデータを取得した場合、前記制御部は、前記第1の無線通信網との通信を無効化し、前記第2の無線通信網との通信を有効化する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項4】
前記制御部は、
前記データとして、前記通信モジュールに書き込むプロファイルを取得する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項5】
被写体を撮像する撮像部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮像部が撮像した撮像データを解析し、解析した結果に含まれるアクセス先へ前記認証用データを送信する
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項6】
前記制御部は、
当該通信端末の位置を示す位置情報を生成し、
前記位置情報を前記認証用データとして送信する
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項7】
前記制御部は、
免許不要周波数帯のアクセスポイントに対して前記認証用データを送信し、
前記アクセスポイントから前記データを取得する
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項8】
赤外線送受信用モジュールをさらに備え、
前記赤外線送受信用モジュールを介して前記認証用データを送信し、
前記赤外線送受信用モジュールを介して前記データを取得する
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項9】
通信端末と通信可能に構成された認証装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、
前記通信端末が送信した認証用データであって、認証処理において参照する認証用データを取得し、
前記認証用データが、無線通信網と通信するために予め登録された認証用データと一致するか否かを判断し、
前記認証用データが、前記無線通信網と通信するために予め登録された認証用データであると判断した場合、前記通信端末が前記無線通信網と通信することを許可することを示すデータを送信する
ことを特徴とする認証装置。
【請求項10】
無線通信網と通信することを許可又は禁止することを示すデータを通信端末に送信する認証装置と通信可能に構成された基地局装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、
前記通信端末の位置が、所定の範囲内に含まれているか否かを判定し、
前記制御部による判定結果を前記認証装置に送信し、
前記判定結果は、前記認証装置が前記データを送信するか否かを判定する際に参照される
ことを特徴とする基地局装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、当該通信端末と通信可能に構成された認証装置、及び当該認証装置と通信可能に構成された基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信端末と通信する機器が複数ある場合に、通信端末が通信する無線通信システムを切り替える技術が開示されている。例えば、特許文献1には、非接触通信の実行を契機として、複数の無線通信手段のいずれを利用するかを切り替える携帯通信端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-033552公報(2006年2月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、複数の無線通信手段のいずれを利用するかを切り替える構成であるため、複数の無線通信手段を同時に使用することができない。すなわち、通信端末は複数の外部機器と同時に通信することができないので、接続の自由度が低いという問題がある。また、特許文献1に記載の技術は、無線通信手段を備えている通信端末であれば、どのような通信端末でも外部端末と通信できてしまうという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信端末は、第1の無線通信網及び第2の無線通信網の少なくとも何れかと通信可能に構成された通信モジュールと、前記通信モジュールを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、認証装置による認証処理において参照される認証用データを送信し、前記認証装置による認証に基づくデータを取得し、取得した前記データを参照して、前記第1の無線通信網との通信及び前記第2の無線通信網との通信の少なくとも何れかを有効化又は無効化する。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る認証装置は、通信端末と通信可能に構成された認証装置であって、制御部を備え、前記制御部は、前記通信端末が送信した認証用データであって、認証処理において参照する認証用データを取得し、前記認証用データが、無線通信網と通信するために予め登録された認証用データと一致するか否かを判断し、前記認証用データが、前記無線通信網と通信するために予め登録された認証用データであると判断した場合、前記通信端末が前記無線通信網と通信することを許可することを示すデータを送信する。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る基地局装置は、無線通信網と通信することを許可又は禁止することを示すデータを通信端末に送信する認証装置と通信可能に構成された基地局装置であって、制御部を備え、前記制御部は、前記通信端末の位置が、所定の範囲内に含まれているか否かを判定し、前記制御部による判定結果を前記認証装置に送信し、前記判定結果は、前記認証装置が前記データを送信するか否かを判定する際に参照される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る通信システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る通信端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係るゲートの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係る通信システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係るゲートにおける通信端末の認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態1に係るゲート記憶部に格納された認証用データの例を示す表である。
