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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169513
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】緩衝機能付き包装用箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20231122BHJP
   B65D 81/02 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B65D5/50 A
B65D81/02 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080657
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】390008707
【氏名又は名称】丸金印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田澤 純子
【テーマコード(参考)】
3E060
3E066
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB03
3E060BB05
3E060BC04
3E060CC05
3E060CC18
3E060CC19
3E060CC43
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060CG12
3E060DA23
3E060EA20
3E066AA24
3E066AA34
3E066BA06
3E066CA03
3E066FA03
3E066FA04
3E066HA01
3E066JA03
3E066KA01
3E066MA09
3E066NA48
(57)【要約】
【課題】箱に十分な緩衝機能を持たせながら高さを低くでき、箱のコンパクト化を図る。
【解決手段】箱B1の仕切り2は内側延長板21-24と2つの内側側面板25、26とを有し、2つの内側側面板25、26の一方において他方に近接する一部とその残部との間に当該一部が当該残部に対して略V字形に分離可能に形成され、当該一部が内側側面板25、26の一方から分離されて他方に接着され、2つの内側側面板25、26の一方と他方が略V字形に接続されてなり、箱本体1内で仕切り2によりバイアルの底部を支持しバイアルを宙に浮かせた状態にして弾性的に保持する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板、背面板、左側面板、右側面板をなす4側面板及び前記4側面板の一方側の側面板の一側縁から延び、他方側の側面板に接着されて、前記一方側の側面板と前記他方側の側面板とを接続する接着片と、前記4側面板の天面開口を塞ぐ天蓋、及び底面開口を塞ぐ底蓋とを有し、容器を収容する箱本体と、前記箱本体内に一体的に併設され、容器を弾性的に保持するための仕切りとを備え、バイアルを含むボトル形の容器を前記箱本体内で前記仕切りにより弾性的に保持して収容する緩衝機能付き包装用箱において、
前記仕切りは、
前記接着片に、少なくとも前記他方側の側面板の内面から前記箱本体の内面に沿って延び、前記箱本体の内面に固定される内側延長板と、
前記内側延長板の底蓋側の端部で前記箱本体の前記4側面板のうち相互に隣接する2側面板に対応する位置から相互に連接して底蓋方向に突出される2つの内側側面板と、
を有し、
前記2つの内側側面板の一方において他方に近接する一部がその残部に対して略V字形に分離可能に、当該一部が前記内側延長板から切り離されるとともに、当該一部と当該残部との間に切り込み線及び折り線を形成されて、当該一部が前記内側側面板の一方から分離されて他方に接着され、前記2つの内側側面板の一方と他方が略V字形に接続されてなり、
前記仕切りは、
前記箱本体内に前記底蓋側に形成されて、前記箱本体内で前記容器の底部を支持し前記容器を宙に浮かせた状態にして弾性的に保持する、
ことを特徴とする緩衝機能付き包装用箱。
【請求項2】
接着片は内側延長板の一部として他方側の側面板の内面に沿って延び、第1の延長板をなし、前記接着片から延びる内側延長板は、前記第1の延長板から前記他方側の側面板に前記一方側の側面板とは反対側で順次隣接する4側面板の内面に沿って延びる第2、第3、第4の延長板からなり、前記内側延長板は容器の周面を包囲可能に筒形に形成される請求項1に記載の緩衝機能付き包装用箱。
【請求項3】
接着片又は内側延長板の天蓋側の端部から天蓋により押さえ込み可能に突出され、箱本体内で容器の頂部を押さえる内側天面板を併せて有する請求項1又は2に記載の緩衝機能付き包装用箱。
【請求項4】
箱本体の側面板と内側延長板との間に緩衝空間が介在される請求項1乃至3のいずれかに記載の緩衝機能付き包装用箱。
【請求項5】
第3の延長板の一部に、前記第3の延長板に対応する箱本体の一側面板の内面に向けて突出する突状部を介して前記一側面板の内面に接合可能に固定部が形成され、第4の延長板の延長端に前記箱本体の前記接着片の内面に接合可能に固定部が、前記第4の延長板に前記固定部と並列に配置され、前記接着片の内面に向けて斜めに延びる押さえ部が、それぞれ形成され、前記各固定部が前記箱本体の前記一側面板、前記接着片の各内面に接着されて、前記第3の延長板と前記一側面板との間、前記押さえ部と前記接着片との間に、それぞれ、緩衝空間を形成される請求項2又は3に記載の緩衝機能付き包装用箱。
【請求項6】
第1、第3の延長板はこれら第1、第3の延長板に対応する箱本体の各側面板よりも幅狭で、第2、第4の延長板とこれら第2、第4の延長板に対応する前記箱本体の各側面板との間に緩衝空間が形成される請求項5に記載の緩衝機能付き包装用箱。
【請求項7】
各固定部は、前記各固定部を有する各延長板において、折り線を介して折り曲げ可能に形成され、前記各折り線は直線状に又は略ハット形に形成される請求項5又は6に記載の緩衝機能付き包装用箱。
【請求項8】
正面板、背面板、左側面板、右側面板をなす4側面板及び前記4側面板の一方側の側面板の一側縁から延び、他方側の側面板に接着されて、前記一方側の側面板と前記他方側の側面板とを接続する接着片と、前記4側面板の天面開口を塞ぐ天蓋、及び底面開口を塞ぐ底蓋とを有し、容器を収容する箱本体と、前記箱本体内に一体的に併設され、容器を弾性的に保持するための仕切りとを備え、バイアルを含むボトル形の容器を前記箱本体内で前記仕切りにより弾性的に保持して収容する緩衝機能付き包装用箱において、
前記仕切りは、
前記接着片に、少なくとも前記他方側の側面板の内面から前記箱本体の内面に沿って延び、前記箱本体の内面に固定される内側延長板と、
前記内側延長板の底蓋側の端部で前記箱本体の前記4側面板のうち相互に隣接する2側面板に対応する位置から相互に連接して底蓋方向に突出される2つの内側側面板と、
を有し、
前記2つの内側側面板の一方において他方に近接する一部がその残部に対して略V字形に分離可能に、当該一部が前記内側延長板から切り離されるとともに、当該一部と当該残部との間に切り込み線及び折り線を形成されて、当該一部が前記内側側面板の一方から分離されて他方に接着され、前記2つの内側側面板の一方と他方が略V字形に接続されてなり、
前記仕切りは、
前記箱本体内に前記天蓋側に形成されて、前記箱本体内で前記容器の頂部を押さえ前記容器を弾性的に保持する、
ことを特徴とする緩衝機能付き包装用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品その他各種の物品の包装に使用する包装用箱に関し、特に、箱の内部に緩衝機能を有し、バイアル他液剤や錠剤などの薬剤を収容する瓶類を個別に包装するのに最適な緩衝機能付き包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の緩衝機能付き包装用箱が特許文献1により提案されている。特許文献1は、内側に緩衝用仕切りが一体に設けられ、瓶などの収容物を保護する緩衝機能付包装用箱に関するもので、この包装用箱は、特許文献1の図1に示すように、略矩形で縦長の外側筒状体S1と、その内側に緩衝用仕切りとして所定の隙間を空けて対面するように配置される筒状の収容部S2とを備え、外側筒状体S1の内側の収容部S2でガラス瓶などの衝撃に弱い収容物Wを緩衝的に保持するようになっている。
