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特開2023-169473アクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169473
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】アクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
G02F1/1368
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080584
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】内田 誠一
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 潔
(72)【発明者】
【氏名】岡田 訓明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩巳
(72)【発明者】
【氏名】吉田 圭介
【テーマコード(参考)】
2H192
【Fターム(参考)】
2H192BB12
2H192BC32
2H192BC33
2H192BC34
2H192BC42
2H192CB34
2H192CB37
2H192EA15
2H192EA42
2H192EA67
2H192JA33
(57)【要約】
【課題】COA構造を備え、向上した画素開口率を有するアクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】アクティブマトリクス基板は、透光性の基板と、基板上に位置する複数の画素とを備える。各画素は、基板上に位置するTFTと、TFTを覆って基板に配置された第1カラーフィルタ層と、第1カラーフィルタ層に設けられたコンタクトホールと、コンタクトホールの底面および側面と第1カラーフィルタ層上とに位置し、コンタクトホールを介して、TFTと電気的に接続された画素電極と、コンタクトホール内に配置された第2カラーフィルタ層とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の基板と、前記基板上に位置する複数の画素と、を備えたアクティブマトリクス基板であって、
各画素は、
前記基板上に位置するTFTと、
前記TFTを覆って前記基板に配置された第1カラーフィルタ層と、
前記第1カラーフィルタ層に設けられたコンタクトホールと、
前記コンタクトホールの底面および側面と前記第1カラーフィルタ層上とに位置し、前記コンタクトホールを介して、前記TFTと電気的に接続された画素電極と、
前記コンタクトホール内に配置された第2カラーフィルタ層と、
を備えた、アクティブマトリクス基板。
【請求項2】
前記各画素は、前記画素電極と、前記第1カラーフィルタ層との間に位置する平坦化層をさらに備え、
前記コンタクトホールは、前記平坦化層および前記第1カラーフィルタ層を貫通している、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項3】
前記画素電極は前記画素内において、前記第1カラーフィルタ層全体を覆っている、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項4】
前記コンタクトホールの前記側面は、前記基板主面に対して45°以下の角度で傾斜している、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項5】
前記各画素は、前記TFTから外側に引き出され、前記TFTと前記画素電極とを電気的に接続する引き出し電極を有し、
前記第1カラーフィルタ層は、前記TFTおよび前記引き出し電極を覆っており、
前記コンタクトホールは、前記引き出し電極上に位置している、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項6】
前記コンタクトホールは、前記TFTの上方に位置している、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項7】
前記第1カラーフィルタ層と前記第2カラーフィルタ層とは同じ波長帯域の光を透過させる、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項8】
前記複数の画素は、互いに隣接した第1画素、第2画素および第3画素を含み、
前記第1画素において、前記第1カラーフィルタ層および前記第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、
前記第2画素において、前記第1カラーフィルタ層および前記第2カラーフィルタ層は、第2波長帯域の光を透過させ、
前記第3画素において、前記第1カラーフィルタ層および前記第2カラーフィルタ層は、第3波長帯域の光を透過させ、
前記第1波長帯域、前記第2波長帯域および前記第3波長帯域は互いに異なる、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項9】
前記複数の画素は、互いに隣接した第1画素、第2画素および第3画素を含み、
前記第1画素において、前記第1カラーフィルタ層および前記第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、
前記第2画素において、前記第1カラーフィルタ層は、第2波長帯域の光を透過させ、前記第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、
前記第3画素において、前記第1カラーフィルタ層は、第3波長帯域の光を透過させ、前記第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、
前記第1波長帯域、前記第2波長帯域および前記第3波長帯域は互いに異なり、
前記第2画素および前記第3画素のそれぞれは、前記コンタクトホールの下方に位置する遮光層をさらに備える、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項10】
前記複数の画素は、互いに隣接した第1画素、第2画素および第3画素を含み、
前記第1画素において、前記第1カラーフィルタ層および前記第2カラーフィルタ層は、青色波長帯域の光を透過させ、
前記第2画素において、前記第1カラーフィルタ層は、緑色波長帯域の光を透過させ、前記第2カラーフィルタ層は、青色波長帯域の光を透過させ、
前記第3画素において、前記第1カラーフィルタ層は、赤色波長帯域の光を透過させ、前記第2カラーフィルタ層は、青色波長帯域の光を透過させ、
前記第1画素、前記第2画素および前記第3画素のそれぞれは、前記コンタクトホールの下方に遮光層を有していない、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項11】
前記画素電極を覆って前記基板上に位置する絶縁膜と、
前記絶縁膜上に位置する共通電極と
