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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169545
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】切替弁およびバブル水製造装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/085 20060101AFI20231122BHJP
   B01F 23/2375 20220101ALI20231122BHJP
   B01F 35/222 20220101ALI20231122BHJP
   F16K 11/076 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
F16K11/085 Z
B01F23/2375
B01F35/222
F16K11/076 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080717
(22)【出願日】2022-05-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000114891
【氏名又は名称】ヤマト科学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 八州
(72)【発明者】
【氏名】山口 義二
【テーマコード(参考)】
3H067
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
3H067AA16
3H067AA23
3H067CC32
3H067CC46
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA02
3H067FF11
3H067GG13
4G035AA01
4G035AB04
4G035AE02
4G035AE13
4G037EA10
(57)【要約】
【課題】切替弁の切り替えのみにより、面倒な制御を必要としたりすることなく、より多くのウルトラファインバブルを含有するUFB水を容易に生成できるようにする。
【解決手段】液体BWの注水と排水とが交互に行われるタンク10A,10B,10Cと、タンク10A,10B,10Cの内部圧力を制御する減圧ポンプ16と、駆動モータ30を備えるとともに、タンク10A,10B間、タンク10B,10C間、または、タンク10C,10A間を接続する配管連結路23と、減圧ポンプ16とタンク10A,10B,10Cとの間を接続する減圧路22と、を有する切替弁20と、を備え、駆動モータ30を制御して、切替弁20による、タンク10A,10B,10C間の接続を切り替えながら液体BWの移動を繰り返すことにより、UFB水の生成を容易に生成できるようにする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタンク、第2のタンク、および、第3のタンクの接続を切り替えるための切替弁であって、
弁本体と、
前記弁本体に設けられ、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続する第1の接続路と、
前記弁本体に設けられ、前記第1のタンクと減圧ポンプとの間、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続する第2の接続路と、
前記弁本体を回転させて、前記第1の接続路による、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間の接続を切り替えるとともに、前記第2の接続路による、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間の接続を切り替える回転駆動部と、
を備えることを特徴とする切替弁。
【請求項2】
第1の位置において、前記第1の接続路により、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間を接続させるとともに、前記第2の接続路により、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続させ、
第2の位置において、前記第1の接続路により、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間を接続させるとともに、前記第2の接続路により、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続させ、
第3の位置において、前記第1の接続路により、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続させるとともに、前記第2の接続路により、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続させることを特徴とする請求項1に記載の切替弁。
【請求項3】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクには、それぞれ配管路が1本ずつ設けられ、
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクは、液体の注水と排水とが同じ配管路を介して行われることを特徴とする請求項1または2に記載の切替弁。
【請求項4】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクには、それぞれ配管路が2本ずつ設けられ、
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクは、液体の注水と排水とが異なる配管路を介して行われることを特徴とする請求項1または2に記載の切替弁。
【請求項5】
前記異なる配管路にそれぞれつながるように、前記第2の接続路が一対の接続路からなることを特徴とする請求項4に記載の切替弁。
【請求項6】
前記第1の接続路には、気液混合器を介して、ガス供給部からの特殊ガスが供給されるガス供給路が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の切替弁。
【請求項7】
液体の注水と排水とが交互に行われる第1のタンク、第2のタンク、および、第3のタンクと、
