(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169455
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】通信ネットワーク接続装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20231122BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080549
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】592205735
【氏名又は名称】株式会社ケイティーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100126712
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 督生
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 正治
(72)【発明者】
【氏名】右田 健一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者の通信デバイスと居室の受像機とのみをネットワーク接続させるための通信デバイスへの通信ネットワーク接続を行わせる通信ネットワーク接続装置を提供する。
【解決手段】複数の居室のそれぞれにおいて、居室に設置されている受像機100と、居室に持ち込まれた通信デバイス50とをネットワーク接続させる通信ネットワーク接続装置1において、通信デバイスが読み取り可能なコードを表示するコード表示手段2、通信デバイスが読み取ったコードに基づいて、複数の居室のそれぞれにおいて相違する通信ネットワーク接続に必要な接続情報を通信デバイスに送信する接続情報送信手段3、接続情報送信手段3により送信された接続情報に対応する入力情報を照合する照合手段4及び照合手段4で照合されると、通信デバイスと受像機とをネットワーク接続させる接続手段5を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の居室のそれぞれにおいて、居室に設置されている受像機と、居室に持ち込まれた通信デバイスとをネットワーク接続させる通信ネットワーク接続装置であって、
前記通信デバイスが読み取り可能なコードを表示するコード表示手段と、
前記通信デバイスが読み取った前記コードに基づいて、通信ネットワーク接続に必要な接続情報を、前記通信デバイスに送信する接続情報送信手段と、
前記接続情報送信手段により送信された前記接続情報に対応する入力情報を照合する照合手段と、
前記照合手段で照合されると、前記通信デバイスと前記受像機とをネットワーク接続させる接続手段と、を備え、
前記接続情報は、前記複数の居室のそれぞれにおいて相違する、通信ネットワーク接続装置。
【請求項2】
前記接続手段は、前記居室内部での前記受像機と前記通信デバイスのみをネットワーク接続させる、請求項1記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項3】
前記接続手段によるネットワーク接続により、前記受像機は、前記通信デバイスで動作しているアプリケーションの画像・音声を表示する、請求項1記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項4】
前記接続手段によるネットワーク接続により、前記通信デバイスは、前記受像機に表示されている画像・音声を制御することができる、請求項3記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項5】
前記接続情報は、同一の居室であっても、日にちにより変更される、請求項1記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項6】
前記接続情報は、同一居室を同一利用者が連続的に利用する場合には、連続利用の期間においては、同一である、請求項1記載の通信ネットワーク連続装置。
【請求項7】
前記接続情報は、前記ネットワーク接続に必要となる識別子とパスワードを含む、請求項1記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項8】
前記接続情報送信手段は、前記複数の居室のそれぞれおよび利用日とに基づいて、異なる前記接続情報を生成する、請求項1記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項9】
前記受像機は、前記通信デバイスとのネットワーク接続が可能な接続機能を備えている、請求項1から8のいずれか記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項10】
前記照合手段は、前記接続情報が表示された前記通信デバイスでの前記入力情報の成否に基づいて、照合を行う、請求項1記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項11】
前記通信デバイスは、前記利用者が前記居室に持ち込んだ、ノートブック型パソコン、タブレット端末、携帯端末、情報端末、スマートフォンおよび時計型通信端末の少なくとも一つである、請求項9記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項12】
前記接続情報を記憶するサーバーを更に備え、前記サーバーは、前記居室、前記日にちおよび前記利用者と対応する前記接続情報を生成させる、請求項8記載の通信ネットワーク接続装置。
【請求項13】
前記複数の居室を備える施設は、宿泊施設、オフィス、レンタルオフィス、シェアオフィス、貸会議室、公共施設の少なくとも一つである、請求項1記載の通信ネットワーク接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス、宿泊施設、公共施設などの複数の居室を備える施設において、複数の施設を利用する不特定の利用者のそれぞれに対応した無線ネットワークの接続を行う通信ネットワーク接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、宿泊施設(ホテルなど)、公共施設などは、複数の居室を有している。これらの複数の居室は、不特定の利用者が日替わりで使用することがある(同じ利用者が連続した日程で利用する例外もあり得る)。例えば、オフィスなどでもテレワークや外部勤務が多いオフィスでは、社員個人の居室が用意されており、それぞれの個人は、日によって異なる居室を仕事や会議のために利用することがある。
【0003】
あるいは、レンタルオフィス、シェアオフィスや貸会議室などでは、不特定の異なる利用者が、どれかの居室を利用する。このとき、居室のそれぞれは、日によって異なる利用者に利用される。これは、公共施設などでも同様である。
【0004】
また、ホテルを始めとした宿泊施設は、複数の居室が備わっており、日によって異なる不特定の利用者が居室のそれぞれを利用する。ある日においては、101号室を利用者Aが利用し、別の日においては、101号室を利用者Bが利用する(宿泊する)。また、ある日においては、201号室を利用者Cが利用して、隣の202号室を利用者Dが利用する。
【0005】
特に、宿泊施設では、他の施設よりも個人単位で居室が利用され、特性上、不特定の利用者が異なる居室を異なる日に利用する。
【0006】
もちろん、これら以外の施設においても、異なる不特定の利用者が居室を利用すると共に、同じ居室であっても日によって利用者が異なる状況が生じる施設が存在する。
【0007】
