(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169570
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】洗濯機および洗濯システム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/44 20200101AFI20231122BHJP
【FI】
D06F33/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080761
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 賢哉
(72)【発明者】
【氏名】中澤 健次
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA12
3B167AA15
3B167AB22
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA43
3B167BA82
3B167BA91
3B167FB01
3B167HA16
3B167HA31
3B167HA54
3B167HA55
3B167KA02
3B167KA12
3B167KA13
3B167KA63
3B167KA71
3B167KA78
3B167KB05
3B167LC02
3B167LC03
3B167LC14
3B167LC20
(57)【要約】
【課題】無駄な運転を省いて、設定した運転終了時刻に運転を終了させる。
【解決手段】洗濯機は、洗濯槽と、洗濯槽内に投入される洗濯物の重量を計測する重量センサ102と、洗濯物の洗濯を含む運転の終了希望時刻の入力を受け付ける受付部131と、重量センサ102の計測結果に基づいて運転の終了時刻を判定する第1判定部132と、受付部131で受け付けた終了希望時刻と第1判定部132で判定した終了時刻との間に齟齬があるか否かを判定する第2判定部133と、第2判定部133の判定で齟齬があるときは、その旨を報知する報知部134と、を備えている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽と、
前記洗濯槽内に投入される洗濯物の重量を計測する重量センサと、
前記洗濯物の洗濯を含む運転の終了希望時刻の入力を受け付ける受付部と、
前記重量センサの計測結果に基づいて前記運転の終了時刻を判定する第1判定部と、
前記受付部で受け付けた前記終了希望時刻と前記第1判定部で判定した終了時刻との間に齟齬があるか否かを判定する第2判定部と、
前記第2判定部の判定で前記齟齬があるときは、その旨を報知する報知部と、を備えていることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記受付部は、前記終了希望時刻の再入力を受け付けること、を特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
過去の洗濯の際の給水時間および排水時間を記憶している記憶部を備え、
前記第1判定部は、前記記憶部に記憶されている前記給水時間および前記排水時間ならびに前記重量センサの計測結果に基づいて前記運転の終了時刻を判定すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
操作端末と通信可能な洗濯機と、
操作端末と通信可能な洗濯物カゴと、を備え、
前記洗濯物カゴは、
当該洗濯物カゴに投入される各洗濯物の重量をそれぞれ検出する重量センサと、
前記洗濯物カゴに投入される各洗濯物の画像をそれぞれ撮像する撮像素子と、を備え、
前記撮像素子で撮像した前記各洗濯物の画像を画像処理して当該各洗濯物の種別を判定する画像処理部と、
前記画像処理部で判定した前記各洗濯物の種別と前記重量センサで検出した当該各洗濯物の重量とを関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記洗濯機で行う洗濯を含む運転の終了希望時刻の入力を、前記操作端末を介して受け付ける受付部と、
前記第1記憶部に記憶されている内容に基づいて前記運転の終了時刻を判定する第1判定部と、
前記受付部で受け付けた前記終了希望時刻と前記第1判定部で判定した終了時刻との間に齟齬があるか否かを判定する第2判定部と、
前記第2判定部の判定で前記齟齬があるときは、前記第1記憶部に記憶されている情報に基づいて前記終了希望時刻で前記洗濯機での運転を完了させるのに要する前記洗濯物を、前記操作端末を介して報知する報知部と、を備えていることを特徴とする洗濯システム。
【請求項5】
前記受付部は、前記終了希望時刻の再入力を受け付けること、を特徴とする請求項4に記載の洗濯システム。
【請求項6】
過去の前記洗濯機による洗濯の際の給水時間および排水時間を記憶する第2記憶部を更に備え、
前記第1判定部は、前記第2記憶部に記憶されている前記給水時間および前記排水時間ならびに前記重量センサの計測結果に基づいて前記洗濯機の運転の終了時刻を判定すること、を特徴とする請求項4または請求項5に記載の洗濯システム。
【請求項7】