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクの内部圧力を制御する減圧ポンプと、
回転駆動部を備えるとともに、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続する第1の接続路と、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続する第2の接続路と、を有する切替弁と、
前記切替弁の前記回転駆動部を制御して、前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクの接続を切り替えるための制御部と、
を備えることを特徴とするバブル水製造装置。
【請求項8】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクは、120度ずつずらして環状に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のバブル水製造装置。
【請求項9】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクにおいて、前記減圧ポンプによる減圧状態下での前記液体の注水と排水とを繰り返させることによって、所定数のウルトラファインバブルを含むバブル水を製造することを特徴とする請求項7に記載のバブル水製造装置。
【請求項10】
特殊ガスを供給するガス供給部と、
前記第1の接続路に気液混合器を介して接続された、前記ガス供給部につながるガス供給路と、
をさらに備え、
前記ガス供給部からの前記特殊ガスを、前記第1の接続路を流れる前記液体に溶存させることを特徴とする請求項7に記載のバブル水製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノバブルとも称されるウルトラファインバブル(UFB)水の製造に用いられる切替弁および該切替弁を備えたバブル水製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、真空ポンプによって内部の圧力状態が制御される2つのタンク間において、液体の移動を繰り返すことにより、所定数のUFBを含むUFB水の生成を可能とする減圧開放式のバブル水生成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、この方式のバブル水生成装置として、例えば3つのタンクを環状に配置し、各タンク内の圧力を弁のオン/オフにより制御することによって、各タンク間において、液体の移動を繰り返すことにより、所定数のUFBを含むUFB水の生成を可能とする構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-40903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2つのタンク内の圧力を制御するためには1個の弁で十分であるが、3つものタンクの圧力を弁のオン/オフによって制御する構成とした場合、少なくとも2個の弁が必要となり、弁の切替え制御がより複雑になるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、3つのタンク間の接続を簡単に切替え制御できる切替弁、および、該切替弁を備え、面倒な制御を必要とすることなく、より多くのバブル水を効率よく製造することが可能なバブル水製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明の一態様は、第1のタンク、第2のタンク、および、第3のタンクの接続を切り替えるための切替弁であって、弁本体と、前記弁本体に設けられ、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続する第1の接続路と、前記弁本体に設けられ、前記第1のタンクと減圧ポンプとの間、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続する第2の接続路と、前記弁本体を回転させて、前記第1の接続路による、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間の接続を切り替えるとともに、前記第2の接続路による、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間の接続を切り替える回転駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様に係るバブル水製造装置は、液体の注水と排水とが交互に行われる第1のタンク、第2のタンク、および、第3のタンクと、前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクの内部圧力を制御する減圧ポンプと、回転駆動部を備えるとともに、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続する第1の接続路と、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続する第2の接続路と、を有する切替弁と、前記切替弁の前記回転駆動部を制御して、前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクの接続を切り替えるための制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3つのタンク間の接続を簡単に切替え制御できる切替弁、および、該切替弁を備え、面倒な制御を必要とすることなく、より多くのバブル水を効率よく製造することが可能なバブル水製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るバブル水製造装置の構成例を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係るバブル水製造装置に設けられる切替バルブを例示するもので、(a)は、平面図であり、(b)は、側面図である。
図3】第1実施形態に係るバブル水製造装置の制御回路を例示するブロック図である。
図4A】第1実施形態に係るバブル水製造装置の動作例を示すフローチャート(その1)である。
図4B】第1実施形態に係るバブル水製造装置の動作例を示すフローチャート(その2)である。