一方で、このような施設の居室においては、インターネットを始めとしたネットワーク接続が必須となってきている。オフィス、レンタルオフィス、シェアオフィス、貸会議室などでは、利用者が仕事やネットワーク会議を行う必要性からネットワーク接続が必要である。
【0008】
公共施設においても同様である。利用者は、公共施設の利用目的に応じて、自分の持っている通信デバイスをネットワーク接続させる必要や要望を持っている。
【0009】
ホテルなどの宿泊施設でも、利用者が自身の通信デバイスを居室内部でネットワーク接続させたい必要性や要望がある。仕事での利用の必要性や、宿泊時の気分転換や情報収集などのために、通信デバイスをネットワーク接続させる必要性や要望があるからである。電子メールの送受信、ネットワーク会議、インターネットでの検索など、様々な用途での利用希望が生じる。
【0010】
利用者が持ち込んだ、ノートブック型パソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯端末などの通信デバイスを、居室内部でネットワーク接続させることが必要であったり求められたりする。上述した施設は、これらの必要性や要望に対応する必要がある。
【0011】
このような利用者の通信デバイスのネットワーク接続においては、有線接続もあり得るが、いわゆるWiFiと言われる無線通信接続が用いられることが多い。
【0012】
このような必要性や要望に応じて、様々な施設においては。居室において利用者の持っている通信デバイスとのネットワーク接続を実現することを行っている。例えば、WiFiルーターなどが設置されており、このWiFiルーターにより、通信デバイスと通信ネットワークが接続される。
【0013】
これにより、居室の利用者は、自身の通信デバイスをネットワーク通信接続した状態で使用できる。電子メール、アプリケーション、インターネット検索、根とワーク会議、電子通信などを使用できる。また、場合によっては、居室に備わるタブレット端末などを通信ネットワークに接続して使用することもある。
【0014】
このような居室利用者が通信デバイスを通信ネットワークに接続してネットワーク通信を実行するために、居室における通信ネットワーク接続装置が設置されている。このような通信ネットワーク接続を可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1は、無線アクセスポイント20が、自己の記憶部24に予め登録されているSSIDを含むビーコン信号の送信を停止し、無線端末10が、自己の端末記憶部12に予め登録されているSSIDを含むプローブリクエストを送信し、無線アクセスポイント20が、無線端末10からのプローブリクエストに応じて、SSIDを用いた無線LAN通信を許可するためのプローブレスポンスを返送し、無線端末10が、無線アクセスポイント20から返送されたプローブレスポンスに応じて、SSIDの接続設定情報に基づき無線アクセスポイントと無線LAN接続する無線LAN接続方法を開示する。
【0017】
特許文献1に開示されるようなWiFiアクセスポイントと呼ばれる通信ネットワーク接続装置が、居室などに設置されている。利用者は、このアクセスポイントが提供するID(SSID)とパスワードを通信デバイスで入力する。これにより、通信デバイスを通信ネットワーク接続装置を介して、インターネットなどのネットワークに接続できる。
【0018】
この接続により、利用者は通信デバイスをネットワーク接続させた状態で使用できる。これは、ホテルなどの宿泊施設、オフィス、レンタルオフィスや貸会議室、その他の施設でも同じである。
【0019】
ここで、従来技術での居室での通信ネットワーク接続は、施設のレセプションなどで、SSIDやパスワードが渡される。紙に記載されていたり、居室内に書面があったりする。あるいは、居室内に設置されているテレビなどの受像機に表示されることがある。
【0020】
利用者はこの提供されたSSIDとパスワードを用いて、通信デバイスを通信ネットワークに接続する。
【0021】
ここで、一般的には、ホテルやオフィスなどの施設全体で同じSSIDとパスワードが提供される。提供側の業務の手間やコストの削減および、通信ネッっとワーク接続装置やこれを管理するサーバー(およびアプリケーション)の負荷の軽減のためである。また、利用者がSSIDとパスワードを使用してネットワーク接続する際の不便や困難を低減するためでもある。
【0022】
このように、施設の利用者は、受け取ったSSIDとパスワードを用いて、居室内部において(あるいは施設の共有空間において)通信デバイスをネットワーク接続して使用できる。ホテルなどの宿泊施設であれば、宿泊する居室において、持ち込んだ通信デバイスを種々の目的に使用できる。
【0023】
ここで、施設の居室にはテレビなどの受像機が設置されていることが多い。特に、宿泊施設の居室には受像機が設置されている。あるいは、貸会議室やレンタルオフィスなどにも、プレゼン作業やオンライン会議などのための受像機(モニターを含む)が設置されていることが多い。
【0024】
利用者は、上述の通りWiFiアクセスポイントなどを介して、スマートフォンなどでのネットワークアプリケーションを利用する。しかしながら、利用者が持ち込めるスマートフォンやタブレット端末などでは表示画面が小さくて、仕事や娯楽に十分に対応できない。一方で、上述の通り、多くの施設の居室には十分なサイズの表示装置を持つ受像機が設置されている。
【0025】
しかしながら、このような受像機は、通信ネットワークと接続されていないことが多い。あるいは利用者の持っている通信デバイスとの接続ができないことが多い。受像機と通信デバイスとは分離したデバイスになってしまっている。
【0026】
このため、居室の利用者は、受像機については受像機として使用し、通信デバイスは通信デバイスとして使用するしかできない。これは、通信デバイスがネットワーク接続されていても同じである。このため、通信ネットワーク接続することができるような新しい機能を持つ受像機を居室に設置することも行われ始めている。
【0027】
しかしながら、このようなネットワーク接続できる受像機は高価であるし、多くの施設の多くの居室のそれぞれで入れ替えをすることは、コスト、時間、環境などの面で困難を伴う。
【0028】
このような状況で、受像機に接続可能なデバイスで、受像機と通信デバイスとを、居室の通信ネットワークを介してネットワーク接続させる接続デバイスが使われるようになってきいている。この接続デバイスが受像機に接続されると、接続デバイスと利用者の持ち込んだ通信デバイスがまず接続される。次いで、通信デバイスが、居室に設置されている通信ネットワーク接続装置とネットワーク接続されることで、このネットワーク接続を介して受像機と通信デバイスとがネットワーク接続される。
【0029】
これにより、通信デバイスで使用されているアプリケーションの画像や音声が、受像機において表示されるようになる。加えて、通信デバイスでの操作によって、受像機に表示されている画像や音声を操作することもできるようになる。
【0030】
すなわち、スマートフォンやタブレット端末でのアプリケーションの使用で、表示と音声について受像機を利用できるようになる。利用者は、受像機を表示装置として、ネットワーク接続された通信デバイスを使用できるようになる。
【0031】
しかしながら、このような使用態様が、不特定の利用者が日替わりで使用する居室において行われることには次のような問題が生じる。
【0032】
上述したように、施設においては、居室、利用者、日付の違いなく、施設全体(あるいは施設の一定範囲)で、同じSSIDとパスワードが提供されることがほとんどである。施設側および利用者側の簡便性を優先するからである。このような通信ネットワーク接続すると、ある居室でネットワーク接続した利用者の通信デバイスのアプリケーションが、隣室の受像機に表示されてしまうなどのエラーが発生する可能性がある。同じSSIDとパスワードで通信デバイスをネットワーク接続させているからである。
