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  • 特開-電子ユニット 図1
  • 特開-電子ユニット 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169491
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】電子ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20231122BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
H01R12/71
H05K1/14 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080628
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 潤
【テーマコード(参考)】
5E223
5E344
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AC19
5E223BA01
5E223BA06
5E223BA07
5E223BB01
5E223CB24
5E223CC11
5E223CD15
5E223DA23
5E223DA25
5E223DB01
5E223DB08
5E223DB13
5E344AA02
5E344AA12
5E344AA15
5E344AA23
5E344BB02
5E344BB06
5E344BB08
5E344BB10
5E344CD14
5E344CD18
5E344DD07
5E344EE30
(57)【要約】
【課題】構成部品点数を削減することができる電子ユニットを提供する。
【解決手段】電子ユニット1は、第1基板2Aと、第1基板2Aと対向方向Zの一方側において対向する第2基板2Bと、第1基板2Aから対向方向Zの一方側に向けて延在する第1端子5Aと、第2基板2Bから対向方向Zの一方側に向けて延在する第2端子5Bとを備える。第1端子5Aは、当該第1端子5Aの対向方向Zに沿った長さが第2端子5Bの対向方向Zに沿った長さより相対的に長く形成されている。第1端子5A及び第2端子5Bは、第1基板2Aと第2基板2Bとが対向方向Zに対向して配置された対向状態において、第2基板2Bにおける直線状に形成された一辺の基板端2Baを挟んで対向方向と直交する方向の一方側と他方側に位置し、1つのコネクタCに接続可能な位置に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と対向方向の一方側において対向する第2基板と、
前記第1基板から前記対向方向の前記一方側に向けて延在する少なくとも1つの第1端子と、
前記第2基板から前記対向方向の前記一方側に向けて延在する少なくとも1つの第2端子と、を備え、
前記第1端子は、
当該第1端子の前記対向方向に沿った長さが前記第2端子の前記対向方向に沿った長さより相対的に長く形成されており、
前記第1端子及び前記第2端子は、
前記第1基板と前記第2基板とが前記対向方向に対向して配置された対向状態において、前記第2基板における直線状に形成された一辺の基板端を挟んで前記対向方向と直交する方向の一方側と他方側に位置し、かつ1つの相手側コネクタに接続可能な位置に配置される、
ことを特徴とする電子ユニット。
【請求項2】
前記対向方向の前記一方側に開口する開口部を有し、内部に前記第1基板及び前記第2基板を収容する筐体本体と、
前記筐体本体に対して前記対向方向の他方へ積層し、前記開口部を閉塞する蓋体と、をさらに備え、
前記蓋体は、
前記第1端子及び前記第2端子を前記相手側コネクタと接続可能に挿通し、前記相手側コネクタが嵌合されるコネクタ部を有する、
請求項1に記載の電子ユニット。
【請求項3】
前記第1基板は、
パワーモジュールを含む第1回路を構成し、
前記第2基板は、
制御回路を含む第2回路を構成し、
前記第2基板は、
前記対向状態において、前記対向方向の前記一方側から見た場合、前記第1基板より相対的に小さい、
請求項1または2に記載の電子ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント回路基板に実装された、いわゆるPCB(printed circuit board)コネクタに対して、ワイヤハーネス側のコネクタを接続して基板とワイヤハーネスとの電気的な接続が行われている。例えば、複数の基板が搭載されたECU(Electronic Control Unit)では、基板ごとにPCBコネクタが実装されている。また、Board to Board(BtoB)ピンヘッダ等で電気的に接続された2枚の基板のうち、一方の基板にPCBコネクタを搭載し、他方の基板から一方の基板を経由して、基板とワイヤハーネスとを電気的に接続するものもある。