図4C】第1実施形態に係るバブル水製造装置の動作例を示すフローチャート(その3)である。
図5】(a)~(c)は、第1実施形態に係るバブル水製造装置の動作例を示す概略図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るバブル水製造装置に設けられる切替バルブを例示するもので、(a)は、配管路切替バルブの平面図であり、(b)は、ガス供給バルブの平面図であり、(c)は、切替バルブの側面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係るバブル水製造装置の構成例を示す概略図である。
図8】(a)~(c)は、第3実施形態に係るバブル水製造装置の動作例を示す概略図である。
図9】本発明の第4実施形態に係るバブル水製造装置の構成例を示す概略図である。
図10A】第4実施形態に係るバブル水製造装置の動作例(0度時)を示すもので、(a)は、切替バルブの平面図であり、(b)は、切替バルブの側面図である。
図10B】第4実施形態に係るバブル水製造装置の動作例(120度時)を示すもので、(a)は、切替バルブの平面図であり、(b)は、切替バルブの側面図である。
図10C】第4実施形態に係るバブル水製造装置の動作例(240度時)を示すもので、(a)は、切替バルブの平面図であり、(b)は、切替バルブの側面図である。
図11】第4実施形態に係るバブル水製造装置の動作例を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、実施の形態において、図面は、発明の概要を模式的に示すものであって、実際のものとは異なるものであることに留意すべきである。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るバブル水製造装置が適用されるUFB水生成装置1の概略構成を模式的に示すものである。
【0013】
本実施形態に係るUFB水生成装置1は、例えば、粒径がナノレベルとされた微細気泡(ウルトラファインバブル)を含有するUFB水を調製するものとして説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のUFB水生成装置1は、例えば、減圧ポンプ16と、該減圧ポンプ16によって内部の圧力状態が制御される第1,第2,第3の3つのタンク(UFB槽)10A,10B,10Cと、3つのタンク10A,10B,10C間の接続を切り替える切替弁(特殊切替バルブ)20と、を備えている。
【0015】
3つのタンク10A,10B,10Cは、切替弁20を中心に、その周囲を取り囲むようにして、120度ずつずらして環状に配置されている。
【0016】
また、3つのタンク10A,10B,10Cは、それぞれ、切替弁20と接続される1本の配管路(ノズル)12A,12B,12Cを備えており、液体BWの注水と排水とが同じ配管路12A,12B,12Cを介して行われるようになっている。
【0017】
なお、3つのタンク10A,10B,10Cのうち、例えば、タンク10Aには、UFB水を生成するための液体BWを給水する供給口10aと、UFB水として生成された液体BWを回収するための回収口10bと、が設けられている。
【0018】
即ち、本実施形態においては、例えば、チャンバとしてのタンク10A,10B,10C、減圧ポンプ16、および、切替弁20などによって、減圧開放式のバブル水製造装置が構成されている。
【0019】
このUFB水生成装置1に設けられる切替弁20は、例えば図2(a),(b)に示すように、減圧ポンプ16が搭載されるマニホールドとしての円盤状のバルブ本体(弁本体)21と、該バルブ本体21を図示矢印R(右)方向に回転駆動させるための駆動モータ(回転駆動部)30と、を備えている。
【0020】
そして、バルブ本体21には、タンク10Aと減圧ポンプ16との間、タンク10Bと減圧ポンプ16との間、または、タンク10Cと減圧ポンプ16との間を接続する減圧路(第2の接続路)22と、タンク10Aと10Bとの間、タンク10Bと10Cとの間、または、タンク10Cと10Aとの間を接続する配管連結路(第1の接続路)23と、が設けられている。
【0021】
バルブ本体21に対して、減圧路22と配管連結路23とがほぼ直交するように配置されることによって、減圧路22により、タンク10Cの配管路12Cと減圧ポンプ16との間を接続させた状態においては、配管連結路23を介して、一方のタンク10Aの配管路12Aと他方のタンク10Bの配管路12Bとの間を接続させることが可能となる(例えば、第1の位置)。
【0022】
また、減圧路22により、タンク10Aの配管路12Aと減圧ポンプ16との間を接続させた状態においては、配管連結路23を介して、一方のタンク10Bの配管路12Bと他方のタンク10Cの配管路12Cとの間を接続させることが可能となる(例えば、第2の位置)。
【0023】
同様に、減圧路22により、タンク10Bの配管路12Bと減圧ポンプ16との間を接続させた状態においては、配管連結路23を介して、一方のタンク10Cの配管路12Cと他方のタンク10Aの配管路12Aとの間を接続させることが可能となる(例えば、第3の位置)。
【0024】
即ち、駆動モータ30によってバルブ本体21を図示矢印R方向に120度ずつ回転駆動させることにより、配管連結路23による、タンク10Aとタンク10Bとの間、タンク10Bとタンク10Cとの間、または、タンク10Cとタンク10Aとの間の接続と、減圧路22による、タンク10Aと減圧ポンプ16との間、タンク10Bと減圧ポンプ16との間、または、タンク10Cと減圧ポンプ16との間の接続と、を同時に切り替えることが容易に可能となっている。
【0025】
ここで、減圧ポンプ16は、タンク10A,10B,10Cの内部圧力を減圧制御するものである。例えば、タンク10A,10B間については、減圧ポンプ16により、他方のタンク10Bが減圧状態(-0.1mpa程度)に設定されるとともに、一方のタンク10Aが常圧状態に設定されるようになっている。また、タンク10B,10C間については、減圧ポンプ16により、他方のタンク10Cが減圧状態に設定されるとともに、一方のタンク10Bが常圧状態に設定されるようになっている。同様に、タンク10C,10A間については、減圧ポンプ16により、他方のタンク10Aが減圧状態に設定されるとともに、一方のタンク10Cが常圧状態に設定されるようになっている。
【0026】