【0033】
このようになると、隣室の利用者は、意図しない画像や音声が受像機から表示されてしまい、迷惑を感じる。また、本来の利用者は自室の受像機に目的とする画像や音声が表示されずに、エラーが生じたかと思って混乱する(困ってしまう)。どちらにとっても、不便であると同時に迷惑な状況に陥ってしまう。加えて、表示されない理由や不要なものが表示されてしまう理由は、利用者のそれぞれには分からないので、対応することも困難である。
【0034】
結果として、施設に対するクレーム要因となってしまう。宿泊施設などでは、居室の数も多いし、居室間の距離も小さいことで、同じ通信ネットワークでの接続が異なる居室間で生じてしまい、別の部屋の受像機に表示が生じることも頻発する懸念もある。
【0035】
これは、利用者にとっても管理者にとっても好ましくない。表示されるものが、オンライン会議や仕事の試料などであれば、宿泊施設やレンタルオフィスなどでは、機密保持の問題にも繋がる。これは、施設の管理者への責任追及の懸念にも繋がりかねない。
【0036】
また、居室によってはSSIDやパスワードを変更する施設もあり得る。例えば、パスワードの一部に居室番号を含むなどさせることによる。このようにすると、同じ日に利用している隣室の利用者同士での、通信デバイスからの受像機への画像表示などの懸念を低減できる。
【0037】
しかしながら、部屋ごとにSSIDやパスワードを異ならせたとしても、これを日にちが変わるごとに変更させることは、ほとんどの施設では行っていない。上述したように、手間とコストが管理者と利用者の双方に加わるからである。
【0038】
このように日にちによってSSIDやパスワードを変更しないと次のような問題が生じる。ある日に201号室に宿泊した利用者AがSSIDとパスワードを用いて通信デバイスをネットワーク接続する。この利用者Aが、別の日に隣の202号室に宿泊して通信デバイスに記憶しているSSIDとパスワードでネットワーク接続することができる。こうすると、この利用者Aが、ネットワーク接続を介して接続している画像表示が、先日泊まっていた201号室の受像機に表示されてしまう懸念もある。こうすると、その日に201号室に泊っている別の利用者に迷惑が生じる。
【0039】
これも、利用者にとっての迷惑と施設にとってのクレームに繋がる問題となりえる。
【0040】
このように、ネットワーク通信を介して居室にある受像機を通信デバイスの表示装置として使用する場合には、従来のような(1)SSIDとパスワードが、施設の全部あるいは一部で共通である、(2)SSIDとパスワードが日にちによって変更されない、ことにより問題が生じていた。
【0041】
受像機をネットワーク通信での表示装置として活用することが求められる今後においては、これは、大きな問題となっていく。
【0042】
本発明は、これらの課題に鑑み、利用者の通信デバイスと居室の受像機とのみをネットワーク接続させるための通信デバイスへの通信ネットワーク接続を行わせる通信ネットワーク接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0043】
上記課題に鑑み、本発明の通信ネットワーク接続装置は、複数の居室のそれぞれにおいて、居室に設置されている受像機と、居室に持ち込まれた通信デバイスとをネットワーク接続させる通信ネットワーク接続装置であって、
前記通信デバイスが読み取り可能なコードを表示するコード表示手段と、
前記通信デバイスが読み取った前記コードに基づいて、通信ネットワーク接続に必要な接続情報を、前記通信デバイスに送信する接続情報送信手段と、
前記接続情報送信手段により送信された前記接続情報に対応する入力情報を照合する照合手段と、
前記照合手段で照合されると、前記通信デバイスと前記受像機とをネットワーク接続させる接続手段と、を備え、
前記接続情報は、前記複数の居室のそれぞれにおいて相違する。
【発明の効果】
【0044】
本発明の通信ネットワーク接続装置は、居室ごとに異なる接続情報を利用者に提供する。これにより、居室ごとに異なる識別により通信デバイスのネットワーク接続がなされる。これにより、ネットワーク接続を介した通信デバイスからの受像機への表示が、他の居室に生じてしまう問題が防止できる。
【0045】
また、日にちが変わるごとに同じ居室であっても、接続情報を変更する。これにより、同じ利用者が異なる日に同室あるいは隣室を利用する際に、前の接続情報のままでネットワーク接続してしまい、隣室などの受像機に通信デバイスの画像などを表示させてしまう問題も防止できる。
【0046】
これらにより、利用者のプライバシーや機密が守られて、安心して仕事や私用でのネットワーク通信の受像機での表示利用を行える。また、施設の管理者にとっても管理責任を果たすことができ、利用者からのクレームの原因を低下させることができる。
【0047】
加えて、宿泊施設での連泊などの場合には、同じ利用者に対しては日にちによる接続情報の変更を回避することで、日程連続での利用者の便宜も高めることができる。
【0048】
これらは、宿泊施設、オフィス、貸会議室、各種施設などで同様である。ここで、接続情報とは、無線ネットワーク通信接続(WiFI接続など)でのSSIDとパスワードなどを含む情報である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】発明者の解析による施設での通信接続の問題を説明する模式図である。
【
図2】現状において、施設の居室の利用者に配布されるWiFiなどの無線ネットワーク通信接続を行うのに必要なSSIDとパスワードを記した配布物の模式図である。
【
図3】本発明の実施の形態1における通信ネットワーク接続装置が使用される施設の模式図である。
【
図4】本発明の実施の形態1における通信ネットワーク接続装置のブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態1におけるコード表示手段2により表示されるコードの模式図である。
【
図6】本発明の実施の形態1におけるコードを読み取っている状態を示す通信デバイスの模式図である。
【
図7】本発明の実施の形態1における接続情報が表示された通信デバイスの模式図である。
【
図8】本発明の実施の形態1における受像機に通信デバイスからの画像が表示されている状態を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施の形態1における施設全体でのネットワーク接続を示す模式図である。通信ネットワーク接続装置1は、サーバー20と接続されている。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の第1の発明に係る通信ネットワーク接続装置は、複数の居室のそれぞれにおいて、居室に設置されている受像機と、居室に持ち込まれた通信デバイスとをネットワーク接続させる通信ネットワーク接続装置であって、
前記通信デバイスが読み取り可能なコードを表示するコード表示手段と、
前記通信デバイスが読み取った前記コードに基づいて、通信ネットワーク接続に必要な接続情報を、前記通信デバイスに送信する接続情報送信手段と、
前記接続情報送信手段により送信された前記接続情報に対応する入力情報を照合する照合手段と、
前記照合手段で照合されると、前記通信デバイスと前記受像機とをネットワーク接続させる接続手段と、を備え、
前記接続情報は、前記複数の居室のそれぞれにおいて相違する。
【0051】
この構成により、通信デバイスと受像機とのネットワーク接続は、居室単位で独立して確立し、通信デバイスによる操作が隣室の受像機などへの干渉や誤動作などを防止できる。
【0052】