【
図8】本発明の実施形態1に係る通信システムにおける処理の流れの他の例を示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の実施形態2に係る通信システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係る通信システムにおける処理の流れの他の例を示すシーケンス図である。
【
図11】本発明の実施形態3に係る通信システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】本発明の実施形態4に係る通信システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
【0012】
(通信システム100)
図1は、本実施形態に係る通信システム100の構成を示す図である。通信システム100は、通信端末1a、通信端末1b、基地局装置2a、基地局装置2b、基地局装置2c、及びゲート4(認証装置)を含んで構成される。以下においては、複数記載されているある構成要素について、各々を特に区別する必要がない場合は、符号のアルファベットを省略して称する。例えば、通信端末1a及び通信端末1bを特に区別する必要がない場合は、「通信端末1」と称する。基地局装置2a、基地局装置2b、及び基地局装置2cの電波の届く範囲はそれぞれ、セル3a、セル3b、セル3cである。
【0013】
通信システム100では、通信端末1は基地局装置2と通信し、基地局装置2の無線通信網を介して他の通信端末と無線通信を行う。例えば、
図1における通信端末1aは、基地局装置2aと通信し、基地局装置2aの無線通信網(第1の無線通信網)を介して、通信端末1bと無線通信を行う。通信システム100では、基地局装置2cについては、ゲート4が通信端末1を認証する認証処理によって、通信端末1は基地局装置2cと通信可能である。
【0014】
例えば、
図1における通信端末1aは、基地局装置2cのセル3cの範囲内であるが、ゲート4が通信端末1aを認証しなければ、基地局装置2cの無線通信網(第2の無線通信網)を介した通信をすることはできない。例えば、基地局装置2a及び基地局装置2bは、通信事業者が提供する一般公衆網を介して通信するための基地局装置であり、基地局装置2cは、ローカルな無線通信網を介して通信するための基地局装置である。
【0015】
(通信端末1)
図2は、本実施形態に係る通信端末1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、通信端末1は、端末制御部10、撮像部14、通信モジュール15、端末通信部16、及び端末記憶部18を備えている。
【0016】
端末制御部10は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)など)が、メモリ(例えばRAM(random access memory)やROM(read only memory)など)に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末1の各構成要素を制御する。また、端末制御部10は、端末通信制御部11、認証管理部12、及び位置情報処理部13としても機能する。端末通信制御部11は、ゲート4による通信端末1の認証に基づくデータを参照して、通信モジュール15を有効化または無効化する。また、端末通信制御部11は、端末通信部16を介した通信を制御する。認証管理部12は、ゲート4による通信端末1の認証において参照される認証用データを送信し、また、ゲート4による通信端末1の認証に基づくデータを受信する。認証用データは、例えば、通信端末1を特定するための固有番号であり、認証に基づくデータは、例えば、ローカルな無線通信網との通信を許可することを示すデータである。認証に基づくデータは、例えば、通信を許可するローカルな無線通信網のセルを示すセルIDである。位置情報処理部13は、通信端末1の現在の位置を示す位置情報を生成し、認証用データとして送信する。位置情報処理部13は、例えば端末通信部16を介して受信したGPS(Global Positioning System)信号を参照することにより、位置情報を生成する。
【0017】
撮像部14は、被写体を撮像し、撮像データを取得するカメラである。
【0018】
通信モジュール15は、基地局装置2a及び基地局装置2bの無線通信網と、基地局装置2cの無線通信網と、の少なくとも何れかと通信可能に構成されている。通信モジュール15には、基地局装置2と通信するための情報が書き込まれる。通信モジュール15には、例えば、通信端末1を特定するための情報が書き込まれる。通信モジュール15は、例えばSIM(Subscriber Identity Module Card)カードである。
【0019】
通信モジュール15は、第1通信モジュール15a及び第2通信モジュール15bを含んで構成される。第1通信モジュール15aには、基地局装置2a及び基地局装置2bと通信するための情報が書き込まれ、第2通信モジュール15bには、基地局装置2cと通信するための情報が書き込まれる。通信モジュール15が有効化されると、通信モジュール15に書き込まれた情報を参照して、通信端末1は基地局装置2と通信する。また、端末通信制御部11による通信モジュール15の有効化または無効化とは、第1通信モジュール15a及び第2通信モジュール15bの少なくとも何れかを有効化又は無効化することである。
【0020】
端末通信部16は、通信端末1が通信するためのモジュールである。端末通信部16は、端末第1通信部16a及び端末第2通信部16bを含んで構成される。端末第1通信部16aは、基地局装置2と無線通信するためのアンテナである。端末第2通信部16bは、ゲート4と通信するためのモジュールである。端末第2通信部16bは、例えば、近距離無線通信用のアンテナ、赤外線通信を行うための赤外線送受信用のモジュールである。
【0021】
端末記憶部18は、例えば認証用データといったデータを記憶するメモリである。端末記憶部18は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM(登録商標)、HDD、フラッシュメモリなどで実現される。