【0003】
また、2枚の基板を対向して配置し、一方の基板に実装された雌型コネクタに長さの異なる2本の雄端子を収容し、一方の雄端子を一方の基板に電気的に接続し、他方の雄端子を他方の基板に電気的に接続する、基板とコネクタとの接続構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-204113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来技術では、基板ごとにPCBコネクタが必要であったり、2つの基板を電気的に接続するためにBtoBピンヘッダ等が必要であることから、構成部品点数の観点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、構成部品点数を削減することができる電子ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子ユニットは、第1基板と、前記第1基板と対向方向の一方側において対向する第2基板と、前記第1基板から前記対向方向の前記一方側に向けて延在する少なくとも1つの第1端子と、前記第2基板から前記対向方向の前記一方側に向けて延在する少なくとも1つの第2端子と、を備え、前記第1端子は、当該第1端子の前記対向方向に沿った長さが前記第2端子の前記対向方向に沿った長さより相対的に長く形成されており、前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1基板と前記第2基板とが前記対向方向に対向して配置された対向状態において、前記第2基板における直線状に形成された一辺の基板端を挟んで前記対向方向と直交する方向の一方側と他方側に位置し、かつ1つの相手側コネクタに接続可能な位置に配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子ユニットによれば、構成部品点数を削減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る電子ユニットの概略構成を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電子ユニットの概略構成を示す平面図である。
図3図3は、実施形態に係る電子ユニットの概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。すなわち、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0011】
[実施形態]
本実施形態に係る電子ユニット1は、例えば、自動車等の車両に搭載される。電子ユニット1は、図1に示すように、外部からワイヤハーネスWHが接続される。
【0012】
ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される電源と各種電子機器(不図示)との接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを電源または各電子部品に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、図1図3に示すように、例えば、配索材Wと、コネクタCとを含んで構成される。配索材Wは、例えば、導電性を有する複数の金属素線を束ねた芯線を、絶縁被覆部によって被覆した絶縁電線である。コネクタCは、配索材Wの端末に取付けられ、例えば、接続相手とコネクタ嵌合することで当該接続相手との間に電気的な接続部位を形成し配索材Wと接続相手とを導通接続するものである。コネクタCは、ハウジングの内部に配索材Wの端末に設けられた複数のコネクタ端子Pを収容し保持する。ここでは、コネクタ端子Pは、メス端子である。コネクタ端子Pは、接続相手の嵌合部に収容された接続相手のコネクタ端子に接続可能である。ワイヤハーネスWHは、複数の配索材Wを束ねて集約すると共に、束ねられた配索材Wの端末に設けられたコネクタCを介して電子ユニット1が電気的に接続される。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、外装材、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0013】