をさらに備える、請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板と、
対向基板と、
前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に位置する液晶層と
を備えた液晶表示装置。
【請求項13】
複数の画素領域を有する透光性の基板と、前記複数の画素領域にそれぞれ位置する複数の画素と、を備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、各画素領域において、
TFTを形成する工程(A)と、
前記TFTを覆って、コンタクトホールを有する第1カラーフィルタ層を形成する工程(B)と、
前記コンタクトホールの側面および底面と、前記第1カラーフィルタ層上に画素電極を形成する工程(C)と、
前記コンタクトホール内に第2カラーフィルタ層を形成する工程(D)と、
を含む、アクティブマトリクス基板の製造方法。
【請求項14】
前記工程(D)は、前記コンタクトホール内および前記第1カラーフィルタ層を覆って第2カラーフィルタ膜を形成する工程と、
前記工程(C)において前記コンタクトホールを形成するマスクパターンよりも小さいマスクパターンを用いて前記第2カラーフィルタ膜を成形することにより、前記第2カラーフィルタ層を形成する工程と、
を含む請求項13に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【請求項15】
前記工程(C)において、前記画素電極は、前記第1カラーフィルタ層全体を覆っており、
前記工程(D)は、少なくとも前記コンタクトホール内の前記第2カラーフィルタ層の一部をエッチングによって除去する工程を含む、請求項13に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【請求項16】
前記工程(B)は、
第1カラーフィルタ層上に、前記コンタクトホールを規定する開口を有するマスクを形成する工程と、
前記マスクを用い、等方性エッチング、または、縦方向よりも横方向のエッチング速度が大きいエッチング条件によって、前記第2カラーフィルタ層の一部をエッチングする工程と、
を備える請求項13に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置が種々の分野において広く利用されており、用途に応じた構造を備えた液晶表示装置が開発されている。高解像度(高精細)の液晶表示装置では、画素ピッチが小さいため、対向基板に配置されるカラーフィルタとアクティブマトリクス基板上の画素とを高い精度で位置合わせをすることが課題となる。例えば、特許文献1は、カラーフィルタとアクティブマトリクス基板との位置ずれを抑制するために、アクティブマトリクス基板にカラーフィルタを配置したCOA(Color filter On Array)構造の液晶表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-135387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高解像度の液晶表示装置では、一般に画素が小さくなることによって、画素開口率も低下する。本開示は、COA構造を備え、向上した画素開口率を有するアクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係るアクティブマトリクス基板は、透光性の基板と、前記基板上に位置する複数の画素と、を備え、各画素は、前記基板上に位置するTFTと、前記TFTを覆って前記基板に配置された第1カラーフィルタ層と、前記第1カラーフィルタ層に設けられたコンタクトホールと、前記コンタクトホールの底面および側面と前記第1カラーフィルタ層上とに位置し、前記コンタクトホールを介して、前記TFTと電気的に接続された画素電極と、前記コンタクトホール内に配置された第2カラーフィルタ層と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、COA構造を備え、向上した画素開口率を有するアクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の平面構造の一例を示す模式図である。
図2図2は、第1実施形態の液晶表示装置の構成例を示す模式的断面図である。
図3図3は、アクティブマトリクス基板の画素の主要な構成要素を示す平面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線における液晶表示装置の断面図である。
図5図5は、コンタクトホール内に第2カラーフィルタ層が設けられていない参考例のアクティブマトリクス基板の構造を示している。
図6図6は、アクティブマトリクス基板の製造方法を示すフローチャートである。
図7A図7Aは、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法における一部の工程断面図である。
図7B図7Bは、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法における一部の工程断面図である。
図7C図7Cは、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法における一部の工程断面図である。
図8A図8Aは、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法における一部の工程断面図である。
図8B図8Bは、第1実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法における一部の工程断面図である。
図9図9は、第2実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図10図10は、第3実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図11図11は、第4実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図12A図12Aは、第5実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図12B図12Bは、第5実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図12C図12Cは、第5実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図13A図13Aは、第6実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図13B図13Bは、第6実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図13C図13Cは、第6実施形態の液晶表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