【0022】
(基地局装置2)
図3は、本実施形態に係る基地局装置2の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、基地局装置2は、基地局制御部20、基地局通信部26、及び基地局記憶部28を備えている。
【0023】
基地局制御部20は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPUなど)が、メモリ(例えばRAMやROMなど)に記憶されているプログラムを実行することによって、基地局装置2の各構成要素を制御する。また、基地局制御部20は、基地局通信制御部21及び判定部22としても機能する。基地局通信制御部21は、基地局通信部26を介した通信を制御する。判定部22は、通信端末1の位置が、所定の範囲内に含まれているか否かを判定し、判定結果を送信する。
【0024】
基地局通信部26は、基地局装置2が無線通信するためのアンテナである。
【0025】
基地局記憶部28は、例えば所定の範囲を示すデータといった、データを記憶するメモリである。基地局記憶部28は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM、HDD、フラッシュメモリなどで実現される。
【0026】
(ゲート4)
図4は、本実施形態に係るゲート4の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ゲート4は、ゲート制御部40、ゲート通信部46、及びゲート記憶部48を備えている。
【0027】
ゲート制御部40は、例えば1つ以上のプロセッサ(例えばCPUなど)が、メモリ(例えばRAMやROMなど)に記憶されているプログラムを実行することによって、ゲート4の各構成要素を制御する。また、ゲート制御部40は、ゲート通信制御部41及び認証部42としても機能する。ゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介した通信を制御する。認証部42は認証処理を行う。具体的には、認証部42は、通信端末1が送信した認証用データであって、認証処理において参照する認証用データを取得する。そして、認証部42は、取得した認証用データが、無線通信網と通信するために予め登録された認証用データと一致するか否かを判断する。また、認証部42は、認証に基づくデータを送信する。すなわち、認証部42は、取得した認証用データが、無線通信網と通信するために予め登録された認証用データと一致すると判断した場合、通信端末1が無線通信網と通信することを許可することを示すデータを、認証に基づくデータとして送信する。
【0028】
ゲート通信部46は、通信端末1及び基地局装置2の少なくとも何れかと通信するためのモジュールである。ゲート通信部46は、例えば、無線通信用のアンテナ、近距離無線通信用のアンテナ、赤外線通信を行うための赤外線送受信用のモジュールである。
【0029】
ゲート記憶部48は、例えば予め登録された認証用データといった、データを記憶するメモリである。基地局記憶部28は、例えば、内容の書き換えが可能な不揮発性メモリである、EPROM、EEPROM、HDD、フラッシュメモリなどで実現される。
【0030】
なお、通信システム100では、ゲート4の認証部42を備えた認証装置をさらに備える構成であってもよい。この場合、認証装置は、無線通信等によって認証用データ及び認証に基づくデータを、(1)ゲート4を介して、又は(2)通信端末1と直接、送受信する構成であってもよい。また、ゲート4の認証部42が実行する認証処理を、認証装置が実行してもよい。また、ゲート4を複数配置し、複数のゲート4と認証装置とが無線通信等によって接続される構成であってもよい。
【0031】
(通信システム100における処理1)
図5は、本実施形態に係る通信システム100における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5に示す処理は、ゲート4の認証処理によって通信端末1が認証され、通信端末1が基地局装置2cと通信可能になる場合の処理である。また、
図5に示すように、
図5に記載の処理は、通信端末1と基地局装置2aとがデータを送受信可能な状態において行われる処理である。すなわち、通信端末1が、一般公衆網と通信可能な状態において行われる処理である。
【0032】
ステップS102において、通信端末1の認証管理部12は、端末第2通信部16bを介して、端末記憶部18に格納されている認証用データをゲート4に送信する。ステップS102は、例えば、通信端末1がゲート4に設置されているゲート通信部46に、通信端末1の端末第2通信部16bを近接させる態様によって実現される。
【0033】
ステップS104において、ゲート4のゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して、通信端末1から送信された認証用データを受信する。ゲート通信制御部41は受信した認証用データを認証部42に送信する。
【0034】
ステップS106において、認証部42は、受信した認証用データが、基地局装置2aの無線通信網と通信するために予め登録された認証用データと一致するか否かを判断する認証処理を行う。認証部42が実行する認証処理の詳細は、参照する図面を替えて後述する。
【0035】
ステップS106において、認証部42が受信した認証用データが予め登録された認証用データと一致する判断した場合、ステップS108において、認証部42は認証に基づくデータをゲート通信制御部41に送信する。すなわち、認証部42は、基地局装置2cと通信することを許可すること(基地局装置2cの無線通信網と通信することを許可すること)を示すデータを、ゲート通信制御部41に送信する。ゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して、当該データを通信端末1に送信する。
【0036】
なお、ステップS108において、認証部42はさらに、ゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して、当該データを基地局装置2cに送信してもよい。この場合、基地局装置2cは、当該データを受信するまでは電源をOFFの状態にしておき、当該データを受信することによって、電源をONの状態にしてもよい。当該構成により、基地局装置の消費電力を抑制することができる。