【0003】
また、この包装用箱1は、厚紙等のブランクシートから打ち抜かれた一枚の箱体形成片12からなる。特許文献1の図2に示すように、箱体形成片12は、外側筒状体を構成する第一側面板14、正面板16、第二側面板18、背面板20及び第三側面板62が並行に連接され、背面板20の端辺から収容部S2を構成する正面仕切板64、第二仕切部88、背面仕切板68及び第一仕切部108が並行に連接される。この箱体形成片12は、特許文献1の図3図7に示すように、収容部S2側の各部から外側筒状体S1の各部が順次折り曲げられ、糊付けされる。この場合、特に、正面仕切板64及び背面仕切板68から延設された第一糊付部84が、第二側面板18の裏面に糊付され、第一仕切部108の一端から延設された糊付片96が背面板20の裏面に糊付され、第一仕切部108の他の一端から延設された第三糊付部112が、正面仕切板64の第一側面板14に近い部分に糊付される。
【0004】
このような箱体形成片12の折り曲げ、糊付けにより、箱体形成片12は箱に組み立て可能に扁平状に折り畳み加工される。すなわち、この箱体形成片12はワンタッチで外側筒状体S1が引き起こしされ、この外側筒状体S1の内側に収容部S2が引き起こしされる。また、この引き起こしにより、収容物支持部110が、収容部S2の下側開口部に、正面仕切板64から背面仕切板68の間を横切るように配置される。
【0005】
このようにして下蓋片44で外側筒状体S1の下方開口部が閉鎖され、この状態で、特許文献1の図1に示すように、ガラス瓶などの収容物Wが収容部S2の中に入れられる。収容物Wは、それ自身の側面が、正面仕切板64、第二仕切部88、背面仕切板68及び第一仕切部108によって保持され、それ自身の底面が、収容物支持部110によって支持される。そして、上蓋片52で外側筒状体S1の上方開口部が閉鎖される。
【0006】
この包装用箱による収容物Wの包装により、外側筒状体S1の外周面のどの方向から衝撃が加わっても、収容部S2が外側筒状体S1に接触せず、収容部S2自体の柔軟性によって衝撃を吸収するので、収容部S2内にある収容物Wに大きな衝撃が伝わらない。また、収容部S2内の収容物Wは、収容物保持部110によって下方から支持されているので、包装用箱10が下蓋片44側を下にして取り置きされる通常の取り扱いに対して、十分な緩衝効果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-006646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、この包装用箱では、収容部S2内の収容物Wを収容部S2の下側開口部で収容物保持部110によって支持している。この収容物支持部110は、特許文献1の図2図8から明らかなように、正面仕切板64と背面仕切板68との間に長方形に形成され、この収容物支持部110が、収容部S2の下側開口部において正面仕切板64と背面仕切板68との間に(平面視)線状に配置される。したがって、ガラス瓶などの収容物はこの線状の収容物支持部110により支持されることになる。このような線状の収容物支持部110でガラス瓶などの比較的重量のある収容物を支持するためには、この収容物支持部110にある程度の強度が必要で、この強度を確保するために、この長方形の収容物支持部110の縦方向(高さ方向)にある程度の長さ(高さ)が必要となる。このため、この包装用箱の場合、高さを圧縮することが難しい。つまり、この箱の場合、収容物支持部110の高さを圧縮(短縮)しようとすると、収容物支持部110の強度が低下して、箱の組み立ての際に折れ曲がったり、収容物の緩衝機能としての効果が減少したりするおそれがあり、収容物支持部110の高さを圧縮できないため、箱全体の高さを低くし、箱のコンパクト化を図ることができない。
【0009】
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種の包装用箱において、ガラス瓶などの破損しやすく比較的重量のある収容物でも、十分な緩衝機能を保持しながら、箱の高さを低くでき、箱のコンパクト化に資すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明(1)は、
正面板、背面板、左側面板、右側面板をなす4側面板及び前記4側面板の一方側の側面板の一側縁から延び、他方側の側面板に接着されて、前記一方側の側面板と前記他方側の側面板とを接続する接着片と、前記4側面板の天面開口を塞ぐ天蓋、及び底面開口を塞ぐ底蓋とを有し、容器を収容する箱本体と、前記箱本体内に一体的に併設され、容器を弾性的に保持するための仕切りとを備え、バイアルを含むボトル形の容器を前記箱本体内で前記仕切りにより弾性的に保持して収容する緩衝機能付き包装用箱において、
前記仕切りは、
前記接着片に、少なくとも前記他方側の側面板の内面から前記箱本体の内面に沿って延び、前記箱本体の内面に固定される内側延長板と、
前記内側延長板の底蓋側の端部で前記箱本体の前記4側面板のうち相互に隣接する2側面板に対応する位置から相互に連接して底蓋方向に突出される2つの内側側面板と、
を有し、
前記2つの内側側面板の一方において他方に近接する一部がその残部に対して略V字形に分離可能に、当該一部が前記内側延長板から切り離されるとともに、当該一部と当該残部との間に切り込み線及び折り線を形成されて、当該一部が前記内側側面板の一方から分離されて他方に接着され、前記2つの内側側面板の一方と他方が略V字形に接続されてなり、
前記仕切りは、
前記箱本体内に前記底蓋側に形成されて、前記箱本体内で前記容器の底部を支持し前記容器を宙に浮かせた状態にして弾性的に保持する、
ことを要旨とする。
【0011】
また、この包装用箱は、次のような構成を備えることが好ましい。
(1)接着片は内側延長板の一部として他方側の側面板の内面に沿って延び、第1の延長板をなし、前記接着片から延びる内側延長板は、前記第1の延長板から前記他方側の側面板に前記一方側の側面板とは反対側で順次隣接する4側面板の内面に沿って延びる第2、第3、第4の延長板からなり、前記内側延長板は容器の周面を包囲可能に筒形に形成される。
この場合、接着片又は内側延長板の天蓋側の端部から天蓋により押さえ込み可能に突出され、箱本体内で容器の頂部を押さえる内側天面板を併せて有するものとしてもよい。
(2)箱本体の側面板と内側延長板との間に緩衝空間が介在される。
この場合、第3の延長板の一部に、前記第3の延長板に対応する箱本体の一側面板の内面に向けて突出する突状部を介して前記一側面板の内面に接合可能に固定部が形成され、第4の延長板の延長端に前記箱本体の前記接着片の内面に接合可能に固定部が、前記第4の延長板に前記固定部と並列に配置され、前記接着片の内面に向けて斜めに延びる押さえ部が、それぞれ形成され、前記各固定部が前記箱本体の前記一側面板、前記接着片の各内面に接着されて、前記第3の延長板と前記一側面板との間、前記押さえ部と前記接着片との間に、それぞれ、緩衝空間を形成されることが望ましい。
また、この場合、第1、第3の延長板はこれら第1、第3の延長板に対応する箱本体の各側面板よりも幅狭で、第2、第4の延長板とこれら第2、第4の延長板に対応する前記箱本体の各側面板との間に緩衝空間が形成されることが望ましい。
さらに、この場合、各固定部は、前記各固定部を有する各延長板において、折り線を介して折り曲げ可能に形成され、前記各折り線は直線状に又は略ハット形に形成される。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明(2)は、
正面板、背面板、左側面板、右側面板をなす4側面板及び前記4側面板の一方側の側面板の一側縁から延び、他方側の側面板に接着されて、前記一方側の側面板と前記他方側の側面板とを接続する接着片と、前記4側面板の天面開口を塞ぐ天蓋、及び底面開口を塞ぐ底蓋とを有し、容器を収容する箱本体と、前記箱本体内に一体的に併設され、容器を弾性的に保持するための仕切りとを備え、バイアルを含むボトル形の容器を前記箱本体内で前記仕切りにより弾性的に保持して収容する緩衝機能付き包装用箱において、
前記仕切りは、
前記接着片に、少なくとも前記他方側の側面板の内面から前記箱本体の内面に沿って延び、前記箱本体の内面に固定される内側延長板と、
前記内側延長板の底蓋側の端部で前記箱本体の前記4側面板のうち相互に隣接する2側面板に対応する位置から相互に連接して底蓋方向に突出される2つの内側側面板と、
を有し、
