(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169552
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】電子レンジ
(51)【国際特許分類】
F24C 7/02 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
F24C7/02 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080725
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】椋田 朋訓
(72)【発明者】
【氏名】坂口 洋一
(72)【発明者】
【氏名】石井 琢也
【テーマコード(参考)】
3L086
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086AA13
3L086BA08
3L086BE02
3L086BE11
3L086CA02
3L086DA24
(57)【要約】
【課題】デザイン性と使用性を損なうことなく、外装体内に配置した電気部品の冷却性を向上できる電子レンジを提供する。
【解決手段】電子レンジ1は、外装体11と、調理物を加熱するための加熱室21と、外装体11と加熱室21の間に形成された配置部30と、定められた複数のメニュー57が番号58と一緒に表記されたメニューボード56と、メニュー57の番号58に対応する数字を表示可能な液晶パネル54と、複数のメニュー57のうちの1つを選択するための操作部51とを備える。外装体11には配置部30の外部の空気を内部に吸い込むための吸気孔68が設けられ、メニューボード56には非使用状態で吸気孔68に連通する通気孔56hが設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装体と、
前記外装体内に設けられ、マイクロ波によって調理物を加熱するための加熱室と、
前記外装体と前記加熱室の間に形成され、電気部品が配置される配置部と、
定められた複数のメニューが表記されており、前記複数のメニューを前記外装体から露出させた使用位置と、前記複数のメニューを前記外装体によって覆い隠した非使用位置との間の移動を許容するように、前記外装体に取り付けられたメニューボードと、
前記複数のメニューを選択的に表示可能な表示部と、
前記表示部に表示される前記メニューを変更可能で、前記複数のメニューのうちの1つを選択するための操作部と
を備え、
前記外装体には、前記配置部の外部の空気を内部に吸い込むための吸気孔が設けられ、
前記メニューボードには、前記非使用位置で前記吸気孔に連通する通気孔が設けられている、電子レンジ。
【請求項2】
前記外装体に開閉可能に取り付けられ、前記加熱室の開口を塞ぐ扉を備え、
前記メニューボードは前記外装体の底側に配置され、
前記通気孔は、前記メニューボードのうち前記扉側の端部に配置されている、
請求項1に記載の電子レンジ。
【請求項3】
前記電気部品は、前記配置部の外部の空気を内部に吸引して、前記配置部の内部の空気を外部に排出するためのファンを含み、
前記配置部のうち前記ファンによる空気流の下流側には、前記配置部内の空気を外部に排出するための排気孔が設けられており、
前記電気部品は、前記吸気孔の方から前記排気孔の方に順番に配置された電源基板、インバータ、及びマイクロ波源を含む、
請求項1又は2に記載の電子レンジ。
【請求項4】
前記通気孔と前記吸気孔は、互いに交差する方向に貫通している、請求項1又は2に記載の電子レンジ。
【請求項5】
前記メニューボードには、前記複数のメニュー以外のメニューの加熱設定を参照するための二次元コードが表記されている、請求項1又は2に記載の電子レンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子レンジでは、加熱室内に配置した調理物を定められたメニューに応じて自動加熱可能になっており、選択可能なメニュー数も多くなっている。複数のメニューのうちの1つを選択するために、全てのメニューを外装体に表記し、かつ選択状態を示す表示部を設けた場合、ユーザの使用性は向上できるが、電子レンジのデザイン性が損なわれる。
【0003】
特許文献1には、外装体にメニューガイドを収納可能とした電子レンジが開示されている。この電子レンジでは、例えばメニューガイドに複数のメニューを表記し、外装体に複数のメニューを個別に表示可能な表示部を設けることで、デザイン性を損なうことなく、ユーザの使用性を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の電子レンジは、外装体と加熱室の間の空間が電気部品を配置する配置部となっており、この配置部では通気性を確保し、電気部品の冷却性を高めることが好ましい。しかし、特許文献1の電子レンジでは、配置部に配置した電気部品の冷却性について何ら考慮されていない。
【0006】
