(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016948
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】腸年齢の算出方法、腸年齢算出式の作成方法、被験者への情報の提示方法、および腸年齢調節物質のスクリーニング方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/04 20060101AFI20230126BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20230126BHJP
【FI】
C12Q1/04
C12Q1/6869 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195157
(22)【出願日】2022-12-06
(62)【分割の表示】P 2018075718の分割
【原出願日】2018-04-10
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、 研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム『真の社会イノベーションを実現する革新的「健やか力」創造拠点』委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504229284
【氏名又は名称】国立大学法人弘前大学
(71)【出願人】
【識別番号】507416805
【氏名又は名称】株式会社テクノスルガ・ラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】中路 重之
(72)【発明者】
【氏名】相馬 優樹
(72)【発明者】
【氏名】棟方 理
(57)【要約】
【課題】腸年齢を高精度に算出する手段を提供すること。
【解決手段】被験者の腸年齢を算出する方法は、腸内微生物叢試料における、Bacteroides属、Blautia属、Streptococcus属、Anaerostipes属、Bifidobacterium属、Roseburia属、Parabacteroides属、Fusicatenibacter属、及びRuminococcus属からなる群より選ばれる3以上の存在割合を説明変数として含む腸年齢算出式と、被験者の腸内微生物叢試料中の前記説明変数をなす属の存在割合とに基づいて、腸年齢を算出する工程を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の腸年齢を算出する方法であって、
腸内微生物叢試料における、Bacteroides属、Blautia属、Streptococcus属、Anaerostipes属、Bifidobacterium属、Roseburia属、Parabacteroides属、Fusicatenibacter属、及びRuminococcus属からなる群より選ばれる3以上の存在割合を説明変数として含む腸年齢算出式と、被験者の腸内微生物叢試料中の前記説明変数をなす属の存在割合とに基づいて、腸年齢を算出する工程を有する方法。
【請求項2】
前記腸年齢算出式は、0.060以上の決定係数を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
複数名の腸内微生物叢試料からなる母集団において、80%以上の前記試料に含まれる腸内微生物の科または属を選別し、
前記複数名の実年齢と、前記科または属の3以上の存在割合とを用いて、0.060以上の決定係数を有する腸年齢算出式を設計する工程を有する腸年齢算出式の作成方法。
【請求項4】
前記母集団は、男女別のサブ母集団を含み、
前記腸年齢算出式は、前記サブ母集団ごとに設計される男性または女性専用の式である請求項3記載の方法。
【請求項5】
被験者の腸年齢を算出する方法であって、
請求項3または4記載の方法で作成された腸年齢算出式と、被験者の腸内微生物叢試料中の、前記腸年齢算出式の説明変数をなす属の存在割合とに基づいて、腸年齢を算出する工程を有する方法。
【請求項6】
被験者に情報を提示する方法であって、
請求項1、2または5記載の方法により、被験者の腸年齢を算出する工程と、
前記腸年齢が目標年齢にない場合、前記腸年齢を目標年齢の方に誘導可能な事項としてデータベースに登録されている情報を提示する工程と、を有する方法。
【請求項7】
腸年齢を調節する物質をスクリーニングする方法であって、
請求項1、2または5記載の方法で算出される腸年齢に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腸年齢の算出方法、腸年齢算出式の作成方法、被験者への情報の提示方法、および腸年齢調節物質のスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腸内微生物は人の健康状態、疾病発生に大きく関与している可能性があり、腸内微生物に関する研究が盛んになっている。本発明者らは、特許文献1において、腸内微生物の存在割合に基づき腸年齢を算出するシステムを開示したが、その算出精度には向上の余地がある。