前記2つの内側側面板の一方において他方に近接する一部がその残部に対して略V字形に分離可能に、当該一部が前記内側延長板から切り離されるとともに、当該一部と当該残部との間に切り込み線及び折り線を形成されて、当該一部が前記内側側面板の一方から分離されて他方に接着され、前記2つの内側側面板の一方と他方が略V字形に接続されてなり、
前記仕切りは、
前記箱本体内に前記天蓋側に形成されて、前記箱本体内で前記容器の頂部を押さえ前記容器を弾性的に保持する、
ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明(1)の緩衝機能付き包装用箱によれば、上記の構成により、ガラス瓶などの破損しやすく比較的重量のある収容物でも、十分な緩衝機能を保持しながら、箱の高さを低くでき、箱のコンパクト化に資することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【0014】
本発明(2)の緩衝機能付き包装用箱によれば、本発明(1)の構成を利用した構成により、箱本体内で容器の頂部を保持して容器を弾性的に押えるようにすることで、箱の底蓋側又は天蓋側からの外力から容器を保護することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る緩衝機能付き包装用箱の構成を示す図(斜視図)
図2】同包装用箱の組み立て前のブランクシートの構成を示す図(展開図)
図3】同包装用箱の要部を示す図((a)は同包装用箱の天蓋を開放して同包装用箱を天面開口から見た平面図(b)は同包装用箱の底蓋を開放して同包装用箱を底面開口から見た底面図)
図4】同包装用箱の要部を示す図((a)は同包装用箱の正面板を切り取って同包装用箱を正面から見た正面図(b)は同包装用箱の正面板及び内側延長板の第2の延長板を切り取って同包装用箱を正面から見た正面図)
図5】同包装用箱のブランクシートを折り畳み加工する手順を説明するための図(展開図)
図6】同包装用箱に包装された容器(バイアル)の同包装用箱内での収容状態を示す図((a)は同包装用箱の天蓋を開放して同包装用箱を天面開口から見た平面図(b)は同包装用箱の正面板及び内側延長板の第2の延長板を切り取って同包装用箱を正面から見た正面図)
図7】本発明の第2の実施の形態に係る緩衝機能付き包装用箱の構成を示す図(斜視図)
図8】同包装用箱の組み立て前のブランクシートの構成を示す図(展開図)
図9】同包装用箱に包装された容器(バイアル)の同包装用箱内での収容状態を示す図(同包装用箱の天蓋を開放して同包装用箱を天面開口側から見た斜視図)
図10】本発明の第3の実施の形態に係る緩衝機能付き包装用箱の構成を示す図(同包装用箱の正面板及び内側延長板の第2の延長板を切り取って同包装用箱を正面から見た正面図)
図11】同包装用箱の組み立て前のブランクシートの構成を示す図(展開図)
図12】本発明の第4の実施の形態に係る緩衝機能付き包装用箱の構成を示す図(斜視図)
図13】同包装用箱の組み立て前のブランクシートの構成を示す図(展開図)
図14】同包装用箱に包装された容器(ドリンク剤)の同包装用箱内での収容状態を示す図((a)は同包装用箱の正面板の開封口を開封して同包装用箱を正面下方から見た斜視図(b)は同包装用箱の天蓋を開放して同包装用箱を天面開口から見た平面図)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1乃至図4に第1の実施の形態を示している。図1は緩衝機能付き包装用箱B1の構成を示し、図2は同包装用箱B1の組み立て前のブランクシートP1の構成を示している。図3図4は同包装用箱B1の要部の構成を示している。
【0017】
図1に示すように、緩衝機能付き包装用箱B1(以下、包装用箱B1又は箱B1という場合がある。)は、所謂板紙により形成され、4側面板11-14及び4側面板11-14の一方側の側面板11の一側縁から延び、他方側の側面板14に接着されて、一方側の側面板11と他方側の側面板14とを接続する接着片15と、4側面板11-14の天面開口10Uを塞ぐ天蓋16、及び底面開口10Dを塞ぐ底蓋17とを有し、容器を収容する箱本体1と、箱本体1内に一体的に併設され、容器を弾性的に保持するための仕切り2とを備え、バイアルを含むボトル形の容器を箱本体1内で仕切り2により弾性的に保持して収容するようになっている。
なお。ここで包装用箱B1は、バイアル1本の包装用で、この場合、特に直径22mm、高さ4mmで容量8mlのバイアル1本を包装するものとして例示してある。以下の説明では、容器をバイアルと称することとする。
【0018】
箱本体1の4側面板11-14は、図2を参照すると、箱B1の正面板13、背面板11、左側面板14、右側面板12として構成される。この場合、正面板13、背面板11はそれぞれ、同じ大きさの縦長の長方形で、左右の側面板14、12はそれぞれ、正面板13、背面板11よりも幅が少し狭い同じ大きさの縦長の長方形になっている。
【0019】
この箱B1の場合、4側面板11-14の一方側の側面板11は背面板11、他方側の側面板14は左側面板14で、接着片15は背面板11の、この背面板11に隣接する右側面板12とは反対側の一側縁、この場合、背面板11から見て右側縁から延ばされる。この場合、接着片15は幅が正面板13、背面板11の幅の5分の4程で、略台形に形成される。このようにして接着片15の外面と左側面板14の内面が糊で接着され、背面板11と左側面板14が接続される。
【0020】
箱本体1の天蓋16は、図2を参照すると、4側面板11-14の各端縁、この場合、左右の各側面板14、12の上端縁から折り線L8、L6を介して連接され、天面開口10Uの一部(この場合、天面開口10U全体の2分の1程度)を被覆可能な略台形の左右一対のフラップ164、163、背面板11の上端縁から折り線L5を介して連接され、天面開口10Uの全部近く(この場合、天面開口10U全体の5分の4程度)を被覆可能な略台形状の内蓋161、正面板13の上端縁から折り線L7を介して連接され、天面開口10Uの全部を被覆可能な略台形の外蓋162を有し、所謂4枚フラップからなり、天面開口10Uに左右の各フラップ164、163、内蓋161、外蓋162が順次閉じられ、内蓋161に対して外蓋162が糊付けされることで封止される。なお、天蓋16の各折り線L5-L8は4側面板11-14の各上端縁に、直線的に、天蓋16の各部を天面開口10U上に向けて傾倒案内可能に、箱B1の外面側から内面側に向けて凹の罫線により、形成される。
【0021】
箱本体の底蓋17は、図2を参照すると、4側面板11-14の各端縁、この場合、左右の各側面板14、12の下端縁から折り線L12、L10を介して連接され、底面開口10Dの一部(この場合、底面開口10D全体の2分の1程度)を被覆可能な略台形の左右一対のフラップ174、173、背面板11の下端縁から折り線L9を介して連接され、底面開口10Dの全部近く(この場合、底面開口10U全体の5分の4程度)を被覆可能な略台形の内蓋171、正面板13の下端縁から折り線L11を介して連接され、底面開口10Dの全部を被覆可能な略台形の外蓋172を有し、所謂4枚フラップからなり、底面開口10Dに各フラップ174、173、内蓋171、外蓋172が順次閉じられ、内蓋171に対して外蓋172が糊付けされることで封止される。なお、底蓋17の各折り線L9-L12は4側面板11-14の各下端縁に、直線的に、底蓋17の各部を底面開口10D上に向けて傾倒案内可能に、箱B1の外面側から内面側に向けて凹の罫線により、形成される。
【0022】
また、この箱本体1においては、図2を参照すると、天蓋16の外蓋162とこの外蓋162が連接される正面板13との間の折り線L7上に、底蓋17の内蓋171とこの内蓋171が連接される背面板11との間の折り線L9上に、それぞれ、開封用の破断線C1、C2が形成される。この場合、天蓋16側の開封用の破断線C1は、外蓋162と正面板13との間の折り線L7の中央直下の位置に折り線L7から略台形の溝形にミシン目線c1が付けられ、さらに、その溝形のミシン目線c1の両端から折り線L7の両端まで折り線L7上にミシン目線c2が付けられて形成される。この正面板13上部の溝形のミシン目線c1で囲まれた部分を、以下、開封口T1という。また、この場合、底蓋17側の開封用の破断線C2は、内蓋171と背面板11との間の折り線L9の中央直上の位置に折り線L9から略台形の溝形にミシン目線c1が付けられ、さらに、その溝形のミシン目線c1の両端から折り線L9の両端まで折り線L9上にミシン目線c2が付けられて形成される。この背面板11下部の溝形のミシン目c1で囲まれた部分を、以下、開封口T2という。