前記第1記憶部に記憶されている過去に投入された前記各洗濯物の種別と重量との関連付け情報を、前記洗濯物カゴに今回投入された洗濯物に関する前記種別と重量との関連付け情報と比較し、同じ前記種別の洗濯物同士で前記重量に予め設定された閾値以上の差異があるか否かを判定する比較部を更に備え、
前記報知部は、前記比較部で前記閾値以上の差異があったと判定したときは、その旨を、前記操作端末を介して報知すること、を特徴とする請求項4に記載の洗濯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機および洗濯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開平04-327888号公報(特許文献1)がある。この公報には、「マイクロコンピュータを内蔵し自動運転制御をする洗濯機に予約運転終了時刻と、選択した洗濯プログラムを入力し、前記した洗濯プログラムの実行に要する時間よりも長いめに設定した予測時間と前記予約運転終了時刻とからの演算を行う運転開始時刻決定手段による時刻に自動的に運転が開始され、ついで前記洗濯プログラムによる給水工程と攪拌工程を含む洗い行程、排水工程、脱水工程、給水工程および攪拌工程を含むすすぎ行程を順次経過し、前記すすぎ行程中の攪拌工程の終了に続いて、水槽に水をためた状態を維持して洗濯物を充分な量の水中に浸漬させる形くずれ防止工程に移行し、前記した運転開始より推移した諸行程に要した時間と前記形くずれ防止工程の時間との総和を一定とし、前記形くずれ防止工程中において、前記予約運転終了時刻までの残時間が、最終の排水工程と脱水工程を含む脱水行程に要する時間に一致したときに、前記形くずれ防止工程より脱水行程に移行して脱水を行い、洗濯全行程を前記予約運転終了時刻またはこれに近似した時刻に終了する自動洗濯機の運転方法」と記載されている(特許請求の範囲参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1には、洗濯全行程を予約運転終了時刻またはこれに近似した時刻に終了させることを意図した技術が記載されている。しかし、特許文献1に開示の技術は、無駄な運転を省いて、設定した運転終了時刻に洗濯を終了させるという観点からは改善の余地があった。
そこで、本発明は、無駄な運転を省いて、設定した運転終了時刻に運転を終了させることができる洗濯機および洗濯システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、洗濯槽と、前記洗濯槽内に投入される洗濯物の重量を計測する重量センサと、前記洗濯物の洗濯の終了希望時刻の入力を受け付ける受付部と、前記重量センサの計測結果に基づいて前記洗濯物の洗濯の終了時刻を判定する第1判定部と、前記受付部で受け付けた前記終了希望時刻と前記第1判定部で判定した終了時刻との間に齟齬があるか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部の判定で前記齟齬があるときは、その旨を報知する報知部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、無駄な運転を省いて、設定した運転終了時刻に運転を終了させることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例1における洗濯機の外部構成を示す斜視図である。
【
図2】外フタ及びタンク収納フタを開いた状態における洗濯機の正面図である。
【
図3】外フタ及びタンク収納フタを開いた状態において、斜め上前方から見た洗濯機の斜視図である。
【
図5】洗濯機の前面パネルを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図7】洗濯機の制御系の概要を示すブロック図である。
【
図8】駆動制御装置および操作制御装置が実行する処理について説明するタイミングチャートである。
【
図12】実施例2の洗濯システムのシステム全体構成図である。
【
図15】洗濯機の制御装置の機能ブロック図である。
【
図17】洗濯システムが実行する処理について説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例0009】
以下、
図1、
図2、
図3を参照して、本実施例1における洗濯機1の外部構成について説明する。なお、以下に示す各図においては、前後、左右、上下の向きを必要に応じて矢印で図示している。図示の例において、洗濯機1は、洗濯物の乾燥機能を有する洗濯乾燥機である。以下の説明では、洗濯乾燥機の例を説明するが、本発明の洗濯機は洗濯乾燥機に限定されるものではなく、乾燥機能を有しない洗濯機も含まれる。なお、以下の説明では、洗濯物を「衣類」と称することがある。
【0010】
図1は、本実施例1における洗濯機1の外部構成を示す斜視図である。
図1において洗濯機1は、筐体11と、上面カバー12と、外フタ13と、操作パネル14と、タンク収納フタ15と、前面パネル16と、を備えている。上面カバー12、外フタ13及びタンク収納フタ15は、それぞれ筐体11の上面後方部、上面中央部及び上面前方部に配置され、各々後端部において、筐体11に対して回動自在に軸支されている。また、外フタ13の上面には、洗濯機1を操作するための操作パネル14が設けられている。
