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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169458
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/34 20060101AFI20231122BHJP
   H03K 17/00 20060101ALI20231122BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20231122BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
H01L23/34 D
H03K17/00 B
H01L25/04 C
H02M1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080556
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 佑貴
【テーマコード(参考)】
5F136
5H740
5J055
【Fターム(参考)】
5F136DA27
5F136HA01
5H740AA08
5H740BA11
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK01
5H740MM08
5H740MM11
5J055AX42
5J055AX45
5J055AX46
5J055BX16
5J055DX09
5J055DX10
5J055EY12
5J055GX01
5J055GX02
5J055GX08
(57)【要約】
【課題】半導体チップに形成される電極パッドの数の削減を図る。
【解決手段】半導体チップ1aは、出力素子1a1のゲートと電流モニタ素子1a2のゲートとに接続されるゲート電極パッドG、電流モニタ素子1a2のセンスエミッタと電流制限素子1a4を介して温度検出用ダイオード1a3のアノードとに接続されるセンスエミッタ電極パッドS、および温度検出用ダイオード1a3のカソードを出力素子1a1のエミッタから分離して接地する場合にカソードに接続されるカソード電極パッドKを有する。制御回路1bは、温度検出モードmd1では、センスエミッタ電極パッドSを介して温度検出電圧Vdiを受信して出力素子1a1の温度状態を検出し、電流検出モードmd2では、センスエミッタ電極パッドSを介してセンス電流Isを受信して出力素子1a1の電流状態を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号にもとづきスイッチングして負荷を作動する出力素子と、前記出力素子に流れる電流をモニタする電流モニタ素子と、前記出力素子の温度を検出する温度検出用素子と、を備え、前記出力素子のゲートと前記電流モニタ素子のゲートとに接続される第1の電極パッドと、前記電流モニタ素子のセンスエミッタと電流制限素子を介して前記温度検出用素子のアノードとに接続される第2の電極パッドと、前記温度検出用素子のカソードを前記出力素子のエミッタから分離して接地する場合に前記カソードに接続される第3の電極パッドと、が設置された半導体チップと、
前記第1の電極パッドを介して前記駆動信号を前記出力素子のゲートに入力し、前記出力素子のターンオフ時には温度検出モードに切り替わり、前記温度検出用素子から出力される温度検出電圧を前記第2の電極パッドを介して受信して前記出力素子の温度状態を検出し、前記出力素子のターンオン時には電流検出モードに切り替わり、前記電流モニタ素子から出力されるセンス電流を前記第2の電極パッドを介して受信して前記出力素子の電流状態を検出する制御回路と、
を有する半導体装置。
【請求項2】
前記制御回路は、駆動回路、ゲート電圧レベル判定回路および遅延回路を備え、
前記駆動回路は、前記出力素子をターンオンまたはターンオフさせる前記駆動信号を生成し、
前記ゲート電圧レベル判定回路は、前記第1の電極パッドから前記出力素子へ出力される前記駆動信号の電圧レベルにもとづいて、前記出力素子のターンオフまたはターンオンを判定して判定信号を出力し、
前記遅延回路は、前記判定信号を所定時間遅延させた遅延判定信号を出力する、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記制御回路は、第1のスイッチ、第2のスイッチ、定電流源、センス抵抗、温度検出回路および電流検出回路を備え、
前記定電流源は、前記温度検出用素子に対して順方向電流となる電流を出力し、
前記センス抵抗は、前記センス電流をセンス電圧に変換し、
前記第1のスイッチの第1の端子は、前記定電流源の出力端および前記温度検出回路の入力端に接続され、
前記第2のスイッチの第1の端子は、前記センス抵抗の一端および前記電流検出回路の入力端に接続され、
前記第1のスイッチの第2の端子は、前記第2のスイッチの第2の端子および前記第2の電極パッドに接続される、