電子ユニット1は、図1図2に示すように、電子部品3Aが実装された第1基板2Aと、電子部品3Bが実装された第2基板2Bとを含んで構成される。電子部品は、例えば、ヒューズ、コンデンサ、リレー、抵抗、トランジスタ、トランス、コイル、IPS(Intelligent Power Switch)、マイコン等を含むECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)、各種センサ、LED(Light Emitting Diode)、スピーカ等であるが、これらに限られない。また、図示例には、第1基板2Aには、1つの電子部品3Aが実装されているが、これに限定されず、複数の電子部品3Aが実装されていてもよい。同様に、第2基板2Bには、1つの電子部品3Bが実装されているが、これに限定されず、複数の電子部品3Bが実装されていてもよい。
【0014】
なお、以下の説明では、図示のX方向は、本実施形態における電子ユニット1の幅方向である。Y方向は、本実施形態における電子ユニット1の奥行き方向であり、幅方向と直交する方向である。Z方向は、本実施形態における電子ユニット1の対向方向であり、幅方向及び奥行き方向と直交する方向である。上記各方向は、それぞれ「幅方向X」、「奥行き方向Y」、「対向方向Z」と表記する。特に、幅方向Xの一方をX1方向、他方をX2方向とする。また、対向方向Zの一方をZ1方向、他方をZ2方向とする。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、電子ユニット1が当該電子ユニット1の取付け対象となる装置または機器に適正な位置関係で組み付けられた状態での方向として説明する。また、対向方向Zは、電子ユニット1の上下方向に沿う方向であるが、鉛直方向に沿うものであってもよい。
【0015】
第1基板2A及び第2基板2Bは、上述した電子部品3A,3Bが実装され、これらを電気的に接続する電気回路を構成するものである。第1基板2A及び第2基板2Bは、図1及び図2に示すように、例えば、対向方向Zの一方(Z1方向)から見た場合、矩形状に形成され、各辺が幅方向X及び奥行き方向Yに沿って延在する。第1基板2A及び第2基板2Bは、いわゆるプリント回路基板(Printed Circuit Board)である。第1基板2A及び第2基板2Bは、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁性の材料からなる絶縁層に、銅等の導電性の材料によって配線パターン(プリントパターン)が印刷されることで当該配線パターンによって回路が構成される。第1基板2A及び第2基板2Bは、各第1基板2A,第2基板2Bの板厚方向に沿って貫通して形成される複数のスルーホール(不図示)及び/または非スルーホールを有する。各ホールには、電子部品3A,3Bのリード線(不図示)や後述する第1端子5A、第2端子5Bが挿入され半田付け等によって回路に電気的に接続される。
【0016】
第1基板2Aは、第1回路6Aを構成する(図2参照)。第1回路6Aは、例えば、パワーモジュールを含むものである。パワーモジュールは、電源と各種電子機器との間に介在して電源分配するモジュールであり、例えば、トランジスタ、ダイオード、FET(Field Effect Transistor)、サイリスタなどの素子が組み合わされて構成されるものである。第1基板2Aは、対向方向Zの一方(Z1方向)側に実装面4Aが形成され、当該実装面4Aに電子部品3A等が実装される。つまり、第1回路6Aは、電子部品3Aを含んで構成される。第1基板2Aは、2つの第1端子5Aを有する。
【0017】
第1端子5Aは、第1基板2Aから対向方向Zの一方(Z1方向)に向けて延在する。第1端子5Aは、第1基板2Aの実装面4AからZ1方向側に向けて突出するように配置される。第1端子5Aは、対向方向Zの一方(Z1方向)側の端部が、ワイヤハーネスWHのコネクタCに接続される。つまり、第1端子5Aは、対向方向Zの一方(Z1方向)側の端部が、1つの相手側コネクタであるコネクタCの内部に収容されたコネクタ端子Pに接続され、当該コネクタ端子Pを介して配索材Wに電気的に接続される。
【0018】
第1端子5Aは、対向方向Zの他方(Z2方向)側の端部が、実装面4Aに設けられたスルーホールまたは非スルーホールに挿入され、例えば半田付け等によって固定される。つまり、第1端子5Aは、対向方向Zの他方(Z2方向)側の端部が、第1基板2Aの実装面4Aに固定され、かつ第1回路6Aに電気的に接続される。第1端子5Aは、当該第1端子5Aの対向方向Zに沿った長さが第2端子5Bの対向方向Zに沿った長さより相対的に長く形成されている。より具体的には、第1端子5Aは、当該第1端子5Aが第1基板2Aに固定された状態において、第1基板2Aから露出する部分の長さが、第2端子5Bが第2基板2Bに固定された状態における第2基板2Bから露出する部分の長さより相対的に長く形成される。