【0023】
このようにして箱本体1は、背面板11の右側縁の接着片15と左側面板14が糊で接着され、底蓋17の各部により底面開口10Dが塞がれるとともに天蓋16の各部により天面開口10Uが塞がれて、全体として略直方体形状の箱形に組み立てられる。
【0024】
仕切り2は、接着片15に、少なくとも箱本体1の他方側の側面板14の内面から箱本体1の内面に沿って延び、箱本体1の内面に固定される内側延長板21-24と、この内側延長板21-24の底蓋側の端部で箱本体1の4側面板11-14のうち相互に隣接する2側面板12、11に対応する位置から相互に連接して底蓋方向に突出される2つの内側側面板25、26と、を有し、2つの内側側面板25、26の一方において他方に近接する一部とその残部との間に当該一部が当該残部に対して略V字形に分離可能に、当該一部が内側延長板21-24から切り離されるとともに、当該一部と当該残部との間に切り込み線261及び折り線262(図2参照)を形成されて、内側側面板25、26の一方の当該一部が内側側面板25、26の一方から分離されて他方に接着され、2つの内側側面板25、26の一方と他方が略V字形に接続されてなる。
このようにしてこの箱B1では、仕切り2は、箱本体1内に底蓋側に形成されて、箱本体1内でバイアルの底部を支持しバイアルを宙に浮かせた状態にして弾性的に保持するようになっている。
【0025】
この仕切り2の場合、図2を参照すると、接着片15が内側延長板21-24の一部として箱本体1の他方側の側面板14の内面に沿って延び、第1の延長板21をなす。この接着片15から延びる内側延長板21-24は、第1の延長板21から他方側の側面板14に一方側の側面板11とは反対側で順次隣接する3側面板13、12、11の内面に沿って延びる第2、第3、第4の延長板22、23、24からなり、内側延長板21-24はバイアルの周面を包囲可能に筒形に形成される。この場合、接着片15は内側延長板21-24の一部として左側面板14の内面に沿って略台形に形成されて第1の延長板21をなす。第2の延長板22は第1の延長板21の右側縁に連接して略台形に形成される。第3の延長板23は第2の延長板22の右側縁に連接して略四角形に形成される。第4の延長板24は第3の延長板23の右側縁に連接して複合形状の略四角形に形成される。かくして内側延長板21-24はバイアルの周面全体を包囲可能に断面四角形の角筒形に形成される。
【0026】
また、この仕切り2の場合、図3図4に示すように、箱本体1の4側面板11-14と内側延長板21-24との間に緩衝空間210-240が介在される。
この場合、第3の延長板23の一部に、第3の延長板23に対応する箱本体1の一側面板12、この場合、右側面板12の内面に向けて突出する突状部231を介して当該一側面板12、すなわち、右側面板12の内面に接合可能に固定部232が形成される。この場合、第3の延長板23の突状部231は、第3の延長板23の上下方向の略中央において、第2の延長板22側の一方の側縁、つまり、左側縁とこの左側縁に近接してこの左側縁に沿って平行に直線状に形成される折り線231aとの間に形成され、固定部232は、既述の折り線231aと、この折り線231aの上下で左側縁から他方の側縁、この場合、右側縁まで延びる切り込み線231b(図2参照)と、この右側縁上で各切り込み線231bの各端部間に延びる切り込み線231c(図2参照)とにより、略四角形に形成される。第4の延長板24の延長端に箱本体1の接着片15の内面に接合可能に固定部242が、さらにこの第4の延長板24に固定部242と並列に配置され、接着片15の内面に向けて斜めに延びる押さえ部243が、それぞれ形成される。この場合、固定部242は、第4の延長板24の延長端の上下方向略下半部に他の各延長板21、22、23の各側縁と平行に直線状に形成される折り線242aを介してやや横長の四角形に形成される。押さえ部243は、第4の延長板24の略上半面の左右方向略中間部で折り線243aを介して略右半面が略下半面及び固定部242から切り離され、右側縁から突出して略四角形に形成される。かかる各固定部232、242が箱本体1の右側面板12、接着片15、すなわち、第1の延長板21の各内面に接着されて、第3の延長板23と右側面板12との間、押さえ部243と第1の延長板21との間に、それぞれ、緩衝空間230、210が形成される。
また、この場合、第1、第3の延長板21、23はこれら第1、第3の延長板21、23に対応する箱本体1の各側面板14、12、この場合、左側面板14、右側面板12よりも幅狭で、第2、第4の延長板22、24とこれら第2、第4の延長板22、24に対応する箱本体1の各側面板13、11、この場合、正面板13、背面板11との間に緩衝空間220、240が形成される。
【0027】
かくして、箱本体1の内部に緩衝空間210-240を介して構成される筒形の内側延長板21-24により、バイアルを包囲保持して、箱B1の前後左右方向の外力に応じる緩衝機能部を構成される。
【0028】
そして、この仕切り2の場合、2つの内側側面板25、26は、第3、第4の延長板23、24の底蓋側の端部に相互に連接して底蓋方向に全体として略台形状に突出して形成される。これら2つの内側側面板25、26の一方、この場合、第4の延長板24側の内側側面板26において第3の延長板23側の内側側面板25に隣接する一部26A、この場合、全体の略3分の2の一部26Aとその残部26B、この場合、全体の略3分の1の残部26Bとの間に、当該一部26Aが当該残部26Bに対して略V字形に分離可能に、当該一部26Aが内側延長板21-24から切り離されるとともに、当該一部26Aと当該残部26Bとの間に上部に長い切り込み線261(図2参照)が上下方向に直線的に形成され、下部に短い折り線262(図2参照)が箱本体1の底面開口10Dの一方の対角線に一致するように斜めに形成される。そして、第4の延長板24側の内側側面板26の当該一部26Aが第3の延長板23側の内側側面板25の第4の延長板24側の内側側面板26に近接する一部に糊を介して接着されて、2つの内側側面板25、26が略V字形に接続される。
【0029】
かくして、箱本体1の内部の底蓋側に2つの内側側面板25、26により、バイアルの底部を箱B1の底蓋17から浮き上げて支持し、バイアルに対して箱B1の上下方向の外力に応じる緩衝機能部を構成される。
【0030】
この箱B1は全体が板紙を打ち抜いて一体に形成された一枚のブランクシートP1からなる。このブランクシートP1は、図2に示すように、次のような構成を有する。
【0031】
一方側に、所定の大きさを有する縦長の長方形で箱B1の背面板11をなす背面板形状部11Pが形成され、この背面板形状部11Pの左側縁に、背面板形状部P11と長さ(高さ)が同じで幅が少し小さい長方形で箱B1の右側面板12をなす右側面板形状部12P、背面板形状部11Pと同じ大きさ、形状で箱B1の正面板13をなす正面板形状部13P、右側面板形状部12Pと同じ大きさ、形状で箱B1の左側面板14をなす左側面板形状部14Pが順次、折り線L1、L2、L3を介して連続して形成される。そして、背面板形状部11Pの右側縁に折り線L4を介して連続し、この右側縁を下底とする台形に接着片15をなす接着片形状部15Pが形成される。なお、各折り線L1-L4は、ブランクシートP1の外面側から内面側に向けて凹の罫線により、形成される。これら接着片形状部15Pを含む背面板形状部11P、右側面板形状部12P、正面板形状部13P、左側面板形状部14Pにより、4側面板形状部11P-14Pが構成される。
【0032】
背面板形状部11Pの上端縁に、天面開口10Uよりも少し小さい大きさの台形で内蓋161をなす内蓋形状部161Pが折り線L5を介して連続して形成される。右側面板形状部12Pの上端縁に、天面開口の略半分程の大きさの台形で右側のフラップ163をなすフラップ形状部163Pが折り線L6を介して連続して形成される。正面板形状部13Pの上端縁に、天面開口と略同じ大きさの台形で外蓋162をなす外蓋形状部162Pが折り線L7を介して連続して形成される。左側面板形状部14Pの上端縁にフラップ形状部163Pと略同じ大きさの台形で左側のフラップ164をなすフラップ形状部164Pが折り線L8を介して連続して形成される。なお、各折り線L5-L8は、ブランクシートP1の外面側から内面側に向けて凹の罫線により、形成される。これら内蓋形状部161P、外蓋形状部162P、左右のフラップ形状部163P、164Pにより、天蓋形状部16Pが構成される。