【0011】
外フタ13の下方には、第1投入部31が設けられている。第1投入部31は、ユーザが手動で洗剤や柔軟剤(仕上剤)等の洗濯処理液を水槽21(
図3参照)に投入するための手動投入部として機能する。また、タンク収納フタ15の下方には、洗濯処理液を自動で水槽21に投入する洗濯処理液投入装置30が配置されている。
【0012】
図2は、外フタ13及びタンク収納フタ15を開いた状態における洗濯機1の正面図である。
図2において、洗濯処理液投入装置30は、タンク42を備えており、タンク42は、洗剤用のタンク42aと、柔軟剤用のタンク42bと、を備えている。また、タンク42a,42bの上端部は、上方に向かって開口しており、その開口部を洗剤及び柔軟剤用の投入部32a,32bと呼ぶ。また、両者を総称して第2投入部32と呼ぶことがある。また、投入部32a,32bには、ユーザによって開閉自在に構成された投入口フタ43a,43bが設けられている。投入口フタ43aを閉状態にすると、洗剤用のタンク42aが封止され、投入口フタ43bを閉状態にすると、柔軟剤用のタンク42bが封止される。なお、投入口フタ43a,43bを総称して投入口フタ43と称することがある。
【0013】
図3は、外フタ13及びタンク収納フタ15を開いた状態において、斜め上前方から見た洗濯機1の斜視図である。
図3に示すように、洗濯機1の外フタ13を開けると、筐体11の内部に開口部11aが形成されている。そして、開口部11aの内部には、洗濯物が投入される洗濯兼脱水槽として機能する水槽21が配置されている。また、第1投入部31は、筐体11の左前方上部で、かつ、水槽21の外側の位置に配置されている。また、タンク42は、筐体11の前方上部で、かつ、第1投入部31よりも前方の位置に配置されている。
【0014】
タンク42は、複数回分の洗濯処理液を収容する。洗濯処理液投入装置30は、タンク42に収容された洗濯処理液を計量して、適量の洗濯処理液を水槽21に自動で投入する。このため、洗濯処理液投入装置30は、洗濯処理液を計量して、タンク42から水槽21に搬送する搬送ポンプ46(
図5参照)を備えている。
【0015】
図4は、洗濯機1の内部構成を示す模式図である。
図4に示すように、洗濯機1は、筐体11の内部に、外槽22を備えており、さらにその内部に水槽21を備えている。外槽22及び水槽21を併せて、以下では「洗濯槽」とも呼称する。
外槽22は、上面部に設けられた外槽カバー22aと、外槽カバー22aに設けられた開口部を封止するフタ部材22bと、底部に他の部位よりも落とし込むようにして設けられた落とし込み部22cと、を有している。水槽21は、上面が開放された有底の円筒形状を有している。水槽21は、円筒の胴体部分を構成する胴板21aと、水槽21の底部で回転する回転翼21bと、水槽21のバランスを維持するバランスリング21cと、を有している。胴板21aには、通水及び通風のための、複数の貫通孔21aaが形成されている。また、バランスリング21cは、内部に流体が封止された流体バランサである。
【0016】
洗濯機1は、水槽21及び回転翼21bを回転駆動するための駆動装置23と、駆動装置23の動作を検出するための回転検出装置24及びモータ電流検出装置25と、を備えている。駆動装置23は、水槽21及び回転翼21bを回転させるモータ23aと、水槽21及び回転翼21bの回転モード(攪拌,脱水)を規定するクラッチ機構23bと、回転翼21bに連結された回転軸23cと、を有している。回転軸23cは、上面視において水槽21の中心に配置されている。
【0017】
また、洗濯機1は、筐体11の後方上部に、水槽21に水を供給する給水ユニット20と、空気を加熱して乾燥風を得るための乾燥ユニット71と、乾燥風を循環させるためのファン72、送風ダクト73及び乾燥ダクト81と、を備えている。
送風ダクト73は、ファン72と吹出ノズル74との間に配置されており、その途中部分に乾燥ユニット71が配置されている。送風ダクト73は、蛇腹管73aで吹出ノズル74に接続されている。吹出ノズル74は、ファン72によって送られ乾燥ユニット71で加熱された乾燥風を、外槽22の内部に吹き出す。乾燥ダクト81は、外槽22とファン72との間に配置されている。乾燥ダクト81は、蛇腹管81aで外槽22の落とし込み部22cと接続されており、内部に除湿機構を有している。
【0018】
上述の構成において、洗濯機1は、例えば、洗い工程時やすすぎ工程時に、水槽21が水で浸されるように、給水ユニット20から外槽22に水を供給する。また、洗濯機1は、例えば、乾燥工程時に、ファン72を回転させて空気を送風ダクト73に送り、乾燥ユニット71で空気を加熱して乾燥風を得て、乾燥風を外槽22及び水槽21の内部を通過させる。これにより、洗濯機1は、水槽21の内部に収容された洗濯物を乾燥させる。そして、洗濯機1は、外槽22及び水槽21の内部を通過した空気をファン72で乾燥ダクト81から送風ダクト73に送り込み、同様の動作を繰り返す。
【0019】
また、