【0037】
ステップS110において、通信端末1の認証管理部12は、端末第2通信部16bを介して認証に基づくデータを受信する。認証管理部12は、当該データを端末通信制御部11に送信する。
【0038】
ステップS112において、端末通信制御部11は、受信したデータを参照することによって第2通信モジュール15bを有効化し、基地局装置2cとの通信を有効化する。すなわち、端末通信制御部11は、基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化する。
【0039】
ステップS112において通信端末1と基地局装置2cとの通信が有効化されると、通信端末1は、基地局装置2cと通信可能となるので、基地局装置2cとデータを送受信可能な状態になる。また、通信端末1は引き続き、基地局装置2aともデータを送受信可能な状態である。すなわち、通信端末1は、基地局装置2cの無線通信網との通信を許可することを示すデータを取得した場合、基地局装置2aの無線通信網との通信を有効化したまま、基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化する。
【0040】
(ゲート4が実行する処理)
図6は、本実施形態に係るゲート4における通信端末1の認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
ステップS202において、ゲート4は通信端末1を検知する。例えば、ゲート4は、ゲート通信部46に通信端末1の端末第2通信部が近接したことを検知する。
【0042】
ステップS204において、ゲート4のゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して通信端末1から送信される認証用データを受信する。ゲート通信制御部41は、受信した認証用データを認証部42に送信する。
【0043】
ステップS206において、認証部42は、受信した認証用データは登録された認証用データであるか否かを判断する。具体的には、まず認証部42は、ゲート記憶部48に格納されている、無線通信網と通信するために予め登録された認証用データを参照する。次に認証部42は、受信した認証用データがゲート記憶部48に格納されている認証用データに含まれているか否かを判断する。ゲート記憶部48に格納されている認証用データの例を、
図7を用いて説明する。
【0044】
図7は、本実施形態に係るゲート記憶部48に格納された認証用データの例を示す表である。
図7に示すように、ゲート記憶部48には、各認証用データを識別するための識別番号である登録者番号、認証用データである固有番号(IMEI(International Mobile Equipment Identifier))及び固有番号(シリアル番号)などが関連付けて格納されている。
【0045】
例えば、ステップS204において受信した認証用データが、「dddddd」であった場合、
図7に記載されている表の登録者番号「001」の固有番号(シリアル番号)と一致する。そのため、ステップS206において認証部42は、受信した認証用データは登録された認証用データであると判断する。
【0046】
一方、ステップS204において受信した認証用データが、「abcdefg」であった場合、
図7に記載されている何れの固有番号とも一致しない。そのため、ステップS206において認証部42は、受信した認証用データは登録された認証用データではないと判断する。
【0047】
ステップS206において、認証部42が、受信した認証用データは登録された認証用データであると判断した場合(ステップS206:Yes)、認証部42は、通信端末1による基地局装置2cへの接続を許可または禁止することを承認する。例えば、認証部42は、
図7に示す表において、登録者番号と、接続の状態とを関連付けてもよい。より具体的には、認証部42は、登録者番号「001」を認証した場合、登録者番号「001」は接続を許可した状態であることを、ゲート記憶部48に記憶させてもよい。当該構成により、認証部42は、接続を禁止した状態であることが関連付けられている登録者番号を認証した場合は、接続を許可することを承認することができる。一方、認証部42は、接続を許可した状態であることが関連付けられている登録者番号を認証した場合は、接続を禁止することを承認することができる。また、通信端末1が送信する認証用データに、接続の許可を承認することを要求する旨を示す情報、または接続の禁止を承認することを要求する旨を示す情報が含まれている構成であってもよい。
【0048】
ステップS210において、認証部42は、認証に基づくデータをゲート通信制御部41に送信する。ゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して、通信端末1に当該認証に基づくデータを送信する。
【0049】
一方、ステップS206において、認証部42が、受信した認証用データは登録された認証用データではないと判断した場合(ステップS206:No)、ゲート4の処理はステップS202に戻る。すなわち、
図5におけるステップS108以降の処理は実行されない。
【0050】
(通信システム100における処理2)
図8は、本実施形態に係る通信システム100における処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。
図8は、ゲート4の認証処理によって通信端末1が認証され、通信端末1が基地局装置2cと通信不能になる場合の処理である。また、
図8に示すように、
図8に記載の処理は、通信端末1と基地局装置2a及び基地局装置2cとがデータを送受信可能な状態において行われる処理である。すなわち、通信端末1が、一般公衆網及びローカルな無線通信網と通信可能な状態において行われる処理である。
【0051】
ステップS102及びステップS104の処理は、上述した処理と同じであるため、説明を省略する。
【0052】
ステップS106において、認証部42は、受信した認証用データが予め登録された認証用データと一致するか否かを判断する認証処理を行う。上述した
図6の処理のうち、ステップS206において、受信した認証用データが予め登録された認証用データと一致するか否かを判断する。ステップS206において、認証部42が、受信した認証用データが予め登録された認証用データと一致すると判断した場合、ステップS208において認証部42は、接続を禁止することを承認する。