【0033】
背面板形状部11Pの下端縁に、底面開口10Dよりも少し小さい大きさの台形で内蓋171をなす内蓋形状部171Pが折り線L9を介して連続して形成される。右側面板形状部12Pの下端縁に、底面開口の略半分程の大きさの台形で右側のフラップ173をなすフラップ形状部173Pが折り線L10を介して連続して形成される。正面板形状部13の下端縁に、底面開口と略同じ大きさの台形で外蓋172をなす外蓋形状部172Pが折り線L11を介して連続して形成される。左側面板形状部14Pの下端縁にフラップ形状部173Pと略同じ大きさの台形で左側のフラップ174をなす下フラップ形状部174Pが折り線L12を介して連続して形成される。なお、各折り線L9-L12は、ブランクシートP1の外面側から内面側に向けて凹の罫線により、形成される。これら内蓋形状部171P、外蓋形状部172P、左右のフラップ形状部173P、174Pにより、底蓋形状部17Pが構成される。
【0034】
接着片形状部15Pは接着片15と内側延長板21-24の一部(第1の延長板21)をなし、背面板形状部11Pの右側縁に既述の折り線L4を介して連接し、全体として、左側面板形状部14Pよりも少し幅狭の略台形に形成される。この接着片形状部15P、すなわち、第1の延長板形状部21Pに連続して第2、第3、第4の延長板22、23、24をなす第2、第3、第4の延長板形状部22P、23P、24Pが連続して形成される。第2の延長板形状部22Pは第1の延長板形状部21Pの右側縁に折り線L13を介して連接して正面板形状部13Pの幅よりも少し小さい幅で略台形に形成される。なお、折り線L13はミシン目線により形成される。第3の延長板形状部23Pは第2の延長板形状部22Pの右側縁に折り線L14を介して連接して右側面板形状部12Pの幅よりも少し小さい幅で縦長の四角形に形成される。なお、折り線L14は右側縁の上下に短い切り込み線により形成される。この第3の延長板形状部23Pには、上下方向の略中央に突状部形状部231P、固定部形状部232Pが併せて形成される。突状部形状部231Pは、この延長板形状部23Pの上下方向の略中央で第2の延長板形状部22P側の一方の側縁、つまり、左側縁に近接してこの左側縁に沿って平行に折り線231aが付設されて、これら左側縁と折り線231aとの間に縦長の略長方形に形成される。固定部形状部232Pは、突状部形状部231Pの折り線231aの上下で左側縁から第3の延長板形状部23Pの他方の側縁、この場合、右側縁まで切り込み線231bを形成されるとともに、この右側縁上で各切り込み線231bの端部間に切り込み線231cが形成されて、これら折り線231aと各切り込み線231b、231cにより横長の略長方形に切り抜き形成される。第4の延長板形状部24Pは第3の延長板形状部23Pの右側縁に折り線L15を介して連接して背面板形状部11Pの幅よりも少し小さい幅で略四角形に近似する複合形状に形成される。なお、折り線L15は右側縁の上下に短い切り込み線により形成される。この第4の延長板形状部24Pには右側縁側に固定部形状部242P、押さえ部形状部243Pが併せて設けられる。固定部形状部242Pは第4の延長板形状部24Pの延長端、この場合、右側縁の略下半部に折り線L16を介して連接してやや横長の四角形に形成される。なお、折り線L16は各延長板形状部21P、22P、23P、24Pの各側縁と平行に直線状のミシン目線により形成される。押さえ部形状部243Pは、第4の延長板24Pの略上半面の左右方向略中間部で折り線L17を介して略右半面が略下半面及び固定部形状部242Pから切り離され、右側縁から突出して略四角形に形成される。なお、折り線L17は各延長板形状部21P、22P、23P、24Pの各側縁と平行に切り込み線により形成される。これら第1、第2、第3、第4の各延長板形状部21P、22P、23P、24Pにより、内側延長板形状部21P-24Pが構成される。
【0035】
この内側延長板形状部21P-24Pの第3、第4の延長板形状部23P、24Pに連続して2つの内側側面板25、26をなす2つの内側側面板形状部25P、26Pが形成される。この2つの側面板形状部25P、26Pは第3、第4の延長板形状部23P、24Pの底蓋側の端部、つまり、下端縁に折り線L18、L19を介して連接し、各内側側面板形状部25P、26Pは相互に連接して、底蓋方向に全体として略台形状に突出して形成される。折り線L18は罫線により形成される。折り線L19は切り込み線により形成される。なお、この場合、折り線L19は第4の延長板形状部24Pと内側側面板形状部26Pの後述する残部26Bとの間にのみ形成される。これら内側側面板形状部25P、26Pの間で第4の延長板形状部24Pの折り線L15の延長上に折り線L20が形成される。なお、折り線L20は罫線により形成される。第4の延長板形状部24P側の内側側面板形状部26Pにおいては第3の延長板形状部23P側の内側側面板形状部25Pに隣接する一部26A、この場合、全体のうち左側の略3分の2程の一部26Aがその残部26B、この場合、右側の略3分の1程の残部26Bに対して略V字形に分離可能に、第4の延長板形状部24Pと一部26Aとの間でかつ折り線L18と折り線L19との間に切り込み線190が形成されて、一部26Aが内側延長板形状部21P-24Pから切り離され、一部26Aと残部26Bとの間に、上部側に、切り込み線190の端部(図2中、右端部)から下方に向けて長い切り込み線261が直線的に形成され、下部側に、上部側の切り込み線261の下端近傍から残部26B側の下部角部(図2中、下部右側の角部)に向けて短い折り線262が組み立て後の箱本体1の底面開口10Dの一方の対角線に一致するように斜めに形成される。なお、この場合、折り線262は切り込み線により形成される。
【0036】
かかるブランクシートP1は、図5に示すように、内側延長板形状部21P-24Pが2つの内側側面板形状部25P、26Pとともに、各内側側面板形状部25P、26P間、第1、第4の延長板形状部21P、24P間がそれぞれ糊で接着されて、4側面板形状部11P-14Pの内面側に折り込まれ、4側面板形状部11P-14Pが折り畳まれるとともに、右側面板形状部12Pと第3の延長板形状部23Pとの間、接着片形状部15Pと左側面板形状部14Pとの間がそれぞれ糊で接着されて、箱B1に組み立て可能に扁平状に折り畳み加工される。
【0037】
この場合、まず、内側延長板形状部21P-24Pが2つの内側側面板形状部25P、26Pとともに第3、第4の延長板形状部23P、24P間、2つの内側側面板形状部25P、26P間の各折り線L15、L20を山折りにして折り畳まれ、2つの内側側面板形状部25P、26Pにおいて第4の延長板形状部24P側の内側側面板形状部26Pの一部26Aの内面、第3の延長板形状部23P側の内側側面板形状部25Pの第4の延長板形状部24P側の内側側面板形状部26Pに近接する一部25Aの内面間が糊を介して接着固定される。これにより、2つの内側側面板形状部25P、26Pが重ね合わされて、一部25A、26Aが接着固定される。続いて、第1、第2の延長板形状部21P、22P間の折り線L13を山折りにして第2、第3、第4の延長板形状部22P、23P、24Pが第1の延長板形状部21P、背面板形状部11Pの内面側に折り込まれ、第4の延長板形状部24Pの固定部形状部242Pの外面、接着片形状部15P(第1の延長板形状部21P)の内面間が糊を介して接着固定される。これにより、第4の延長板形状部24Pと接着片形状部15Pが接続され、第1の延長板形状部21P、背面板形状部11Pの内面上に第2、第3、第4の延長板形状部22P、23P、24Pが重ね合わされる。
さらに、この第2、第3、第4の延長板形状部22P、23P、24Pを重ね合わされた第1の延長板形状部21P、背面板形状部11Pが背面板形状部11P、右側面板形状部12P間の折り線L1を山折りにして右側面板形状部12P、正面板形状部13Pの内面上に折り畳まれて重ね合わされ、第3の延長板形状部23Pの固定部形状部232Pの外面、右側面板形状部12Pの内面間が糊を介して接着固定される。これにより、内側延長板形状部21P-24Pが4側面板形状部11P-14Pの内面上に完全に折り込まれる。そして、正面板形状部13P、左側面板形状部14P間の折り線L3を山折りにして左側面板形状部14Pが接着片形状部15P上に折り畳まれ、左側面板形状部14Pの内面、接着片形状部15Pの外面が糊を介して接着固定される。これにより、4側面形状部11P-14Pが接続される。かくして、4側面板形状部11P-14Pが箱形(箱本体1)に、内側延長板形状部21P-24Pが筒形に、それぞれ、引き起こし可能に、かつ2つの内側側面板形状部25P、26Pが略V字形に分離可能に、折り畳み加工される。