本発明の第2の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記接続手段は、前記居室内部での前記受像機と前記通信デバイスのみをネットワーク接続させる。
【0053】
この構成により、他の居室への干渉や誤動作でのネットワーク接続を生じさせることを防止できる。
【0054】
本発明の第3の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記接続手段によるネットワーク接続により、前記受像機は、前記通信デバイスで動作しているアプリケーションの画像・音声を表示する。
【0055】
この構成により、受像機を表示装置として利用できる。表示部の小さな通信デバイスであっても、受像機での表示により、効率的あるいはよりよい環境での使用が可能となる。
【0056】
本発明の第4の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第3の発明に加えて、前記接続手段によるネットワーク接続により、前記通信デバイスは、前記受像機に表示されている画像・音声を制御することができる。
【0057】
この構成により、通信デバイスによるアプリケーションの制御を、そのまま受像機に反映させることができる。利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0058】
本発明の第5の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記接続情報は、同一の居室であっても、日にちにより変更される。
【0059】
この構成により、同じ利用者が別の日に別の居室を利用する場合に、通信デバイスが記憶した前の接続情報によるネットワーク接続がなされる不具合を防止できる。
【0060】
本発明の第6の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記接続情報は、同一居室を同一利用者が連続的に利用する場合には、連続利用の期間においては、同一である。
【0061】
この構成により、同一居室の連続利用者の不便を解消して、簡便にできる。
【0062】
本発明の第7の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記接続情報は、前記ネットワーク接続に必要となる識別子とパスワードを含む。
【0063】
この構成により、通信デバイスを居室単位で独立してネットワーク接続させることができる。他からの接続も防止できる。
【0064】
本発明の第8の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記接続情報送信手段は、前記複数の居室のそれぞれおよび利用日とに基づいて、異なる前記接続情報を生成する。
【0065】
この構成により、居室単位での独立したネットワーク接続に限定できる。他の部屋への通信デバイスからの操作干渉などを防止できる。
【0066】
本発明の第9の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、前記受像機は、前記通信デバイスとのネットワーク接続が可能な接続機能を備えている。
【0067】
この構成により、通信デバイスがネットワーク接続されると、通信デバイスと受像機とのネットワーク接続が確立する。
【0068】
本発明の第10の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記照合手段は、前記接続情報が表示された前記通信デバイスでの前記入力情報の成否に基づいて、照合を行う。
【0069】
この構成により、照合の精度を向上させることができる。
【0070】
本発明の第11の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第9の発明に加えて、前記通信デバイスは、前記利用者が前記居室に持ち込んだ、ノートブック型パソコン、タブレット端末、携帯端末、情報端末、スマートフォンおよび時計型通信端末の少なくとも一つである。
【0071】
この構成により、利用者の持ち込む様々な通信端末を受像機との接続に利用できる。
【0072】
本発明の第12の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第8の発明に加えて、前記接続情報を記憶するサーバーを更に備え、前記サーバーは、前記居室、前記日にちおよび前記利用者と対応する前記接続情報を生成させる。
【0073】
この構成により、居室、日にちに応じて相違する特異な接続情報の生成を可能とする。
【0074】
本発明の第13の発明に係る通信ネットワーク接続装置では、第1の発明に加えて、前記複数の居室を備える施設は、宿泊施設、オフィス、レンタルオフィス、シェアオフィス、貸会議室、公共施設の少なくとも一つである。
【0075】
この構成により、居室や日にちによって、不特定で変化しうる利用者が利用する施設での、適切な受像機と通信デバイスとのネットワーク接続が実現できる。
【0076】
以下、図面を用いながら本発明の実施の形態について説明する。
【0077】
(実施の形態1)
【0078】
(発明者による分析)
まず、発明者による分析について説明する。
図1は、発明者の解析による施設での通信接続の問題を説明する模式図である。
図2は、現状において、施設の居室の利用者に配布されるWiFiなどの無線ネットワーク通信接続を行うのに必要なSSIDとパスワードを記した配布物の模式図である。配布物300は、宿泊施設やレンタルオフィスなどであれば、チェックインの時に利用者に配布される。あるいは、各居室210に設置されていたりする。
【0079】
複数の居室210が備わる施設200が、様々な場所に存在する。ホテルのような宿泊施設、オフィス、レンタルオフィス、シェアオフィス、貸会議室、公共施設などさまざまである。これらの施設200は、複数の居室210を備えている。宿泊施設であれば、複数の客室を備えている。
図1では、例として、201号室、202号室、203号室の3つの居室210が示されている。
【0080】
3つの居室210のそれぞれには、受像機100が設置されている。受像機100は、テレビであったり、モニターであったりなどである。また、居室210の利用者は、自身の持つ通信デバイス50を持っている(持ち込む)ことが多い。通信デバイス50は、ノートブック型パソコン、タブレット端末、情報端末、携帯端末、スマートフォンなどである。これらの通信デバイス50は、通信ネットワークとの通信機能を有している。また、種々のアプリケーションを備えており、様々な機能を実現できる。
【0081】
居室210には、通信デバイス50とインターネットなどの外部の通信ネットワーク接続とを実現する接続機器10を備えている。通信手段10は、WiFi接続機器などであればよい。勿論、有線接続での接続機器10であってもよい。
【0082】
例えば、
図2に示されるようなWiFi接続のためのSSIDとパスワードの入力により、通信デバイス50は、接続機器10と通信接続される。
【0083】
通信手段10は、ネットワーク回線11を介してサーバー20に接続している。サーバー20は、施設200の外部のインターネット回線に接続可能である。これらにより、接続機器10で接続された通信デバイス50は、インターネット回線に接続可能となる。すなわち、通信ネットワーク接続できる。
【0084】
また、居室210に設置されている受像機100もネットワーク回線11に接続されていることもある。これは、受像機100が、ネットワーク回線11に直接的に繋がっていてもよい。あるいはWiFi機器などのような接続機器10により接続されてもよい。あるいは、他の機器によりネットワーク回線11に接続されてもよい。
【0085】