請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ゲート電圧レベル判定回路が前記出力素子のターンオフを認識して第1の判定信号を出力し、前記遅延回路が前記第1の判定信号を所定時間遅延させて第1の遅延判定信号を出力して、前記温度検出モードに切り替わる場合、
前記第1のスイッチは、前記第1の遅延判定信号にもとづいてオンして、前記定電流源の出力端および前記温度検出回路の入力端を前記第2の電極パッドに対して接続し、
前記第2のスイッチは、前記第1の判定信号にもとづいてオフして、前記センス抵抗の一端および前記電流検出回路の入力端を前記第2の電極パッドに対して非接続にする、
請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記温度検出回路は、前記温度検出用素子からの前記温度検出電圧を前記第2の電極パッドを介して受信して、前記温度検出電圧と、温度基準電圧とを比較し、比較結果にもとづいて前記出力素子の温度状態が過熱状態であることを検出した場合に過熱検出信号を出力する、
請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ゲート電圧レベル判定回路が前記出力素子のターンオンを認識して第2の判定信号を出力し、前記遅延回路が前記第2の判定信号を所定時間遅延させて第2の遅延判定信号を出力して、前記電流検出モードに切り替わる場合、
前記第1のスイッチは、前記第2の遅延判定信号にもとづいてオフして、前記定電流源の出力端および前記温度検出回路の入力端を前記第2の電極パッドに対して非接続にし、
前記第2のスイッチは、前記第2の判定信号にもとづいてオンして、前記センス抵抗の一端および前記電流検出回路の入力端を前記第2の電極パッドに対して接続する、
請求項3記載の半導体装置。
【請求項7】
前記電流モニタ素子からの前記センス電流が前記第2の電極パッドを介して流れ、
前記電流検出回路は、前記センス抵抗によって前記センス電流が電圧に変換された前記センス電圧と、電流基準電圧とを比較し、比較結果にもとづいて前記出力素子の電流状態が過電流状態であることを検出した場合に過電流検出信号を出力する、
請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記制御回路は、アラーム出力・保護回路を備え、前記出力素子の過熱状態または過電流状態の少なくとも一方が検出された場合にはアラーム信号を出力し、前記駆動回路は、前記アラーム信号が出力された場合に前記出力素子の駆動を停止する、
請求項2記載の半導体装置。
【請求項9】
前記温度検出用素子のアノードと前記電流モニタ素子のセンスエミッタとの間に、前記電流制限素子として抵抗が設けられる、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記温度検出用素子のアノードと前記電流モニタ素子のセンスエミッタとの間に、前記電流制限素子としてMOSトランジスタが設けられる、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体チップは、前記温度検出用素子の前記カソードを前記出力素子のエミッタに接続した場合は前記第3の電極パッドを非設置とし、前記第1の電極パッドおよび前記第2の電極パッドが設置される、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記温度検出用素子はダイオードである、
請求項1記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップを備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワー半導体素子と、パワー半導体素子を駆動する駆動回路等を内蔵したIPM(Intelligent Power Module)と呼ばれる半導体装置の開発が進んでいる。
【0003】
IPMは、例えば、モータ、インバータおよびコンバータ等に電力供給を行う車両電装システム等に広く利用されており、小型化、高性能化および高信頼性に応える製品が要望されている。
【0004】
また、IPMでは、パワー半導体素子に流れる電流やパワー半導体素子の温度等を監視して、監視結果にもとづいて、パワー半導体素子が破壊されないようにパワー半導体素子を保護する保護機能を備えている。
【0005】
図11は従来のIPMの構成の一例を示す図である。IPM100は、IGBTチップ110および制御回路120を備える。IGBTチップ110は、メインIGBT111、センスIGBT112および温度検出用ダイオードDIを含む。制御回路120は、駆動回路121、温度検出回路122、電流検出回路123、保護回路124、定電流源IRおよびセンス抵抗Rs(数Ω~数kΩ程度の抵抗値)を含む。
【0006】