【0038】
このように折り畳み加工されたブランクシートP1から、正面板形状部13P、左側面板形状部14P間の折り線L3、背面板形状部11P、右側面板形状部12P間の折り線L1を加圧するだけのワンタッチで、4側面板形状部11P-14Pが箱形に、内側延長板形状部21P-24Pが筒形に、それぞれ、起こされ、かつ2つの内側側面板形状部25P、26Pが略V字形に分離されて、箱本体1が組み立てられるとともに、箱本体1内に上下方向中間から底蓋側に仕切り2が一体に組み立てられる。
【0039】
なお、この場合、4側面板形状部11P-14Pが、各側面板形状部11P、12P、13P、14P間が各折り線L1、L2、L3を山折りにして約90°に折り曲げられて、箱本体1として断面略四角形の箱形に組み立てられる。内側延長板形状部21P-24Pは、接着片形状部15Pが背面板形状部11Pに対して両者間の折り線L4を山折りにして約90°に折り曲げられ、第2の延長板形状部22Pが第1の延長板形状部21Pに対して両者間の折り線L13を山折りにして約90°に折り曲げられ、第3の延長板形状部23Pが第2の延長板形状部22Pに対して両者間の折り線L14を山折りにして約90°に折り曲げられ、第4の延長板形状部24Pが第3の延長板形状部23Pに対して両者間の折り線L15を山折りにして約90°に折り曲げられる。同時に、第3の延長板形状部23Pの突状部形状部231Pと固定部形状部232Pとの間が折り線231aを山折りにして約90°に折り曲げられ、第4の延長板形状部24Pと固定部形状部242Pとの間が折り線242aを山折りにして約90°に折り曲げられる。第4の延長板形状部24Pから延びる押さえ部形状部243Pはこの延長板形状部24Pに対して折り線243aを山折りにして90°よりも鈍角に折り曲げられる。かくして、内側延長板形状部21P-24Pは箱本体1内で仕切り2の一部として断面四角形の筒形に組み立てられる。
【0040】
また同時に、2つの各内側側面板形状部25P、26Pが第3、第4の各延長板形状部23P、24Pに対して折り線L18、L19を山折りにして90°よりも鈍角に折り曲げられ、第3の延長板形状部23P側の内側側面板形状部25Pに対して第4の延長板形状部24P側の内側側面板形状部26Pの一部26Aが2つの内側側面板形状部25P、26P間の折り線L20を山折りにして約180°に折り曲げられ、これら第3の延長板形状部23P側の内側側面板形状部25P、第4の延長板形状部24P側の内側側面板形状部26Pの一部26Aと第4の延長板形状部24P側の内側側面板形状部26Pの残部26Bが両者間の折り線262を谷折りにして90°よりも鋭角に折り曲げられる。かくして、2つの内側側面板形状部25P、26Pは内側延長板21-24の下方で略V字形に組み立てられる。
【0041】
そして、底蓋形状部17Pの各部により底面開口10Dを塞がれるとともに、天蓋形状部16Pの各部により天面開口10Uを塞がれることにより、全体が略直方体形状の箱B1に組み立てられる。
【0042】
このような箱B1の組み立ての工程とともに、この箱B1の中にバイアルが収容されて包装される。
【0043】
このようにこの箱B1では、仕切り2が箱本体1内に上下方向中間から底蓋側に形成されて、箱本体1内でバイアルの周囲(周面)とともに底部を支持しバイアルを宙に浮かせた状態にして弾性的に保持するようになっている。
【0044】
図6にこの箱B1に包装されたバイアルの箱B1内での収容状態を示している。
図6に示すように、この箱B1内で、バイアルはバイアルの周面が筒形の内側延長板21-24の各面に支持されて、内側延長板21-24と箱本体1の4側面板11-14との間に緩衝空間210-240を介して弾性的に保持される。また、バイアルはバイアルの底部が略V字形を呈する2つの内側側面板25、26の上部に支持されて、バイアルの底部と箱B1の底蓋17との間に緩衝空間170を介して弾性的に保持される。
【0045】
このようにこの箱B1では、図6(a)に示すように、バイアルが箱B1内の筒形の内側延長板21-24の中に収容されて、バイアルの周面は箱B1内に緩衝空間210-240を介して筒形の内側延長板21-24内に各延長板22、23、24及び押さえ部243に接して支持され、箱B1の外周方向から強い外力が加えられても、その外力を受けた内側延長板21-24が緩衝空間210-240内で撓むことで、強い衝撃でも吸収される。これにより、バイアルの外周方向の強い外力から保護される。また、この場合、図6(b)に示すように、バイアルが略V字形に組まれた2つの内側側面板25、26の上部に載せられて、これら内側側面板25、26の略V字形の先端(下端)が箱B1の底蓋17内面上に接した状態で上下に伸縮可能になっていて、バイアルはこの略V字形をなす2つの内側側面板25、26上で支持され、箱B1に対して上下方向に強い外力が加えられても、各内側側面板25、26がバイアルの底部と箱B1の底蓋17との間で伸縮することで、強い衝撃でも吸収される。これにより、バイアルは上下方向の強い外力から保護される。しかして、箱B1に衝撃が加えられても、箱B1内のバイアルは破損することなく、確実に保護される。
【0046】
なお、この包装用箱B1は、正面板13の上部に折り線L7から下方に向けて台形状にミシン目線からなる破断線C1が形成されており、箱B1を開封する際は、この破断線C1で囲まれた部分の開封口T1を押圧して破断すれば天蓋16を開封することができる。この開封により正面板13の上部から切り離される開封口T1に指を押し付けながら、内蓋161とともに外蓋162を上方に引き上げれば、箱B1の天面開口10Uを開くことができる。また、背面板11の下部に折り線L9から上方に向けて台形状にミシン目線からなる破断線C2が形成されており、箱B1を廃棄する際は、この破断線C2で囲まれた部分の開封口T2を押圧して破断すれば底蓋17を開封することができ、箱B1を解体しやすくすることができる。底蓋17の開封により背面板11の下部から切り離される開封口T2に指を押し付けながら、内蓋171とともに外蓋172を引き下げれば、箱B1の底面開口10Dを開くことができ、箱B1を容易に折り畳むことができる。
【0047】
以上説明したように、この包装用箱B1では、箱本体1内に一体的に併設される仕切り2が、箱本体1の接着片15に、接着片15に接着される左側面板14の内面から箱本体1の正面板13、右側面板12、背面板11の各内面に沿って延び、箱本体1の内面に固定される内側延長板21-24と、内側延長板21-24の底蓋側の端部で箱本体1の4側面板11-14のうち相互に隣接する右側面板12、背面板11に対応する位置から相互に連接して底蓋方向に突出される2つの内側側面板25、26とを有し、これら2つの内側側面板25、26のうち背面板11側の一方において右側面板12側の他方に近接する一部26Aとその残部26Bとの間に当該一部26Aが当該残部26Bに対して略V字形に分離可能に、当該一部26Aが内側延長板21-24から切り離されるとともに、当該一部26Aと当該残部26Bとの間に切り込み線261及び折り線262を形成され、当該一部26Aが背面板11側の一方の内側側面板26から分離されて右側面板12側の他方の内側側面板25に接着され、2つの内側側面板25、26の背面板11側の一方と右側面板12側の他方が略V字形に接続されてなり、箱本体1内で底蓋側に伸縮可能に形成されて、箱本体1内でバイアルの底部を支持しバイアルを宙に浮かせた状態にして弾性的に保持するようにしたので、バイアルを箱B1外部からの衝撃から確実に保護することができる。そして、この箱B1の仕切り2の、特に2つの内側側面板25、26は、箱B1内でバイアルの底部と底蓋17との間で略V字形に組まれ、伸縮可能になっていればよいので、このバイアルの底部と底蓋17との間での高さは箱Bの高さや大きさによって任意に調整することができ、さらに小さいバイアルでも、箱B1の高さを低くして、箱B1のコンパクト化に対応することができる。例えば直径15mm、高さ38mmで容量3mlのバイアルに対応することができる。