【0003】
また、特許文献2~5には、腸内微生物の存在割合に基づき、被験者が老齢タイプまたは若齢タイプのいずれであるかを判別する方法や、被験者の腸年齢が何十歳台かを推定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-165716号公報
【特許文献2】特開2015-188379号公報
【特許文献3】特開2015-188380号公報
【特許文献4】特開2016-214108号公報
【特許文献5】特開2016-214109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来技術は、腸年齢の算出精度が不十分であるか、老若または何十歳台という大雑把な腸年齢の推定にしか対応していない。
【0006】
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、腸年齢を高精度に算出する手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、腸年齢算出式の説明変数に、保菌率の高い微生物の科または属の3以上の存在割合を含めることで、被験者の腸年齢を汎用的に高精度で算出できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
【0008】
(1) 被験者の腸年齢を算出する方法であって、
腸内微生物叢試料における、Bacteroides属、Blautia属、Streptococcus属、Anaerostipes属、Bifidobacterium属、Roseburia属、Parabacteroides属、Fusicatenibacter属、及びRuminococcus属からなる群より選ばれる3以上の存在割合を説明変数として含む腸年齢算出式と、被験者の腸内微生物叢試料中の前記説明変数をなす属の存在割合とに基づいて、腸年齢を算出する工程を有する方法。
【0009】
(2) 前記腸年齢算出式は、0.060以上の決定係数を有する(1)記載の方法。
【0010】
(3) 複数名の腸内微生物叢試料からなる母集団において、80%以上の前記試料に含まれる腸内微生物の科または属を選別し、
前記複数名の実年齢と、前記科または属の3以上の存在割合とを用いて、0.060以上の決定係数を有する腸年齢算出式を設計する工程を有する腸年齢算出式の作成方法。
【0011】
(4) 前記母集団は、男女別のサブ母集団を含み、
前記腸年齢算出式は、前記サブ母集団ごとに設計される男性または女性専用の式である(3)記載の方法。
【0012】
(5) 被験者の腸年齢を算出する方法であって、
(3)または(4)記載の方法で作成された腸年齢算出式と、被験者の腸内微生物叢試料中の、前記腸年齢算出式の説明変数をなす属の存在割合とに基づいて、腸年齢を算出する工程を有する方法。
【0013】
(6) 被験者に情報を提示する方法であって、
(1)、(2)または(5)記載の方法により、被験者の腸年齢を算出する工程と、
前記腸年齢が目標年齢にない場合、前記腸年齢を目標年齢の方に誘導可能な事項としてデータベースに登録されている情報を提示する工程と、を有する方法。
【0014】
(7) 腸年齢を調節する物質をスクリーニングする方法であって、
(1)、(2)または(5)記載の方法で算出される腸年齢に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程を有する方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、腸年齢算出式の説明変数に、保菌率の高い微生物の科または属の3以上の存在割合を含めることで、被験者の腸年齢を汎用的に高精度で算出できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
【0017】
本発明の一実施形態は、被験者の腸年齢を算出する方法であって、
腸内微生物叢試料における、Bacteroides属、Blautia属、Streptococcus属、Anaerostipes属、Bifidobacterium属、Roseburia属、Parabacteroides属、Fusicatenibacter属、及びRuminococcus属からなる群より選ばれる3以上の存在割合を説明変数として含む腸年齢算出式と、被験者の腸内微生物叢試料中の前記説明変数をなす属の存在割合とに基づいて、腸年齢を算出する工程を有する方法である。
これらの属は保菌率が高く、かつ、これらの属3以上の存在割合を説明変数として含む腸年齢算出式は決定係数が高い。このため、被験者の腸年齢を汎用的に高精度で算出できる。具体的に、弘前大学が保有する950名の腸内微生物叢試料からなる母集団において、上記科または属は90%以上の保菌率を有することが確認され、それらを説明変数として含む実年齢との回帰式が、男性で19.9%、女性で13.9%の決定係数を有することが実証されている。なお、本発明における腸年齢とは、(特開2016-214109の段落0002にあるように)腸内環境に基づいて決定された生物学的年齢を指す。
