IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立インダストリアルプロダクツの特許一覧

<>
  • 特開-単段ジェットファン 図1
  • 特開-単段ジェットファン 図2
  • 特開-単段ジェットファン 図3
  • 特開-単段ジェットファン 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169456
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】単段ジェットファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20231122BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
F04D25/08 304B
F04D25/08 307A
F04D29/64 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080550
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西岡 卓宏
(72)【発明者】
【氏名】木村 穂高
(72)【発明者】
【氏名】栗原 隆行
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC26
3H130BA14A
3H130BA14H
3H130BA66A
3H130BA66H
3H130BA68A
3H130BA68H
3H130CA24
3H130DF08X
3H130DJ03Z
3H130EA07H
3H130EA07J
3H130ED02A
3H130ED02H
(57)【要約】
【課題】エネルギー損失を小さくでき、送風方向による性能の差を解消できる単段ジェットファンを提供する。
【解決手段】本発明による単段ジェットファンは、空気を流す1つの羽根車2と、羽根車2を回転させるモータ3と、モータ3に接続された電線を収容する電線保護管7と、筒状部材であり、空気の流れ方向8a、8bにおいてモータ3の両側に設置された内筒5と、内筒5に設けられた複数の内筒支持部材6と、羽根車2とモータ3と電線保護管7と内筒5と内筒支持部材6を収容する円筒形のケーシング1を備える。内筒支持部材6は、周方向に等間隔に配置されて内筒5とケーシング1とを接続し、1本がケーシング1の内部の最下部に設置されている。電線保護管7は、ケーシング1の内部の最上部で、ケーシング1とモータ3を接続するように設置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を流す1つの羽根車と、
前記羽根車を回転させるモータと、
前記モータに接続された電線を収容する電線保護管と、
筒状部材であり、前記空気の流れ方向において前記モータの両側に設置された内筒と、
前記内筒に設けられた複数の内筒支持部材と、
前記羽根車と前記モータと前記電線保護管と前記内筒と前記内筒支持部材を収容する円筒形のケーシングと、
を備え、
前記内筒支持部材は、周方向に等間隔に配置されて前記内筒と前記ケーシングとを接続し、1本が前記ケーシングの内部の最下部に設置されており、
前記電線保護管は、前記ケーシングの内部の最上部で、前記ケーシングと前記モータを接続するように設置されている、
ことを特徴とする単段ジェットファン。
【請求項2】
前記ケーシングに収容されたモータ支持部材を備え、
前記モータ支持部材は、前記ケーシングの内部の下部に設置され、前記モータを支持する、
請求項1に記載の単段ジェットファン。
【請求項3】
前記内筒支持部材のうち1本は、前記電線保護管と周方向において互いに同じ位置に設置されている、
請求項1に記載の単段ジェットファン。
【請求項4】
前記内筒支持部材を3本備え、前記内筒支持部材の2本が前記ケーシングの内部の上部に設置されている。
請求項1に記載の単段ジェットファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単段ジェットファン、特にトンネルの換気に用いられる単段ジェットファンに関する。
【背景技術】
【0002】
ジェットファンは、主に自動車用トンネルの換気用として、トンネルの天井に吊り下げて設置されている換気装置である。ジェットファンには、送風方向においてモータの片側のみに羽根車が配置された単段ジェットファンと、モータの両側に羽根車が配置された2段ジェットファンがある。ジェットファンには、省エネルギー化と低騒音化が求められている。
【0003】
従来のジェットファンの例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたジェットファンは、流れ場に配置された構成要素により生じる気流の乱れが原因となる圧力変動を抑制し、この圧力変動により発生する騒音を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-133528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のジェットファンには、エネルギー損失が大きいという課題がある。ジェットファンでは、主に、ジェットファンの内部にある構造物(特に、静止物)によってエネルギー損失が起きる。例えば、特許文献1に記載されたジェットファンは、騒音を低減する構造のためにエネルギー損失が大きくなる可能性がある。また、従来の単段ジェットファンでは、送風方向によって性能(例えば、吐出風速の大きさ)に差が生じるという課題もある。