COA構造の液晶表示装置では、カラーフィルタにコンタクトホールを形成し、カラーフィルタの下に位置するTFTと、カラーフィルタの上に位置する画素電極とを電気的に接続する必要がある。特許文献1は、コンタクトホールが画像の形成に寄与しない領域であると捉え、コンタクトホールの面積を小さくすることおよびコンタクトホールのテーパーをできるだけ急峻にすることを開示している。
【0009】
これに対し、本願発明者は、コンタクトホールを画像形成に寄与させることが可能な構造を備えた新規なアクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法を想到した。
【0010】
以下本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されていたり、一部の構成部材が省略されていたりする場合がある。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のアクティブマトリクス基板101全体の構成を示す模式図であり、図2は、本実施形態の液晶表示装置201の模式的断面図である。図3は、アクティブマトリクス基板101の画素の主要な構成要素を示す平面図である。図4は、図3のIV-IV線における液晶表示装置の断面図である。
【0012】
アクティブマトリクス基板101は、基板10と基板10上に位置する複数の画素Pxとを備える。基板10は、主面に表示領域DRと表示領域以外の非表示領域FRとを含んでいる。表示領域DRは、例えば、x方向(第2方向)、および、x方向に直交するy方向(第1方向)のマトリクス状に配列された複数の画素領域PRを含む。非表示領域FRは、表示領域の周縁に位置し、表示に寄与しない領域である。
【0013】
アクティブマトリクス基板101は、さらに複数のソースバスラインSLと、複数のゲートバスラインGLとを備えている。例えば、複数のソースバスラインSLは、y方向に延びており、複数のゲートバスラインGLは、x方向に延びている。
【0014】
画素領域PRは、複数のソースバスラインSLのうちの隣接する一対のソースバスラインSL、および、複数のゲートバスラインGLのうちの隣接する一対のゲートバスラインGLによって囲まれる領域である。
【0015】
画素Pxは画素領域PRに位置しており、TFT30と、TFT30に電気的に接続された画素電極23とを含む。また、TFT30は、画素領域PRを囲む一対のソースバスラインSLのうちの一方、および、一対のゲートバスラインGLのうちの一方と電気的に接続されている。
【0016】
アクティブマトリクス基板101は、基板10の非表示領域FRに位置し、ゲートドライバGDおよびソースドライバSDを含む駆動回路をさらに備える。駆動回路の一部または全部はTFTを含み、基板10に一体的に形成されていてもよいし、パッケージ化されたICまたはベアチップなどによって構成されていてもよい。
【0017】
液晶表示装置201は、アクティブマトリクス基板101と対向基板150と、液晶層160と、一対の偏光板170とを備える。液晶層160は、アクティブマトリクス基板101と対向基板150との間に位置しており、アクティブマトリクス基板101と対向基板150との間において、シール180によって封止されている。
【0018】
一対の偏光板170は、少なくとも液晶層160を介して互いに対向している。より具体的には、一対の偏光板170は、対向基板150、液晶層160およびアクティブマトリクス基板101を挟むように位置している。一対の偏光板170は、クロスニコルに配置されている。
【0019】
次にアクティブマトリクス基板101の構造を詳細に説明する。前述したようにアクティブマトリクス基板101は、基板10上に複数の画素Pxを備えている。複数の画素Pxは、カラーフィルタ層の透過帯域が異なる複数種の画素を含む。以下において詳述するように、本実施形態では、複数の画素Pxは、互いに隣接した第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3を含む。図3では、第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3が示されている。第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3は、カラーフィルタ層の透過帯域が異なることを除けば、同じ構造を備えている。以下、第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3をまとめて説明する場合には、画素Pxと総称する。
【0020】
各画素Pxは、遮光層11と、第1絶縁層12と、ゲート絶縁層14と、TFT30と、第2絶縁層16と、引き出し電極19と、第1カラーフィルタ層21と、第2カラーフィルタ層22と、画素電極23と、第3絶縁層24と、共通電極25とコンタクトホール26とを備える。また、TFT30は、半導体層13と、ゲート電極15と、ソース電極17とドレイン電極18とを含む。
【0021】
基板10は、例えば、透光性を有するガラス基板である。本願明細書において透光性とは、少なくとも可視光の波長帯域の光を透過する。遮光層11は、基板10上に設けられており、遮光層11の上方に、後述する半導体層13およびゲートバスラインGLが位置する。遮光層11は、基板10を通過した光が半導体層13に入射し、光電変換などによって電流が発生するのを抑制する。遮光層11は例えば、タングステンなどの金属によって構成されている。
【0022】
遮光層11を覆って基板10上に第1絶縁層12が形成されている。第1絶縁層12は、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素などの無機材料によって構成されている。遮光層11はこれらの無機材料からなる単層であってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。
【0023】
第1絶縁層12上にTFT30の半導体層13が位置している。半導体層13は、In、Ga、およびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物半導体層、または、Si半導体層を備えている。酸化物半導体層およびSi半導体層は多結晶、微結晶、c軸配向性など種々の結晶性を備えていてもよい。
【0024】
半導体層13を覆って第1絶縁層12上にゲート絶縁層14が位置している。ゲート絶縁層14は例えば、酸化ケイ素によって構成されている。
【0025】
ゲート絶縁層14上にゲートバスラインGLが位置している。図3に示すように、ゲートバスラインGLは、平面視において、遮光層11と重なる位置に設けられている。ゲートバスラインGLは、平面視において半導体層13と重なっている。ゲートバスラインGLのうち、半導体層13と重なる領域がゲート電極15(図4)であり、ゲート電極15と半導体層13とはゲート絶縁層14を介して接している。
【0026】
第2絶縁層16は、ゲートバスラインGLを覆ってゲート絶縁層14上に位置している。第2絶縁層16は、例えば、酸化ケイ素などの無機材料によって構成されている。
【0027】