本発明は、デザイン性と使用性を損なうことなく、外装体内に配置した電気部品の冷却性を向上できる電子レンジを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、外装体と、前記外装体内に設けられ、マイクロ波によって調理物を加熱するための加熱室と、前記外装体と前記加熱室の間に形成され、電気部品が配置される配置部と、定められた複数のメニューが表記されており、前記複数のメニューを前記外装体から露出させた使用位置と、前記複数のメニューを前記外装体によって覆い隠した非使用位置との間の移動を許容するように、前記外装体に取り付けられたメニューボードと、前記複数のメニューを選択的に表示可能な表示部と、前記表示部に表示される前記メニューを変更可能で、前記複数のメニューのうちの1つを選択するための操作部とを備え、前記外装体には、前記配置部の外部の空気を内部に吸い込むための吸気孔が設けられ、前記メニューボードには、前記非使用位置で前記吸気孔に連通する通気孔が設けられている、電子レンジを提供する。
【0008】
外装体には、複数のメニューを露出させた使用位置と覆い隠した非使用位置との間の移動が許容されるようにメニューボードが取り付けられ、操作部の操作によって表示部に表示するメニューを希望のメニューと一致させることで、定められた自動加熱処理を実行可能である。そのため、外装体の表面に複数のメニューを全て表記する場合と比較して、電子レンジのデザイン性を損なうことを防止しつつ、ユーザによる電子レンジの使用性を向上できる。また、外装体には、配置部の外部の空気を内部に吸い込むための吸気孔が設けられ、メニューボードには、非使用位置で加熱室と外装体の間の配置部に連通する通気孔が設けられているため、配置部内に配置した電気部品の冷却性を向上できる。よって、配置部内の温度が過剰に上がることに伴う電子レンジ(制御部)の誤作動を防止できる。
【0009】
前記外装体に開閉可能に取り付けられ、前記加熱室の開口を塞ぐ扉を備え、前記メニューボードは前記外装体の底側に配置され、前記通気孔は、前記メニューボードのうち前記扉側の端部に配置されている。つまり、通気孔は、メニューボードのうち、通常の使用環境では通気を妨げる部材がない部分に設けられている。そのため、配置部の内外の通気性を確保できる。
【0010】
前記電気部品は、前記配置部の外部の空気を内部に吸引して、前記配置部の内部の空気を外部に排出するためのファンを含み、前記配置部のうち前記ファンによる空気流の下流側には、前記配置部内の空気を外部に排出するための排気孔が設けられており、前記電気部品は、前記吸気孔の方から前記排気孔の方に順番に配置された電源基板、インバータ、及びマイクロ波源を含む。通気孔の下流側に設けられた吸気孔から空気を吸い込んで排気孔から排出するファンを備える。そのため、加熱室と外装体の間の配置部内の電気部品、より具体的には電源基板、インバータ、及びマイクロ波源を確実に強制空冷できる。
【0011】
前記通気孔と前記吸気孔は、互いに交差する方向に貫通している。これにより、細長い線状物が外装体の外部から通気孔と吸気孔を通して配置部内に入り込むことに伴う電気部品の故障(短絡)を抑制できる。
【0012】
前記メニューボードには、前記複数のメニュー以外のメニューの加熱設定を参照するための二次元コードが表記されている。これにより、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の通信手段によって、二次元コードを読み取って専用ホームページを参照することで、メニューボードに表記されていないメニューであっても最適な設定で調理物を加熱できる場合がある。よって、ユーザの利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子レンジでは、デザイン性と使用性を損なうことなく、外装体内に配置した電気部品の冷却性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る電子レンジを示す斜視図。
【
図2】
図1の電子レンジを前後方向中央で切断した断面図。
【
図3】
図1の電子レンジを幅方向中央で切断した断面図。
【
図5】
図4の電子レンジを下方から見た分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0016】
図1から
図3は、本発明の実施形態に係る電子レンジ1を示す。図面に付したX方向は、電子レンジ1の前後方向であり、矢印で示す向きが後側で、矢印とは逆向きが前側である。Y方向は、電子レンジ1の幅方向であり、矢印で示す向きが左側で、矢印とは逆向きが右側である。Z方向は、電子レンジ1の高さ方向であり、矢印で示す向きが上側で、矢印とは逆向きが下側である。
【0017】
図1から
図3を参照すると、電子レンジ1は、加熱室21を備えるレンジ本体10と、レンジ本体10に開閉可能に取り付けられた扉32とを備える。また、電子レンジ1は、加熱室21内の調理物を加熱するためのマグネトロン40とヒータ41、及び温度を検出するための赤外線センサ(第1センサ)42とサーミスタ(第2センサ)43、及び制御部45を備える。
【0018】
図4から
図6を参照すると、レンジ本体10の正面には3つの操作部50~52と液晶パネル(表示部)54が設けられ、レンジ本体10の底の外面側にはメニューボード56が取り付けられている。メニューボード56に表記されたメニュー57に対応する番号58と一致するように、操作部50,51を操作して液晶パネル54に表示される番号を変更する。これにより、制御部45が、赤外線センサ42及びサーミスタ43それぞれの検出温度に基づいて、マグネトロン40及びヒータ41を制御し、選択されたメニュー57に応じて定められた加熱処理を実行する。