あるいは、受像機100は、受像機100として直接的にネットワーク回線11に接続しているのではなく、通信デバイス50との通信ネットワーク接続が可能となっている場合もある。これは、受像機100の機能や受像機100に追加される機器によって実現される。
【0086】
前者の場合には、利用者の持ち込んだ通信デバイス50がネットワーク回線11に接続されることで、同じくネットワーク回線11に接続している受像機100と通信デバイス50とが、通信ネットワーク接続される。
【0087】
後者の場合には、通信デバイス50がネットワーク回線11に接続されることで、通信ネットワーク接続された通信デバイス50に受像機100がネットワーク接続される。すなわち、通信デバイス50の通信ネットワーク接続を介して、通信デバイス50と受像機100とが通信ネットワーク接続される。
【0088】
このいずれかの接続によって、利用者の通信デバイス50のアプリケーションでの表示画像が、居室210に設置されている受像機100に表示可能となる。また音声も受像機100により再生可能となる。すなわち、通信デバイス50のネットワーク回線11への接続を介して、受像機100は、通信デバイス50の画像、音声の表示装置としての役割を果たすことができる。
【0089】
例えば、通信デバイス50で、インターネット映画を視聴している場合(対応するアプリケーションを利用して)、受像機100にこのインターネット映画が表示されるようになる。加えて、このインターネット映画は、通信デバイス50のアプリケーションであるので、受像機100に表示しながら、その操作については通信デバイス50において行える。音声、表示形式、早送りと言った操作を、通信デバイス50で実施でき、それが受像機100での表示となる。
【0090】
インターネット映画だけでなく、WEB画面、電子メール画面、SNS、ネットゲーム等であっても同様である。
【0091】
通信デバイス50が、スマートフォンや携帯端末などである場合には、表示部が小さいのでこれらの画像を含むアプリケーションを楽しむのは難しい。これに対して、上述のようにネットワーク接続により、通信デバイス50のアプリケーション画面が受像機100に表示されると、十分に楽しめる。勿論、仕事用のアプリケーションであれば、より効率的な業務ができる。オンライン会議などであれば特にメリットがある。
図1では、このようなネットワーク回線11に通信ネットワーク接続した通信デバイス50が受像機100とネットワーク接続している。例えば、201号室では、通信デバイス50のアプリケーション画像が、201号室の受像機100に表示されている。203号室も同様である。
【0092】
しかしながら、施設200に備わる複数の居室210は、隣接して備わっている。壁があるとしても、壁の厚みや素材によって、隣接する居室210に通信デバイス50からの操作電波が到達してしまうことがある。例えば、201号室で通信ネットワーク接続した通信デバイス50による操作は、同室の201号室の受像機100にて受診されるだけでなく、隣室の202号室の受像機100にて受診されてしまうことがある。
【0093】
図2に示されるように、多くの施設においては、居室210のそれぞれで同じSSIDとパスワードが用いられているために、201号室の通信デバイス50がネットワーク接続して受像機100と通信可能になると、201号室の通信デバイス50からの操作電波が、隣室の202号室の受像機100に到達してしまうこともあり得る。
【0094】
202号室の受像機100も、ネットワーク回線11に接続していることがあり、この場合には、201号室の通信デバイス50と202号室の受像機100とが通信可能な状態となってしまう。こうなると、201号室の利用者は、その意図が無くても、202号室の受像機100に自身の通信デバイス50の画像を表示させてしまうことがあり得る。201号室の利用者は、自身の201号室の受像機100に表示させるつもりであっても、このようなことが起こりうる。
【0095】
202号室の利用者は、当然に想定外のことが生じてしまい、驚きや戸惑いとなってしまう。また、自身の部屋202号室の受像機100を一時的に使えなくなってしまう問題もある。
【0096】
201号室の利用者にとっては、例えば仕事用のアプリケーションやオンライン会議などが隣室の202号室の受像機100に表示されることは機密保持の点で問題である。202号室の利用者にとっては上述の通り迷惑でもある。
【0097】
また、このとき、201号室の通信デバイス50からの画像が、202号室の受像機100のみに表示されて201号室の受像機100に表示されないこともあり得る。これは、201号室の利用者にとっては不明な状態が更に大きくなり、施設200へのクレームにもつながる。
【0098】
このような隣室への通信デバイス50からの画像が受像機100へ表示されてしまうのは、202号室での通信デバイス50の通信ネットワーク接続が確立していてもしていなくても生じる。ネットワーク回線11を介して、受像機100と通信デバイス50とがネットワーク接続すること、および同じSSIDとパスワードを用いることに起因する。
【0099】
また、居室210は、日によって異なる利用者が利用する。同じSSIDとパスワードを用いていると、それを記憶した通信デバイス50を持った利用者が、別の日に別の部屋に宿泊すると、やはり隣室に通信電波が干渉してしまう問題があり得る。これは、居室210によってSSIDやパスワードを変えても、日によって変えていなければ生じてしまう問題である。
【0100】
このように、受像機100を通信デバイス50の表示装置として利用することを、通信ネットワーク接続によって実現することが将来的に普及していっても、このような隣室への干渉などの問題が生じる。
発明者はこのような解析に基づいて、本発明に至った。
【0101】
(全体概要)
図3は、本発明の実施の形態1における通信ネットワーク接続装置が使用される施設の模式図である。施設200は、上述したように、ホテルのような宿泊施設、オフィス、レンタルオフィス、シェアオフィス、貸会議室、公共施設などさまざまである。これらの施設200は、複数の居室210を備えている。宿泊施設であれば、複数の客室を備えている。
図3では、例として、201号室、202号室、203号室の3つの居室210が示されている。ホテルの客室であると考えればよい。
【0102】
居室210のそれぞれには受像機100が備わっている。受像機100のそれぞれは、最初から備わった機能によりネットワーク回線11に接続していたり、別の機能によってネットワーク回線11に接続していたりする。例えば、
図3のようにWiFi機器である接続機器10で、受像機100は、ネットワーク回線11とネットワーク接続する。あるいは、ネットワーク回線11との接続ではなく、後述するように通信デバイス50と受像機100とが直接的にネットワーク接続することでもよい。
【0103】
居室210には、接続機器10が設置されている。WiFi機器のように、利用者が持ち込んだ通信デバイス50を、施設200のネットワーク回線11に接続させるための機器である。通信デバイス50は、利用者が持ち込んだノートブックパソコン、タブレット端末、情報端末、携帯端末、スマートフォンなどである。あるいは、施設200が、利用者に貸し出す通信機能を持ったデバイスである。
【0104】
図4は、本発明の実施の形態1における通信ネットワーク接続装置のブロック図である。通信ネットワーク接続装置1が実行する対象となる受像機100や通信デバイス50との関係も示している。
【0105】
通信ネットワーク接続装置1は、複数の居室210のそれぞれにおいて、設置されている受像機100と、居室210に持ち込まれた通信デバイス50とをネットワーク接続させる。
【0106】