図4に示すように、洗濯機1は、注水ホース51aと、投入ホース54aと、洗浄ホース61aと、を備えている。注水ホース51aは、給水ユニット20から外槽22に水を流すホースである。投入ホース54aは、第1投入部31から外槽22に水を流すホースである。洗浄ホース61aは、水槽21や外槽22等の洗浄時に、給水ユニット20から外槽22に水を流すホースである。注水ホース51aは、後記する第1給水経路51(
図6参照)の一部分を構成している。投入ホース54aは、後記する投入経路54(
図6参照)の一部分を構成している。洗浄ホース61aは、後記する第1洗浄経路61の一部分を構成している。
【0020】
また、洗濯機1は、水を排出する排出経路63と、排出経路63を開閉する排水弁65と、を備えている。
また、洗濯機1は、筐体11の前方上部にタンク42を収容するケース41を備えている。タンク42は、上下方向に移動させることによって、ケース41に対して、取り外し及び取り付けが自在な構造になっている。なお、ケース41は、洗剤と柔軟剤を水槽21に自動投入できるように、好ましくは、少なくとも洗剤用と柔軟剤用の2つ以上のタンク42を収容する構造を備えているとよい。
【0021】
図5は、洗濯機1の前面パネルを取り外した状態を示す斜視図である。
図5に示すように、ケース41は、正面視形状が横長な矩形状で、かつ、側面視形状が縦長な矩形状を有している。従って、ケース41は、全体形状が奥行き方向に薄い略直方体の形状を有している。ケース41は、前面パネル16(
図1参照)の内壁面に沿って上下方向に延在するように配置されている。ケース41の下方には、搬送ポンプ46が配置されている。
【0022】
図4に戻り、ケース41と水槽21との間には、洗濯処理液の振動を抑制する制振部材45が装着されている。なお、制振部材45は、タンク42に装着してもよく、ケース41とタンク42との双方に装着してもよい。このように、制振部材45を設けると、タンク42に収容された洗濯処理液が揺れて飛び跳ねる事態を抑制することができる。
また、ケース41は、筐体11の前方上部に取り付けられており、前面パネル16の内壁面と筐体11との間で挟み込まれるように配置されている。そのため、洗濯機1は、仮に制振部材45が無かったとしても、タンク42に収容された洗濯処理液の揺れを抑制することができる。従って、制振部材45は省略することも可能である。但し、洗濯機1は、制振部材45を設けることにより、これを設けない場合と比較して、一層効率よくタンク42に収容された洗濯処理液の揺れを抑制することができる。
【0023】
また、洗濯処理液投入装置30の第2投入部32及びタンク42は、水槽21の中心(例えば、回転軸23c)よりも前方に配置されている。また、乾燥ユニット71は、第2投入部32及びタンク42から離間するように、水槽21の中心よりも後方に配置されている。外槽22には、空圧チャンバ29が設けられており、その上部には、外槽22に溜められた洗濯水の水位を検出する水位センサ28が設けられている。
送風ダクト73には、乾燥運転中に水槽21内に向けて吹き出される風の温度を検出する温度センサ26aが設けられている。また、外槽22の落とし込み部22cには、洗濯水の温度や、乾燥運転中に乾燥ダクト81に吸い込まれる空気の温度を検出する温度センサ26bが設けられている。また、落とし込み部22cと排水弁65の間には、温度センサ26cが設けられている。温度センサ26cは、洗濯水の温度や、乾燥運転中に排出経路63から機外に排出される冷却水の温度等を検出する。また、外槽22の側面上部には、外槽22の振動による振動加速度を検知する加速度センサ27が設けられている。なお、水位センサ28、温度センサ26a,26b,26c、加速度センサ27で検出された信号は、制御装置100に送信される。
【0024】
水質センサ35は、洗濯前の水道水や洗濯(洗い、すすぎ、脱水)時に洗濯液の電導度を検出するものであり、外槽22の底壁部22dの外周縁部に配置されている。水質センサ35は、洗濯前の水道水等の水質、具体的には、水の硬度を検出することができる。また、水質センサ35には、外槽22の径方向(法線方向)に沿って延びるように溝部が形成されている(図示せず)。そして、外槽22の周壁部22eから水質センサ35の溝部を通って外槽22の底壁部22dに至る面は、ほぼ連続した面となるように構成されている。例えば、洗濯運転時の脱水工程において、水槽21の貫通孔21aaから外槽22に排出されたすすぎ水の一部は、外槽22の周壁部22eを沿って流れ落ち、水質センサ35の溝部、外槽22の底壁部22dを流れるようになっている。
【0025】
図6は、洗濯機1の配管経路を示す模式図である。
図6に示すように、洗濯機1は、洗濯物の洗濯時に使用する配管経路として、第1給水経路51と、第2給水経路52と、搬送経路53と、投入経路54と、を備えている。
第1給水経路51は、給水ユニット20と第1投入部31とを結び、給水ユニット20から第1投入部31に水を供給する。
第2給水経路52は、第1給水経路51の途中部分と搬送経路53とを結び、第1給水経路51を介して給水ユニット20から搬送経路53に水を供給する。
【0026】