【0006】
本発明の目的は、エネルギー損失を小さくでき、送風方向による性能の差を解消できる単段ジェットファンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による単段ジェットファンは、空気を流す1つの羽根車と、前記羽根車を回転させるモータと、前記モータに接続された電線を収容する電線保護管と、筒状部材であり、前記空気の流れ方向において前記モータの両側に設置された内筒と、前記内筒に設けられた複数の内筒支持部材と、前記羽根車と前記モータと前記電線保護管と前記内筒と前記内筒支持部材を収容する円筒形のケーシングとを備える。前記内筒支持部材は、周方向に等間隔に配置されて前記内筒と前記ケーシングとを接続し、1本が前記ケーシングの内部の最下部に設置されている。前記電線保護管は、前記ケーシングの内部の最上部で、前記ケーシングと前記モータを接続するように設置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、エネルギー損失を小さくでき、送風方向による性能の差を解消できる単段ジェットファンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1による単段ジェットファンの断面図。
図2】羽根車の羽根の周方向の断面図。
図3】従来の単段ジェットファンの断面図の例。
図4】内筒支持部材が内筒に4本設置されている、本実施例による単段ジェットファンの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明による単段ジェットファンは、例えば、トンネルの内部に設置されてトンネルの換気に用いられる。以下、本発明の実施例による単段ジェットファンを、図面を参照して説明する。以下では、単段ジェットファンのことを、単に「ジェットファン」とも呼ぶ。なお、本明細書で参照する図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【実施例0011】
図1は、本発明の実施例1による単段ジェットファンの断面図である。本実施例による単段ジェットファンは、一例として円筒形である。図1の中央には、本実施例による単段ジェットファンの中心軸に沿った断面図が示されている。また、図1には、断面図の左に、矢印Aに沿って見た図(A-A矢視図)を示し、断面図の右に、矢印Bに沿って見た図(B-B矢視図)を示している。なお、図1には、使用状態における上下方向の向きで、単段ジェットファンを示している。
【0012】
以下では、円筒形の単段ジェットファンについて、使用状態において、中心軸より上の部分を上部と呼び、下の部分を下部と呼ぶ。また、中心軸の周りの方向を周方向と呼ぶ。
【0013】
本実施例による単段ジェットファンは、ケーシング1、羽根車2、モータ3、モータ支持部材4、内筒5、内筒支持部材6、及び電線保護管7を備える。このジェットファンの内部では、空気は、流れ方向8aまたは流れ方向8bに沿って流れる。流れ方向8a、8bをまとめて送風方向と呼ぶこともある。送風方向は、単段ジェットファンの中心軸の延伸方向である。
【0014】
ケーシング1は、円筒形であり、ジェットファンの外壁を構成する。ケーシング1は、羽根車2、モータ3、モータ支持部材4、内筒5、内筒支持部材6、及び電線保護管7を収容する。
【0015】
羽根車2は、回転することにより、ジェットファンの内部を流れる空気にエネルギーを与え、空気を流す。本実施例によるジェットファンは、単段ジェットファンであるので、1つの羽根車2を備える。羽根車2の回転方向により、ジェットファンの内部で空気は、流れ方向8aまたは流れ方向8bに沿って流れる。なお、図1に示した例では、羽根車2は、5枚の羽根(翼)を備える。
【0016】
モータ3は、羽根車2を回転させて、空気を流れ方向8aまたは流れ方向8bに沿って流す。羽根車2は、送風方向において、モータ3の片側のみに設置されている。
【0017】
モータ支持部材4は、ステーなどの、モータ3を支持する支持部材である。モータ支持部材4は、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の下部に設置されており、モータ3をケーシング1に固定する。図1に示す例では、モータ支持部材4は、平面部と2つの脚部を備えるπ形状であり、平面部にモータ3が設置され、2つの脚部が平面部を支持する。
【0018】
内筒5は、円筒部とこの円筒部の一端部に接続された半球状部を持つ筒状部材であり、流れ方向8a、8bにおいてモータ3の両側に設置されている。内筒5は、ジェットファンの内部を流れる空気がモータ3と衝突することなくスムーズに流れるようにする。内筒5には、内筒支持部材6が設置されている。
【0019】
内筒支持部材6は、ステーなどの、内筒5を支持する支持部材であり、内筒5に複数が設けられている。内筒支持部材6は、板状部材または棒状部材で構成することができ、内筒5とケーシング1とを接続して内筒5をケーシング1に固定する。図1に示す例では、内筒支持部材6は、送風方向において、羽根車2の両側に3つずつ設置されている。
【0020】