第2絶縁層16およびゲート絶縁層14には、半導体層13の一部を露出させるコンタクトホール16hが設けられている。
【0028】
ソース電極17およびドレイン電極18は、コンタクトホール16h内および第2絶縁層16上に位置している。ソース電極17およびドレイン電極18は、チタン、アルミニウムなどの金属によって構成されている。ソース電極17およびドレイン電極18は、これらの金属材料からなる単層であってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。
【0029】
ソースバスラインSLも第2絶縁層16上に形成されている。ソースバスラインSLはソース電極17と電気的に接続されている。本実施形態では、ソースバスラインSLとソース電極17とは一体的に形成されている。
【0030】
引き出し電極19は、ドレイン電極18上および第2絶縁層16上に位置しており、平面視において、TFT30から外側に引き出されている。ドレイン電極18と重なることによって、引き出し電極19はTFT19のドレイン電極と電気的に接続されている。引き出し電極19は、例えば、ITOなどの透明導電性材料によって構成されている。
【0031】
第1カラーフィルタ層21は、TFT30および引き出し電極19を覆って、基板10の第2絶縁層16上に位置している。第1カラーフィルタ層21は所定の波長の光を透過させる分光特性を有する。具体的には、第1画素Px1の第1カラーフィルタ層21は、第1波長帯域の光を透過させ、第2画素Px2の第1カラーフィルタ層21は、第2波長帯域の光を透過させ、第3画素Px3の第1カラーフィルタ層21は、第3波長帯域の光を透過させる。第1、第2および第3波長帯域は互いに異なっている。
【0032】
例えば、第1波長帯域は青色の波長帯域であり、第2波長帯域は緑色の波長帯域であり、第3波長帯域は赤色の波長帯域である。本実施形態では、複数の画素Pxは、3種類の透過波長帯域が異なるカラーフィルタ層を備えた画素を含んでいるが、画素の種類は3に限られず、4以上であってもよい。例えば、複数の画素Pxがさらに第4画素Px4を含んでおり、第4画素Px4の第1カラーフィルタ層21は、第4波長帯域の光を透過させてもよい。例えば、第4波長帯域は黄色である。
【0033】
第1カラーフィルタ層21には、第1カラーフィルタ層21を厚さ方向に貫通しているコンタクトホール26が設けられている。コンタクトホール26は、引き出し電極19上に位置しており、底部において引き出し電極19を露出している。第1カラーフィルタ層21は、画素領域全体に形成されていることが好ましい。第1カラーフィルタ層21は、カラーレジスト等の感光性樹脂材料によって構成されている。
【0034】
第1カラーフィルタ層21の上面21aおよび下面21bにおけるコンタクトホール26の開口の形状に、特に制限はない。図3に示す例では、開口は矩形形状を有しているが、開口は円形状を有していてもよい。また、側面26cの基板10の主面(水平方向)に対する傾斜角度は、例えば45°以上であってもよいし、45°以下であってもよい。コンタクトホール26内で、次に説明する画素電極23が完全に断線することなく形成される傾斜角度であれば、側面26cの傾き(テーパー)は急峻であってもよいし、緩やかであってもよい。本実施形態ではコンタクトホール26も光を透過させる領域となり得るため、側面26cの傾斜角度が小さい(緩やかである)ことによって、上面21aの開口が大きくなっても、画素開口率を高く維持することが可能である。
【0035】
画素電極23は、コンタクトホール26の底面および側面26cと第1カラーフィルタ層21上とに位置している。画素電極23は、コンタクトホール26を介して、引き出し電極19と電気的に接続され、さらにTFT30と電気的に接続されている。画素電極23は本実施形態では、TFT30の上方は覆っていない。
【0036】
画素電極23は、コンタクトホール26内を完全に充填していないほうが好ましい。言い換えると、画素電極23は、コンタクトホール26の側面26cを所定の厚さで覆い、内空間を形成していることが好ましい。
第2カラーフィルタ層22は、コンタクトホール26内に配置されている。より具体的には、画素電極23が形成している内空間に配置されている。第2カラーフィルタ層22は、同じ画素Px内の、第1カラーフィルタ層21と同じ分光特性を有していることが好ましい。具体的には、第1画素Px1の第2カラーフィルタ層22は、第1波長帯域の光を透過させ、第2画素Px2の第2カラーフィルタ層22は、第2波長帯域の光を透過させ、第3画素Px3の第2カラーフィルタ層22は、第3波長帯域の光を透過させる。例えば、第1波長帯域は青色の波長帯域であり、第2波長帯域は緑色の波長帯域であり、第3波長帯域は赤色の波長帯域である。第2カラーフィルタ層22も第1カラーフィルタ層21と同様の材料によって構成されている。
【0037】
第3絶縁層24は、画素電極23、第1カラーフィルタ層21および第2カラーフィルタ層22を覆ってこれらの上に配置されている。第3絶縁層は、例えば窒化ケイ素などの無機材料によって構成されている。
【0038】
共通電極25は、第3絶縁層24上に位置している。共通電極25は、例えば、ITOなどの透明導電性材料によって構成されている。図示していないが、アクティブマトリクス基板101および対向基板150の液晶層160と接する面には、配向膜が配置されている。
【0039】
アクティブマトリクス基板101および液晶表示装置201は、画素電極23と共通電極25との間に印加される電圧によって、横電界モードで動作する。基板10側からアクティブマトリクス基板101の各画素Pxに入射した光は、第1カラーフィルタ層21を透過する。第1カラーフィルタ層21に設けられたコンタクトホール26内には、第1カラーフィルタ層21と同じ分光特性を有する第2カラーフィルタ層22が設けられているため、コンタクトホール26の領域も第1カラーフィルタ層21として機能させることができる。このため、画素開口率を高めることができる。
【0040】
また、コンタクトホール26内に第2カラーフィルタ層22が位置することによって、コンタクトホール26内で段差ができることが抑制できる。したがって、アクティブマトリクス基板101の液晶層160と接する表面の段差も小さくすることができ、液晶層160の配向の乱れを小さくすることができる。
【0041】
図5は、コンタクトホール26内に第2カラーフィルタ層22が設けられていない参考例のアクティブマトリクス基板の構造を示している。コンタクトホール26内に第2カラーフィルタ層22が設けられない場合、コンタクトホール26内を透過する光は、白色光のまま対向基板150に入射する、つまり、第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3から、出射する光は、それぞれ、赤、青、緑の光に白色光が混じった光となり、正しい色合いで画像を表示することができなくなる。このため、コンタクトホール26に光が入射しないように破線で示すように遮光層28を設ける必要がある。また、コンタクトホール26内に空間ができるため、アクティブマトリクス基板101の液晶層160と接する表面の段差が生じる。よって、液晶層160の配向の乱れが生じやすくなる。