搬送経路53は、タンク42と第1投入部31とを結び、タンク42から搬送ポンプ46を介して排出された洗濯処理液を搬送する。
投入経路54は、第1投入部31と水槽21(外槽22)とを結び、第1投入部31から水槽21に洗濯処理液及び水を投入する。
第2給水経路52と搬送経路53との接続箇所には、流れを切り替える切替弁64が配置されている。切替弁64は、「タンク42から搬送経路53に洗濯処理液を流す方向」及び「第2給水経路52から搬送経路53に水を流す方向」のうち何れか一方に選択的に切り替える。また、搬送経路53の経路上には、搬送ポンプ46と、流体の逆流を防止する逆止弁47a,47bとが配置されている。逆止弁47a,47bは、それぞれ、搬送ポンプ46の上流側(タンク42側)と下流側(第1投入部31側)とに配置されている。また、洗濯機1は、水槽21や外槽22、ケース41等の洗浄時に使用する配管経路として、第1洗浄経路61と、第2洗浄経路62と、排出経路63と、を備えている。第1洗浄経路61は、給水ユニット20と第1投入部31とを結び、給水ユニット20から第1投入部31に洗浄用の水を供給する。
【0027】
第2洗浄経路62は、第1洗浄経路61の途中部分とケース41とを結び、第1洗浄経路61を介して給水ユニット20からケース41に洗浄用の水を供給する。排出経路63は、ケース41と排水口66とを結び、ケース41から排水する。排出経路63は、ケース41と乾燥ダクト81とを接続する排水管63aと、乾燥ダクト81と外槽22とを接続する排水管63bと、外槽22に設けられた排水弁65と排水口66とを接続する排水管63cと、を備えている。外槽22には排水弁65が設けられている。洗濯機1は、排水弁65を開放することにより、排水管63cを経由して洗濯処理液及び水を排水口66から外部に排出する。
【0028】
洗濯機1は、自動投入を行う場合に(すなわち、洗濯処理液投入装置30で洗濯処理液を水槽21に投入する場合に)、タンク42に収容された洗濯処理液を、搬送経路53を介して第1投入部31に搬送する。そして、洗濯機1は、搬送された洗濯処理液を、第1投入部31から投入経路54を通って水槽21に投入することができる。そのため、洗濯機1は、手動投入時及び自動投入時にかかわらず、洗濯処理液が第1投入部31を通過するため、第1投入部31に水を通過させることにより、洗剤投入時に使用する水量を低減することができる。
【0029】
上述のように、洗濯機1は、タンク42に収容された洗濯処理液を、搬送経路53を通ってタンク42から第1投入部31に搬送する。その際、搬送経路53には、一部の洗濯処理液が残留するが、第2給水経路52から給水された水で、搬送経路53に残留した洗濯処理液を第1投入部31へ搬送することができる。また、第2給水経路52は、第1給水経路51の途中部分に接続されている。そのため、洗濯機1は、仮に、搬送経路53が塞がってしまい、意図しない圧力が搬送経路53に加わる現象が発生した場合であっても、搬送経路53に加わる圧力を、第1給水経路51を介して外部(水槽21側)に逃がすことができる。従って、洗濯機1は、このような現象が発生した場合であっても、搬送経路53に加わる圧力を低減することができる。これにより、洗濯機1は、搬送経路53の性能を比較的長く維持することができる。
【0030】
また、洗濯機1は、第1洗浄経路61に沿って給水ユニット20から第1投入部31に洗浄用の水を流すことによって、第1投入部31を洗浄することができる。また、洗濯機1は、第2洗浄経路62に沿って給水ユニット20からケース41に洗浄用の水を流すことによって、ケース41を洗浄することができる。ケース41の底部には、例えばタンク42の下部に嵌合するノズル(図示略)が設けられているが、本実施形態によれば、ケース41とともにそのノズルも洗浄することができる。
【0031】
また、洗濯機1は、第1洗浄経路61に供給された洗浄用の水を投入経路54に沿って水槽21に排出するとともに、第2洗浄経路62に供給された洗浄用の水を排水管63aに沿って(乾燥ダクト81を経由して)水槽21に排出することができる。そのため、洗濯機1は、水槽21や外槽22を洗浄することができる。
【0032】
ところで、特許文献1で開示された洗濯機は、設定した運転終了時刻(終了希望時刻)に運転が終了するよう運転を開始し、確実に終了時刻に運転を終了することを意図した技術である。
【0033】
特許文献1で開示された洗濯機は、設置環境により異なる給排水の時間を長めに設定し、確実に運転終了時刻に運転を終了するよう制御するものである。しかし、設定した運転終了時刻よりも早く運転が終了してしまい、運転終了後しばらく放置されてしまうと、雑菌繁殖やしわが付いてしまう等仕上がりが悪くなることがある。特許文献1で開示された洗濯機は、この仕上がり悪化を回避するため、最終工程ですすぎ時間を長く行うなどの時間調整を行い、運転終了時刻に合わせて運転終了するように制御するようにしている。
【0034】
確かに、特許文献1で開示された洗濯機は、設定した運転終了時刻に運転が終了するものの、すすぎ時間を長く行うなどの無駄な運転を行うことになる。
そこで、以下では、無駄な運転を省いて、設定した運転終了時刻(終了希望時刻)に洗濯を終了させることができる洗濯機1の構成と、その作用効果について説明する。