IGBTチップ110において、メインIGBT111は、駆動信号s1にもとづいてスイッチングして負荷を作動するパワー半導体素子である。なお、メインIGBT111のエミッタとGNDとの間に負荷(図示せず)が接続可能である。センスIGBT112は、メインIGBT111を流れるコレクタ電流Icに比例するセンス電流Is(例えば、コレクタ電流Icの1万分の1程度の電流)を流す電流センス用パワー半導体素子である。また、メインIGBT111の近傍には、メインIGBT111の温度を検出する素子として温度検出用ダイオードDIが設けられている。
【0007】
さらに、IGBTチップ110には、所定のデバイス(制御回路120、負荷、電源等)に接続可能な電極パッドとして、コレクタ電極パッドC、ゲート電極パッドG、エミッタ電極パッドE、センスエミッタ電極パッドS、アノード電極パッドAおよびカソード電極パッドKが設けられている。
【0008】
コレクタ電極パッドCは、メインIGBT111のコレクタおよびセンスIGBT112のコレクタに接続される。ゲート電極パッドGは、メインIGBT111のゲート、センスIGBT112のゲートおよび駆動回路121の出力端に接続される。エミッタ電極パッドEは、メインIGBT111のエミッタおよびGNDに接続される。センスエミッタ電極パッドSは、センスIGBT112のセンスエミッタ、電流検出回路123の入力端およびセンス抵抗Rsの一端に接続される。
【0009】
アノード電極パッドAは、温度検出用ダイオードDIのアノード、温度検出回路122の入力端および定電流源IRの出力端に接続される。カソード電極パッドKは、温度検出用ダイオードDIのカソードおよびGNDに接続される。
【0010】
制御回路120において、駆動回路121は、入力端子Inを介して送信される制御信号s0にもとづいて、メインIGBT111を駆動するための駆動信号s1を生成する。定電流源IRは、電圧Vccが印加されて電流Irefを出力する。
【0011】
温度検出回路122は、メインIGBT111の過熱状態の検出を行う。この場合、定電流源IRから出力される電流Irefが温度検出用ダイオードDIを流れることで生じる電位が温度検出電圧Vdiとして、アノード電極パッドAを介して温度検出回路122に入力される。温度検出回路122では、温度検出電圧Vdiにもとづいて、メインIGBT111の温度状態を検出し、メインIGBT111の温度状態が過熱状態であることを検出した場合に、過熱検出信号s2を出力する。
【0012】
電流検出回路123は、メインIGBT111の過電流状態の検出を行う。この場合、駆動信号s1にもとづいてメインIGBT111がターンオンすると、センスIGBT112もターンオンして、センスIGBT112からセンス電流Isが出力される。
【0013】
また、センスIGBT112から出力されるセンス電流Isは、センスエミッタ電極パッドSを介して制御回路120に入力される。そして、センス電流Isがセンス抵抗Rsを流れることで生じる電位がセンス電圧Vsとして電流検出回路123に入力される。電流検出回路123では、センス電圧VsにもとづいてメインIGBT111の電流状態を検出し、電流状態が過電流状態であることを検出した場合に、過電流検出信号s3を出力する。
【0014】
保護回路124は、過熱検出信号s2、過電流検出信号s3の少なくとも一方を受信した場合、駆動停止信号s4を駆動回路121に出力する。駆動回路121は、駆動停止信号s4を受信すると、メインIGBT111をターンオフしてメインIGBT111の駆動を停止する。
【0015】
関連技術としては、例えば、トランジスタのエミッタまたはソースと、温度検出用ダイオードのカソードに共通に接続された外部電極とを備える半導体装置が提案されている(特許文献1)。また、主制御用MOSFETのソースと電流MOSFETのソースとに接続したダイオードを搭載し、主制御用MOSFETがオフ状態にある時にダイオードに順方向電流を流して、アノード電位により温度測定を行う技術が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2015/025422号
【特許文献2】特開2021-185730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図12は従来のIGBTチップが有する電極パッドを示す図である。エミッタ電極パッドEは、IGBTチップ110のおもて面に形成され、コレクタ電極パッドCは、IGBTチップ110の裏面に形成されている。また、IGBT110のおもて面には、カソード電極パッドK、センスエミッタ電極パッドS、アノード電極パッドAおよびゲート電極パッドGがさらに形成されている。
【0018】
このように、従来のIPM100のIGBTチップ110では、IGBTチップ110のおもて面にはエミッタ電極パッドEに加えて、さらに4つの電極パッド(K、S、A、G)が形成されている。
【0019】
しかし、IGBTチップ110のような半導体チップにおいては、チップ製造プロセスの簡素化、チップ面積の削減、およびワイヤボンディング本数の削減などの観点から、半導体チップに形成される電極パッドの数は少ないことが望ましく、電極パッド数の削減を可能にした製品が要望されている。
【0020】