【0042】
例えば、画素のサイズを10μm×30μmであると仮定した場合、図5に示す遮光層28を設けた画素の開口率は35%程度になる。これに対し本実施形態のアクティブマトリクス基板101によれば、コンタクトホール26を覆う遮光層がなく、かつ、コンタクトホール26も光を透過させることができるため、開口率は45%程度以上になる。
【0043】
したがって、本実施形態によれば、高解像度で、高輝度の液晶表示装置を実現することができる。
【0044】
次に本実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法の一例を説明する。図6は、アクティブマトリクス基板の製造方法を示すフローチャートである。また図7Aから図7Cは、本実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法における一部の工程断面図である。
【0045】
本実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法は、(1)TFTを形成する工程(S1)と、(2)コンタクトホールを有する第1カラーフィルタ層を形成する工程(S2)と、(3)画素電極を形成する工程(S3)と、(4)第2カラーフィルタ層を形成する工程(S4)とを含む。本実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法は、さらに(5)共通電極を形成する工程(S5)を含む。基板10は、複数の画素領域PRを有しており、各画素領域PRにおいて、以下の工程を行うことによって、複数の画素領域PRにそれぞれ位置する複数の画素Pxを備えたアクティブマトリクス基板101が製される。以下、図3図4図6図7A~図7Cを参照しながら、各工程を詳細に説明する。
【0046】
(1)TFTを形成する工程(S1)
まず、ガラスからなる透光性の基板10を用意する。基板10上に導電性膜(例えば、W(50nm))を形成し、フォトリソグラフ工程により導電性膜をパターニングすることによって、遮光層11を形成する。その後、遮光層11を覆って基板10上に、第1絶縁層12(例えば、SiO(100nm)/SiN(70nm)の積層構造)を形成する。
【0047】
次に、第1絶縁層12上に、半導体膜(例えば、In、Ga、Znを含む酸化物半導体50nm)を形成し、フォトリソグラフ工程により半導体膜をパターニングすることによって、半導体層13を形成する。
【0048】
半導体層13を覆って第1絶縁層12上にゲート絶縁層14(例えば、SiO(85nm))を形成する。
【0049】
導電性膜(例えば、Ti(100nm)/Al(150nm)/Ti(30nm)の積層構造)をゲート絶縁層14上に形成し、パターニングすることによって、ゲート電極15を含むゲートバスラインGLを形成する。
【0050】
ゲートバスラインGLを覆って、ゲート絶縁層14上に第2絶縁層16(例えば、SiO(500nm))を形成し、第2絶縁層16の一部をエッチングすることによって、半導体層13が底面に露出したコンタクトホール16hを、第2絶縁層16に形成する。
【0051】
次に、導電性膜(例えば、Ti(60nm)/Al(300nm)/Ti(20nm)の積層構造)をコンタクトホール16h内および第2絶縁層16上に形成し、パターニングすることによって、ソース電極17と、ソース電極17と一体的に形成されたソースバスラインSL、およびドレイン電極18を形成する。これによりTFT30が完成する。さらに、ソースバスラインSL,ソース電極17、ドレイン電極18を覆って、第2絶縁層16上に透明導電膜(例えば、IZO(100nm))を形成し、パターニングすることによって、引き出し電極19を形成する。
【0052】
(2)コンタクトホールを有する第1カラーフィルタ層を形成する工程(S2)
TFT30を覆って、コンタクトホール26を有する第1カラーフィルタ層21を形成する。第1カラーフィルタ膜(例えば、感光性カラー樹脂(1000nm))を引き出し電極19およびTFT30を覆って第2絶縁層16上に形成し、フォトリソグラフ工程により第1カラーフィルタ膜をパターニングすることによって、コンタクトホール26を有する第1カラーフィルタ層21を形成する。第1画素Px1の第1カラーフィルタ層21の形成に青色の感光性カラー樹脂、第2画素Px2の第1カラーフィルタ層21の形成に緑色の感光性樹脂、第3画素Px3の第1カラーフィルタ層21の形成に赤色の感光性樹脂を用い、この工程(S2)を繰り返すことによって、青、緑、赤色の第1カラーフィルタ層21を、第1画素Px1、第2画素Px2およびの第3画素Px3にそれぞれ形成する。
【0053】
(3)画素電極を形成する工程(S3)
コンタクトホール26の側面26cおよび底面と、第1カラーフィルタ層21上とに画素電極23を形成する。透明導電膜(例えば、IZO(100nm))をコンタクトホール26の側面26cおよび底面と、第1カラーフィルタ層21上とに形成し、フォトリソグラフ工程により透明導電膜をパターニングし、図7Aに示すように、画素電極23を形成する。
【0054】
(4)第2カラーフィルタ層を形成する工程(S4)
コンタクトホール26内に第2カラーフィルタ層22を形成する。第2カラーフィルタ膜41(例えば、感光性カラー樹脂(1000nm))をコンタクトホール26および画素電極23を覆って、第1カラーフィルタ層21上に形成し、フォトリソグラフ工程によりコンタクトホール26内にのみ第2カラーフィルタ層22が残るように現像する。この時、図7Bに示すように、第2カラーフィルタ膜を露光(矢印で示す)するマスクパターンM2は、コンタクトホールを形成するときに用いたマスクパターンM1(破線で示す)よりも小さいことが好ましい。これにより、図7Cに示すように、現像によって残された第2カラーフィルタ層22が、コンタクトホール26の外側に広がり、第2カラーフィルタ層22がはみ出す、あるいは、コンタクトホール26上において盛り上がるのを抑制することができる。
【0055】
工程S2と同様、第1画素Px1(図3)の第2カラーフィルタ層22の形成に青色の感光性カラー樹脂、第2画素Px2の第2カラーフィルタ層22の形成に緑色の感光性樹脂、第3画素Px3の第2カラーフィルタ層22の形成に赤色の感光性樹脂を用い、この工程(S4)を繰り返すことによって、青、緑、赤色の第2カラーフィルタ層22を、第1画素Px1、第2画素Px2およびの第3画素Px3にそれぞれ形成する。
【0056】
(5)共通電極を形成する工程(S5)
画素電極23および第2カラーフィルタ層22を覆って、第1カラーフィルタ層21上に第3絶縁層24(例えば、SiN(100nm))を形成する。さらに透明導電膜(例えば、IZO(100nm))を第3絶縁層24上に形成し、フォトリソグラフ工程によりパターニングし、共通電極25を形成する。その後、共通電極25を覆って第3絶縁層24上に配向膜を形成する。これによって、アクティブマトリクス基板101が完成する。
【0057】