【0019】
第2基板2Bは、第1回路6Aと異なる第2回路6Bを構成する。第2回路6Bは、例えば、制御回路を含むものである。つまり、第2回路6Bは、第1回路6Aとは異なる回路構成を有する。第2基板2Bは、対向方向Zの一方(Z1方向)側に実装面4Aが形成され、当該実装面4Aに電子部品3A等が実装される。つまり、第2回路6Bは、電子部品3Bを含んで構成される。第2基板2Bは、第1基板2Aと第2基板2Bとが対向方向Zに対向して配置された対向状態において、対向方向Zの一方(Z1方向)から見た場合、第1基板2Aより相対的に小さい。第2基板は、2つの第2端子5Bを有する。
【0020】
第2端子5Bは、第1基板2Aから対向方向Zの一方(Z1方向)に向けて延在する。第2端子5Bは、第2基板2Bの実装面4BからZ1方向側に向けて突出するように配置される。第2端子5Bは、対向方向Zの一方(Z1方向)側の端部が、ワイヤハーネスWHのコネクタCに接続される。つまり、第2端子5Bは、対向方向Zの一方(Z1方向)側の端部が、コネクタCの内部に収容された他のコネクタ端子Pに接続され、当該他のコネクタ端子Pを介して他の配索材Wに電気的に接続される。ここで、他のコネクタ端子Pは、第1端子5Aに接続されるコネクタ端子Pと異なるコネクタ端子である。他の配索材Wは、第1端子5Aにコネクタ端子Pを介して接続された配索材Wと異なる配索材である。
【0021】
第2端子5Bは、対向方向Zの他方(Z2方向)側の端部が、実装面4Bに設けられたスルーホールまたは非スルーホールに挿入され、例えば半田付け等によって固定される。つまり、第2端子5Bは、対向方向Zの他方(Z2方向)側の端部が、第2基板2Bの実装面4Bに固定され、かつ第2回路6Bに電気的に接続される。第2端子5Bは、当該第2端子5Bの対向方向Zに沿った長さが第1端子5Aの対向方向Zに沿った長さより相対的に短く形成されている。より具体的には、第2端子5Bは、当該第2端子5Bが第2基板2Bに固定された状態において、第2基板2Bから露出する部分の長さが、第1端子5Aが第1基板2Aに固定された状態における第1基板2Aから露出する部分の長さより相対的に短く形成される。
【0022】
第1端子5A及び第2端子5Bは、当該第1基板2Aと当該第2基板2Bとが対向方向Zに対向して配置された対向状態において、第2基板2Bにおける直線状に形成された一辺の基板端2Baを挟んで対向方向と直交する方向の一方側と他方側に位置する。基板端Baは、矩形状に形成された第2基板2Bの四辺のうちの一辺である。基板端Baは、第2基板2Bに設けられた2つの第2端子5Bの配列方向(幅方向X)に沿って直線状に形成される。基板端Baは、第1基板2Aと当該第2基板2Bとが対向方向に対向して配置された対向状態において、対向方向Zの一方(Z1方向)から見た場合、第1基板2Aの実装面4A上に位置する。また、基板端Baは、上記対向状態において、2つの第1端子5Aに対して幅方向Xにそれぞれ対向する。そして、第1端子5A及び第2端子5Bは、第1基板2Aと第2基板2Bとが対向方向Zに対向して配置された対向状態において、第2基板2Bにおける基板端2Baを挟んで対向方向Zと直交する幅方向Xの一方(X1方向)と他方(X2方向)に位置し、1つのコネクタCに接続可能な位置に配置される。
【0023】
本実施形態に係る電子ユニット1は、図3に示すように、例えば筐体本体20の内部に収容される。この場合、電子ユニット1は、第1基板2Aと、第2基板2Bと、第1端子5Aと、第2端子5Bと、筐体本体20と、蓋体21とを含んで構成される。
【0024】
筐体本体20は、例えば絶縁性の合成樹脂等を用いて形成される。筐体本体20は、内部に第1基板2A及び第2基板2Bを収容する。筐体本体20は、対向方向Zの一方(Z1方向)側に開口する開口部20aを有する。開口部20aは、蓋体21により閉塞される。
【0025】
蓋体21は、筐体本体20と同様に、例えば絶縁性の合成樹脂等を用いて形成される。蓋体21は、筐体本体20に対して対向方向Zの一方(Z1方向)に積層し、開口部20aを閉塞するものである。蓋体21は、ワイヤハーネスWHのコネクタCが嵌合されるコネクタ部22を有する。コネクタ部22は、内部に第1端子5A及び第2端子5Bを収容している。コネクタ部22は、蓋体21の上面部21aに形成される。コネクタ部22は、ワイヤハーネスWHにおけるコネクタCの接続相手である。コネクタ部22は、蓋体21において、第1端子5A及び第2端子5BをコネクタCと接続可能に挿通し、かつコネクタCが嵌合される部分である。