電線保護管7は、モータ3に接続された電線を収容し、ジェットファンの内部でこの電線を保護する管状部材である。この電線は、モータ3に電力を供給する。電線保護管7は、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の最上部で、ケーシング1とモータ3を接続するように設置されている。
【0021】
ケーシング1の内部で流れ方向8aにおける羽根車2の下流には、図1の断面図とB-B矢視図に示すように、3本の内筒支持部材6(6d、6e、6f)が配置されている。内筒支持部材6d、6e、6fは、周方向に等間隔に配置されており、ケーシング1の内部の上部に2本の内筒支持部材6d、6eが設置され、下部に1本の内筒支持部材6fが設置されている。内筒支持部材6fは、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の最下部に設置されている。
【0022】
ケーシング1の内部で流れ方向8bにおける羽根車2の下流には、図1の断面図とA-A矢視図に示すように、3本の内筒支持部材6(6a、6b、6c)、モータ支持部材4、及び電線保護管7が配置されている。内筒支持部材6a、6b、6cは、周方向に等間隔に配置されており、ケーシング1の内部の上部に2本の内筒支持部材6a、6bが設置され、下部に1本の内筒支持部材6cが設置されている。内筒支持部材6cは、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の最下部に設置されている。
【0023】
ジェットファンには、流れ方向8aと流れ方向8bの両方向に送風することが要求されている。本実施例による単段ジェットファンは、モータ3の回転方向を変更することにより、流れ方向8aと流れ方向8bの両方向に送風する。このため、羽根車2の羽根の断面の形状は、対称翼型であるのが好ましい。
【0024】
図2は、羽根車2の羽根2aの周方向の断面図である。周方向の断面図とは、羽根車2の回転中心から等距離の位置での断面図であり、羽根車2の回転中心から等距離の位置にある曲面の一部を示す図である。
【0025】
図2に示すように、羽根2aの、周方向の断面の形状は、対称翼型である。羽根車2は、羽根2aが回転方向9aの向きに回転すると流れ方向8aに送風し、羽根2aが回転方向9bの向きに回転すると流れ方向8bに送風する。このように、羽根車2は、回転方向9a、9bを変えることにより、流れ方向8a、8bの両方向に送風することができる。
【0026】
ここで、図3を参照して、従来の単段ジェットファンについて説明する。
【0027】
図3は、従来の単段ジェットファンの断面図の例であり、図1に対応する図である。図3の中央には、従来の単段ジェットファンの中心軸に沿った断面図が示されている。また、図3には、断面図の左に、矢印Aに沿って見た図(A-A矢視図)を示し、断面図の右に、矢印Bに沿って見た図(B-B矢視図)を示している。
【0028】
以下では、従来の単段ジェットファンについて、本実施例による単段ジェットファンと異なる点を主に説明する。
【0029】
従来の単段ジェットファンでは、ジェットファンの内部で流れ方向8aにおける羽根車2の下流には、図3の断面図とB-B矢視図に示すように、3本の内筒支持部材6(6d、6e、6f)が配置されている。内筒支持部材6d、6e、6fは、周方向に等間隔に配置されており、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の上部に1本の内筒支持部材6dが設置され、下部に2本の内筒支持部材6e、6fが設置されている。
【0030】
この構成により、流れ方向8aに送風する場合には、内筒支持部材6d、6e、6fは、流れ方向8aに流れる空気への障害物としての影響が小さく、ジェットファンのエネルギー損失も小さい。
【0031】
また、従来の単段ジェットファンでは、ケーシング1の内部で流れ方向8bにおける羽根車2の下流には、図3の断面図とA-A矢視図に示すように、3本の内筒支持部材6(6a、6b、6c)、モータ支持部材4、及び電線保護管7が配置されている。内筒支持部材6a、6b、6cは、周方向に等間隔に配置されており、ケーシング1の内部の上部に1本の内筒支持部材6aが設置され、下部に2本の内筒支持部材6b、6cが設置されている。電線保護管7は、ケーシング1の内部の上部で、ケーシング1とモータ3に設置されている。但し、電線保護管7は、電線保護管7に電線を設置する作業を容易にするなどのために、ケーシング1の内部の最上部と異なる位置に設置されている。
【0032】
この構成により、流れ方向8bに送風する場合には、流れ方向8bに流れる空気への障害物が多い。流れ方向8bで羽根車2の下流では、ジェットファンの内部(すなわち、空気の流路)において、電線保護管7と内筒支持部材6aとの周方向の間隔が狭い(図3のA-A矢視図)。さらに、流れ方向8bで羽根車2の下流では、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の下部において、モータ支持部材4と2本の内筒支持部材6b、6cの間隔が狭く、これらが密集している。
【0033】
このため、流れ方向8bで羽根車2の下流では、内筒支持部材6a、6b、6cとモータ支持部材4と電線保護管7は、ジェットファンの内部の上部と下部において、流れ方向8bに流れる空気への障害物としての影響が大きい。従って、流れ方向8bに送風する場合には、流れ方向8aに送風する場合と比べて、ジェットファンのエネルギー損失が大きい。