液晶表示装置を作製する場合は、別途、ガラスなどの透光性材料からなる対向基板150に、遮光膜(例えば遮光性樹脂膜を1000nm)を形成し、フォトリソグラフ工程によりパターニングすることによってブラックマトリクスを形成する。さらにブラックマトリクス上にフォトスペーサー(PS)を形成する。ブラックマトリクスは、アクティブマトリクス基板101に形成してもよい。例えば共通電極25上にブラックマトリクスを形成してもよい。
【0058】
その後、対向基板150とアクティブマトリクス基板101とをシール180で貼り合せ、液晶を注入することによって液晶層160を形成する。さらに貼り合わせた基板を分断して、液晶表示パネルが完成する。さらに、一対の偏光板170で液晶表示パネルを挟み込み、液晶表示装置が完成する。
【0059】
なお、第2カラーフィルタ層22がコンタクトホール26内において盛り上がっているなど段差を形成していることにより、アクティブマトリクス基板101の表面における平滑性を高めることが好ましい場合には、第2カラーフィルタ層22の形成にエッチバック工程をさらに含めてもよい。
【0060】
例えば、図8Aに示すように、工程(S3)において、第1カラーフィルタ層21全体を覆う画素電極23’を形成する。続いて、工程S4にしたがって、コンタクトホール26内に第2カラーフィルタ層22を形成する。その後、少なくともコンタクトホール26内の第2カラーフィルタ層22の一部をドライエッチングによって除去する。例えば、Oを含むガスを用いたドライエッチングによって第2カラーフィルタ層22の一部を除去する。第1カラーフィルタ層21は、画素電極23’によって覆われており、画素電極23’は上述したドライエッチング条件では、ほとんどエッチングされない。このように第2カラーフィルタ層22の一部をエッチバックすることによって、より段差の小さい第2カラーフィルタ層22’を形成することができる。
【0061】
このように本実施形態のアクティブマトリクス基板の製造方法によれば、コンタクトホール26に第2カラーフィルタ層22が配置され、コンタクトホール26の領域も光を透過させることのできるアクティブマトリクス基板101および液晶表示装置201を製造することができる。
【0062】
[第2実施形態]
本実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置は、コンタクトホールの形状が第1実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置と異なっている。図9に示す本実施形態のアクティブマトリクス基板102において、コンタクトホール26’は、基板10主面に対して45°以下の角度で傾斜している側面26c’を有している。側面の傾斜角度が45°以下であることによって、コンタクトホール26’内に第2カラーフィルタ層22を充填しやすくなる。また、コンタクトホール26’内に配置された第2カラーフィルタ層22は盛り上がりが小さくなり易い。このため、アクティブマトリクス基板101の表面における段差を小さくして平滑性を高めることがより容易となる。
【0063】
側面26c’の傾斜角度が小さくなることによって、コンタクトホール26’の第1カラーフィルタ層21の上面21aにおける開口面積は大きくなる。しかし、コンタクトホール26’は光を透過するので、コンタクトホール26’の面積が大きくなっても、画素開口率の低下にはならない。
【0064】
このような形状のコンタクトホール26’は、例えば、コンタクトホール26’の形成を、第1カラーフィルタ層21のパターニングとは別の工程でおこなうことによって形成することができる。第1実施形態の工程(S2)において、フォトリソグラフ工程により、まず第1カラーフィルタ膜をパターニングし、第1カラーフィルタ層21を形成する。その後、第1カラーフィルタ層21上に、コンタクトホール26を規定する開口を有するマスクを形成し、等方性エッチング、または、縦方向よりも横方向のエッチング速度が大きいエッチング条件によって、マスクを用いて第1カラーフィルタ層21の一部をエッチングすることにより、コンタクトホール26’を形成する。エッチングには、ドライエッチングまたはウエットエッチングを用いることができる。
【0065】
[第3実施形態]
本実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置は、アクティブマトリクス基板が平坦化層をさらに備えている点で、第1実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置と異なっている。
【0066】
図10に示す本実施形態のアクティブマトリクス基板103は、各画素Pxにおいて、画素電極23と、第1カラーフィルタ層21との間に位置する平坦化層27をさらに備えている。コンタクトホール26は、平坦化層27および第1カラーフィルタ層21を貫通している。
【0067】
第1カラーフィルタ層21および第2カラーフィルタ層22は、材料の特性上、平らではなく、凹凸が生じやすい。このため、平坦ではない第1カラーフィルタ層21に画素電極23を形成すると、対向基板とアクティブマトリクス基板とを貼り合わせた際にセルギャップが不均一になり、表示品位が低下する可能性がある。
【0068】
本実施形態のアクティブマトリクス基板103によれば、平坦化層27が第1カラーフィルタ層21を覆うため、画素電極23を形成する下地が平坦化でき、表示品位の低下を抑制することができる。
【0069】
アクティブマトリクス基板103を製造する場合、第1の実施形態のアクティブマトリクス基板と同様、工程(S4)までを行って、コンタクトホール26を有する第1カラーフィルタ層21を形成した後に、平坦化層27を形成し、コンタクトホール26と同じ位置において、平坦化層27にコンタクトホール26を形成する。
【0070】
あるいは、まず、工程(S4)において、コンタクトホール26を有しない第1カラーフィルタ層21を第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3に形成する。その後平坦化層27を形成し、平坦化層27および第1カラーフィルタ層21を貫通するコンタクトホール26を一括してエッチングにより形成してもよい。
【0071】
平坦化層27にコンタクトホール26を形成した後は、第1実施形態と同様の工程でアクティブマトリクス基板103を製造することができる。
【0072】
[第4実施形態]
本実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置は、コンタクトホールが、TFTの上方に位置している点で、第1実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置と異なっている。
【0073】
図11に示す本実施形態のアクティブマトリクス基板104において、TFT30のドレイン電極18’は、第2絶縁層16上に位置しており、平面視において、ゲート電極15と重なるようにTFT30内に引き出された部分18cを有している。
【0074】
コンタクトホール26は、平面視において、TFT30の上方に位置しており、画素電極23は、コンタクトホール26を介してドレイン電極18’の部分18cと接触し、電気的に接続されている。
