特開 2023-169499 グロメット

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023169499

(43)【公開日】2023-11-30

(54)【発明の名称】グロメット

(51)【国際特許分類】

   H02G 3/22 20060101AFI20231122BHJP

   H01B 17/58 20060101ALI20231122BHJP

【ＦＩ】

H02G3/22

H01B17/58 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022080637

(22)【出願日】2022-05-17

(71)【出願人】

【識別番号】000006895

【氏名又は名称】矢崎総業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001771

【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所

(72)【発明者】

【氏名】義村 克也

(72)【発明者】

【氏名】大竹 一史

【テーマコード（参考）】

5G333

5G363

【Ｆターム（参考）】

5G333AA09

5G333AB16

5G333AB22

5G333AB28

5G333CC04

5G333DA03

5G333EA01

5G363AA16

5G363BA01

5G363CB08

(57)【要約】

【課題】配索材の軸長の公差を吸収させること。
【解決手段】配索材Ｗｅの直線部を挿通させる挿通路１ａが形成されたグロメット本体１Ａと、グロメット本体の外で当該グロメット本体に連接された連接体１Ｂと、を有し、連接体は、２つの空間の間で配索材を通す配索材挿通孔５０２ａが双方の空間側に各々設けられた収容室５０２に収容され、この収容室で直線部の配索軸方向に相対移動自在に保持される保持体４０Ａと、保持体をグロメット本体に連結させる連結体４０Ｂと、を有し、連結体は、グロメット本体と保持体との間を繋ぎ、かつ、配索軸方向に交差させ、かつ、配索軸方向への可撓性を持たせた壁体であり、保持体は、収容室における２つの配索材挿通孔側の内壁５０２ｂに対して配索軸方向に隙間を空け得る形状で、かつ、連結体の撓みに伴い変形してその一部を２つの配索材挿通孔の内の何れか一方に侵入させ得る形状に形成されること。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

配索材の直線部を挿通させる挿通路が形成されたグロメット本体と、
前記グロメット本体の外で当該グロメット本体に連接された連接体と、
を有し、
前記連接体は、２つの空間の間で前記配索材を通す配索材挿通孔が双方の前記空間側に各々設けられた収容室に収容され、この収容室で前記直線部の配索軸方向に相対移動自在に保持される保持体と、前記保持体を前記グロメット本体に連結させる連結体と、を有し、
前記連結体は、前記グロメット本体と前記保持体との間を繋ぎ、かつ、前記配索軸方向に交差させ、かつ、前記配索軸方向への可撓性を持たせた壁体であり、
前記保持体は、前記収容室における２つの前記配索材挿通孔側の内壁に対して前記配索軸方向に隙間を空け得る形状で、かつ、前記連結体の撓みに伴い変形してその一部を２つの前記配索材挿通孔の内の何れか一方に侵入させ得る形状に形成されることを特徴としたグロメット。

【請求項2】

前記保持体は、前記配索軸方向にスリットを入れた環状体として形成され、
前記連結体は、前記保持体の内周面側を前記グロメット本体の外周面側に連結させる壁体として形成されることを特徴とした請求項１に記載のグロメット。

【請求項3】

前記グロメット本体は、
前記挿通路が前記配索軸方向に二分割された一方の挿通溝をそれぞれの前記配索軸方向の向きを合わせて２箇所に有し、かつ、前記一方の挿通溝の開口を前記配索材の挿入口とする主体と、
前記挿通路における二分割された他方の挿通溝を有し、かつ、前記他方の挿通溝の開口を前記配索材の挿入口とする前記挿通路毎の可動体と、
を有し、
前記主体及び前記可動体を連結させ、かつ、前記配索軸方向に延在させた回転軸の軸周りに前記主体及び前記可動体を開状態と閉状態との間で相対回転させる前記可動体毎のヒンジを有し、
前記連結体は、前記保持体の前記スリットに連なるスリットを有し、
前記ヒンジは、前記主体及び前記可動体の前記開状態と前記閉状態との間での相対回転に連動して、前記連接体における前記保持体と前記連結体のそれぞれの前記スリットを境にした一方側と他方側の相互間を前記開状態と前記閉状態との間で相対回転させることを特徴とした請求項２に記載のグロメット。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、グロメットに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、２つの空間の間の貫通孔や溝等の挿通部に電線等の配索材を通す際には、その配索材を挿通部の周縁部から保護するためのグロメットが挿通部に配置されることがある。そして、そのグロメットについては、水等の液体が挿通部を介して２つの空間を行き来せぬように、防液性を持たせることがある。例えば、この種のグロメットについては、下記の特許文献１に開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００９－１０６０９１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところで、従来のグロメットは、挿通部に嵌め込むなどして当該挿通部に固定状態で保持させる。このため、従来のグロメットは、配索材の長さの公差範囲内でのずれを吸収に難いものとなっている。