【0035】
図7は、洗濯機1の制御系の概要を示すブロック図である。駆動制御装置101は、水槽21及び回転翼21bを回転駆動するための駆動装置23等、洗濯機1の各部の駆動系に関わる各種アクチュエータ、各種センサが所定のインターフェイスを介して接続され(
図7で図示せず)、洗濯、脱水、乾燥の各工程における洗濯機1の駆動を制御する。駆動制御装置101には、特に、所定のインターフェイスを介して洗濯槽(外槽22及び水槽21)内に投入される洗濯物の重量の計測を行う重量センサ102が接続されている。
【0036】
また、操作パネル111は、ユーザから各種の操作を受け付け、各種のメッセージを表示するタッチパネル方式等の操作盤である。操作パネル111は操作制御装置121と接続され、操作制御装置121は操作パネル111を制御する。操作制御装置121は駆動制御装置101と接続されている。
操作制御装置121および駆動制御装置101は、例えば、それぞれマイクロコンピュータを中心に構成されており、所定のプログラムに従った処理により、操作制御装置121は、受付部131、第1判定部132、第2判定部133、報知部134の各機能を、駆動制御装置101は、記憶部135の機能を発揮する。
【0037】
受付部131は、洗濯槽内の洗濯物の洗濯の終了希望時刻の入力を、操作パネル111を介してユーザから受け付ける。受付部131は、終了希望時刻の再入力も受け付ける。
第1判定部132は、重量センサ102の計測結果に基づいて洗濯機1の運転の終了時刻を判定する。より詳細には第1判定部132は、後記する記憶部135に記憶されている給水時間および排水時間に関する情報ならびに重量センサ102の計測結果に基づいて、洗濯機1の運転の終了時刻を判定する。
【0038】
第2判定部133は、受付部131で受け付けた洗濯機1の運転の終了希望時刻と第1判定部132で判定した洗濯機1の運転の終了時刻との間に齟齬(食い違い)があるか否かを判定する。
報知部134は、第2判定部133の判定で前記の齟齬があるときは、その旨を、操作パネル111を介してユーザに報知する。
記憶部135は、過去の洗濯の際の給水時間および排水時間に関する情報を記憶している。
なお、運転の終了希望時刻と洗濯機1の運転の終了時刻との間の齟齬の範囲(許容時間差)については、予め所定のものに設定することができるなど、適宜なものとすることができる。
【0039】
次に、洗濯機1が実行する処理の手順について詳細に説明する。
図8は、駆動制御装置101および操作制御装置121が実行する処理について説明するタイミングチャートである。
受付部131は、操作パネル111を介して運転の種類(コース)、衣類の汚れ具合の選択を受け付ける(ステップS100)。具体的には、まず、
図9に示す操作画面141を操作パネル111に表示する。この画面で、ボタン142を押下すれば、運転のコースを選択して運転するために、所望のコースを選択する画面に遷移する。また、ボタン143を押下すれば、選択しようとする衣類の種類を選択して運転するための画面に遷移する。さらに、ボタン144を押下すれば、運転終了時刻(終了希望時刻)を設定して運転するコースの選択ができる。受付部131が、ボタン144が押下されたことを受け付けると、受付部131は操作パネル111の画面を
図10に示す画面151に遷移する。画面151では、「洗濯」(洗濯工程のみの運転)と、「洗乾」(洗濯工程と乾燥工程を連続して運転)とから運転のコースを洗濯する。また、ボタン152~154を選択することにより、洗濯物が汚れている場合(ボタン152)、目立つ汚れが無い場合(ぼたん153)、やさしく洗いたい場合(ボタン154)から1つを選択し、それぞれに対応するコース選択の受付が受付部131によってなされる。
【0040】
図8に戻り、S100の次に、運転終了(希望)時刻の設定(S101)を、受付部131が受け付ける。具体的には、画面151で必要な選択がなされると、
図11に示す画面161に遷移する。画面161では、受付部131が、洗濯(洗乾も含む)の終了希望時刻の入力をユーザから受付ける(図示しない数字入力ボタンでユーザが入力する)。入力した内容は画面161の表示欄162に表示され、確定ボタン163を押下することにより、確定した運転の終了希望時刻が受付部131によって受け付けられる。
【0041】
図8に戻り、操作制御装置121が駆動制御装置101に対して運転パラメータの取得を要求し(S102)、駆動制御装置101が、これに応答して操作制御装置121に運転パラメータを送信する(S103)。「運転パラメータ」とは、過去の運転の際に記憶部135によって記憶された「給水時間」および「排水時間」の情報である。「給水時間」は、洗濯槽への給水に要する時間である。「給水時間」には、洗い工程のものと、すすぎ工程のものとがある。単位時間あたりの給水時間は、洗濯機1の設置場所が同じである場合、同じ浄水場から供給される水を用いるので基本的に変化はない。また、「排水時間」は、洗濯槽から洗濯機1外に水を排出するのに要する時間である。「排水時間」には、洗い工程のものと、すすぎ工程のものとがある。単位時間当たりの排水時間は、洗濯機1の排水ホース(図示せず)等の条件により変化する。通常、洗濯機1の排水ホース等の条件は運転ごとに変化はない。そこで、「運転情報」のうち、過去の「給水時間」及び「排水時間」を今回の運転に要する給水時間及び排水時間として用いる。実際には過去と今回では給水量、排水量が必ずしも同じではないので、過去の単位水量当たりの「給水時間」及び「排水時間」を今回必要な給水量、排水量に当てはめて、今回の「給水時間」及び「排水時間」を導く。もし、今回選択された運転コースに対応した過去の「運転情報」が存在しない場合は、デフォルトとして記憶部135が記憶している固定データを用いるようにしてもよい。