【0053】
ステップS108において、認証部42は、認証に基づくデータをゲート通信制御部41に送信する。すなわち、認証部42は、基地局装置2cへの接続を禁止することを示すデータを、ゲート通信制御部41に送信する。
【0054】
ステップS110において、通信端末1の認証管理部12は、端末第2通信部16bを介して認証に基づくデータを受信する。認証管理部12は、当該データを端末通信制御部11に送信する。
【0055】
ステップS122において、端末通信制御部11は、受信したデータを参照して第2通信モジュール15bを無効化し、基地局装置2cとの通信を無効化する。すなわち、端末通信制御部11は、基地局装置2cの無線通信網との通信を無効化する。
【0056】
ステップS112において通信端末1と基地局装置2cとの通信が無効化されると、通信端末1は、基地局装置2cと通信不能となる。そのため通信端末1、基地局装置2aとのみ、データを送受信可能な状態になる。
【0057】
(利用シーンの例)
上述した認証処理では、通信端末1が端末第2通信部16bを介してゲート4に認証用データを送信する場合について記載した。以下では、他の利用シーンについて記載する。
【0058】
撮像部14が撮像した撮像データを参照することによって、認証用データを送信してもよい。例えば、撮像部14が二次元コードを撮像し、端末制御部10が当該二次元コードを解析し、解析した結果に含まれるアクセス先を取得する。そして、認証管理部12は、当該アクセス先に認証用データを送信する構成であってもよい。すなわち、ゲート4に替えて、認証処理を行う認証装置をアクセス先として、認証用データを当該認証装置に送信する構成であってもよい。
【0059】
他の例として、位置情報処理部13が生成した位置情報を、認証管理部12はゲート4または認証装置に送信する構成であってもよい。この場合、位置情報を取得したゲート4または認証装置は、位置情報が所定の範囲内に含まれているか否かを判定する構成であってもよい。例えば、通信端末1の位置情報が、セル3cの範囲内に含まれている場合、ゲートまたは認証装置は、基地局装置2cに接続をすることを許可することを示すデータを、通信端末1に送信する構成であってもよい。
【0060】
さらに他の例として、端末第1通信部16aは、免許不要周波数帯のアクセスポイントと無線通信するためのアンテナであってもよい。端末第1通信部16aは、例えば、WiFi(登録商標)通信をするためのアンテナであってもよい。この場合、認証管理部12は、WiFi通信を介してアクセスポイントに認証用データを送信し、WiFi通信を介してアクセスポイントから認証に基づくデータを受信する構成であってもよい。
【0061】
さらに他の例として、端末第2通信部16bが赤外線送受信用モジュールである場合、通信端末1は赤外線通信を介して認証用データを送信し、赤外線通信を介して認証に基づくデータを受信する構成であってもよい。
【0062】
このように、本実施形態における通信システム100では、端末制御部10の認証管理部12は、ゲート4による認証処理において参照される認証用データを送信し、ゲート4による認証に基づくデータを取得する。また、端末通信制御部11は、取得したデータを参照して、基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化又は無効化する。そのため、通信システム100では、通信端末1は、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網(基地局装置2aの無線通信網と、セキュリティレベルの高い基地局装置2cの無線通信網)と通信する場合に、基地局装置2aの無線通信網との通信を有効化したまま、基地局装置2cとの無線通信網との通信を有効化できる。
【0063】
また、通信システム100では、通信端末1が基地局装置2cのセル3c以外の不要なセルをサーチしないため、通信端末1の消費電力を抑制することができる。
【0064】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、
図9及び
図10を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0065】
(通信システム100における処理3)
図9は、本実施形態に係る通信システム100における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9に示す処理は、ゲート4の認証処理によって通信端末1が認証され、通信端末1が基地局装置2cと通信可能になる場合の処理である。
図9に示すように、
図9に記載の処理は、通信端末1と基地局装置2aとがデータを送受信可能な状態において行われる処理である。すなわち、通信端末1が、一般公衆網と通信可能な状態において行われる処理である。
【0066】
ステップS102からステップS110の処理は、上述した処理と同じであるため、説明を省略する。なお、ステップS108及びS110における認証に基づくデータは、基地局装置2cへの接続を許可することを示すデータである。
【0067】
ステップS132において、端末通信制御部11は、受信したデータを参照して第2通信モジュール15bを有効化する。また、端末通信制御部11は、受信したデータを参照して第1通信モジュール15aを無効化する。すなわち、端末通信制御部11は、基地局装置2cの無線通信網との通信を許可するデータを取得した場合、基地局装置2aの無線通信網との通信を無効化し、基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化する。
【0068】
ステップS132において通信端末1と基地局装置2cとの通信が有効化されると、通信端末1は、基地局装置2cと通信可能となるので、基地局装置2cとデータを送受信可能な状態になる。また、通信端末1と基地局装置2aとの通信が無効化されると、通信端末1は、基地局装置2aと通信不能となる。
【0069】
(通信システム100における処理4)
図10は、本実施形態に係る通信システム100における処理の流れの他の例を示すシーケンス図である。
図10に示す処理は、ゲート4の認証処理によって通信端末1が認証され、通信端末1が基地局装置2cと通信不能になる場合の処理である。また、
図10に示すように、