1つの側面では、本発明は、半導体チップに形成される電極パッドの数の削減を可能にした半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するために、半導体装置が提供される。半導体装置は、半導体チップと制御回路を有する。半導体チップは、出力素子、電流モニタ素子および温度検出用素子を備え、第1の電極パッド、第2の電極パッドおよび第3の電極パッドが設置される。出力素子は、駆動信号にもとづきスイッチングして負荷を作動する。電流モニタ素子は、出力素子に流れる電流をモニタする。温度検出用素子は、出力素子の温度を検出する。第1の電極パッドは、出力素子のゲートと電流モニタ素子のゲートとに接続される。第2の電極パッドは、電流モニタ素子のセンスエミッタと電流制限素子を介して温度検出用素子のアノードとに接続される。第3の電極パッドは、温度検出用素子のカソードを出力素子のエミッタから分離して接地する場合にカソードに接続される。制御回路は、第1の電極パッドを介して駆動信号を出力素子のゲートに入力する。そして、出力素子のターンオフ時には温度検出モードに切り替わり、温度検出用素子から出力される温度検出電圧を第2の電極パッドを介して受信して出力素子の温度状態を検出する。また、出力素子のターンオン時には電流検出モードに切り替わり、電流モニタ素子から出力されるセンス電流を第2の電極パッドを介して受信して出力素子の電流状態を検出する。
【発明の効果】
【0022】
1側面によれば、半導体チップに形成される電極パッドの数の削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】半導体装置の一例を説明するための図である。
図2】半導体装置の構成の一例を示す図である。
図3】スイッチのスイッチング動作を説明するための図である。
図4】温度検出用ダイオードの温度特性を示す図である。
図5】半導体装置の動作を示すタイムチャートである。
図6】半導体装置の構成の一例を示す図である。
図7】IGBTチップが有する電極パッドを示す図である。
図8】半導体装置の構成の一例を示す図である。
図9】半導体装置の構成の一例を示す図である。
図10】IGBTチップが有する電極パッドを示す図である。
図11】従来のIPMの構成の一例を示す図である。
図12】従来のIGBTチップが有する電極パッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において実質的に同一の構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0025】
図1は半導体装置の一例を説明するための図である。半導体装置1は、半導体チップ1aと制御回路1bを備える。半導体チップ1aは、出力素子1a1、電流モニタ素子1a2、温度検出用素子(以下、温度検出用ダイオード)1a3および電流制限素子1a4を有する。
【0026】
出力素子1a1は、例えば、メインIGBTであり、電流モニタ素子1a2は、例えば、センスIGBTである。出力素子1a1は、駆動信号s1にもとづきスイッチングして負荷を作動する。電流モニタ素子1a2は、出力素子1a1に流れる電流をモニタする。温度検出用ダイオード1a3は、出力素子1a1の温度を検出する。
【0027】
また、半導体チップ1aには、第1の電極パッド、第2の電極パッドおよび第3の電極パッドが設けられている。第1の電極パッドは、出力素子1a1のゲートと電流モニタ素子1a2のゲートとに接続されるゲート電極パッドGである。
【0028】
第2の電極パッドは、電流モニタ素子1a2のセンスエミッタと、電流制限素子1a4を介して温度検出用ダイオード1a3のアノードとに接続されるセンスエミッタ電極パッドSである(電流制限素子1a4の機能については後述する)。
【0029】
第3の電極パッドは、温度検出用ダイオード1a3のカソードを出力素子1a1のエミッタから分離して接地する場合に温度検出用ダイオード1a3のカソードに接続されるカソード電極パッドKである。
【0030】
なお、半導体チップ1aは、コレクタ電極パッドCおよびエミッタ電極パッドEをさらに有しており、コレクタ電極パッドCは、出力素子1a1のコレクタおよび電流モニタ素子1a2のコレクタに接続され、エミッタ電極パッドEは、出力素子1a1のエミッタおよびGNDに接続される。
【0031】
一方、制御回路1bは、ゲート電極パッドGを介して駆動信号s1を出力素子1a1のゲートに入力する。そして、制御回路1bは、出力素子1a1のターンオフ時には温度検出モードmd1になって、温度検出用ダイオード1a3から出力される温度検出電圧Vdiを、センスエミッタ電極パッドSを介して受信して出力素子1a1の温度状態を検出する。
【0032】
また、制御回路1bは、出力素子1a1のターンオン時には電流検出モードmd2になって、電流モニタ素子1a2から出力されるセンス電流Isを、センスエミッタ電極パッドSを介して受信して出力素子1a1の電流状態を検出する。
【0033】