【0042】
次に、操作制御装置121が駆動制御装置101に対して洗濯物情報の取得を要求し(S104)、駆動制御装置101が、これに応答して操作制御装置121に洗濯物情報を送信する(S105)。「洗濯物情報」とは、重量センサ102が検出する洗濯槽内の洗濯物の重量の情報である。
第1判定部132は、前記の「給水時間」、「排水時間」、洗濯物の重量の情報、および、今回の運転のコース等によって、洗濯機1の運転の終了時刻を求める(S120)。
【0043】
次に、第2判定部133は、受付部131で受け付けた終了希望時刻(S101)と第1判定部132で判定した終了時刻(S120)との間に齟齬があるか否かを判定する(S121)。そして、報知部134は、齟齬の有無に応じたメッセージを操作パネル111の画面に表示して報知する(S121)。第2判定部133は、受付部131で受け付けた終了希望時刻と第1判定部132で判定した終了時刻とが合致すれば、「ご希望の終了希望時刻での運転終了が可能です」とのメッセージを表示する。報知部134は、受付部131で受け付けた終了希望時刻に対して第1判定部132で判定した終了時刻の方が早く到来する場合は、通常、ユーザにとってはそれで問題がないので、「ご希望の終了希望時刻より早い○○時〇〇分に運転を完了できます」とのメッセージを表示する。
なお、運転の終了時刻が終了希望時刻よりも早すぎる場合は、しわができるなどの問題が生じることがあるので、その場合は、終了希望時刻と終了時刻との間に齟齬が生じないように(許容時間差以上の時間差が生じないように)、運転を開始する時刻を遅くしたり途中で時間調整したりすることで対応できる。
【0044】
一方、受付部131で受け付けた終了希望時刻に対して第1判定部132で判定した終了時刻の方が遅く到来する場合は、報知部134は、「ご希望の終了希望時刻より遅い○○時〇〇分に運転を完了します。ご希望の終了希望時刻での運転完了を希望される場合は、洗濯物を〇〇Kg減らすか、ご希望の終了希望時刻を○○時〇〇分に変更してください。」とのメッセージを表示する。ユーザは、このメッセージに応じて運転の終了希望時刻を再度設定するか(S101)、洗濯槽内の洗濯物の量を所定量だけ減らすこととなる。洗濯物の量を減らすのは、一般的に洗濯物の量が多いほど洗濯機1の運転時間は長くなるからである。この場合は、S131の処理が再度繰り返されることとなり、最終的にユーザが希望する運転の終了希望時刻での洗濯機1の運転の完了が可能な状態となる。
【0045】
この後、受付部131が操作パネル111で運転開始ボタン(図示せず)の押下(S132)を確認すると、操作制御装置121は、S131の処理で確定した終了希望時刻で完了する洗濯機1の運転の詳細な洗濯機制御パラメータを計算し(S109)、その洗濯機制御パラメータでの運転開始制御を駆動制御装置101に指示し(S110)、これに対して駆動制御装置101が操作制御装置121に運転開始制御応答を行う(S111)。そして、操作制御装置121は、操作パネル111に、現在進行中の運転のコース内容、運転終了予定時刻、運転の残り時間等の運転状態を表示する(S112)。これにより洗濯機1の運転が開始するが、前記の例でユーザの設定した運転終了希望時刻より現実の運転が早期に終了する場合は、運転終了予定時刻は現実の運転終了予定時刻が表示される。これによって、運転が終了しても直ちにはユーザが気付かないという事態を抑制している。
【0046】
その後、操作制御装置121は、駆動制御装置101に運転情報取得を要求し(S113)、駆動制御装置101は操作制御装置121に対して運転情報を伝達する(S114)。この運転情報は洗濯機1の進行中の運転の残り時間等の情報である。これを受けて、操作制御装置121は操作パネル111の表示を更新して表示する(S115)。これらS133の処理は定期的に実行される。
運転終了予定時刻になると洗濯機1の運転は終了し(S116)、操作制御装置121は駆動制御装置101に対して運転終了状態取得を要求し(S117)、駆動制御装置101は操作制御装置121に対して運転終了状態を報知する(S118)。運転終了状態とは、駆動制御装置101側で洗濯機1の運転が完了したことの情報等である。これを受けて、操作制御装置121は操作パネル111に運転が終了した旨等、運転状態を表示させる。
【0047】