なお、減圧ポンプ16に限らず、例えば、各タンク10A,10B,10C内を真空状態(陰圧状態)に設定するものであっても良い。
【0027】
また、各タンク10A,10B,10Cとしては、例えば、所定の容量(100ml~2L程度)を有し、所定量(10cc~1000cc程度)の純水などの液体BWが一時的に貯留される。
【0028】
そして、各タンク10A,10B,10Cは、減圧ポンプ16の作用により、減圧環境下でのみ、液体BWに対するせん断力を連続して得ることが可能とされている。即ち、タンク10A,10B,10C間を、切替弁20を介して、液体BWが順に移動されることに伴って、逐次、100nm~200nm程度の粒径とされた多数のバブルを、その発生数を飽和させることなしに連続的に発生させることが可能とされている。したがって、本実施形態に係るUFB水生成装置1によれば、切替弁20の制御のみで、より多くのバブルを容易に発生させることができ、多数のUFBを含有するUFB水を効率よく生成(製造)することが可能となる。
【0029】
しかも、液体BWが減圧ポンプ16を介さずに移動可能とされることにより、減圧ポンプ16内の塵などの異物の混入や、減圧ポンプ16の余熱による液体BWの温度上昇なども防止できる。
【0030】
図3は、UFB水生成装置1の制御回路を例示するブロック図である。即ち、本実施形態に係るUFB水生成装置1は、例えば図3に示すように、全体を制御する制御部11、該制御部11に繋がる操作入力部13、減圧ポンプ16、弁切替器15、および、記憶部19などから構成されている。
【0031】
操作入力部13は、例えば、操作(調製)者がUFB水生成時に操作するもので、液体BWの移動回数(設定回数)や、発生させるバブルの粒径などを設定したり、UFB水生成装置1の稼働および停止などを指示(入力)したりするためのものである。
【0032】
記憶部19は、操作入力部13から入力された各種の設定値などを記憶するためのものであって、例えば、液体BWの移動回数とUFBの含有量または粒径との関係などを予め記憶するようにしても良い。
【0033】
制御部11は、操作入力部13からの指示に応じて、減圧ポンプ16のスタート(オン)/ストップ(オフ)を制御したり、記憶部19に記憶された移動回数の設定値などに応じて、弁切替器15を制御したりするものである。
【0034】
また、制御部11は、図示省略の圧力計や流量計を用いて、各タンク10A,10B,10C内の減圧状態や液体BWの流量を監視するようになっている。
【0035】
弁切替器15は、制御部11の指示にしたがって切替弁20の駆動モータ30を制御するもので、1回の制御において、バルブ本体21を図中の矢印R方向に120度ほど回転駆動させるようになっている。
【0036】
次に、本実施形態に係るUFB水生成装置1の動作について説明する。
【0037】
図4A図4Cは、UFB水生成装置1の動作例を示すフローチャートであり、図5(a)~(c)は、UFB水生成装置1の動作例を示す概略図である。
【0038】
即ち、UFB水生成装置1によって、所定の粒径および量のウルトラファインバブルを含有するUFB水を生成する場合、操作者により操作入力部13から液体BWの移動回数の設定(例えば、3~21回程度)などが行わる(図4AのステップS01)。移動回数としては、生成するUFBの粒径や量などに応じて設定されるのが望ましいが、タンク10Aでの液体BWの給水および回収が可能なように、例えば「3」の倍数であっても良い。なお、移動回数の設定値は、制御部11によって記憶部19へと格納される。
【0039】
その後、操作者により、タンク10A内への液体BWの給水が行われる(図4AのステップS02)。
【0040】
そして、操作入力部13からバブル水生成開始の指示が入力されることにより、制御部11によって減圧ポンプ16がスタートされる(図4AのステップS03)。
【0041】
すると、制御部11によって弁切替器15が制御されて、まずは、駆動モータ30により切替弁20のバルブ本体21が初期位置である、例えば第3の位置へと駆動される(図4AのステップS04)。これにより、例えば図5(a)に示すように、バルブ本体21が図示矢印R方向に120度ほど移動されて、切替弁20の減圧路22がタンク10Bの配管路12Bと接続されるとともに、配管連結路23を介して、タンク10Aの配管路12Aとタンク10Cの配管路12Cとが接続される。
【0042】
こうして、減圧路22につながるタンク10B内の圧力が徐々に減圧され、所定の減圧状態に達したことが制御部11によって判断されると(図4AのステップS05)、弁切替器15が制御されて、駆動モータ30により切替弁20のバルブ本体21が第3の位置から第1の位置へと駆動される(図4AのステップS06)。これにより、例えば図5(b)に示すように、バルブ本体21が図示矢印R方向に120度ほど移動されて、切替弁20の減圧路22がタンク10Cの配管路12Cと接続されるとともに、配管連結路23を介して、タンク10Aの配管路12Aとタンク10Bの配管路12Bとが接続される。
【0043】
その結果、タンク10A内に注水された液体BWが配管路12Aより排水された後、矢印で示すように、切替弁20の配管連結路23を移動されて、配管路12Bよりタンク10B内へと注水される(図4AのステップS07)。
【0044】
この状態において、制御部11によって、全ての液体BWがタンク10B内に移動したことが判断されると、該タンク10Bへの液体BWの移動が、記憶部19に格納された移動回数の設定値と比較される(図4AのステップS08)。そして、その比較の結果、液体BWの移動が設定回数をクリアしたと判断される場合(ステップS08のYES)には、このUFB水の生成に係る一連の処理は終了される。
【0045】
即ち、制御部11によって減圧ポンプ16がストップされるとともに、操作者によるUFB水として生成された液体BWの回収などが行われる。
【0046】
一方、液体BWの移動は設定回数をクリアしていないと判断される場合(ステップS08のNO)には、例えば図5(b)に示すように、減圧路22につながるタンク10C内の圧力が徐々に減圧される(図4BのステップS10)。
【0047】
そして、所定の減圧状態に達したことが制御部11によって判断されると、弁切替器15が制御されて、駆動モータ30により切替弁20のバルブ本体21が第1の位置から第2の位置へと駆動される(図4BのステップS11)。これにより、例えば図5(c)に示すように、バルブ本体21が図示矢印R方向に120度ほど移動されて、切替弁20の減圧路22がタンク10Aの配管路12Aと接続されるとともに、配管連結路23を介して、タンク10Bの配管路12Bとタンク10Cの配管路12Cとが接続される。