【0026】
上記のように構成される電子ユニット1は、上記対向状態において、ワイヤハーネスWHのコネクタCがコネクタ部22に嵌合され、各コネクタ端子Pが第1端子5A及び第2端子5Bに接続することにより、当該電子ユニット1とワイヤハーネスWHとが導通接続する。これにより、第1基板2Aにおける第1回路6A及び第2基板2Bにおける第2回路6Bは、車両に搭載される電源や各種電子機器との間でワイヤハーネスWHが介して電気的に接続される。この結果、第1基板2Aと第2基板2BとをBtoBピンヘッダ等を利用して電気的に接続することなく、1つのコネクタCでワイヤハーネスWHと電気的に接続することが可能となる。また、第1回路6A及び第2回路6Bは、一方がパワーモジュールを含む回路であり、他方が制御回路を含む回路であることから、電子ユニット1にワイヤハーネスWHを接続することで、これらを電気的に接続することが可能となる。つまり、ワイヤハーネスWHにおいて、第1端子5Aに接続される配索材Wと第2端子5Bに接続される他の配索材Wとを結線することで、第1回路6Aと第2回路6Bとを電気的に接続することができる。
【0027】
以上で説明した本実施形態に係る電子ユニット1は、第1端子5A及び第2端子5Bが、第1基板2Aと第2基板2Bとが対向方向Zに対向して配置された対向状態において、第2基板2Bにおける基板端2Baを挟んで対向方向Zと直交する幅方向Xの一方(X1方向)と他方(X2方向)に位置し、1つのコネクタCに接続可能な位置に配置される。
【0028】
上記構成により、本実施形態に係る電子ユニット1は、サイズの異なる2枚の基板が対向方向Zに配置された従来の電子ユニットに比して、基板ごとに必要であったPCBコネクタを削減することができる。また、電子ユニット1は、第1基板2Aと第2基板2Bとを電気的に接続するためのBtoBピンヘッダ等が不要となるので、電子ユニットを構成する部品点数を削減することができる。この結果、電子ユニット1は、構成部品点数を減らすことで、低コスト化を図ると共に、ユニットの小型化を図ることができる。
【0029】
また、本実施形態に係る電子ユニット1は、内部に第1基板2A及び第2基板2Bを収容する筐体本体20と、筐体本体20の開口部20aを閉塞する蓋体21とを有する。蓋体21は、第1端子5A及び第2端子5BをコネクタCと接続可能に挿通し、コネクタCが嵌合されるコネクタ部22を有する。これにより、例えば、蓋体21と、コネクタCに嵌合されるコネクタブロックを別個に用意する必要がなくなり、構成部品点数を削減することができる。
【0030】
なお、上記実施形態では、電子ユニット1は、コネクタCと嵌合するコネクタ部22が、蓋体21に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、コネクタCと嵌合可能なコネクタブロックを第1基板2A及び/または第2基板2B上に設ける構成であってもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、第1基板2A及び第2基板2Bは、対向方向Zの一方(Z1方向)側に実装面4A,4Bが形成されているが、これに限定されるものではない。この場合、第1基板2A及び第2基板2Bは、対向方向Zの他方(Z2方向)側に実装面が形成されていてもよいし、対向方向Zの両面に実装面が形成されていてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、第1端子5A及び第2端子5Bは、第1基板2A及び第2基板2Bに対してそれぞれ2つずつ配置されているが、この数に限定されるものではない。この場合、第1端子5A及び第2端子5Bは、第1基板2A及び第2基板2Bに対してそれぞれ1つずつ配置されていてもよいし、幅方向X及び/または奥行き方向Yにそって3つ以上ずつ配置されていてもよい。また、第1端子5A及び第2端子5Bは、第1基板2A及び第2基板2Bに対してそれぞれ同数配置されているが、同数に限定されるものではない。
【0033】
また、上実施形態では、第1端子5Aは、第2基板2Bの基板端Baに対して離間して配置されているが、これに限定されず、基板端Baの絶縁部分に接触して配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 電子ユニット
2A 第1基板
2B 第2基板
3A,3B 電子部品
5A 第1端子
5B 第2端子
6A 第1回路
6B 第2回路
20 筐体本体
20a 開口部
21 蓋体
22 コネクタ部
C コネクタ(相手側コネクタ)
P コネクタ端子
W 配索材
WH ワイヤハーネス
図1
図2
図3