【0019】
図1から
図3を参照すると、本実施形態の電子レンジ1は、加熱室21に着脱可能に配置されるそれぞれ専用のプレート60と容器65を備え、加熱する調理物を、加熱室21の底壁22上に直接配置するだけでなく、専用の容器65に収容させた状態で配置可能である。
【0020】
以下、レンジ本体10、扉32、メニューボード56、プレート60、及び容器65について、具体的に説明する。
【0021】
図1から
図3を参照すると、レンジ本体10は、外装体11と、外装体11内に設けられた加熱室21とを備える。加熱室21の容積は外装体11の容積よりも小さく、外装体11と加熱室21の間の空間は、マグネトロン40等の電気部品を配置する配置部30を構成する。
【0022】
外装体11は、底壁12、天壁13、一対の側壁14、後壁15、及び前壁16によって画定されている。これらの壁12~16は、いずれもマイクロ波反射体である金属板からなる。
【0023】
図5及び
図7を参照すると、底壁12は、有底筒状で、XY平面に沿って延びる概ね矩形状の底部12aと、底部12aの外周から立ち上がった筒状の外周部12bと、外周部12bの上端に設けられたフランジ部12cとを備える。
図1から
図3を参照すると、天壁13は、XY平面に沿って延びる矩形状の板体からなり、底部12aに対して高さ方向に対向している。一対の側壁14は、いずれもXZ平面に沿って延びる矩形状の板体からなり、互いに幅方向に対向している。天壁13と一対の側壁14は、本実施形態ではプレス加工によって一体に設けられている。後壁15は、YZ平面に沿って延び、中央部が後側に膨出した矩形状の板体からなる。前壁16は、YZ平面に沿って延び、中央に開口を有する矩形状の枠体からなる。これらの壁12~16はネジによって連結されている。
【0024】
加熱室21は、いずれも矩形状の板体からなる底壁22、天壁23、一対の側壁24、後壁25、及び扉32によって画定されている。そのうち、底壁22は、セラミック、ガラス、又は樹脂等のマイクロ波を透過可能な材料からなり、マイクロ波反射体である金属製のカバー27の上端に取り付けられている。天壁23、一対の側壁24、及び後壁25は、いずれもマイクロ波反射体である金属板からなる。扉32については後に詳述する。
【0025】
底壁22は、XY平面に沿って延び、カバー27を介して底壁12の外周部12bの上端にネジによって連結されている。このカバー27と外装体11の底部12aとの間の空間が、電気部品の配置部30を構成する。天壁23は、底壁22の高さ方向上側に対向して配設され、XY平面に沿って延びている。一対の側壁24は、いずれもXZ平面に沿って延び、互いに幅方向に対向している。一対の側壁24それぞれの下端はカバー27に連なり、一対の側壁24それぞれの上端は天壁23に連なっている。カバー27、天壁23及び一対の側壁24それぞれの前端は、外装体11の前壁16に連なり、加熱室21の開口26を画定している。後壁25は、YZ平面に沿って延びており、カバー27、天壁23及び一対の側壁24それぞれの後端に連なっている。
【0026】
図1及び
図2を参照すると、一対の側壁24にはそれぞれ、プレート60を配置するためのガイドレール28,29が設けられている。ガイドレール28,29は、プレス加工によって側壁24の一部を加熱室21内である幅方向中央に向けて膨出させ、前後方向に延びるように設けられている。そのうち、上側ガイドレール28は、加熱室21の全高の中央よりも上側の領域に設けられ、一対の側壁24のうちの高さ方向の同じ位置にそれぞれ配置されている。下側ガイドレール29は、加熱室21の全高の中央よりも下側の領域に設けられ、一対の側壁24のうちの高さ方向の同じ位置にそれぞれ配置されている。
【0027】
図1及び
図3を参照すると、扉32は、外装体11の前側に取り付けられ、加熱室21の開口26を開放可能に塞ぐ。扉32は、幅方向に延びる回転軸(図示せず)を中心として、
図1に示す開位置と、
図3に示す閉位置との間を回転可能である。扉32は、マイクロ波を透過可能で不透明な樹脂製の枠体33と、加熱室21内を透視可能な窓34を備える。窓34の内側には、例えば直径1mmの多数の孔を設けたパンチングメタルからなり、マイクロ波を反射可能で視認性が確保された反射層35が設けられている。但し、扉32は、高さ方向に延びる回転軸を中心として水平方向に回動する構成であってもよい。
【0028】
図2及び
図3を参照すると、レンジ本体10は更に、マグネトロン40、ヒータ41、赤外線センサ42、サーミスタ43、及び制御部45を備える。
【0029】
マグネトロン40は、マイクロ波を出力するマイクロ波源であり、金属製のダクト(導波管)40aに端部に配置されている。マグネトロン40とダクト40aは配置部30内に配置され、ダクト40aのマグネトロン40と反対側の端部がカバー27に接続されている。カバー27内には、底壁22のうち幅方向と前後方向の中央に位置するようにモータによって回転可能なアンテナ40bが配置されている。マグネトロン40が出力したマイクロ波は、ダクト40aによってカバー27内に導かれ、アンテナ40bを介して底壁22から加熱室21内に出力され、調理物を加熱する。底壁22のうち符号40cで示す範囲が、マイクロ波の透過領域、つまり加熱室12内にマイクロ波を出力する出力部を構成する。