【0005】

そこで、本発明は、配索材の軸長の公差吸収が可能なグロメットを提供することを、その目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、配索材の直線部を挿通させる挿通路が形成されたグロメット本体と、前記グロメット本体の外で当該グロメット本体に連接された連接体と、を有し、前記連接体は、２つの空間の間で前記配索材を通す配索材挿通孔が双方の前記空間側に各々設けられた収容室に収容され、この収容室で前記直線部の配索軸方向に相対移動自在に保持される保持体と、前記保持体を前記グロメット本体に連結させる連結体と、を有し、前記連結体は、前記グロメット本体と前記保持体との間を繋ぎ、かつ、前記配索軸方向に交差させ、かつ、前記配索軸方向への可撓性を持たせた壁体であり、前記保持体は、前記収容室における２つの前記配索材挿通孔側の内壁に対して前記配索軸方向に隙間を空け得る形状で、かつ、前記連結体の撓みに伴い変形してその一部を２つの前記配索材挿通孔の内の何れか一方に侵入させ得る形状に形成されることを特徴とする。

【発明の効果】

【0007】

本発明に係るグロメットにおいては、収容室における２つの配索材挿通孔側の内壁に対して配索軸方向に隙間を空け得る形状に保持体が形成されている。このため、このグロメットは、収容室に対してその隙間の分だけ配索軸方向に相対移動させることができるので、配索材の長さの公差範囲内でのずれを吸収することができる。更に、本発明に係るグロメットにおいては、連結体に配索軸方向への可撓性を持たせ、かつ、この連結体の撓みに伴い変形してその一部を２つの配索材挿通孔の内の何れか一方に侵入させ得る形状に保持体が形成されている。このため、このグロメットは、配索材の長さの公差範囲内でのずれの更なる吸収が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】図１は、実施形態の閉状態のグロメットを示す斜視図である。

【図2】図２は、実施形態の閉状態のグロメットを突出体側から見た平面図である。

【図3】図３は、実施形態の閉状態のグロメットをリップ側から見た平面図である。

【図4】図４は、図２のＸ－Ｘ線断面図である。

【図5】図５は、図２のＹ－Ｙ線断面の模式図である。

【図6】図６は、収容箱の外側へと相対移動させたグロメットを示す平面図である。

【図7】図７は、収容箱の内側へと相対移動させたグロメットを示す平面図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下に、本発明に係るグロメットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

【0010】

［実施形態］
本発明に係るグロメットの実施形態の１つを図１から図７に基づいて説明する。

【0011】

図１から図５に示す符号１は、本実施形態のグロメットを示す。このグロメット１は、２つの空間の間で配索材Ｗｅ（図１及び図２）を通す貫通孔（以下、「配索材挿通孔」という。）に配置され、この２つの空間の間の隔壁における配索材挿通孔の周縁部から配索材Ｗｅを保護すると共に、その周縁部と配索材Ｗｅとの間の隙間を介した水等の液体の２つの空間の行き来を抑えるものである。よって、このグロメット１は、合成ゴム等の柔軟性を持たせた合成樹脂材料で成形される。ここで、配索材Ｗｅとは、例えば、電線（通信線としての電線、電源線としての電線等）のことである。また、２つの空間の間の隔壁とは、例えば、車体のパネルのような板状の部材であってもよく、電気接続箱等のような収容箱の壁体であってもよい。

【0012】

グロメット１は、配索材Ｗｅの直線部を挿通させる挿通路１ａが形成されたグロメット本体１Ａと、このグロメット本体１Ａの外で当該グロメット本体１Ａに連接された連接体１Ｂと、を有する（図１から図５）。