以上説明した実施例1の洗濯機1によれば、ユーザが希望した運転の終了予定時刻(S101)までに運転を終了できないときは、その旨を報知して、ユーザが希望した運転の終了予定時刻を変更するか、洗濯槽内の選択物の量を所定量減らすことを、ユーザに促す(S121)。よって、ユーザがそのメッセージに従うことで、ユーザが希望した運転の終了予定時刻に運転を完了させることが普通の運転で可能となり、不必要にすすぎ時間を長くする等の無駄な運転を省いて、設定した運転終了時刻に運転を終了させることができる。
【0048】
また、運転の終了時刻を求めるのに際しては、過去の「給水時間」、「排水時間」のデータを用いるので、運転の終了時刻を比較的正確に求めることができる。
洗濯機1、洗濯物カゴ211、操作端末221は、それぞれ通信部231~233を備えている。これらの通信部231~233は、無線通信インターフェイスであって、洗濯機1、操作端末221間、さらに洗濯物カゴ211、操作端末221間の無線通信を可能とする。なお、後記するように本例では様々な判断や計算を操作端末221で行っているが、これらの判断や計算を洗濯機1や洗濯物カゴ211で行うようにするため、洗濯機1と洗濯物カゴ211との間でも無線通信可能としてもよい。
重量判定部245は、ユーザが不定期に内カゴ213内に投入する洗濯物の重量を重量センサ214の測定重量に基づいて判定する。すなわち、重量判定部245は、既に内カゴ213に投入済みの全ての洗濯物と内カゴ213との総重量を測定済みで、それを記憶している。そして、今回、重量センサ214で感知した重量が以前より増えたということは、新たな洗濯物が内カゴ213内に投入されたということである。そこで、今回の総重量と、それ以前の総重量との差により、重量判定部245は、今回投入された洗濯物の重量を判断することができる。このようにして、重量判定部245は、内カゴ213に投入される洗濯物の1枚1枚の重量を測定することができる。このような測定を可能とするため、ユーザには洗濯物を1枚1枚ゆっくりと投入することが推奨される。
画像処理部243は、撮像素子241で撮像した各洗濯物の画像を画像処理して当該各洗濯物の種別を判定する。すなわち、重量判定部245で新たな洗濯物の内カゴ213への投入がなされたと判断したタイミングで、画像処理部243は撮像素子241で内カゴ213内の一番上の洗濯物を撮像して、その画像データに所定の画像処理を施す。そして、画像処理により当該洗濯物の形状、大きさ、素材を判断して、その洗濯物がシャツであるとか、Gパンであるとか、靴下であるとか、その種別を判断する。このような画像処理を可能とするため、ユーザには洗濯物をよく広げて洗濯物の全体が撮像素子241で撮像できるようにすることが推奨される。
第1判定部262は、第1記憶部244に記憶されている内容に基づいて洗濯機1の運転の終了時刻を判定する。また、第1判定部262は、第2記憶部に記憶されている「給水時間」および「排水時間」ならびに重量センサ214の計測結果に基づいて、洗濯機1の運転の終了時刻を判定する。
第2判定部263は、受付部261で受け付けた洗濯機1の運転の終了希望時刻と第1判定部262で判定した終了時刻との間に齟齬があるか否かを判定する。
報知部264は、第2判定部263の判定で齟齬があるときは、第1記憶部244に記憶されている情報に基づいて洗濯機1の運転の終了希望時刻で洗濯機1での運転を完了させるのに要する洗濯物を、操作端末221のユーザインターフェースを介して報知する。また、報知部264は、比較部246で前記の閾値以上の差異があったと判定したときは、その旨を、操作端末221のユーザインターフェースを介して報知する。
次に、操作端末221は、洗濯機1の洗濯槽に投入する洗濯物を選定する(S106)。まず、通常は、ユーザは洗濯物カゴ211内の全洗濯物を1度に洗濯したいと考えていることが多い。そこで、「洗濯物情報」からわかる洗濯物カゴ211内の全洗濯物の合計重量、「給水時間」および「排水時間」に関する情報、および、設定された運転のコースに基づいて、操作端末221の第1判定部262が、洗濯機1の運転の終了予定時刻を計算する。
画面331では、選択した「Gパン」に関して、表示領域332に、同じ種別の洗濯物で、前記履歴が示す洗濯物の重量の計測値(前回計測値)と、前記今回のリストが示す洗濯物の重量の計測値(今回計測値)とが左右に対比されて表示される。これにより、両値にある程度大きな差があるときは、該当の洗濯物のポケット等に異物が入っている可能性があるので、ユーザは該当の洗濯物を点検する必要がある。点検の結果、特に該当の洗濯物に異物が発見されなかった場合は、画面331でボタン333を押下することにより、該当の洗濯物の種別に関して今回の計測値を新たな履歴として第1記憶部244に記憶させることもできる。
以上説明した実施例2の洗濯システム201によれば、ユーザが希望した運転の終了予定時刻(S101)までに運転を終了できないときは、その旨を報知して、ユーザが希望した運転の終了予定時刻を変更するよう促すか、終了可能な量の洗濯物を選択して提示する(S107)。よって、ユーザがそのメッセージに従うことで、ユーザが希望した運転の終了予定時刻に運転を完了させることが普通の運転で可能となり、不必要にすすぎ時間を長くする等の無駄な運転を省いて、設定した運転終了時刻に運転を終了させることができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。