【0048】
その結果、タンク10B内に移動された液体BWが配管路12Bより排水された後、矢印で示すように、切替弁20の配管連結路23を移動されて、配管路12Cよりタンク10C内へと注水される(図4BのステップS12)。
【0049】
同様に、制御部11によって、全ての液体BWがタンク10C内に移動したことが判断されると、該タンク10Cへの液体BWの移動が、記憶部19に格納された移動回数の設定値と比較される(図4BのステップS13)。そして、その比較の結果、液体BWの移動が設定回数をクリアしたと判断される場合(ステップS13のYES)には、このUFB水の生成に係る一連の処理は終了される。
【0050】
一方、液体BWの移動は設定回数をクリアしていないと判断される場合(ステップS13のNO)には、例えば図5(c)に示すように、減圧路22につながるタンク10A内の圧力が徐々に減圧される(図4CのステップS15)。
【0051】
そして、所定の減圧状態に達したことが制御部11によって判断されると、弁切替器15が制御されて、駆動モータ30により切替弁20のバルブ本体21が第2の位置から第3の位置へと駆動される(図4CのステップS16)。これにより、例えば図5(a)に示すように、バルブ本体21が図示矢印R方向に120度ほど移動されて、切替弁20の減圧路22がタンク10Bの配管路12Bと接続されるとともに、配管連結路23を介して、タンク10Aの配管路12Aとタンク10Cの配管路12Cとが接続される。
【0052】
その結果、タンク10C内に移動された液体BWが配管路12Cより排水された後、切替弁20の配管連結路23を移動されて、配管路12Aよりタンク10A内へと注水される(図4CのステップS17)。
【0053】
同様に、制御部11によって、全ての液体BWがタンク10A内に移動したことが判断されると、該タンク10Aへの液体BWの移動が、記憶部19に格納された移動回数の設定値と比較される(図4CのステップS18)。そして、その比較の結果、液体BWの移動が設定回数をクリアしたと判断される場合(ステップS18のYES)には、このUFB水の生成に係る一連の処理は終了される。
【0054】
これ以降、タンク10A,10B,10C間を順に移動する液体BWが設定回数をクリアしたと判断されるまで、例えば図5(a)~(c)に示す動作が繰り返される。これにより、液体BW中のバブルが徐々にせん断されて、最終的には、100nm~200nm程度の粒径とされた多数のウルトラファインバブルを含有するUFB水が生成される。
【0055】
本実施形態によれば、3つのタンク10A,10B,10C間の接続を、1つの切替弁20により簡単に切替え制御でき、面倒な制御を必要とすることなく、より多くのバブル水を効率よく製造することが可能となる。
【0056】
即ち、この第1実施形態に係るUFB水生成装置1は、減圧ポンプ16によって内部の圧力状態が制御される3つのタンク10A,10B,10Cが、切替弁20を中心に、その周囲を取り囲むようにして、120度ずつずらして環状に配置されてなるとともに、切替弁20に減圧路22と配管連結路23とを設け、切替弁20の回転により、各タンク10A,10B,タンク10Cと減圧ポンプ16との間の接続と各タンク10A,10B,10C間の接続とを同時に切り替えることができるようになっている。
【0057】
これにより、3つのタンク10A,10B,10Cの圧力を弁のオン/オフにより制御する構成とした場合にも、1つの切替弁20によって、簡単に切替え制御できるようになる。
【0058】
したがって、3つのタンク10A,10B,10Cの圧力を、1つの切替弁20により簡単に切替え制御でき、面倒な制御を必要とすることなく、より多くのUFB水を効率よく製造できるようになるものである。
【0059】
なお、上記した第1実施形態の場合においては、切替弁20の上層部に減圧ポンプ16を配置して減圧する方式としたが、これに限定されないことは勿論である。
【0060】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係るバブル水製造装置が適用されるUFB水生成装置に設けられる切替弁(特殊切替バルブ)を例示するもので、(a)は、上部の配管路切替弁20Aの平面図であり、(b)は、下部のガス供給ライン切替弁20Bの平面図であり、(c)は、切替弁の側面図である。
【0061】
ここで、本実施形態に係るUFB水生成装置は、例えば、水素、酸素、または、オゾンなどの医療用ガスのような特殊ガスを溶存させたガス溶存UFB水の生成を行うものとして説明する。
【0062】
なお、第1実施形態に係るUFB水生成装置1と同一部分は図示を省略し、異なる切替弁についてのみ説明する。
【0063】
即ち、ガス溶存UFB水の生成を行うUFB水生成装置に適用可能な切替弁としては、例えば図6(a)~(c)に示すように、減圧ポンプ16が搭載されるマニホールドとしての円盤状の配管路切替弁20Aのバルブ本体(弁本体)21と、このバルブ本体21の下面に可動式に設けられ、ガスタンク(ガス供給部)40が搭載されるマニホールドとしての円盤状のガス供給ライン切替弁20Bのバルブ本体(弁本体)25と、該バルブ本体21,25を同時に図示矢印R(右)方向に回転駆動させるための駆動モータ(回転駆動部)30と、から構成されている。
【0064】
バルブ本体21には、例えば図2の場合と同様に、タンク10Aと減圧ポンプ16との間、タンク10Bと減圧ポンプ16との間、または、タンク10Cと減圧ポンプ16との間を接続する減圧路(第2の接続路)22と、タンク10Aと10Bとの間、タンク10Bと10Cとの間、または、タンク10Cと10Aとの間を接続する配管連結路(第1の接続路)23と、がほぼ直交するように設けられている。
【0065】
配管連結路23の一部には、後述するガス供給路26が接続される接続口部23aが設けられている。この接続口部23aは、気液混合部として機能するようになっている。
【0066】
即ち、接続口部23aは、例えば、配管連結路23内に突出するようにして閉め込み可能に設けられた、貫通路を有する特殊なイモネジ(ホーローセットなどとも呼称される)により形成されている。接続口部23aは、イモネジより自吸した気体(特殊ガス)を、配管連結路23内を流れる液体BW中に溶存させるためのもので、イモネジの貫通路の径や配管連結路23内への突出の程度を調整し、ガス供給路26から取り込む気体の流速や配管連結路23内での液体BWの流れを変化させることによって、発生されるバブルの粒径や個数を調整することが可能となっている。