【0013】

このグロメット１は、その連接体１Ｂを配索材挿通孔に配置して、この配置場所に連接体１Ｂを介して保持させる。この例示では、グロメット１を収容箱５００に取り付ける（図２）。この場合、収容箱５００は、収容対象物を挿入するための挿入口が設けられた箱本体５０１と、その挿入口を塞ぐカバー（図示略）と、を備えるものとする。そして、箱本体５０１の壁体には、その切欠きの周縁部から双方の空間側（箱本体の内部空間側と箱本体の外の空間側）に各々壁部を突出させた部屋であり、配索材挿通孔５０２ａが双方の空間側に各々設けられた収容室５０２を設ける。この収容箱５００においては、その２つの配索材挿通孔５０２ａを配索材Ｗｅの直線部の軸線方向（以下、「配索軸方向」という。）で対向配置させ、その収容室５０２に連接体１Ｂを収容して、この収容室５０２の中で連接体１Ｂを保持させる。

【0014】

グロメット本体１Ａは、挿通路１ａが配索材Ｗｅの直線部の配索軸方向に二分割された一方の挿通溝１１を有し、かつ、一方の挿通溝１１の開口を配索材Ｗｅの挿入口１１ａとする主体１０と、挿通路１ａにおける二分割された他方の挿通溝２１を有し、かつ、この他方の挿通溝２１の開口を配索材Ｗｅの挿入口２１ａとする可動体２０と、を有する（図１から図４）。このグロメット本体１Ａにおいては、その配索軸方向の一端に連接体１Ｂを連接させる。そして、このグロメット本体１Ａは、主体１０における配索軸方向の他端から同軸方向に突出させた突出体３０を有する（図１から図３）。

【0015】

ここで示す主体１０は、その一方の挿通溝１１をそれぞれの配索軸方向の向きを合わせて２箇所に有している。そのそれぞれの挿通溝１１は、突出体３０における突出方向の端部にまで延在させる（図１）。また、ここで示す可動体２０は、挿通路１ａ毎（つまり、一方の挿通溝１１毎）に設けている。

【0016】

連接体１Ｂは、収容室５０２で配索軸方向に相対移動自在に保持される保持体４０Ａと、この保持体４０Ａをグロメット本体１Ａに連結させる連結体４０Ｂと、を有する（図１から図５）。

【0017】

保持体４０Ａは、収容室５０２における２つの配索材挿通孔５０２ａ側の内壁５０２ｂに対して配索軸方向に隙間を空け得る形状に形成される（図２）。ここで、連結体４０Ｂは、グロメット本体１Ａと保持体４０Ａとの間を繋ぎ、かつ、配索軸方向に交差させ、かつ、配索軸方向への可撓性を持たせた壁体として形成される。よって、保持体４０Ａは、その連結体４０Ｂの撓みに伴い変形し得る形成される。ここで示す保持体４０Ａは、連結体４０Ｂの撓みに伴い変形してその一部を２つの配索材挿通孔５０２ａの内の何れか一方に侵入させ得る形状に形成されている（図６及び図７）。

【0018】

具体的に、連接体１Ｂは、主体１０における配索軸方向の一端に連接された第１連接体４１と、可動体２０における配索軸方向の一端に連接された可動体２０毎の第２連接体４２と、を有する（図３及び図５）。

【0019】

グロメット１は、主体１０及び可動体２０を連結させると共に第１連接体４１及び第２連接体４２を連結させ、かつ、配索軸方向に延在させた回転軸の軸周りに主体１０及び可動体２０並びに第１連接体４１及び第２連接体４２を各々開状態と閉状態との間で相対回転させるヒンジ５０を有する（図３及び図４）。このヒンジ５０は、可動体２０及び第２連接体４２の組み合わせ毎に設ける。つまり、このグロメット１においては、主体１０と可動体２０とがヒンジ５０を介して一体になっており、この主体１０と２つの可動体２０と２箇所のヒンジ５０の一部とに突出体３０を加えてグロメット本体１Ａが形成される。また、このグロメット１においては、第１連接体４１と第２連接体４２とがヒンジ５０を介して一体になっており、この第１連接体４１と２つの第２連接体４２と２箇所のヒンジ５０の残りとによって連接体１Ｂが形成される。

【0020】

グロメット１においては、このヒンジ５０を設けることによって、主体１０及び可動体２０並びに第１連接体４１及び第２連接体４２を閉状態と開状態で次のような位置関係に配置させる。