図10に記載の処理は、通信端末1と基地局装置2cとがデータを送受信可能な状態において行われる処理である。すなわち、通信端末1がローカルな無線通信網と通信可能な状態において行われる処理である。
【0070】
ステップS102からステップS110の処理は、上述した処理と同じであるため、説明を省略する。なお、ステップS108及びS110における認証に基づくデータは、基地局装置2cへの接続を禁止することを示すデータである。
【0071】
ステップS142において、端末通信制御部11は、受信したデータを参照して第2通信モジュール15bを無効化する。また、端末通信制御部11は、受信したデータを参照して第1通信モジュール15aを有効化する。すなわち、端末通信制御部11は、基地局装置2cの無線通信網との通信を無効化し、基地局装置2aの無線通信網との通信を有効化する。
【0072】
ステップS142において通信端末1と基地局装置2cとの通信が有効化されると、通信端末1は、基地局装置2cと通信不能となる。また、通信端末1と基地局装置2aとの通信が有効化されるので、通信端末1は、基地局装置2aと通信可能となり、基地局装置2aとデータを送受信可能な状態になる。
【0073】
このように、本実施形態における通信システム100では、端末制御部10の認証管理部12は、ゲート4による認証処理において参照される認証用データを送信し、ゲート4による認証に基づくデータを取得する。また、端末通信制御部11は、取得したデータを参照して、基地局装置2aの無線通信網との通信及び基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化又は無効化する。そのため、通信システム100では、通信端末1は、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網(基地局装置2aの無線通信網と、セキュリティレベルの高い基地局装置2cの無線通信網)と通信する場合に、基地局装置2aの無線通信網との通信を無効化し、基地局装置2cとの無線通信網との通信を有効化できる。
【0074】
また、実施形態1及び実施形態2における通信システム100では、通信端末1は、取得した認証に基づくデータを参照して、基地局装置2aの無線通信網との通信及び基地局装置2cの無線通信網との通信の少なくとも何れかを有効化又は無効化する。そのため、通信システム100では、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網(基地局装置2aの無線通信網と、セキュリティレベルの高い基地局装置2cの無線通信網)と通信する場合に、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0075】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、
図11を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0076】
本実施形態では、通信端末1は、通信モジュール15にプロファイルを書き込むことにより、当該プロファイルに基づく通信が可能となる。本実施形態における通信モジュール15は、例えば、eSIM(embedded Subscriber Identity Module)である。
【0077】
(通信システム100における処理5)
図11は、本実施形態に係る通信システム100における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11に示す処理は、ゲート4により承認され、通信端末1が基地局装置2cと通信可能になる場合の処理である。
図11に示すように、
図11に記載の処理は、通信端末1と基地局装置2aとがデータを送受信可能な状態において行われる処理である。すなわち、通信モジュール15には、基地局装置2aと通信するためのプロファイルが書き込まれており、通信端末1が一般公衆網と通信可能な状態において行われる処理である。
【0078】
ステップS102からステップS106の処理は、上述した処理と同じであるため、説明を省略する。
【0079】
ステップS106において、認証部42が受信した認証用データが予め登録された認証用データと一致する判断した場合、ステップS152において認証部42は、認証に基づくデータとして、基地局装置2cと通信するためのプロファイルをゲート通信制御部41に送信する。ゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して、当該プロファイルを通信端末1に送信する。
【0080】
ステップS154において、通信端末1の認証管理部12は、端末第2通信部16bを介して、認証に基づくデータとして通信モジュール15に書き込むプロファイルを受信する。認証管理部12は、当該プロファイルを端末通信制御部11に送信する。
【0081】
ステップS156において、端末通信制御部11は、受信したプロファイルを通信モジュール15に書き込みことによって、プロファイルを切り替える。すなわち、端末通信制御部11は、基地局装置2aの無線通信網との通信を無効化し、基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化する。
【0082】
ステップS156において通信端末1と基地局装置2cの無線通信網との通信が有効化されると、通信端末1は、基地局装置2cと通信可能となるので、基地局装置2cとデータを送受信可能な状態になる。一方、通信モジュール15のプロファイルが書き換えられたので、通信端末1と基地局装置2aとの通信は無効化される。
【0083】
なお、図示していないが、通信端末1と基地局装置2cとがデータを送受信可能な状態において、ステップS156において基地局装置2aと通信するためのプロファイルを通信端末1が受信した場合、通信端末1は、基地局装置2cとの通信を無効化し、基地局装置2aとの通信を無効化する。
【0084】
このように、本実施形態における通信システム100では、端末制御部10の認証管理部12は、ゲート4による認証処理において参照される認証用データを送信し、プロファイルを受信する。また、端末通信制御部11は、取得したプロファイルを通信モジュール15に書き込むことにより、基地局装置2a及び基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化又は無効化する。そのため、通信システム100では、通信モジュール15がeSIMの場合であっても、基地局装置2aの無線通信網との通信を無効化(有効化)し、基地局装置2cの無線通信網との通信を有効化(無効化)する。