このように、半導体装置1では、制御回路1bが出力素子1a1のターンオフ/ターンオンにもとづいて、温度検出モードmd1と電流検出モードmd2との切り替えを行うことにより、半導体チップ1aに対してアノード電極パッドに対応するノードAとセンスエミッタ電極パッドSを共通化した構成を可能にしている(従来のアノード電極パッドAは削除されている)。これにより、半導体チップ1aの電極パッド数を従来構成と比べて削減することが可能になる。
【0034】
<半導体装置の構成(電極パッド数を2つ削減した構成)>
次に本発明の半導体装置の構成についてさらに詳しく説明する。図2は半導体装置の構成の一例を示す図である。半導体装置10aは、例えば、IPMに適用される装置であり、IGBTチップ11aおよび制御回路12を備える。
【0035】
IGBTチップ11aは、メインIGBT1m、センスIGBT2m、温度検出用ダイオードDIおよび抵抗RLを含む。制御回路12は、駆動回路12a、温度検出回路12b、電流検出回路12c、アラーム出力・保護回路12d、ゲートレベル判定回路12e、遅延回路12f、スイッチsw1(第1のスイッチ)、スイッチsw2(第2のスイッチ)、定電流源IRおよびセンス抵抗Rsを含む。
【0036】
また、IGBTチップ11aには、電極パッドとして、コレクタ電極パッドC、ゲート電極パッドG、エミッタ電極パッドEおよびセンスエミッタ電極パッドSが設けられている。
【0037】
コレクタ電極パッドCは、メインIGBT1mのコレクタおよびセンスIGBT2mのコレクタに接続される。ゲート電極パッドGは、メインIGBT1mのゲート、センスIGBT2mのゲート、駆動回路12aの出力端およびゲートレベル判定回路12eの入力端に接続される。
【0038】
エミッタ電極パッドEは、メインIGBT1mのエミッタ、温度検出用ダイオードDIのカソード(K)およびGNDに接続される。なお、メインIGBT1mのエミッタとGNDとの間に負荷(図示せず)が接続可能である。
【0039】
センスエミッタ電極パッドSは、センスIGBT2mのセンスエミッタ、抵抗RLの一端(A)、スイッチsw1の端子b1およびスイッチsw2の端子b2に接続される。なお、温度検出用ダイオードDIのアノードは、抵抗RLの他端に接続される。
【0040】
制御回路12において、駆動回路12aは、入力端子Inを介して例えば、マイコンから送信される制御信号s0にもとづいて、メインIGBT1mをオン/オフするための駆動信号s1を生成し、メインIGBT1mに駆動信号s1を出力してメインIGBT1mをスイッチング(ターンオン/ターンオフ)させる。駆動信号s1がHレベルの場合にIGBT1mはターンオンし、駆動信号s1がLレベルの場合にIGBT1mはターンオフする。
【0041】
ゲートレベル判定回路12eは、IGBT1mのゲート電圧レベル(駆動信号s1の電圧レベル)VgeがHレベルであるかLレベルであるかを判定する。そして、ゲートレベル判定回路12eは、ゲート電圧レベルVgeがLレベルの場合は、例えば、Lレベルの判定信号s6(第1の判定信号)を出力し、ゲート電圧レベルVgeがHレベルの場合は、例えば、Hレベルの判定信号s6(第2の判定信号)を出力する。
【0042】
遅延回路12fは、ゲートレベル判定回路12eから出力された判定信号s6を所定時間遅延させた遅延判定信号s7(第1の遅延判定信号または第2の遅延判定信号)を出力する。定電流源IRは、電源端子Vccから入力される電圧Vccが印加されて電流Irefを出力する。
【0043】
スイッチsw1、sw2において、スイッチsw1の端子a1(スイッチsw1の第1の端子)は、温度検出回路12bの入力端および定電流源IRの出力端に接続され、スイッチsw2の端子a2(スイッチsw2の第1の端子)は、電流検出回路12cの入力端およびセンス抵抗Rsの一端に接続される。センス抵抗Rsの他端はGNDに接続される。スイッチsw1の端子b1(スイッチsw1の第2の端子)およびスイッチsw2の端子b2(スイッチsw2の第2の端子)は、センスエミッタ電極パッドSに接続される。
【0044】
また、スイッチsw1のオンオフのスイッチング制御は、遅延回路12fから出力される遅延判定信号s7により行われ、スイッチsw2のオンオフのスイッチング制御は、ゲートレベル判定回路12eから出力される判定信号s6により行われる。
【0045】
(スイッチング動作)
図3はスイッチのスイッチング動作を説明するための図である。テーブルTaは、ゲート電圧Vgeと、スイッチsw1、sw2のスイッチング状態と、動作モードとの対応関係を示している。
【0046】
〔ゲート電圧VgeがLレベル〕IGBT1mは、ターンオフの状態である。ゲートレベル判定回路12eは、例えば、Lレベルの判定信号s6(第1の判定信号)を出力する。このとき、スイッチsw1は、遅延回路12fから出力されるLレベルの遅延判定信号s7(第1の遅延判定信号)を受けてオンし、スイッチsw2は、ゲートレベル判定回路12eから出力されるLレベルの判定信号s6を受けてオフして、制御回路12は温度検出モードとなる。
【0047】