通信ネットワーク接続装置1は、コード表示手段2、接続情報送信手段3、照合手段4、接続手段5を備える。これらは、通信デバイス50とのやり取りを介して、通信デバイス50を、ネットワーク回線11にネットワーク接続する。受像機100は、ネットワーク回線11に接続しているので、通信デバイス50がネット―ワーク回線11に接続することで、通信デバイス50と受像機100とがネットワーク接続できる。あるいは、ネットワーク回線11に接続した通信デバイス50によって、受像機100が通信デバイス50とのネットワーク接続が可能となる。
【0107】
ここで、通信デバイス50と受像機100とのネットワーク接続は、様々な通信が可能となる接続であってもよいし、通信デバイス50のアプリケーションの画像や音声を表示可能にできるレベルの接続であってもよい。
【0108】
通信ネットワーク接続装置1は、通信デバイス50を、居室210のそれぞれでオリジナルであり日にちによってオリジナルであるネットワーク接続を行わせる。オリジナルとは、特異であり、居室210のそれぞれのみにおいて確立するネットワーク接続である。すなわち、201号室では201号室の利用者の通信デバイス50のみがネットワーク接続し、202号室では202号室の利用者の通信デバイス50のみがネットワーク接続させる。
【0109】
通信ネットワーク接続装置1は、発明者の解析で説明したように、異なる居室でも共通にネットワーク接続してしまい、他の部屋の通信デバイス50からの操作が他の部屋の受像機100を動作させることが無くなる。
【0110】
コード表示手段2は、通信デバイス50が読み取り可能なコードを表示する。
図5は、本発明の実施の形態1におけるコード表示手段2により表示されるコードの模式図である。コード21は、通信デバイス50が読み取り可能なものである。
図5のような二次元バーコードであったり、1次元バーコードやその他の図形コードなどでであったりする。
【0111】
コード21は、
図5のように物理媒体(紙媒体など)により表示されてもよいし、電子媒体に表示されてもよい。施設で居室を利用する際のチェックイン時に、コード21が表示された物理媒体が利用者に渡されることもあるし、居室210に設置されていることもある。あるいは、受像機100に、コード21が表示されることもある。
【0112】
上述の通り、コード21は、通信デバイス50によって読み取り可能である。
【0113】
図6は、本発明の実施の形態1におけるコードを読み取っている状態を示す通信デバイスの模式図である。通信デバイス50は、二次元バーコードなどのコード21を読み取る読み取り機能51を備えている。利用者は、コード表示手段2で表示されたコード21を、この読み取り機能51を用いて通信デバイス50は、コード21を読み取ることができる。
【0114】
【0115】
読み取りによって、通信デバイス50は、読み取った事実および結果を通信ネットワーク接続装置1に送信する。接続情報送信手段3に送信する。接続情報送信手段3は、コード21を読み取ったことを把握して、通信デバイス50に対して、通信ネットワーク接続に必要な接続情報を送信することができるようになる。
【0116】
接続情報送信手段3は、通信デバイス50がネットワーク接続するのに必要な接続情報を通信デバイス50に送信する。このとき、居室210単位でのコード21のやり取りに基づいていることで、接続情報送信手段3は、居室210のそれぞれに唯一(特異)の接続情報を送信する。接続情報は、通信デバイス50に送信される。
【0117】
接続情報としては、例えばWiFi接続などでのSSIDやパスワードがあり得る。このSSIDやパスワードが、接続情報として、通信デバイス50に送信される。
図7は、本発明の実施の形態1における接続情報が表示された通信デバイスの模式図である。
図7のように、接続情報送信手段3は、SSIDやパスワードなどの接続情報を、通信デバイス50に送信する。送信デバイス50には、この接続情報が表示される。
【0118】
このとき、居室210によって、通信デバイス50に表示される接続情報は特異であって異なる。これにより、居室210のそれぞれのみでの接続確立になる。例えば、コード21が含む情報によって、201号室の通信デバイス50に送信される接続情報と202号室の通信デバイスに送信される接続情報とは異なる。あるいは、WIFi接続ポイントなどにより識別できる居室210の番号によって、送信される接続情報は異なる。あるいは、通信デバイス50の位置情報に基づいて、居室210のそれぞれで異なる接続情報が送信される。
【0119】
これにより、通信デバイス50が接続情報に必要となる対応する入力情報を入力することで、居室210のそれぞれのみでの接続が実現される。
【0120】
図7に示されるように、利用者は、通信デバイス50に送信されてきた接続情報に対して必要な入力情報を入力する。例えば、SSIDとパスワードであったり、居室番号などであったりする。また、利用者の便宜のために、接続情報の全てを入力しなくてもよい状態でもよい。
【0121】
また、通信デバイス50で読み取る二次元バーコードなどに部屋番号などの情報が含まれており、利用者のSSIDなどの入力作業を簡略化させることも可能である。これにより、より、簡易に作業出来て利便性が上がるからである。
【0122】
接続情報送信手段3は、居室210の利用者の入力を省略できる状態で接続情報を送信する。利用者は、例えば
図7のように居室番号のみを入力するだけで、SSIDやパスワードなどの接続情報の入力の必要はなく、これらは、通信デバイス50に表示が自動でされる。接続情報が送信されるのに合わせて、接続情報が通信デバイス50に自動表示されるからである。
【0123】
図7では、SSIDとパスワードは、接続情報の送信に伴い通信デバイス50に自動表示され、利用者は居室番号を入力するだけで済む。また、SSIDやパスワードなどの接続情報は、居室によって異なる。更には、日にちによって変更される。
【0124】
利用者は、接続情報の全部または一部、あるいはこれらは表示されていて確認してそれを承諾する入力、あるいは居室番号の入力など、簡便な方法での入力情報の入力を、通信デバイス50に対して行う。通信デバイス50は、この入力に伴って、入力結果を照合手段4に送信する。
【0125】
照合手段4は、この入力情報を照合する。接続情報が正確であるか、接続情報と居室番号とが一致しているかなど、通信デバイス50を、その居室210においてネットワーク接続させて良いかの照合を行う。
【0126】
照合手段4が照合を行った結果、照合されると、当該通信デバイス50をネットワーク回線11に接続さえてよいと判断できる。これに基づいて、接続手段5は、通信デバイス50をネットワークに接続させる。また、通信デバイス50と受像機100とをネットワーク接続させる。受像機100が、既にネットワーク回線11に接続していれば、接続手段5は、通信デバイス50をネットワーク回線11に接続させることで、両者をネットワーク接続させる。
【0127】
受像機100が、ネットワーク接続された通信デバイス50との通信可能な機能を持っていれば、接続手段5が、通信デバイス50をネットワーク接続させれば、通信デバイス50と受像機100とがネットワーク接続される。
【0128】
上述した通りに、接続情報は、居室210のそれぞれにおいて相違する。このため、ある居室210においてネットワーク接続された通信デバイス50は、同じ居室の受像機100との間でのみ通信する。このため、
図1などで説明したように、201号室の通信デバイスが202号室の受像機100を操作してしまい、そこに画像表示させるなどの問題が解決される。
【0129】
201号室においては、201号室での受像機100と通信デバイス50のみでネットワーク接続が確立し、202号室においては、202号室での受像機100と通信デバイス50のみでネットワーク接続が確立する。
【0130】