【0018】
腸年齢算出式は、0.060以上の決定係数を有することが好ましい。決定係数は、母集団、説明変数、係数によって調節される。決定係数は具体的には0.10以上、0.13以上、0.15以上、又は0.17以上であってよい。決定係数の上限は特に限定されないが、実年齢と異なる評価性能を備えた腸年齢を算出するという観点からは、0.7以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、又は0.20以下であってよい。
【0019】
説明変数は、上記科または属の3以上を含む限りにおいて、他の科または属を含んでいてもよく、含まなくてもよい。また、説明変数に含まれる上記科または属の数は、3以上であれば特に限定されず、決定係数と汎用性とのバランスで設定すればよい。例えば、上記科または属の4、5、6、7、8または9が説明変数に含まれ得る。これに対し、説明変数に含まれる上記科または属の数が0~2であると、腸年齢算出式の決定係数が低く、腸年齢の算出精度も低くなる。
【0020】
一つの腸年齢算出式の説明変数は、科または属の一方のみからなってもよく、科および属の組合せでなってもよい。ただし、説明変数同士の重複による決定係数と汎用性のバランス低下の観点では、科または属の一方のみからなるのが好ましい。
【0021】
なお、本発明者らの研究により、男性および女性の腸内微生物叢が異なる分布を示すことが分かってきた。このため、被験者の性別に応じ、腸年齢算出式を使い分けることが、算出精度の観点で好ましい。具体的に、男性用の腸年齢算出式は、Bacteroides属、Blautia属、Streptococcus属、Anaerostipes属、Bifidobacterium属、Roseburia属、Parabacteroides属、及びFusicatenibacter属の3以上を含むことが好ましい。また、女性用の腸年齢算出式は、Bacteroides属、Blautia属、Streptococcus属、Bifidobacterium属、Roseburia属、Parabacteroides属、Fusicatenibacter属、及びRuminococcus属の3以上を含むことが好ましい。
【0022】
また、腸年齢算出式は、BMI値、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣の1以上を調整(例えば影響を排除)した偏相関分析により作成してもよい(例えば、下の式)し、しなくてもよい。前者の場合、腸年齢の算出精度をより向上することができる。その調整は、ヒトの暦年齢や健康状態、腸内細菌叢に影響を与えうる肥満の状態や生活習慣(交絡因子)を考慮(数学的に相関関係を調整)しても、暦年齢と関連を示す腸内細菌(属)を選定することを目的に実施している。
【数1】
式中、x:腸内細菌の占有率、y:暦年齢、z:交絡因子(BMI、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣)を示す。
【0023】
腸内微生物叢試料中の腸内微生物の存在割合の決定は、任意の方法で行うことができる。腸内微生物叢試料は、特に限定されないが、動物(ヒト、サル、チンパンジー、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ等)の糞便検体であってよい。ただし、母集団の試料の採取箇所と、被験者の試料の採取箇所とは一致することが好ましい。また、腸内微生物の存在割合は、特に限定されないが、当該微生物に由来する16SrRNA遺伝子のDNA量やコピー数と、試料中の16SrRNA遺伝子のDNA量やコピー数の合計とを定量して、決定し得る。
【0024】
本発明の実施形態は、複数名の腸内微生物叢試料からなる母集団において、80%以上の前記試料に含まれる腸内微生物の科または属を選別し、
前記複数名の実年齢と、前記科または属の3以上の存在割合とを用いて、0.06以上の決定係数を有する腸年齢算出式を設計する工程を有する腸年齢算出式の作成方法、である。
これにより、被験者の腸年齢を汎用的に高精度で算出可能な腸年齢算出式を提供することができる。なお、決定係数の好ましい範囲は、前述のとおりである。
【0025】
上記科または属の母集団における保菌率は、特に限定されないが、過小だと算出精度および汎用性に欠け、過大であると条件を満たす科または属の数が不足し、結果的に算出精度および汎用性に欠けやすい。このため、保菌率は、85%以上、87%以上、90%以上、93%以上、または95%以上であってよく、99%以下、98%以下、97%以下、または96%であってよい。
【0026】
前記母集団は、男女別のサブ母集団を含み、
前記腸年齢算出式は、前記サブ母集団ごとに設計される男性または女性専用の式であってもよい。
被験者の性別に応じ、腸年齢算出式を使い分けることが、算出精度の観点で好ましい。
【0027】
本発明の実施形態は、被験者の腸年齢を算出する方法であって、
上記方法で作成された腸年齢算出式と、被験者の腸内微生物叢試料中の、前記腸年齢算出式の説明変数をなす属の存在割合とに基づいて、腸年齢を算出する工程を有する方法である。