【0075】
アクティブマトリクス基板104では、TFT30の下方に位置する遮光層11によって、コンタクトホール26には光が入射しない。一方、コンタクトホール26の形成する位置がアライメントずれによって、設計の位置から大きくずれ、コンタクトホール26が遮光層11の上方の領域の外側に位置するようになった場合でも、第1の実施形態で説明したように、コンタクトホール26における光漏れが抑制される。
【0076】
したがって、アクティブマトリクス基板104によれば、コンタクトホール26の形成時の位置ずれによる製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0077】
[第5実施形態]
第1実施形態では、同一画素内において、第1カラーフィルタ層21と第2カラーフィルタ層22とは同じ分光特性を有していた。これに対し、本実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置では、同一画素内において、第1カラーフィルタ層21と第2カラーフィルタ層22とで異なる分光特性を有する画素が存在する。
【0078】
図12A図12Bおよび図12Cは、本実施形態のアクティブマトリクス基板105の第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3の断面を示している。分かりやすさのため、図12A図12Bおよび図12Cでは、第1波長帯域、第2波長帯域および第3波長帯域をそれぞれ青色帯域B、緑色帯域Gおよび赤色帯域Rであるとし、参照符号にこれらのアルファベットを付加している。例えば、第1画素Px1における第1波長帯域を通過させる第1カラーフィルタ層21を「21B」で示している。ただし、第1波長帯域、第2波長帯域および第3波長帯域と青色帯域B、緑色帯域Gおよび赤色帯域Rとの対応はこの例に限られず、第1波長帯域が赤色帯域等であってもよい。
【0079】
第1画素Px1において、第1カラーフィルタ層21Bは、第1波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層22Gは、第2波長帯域の光を透過させる。第2画素Px2において、第1カラーフィルタ層21Gおよび第2カラーフィルタ層22Gは、第2波長帯域の光を透過させる。また、第3画素Px3において、第1カラーフィルタ層21Rは、第3波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層22Gは、第2波長帯域の光を透過させる。
【0080】
第2画素Px2においては、第1カラーフィルタ層21Gおよび第2カラーフィルタ層22Gのフィルタの色は同じであるが、第1画素Px1および第3画素Px3では、第1カラーフィルタ層21と第2カラーフィルタ層22とで、フィルタの色が異なっている。このような画素では、コンタクトホール26に光を透過させないほうが好ましいため、第1画素Px1および第3画素Px3は、コンタクトホール26の下方に位置する遮光層29をさらに備えている。
【0081】
本実施形態のアクティブマトリクス基板105によれば、複数種の画素において、同じ分光特性の第2カラーフィルタ層22を配置するため、複数種の画素のうち、1つの画素では、第1実施形態で説明したように画素開口率を高めることができる。一方、コンタクトホール26に形成する第2カラーフィルタ層22は、1種類で済むため、第1の実施形態に比べて第2カラーフィルタ層22を形成する際の工程数を減らし、製造コストを低減させることができる。
【0082】
[第6実施形態]
本実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置では、異なる種類の画素において、青色の第2カラーフィルタ層を形成する点で、第1実施形態のアクティブマトリクス基板および液晶表示装置と異なっている。
【0083】
図13A図13Bおよび図13Cは、本実施形態のアクティブマトリクス基板106の第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3の断面を示している。第5実施形態と同様、図13A図13Bおよび図13Cでは、青色を透過させるフィルタ、緑色を透過させるフィルタおよび赤色を透過させるフィルタにそれぞれB、GおよびRのアルファベット付加した参照符号を付加している。第1画素Px1において、第1カラーフィルタ層21Bおよび第2カラーフィルタ層22Bは、青色波長帯域の光を透過させ、第2画素Px2において、第1カラーフィルタ層21Gは、緑色波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層22Bは、青色波長帯域の光を透過させ、第3画素Px3において、第1カラーフィルタ層21Rは、赤色波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層22Bは、青色波長帯域の光を透過させる。
【0084】
また、本実施形態では、第1画素Px1、第2画素Px2および第3画素Px3のそれぞれは、コンタクトホール26の下方に遮光層を有していない。
【0085】
本実施形態のアクティブマトリクス基板106によれば、第1画素Px1では、第1カラーフィルタ層21と、同じ分光特性の第2カラーフィルタ層22を配置するため、第1実施形態で説明したように画素開口率を高めることができる。
【0086】
一方第2画素および第3画素では、第1カラーフィルタ層と第2からフィルタ層の分光特性が異なる。しかし、一般に青色のフィルタは、透過率が低いため、コンタクトホール26の面積が小さい場合には、第2画素Px2(緑画素)および第3画素Px3(赤画素)における色ずれの影響は小さい。このため、遮光層を設けなくてもよい。例えば、各画素における開口面積が4μm×15μmであり、コンタクトホール26の面積が2μm×2μmである場合、コンタクトホール26が開口に占める割合は6.7%である。この場合、液晶表示装置の色域はNTSC比で2%程度の低下にとどまる。一方、第5実施形態で説明したように、コンタクトホール26に形成する第2カラーフィルタ層22が1種類で済むため、第1実施形態に比べて第2カラーフィルタ層22を形成する際の工程数を減らし、製造コストを低減させることができる。
【0087】
[他の形態]
本開示のアクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法は、上記実施形態に限られず、種々の改変を行ってもよい。例えば、上記実施形態は適宜組わせて実施することができる。例えば、第2実施形態と第3実施形態を組み合わせたり、第3実施形態と第6実施形態とを組み合わせて実施してもよい。また、本実施形態では、横電界モードの液晶表示装置を例示しているが、縦電界モードの液晶表示装置に、本開示のアクティブマトリクス基板等を適用してもよい。
【0088】
本開示のアクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法は、以下のようにも説明できる。
【0089】