【0034】
このため、従来の単段ジェットファンでは、送風方向によって性能(例えば、吐出風速の大きさ)に差が生じる。
【0035】
図1に示す本実施例による単段ジェットファンは、流れ方向8bに送風する場合のエネルギー損失を小さくでき、送風方向による性能の差を解消できる。
【0036】
本実施例による単段ジェットファンでは、従来の単段ジェットファン(図3)と同様に、流れ方向8aに送風する場合には、内筒支持部材6d、6e、6fは、流れ方向8aに流れる空気への障害物としての影響が小さく、ジェットファンのエネルギー損失も小さい。
【0037】
また、本実施例による単段ジェットファンでは、上述したように、3本の内筒支持部材6a、6b、6cは、周方向に等間隔に配置されており、ケーシング1の内部(すなわち、空気の流路)の上部に2本の内筒支持部材6a、6bが設置され、下部に1本の内筒支持部材6cが設置されている。内筒支持部材6cは、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の最下部に設置されている。また、電線保護管7は、ケーシング1の内部の最上部に設置されている。
【0038】
この構成により、流れ方向8bで羽根車2の下流では、ケーシング1の内部の上部で内筒支持部材6a、6bと電線保護管7との周方向の間隔が広い(図1のA-A矢視図)。さらに、流れ方向8bで羽根車2の下流では、ケーシング1の内部の下部に1本の内筒支持部材6(6c)しか存在しないため、ケーシング1の内部の下部において、モータ支持部材4と内筒支持部材6cとの間隔が広く、これらの密集を解消できる。
【0039】
このため、本実施例による単段ジェットファンでは、流れ方向8bに送風する場合に、ケーシング1の内部の上部と下部において、内筒支持部材6a、6b、6cとモータ支持部材4と電線保護管7は、流れ方向8bに流れる空気への障害物としての影響が小さい。従って、流れ方向8bに送風する場合でも、流れ方向8aに送風する場合と同様に、ジェットファンのエネルギー損失が小さい。
【0040】
このため、本実施例による単段ジェットファンでは、エネルギー損失を小さくでき、送風方向による性能の差を解消できる。本実施例による単段ジェットファンでは、送風方向に垂直な面において、ジェットファンの内部に存在する構造物(静止物)ができるだけ均等に配置されており、ジェットファンの内部において、静止物によって構成される空気の流路の面積がより均等であるので、エネルギー損失が小さい。
【0041】
以上の実施例では、内筒支持部材6が、送風方向において羽根車2の両側に3本ずつ設置されている例を説明したが、内筒支持部材6の数は、3本ずつでなくてもよい。内筒支持部材6の数は、例えば、羽根車2の羽根(翼)の数に応じて定めることができる。例えば、内筒支持部材6が羽根車2の両側に4本ずつ設置されている場合には、内筒支持部材6は、ケーシング1の内部の最上部に1本設置し、最下部に1本設置し、他の2本はこの2本の内筒支持部材6の間に、4本の内筒支持部材6が周方向に等間隔になるように設置するのが好ましい。
【0042】
電線保護管7は、内筒支持部材6の数によらず、ケーシング1の内部の最上部に設置するのが好ましい。モータ支持部材4は、モータ3を支持する部材であるため、ケーシング1の内部の下部に設置するのが好ましく、電線保護管7は、ジェットファンのエネルギー損失を小さくするため、モータ支持部材4からできるだけ離れた位置に設置するのが好ましいからである。
【0043】
電線保護管7は、必ずしもケーシング1の内部の最上部に設置しなくてもよい。この場合には、ケーシング1の内部(すなわち、ジェットファンの内部)の上部において、1本の内筒支持部材6(6aまたは6b)と電線保護管7とが、周方向において互いに同じ位置に設置されるのが好ましい。電線保護管7がこのような位置に設置されると、送風方向から見て1本の内筒支持部材6(6aまたは6b)の位置と電線保護管7の位置とが重なるので、ジェットファンのエネルギー損失を小さくすることができる。なお、例えば、内筒支持部材6が内筒5に4本設置されている場合には、上述したように、内筒支持部材6は、ケーシング1の内部の最上部に1本設置されるので、電線保護管7は、この1本の内筒支持部材6と周方向において互いに同じ位置、すなわちケーシング1の内部の最上部に設置される。
【0044】
図4は、内筒支持部材6が内筒5に4本設置されている、本実施例による単段ジェットファンの構成を示す図であり、図1のA-A矢視図に相当する図である。4本の内筒支持部材6のうち、1本の内筒支持部材6gは、ケーシング1の内部の最上部に設置され、他の1本の内筒支持部材6hは、ケーシング1の内部の最下部に設置されている。電線保護管7は、ケーシング1の内部の最上部に設置されている。内筒支持部材6gは、電線保護管7と周方向において互いに同じ位置に設置されている。
【0045】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…ケーシング、2…羽根車、2a…羽根、3…モータ、4…モータ支持部材、5…内筒、6、6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h…内筒支持部材、7…電線保護管、8a、8b…空気の流れ方向、9a、9b…羽根車の回転方向。
図1
図2
図3
図4