腸年齢算出式の説明変数に、保菌率の高い微生物の科または属の3以上の存在割合を含めることで、被験者の腸年齢を汎用的に高精度で算出できる。
【0028】
以上の方法を実施する腸年齢算出装置は、入力部、コンピュータ本体、記憶部としての外部記憶装置、及び表示部を備えてよい。入力部は、腸年齢の算出を受ける者(試料を採取された者)の関連情報、試料の説明変数に係る計測値等を入力できるキーボードやマウス等を有する。腸年齢の算出を受ける者の関連情報としては、当該者の氏名、住所、性別、実年齢等が挙げられる。
【0029】
コンピュータ本体は、CPU(中央処理ユニット)の他に、メインメモリ、及び外部回路と接続するためのインターフェース回路(図示せず)等を備えてよい。
【0030】
外部記憶装置は、例えばハードディスク装置である。かかる外部記憶装置には、腸年齢算出式とともにデータベース等が記憶されていて、その内容が必要に応じてコンピュータ本体のメインメモリに読み出されて実行される。
【0031】
データベースは、腸年齢算出式を記憶し、新たな試料の説明変数測定値を入力部から逐次追加して記憶できる構造を有する。
【0032】
本発明の実施形態は、被験者に情報を提示する方法であって、
上記の方法により、被験者の腸年齢を算出する工程と、
前記腸年齢が目標年齢にない場合、前記腸年齢を目標年齢の方に誘導可能な事項としてデータベースに登録されている情報を提示する工程と、を有する方法である。
これにより、腸年齢の改善等に関する情報を、被験者にパーソナライズして提示することができる。なお、ここでいう情報は、物質(例えば、腸年齢を改善する説明変数をなす腸内微生物を含んでもよい)または物質含有製剤の名前、物質・製剤の用法・用量、身体状態の期待される改善の仕方や程度、副作用、食習慣や運動習慣等の生活習慣、身体に対する施術(例えば、腸年齢を改善する説明変数をなす腸内微生物の経口または直接投与)等を指す。
【0033】
目標年齢は、特に限定されずに適宜設定されてよいが、典型的には被験者の実年齢であってよい。
【0034】
一実施形態において、提示された情報に従った後の被験者の腸年齢を上記の方法により再度算出する工程と、
前記再度算出した腸年齢に基づき、前記情報をアップデートする工程と、をさらに有することが好ましい。
これにより、データベース内の情報が改良され、腸年齢の改善の確度等をより高めることが期待される。
【0035】
再度算出のタイミングは、特に限定されず、例えば、被験者が情報に従い始めた後に腸年齢の改善が期待される(データベース内の情報に含まれ得る)時間が経過した時であってよい。
【0036】
本発明の別の実施形態は、腸年齢を調節する物質をスクリーニングする方法であって、
上記の方法で算出される腸年齢に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程を有する方法である。
これにより、腸年齢を調節する物質を高確率でスクリーニングすることが期待される。
【0037】
なお、本発明におけるスクリーニングとは、腸年齢を調節する物質の存在確率が、スクリーニング後の候補物質群においてスクリーニング前の候補物質群に比べて高まっていれば足り、スクリーニング後の候補物質が必ず腸年齢を調節できることを要しない。したがって、スクリーニングされた候補物質が、腸年齢を調節する効果を有することを確認する工程をさらに行うことが好ましい。
【実施例0038】
男性386人、女性564人の糞便サンプル(母集団)からDNAを抽出し、常法のシークエンシング技術により16SRNA配列を解析し、腸内微生物叢を特定した。
【0039】
保菌率が高い微生物の属を、男性の糞便サンプルについて表1に、女性の糞便サンプルについて表2に示す。
【0040】
【0041】
【0042】
表1及び2の微生物のうち保菌率90%以上の微生物3以上を説明変数として、各サンプルが由来する被験者の年齢との重回帰式を種々作成した。代表的な式に関する情報を表3に示す。
【0043】
【0044】
一方、表1及び2の微生物のうち保菌率90%以上の微生物2つを説明変数として、各サンプルが由来する被験者の年齢との重回帰式を作成した。この結果を表4に示す。なお、Enterobacteriaceae科およびLachnospiraceae科は、特許文献2~5に開示の微生物のうち、本実施例の母集団における保菌率が90%以上であった微生物である。
【0045】
【0046】
表3及び4に示されるように、保菌率90%以上の微生物2つを説明変数とするよりも、保菌率90%以上の微生物3以上を説明変数とする方が、式の年齢に対する決定係数が高く、腸年齢の算出精度が高いことが分かった。
【0047】
【0048】
【0049】
また、表5及び6に示されるように、年齢との相関は、Enterobacteriaceae科およびLachnospiraceae科よりも、表3に示す腸年齢の方が高かった。
【0050】
このように、保菌率が高い微生物を選別し、その中から3以上を説明変数として用いて、決定係数の高い式を作るという本発明のアプローチは、各微生物の存在割合と年齢との相関性のみに着目し、保菌率に着目しない従来の式作成アプローチと全く異なることが分かる。