〔ゲート電圧VgeがHレベル〕IGBT1mは、ターンオンの状態である。ゲートレベル判定回路12eは、例えば、Hレベルの判定信号s6(第2の判定信号)を出力する。このとき、スイッチsw1は、遅延回路12fから出力されるHレベルの遅延判定信号s7(第2の遅延判定信号)を受けてオフし、スイッチsw2は、ゲートレベル判定回路12eから出力されるHレベルの判定信号s6を受けてオンして、制御回路12は電流検出モードとなる。
【0048】
(温度検出モード)
温度検出モードでは、上述のように、スイッチsw1がオン、スイッチsw2がオフとなる。この場合、定電流源IRから出力される電流Irefがセンスエミッタ電極パッドSを介して温度検出用ダイオードDIに流れ、このときの温度検出用ダイオードDIに生じる電位がIGBT1mの温度状態を示す温度検出電圧Vdiとして温度検出回路12bに入力される。
【0049】
温度検出回路12bは、温度検出電圧Vdiと、温度基準電圧Vohとを比較し、比較結果にもとづいてIGBT1mの温度状態が過熱状態であることを検出した場合に、過熱検出信号s2を出力する。
【0050】
図4は温度検出用ダイオードの温度特性を示す図である。縦軸は温度検出電圧Vdiであり、横軸は温度である。温度検出用ダイオードDIは、温度検出電圧Vdiが温度上昇に伴って減少する負の温度特性を有している。
【0051】
したがって、定電流源IRから温度検出用ダイオードDIに向けて流れる電流Irefにもとづく、温度検出用ダイオードDIのアノードにおける温度検出電圧Vdi(順方向電圧)は、温度上昇に伴って減少することになる。このため、温度検出回路12bでは、温度検出電圧Vdiが基準電圧Voh以下となった場合に、IGBT1mの温度状態が過熱状態であると検出する。
【0052】
(電流検出モード)
電流検出モードでは、上述のように、スイッチsw1がオフ、スイッチsw2がオンとなる。この場合、センスエミッタ電極パッドSを介して、センスIGBT2mのセンスエミッタから出力されるセンス電流Isが電流検出回路12cに向けて流れる。また、センス抵抗Rsの一端がスイッチsw2の端子a2および電流検出回路12cの入力端に接続され、センス抵抗Rsの他端がGNDに接続されているから、センス電流Isがセンス抵抗Rsを流れることで生じる電位がセンス電圧Vsとして電流検出回路12cに入力される。
【0053】
電流検出回路12cでは、センス電圧Vsと電流基準電圧Vocとを比較し、比較結果にもとづいてIGBT1mの電流状態が過電流状態であることを検出した場合に、過電流検出信号s3を出力する。
【0054】
なお、抵抗RLは、電流制限素子であって、センス電流Isが温度検出用ダイオードDIへ分流してしまうことを防ぐ電流制限抵抗としての機能を有している。抵抗RLの抵抗値は、センス抵抗Rsの抵抗値よりも大きい(RL>>Rs)。したがって、抵抗RLにより、電流検出モードにおけるセンス電流Isの温度検出用ダイオードDIへの分流を抑止することができ、電流検出の精度低下を防止することができる。
【0055】
(アラーム出力および保護)
アラーム出力・保護回路12dは、過熱検出信号s2、過電流検出信号s3の少なくとも一方を受信した場合は、出力端子ALMを介してアラーム信号s5を出力する。また、アラーム出力・保護回路12dは、過熱検出信号s2、過電流検出信号s3の少なくとも一方を受信した場合、駆動停止信号s4を駆動回路12aに出力する。駆動回路12aは、駆動停止信号s4を受信すると、IGBT1mをターンオフしてIGBT1mの駆動を停止する。
【0056】
(動作タイムチャート)
図5は半導体装置の動作を示すタイムチャートである。
〔時間帯T1〕制御回路12は、スイッチsw1がオンでスイッチsw2がオフすることで温度検出モードになる。駆動信号s1はLレベルであり、IGBT1mはターンオフする。IGBT1mがターンオフの状態なので、コレクタ電流Icおよびセンス電流Isは流れない。
【0057】
また、定電流源IRからの電流Irefが、スイッチsw1、センスエミッタ電極パッドSおよび抵抗RLを介して、温度検出用ダイオードDIのアノードに向けて流れる。
電流Irefは、温度検出用ダイオードDIに対して順方向電流となるから、順方向電流によって温度検出用ダイオードDIに生じる電圧降下分の順方向電圧は、メインIGBT1mの温度状態を示す温度検出電圧Vdiとなり、図2に示すA点の電位は、温度検出電圧Vdiとなる。
【0058】
したがって、温度検出回路12bへの入力電圧も、温度検出電圧Vdiとなる。また、電流検出回路12cへの入力電圧は、スイッチsw2がオフであるから、0Vとなる。
〔時間帯T2〕制御回路12は、スイッチsw1がオフでスイッチsw2がオンすることで電流検出モードになる。駆動信号s1はHレベルであり、IGBT1mはターンオンする。
【0059】
IGBT1mがターンオンの状態なので、コレクタ電流Icが流れてコレクタ電流Icが増加し、コレクタ電流Icに比例するセンス電流Isが流れてセンス電流Isも増加する。
【0060】