【0085】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、
図12を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0086】
(通信システム100における処理6)
図12は、本実施形態に係る通信システム100における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12に示す処理は、ゲート4の認証処理によって通信端末1が認証され、通信端末1が基地局装置2cと通信可能になる場合の処理である。また、
図12に示すように、
図12に記載の処理は、通信端末1と基地局装置2aとがデータを送受信可能な状態において行われる処理である。すなわち、通信端末1が、一般公衆網と通信可能な状態において行われる処理である。
【0087】
また、
図12に示すように、基地局装置2cとゲート4とは、通信可能に構成されている。また、上述した実施形態と同様、ゲート4は、基地局装置2cの無線通信網と通信することを許可又は禁止することを示すデータを通信端末1に送信する。
【0088】
ステップS162において、基地局装置2の基地局通信制御部21は、基地局通信部26を介して、通信端末1の位置を示す位置情報を取得する。基地局通信制御部21は、当該位置情報を、判定部22に送信する。判定部22は、当該位置情報が示す通信端末1の位置が、所定の範囲内に含まれているか否かを判定する。判定部22は、判定した判定結果を基地局通信制御部21に送信する。基地局通信制御部21は、当該判定結果を、基地局通信部26を介してゲート4に送信する。
【0089】
ステップS164において、ゲート4のゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して基地局装置2cから送信された判定結果を受信する。ゲート通信制御部41は、受信した判定結果を認証部42に送信する。
【0090】
ステップS166において認証部42は、受信した判定結果が、通信端末1の位置が所定の範囲内に含まれていることを示す場合、ステップS108において認証部42は、基地局装置2cに接続することを許可することを示すデータを、ゲート通信制御部41に送信する。ゲート通信制御部41は、ゲート通信部46を介して、当該データを通信端末1に送信する。
【0091】
ステップS110及びステップS112の処理は、上述した処理と同じであるため、説明を省略する。
【0092】
一方、ステップS166において認証部42は、受信した判定結果が、通信端末1の位置が所定の範囲内に含まれていないことを示す場合、認証に基づくデータを送信しない。すなわち、ステップS108以降の処理は実行されない。
【0093】
又は、ステップS166において認証部42は、受信した判定結果が、通信端末1の位置が所定の範囲内に含まれていないことを示す場合、ステップS108において認証部42は、基地局装置2cに接続することを禁止することを示すデータを、ゲート通信制御部41に送信してもよい。この場合、ステップS112に替えて、ステップS122が実行される。
【0094】
また、基地局装置2は、予め通信端末1から認証用データを取得し、ステップS162において、通信端末1の認証用データを含む判定結果を送信してもよい。この場合、ステップS166において認証部42は、受信した判定結果が、通信端末1の位置が所定の範囲内に含まれていることを示し、かつ、受信した判定結果に含まれる認証用データが、予め登録された認証用データと一致するか否かを判断してもよい。
【0095】
このように、本実施形態における通信システム100では、ゲート4と通信可能に構成された基地局装置2cが、通信端末1の位置が、所定の範囲内に含まれるか否かを判定し、判定結果をゲート4に送信する。ゲート4は、判定結果を参照することによって、基地局装置2cの無線通信網に接続することを許可又は禁止することを示すデータを通信端末1に送信する。すなわち、基地局装置2cから送信される判定結果は、ゲート4が、基地局装置2cの無線通信網に接続することを許可又は禁止することを示すデータを送信するか否かを判定する際に参照される。そのため、通信システム100では、基地局装置2cがゲート4による認証処理に用いられる判定結果を送信する構成であっても、通信端末1は、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網(基地局装置2aの無線通信網と、セキュリティレベルの高い基地局装置2cの無線通信網)と通信する場合に、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0096】
〔ソフトウェアによる実現例〕
通信端末1、基地局装置2、及びゲート4の制御ブロック(特に端末制御部10、基地局制御部20、及びゲート制御部40)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0097】
後者の場合、通信端末1、基地局装置2、及びゲート4は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPUを用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAMなどをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0098】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る通信端末(1)は、第1の無線通信網(基地局装置2aの無線通信網)及び第2の無線通信網(基地局装置2cの無線通信網)の少なくとも何れかと通信可能に構成された通信モジュール(15)と、前記通信モジュールを制御する制御部(端末通信制御部11)と、を備え、前記制御部は、認証装置による認証処理において参照される認証用データを送信し、前記認証装置による認証に基づくデータを取得し、取得した前記データを参照して、前記第1の無線通信網との通信及び前記第2の無線通信網との通信の少なくとも何れかを有効化又は無効化する。
【0099】
上記の構成によれば、通信端末は、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0100】