【0067】
バルブ本体25には、配管連結路23の接続口部23aとガスタンク40との間を接続するガス供給路26が設けられている。
【0068】
ガスタンク40からは、濃度が1ppm~10ppm程度の特殊ガスを供給することが可能とされている。
【0069】
本実施形態によれば、ガス溶存UFB水を生成する場合であっても、3つのタンク10A,10B,10C間の接続を、1つの切替弁により簡単に切替え制御でき、面倒な制御を必要とすることなく、より多くのガス溶存UFB水を効率よく製造することが可能となる。
【0070】
なお、上記した第2実施形態の場合においては、切替弁の上層部に減圧ポンプ16を配置して減圧するとともに、下層部にガスタンク40を配置してガス供給を行う方式としたが、これに限定されないことは勿論である。
【0071】
<第3実施形態>
図7は、本発明の第3実施形態に係るバブル水製造装置が適用されるUFB水生成装置1の概略構成を模式的に示すものであり、図8(a)~(c)は、第3実施形態に係るUFB水生成装置1の動作例を示す概略図である。
【0072】
ここでは、UFB水生成装置1として、各タンク10A,10B,10Cが、例えば、2本の配管路(ノズル)12Aa,12Ab、12Ba,12Bb、12Ca,12Cbを備えてなる場合を例示している。
【0073】
なお、第1実施形態に係るUFB水生成装置1と同一部分には同一または類似の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0074】
即ち、タンク10Aには、2本の配管路12Aa,12Abが設けられ、タンク10Bには、2本の配管路12Ba,12Bbが設けられ、タンク10Cには、2本の配管路12Ca,12Cbが設けられている。これにより、各タンク10A,10B,10Cにおいては、いずれも、液体BWの注水と排水とが異なる配管路12Aa,12Ab、12Ba,12Bb、12Ca,12Cbを介して行われるようになっている。
【0075】
これに対し、切替弁20の、減圧ポンプ16が搭載されるマニホールドとしての円盤状のバルブ本体(弁本体)21には、タンク10Aと10Bとの間、タンク10Bと10Cとの間、または、タンク10Cと10Aとの間を接続する配管連結路(第1の接続路)23と、タンク10Aの配管路12Aa,12Abと減圧ポンプ16との間、タンク10Bの配管路12Ba,12Bbと減圧ポンプ16との間、または、タンク10Cの配管路12Ca,12Cbと減圧ポンプ16との間を接続する一対の減圧路(第2の接続路)22a,22bと、がほぼ直交するように設けられている。
【0076】
より具体的には、初期位置(第3の位置)においては、例えば図8(a)に示すように、減圧路22aにより、タンク10Bの配管路12Baと減圧ポンプ16との間が接続され、減圧路22bにより、タンク10Bの配管路12Bbと減圧ポンプ16との間が接続されるとともに、この状態においては、配管連結路23を介して、一方のタンク10Cの配管路12Caと他方のタンク10Aの配管路12Abとの間が接続される。
【0077】
また、第1の位置においては、例えば図8(b)に示すように、減圧路22aにより、タンク10Cの配管路12Caと減圧ポンプ16との間が接続され、減圧路22bにより、タンク10Cの配管路12Cbと減圧ポンプ16との間が接続されるとともに、この状態においては、配管連結路23を介して、一方のタンク10Aの配管路12Aaと他方のタンク10Bの配管路12Bbとの間が接続される。
【0078】
同様に、第2の位置においては、例えば図8(c)に示すように、減圧路22aにより、タンク10Aの配管路12Aaと減圧ポンプ16との間が接続され、減圧路22bにより、タンク10Aの配管路12Abと減圧ポンプ16との間が接続されるとともに、この状態においては、配管連結路23を介して、一方のタンク10Bの配管路12Baと他方のタンク10Cの配管路12Cbとの間が接続される。
【0079】
本実施形態によれば、3つのタンク10A,10B,10Cがそれぞれ2本の配管路12Aa,12Ab、12Ba,12Bb、12Ca,12Cbを備える場合であっても、3つのタンク10A,10B,10C間の接続を、1つの切替弁20により簡単に切替え制御でき、面倒な制御を必要とすることなく、より多くのUFB水を効率よく製造することが可能となる。
【0080】
なお、上記した第1実施形態の場合においては、切替弁20の上層部に減圧ポンプ16を配置して減圧する方式としたが、これに限定されないことは勿論であり、例えば第2実施形態の場合(図6参照)のように、下層部にガスタンクやガス供給ライン切替弁などを設けてなる構成とすることも可能である。
【0081】
<第4実施形態>
図9は、本発明の第4実施形態に係るバブル水製造装置が適用されるUFB水生成装置1の概略構成を模式的に示すものである。
【0082】
本実施形態に係るUFB水生成装置1は、例えば、各タンク10A,10B,10Cが、それぞれ、2本の配管路(ノズル)12Aa,12Ab、12Ba,12Bb、12Ca,12Cbを備え、水素、酸素、または、オゾンなどの医療用ガスのような特殊ガスを溶存させたガス溶存UFB水の生成を行うものとして説明する。
【0083】
なお、第1~第3実施形態に係るUFB水生成装置1と同一部分には同一または類似の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0084】
即ち、本実施形態のUFB水生成装置1は、例えば図9に示すように、減圧ポンプ16と、該減圧ポンプ16によって内部の圧力状態が制御される第1,第2,第3の3つのタンク(UFB槽)10A,10B,10Cと、3つのタンク10A,10B,10C間の接続を切り替える切替弁(特殊切替バルブ)20と、ガス供給部40と、を備えている。
【0085】
3つのタンク10A,10B,10Cは、切替弁20を中心に、その周囲を取り囲むようにして、120度ずつずらして環状に配置されている。
【0086】
タンク10Aは、例えば、2本の配管路(ノズル)12Aa,12Abを備えている。配管路12Aaの接続端には、切替弁20との接続部203aが設けられ、配管路12Abの接続端には、切替弁20との接続部201aが設けられている。
【0087】