【0030】
ヒータ41は、上側ガイドレール28の上方に位置するように天壁23の加熱室21側に隣接して配置され、輻射熱によって加熱室21内の調理物を加熱する。本実施形態では、ヒータ41は、前後方向に間隔をあけて一対配置され、それぞれ幅方向に延びている。但し、ヒータ41は、前後方向の中央に位置するように1本のみ設けられてもよいし、3本以上設けられてもよい。また、ヒータ41は、幅方向に間隔をあけて前後方向に延びるように配置されてもよい。また、底壁22の下側にもヒータを配置してもよい。
【0031】
赤外線センサ42は、赤外線検出素子を備え、加熱室21内の調理物の温度を検出するサーモパイル式である。
図2を参照すると、赤外線センサ42は、右側の側壁24に対する上側ガイドレール28の形成による、加熱室21外の凹溝内に配置されている。赤外線センサ42は、上側ガイドレール28の前後方向中央に設けられた貫通孔を通して、加熱室21内を臨むように取り付けられている。
【0032】
図2及び
図3を参照すると、サーミスタ43は、加熱室21外である天壁23の上側に配置された本体(図示せず)と、天壁23を貫通して加熱室21内に配置された検出部43aとを備え、加熱室21内の温度を検出する。より具体的には、検出部43aは、天壁23、後壁25、及び
図2において右側の側壁24によって画定された加熱室21の角部に配置されている。右側の側壁24には、サーミスタ43の前側に位置し、左側の側壁24に向けて概ね四角錐状に突出するガード凸部が、プレス加工によって設けられている。
【0033】
制御部45は、例えば1個のマイクロコンピュータからなり、マグネトロン40、ヒータ41、赤外線センサ42、及びサーミスタ43等に電気的に接続されている。制御部45は、赤外線センサ42とサーミスタ43の検出結果に基づいて、マグネトロン40とヒータ41を制御し、加熱室21内の調理物を加熱する(加熱処理)。
【0034】
制御部45による加熱処理には、マイクロ波加熱モード(レンジ調理)、ヒータ加熱モード(グリル調理)、及び複合加熱モード(複合調理)が含まれる。マイクロ波加熱モードでは、赤外線センサ42とサーミスタ43それぞれの検出結果に基づいて、加熱終了までマグネトロン40のみを作動させる。ヒータ加熱モードでは、サーミスタ43の検出結果に基づいて、加熱終了までヒータ41のみを作動させる。複合加熱モードでは、赤外線センサ42とサーミスタ43それぞれの検出結果に基づいて、マグネトロン40とヒータ41の両方を作動させる。
【0035】
次に、電子レンジ1に用いられるそれぞれ専用のプレート60と容器65について説明する。
【0036】
図1及び
図2を参照すると、プレート60は上方から見て矩形状であり、受皿状の本体60aと、本体60aの上端に設けられてXY平面に沿って延びる矩形状の枠体からなるフランジ部60bを備える。フランジ部60bの幅方向両側には、樹脂製の緩衝部材61がそれぞれ取り付けられている。このように構成されたプレート60は、一対の上側ガイドレール28又は一対の下側ガイドレール29への載置によって、加熱室21内に着脱可能に配置される。プレート60は、セラミック、ガラス、又は樹脂等のマイクロ波を透過可能な材料によって形成され、マイクロ波加熱モード、ヒータ加熱モード、及び複合加熱モードの全てで使用可能である。
【0037】
プレート60のうち底壁22と対向する面には、容器65を取り付けるための一対の吊り下げレール62が設けられている。吊り下げレール62は、断面L字形状を呈し、容器65を着脱可能に支持できる。
【0038】
図1及び
図2を参照すると、容器65は、円形状の底壁部65aと、円錐筒状の側壁部65bとを備える有底筒状で、プレート60と同様にセラミック、ガラス、又は樹脂等のマイクロ波を透過可能な材料によって形成されている。容器65の上端には、吊り下げレール62に支持される外径のフランジ部65cが形成されている。フランジ部65cの下面には、可撓性を有する材料(例えばシリコーンゴム)からなり、吊り下げレール62と容器65が直接干渉することを防ぐ円環状の緩衝部材66が取り付けられている。
【0039】
次に、制御部45による加熱処理について、より具体的に説明する。
【0040】
制御部45は、
図4に示す「オーブン」、「グリル」、「レンジ」、「自動」、「レジグリ」、「うきレジ」、及び「解凍」のうちいずれかを、予め記憶されたプログラムに従って実行する。
【0041】
「レンジ」、「うきレジ」、及び「解凍」はマイクロ波加熱モードで行われる。具体的には、「レンジ」及び「解凍」は、所定の皿に載せた調理物を加熱室21の底壁22上に配置した状態で行われ、マグネトロン40によるマイクロ波によって調理物を加熱する。「うきレジ」は、容器65内に収容した調理物をプレート60を介して加熱室21内に配置した状態で行われ、マグネトロン40によるマイクロ波によって調理物を加熱する。
【0042】