また、定電流源IRからの電流Irefは、スイッチsw1がオフなので、温度検出用ダイオードDIに対する順方向電流として流れることはない。また、スイッチsw2がオンであるので、A点の電位は、センス抵抗Rsの抵抗値をRsとすれば、Rs×Isとなり、センス電流Isの増加に伴ってA点の電位も増加する。したがって、電流検出回路12cへの入力電圧もセンス電圧Vs(=Rs×Is)となる。また、温度検出回路12bへの入力電圧は、0Vである。
【0061】
〔時間帯T3〕時間帯T3は、遅延回路12fで設定される遅延時間tdに等しい。電流検出モードから温度検出モードに切り替わる際には、遅延時間tdの経過後に切り替わるように制御されている。
【0062】
これは、電流検出モードのときに発生するセンス電圧Vsが放電する前に、電流検出モードから温度検出モードに切り替わると、センス電圧Vsの残余電圧が温度検出回路12bに入力してしまい、温度検出回路12bが精度よく温度検出を行うことが困難な事象が生じる可能性があるからである。
【0063】
このため、本発明では、電流検出モードの終了時点から所定の遅延時間tdの経過後に温度検出モードに切り替わるように制御することで、センス電圧Vsの残余電圧が温度検出回路12bに入力することを防ぎ、温度検出回路12bの精度低下を抑制するものである。
【0064】
図6は半導体装置の構成の一例を示す図である。半導体装置10a-1は、図2の変形例であり、IGBTチップ11a-1および制御回路12を備える。IGBTチップ11a-1は、メインIGBT1m、センスIGBT2mおよび温度検出用ダイオードDIを備える。さらに、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタとしてPチャネルのPMOSトランジスタM0を備えている。
【0065】
上述の図2の半導体装置10aは、電流制限素子として抵抗RLを有するが、図6の半導体装置10a-1では、電流制限素子としてPMOSトランジスタM0を有するものであり、その他の構成は図2と同じである。
【0066】
PMOSトランジスタM0のゲートは、センスIGBT2mのゲート、メインIGBT1mのゲート、ゲート電極パッドG、駆動回路12aの出力端およびゲートレベル判定回路12eの出力端に接続される。PMOSトランジスタM0のソースは、センスIGBT2mのセンスエミッタ、センスエミッタ電極パッドS、スイッチsw1の端子b1およびスイッチsw2の端子b2に接続される。PMOSトランジスタM0のドレインは、温度検出用ダイオードDIのアノードに接続される。
【0067】
ここで、PMOSトランジスタM0は、センス電流Isが温度検出用ダイオードDIへ分流してしまうことを防ぐ電流制限半導体素子としての機能を有している。電流検出モードではゲート電圧VgeはHレベルであり、このときPMOSトランジスタM0はオフする。また、温度検出モードではゲート電圧VgeはLレベルであり、このときPMOSトランジスタM0はオンする。
【0068】
したがって、電流検出モードにおいては、PMOSトランジスタM0はオフすることにより、センス電流Isの温度検出用ダイオードDIへの分流を抑止することができ、電流検出の精度低下を防止することができる。
【0069】
図7はIGBTチップが有する電極パッドを示す図である。半導体装置10aのIGBTチップ11aにおいて、エミッタ電極パッドEは、IGBTチップ11aのおもて面に形成され、コレクタ電極パッドCは、IGBTチップ11aの裏面に形成されている。また、IGBT11aのおもて面には、センスエミッタ電極パッドSおよびゲート電極パッドGが形成されている。
【0070】
このように、図2のような構成の半導体装置10aは、従来あったアノード電極パッドAがセンスエミッタ電極パッドSに共通化され、従来あったカソード電極パッドKがエミッタ電極パッドEに共通化されるので、アノード電極パッドAとカソード電極パッドKを削減することができる。図6の半導体装置10a-1のIGBTチップ11a-1についても同様の電極パッド構成である。
【0071】
したがって、半導体装置10a、10a-1では、従来構成と比べて電極パッド数を2つ削減することができるので、チップ製造プロセスの簡素化、チップ面積の削減、およびワイヤボンディング本数の削減が可能になる。
【0072】
<半導体装置の構成(電極パッド数を1つ削減した構成)>
図8は半導体装置の構成の一例を示す図である。半導体装置10bは、IGBTチップ11bおよび制御回路12を備える。IGBTチップ11bは、メインIGBT1m、センスIGBT2m、温度検出用ダイオードDIおよび抵抗RLを含む。制御回路12は、図2と同様の構成である。
【0073】
また、IGBTチップ11bには、電極パッドとして、コレクタ電極パッドC、ゲート電極パッドG、エミッタ電極パッドE、カソード電極パッドKおよびセンスエミッタ電極パッドSが設けられている。
【0074】
コレクタ電極パッドCは、メインIGBT1mのコレクタおよびセンスIGBT2mのコレクタに接続される。ゲート電極パッドGは、メインIGBT1mのゲート、センスIGBT2mのゲート、駆動回路12aの出力端およびゲートレベル判定回路12eの入力端に接続される。エミッタ電極パッドEは、メインIGBT1mのエミッタおよびGNDに接続される。