第1の構成に係るアクティブマトリクス基板は、透光性の基板と、基板上に位置する複数の画素と、を備えたアクティブマトリクス基板であって、第1の構成に係る画素は、基板上に位置するTFTと、TFTを覆って基板に配置された第1カラーフィルタ層と、第1カラーフィルタ層に設けられたコンタクトホールと、コンタクトホールの底面および側面と第1カラーフィルタ層上とに位置し、コンタクトホールを介して、TFTと電気的に接続された画素電極と、コンタクトホール内に配置された第2カラーフィルタ層と、を備える。第1の構成によれば、コンタクトホールが光を透過するため、画素開口率を高めることができる。
【0090】
第2の構成は、第1の構成において、各画素が、画素電極と、第1カラーフィルタ層との間に位置する平坦化層をさらに備え、コンタクトホールが、平坦化層および第1カラーフィルタ層を貫通していてもよい。
【0091】
第3の構成は、第1または第2の構成において、画素電極が画素内において、第1カラーフィルタ層全体を覆っていてもよい。
【0092】
第4の構成は、第1~第3のいずれか1つの構成において、コンタクトホールの側面が、基板主面に対して45°以下の角度で傾斜していてもよい。
【0093】
第5の構成は、第1~第4のいずれか1つの構成において、各画素が、TFTから外側に引き出され、TFTと画素電極とを電気的に接続する引き出し電極を有し、第1カラーフィルタ層は、TFTおよび引き出し電極を覆っており、コンタクトホールは、引き出し電極上に位置していてもよい。
【0094】
第6の構成は、第1~第4のいずれか1つの構成において、コンタクトホールが、TFTの上方に位置していてもよい。
【0095】
第7の構成は、第1~第6のいずれか1つの構成において、第1カラーフィルタ層と第2カラーフィルタ層とは同じ波長帯域の光を透過させてもよい。
【0096】
第8の構成は、第1~第6のいずれか1つの構成において、複数の画素が、互いに隣接した第1画素、第2画素および第3画素を含み、第1画素において、第1カラーフィルタ層および第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、第2画素において、第1カラーフィルタ層および第2カラーフィルタ層は、第2波長帯域の光を透過させ、第3画素において、第1カラーフィルタ層および第2カラーフィルタ層は、第3波長帯域の光を透過させ、第1波長帯域、第2波長帯域および第3波長帯域は互いに異なっていてもよい。
【0097】
第9の構成は、第1~第6のいずれか1つの構成において、複数の画素が、互いに隣接した第1画素、第2画素および第3画素を含み、第1画素において、第1カラーフィルタ層および第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、第2画素において、第1カラーフィルタ層は、第2波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、第3画素において、第1カラーフィルタ層は、第3波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層は、第1波長帯域の光を透過させ、第1波長帯域、第2波長帯域および第3波長帯域は互いに異なり、第2画素および第3画素のそれぞれは、コンタクトホールの下方に位置する遮光層をさらに備えていてもよい。
【0098】
第10の構成は、第1~第6のいずれか1つの構成において、複数の画素が、互いに隣接した第1画素、第2画素および第3画素を含み、第1画素において、第1カラーフィルタ層および第2カラーフィルタ層は、青色波長帯域の光を透過させ、第2画素において、第1カラーフィルタ層は、緑色波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層は、青色波長帯域の光を透過させ、第3画素において、第1カラーフィルタ層は、赤色波長帯域の光を透過させ、第2カラーフィルタ層は、青色波長帯域の光を透過させ、第1画素、第2画素および第3画素のそれぞれは、コンタクトホールの下方に遮光層を有していなくてもよい。
【0099】
第11の構成は、第1~第10のいずれか1つの構成において、画素電極を覆って基板上に位置する絶縁膜と、絶縁膜上に位置する共通電極とをさらに備えていてもよい。
【0100】
第12の構成に係る液晶表示装置は、第1~第11のいずれか1つの構成のアクティブマトリクス基板と、対向基板と、アクティブマトリクス基板と対向基板との間に位置する液晶層とを備える。
【0101】
第13の構成に係るアクティブマトリクス基板の製造方法は、複数の画素領域を有する透光性の基板と、複数の画素領域にそれぞれ位置する複数の画素と、を備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、各画素領域において、TFTを形成する工程(A)と、TFTを覆って、コンタクトホールを有する第1カラーフィルタ層を形成する工程(B)と、コンタクトホールの側面および底面と、第1カラーフィルタ層上に画素電極を形成する工程(C)と、コンタクトホール内に第2カラーフィルタ層を形成する工程(D)と、を含む。
【0102】
第14の構成は、第13の構成において、工程(D)が、コンタクトホール内および第1カラーフィルタ層を覆って第2カラーフィルタ膜を形成する工程と、工程(C)においてコンタクトホールを形成するマスクパターンよりも小さいマスクパターンを用いて第2カラーフィルタ膜を成形することにより、第2カラーフィルタ層を形成する工程と、を含んでいてもよい。
【0103】
第15の構成は、第13または第14の構成において、工程(C)において、画素電極が、第1カラーフィルタ層全体を覆っており、工程(D)は、少なくともコンタクトホール内の第2カラーフィルタ層の一部をエッチングによって除去する工程を含んでいてもよい。
【0104】
第16の構成は、第13~第15のいずれか1つの構成において、工程(B)が、第1カラーフィルタ層上に、コンタクトホールを規定する開口を有するマスクを形成する工程と、マスクを用い、等方性エッチング、または、縦方向よりも横方向のエッチング速度が大きいエッチング条件によって、第2カラーフィルタ層の一部をエッチングする工程と、を含んでいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示のアクティブマトリクス基板、液晶表示装置およびアクティブマトリクス基板の製造方法は、種々の用途の液晶表示装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
10…基板、11…遮光層、12…第1絶縁層、13…半導体層、14…ゲート絶縁層、15…ゲート電極、16…第2絶縁層、16h…コンタクトホール、17…ソース電極、18…ドレイン電極、18c…部分、19…引き出し電極、21…第1カラーフィルタ層、22…第2カラーフィルタ層、23…画素電極、24…第3絶縁層、25…共通電極、26…コンタクトホール、101~106…アクティブマトリクス基板、150…対向基板、160…液晶層、170…偏光板、180…シール、201…液晶表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C