「オーブン」及び「グリル」はヒータ加熱モードで行われる。具体的には、「オーブン」及び「グリル」は、所定の皿に載せた調理物を底壁22上に配置した状態、又はプレート60に載せた調理物を加熱室21内に配置した状態で行われ、ヒータ41による輻射熱によって調理物を加熱する。
【0043】
「レジグリ」は複合加熱モードで行われる。具体的には、「レジグリ」は、所定の皿に載せた調理物を底壁22上に配置した状態で行われ、マグネトロン40によるマイクロ波とヒータ41による輻射熱によって調理物を加熱する。例えば、マグネトロン40を作動させ、マイクロ波加熱によって調理物の中心部まで火を通す。予め設定されたマイクロ波加熱時間、又はユーザが設定したマイクロ波加熱時間が経過すると、マグネトロン40の作動を停止する。続いて、ヒータ41を作動させ、ヒータ加熱によって調理物の表面に焦げ目をつける。予め設定されたヒータ加熱時間、又はユーザが設定したヒータ加熱時間が経過すると、ヒータ41の作動を停止する。
【0044】
「自動」では、
図6に示す複数のメニュー57のうち選択された1つが、定められた加熱モードで行われる。具体的には、複数のメニュー57には、マイクロ波加熱モードで行われるメニュー(例えば「1.冷蔵ごはんあたため」)、ヒータ加熱モードで行われるメニュー(例えば「10.トースト(裏返し)」)、及び複合加熱モードで行われるメニュー(例えば「7.揚げもの『サクレジ』」)が含まれている。「自動」は所定の皿に載せた調理物を底壁22上に配置した状態で行われ、メニュー57によって定められたマイクロ波加熱モード、ヒータ加熱モード、及び複合加熱モードのうちのいずれかによって、調理物を加熱する。
【0045】
次に、複数の加熱モードのうちの1つを選択するための構成、及び複数のメニューのうちの1つを選択するための構成を説明する。
【0046】
図4を参照すると、扉32は、窓34の下側に、3つの操作部50~52と1つの液晶パネル54を備える。操作部50~52と液晶パネル54は制御部45に電気的に接続され、操作部50~52の操作を検出した制御部45が液晶パネル54の表示を変更する。また、レンジ本体10の底外面側にはメニューボード56が取り付けられている。
【0047】
操作部50は、複数の加熱モードである「オーブン」、「グリル」、「レンジ」、「自動」、「レジグリ」、「うきレジ」、及び「解凍」のうちのいずれか1つを選択するために設けられており、本実施形態ではロータリースイッチによって構成されている。個々の加熱モードの表記の操作部50側にはLED50aが配置されている。操作部50の操作は制御部45によって検出され、この制御部45が、操作部50の回転方向と回転角度範囲に応じて点灯させるLED50aを変更する。LED50aの点灯によって選択状態の加熱モードを示し、LED50aの消灯によって非選択状態の加熱モードを示す。
【0048】
操作部51は、操作部50によって選択した加熱モードの詳細設定、及び加熱モードを開始するために設けられており、本実施形態ではロータリープッシュスイッチによって構成されている。具体的には、「自動」以外の加熱モードでは、操作部51の回転操作によって、液晶パネル54に表示した加熱時間及び投入電力(加熱温度)を変更可能である。「自動」では、操作部51の回転操作によって、液晶パネル54の後述する数字表示部54aの数字を変更し、
図6に示す複数のメニュー57のうちの1つを選択可能である。操作部51のプッシュ操作によって、加熱モードの詳細設定の決定、及び設定した加熱モードの実行が可能である。操作部51の操作は制御部45によって検出され、この制御部45が、液晶パネル54の表示変更、加熱モードの設定変更、及び設定された加熱モード(数字表示部54aに設定された数字に一致する番号58のメニュー57)による加熱を開始する。
【0049】
操作部52は、操作部50,51の操作による設定を解除(取り消し)するために設けられており、本実施形態ではプッシュスイッチによって構成されている。操作部52の操作は制御部45によって検出され、この制御部45が、加熱モードの設定変更の取り消し、及び実行された加熱モードの停止を行う。
【0050】
液晶パネル54は、3桁の数字を表示可能な数字表示部54aを備える。また、液晶パネル54は、数字以外に文字や矢印等を表示可能である。液晶パネル54の表示は、操作部50~52の操作に検出した制御部45によって変更される。液晶パネル54は、2桁以上の数字を表示可能であれば、セグメント表示方式であってもドットマトリクス表示方式であってもよい。数字表示部54aに番号58を表示させることで、対応するメニュー57を間接的に表示する。つまり、数字表示部54aは、複数のメニュー57を選択的かつ個別に表示可能な特定表示領域である。特定表示領域とは、メニュー57によっては同じセグメント又はドットを用いてメニュー57を表示する表示部である。
【0051】
図4から
図6を参照すると、メニューボード56は、レンジ本体10の底外面側にスライド可能に配置されている。
図6に最も明瞭に示すように、メニューボード56の上面には、「自動」の加熱モードで加熱可能なメニュー57が表記されている。複数のメニュー57には、「冷蔵ごはんあたため」、「冷凍ごはんあたため」、「飲み物」、・・・「脱臭」が含まれている。個々のメニュー57の隣には、「1」、「2」、「3」、・・・「36」と対応する番号58が表記されている。番号58はメニュー57毎に全て異なっている。