【0021】

主体１０と可動体２０は、閉状態で配索材Ｗｅの軸周りのそれぞれの端部（以下、「第１外部スリット周縁部」という。）１２，２２同士を当接させて成る当該第１外部スリット周縁部１２，２２間の外部スリット（以下、「第１外部スリット」という。）６１を形成する（図１、図２及び図４）。この第１外部スリット６１は、可動体２０毎に設ける。そして、この主体１０と可動体２０は、閉状態で一方の挿通溝１１と他方の挿通溝２１の挿入口１１ａ，２１ａ同士を合わせて挿通路１ａを形成する。この主体１０と２つの可動体２０は、閉状態のときの外観形状が方体を成している。

【0022】

第１連接体４１と２つの第２連接体４２は、閉状態で２つの第２連接体４２のそれぞれの端部（以下、「第２外部スリット周縁部」という。）４２ａ，４２ｂ同士を当接させて成る当該第２外部スリット周縁部４２ａ，４２ｂ間の外部スリット（以下、「第２外部スリット」という。）６２を形成する（図１から図４）。

【0023】

この第１連接体４１と２つの第２連接体４２は、閉状態のときに、配索軸方向にスリットを入れた環状体（ここでは、角環状の環状体）を成す部分と、この環状体をグロメット本体１Ａに連結させ、かつ、この環状体のスリットに連なるスリットを有する環状壁体と、に大別される。この連接体１Ｂにおいては、その環状体が保持体４０Ａとなり、その環状壁体が連結体４０Ｂとなる（図５）。そして、この連接体１Ｂにおいては、その保持体４０Ａ（壁体）と連結体４０Ｂ（環状壁体）のそれぞれのスリットが第２外部スリット６２となる。連結体４０Ｂは、保持体４０Ａの内周面側をグロメット本体１Ａの外周面側に連結させる壁体として形成されている。

【0024】

この連接体１Ｂにおいては、閉状態で保持体４０Ａの内方空間が２つの挿通路１ａを繋ぐ連通路１ｂとなる（図５）。この連通路１ｂは、その２つの挿通路１ａを２つの空間の内の一方（ここでは、箱本体の内部空間）に連通させる空間でもある。

【0025】

このグロメット１において、２つの第１外部スリット６１と第２外部スリット６２は、閉状態でそれぞれの一端を一箇所に集めた三つ叉形状の１つのスリットとして形成される（図２）。ここでは、第２外部スリット６２から２つの第１外部スリット６１へと分岐させたが如きＹ字の１つのスリットが形成される。

【0026】

そして、このグロメット１において、ヒンジ５０は、主体１０及び可動体２０の開状態と閉状態との間での相対回転に連動して、連接体１Ｂにおける保持体４０Ａと連結体４０Ｂのそれぞれのスリット（第２外部スリット６２）を境にした一方側と他方側の相互間（つまり、一方の第２連接体４２と他方の第２連接体４２の間）を開状態と閉状態との間で相対回転させる。

【0027】

主体１０と可動体２０は、開状態で第１外部スリット６１の幅を拡げて当該第１外部スリット６１からそれぞれの挿通溝１１，２１の挿入口１１ａ，２１ａを露出させ、この開状態のときに第１外部スリット６１からそれぞれの挿通溝１１，２１に配索材Ｗｅを差し込ませる。そして、第１連接体４１と２つの第２連接体４２は、開状態で第２外部スリット６２の幅を拡げて当該第２外部スリット６２から連通路１ｂの壁面（それぞれの内壁面）を露出させ、この開状態のときに第２外部スリット６２から配索材Ｗｅを差し込ませる。つまり、このグロメット１においては、主体１０及び可動体２０並びに第１連接体４１及び第２連接体４２が開状態のときに、一方の第１外部スリット６１と第２外部スリット６２から一方の配索材Ｗｅを組み付けると共に、他方の第１外部スリット６１と第２外部スリット６２から他方の配索材Ｗｅを組み付けることができる。