【0048】
図7図8に第2の実施の形態を示している。図7は緩衝機能付き包装用箱B2の構成を示し、図8は同包装用箱B2の組み立て前のブランクシートP2の構成を示している。この包装用箱B2は、第1の実施の形態と概ね共通の構成を備え、仕切り2の一部に第1の実施の形態と異なる構成を有する。そこで、この実施の形態の説明では、第1の実施の形態と共通の構成については、共通の符号を付してその重複する説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について新たな符号を付して説明を行うこととする。
【0049】
図7図8に示すように、この包装用箱B2においては、接着片15又は内側延長板21-24の天蓋側の端部から天蓋16により押さえ込み可能に突出され、箱本体1内でバイアルの頂部を押さえる内側天面板27を併せて有する。
この場合、内側天面板27(内側天面板形状部27P)は、内側延長板21-24(内側延長板形状部21P-24P)の第3の延長板23(第3の延長板形状部23P)の天蓋側の端部、すなわち、上端縁に連続して、略四角形又は略台形に、この場合は略四角形に形成される。なお、この場合、第3の延長板23の上端縁よりも少し上方にこの上端縁と平行に折り線271が罫線により形成される。
【0050】
このようにしたことにより、図9に示すように、天面開口10Uが天蓋16により閉じられる際に、天面開口10U側の各フラップ163、164、内蓋161、外蓋162で内側天面板27が天面開口10Uに向けて押下傾倒され、この内側天面板27でバイアルの頂部を上から押え込む。
このように内側天面板27でバイアルの頂部が上から押え込まれることにより、バイアルは天面側が弾性的に保持され、既述の仕切り2の作用に加えて、箱B2内でバイアルはより確実に保持される。したがって、箱B2が上下方向から衝撃を受けても、箱B2内でバイアルはよりがたつくことがなく、箱B2内でより効果的に保護される。
したがって、この包装用箱B2によれば、第1の実施の形態による作用効果をより高めることができる。
【0051】
図10図11に第3の実施の形態を示している。図10は緩衝機能付き包装用箱B3の構成を示し、図11は同包装用箱B3の組み立て前のブランクシートP3の構成を示している。この包装用箱B3は、第1の実施の形態と概ね共通の構成を備え、仕切り2の一部に第1の実施の形態と異なる構成を有する。そこで、この実施の形態の説明でも、第1の実施の形態と共通の構成については、共通の符号を付してその重複する説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について新たな符号を付して説明を行うこととする。
【0052】
図10図11に示すように、この包装用箱B3では、第3の延長板23の固定部232が、第3の延長板23において、折り線231Hを介して折り曲げ可能に形成されており、この折り線231Hは直線状に代えて略ハット形に形成される。この場合、折り線231Hは略ハット形の切り込み線からなる。
【0053】
このような折り線231Hにしたことで、第3の延長板23(第3の延長板形状部23P)に突状部231(突状部形状部231P)が、第3の延長板23(第3の延長板形状部23P)の上下方向の略中央において、第2の延長板22(第2の延長板形状部22P)側の一方の側縁、つまり、左側縁とこの左側縁に近接してこの左側縁に沿って平行な略ハット形の切り込み線からなる折り線231Hとの間に形成され、固定部232(固定部形状部232P)が、既述の折り線231Hと、この折り線231Hの上下で左側縁から右側縁まで延びる切り込み線231bと、この右側縁上で各切り込み線231bの端部間に延びる切り込み線231cとにより、略四角形に形成される。
【0054】
このようにすることで、例えば箱の小型化で固定部232それ自体の接着面が小さく、糊を打つ箇所(面積)が十分に確保できない場合でも、固定部232が拡張され、糊を打つ接着面が十分に確保される。
【0055】
したがって、この包装用箱B3によれば、箱B3をコンパクト化した場合、例えば、直径15mm、高さ38mmで容量3mlのバイアルでも、第1の実施の形態による作用効果を維持することができる。
なお、第4の延長板24の折り線242aにおいても、必要により、同様である。
【0056】
図12図13に第4の実施の形態を示している。図12は緩衝機能付き包装用箱B4の構成を示し、図13は同包装用箱B4の組み立て前のブランクシートP4の構成を示している。この包装用箱B4は、第1、第2及び第3の各実施の形態の仕切り2と共通の構造を備えるが、第1、第2及び第3の各実施の形態とは異なる緩衝機能部として用いるものになっている。また、この箱B4は、バイアルではなく、ドリンク剤の包装用として例示している。
【0057】
図12図13に示すように、この包装用箱B4は、全体が板紙を打ち抜いて一体に形成された一枚のブランクシートP4からなり、正面板41(正面板形状部41P)、左側面板42(左側面板形状部42P)、背面板43(背面板形状部43)、右側面板44(右側面板形状部44P)をなす4側面板41-44(4側面板形状部41P-44P)及び4側面板41-44(4側面板形状部41P-44P)の一方側の側面板41(一方側の側面板形状部41)の一側縁から延び、他方側の側面板44(他方側の側面板形状部44P)に接着されて、一方側の側面板41(一方側の側面板形状部41)と他方側の側面板44(他方側の側面板形状部44P)とを接続する接着片45(接着片形状部45P)と、4側面板41-44(4側面板形状部41P-44P)の天面開口を塞ぐ天蓋46(天蓋形状部46P)、及び底面開口を塞ぐ底蓋47(底蓋形状部47P)とを有し、ドリンク剤を収容する箱本体4と、箱本体4内に一体的に併設され、ドリンク剤を弾性的に保持するための仕切り5とを備え、ドリンク剤を箱本体4内で仕切り5により弾性的に保持して収容するようになっている。
【0058】
この箱B4の場合、4側面板41-44の一方側の側面板41は正面板41、他方側の側面板44は右側面板44で、接着片45は正面板41の、この正面板41に隣接する左側面板42とは反対側の一側縁、この場合、正面板41から見て右側縁から延ばされる。この場合、接着片45は幅が正面板41、背面板43の幅の4分の1程で、縦長の略台形に形成される。このようにして接着片45の外面と右側面板44の内面が糊で接着され、正面板41と右側面板44が接続される。
【0059】
この場合、4側面41-44はそれぞれ、縦(上下方向)に長い長方形に形成される。
【0060】
この箱B4の場合、天蓋46(天蓋形状部46P)、底蓋47(底蓋形状部47P)はそれぞれ、箱B4の左右の各側面板42、44(左右の各側面板形状部42P、44P)の上下の各端縁から延びる一対のフラップ421,441、422,442(フラップ形状部421P,441P、422P,442P)、及び背面板43(背面板形状部43P)の上下の各端縁から延びる先端に差し込み片を有する蓋431、432(蓋形状部431P、432P)とを有し、所謂3枚フラップになっている。
【0061】
この場合、天蓋46、底蓋47の各フラップ421,441、422,442はそれぞれ略台形に形成され、蓋431、432は略四角形に、その差し込み片は横長、角丸の帯状に、それぞれ、形成される。
【0062】
かくして箱B4は、天面開口、底面開口にそれぞれ、左右の各フラップ421,441、422,442、蓋431、432が順次閉じられ、上下の各蓋431、432の各差し込み片が正面板41の内側に差し込まれ,各差し込み片と正面板41が糊付けにより接着されて、全体として縦に長い直方体状に構成される。なお、天蓋46、底蓋47の各蓋431、432の差し込み片が正面板41に糊付けされるのに代えて、各蓋431、432が正面板41に封緘テープにより接着されてもよい。
【0063】
また、この箱B4には、箱B4の正面板41の上下方向略中央よりも少し上方と下端縁の少し上方とにそれぞれ、正面板41の幅方向全体に亘って破断線401がミシン目線により直線状に形成される。この破断線401はさらに左側面板42まで延び、左側面板42では破断線402がジッパー線により略コ字形に形成される。このようにしてこれら破断線401、402で全体として略コ字形に囲まれた部分が左側面板42から正面板41に向けて開封可能な開封口40になっている。