これにより、201号室の利用者は、201号室の通信デバイス50を201号室の受像機100に接続させて画像などを表示させることができる。このとき、通信デバイス50の通信能力範囲にあったとしても、201号室の通信デバイス50が、202号室などの受像機100を操作して画像を表示させるようなことは生じない。
【0131】
202号室、203号室などにおいても同様である。
【0132】
このようにして、ある居室210で利用者が持っている通信デバイス50でのアプリを、受像機100を表示する装置として利用できる。かつ、居室のそれぞれで接続情報が相違することで、居室210のそれぞれのみで、通信デバイス50と受像機100がネットワーク接続される。これにより、隣室への操作の漏れや干渉が生じない。発明者の解析で説明したような問題を解決できる。
【0133】
接続手段5は、居室210内部での受像機100と通信デバイス50のみをネットワーク接続させる。他の居室210との間でのネットワーク接続することは行わせない。これにより、従来技術や発明者の解析で説明したような問題は防止できる。
【0134】
201号室の利用者は、自身の通信デバイス50と201号室の受像機100とのみを安全確実に接続させて、通信デバイス50の画像や音声を受像機100に表示させることができる。誤って、隣室の202号室などの受像機100への表示を生じさせることが無い。また、隣室の202号室などの受像機100に別の居室210の通信デバイス50からの画像などが表示されてしまうことも防止できる。
【0135】
これらが相まって、利用者は安全・安心して自身の通信デバイス50と受像機100とのネットワーク接続での利用ができ、誤動作や不測の問題に巻き込まれない。結果として、施設200の信頼性も高まり、施設200へのクレームなども減少する。
【0136】
次に、各部の詳細やバリエーションについて説明する。
【0137】
(受像機)
受像機100は、居室210に設置されている。テレビやモニター装置などであり、画像と音声を表示等できる機能を持っている装置である。予め設置されている場合が多く、必要に応じて居室210に持ち込まれてもよい。
【0138】
宿泊施設や貸会議室などにおいては、その必要性や特性により、設置されている。
【0139】
接続手段5により、受像機100と通信デバイス50とがネットワーク接続されると、受像機100は、通信デバイス50で動作しているアプリケーション画像・音声を表示する。通信デバイス50で、インターネット動画が動作していれば、これが受像機100に表示され、オンライン会議が動作していれば、これが表示される。
【0140】
あるいは、通信デバイス50で仕事の資料を表示している場合には、これが受像機100に表示される。インターネットゲームなども同様である。
【0141】
通信デバイス50は、タブレット端末やスマートフォンなどであるので、その表示部は非常に小さい。音声再生の能力も小さい。このため、上述したようなアプリ―ケーションを通信デバイス50で使用するのは使い勝手が悪い。また、操作と画面とが同じであるために、オンライン会議などもやりにくい。
【0142】
これに対して、受像機100は、十分な表示画面の大きさを持っているので、これらのアプリケーションが表示されることは効率的でやりやすい。音声も十分な大きさとして再生されるのも業務効率を向上させる(ゲームや映画などの娯楽も同様)。
【0143】
図8は、本発明の実施の形態1における受像機に通信デバイスからの画像が表示されている状態を示す模式図である。このように、通信デバイス50でのアプリケーションなどの画像や音声が、ネットワーク接続により、受像機100に表示される。受像機100は、通信デバイス50より大きな表示部を持っており、利用者の便利を高める。利用者は、居室210の受像機100を通信デバイス50の表示装置として活用できる。
【0144】
また、アプリケーションそのものは通信デバイス50で操作可能であるので、受像機100に画像や音声を表示しながら、利用者は通信デバイス50で、受像機100に表示されている画像や音声を制御できる。すなわち、目線を受像機100に向けながら、操作を手元の通信デバイス50で行うことができる。これにより、様々なアプリケーションを効率的に使用できる。
【0145】
利用者は、通信デバイス50を介して、受像機100に表示されている画像、音声を制御できる。
【0146】
なお、受像機100は、通信デバイス50に表示される制御画面もあわせて表示することもよい。これにより、利用者は、受像機100を視認しながら受像機100に表示される画像や音声などの操作を行いやすくなるからである。
【0147】
また、受像機100に通信デバイス50の画像が表示されることで、通信デバイス50は、別のアプリケーションを使用可能となる。一般的に、スマートフォンなどではシングルウインドウでのアプリケーション使用しかできにくいが、受像機100にあるアプリケーションの画像を転送表示させることで、通信デバイス50では、別のアプリケーションを使用できる。すなわち、マルチウインドウのような使用を可能とできる。
【0148】
(接続情報)
【0149】
接続情報送信手段3は、通信デバイス50の通信ネットワークへの接続に必要となる接続情報を送信する。これは
図6のように、通信デバイス50がコードを読み込んで読み込み結果を送信することで、処理されるようになる。
【0150】
これに基づいて、接続情報送信手段3は、通信デバイス50に接続情報を送信する。
【0151】
この接続情報は、ネットワーク接続に必要となる識別子とパスワードを含む。すなわち、
図7に示すようなSSIDとパスワードを含む。このような情報を含むことで、通信デバイス50は、ネットワークへの接続が可能となる。また、居室210のそれぞれに相違した特異な接続情報であることで、居室210のそれぞれで独立したネットワーク接続となる。これにより、通信デバイス50が隣室の受像機100を操作したり画像転送表示したりといったことが防止できる。
【0152】
接続情報送信手段3は、複数の居室210のそれぞれにおいて、異なる接続情報を生成して送信する。上述の理由の通りである。また、後述するように、利用日において異なる接続情報を生成して送信する。
【0153】
異なる接続情報とは、SSIDのような識別子もしくはパスワードが異なる。
【0154】
これらにより、接続情報は、居室210や日にちごとに異なる情報として生成されて送信される。
【0155】
なお、接続情報は、識別子とパスワード以外の組み合わせであってもよい。また、既述したように、利用者の簡便性を高めるために、コード読み込み後においては、通信デバイス50に識別子とパスワードが送信されてくる。利用者は、確認処理を入力したり、居室番号を入力したりするだけで、通信デバイス50のネットワーク接続に必要な作業を終えることもできる。
【0156】
これにより、居室ごとに異なるあるいは日にちごとに異なる接続情報であっても、利用者の手間や不満を抑制できる。
【0157】
また、接続情報は、施設の利用のチェックイン時において記載された物理媒体(紙媒体など)が利用者に渡されたり、居室に備わっていたりして、利用者が把握できればよい。あるいは、居室210の受像機100に表示されたり、居室210の操作パネルなどに表示されたりすればよい。
【0158】
図9は、本発明の実施の形態1における施設全体でのネットワーク接続を示す模式図である。通信ネットワーク接続装置1は、サーバー20と接続されている。あるいはサーバー20を含む構成である(サーバー20が通信ネットワーク接続装置1を含む構成でもよい)。
【0159】
ここで、サーバー20が、居室210や日にちに関する全体管理の情報を備えておくことも好適である。これにより、接続情報送信手段3は、このサーバー20での居室や日にち情報に合わせた、異なる接続情報を生成できる。
【0160】