【0052】
操作部50の回転操作によって加熱モードを「自動」に設定し、操作部51の回転操作によって希望のメニュー57と対応する番号58を、液晶パネル54の数字部54aに表示させる。この状態で操作部51をプッシュ操作すると、これらの操作を検出した制御部45が、予め設定されたプログラムに従ってマグネトロン40又はヒータ41を作動させ、調理物を加熱する。
【0053】
メニューボード56のうち、レンジ本体10への取付状態で後側に位置する一方の隅には、二次元コードであるQRコード(登録商標)59が表記されている。QRコード59は、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の通信手段によって、インターネット等のネットワークを介して専用ホームページを参照するための二次元コードである。例えば、携帯電話によってQRコード59を読み込み、ネットワークを介して専用ホームページを参照することで、メニューボード56に表記された複数のメニュー57以外のメニューの加熱設定を確認できる。専用ホームページには、複数のメニュー57のうちの1つと同じ設定で加熱可能なメニューの場合、そのメニュー57と対応する番号58が掲載される。また、加熱設定が複数のメニュー57のうちのいずれとも異なる場合、「自動」以外の適した加熱モードの表記、加熱時間、及び投入電力等が掲載される。
【0054】
次に、メニューボード56の構成についてより具体的に説明する。
【0055】
図5及び
図7を参照すると、メニューボード56は、底壁12の両側に取り付けられた一対の台座17のガイドレール17aに抜き差し可能に取り付けられている。
図3に示す非使用位置のメニューボード56を引き出すことによって、複数のメニュー57を外装体11から露出させることができる(使用位置)。メニューボード56は、本実施形態では
図5に示すように取外可能な構成であるが、取外不可能な構成であってもよい。また、メニューボード56は、本実施形態ではスライド可能に取り付けられているが、回動可能に取り付けられていてもよい。つまり、メニューボード56は、複数のメニュー57を外装体11から露出させた使用位置(一例として
図5を参照。)と、複数のメニュー57を外装体11によって覆い隠した非使用位置(
図3参照。)との間の移動を許容するように、外装体11に取り付けられていればよい。
【0056】
非使用位置のメニューボード56は、レンジ本体10の底である底壁12の下側に位置する。一対の台座17は、樹脂製で、それぞれ底壁12の外周部12bの外側に配置され、ネジによって底壁12に連結されている。また、底壁12の前側には、扉32の下側に位置する前カバー18が取り付けられている。
図4及び
図5を参照すると、前カバー18は、樹脂製で、前方から見てメニューボード56の形状に対応する形状の切欠部18aを備える。
【0057】
図5から
図7を参照すると、メニューボード56は、複数のメニュー57と番号58が表記されたボード本体56aと、レンジ本体10への取付状態で前方カバー18の下側に位置する把持部56dとを備える。
【0058】
ボード本体56aは、レンジ本体10への取付状態でXY平面に沿って延びる板状である。取付状態では、ボード本体56aのうち後側に位置する大部分が底壁12の底部12aの下側に重なり合う。一方、ボード本体56aのうち前側に位置する部分は、底壁12の外周部12bと前カバー18の間の空隙部31を覆う。ボード本体56aは、底壁12の凹凸形状に対応する形状であり、
図5において左側には底壁12の隆起部12dに対応する切欠部56bが形成されている。
図6を参照すると、メニューボード56の幅方向両側には、底壁12の外面に弾性的に圧接される弾性片56cが設けられている。
【0059】
図5を参照すると、把持部56dは、ボード本体56aの前端に連なり、メニューボード56を抜き差しする際に把持される。具体的には、把持部56dは、ボード本体56aの前端に連なる立上部56eと、立上部56eの上端に連なる突出部56fと、突出部56fの先端に連なる引っ掛け片56gとを備える。
【0060】
立上部56eは、レンジ本体10への取付状態でYZ平面に沿って延び、底壁12の外周部12bに対して前側に間隔をあけて対向している。突出部56fは、立上部56eからボード本体56aとは反対向きに突出し、XY平面に沿って延びており、空隙部31の一部を覆う。引っ掛け片56gは、突出部56fの先端から下向きに突出し、前方カバー18の前面に面一に位置する。
【0061】
このように構成されたメニューボード56には、
図3に示す非使用位置でレンジ本体10の配置部30内に連通し、配置部30内の通気性を確保するための通気孔56hが設けられている。通気孔56hは、ボード本体56aのうち空隙部31を覆う部分と把持部56dの突出部56fとに、それぞれ幅方向に間隔をあけて複数設けられている。つまり、メニューボード56のうち、底壁12の外周部12bから前側に突出し、扉32の下方に位置する前端部に、複数の通気孔56hが設けられている。個々の通気孔56hは、高さ方向に貫通し、幅方向に延びる長円形状である。
【0062】
図5及び