タンク10Bは、例えば、2本の配管路(ノズル)12Ba,12Bbを備えている。配管路12Baの接続端には、切替弁20との接続部203bが設けられ、配管路12Bbの接続端には、切替弁20との接続部201bが設けられている。
【0088】
タンク10Cは、例えば、2本の配管路(ノズル)12Ca,12Cbを備えている。配管路12Caの接続端には、切替弁20との接続部203cが設けられ、配管路12Cbの接続端には、切替弁20との接続部201cが設けられている。
【0089】
ガス供給部40は、例えば、特殊ガス用のガスタンク(図示省略)やガス供給ラインとしての3本のガス供給管41a,41b,41cを備えている。
【0090】
ガス供給管41aは、例えば切替弁20を介して、タンク10Aに特殊ガスを供給するためのもので、切替弁20との接続端には接続部205aが設けられている。ガス供給管41bは、例えば切替弁20を介して、タンク10Bに特殊ガスを供給するためのもので、切替弁20との接続端には接続部205bが設けられている。ガス供給管41cは、例えば切替弁20を介して、タンク10Cに特殊ガスを供給するためのもので、切替弁20との接続端には接続部205cが設けられている。
【0091】
なお、接続部201a,201b,201cは、切替弁20に対して、120度ずつずれるように配置されている。そして、接続部205a,205b,205cは、接続部201a,201b,201cに対して左方向に30度ずつずれるように、それぞれ配置されている。また、接続部203a,203b,203cは、接続部201a,201b,201cに対して右方向に60度ずつずれるように、それぞれ配置されている。
【0092】
これに対し、切替弁20の、減圧ポンプ16が搭載されるマニホールドとしての円盤状のバルブ本体(弁本体)21には、例えば、接続部203a,203bを介して、タンク10Aの配管路12Aaとタンク10Bの配管路12Baとの間、接続部203b,203cを介して、タンク10Bの配管路12Baとタンク10Cの配管路12Caとの間、または、接続部203c,203aを介して、タンク10Cの配管路12Caとタンク10Aの配管路12Aaとの間を接続する配管連結路(第1の接続路)213が設けられている。
【0093】
また、バルブ本体21には、例えば、接続部201aを介して、タンク10Aの配管路12Abと減圧ポンプ16との間、接続部201bを介して、タンク10Bの配管路12Bbと減圧ポンプ16との間、または、接続部201cを介して、タンク10Cの配管路12Cbと減圧ポンプ16との間を接続する減圧路(第2の接続路)211が設けられている。
【0094】
さらに、バルブ本体21には、例えば、接続部201a,205aを介して、タンク10Aの配管路12Abとガス供給部40のガス供給管41aとの間、接続部201b,205bを介して、タンク10Bの配管路12Bbとガス供給部40のガス供給管41bとの間、または、接続部201c,205cを介して、タンク10Cの配管路12Cbとガス供給部40のガス供給管41cとの間を接続する接続路215が設けられている。
【0095】
本実施形態においては、例えば、切替弁20の、減圧路211と接続路215とがバルブ本体21の上層部分に対応して、配管連結路213が下層部分に対応して、それぞれ設けられている。
【0096】
即ち、切替弁20が第1の位置(0度)においては、例えば図10Aに示すように、減圧路211により、接続部201cを介して、タンク10Cの配管路12Cbと減圧ポンプ16との間が接続され、この状態においては、配管連結路213により、接続部203a,203bを介して、タンク10Aの配管路12Aaとタンク10Bの配管路12Baとの間が接続される。また、接続路215により、接続部201a,205aを介して、タンク10Aの配管路12Abとガス供給部40からのガス供給管41aとの間が接続される。
【0097】
同様に、切替弁20が第2の位置(120度)においては、例えば図10Bに示すように、減圧路211により、接続部201aを介して、タンク10Aの配管路12Abと減圧ポンプ16との間が接続され、この状態においては、配管連結路213により、接続部203b,203cを介して、タンク10Bの配管路12Baとタンク10Cの配管路12Caとの間が接続される。また、接続路215により、接続部201b,205bを介して、タンク10Bの配管路12Bbとガス供給部40からのガス供給管41bとの間が接続される。
【0098】
同様に、切替弁20が第3の位置(240度)においては、例えば図10Cに示すように、減圧路211により、接続部201bを介して、タンク10Bの配管路12Bbと減圧ポンプ16との間が接続され、この状態においては、配管連結路213により、接続部203a,203cを介して、タンク10Aの配管路12Aaとタンク10Cの配管路12Caとの間が接続される。また、接続路215により、接続部201c,205cを介して、タンク10Cの配管路12Cbとガス供給部40からのガス供給管41cとの間が接続される。
【0099】
このような構成において、タンク10A,10B,10C間を順に移動する液体BWが設定回数をクリアしたと判断されるまで、例えば図11に示す動作が繰り返される。
【0100】
即ち、切替弁20の角度(0度、120度、240度)に応じて、図中に矢印で示すように、各タンク10A,10B,10C内の減圧と、各タンク10A,10B,10Cへのガス供給部40からの特殊ガスの供給と、各タンク10A,10B,10C間での液体BWの移動と、を順番に切り替えることによって、面倒な制御を必要とすることなく、より多くのガス溶存UFB水を効率よく製造できる。
【0101】
上記したように、本実施の形態によれば、3つのタンク10A,10B,10C間の接続を簡単に切替え制御できるようになる。
【0102】
即ち、切替弁20の切り替えのみにより、タンク10A,10B,10C内の圧力を交互に減圧させながら、タンク10A,10B,10C間での液体BWの移動を繰り返すことができるようにしている。これにより、3つのタンク10A,10B,10Cの圧力を弁のオン/オフによって制御する構成とした場合にも、弁の切替え制御が複雑になるという課題を解消できる。したがって、複雑な回路を構成したり、面倒な制御を必要としたりすることなく、より多くのウルトラファインバブルを含有するUFB水を容易に生成することが可能となるものである。
【0103】