また、施設200のチェックインやチェックアウト手続きに関する情報を、サーバー20が管理・記憶する。これにより、どの居室210にどの利用者がチェックインしたかをサーバー20が把握できる。このチェックイン情報を接続情報送信手段3に出力して、接続情報送信手段3が、居室210や日にちに応じて相違する特異な接続情報を生成できる。
【0161】
利用者は居室210と関連しているので、利用者のチェックインやチェックアウトは、居室210の特定の基礎情報となる。サーバー20が、チェックインやチェックアウト(これらは、利用者氏名や居室210の番号と紐づいている)情報を記憶して、これを接続情報送信手段3に連携させる。これにより、接続情報送信手段3は、居室210のそれぞれおよび日にちによって異なる特異な接続情報を、自動でかつ簡単に生成できる。また、乱数などを活用することで、居室210や日にちにより相違する接続情報を確実に生成して送信できる。
【0162】
なお、ここでは、サーバー20の記憶する居室210、利用者、日にち、チェックイン、チェックアウト情報に基づいて、接続情報送信手段3が、接続情報を生成することで説明した。これに対して、サーバー20が接続情報を記憶しておくことも好適である。これにより、居室210や日にちなどの情報と対応させて、接続情報を生成あるいは選択あるいは加工して、接続情報送信手段3からの送信を行わせることも好適である。
【0163】
(コード表示手段)
コード表示手段2は、通信デバイス50が読み取ることのできるコード21を表示する。コード21は、通信デバイス50が、接続情報の送信を要求することを開始できるために、通信デバイス50が読み込むものである。
【0164】
二次元バーコード、バーコード、図形コードなどが、コード表示手段2により表示される。サーバー20は、このコード21についても管理しており、コード21の読み込みの後で送信する接続情報を相違した特異なものにすることもよい。
【0165】
サーバー20は、チェックインやチェックアウト情報にコード21を相関させて、コード表示手段2でのコード21生成を行わせる。
【0166】
これにより、コード21の段階で、接続情報が居室210や日にちごとに相違して特異なものとできることも実現しやすくなる。
【0167】
(照合手段)
照合手段4は、通信デバイス50で入力されたあるいは確認された接続情報が居室210において(あるいは日にちにおいて)正しいものであるかを照合する。送信した接続情報と、それを入力確認した居室210との対応関係が正しいかを照合する。
【0168】
実際には、通信デバイス50に接続情報に対して入力された入力情報の成否に基づいて照合を行う。入力情報と接続情報の一致や、接続情報と居室番号の一致などをベースにして照合を行う。
【0169】
照合結果が正しければ、接続手段5に出力されて、接続手段5が、通信デバイス5をネットワーク接続させる。この結果、通信デバイス50と受像機100とがネットワーク接続できる。
【0170】
(受像機)
受像機100は、通信デバイス50がネットワーク接続されると、通信デバイス50との間でのネットワーク接続が可能な接続機能を備えている。ネットワーク接続が可能とは、いわゆる通信ネットワーク接続のレベルであってもよいし、通信デバイス50からの画像や音声が転送表示される程度でもよい(通信デバイス50からの操作を受け付けるレベルも含む)。
【0171】
受像機100は、施設200のネットワーク回線11に接続されている(WiFI機器などを介して)ことで、通信デバイス50とネットワーク接続が可能であることでもよい。あるいは、通信デバイス50との接続を介して、ネットワークに接続された通信デバイス50とのネットワーク接続が可能となることでもよい。
【0172】
接続機能は、ネットワーク回線11に接続する機能でもよいし、通信デバイス50との接続を実現する機能でもよい。
【0173】
受像機100は、施設200の居室210に設置されている(あるいは、必要に応じて運び込まれる)。施設200は、宿泊施設、オフィス、レンタルオフィス、シェアオフィス、貸会議室、公共施設の少なくとも一つである。
【0174】
また、通信デバイス50は、利用者が居室210に持ち込むものである(自身の所有物であるか、施設200でのレンタルであるかなどがあり得る)。通リンデバイス50は、ネットワーク接続することが可能であり、種々のアプリケーションを動作させる機能を備えるデバイスである。通信デバイス50は、ノートブック型パソコン、タブレット端末、携帯端末、情報端末、スマートフォンおよび時計型通信端末の少なくとも一つである。
【0175】
(実施の形態2)
【0176】
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2では、日にちでの接続情報の相違について、更に説明する。
【0177】
実施の形態1において説明した通り、接続情報は、居室210のそれぞれで異なる特異なものである。加えて、日にちによって異なる特異なものである。
【0178】
例えば、利用者Aがある日に201号室を利用して接続情報を用いて、通信デバイス50をネットワーク接続させたとする。通信デバイスは、この接続情報を記憶してしまう。
【0179】
別の日に、同じ利用者Aが隣室の202号室を利用した際に、通信デバイス50は、前の日の201号室の接続情報を記憶している。この日の201号室での接続情報が、前の日の201号室の接続情報と同じであると、利用者Aは202号室で201号室に対応するネットワーク接続を実現できてしまう。
【0180】
201号室と202号室は隣接しており、通信デバイス50による受像機50へのネットワーク接続が居室210を超えてしまう可能性がある。すなわち、利用者Aは、そのつもりが無いのに、202号室の受像機100に通信デバイス50をネットワーク接続させて、画像表示などを刺せてしまう懸念がある。
【0181】
このような問題を未然防止するためにも、接続情報送信手段3は、居室210だけでなく日にちによっても、送信する接続情報を変化させる。同じ201号室に対する接続情報も、日によって変更させていく。
【0182】
一方、宿泊施設などにおいては、同じ居室210を、同一の利用者が連続日程で利用することがある。ホテルでの連泊などである。このような同一居室を同一利用者が連続日程で利用する場合には、連続利用の期間においては、同一の接続情報を送信することでもよい。
【0183】
このようにすることで、連続利用の利用者への不便を軽減できる。
【0184】
例えば、施設200のチェックインやチェックアウトは、受付などにおいて処理される。このチェックインやチェックアウトの情報は、サーバー20に記憶され管理される。
【0185】
サーバー20で記憶されるチェックイン、チェックアウトの情報により、同じ居室210の同じ利用者の連続利用を把握することができる。これに基づいて、接続情報送信手段3は、同じ居室の連続利用者に対しては、日にちが変わっても接続情報を変更せず有効なままとする(ネットワーク接続を有効なままとする)。
【0186】
なお、日にちによって接続情報を変更するタイミングとしては、チェックアウト情報に基づくことでもよい。これにより、利用者にとっての不便が軽減される。
【0187】
このように、サーバー20で記憶されるチェックイン、チェックアウト情報などに基づいて、接続情報の切り替えや維持などが図られればよい。これにより、居室210のそれぞれで独立して干渉しないネットワーク接続が実現できる。
【0188】
なお、実施の形態1~2で説明された通信ネットワーク接続装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【符号の説明】
【0189】
1 通信ネットワーク接続装置
2 コード表示手段
21 コード
3 接続情報送信手段
4 照合手段
5 接続手段
50 接続デバイス
100 受像機
200 施設
210 居室