図7を参照すると、レンジ本体10の外装体11には、配置部30の外部の空気を内部に吸い込むための吸気孔68、及び配置部30の内部の空気を外部に排出するための排気孔69が設けられている。また、外装体11の底部12aと加熱室21のカバー27との間の配置部30内には、電気部品であるファン70、電源基板75、インバータ78、及びマグネトロン40が配置されている。
【0063】
吸気孔68は、底壁12の外周部12bのうち前カバー18と対向する部分(前側)と、底壁12の底部12aに複数設けられている。外周部12bの前側は、後に詳述するように、配置部30のうちファン70による空気流の上流側、かつ通気孔56hの下流側に位置する部分である。底部12aは、電子レンジ1の設置面に接近かつ対向した部分である。
【0064】
外周部12bの吸気孔68は、外周部12bを前後方向に貫通し、幅方向に延びる長円形状であり、マトリクス状をなすように幅方向と高さ方向にそれぞれ間隔をあけて設けられている。このように、吸気孔68は外装体11の前側において前後方向に貫通し、通気孔56hは吸気孔68よりも前側において高さ方向に貫通している。つまり、メニューボード56の通気孔56hと底壁12の吸気孔68とは、互いに交差する方向に貫通している。
【0065】
底部12aの吸気孔68は、底部12aを高さ方向に貫通した円形状であり、マトリクス状をなすように幅方向と前後方向にそれぞれ間隔をあけて設けられている。底部12aのうち、後に詳述する基板ケース76と対応する部分には吸気孔68は設けられていない。前述のように底部12aは設置面に接近かつ対向しているため、底部12aの吸気孔68は、外周部12bの吸気孔68と比較して吸気能力に劣る。
【0066】
排気孔69は、底壁12の底部12aと外周部12bのうち前側に位置する部分以外の部分に複数設けられている。具体的には、底壁12の外周部12bのうち、幅方向両側に位置する部分と後側に位置する部分には、マトリクス状をなすように長円形状の排気孔69が複数設けられている。また、
図7において左側の側壁14と後壁15には、マトリクス状をなすように長円形状の排気孔69が複数設けられている。
図7において右側に位置する側壁14には排気孔69は設けられていない。
【0067】
図7に最も明瞭に示すように、ファン70は、配置部30内の後側かつ右側の角部に配置され、配置部30の外部の空気を内部に吸引して、配置部30の内部の空気を外部に排出する。本実施形態のファン70は、シロッコファンであり、ファンケース71内に収容されている。ファンケース71は、下端開口のケース本体72と、ケース本体72の開口を塞ぐカバー73とを備える。カバー73のうち、前側の電源基板75と対向する面には吸気口73aが設けられている。ファンケース71の吹出口72aは、ケース本体72に設けられ、
図7において左側を臨むように開口している。
【0068】
電源基板75は、配置部30内のうち吸気孔68の内側(前後方向の前側)に配置され、基板ケース76内に収容されている。基板ケース76は樋状で、通気口76aがファンケース71を臨むように後向きに開口している。
【0069】
インバータ78は、配置部30内のうちファン70の左側に隣接して配置され、インバータケース79内に収容されている。インバータケース79は、下端開口のケース本体80と、ケース本体80の開口を塞ぐカバー81とを備える。ケース本体80は樋状であり、一端の吸込口80aがファンケース71の吹出口72aに対向し、他端の吹出口80bが
図7において配置部30の左側で前側を臨むように開口している。
【0070】
マグネトロン40は、インバータケース79の吹出口80bの前側に配置されている。
図7において左側かつ前後方向の中央に位置するマグネトロン40の右側にはダクト40aが配置され、このダクト40aが幅方向の中央まで延びている。
【0071】
このように構成された配置部30内は、基板ケース76、ファンケース71、及びインバータケース79によって区画されている。よって、ファン70を作動させると、底壁12の底部12aの吸気孔68は吸気能力に劣るため、主に通気孔56h及び底壁12の外周部12bの吸気孔68を通して、レンジ本体10の外部の空気が配置部30の内部に流入する。配置部30内で空気は、基板ケース76内を通って
図7において右側に流れ、吸気口73aからファンケース71内のファン70に吸引される。ファン70が吐出した空気は、ファンケース71からインバータケース79を通ってマグネトロン40に到達し、
図7において左側から配置部30内に吐出される。その後、底壁12、左側の側壁14、及び後壁15の排気孔69を通して、配置部30の内部から外部へ排出される。
【0072】
以上のように、ファン70によって空気は、主にレンジ本体10の前方下側から配置部30内に吸引されて、
図7において右側に流れた後、ファン70に吸引されて左側に吐出される。つまり、ファン70によって配置部30内には
図7において時計回りの空気流が生じ、吸気孔68の方から順番に電源基板75、インバータ78、及びマグネトロン40が配置されている。そのため、配置部30内の通気性を確保でき、内部に配置した電気部品を確実に強制冷却できる。
【0073】
このように構成した電子レンジ1は、以下の特徴を有する。
【0074】