以上、実施の形態を例示して本発明の態様について説明したが、一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。
【符号の説明】
【0104】
1 UFB水生成装置
10A,10B,10C タンク
11 制御部
12A,12Aa,12Ab 配管路
12B,12Ba,12Bb 配管路
12C,12Ca,12Cb 配管路
15 弁切替器
16 減圧ポンプ
20 切替弁
20A 配管路切替弁
20B ガス供給ライン切替弁
21,25 バルブ本体(弁本体)
22,22a,22b,211 減圧路(第2の接続路)
23,213 配管連結路(第1の接続路)
23a 接続口部(気液混合部)
26 ガス供給路
30 駆動モータ(回転駆動部)
40 ガスタンク(ガス供給部)
41a,41b,41c ガス供給管
201a,201b,201c 接続部
203a,203b,203c 接続部
205a,205b,205c 接続部
BW 液体(UFB水)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタンク、第2のタンク、および、第3のタンクの接続を切り替えるための切替弁であって、
弁本体と、
前記弁本体に設けられ、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続する第1の接続路と、
前記弁本体に設けられ、前記第1のタンクと減圧ポンプとの間、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続する第2の接続路と、
前記弁本体を回転させて、前記第1の接続路による、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間の接続を切り替えるとともに、前記第2の接続路による、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間の接続を切り替える回転駆動部と、
を備えることを特徴とする切替弁。
【請求項2】
第1の位置において、前記第1の接続路により、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間を接続させるとともに、前記第2の接続路により、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続させ、
第2の位置において、前記第1の接続路により、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間を接続させるとともに、前記第2の接続路により、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続させ、
第3の位置において、前記第1の接続路により、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続させるとともに、前記第2の接続路により、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続させることを特徴とする請求項1に記載の切替弁。
【請求項3】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクには、それぞれ配管路が1本ずつ設けられ、
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクは、液体の注水と排水とが同じ配管路を介して行われることを特徴とする請求項1または2に記載の切替弁。
【請求項4】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクには、それぞれ配管路が2本ずつ設けられ、
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクは、液体の注水と排水とが異なる配管路を介して行われることを特徴とする請求項1または2に記載の切替弁。
【請求項5】
前記異なる配管路にそれぞれつながるように、前記第2の接続路が一対の接続路からなることを特徴とする請求項4に記載の切替弁。
【請求項6】
前記第1の接続路には、気液混合器を介して、ガス供給部からの水素、酸素、または、オゾンといった医療用ガスである特殊ガスが供給されるガス供給路が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の切替弁。
【請求項7】
液体の注水と排水とが交互に行われる第1のタンク、第2のタンク、および、第3のタンクと、
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクの内部圧力を制御する減圧ポンプと、
回転駆動部を備えるとともに、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間、前記第2のタンクと前記第3のタンクとの間、または、前記第3のタンクと前記第1のタンクとの間を接続する第1の接続路と、前記第3のタンクと前記減圧ポンプとの間、前記第1のタンクと前記減圧ポンプとの間、または、前記第2のタンクと前記減圧ポンプとの間を接続する第2の接続路と、を有する切替弁と、
前記切替弁の前記回転駆動部を制御して、前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクの接続を切り替えるための制御部と、
を備えることを特徴とするバブル水製造装置。
【請求項8】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクは、120度ずつずらして環状に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のバブル水製造装置。
【請求項9】
前記第1のタンク、前記第2のタンク、および、前記第3のタンクにおいて、前記減圧ポンプによる減圧状態下での前記液体の注水と排水とを繰り返させることによって、所定数のウルトラファインバブルを含むバブル水を製造することを特徴とする請求項7に記載のバブル水製造装置。
【請求項10】
水素、酸素、または、オゾンといった医療用ガスである特殊ガスを供給するガス供給部と、
前記第1の接続路に気液混合器を介して接続された、前記ガス供給部につながるガス供給路と、
をさらに備え、
前記ガス供給部からの前記特殊ガスを、前記第1の接続路を流れる前記液体に溶存させることを特徴とする請求項7に記載のバブル水製造装置。