【0075】
カソード電極パッドKは、GNDに接続される。センスエミッタ電極パッドSは、センスIGBT2mのセンスエミッタ、抵抗RLの一端(A)、スイッチsw1の端子b1およびスイッチsw2の端子b2に接続される。なお、温度検出用ダイオードDIのアノードは、抵抗RLの他端に接続される。
【0076】
ここで、図2で上述した半導体装置10aのように、カソード電極パッドKとエミッタ電極パッドEが接続されている構成の場合、大電流が流れているIGBT1m側のメインエミッタが基準となるため、配線抵抗分の電圧ドロップが温度検出用ダイオードDIの電圧降下分に加算され、誤動作等を引き起こす可能性がある。
【0077】
このため、半導体装置10bでは、カソード電極パッドKとエミッタ電極パッドEとの共通化は行わずに、センスエミッタ電極パッドSとアノード電極パッドAとを共通化したものである。このような構成にすることで、IGBT1m側のメインエミッタに流れる電流に依拠する温度検出の誤動作を防止し、かつ電極パッド数を1つ削減することができる。
【0078】
図9は半導体装置の構成の一例を示す図である。半導体装置10b-1は、図8の変形例であり、IGBTチップ11b-1および制御回路12を備える。IGBTチップ11b-1は、メインIGBT1m、センスIGBT2m、温度検出用ダイオードDIおよびPMOSトランジスタM0を含む。上述の図8の半導体装置10bは、電流制限素子として抵抗RLを有するが、図9の半導体装置10b-1では、電流制限素子としてPMOSトランジスタM0を有するものであり、その他の構成は同じである。
【0079】
PMOSトランジスタM0のゲートは、センスIGBT2mのゲート、メインIGBT1mのゲート、ゲート電極パッドG、駆動回路12aの出力端およびゲートレベル判定回路12eの出力端に接続される。
【0080】
PMOSトランジスタM0のソースは、センスIGBT2mのセンスエミッタ、センスエミッタ電極パッドS、スイッチsw1の端子b1およびスイッチsw2の端子b2に接続される。PMOSトランジスタM0のドレインは、温度検出用ダイオードDIのアノードに接続される。
【0081】
ここで、電流検出モードではゲート電圧VgeはHレベルであり、このときPMOSトランジスタM0はオフし、温度検出モードではゲート電圧VgeはLレベルであり、このときPMOSトランジスタM0はオンする。
【0082】
したがって、電流検出モードにおいては、PMOSトランジスタM0はオフすることにより、センス電流Isの温度検出用ダイオードDIへの分流を抑止することができ、電流検出の精度低下を防止することができる。
【0083】
図10はIGBTチップが有する電極パッドを示す図である。半導体装置10bのIGBTチップ11bにおいて、エミッタ電極パッドEは、IGBTチップ11bのおもて面に形成され、コレクタ電極パッドCは、IGBTチップ11bの裏面に形成されている。また、IGBT11aのおもて面には、カソード電極パッドK、センスエミッタ電極パッドSおよびゲート電極パッドGが形成されている。
【0084】
このように、図8のような構成の半導体装置10bは、従来あったアノード電極パッドAがセンスエミッタ電極パッドSに共通化されるので、アノード電極パッドAを削減することができる。図9の半導体装置10b-1のIGBTチップ11b-1についても同様の電極パッド構成である。
【0085】
したがって、半導体装置10b、10b-1では、従来構成と比べて電極パッド数を1つ削減することができるので、チップ製造プロセスの簡素化、チップ面積の削減、およびワイヤボンディング本数の削減が可能になる。
【0086】
以上説明したように、本発明の半導体装置によれば、制御回路がメインIGBTのターンオフ/ターンオンを検出し、制御回路側で温度検出モードと電流検出モードとの切り替えを行う。これにより、半導体チップに対してアノード電極パッドに対応するノードAとセンスエミッタ電極パッドSを共通化し、さらにカソード電極パッドKとエミッタ電極パッドEを共通化した構成を可能にしている。このため、電極パッド数を削減できるので、チップ製造プロセスの簡素化、チップ面積の削減、およびワイヤボンディング本数の削減が可能になる。
【0087】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 半導体装置
1a 半導体チップ
1a1 出力素子
1a2 電流モニタ素子
1a3 温度検出用ダイオード
1a4 電流制限素子
1b 制御回路
s1 駆動信号
Vdi 温度検出電圧
Is センス電流
md1 温度検出モード
md2 電流検出モード
G 第1の電極パッド(ゲート電極パッド)
S 第2の電極パッド(センスエミッタ電極パッド)
K 第3の電極パッド(カソード電極パッド)
A アノード電極パッドに対応するノード
C コレクタ電極パッド
E エミッタ電極パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12