外装体11には、複数のメニュー57と対応する番号58を外装体11から露出させた使用位置と、複数のメニュー57と対応する番号58を外装体11によって覆い隠した非使用位置との間の移動を許容するように、メニューボード56が取り付けられている。また、操作部51の操作によって液晶パネル54の数字表示部54aに表示する数字を希望のメニュー57と対応する番号58と一致させることで、定められた自動加熱処理を実行可能である。そのため、外装体11の表面に複数のメニュー57と番号58を全て表記する場合と比較して、電子レンジ1のデザイン性を損なうことを防止しつつ、ユーザによる電子レンジ1の使用性を向上できる。また、外装体11には、配置部30の外部の空気を内部に吸い込むための吸気孔68が設けられ、メニューボード56には、非使用位置で加熱室21と外装体11の間の配置部30に連通する通気孔56hが設けられているため、配置部30内に配置した電気部品の冷却性を向上できる。よって、配置部30内の温度が過剰に上がることに伴う電子レンジ1(制御部45)の誤作動を防止できる。
【0075】
メニューボード56は外装体11の底側に配置され、通気孔56hは、メニューボード56のうち扉32側の端部に配置されている。つまり、通気孔56hは、メニューボード56のうち、通常の使用環境では通気を妨げる部材がない部分に設けられている。そのため、配置部30の内外の通気性を確保できる。
【0076】
通気孔56hの下流側に設けられた吸気孔68から空気を吸い込んで排気孔69から排出するファン70を備える。そのため、加熱室21と外装体11の間の配置部30内の電気部品、より具体的には電源基板75、インバータ78、及びマグネトロン40を確実に強制空冷できる。
【0077】
通気孔56hと吸気孔68は、互いに交差する方向に貫通している。これにより、細長い線状物が外装体11の外部から通気孔56hと吸気孔68を通して配置部30内に入り込むことに伴う電気部品の故障(短絡)を抑制できる。
【0078】
メニューボード56には、複数のメニュー57以外のメニューの加熱設定を参照するためのQRコード59が表記されている。これにより、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の通信手段によって、QRコード59を読み取って専用ホームページを参照することで、メニューボード56に表記されていないメニューであっても最適な設定で調理物を加熱できる場合がある。よって、ユーザの利便性を向上できる。
【0079】
なお、本発明は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0080】
例えば、メニューボード56は、底壁12の内面側(上面)にスライド可能に配置されてもよいし、外装体11の天壁13又は側壁14にスライド可能に配置されてもよい。
【0081】
メニューボート56のメニュー57の横には、番号(数字)58の代わりにアルファベット(英字)を表記し、液晶パネル54にも数字表示部54aの代わりに英字表示部を設けてもよい。また、メニューボート56には、英数字を表記することなく、メニュー57のみを表記し、液晶パネル54の特定表示領域に対応するメニューを選択的かつ個別に文字表示させてもよい。
【0082】
操作部51と液晶パネル54は、外装体11の前壁16に設けられてもよい。
【0083】
マグネトロン40の出力部40cは、加熱室21の底壁22と上側ガイドレール28との間であれば、後壁25に設けられてもよいし、一対の側壁24のうちの一方に配置されてもよい。
【0084】
電子レンジ1は、ヒータ41を備えることなく、マイクロ波加熱モードのみを実行可能であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 電子レンジ
10 レンジ本体
11 外装体
12 底壁
12a 底部
12b 外周部
12c フランジ部
12d 隆起部
13 天壁
14 側壁
15 後壁
16 前壁
17 台座
17a ガイドレール
18 前カバー
18a 切欠部
21 加熱室
22 底壁
23 天壁
24 側壁
25 後壁
26 開口
27 カバー
28 上側ガイドレール
29 下側ガイドレール
30 配置部
31 空隙部
32 扉
33 枠体
34 窓
35 反射層
40 マグネトロン
40a ダクト
40b アンテナ
40c 出力部
41 ヒータ
42 赤外線センサ
43 サーミスタ
43a 検出部
45 制御部
50 操作部
50a LED
51 操作部
52 操作部
54 液晶パネル(表示部)
54a 数字表示部(表示領域)
56 メニューボード
56a ボード本体
56b 切欠部
56c 弾性片
56d 把持部
56e 立上部
56f 突出部
56g 引っ掛け片
56h 通気孔
57 メニュー
58 番号
59 QRコード(二次元コード)
60 プレート
60a 本体
60b フランジ部
61 緩衝部材
62 吊り下げレール
65 容器
65a 底壁部
65b 側壁部
65c フランジ部
66 緩衝部材
68 吸気孔
69 排気孔
70 ファン
71 ファンケース
72 ケース本体
72a 吹出口
73 カバー
73a 吸気口
75 電源基板
76 基板ケース
76a 通気口
78 インバータ
79 インバータケース
80 ケース本体
80a 吸込口
80b 吹出口
81 カバー