【0064】
かかる箱B4において、仕切り5は、接着片45に、少なくとも他方側の側面板44の内面から箱本体4の内面に沿って延び、箱本体4の内面に固定される内側延長板51-53(内側延長板形状部51P-53P)と、内側延長板51-53(内側延長板形状部51P-53P)の底蓋側の端部で箱本体4の4側面板41-44(4側面板形状部41P-44P)のうち相互に隣接する2側面板44、43(2側面板形状部44P、43P)に対応する位置から相互に連接して底蓋方向に突出される2つの内側側面板54、55(2つの内側側面板形状部54P、55P)と、を有し、2つの内側側面板54、55(2つの内側側面板形状部54P、55P)の一方において他方に近接する一部55Aとその残部55Bとの間に当該一部55Aが当該残部55Bに対して略V字形に分離可能に、一部55Aが内側延長板51-53から切り離されるとともに、一部55Aと残部55Bとの間に切り込み線551及び折り線552を形成され、これら内側側面板54、55の一方の一部55Aが内側側面板54、55の一方から分離されて他方に接着され、2つの内側側面板54、55の一方と他方が略V字形に接続されてなる。
【0065】
この箱B4の場合、箱B4の他方側の側面板44は右側面板44で、仕切り5は、内側延長板51-53が接着片45に連続して右側面板44の内面に沿う第1の延長板51、背面板43の内面に沿う第2の延長板52、左側面板42の内面に沿う第3の延長板53からなり、2つの内側側面板54、55が箱本体4の4側面板41-44のうち相互に隣接する2側面板として右側面板44、背面板43に対応する第1、第2の延長板51、52の下端縁から相互に連接して底蓋方向に突出して形成される。
【0066】
この場合、第1の延長板51は、接着片45の右側縁の上から5分の2程の上部に連続して、これら接着片45と第1の延長板51とを合わせた全体の幅が右側面板44の幅よりも少し小さい幅の略台形に形成される。第2の延長板52は、第1の延長板51の右側縁に連続して、背面板43の幅と略同じ幅の略四角形に形成される。第3の延長板53は、第2の延長板52の右側縁に連続して、左側面板42の幅よりも小さい幅の略台形に形成される。
【0067】
この場合、2つの内側側面板54、55は、第1、第2の延長板51、52の下端縁に折り線511、521を介して連接し、各内側側面板54、55は相互に連接して、底蓋方向に全体として略台形状に突出して形成される。これら内側側面板54、55の間で第2の延長板52の折り線L52の延長上に折り線L55が形成される。なお、折り線L55は罫線により形成される。そして、第2の延長板52側の内側側面板55においては第1の延長板51側の内側側面板54に隣接する一部55A、この場合、全体のうち左側の略2分の1程の一部55Aがその残部55B、この場合、右側の略2分の1程の残部55Bに対して略V字形に分離可能に、一部55Aが内側延長板51-53から切り離されるとともに、一部55Aと残部55Bとの間に、上部側に長い切り込み線551が上下方向に直線的に形成され、下部側に折り線552が上部側の切り込み線551の下端に近接する位置から第2の延長板52側の内側側面板55の右側下部の角部に向けて斜めに形成される。なお、折り線552は切り込み線により形成される。
【0068】
このようにこの箱B4では、仕切り5が箱本体4内に天蓋46側に形成されて、箱本体4内でドリンク剤の頂部を押さえドリンク剤を弾性的に保持するようになっている。
【0069】
図14にこの箱B4に包装されたドリンク剤の箱B内での収容状態を示している。
図14に示すように、この箱B4内で、ドリンク剤は略V字形を呈する2つの内側側面板54、55と底蓋47との間に配置される。そして、ドリンク剤は頂部が略V字形に組まれた2つの内側側面板54、55にその直下で支持されて、2つの内側側面板54、55の上下方向の伸縮性により弾性的に保持される。したがって、箱B4に対して上下方向に外力が加えられても、各内側側面板54、55がドリンク剤の頂部と箱B4の天蓋46との間で伸縮することで、強い衝撃でも吸収される。これにより、ドリンク剤は上下方向の強い外力から保護される。しかして、箱B4に衝撃が加えられても、箱B4内のドリンク剤は破損することなく、確実に保護される。
また、この種のドリンク剤は、製薬会社などにおいてドリンク剤を箱に包装する工程で、カートナーと呼ばれる包装機械によって、箱の底面開口から挿入されて、包装される。この箱B4へのドリンク剤の挿入に際しては、ドリンク剤は箱B4内の仕切り5、すなわち、2つの内側側面板54、55により受け止められる。これにより、箱B4への挿入時に生じる衝撃は適度に吸収され、ドリンク剤のキャップの損傷も防止される。
【0070】
なお、このようにしてドリンク剤を包装した箱B4は、箱B4の正面板41の開封口40を左側面板42の左端部から指先で押し破り、左側面板42から正面板41まで切り離し引き上げることにより開封されて、箱B4の左側面板42及び正面板41の一部が大きく開口され、箱B4からドリンク剤を容易に取り出すことができる。
【0071】
以上説明したように、この包装用箱B4では、仕切り5が箱本体4内に天蓋46側に形成されて、箱本体4内でドリンク剤の頂部を押さえ、ドリンク剤を弾性的に保持するようにしたので、箱B4にドリンク剤を包装する際や包装後に生じる衝撃から保護することができる。
【0072】
なお、上記各実施の形態では、バイアルやドリンク剤などの医薬品を包装するものとして例示したが、医薬品の他ガラス瓶などの破損しやすく比較的重量のある収容物を包装する箱でも、箱B1-B4と同様に、仕切り2、5を備えることで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。特に、十分な緩衝機能を保持しながら、箱の高さを低くでき、箱のコンパクト化に資することができる。
【符号の説明】
【0073】
B1 緩衝機能付き包装用箱(包装用箱、箱)
1 箱本体
10U 天面開口
10D 底面開口
11-14 4側面板
11 背面板
12 右側面板
13 正面板
14 左側面板
15 接着片
16 天蓋
161 内蓋
162 外蓋
163 フラップ
164 フラップ
17 底蓋
170 緩衝空間
171 内蓋
172 外蓋
173 フラップ
174 フラップ
2 仕切り
210、220、230、240 緩衝空間
21-24 内側延長板
21 第1の延長板
22 第2の延長板
23 第3の延長板
231 突状部
231a 折り線
231b 切り込み線
231c 切り込み線
232 固定部
24 第4の延長板
242 固定部
242a 折り線
243 押さえ部
243a 折り線
25 内側側面板
25A 一部
26 内側側面板
261 切り込み線
262 折り線
26A 一部
26B 残部
P1 ブランクシート
11P 背面板形状部
12P 右側面板形状部
13P 正面板形状部
14P 左側面板形状部
15P 接着片形状部
161P 内蓋形状部
162P 外蓋形状部
163P フラップ形状部
164P フラップ形状部
171P 内蓋形状部
172P 外蓋形状部
173P フラップ形状部
174P フラップ形状部
21P-24P 内側延長板形状部
21P 第1の延長板形状部
22P 第2の延長板形状部
23P 第3の延長板形状部
231P 突状部形状部
232P 固定部形状部
24P 第4の延長板形状部
242P 固定部形状部
243P 押さえ部形状部
25P 内側側面板形状部
26P 内側側面板形状部
C1 破断線
C2 破断線
B2 緩衝機能付き包装用箱(包装用箱、箱)
27 内側天面板
P2 ブランクシート
27P 内側天面板形状部
B3 緩衝機能付き包装用箱(包装用箱、箱)
P3 ブランクシート
B4 緩衝機能付き包装用箱(包装用箱、箱)
P4 ブランクシート
4 箱本体
40 開封口
401 破断線
402 破断線
41-44 4側面板
41 正面板
42 左側面板
421 フラップ
422 フラップ
43 背面板
431 蓋
432 蓋
44 右側面板
441 フラップ
442 フラップ
45 接着片
46 天蓋
47 底蓋
5 仕切り
51-53 内側延長板
51 第1の延長板
52 第2の延長板
53 第3の延長板
54 内側側面板
55 内側側面板
55A 一部
55B 残部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14