【0028】

このグロメット１においては、主体１０と可動体２０との間に可動体２０毎の第１外部スリット６１を設け、かつ、第１連接体４１と第２連接体４２との間に第２外部スリット６２を設けている。そして、このグロメット１においては、主体１０、可動体２０、第１連接体４１、第２連接体４２及びヒンジ５０のそれぞれの位置関係から、主体１０及び可動体２０並びに第１連接体４１及び第２連接体４２が閉状態のときに、２つの第１外部スリット６１と第２外部スリット６２とがそれぞれの一端を一箇所で繋いだ１つのスリットになる。ここでは、２つの第１外部スリット６１と第２外部スリット６２が三つ叉形状（Ｙ字形状）の１つのスリットを成している。このため、このグロメット１においては、主体１０及び可動体２０並びに第１連接体４１及び第２連接体４２が開状態のときに、それぞれの第１外部スリット６１の幅よりも第２外部スリット６２の幅の方を大きく広げることができる。よって、このグロメット１は、配索材Ｗｅの組付けに際して、配索材Ｗｅを幅の広い第２外部スリット６２から先に差し込み、その後、この配索材Ｗｅを第１外部スリット６１から差し込むことができるので、配索材Ｗｅの組付け作業を向上させることができる。

【0029】

このグロメット１は、それぞれの挿通溝１１，２１の内周面１１ｂ，２１ｂから突出させ、かつ、閉状態で配索材Ｗｅの軸周りのそれぞれの端部７１ａ，７１ｂ同士を当接させて当該端部７１ａ，７１ｂ間に内部スリット６３を形成すると共に配索材Ｗｅの外周面に１周に亘って密着させるリップ７０を有する（図３）。このリップ７０は、挿通路１ａ毎（つまり、一方の挿通溝１１と他方の挿通溝２１の組み合わせ毎）に設ける。ここで示すリップ７０は、閉状態で配索軸方向を筒軸方向とする片持ちの筒体となって配索材Ｗｅの外周面に１周に亘って密着させる。このリップ７０は、開状態で内部スリット６３の幅を拡げて当該内部スリット６３から内壁面を露出させ、この開状態のときに内部スリット６３から配索材Ｗｅを差し込ませる。

【0030】

このグロメット１は、合成ゴム等の柔軟性を持たせた合成樹脂材料で、グロメット本体１Ａ（主体１０、可動体２０、突出体３０）と連接体１Ｂ（第１連接体４１、第２連接体４２）とヒンジ５０とリップ７０が一体となった１つの部品として成形されている。

【0031】

以上示したように、本実施形態のグロメット１においては、収容室５０２における２つの配索材挿通孔５０２ａ側の内壁５０２ｂに対して配索軸方向に隙間を空け得る形状に保持体４０Ａが形成されている（図２）。このため、このグロメット１は、収容室５０２に対してその隙間の分だけ配索軸方向に相対移動させることができるので（図６及び図７）、配索材Ｗｅの長さの公差範囲内でのずれを吸収することができる。従って、このグロメット１は、収容箱５００から外方に引き出された配索材Ｗｅの例えば車体等への組付け作業性を向上させることができる。

【0032】

更に、本実施形態のグロメット１においては、連結体４０Ｂに配索軸方向への可撓性を持たせ、かつ、この連結体４０Ｂの撓みに伴い変形してその一部を２つの配索材挿通孔５０２ａの内の何れか一方に侵入させ得る形状に保持体４０Ａが形成されている（図６及び図７）。このため、このグロメット１は、配索材Ｗｅの長さの公差範囲内でのずれの更なる吸収が可能になる。従って、このグロメット１は、収容箱５００から外方に引き出された配索材Ｗｅの例えば車体等への組付け作業性を更に向上させることができる。

【0033】

ここで、このグロメット１においては、保持体４０Ａが２つの配索材挿通孔５０２ａの内の何れか一方に侵入している状態で、第２外部スリット周縁部４２ａ，４２ｂの一部分同士を当接させることが好ましい（図６及び図７）。これにより、このグロメット１は、閉状態で常に第２外部スリット周縁部４２ａ，４２ｂの少なくとも一部分同士が接触状態にあるので、水等の液体の浸入を軽減させることができる。

【符号の説明】

【0034】

１ グロメット
１Ａ グロメット本体
１Ｂ 連接体
１ａ 挿通路
１０ 主体
１１，２１ 挿通溝
１１ａ，２１ａ 挿入口
２０ 可動体
４０Ａ 保持体
４０Ｂ 連結体
５０ ヒンジ
６２ 第２外部スリット（スリット）
５０２ 収容室
５０２ａ 配索材挿通孔
５０２ｂ 内壁
Ｗｅ 配索材

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】