本発明の態様2に係る通信端末(1)において、上記態様1における制御部(端末通信制御部11)は、前記第1の無線通信網と通信可能な状態において、前記第2の無線通信網との通信を許可することを示すデータを取得した場合、前記制御部は、前記第1の無線通信網との通信を有効化したまま、前記第2の無線通信網との通信を有効化してもよい。
【0101】
上記の構成によれば、通信端末は、第1の無線通信網との通信を有効化したまま、第2の無線通信網との通信を有効化するので、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0102】
本発明の態様3に係る通信端末(1)において、上記態様1における制御部(端末通信制御部11)は、前記第1の無線通信網と通信可能な状態において、前記第2の無線通信網との通信を許可することを示すデータを取得した場合、前記制御部は、前記第1の無線通信網との通信を無効化し、前記第2の無線通信網との通信を有効化してもよい。
【0103】
上記の構成によれば、通信端末は、第1の無線通信網との通信を無効化し、第2の無線通信網との通信を有効化するので、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0104】
本発明の態様4に係る通信端末(1)において、上記態様1~3の何れかにおける制御部(端末通信制御部11)は、前記データとして、前記通信モジュールに書き込むプロファイルを取得する。
【0105】
上記の構成によれば、通信端末は、プロファイルを書き込む通信モジュールを備える場合であっても、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0106】
本発明の態様5に係る通信端末(1)は、上記態様1~4の何れかにおいて、被写体を撮像する撮像部(14)をさらに備え、前記制御部は、前記撮像部が撮像した撮像データを解析し、解析した結果に含まれるアクセス先へ前記認証用データを送信してもよい。
【0107】
上記の構成によれば、通信端末は、撮像した撮像データを用いることによっても、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0108】
本発明の態様6に係る通信端末(1)において、上記態様1~5の何れかにおける制御部(端末通信制御部11)は、当該通信端末の位置を示す位置情報を生成し、前記位置情報を前記認証用データとして送信してもよい。
【0109】
上記の構成によれば、通信端末は、通信端末の位置情報を用いることによっても、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0110】
本発明の態様7に係る通信端末(1)において、上記態様1~6の何れかにおける制御部(端末通信制御部11)は、免許不要周波数帯のアクセスポイントに対して前記認証用データを送信し、前記アクセスポイントから前記データを取得してもよい。
【0111】
上記の構成によれば、通信端末は、免許不要周波数帯のアクセスポイントを介することによっても、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0112】
本発明の態様8に係る通信端末(1)は、上記態様1~7の何れかにおいて、赤外線送受信用モジュール(端末第2通信部16b)をさらに備え、前記赤外線送受信用モジュールを介して前記認証用データを送信し、前記赤外線送受信用モジュールを介して前記データを取得してもよい。
【0113】
上記の構成によれば、通信端末は、赤外線送受信用モジュールを用いることによっても、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信することができる。
【0114】
本発明の態様9に係る認証装置(ゲート4)は、通信端末(1)と通信可能に構成された認証装置であって、制御部(ゲート制御部40)を備え、前記制御部は、前記通信端末が送信した認証用データであって、認証処理において参照する認証用データを取得し、前記認証用データが、無線通信網と通信するために予め登録された認証用データと一致するか否かを判断し、前記認証用データが、前記無線通信網と通信するために予め登録された認証用データであると判断した場合、前記通信端末が前記無線通信網と通信することを許可することを示すデータを送信する。
【0115】
上記の構成によれば、認証装置は、通信端末に対して、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信させることができる。
【0116】
本発明の態様10に係る基地局装置(3)は、無線通信網と通信することを許可又は禁止することを示すデータを通信端末(1)に送信する認証装置(ゲート4)と通信可能に構成された基地局装置であって、制御部(基地局制御部20)を備え、前記制御部は、前記通信端末の位置が、所定の範囲内に含まれているか否かを判定し、前記制御部による判定結果を前記認証装置に送信し、前記判定結果は、前記認証装置が前記データを送信するか否かを判定する際に参照される。
【0117】
上記の構成によれば、基地局装置は、通信端末に対して、セキュリティレベルの高い無線通信網を含む複数の無線通信網と、高い接続の自由度を有して通信させることができる。
【0118】
本発明の各態様に係る通信端末、認証装置、及び基地局装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記通信端末、認証装置、及び基地局装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記通信端末、認証装置、及び基地局装置をコンピュータにて実現させる通信端末、認証装置、及び基地局装置の制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0119】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 通信端末
2 基地局装置
4 ゲート
10 端末制御部
11 端末通信制御部
12 認証管理部
13 位置情報処理部
14 撮像部
15 通信モジュール
16 端末通信部
18 端末記憶部
20 基地局制御部
21 基地局通信制御部
22 判定部
26 基地局通信部
28 基地局記憶部
40 ゲート制御部
41 ゲート通信制御部
42 認証部
46 ゲート通信部
48 ゲート記憶部
100 通信システム