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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169579
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】車両用ブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 11/18 20060101AFI20231122BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20231122BHJP
   B60T 13/575 20060101ALI20231122BHJP
   B60T 7/04 20060101ALI20231122BHJP
   B60T 7/06 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B60T11/18
B60T8/17 B
B60T13/575
B60T7/04 B
B60T7/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080779
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】柴田 俊作
(72)【発明者】
【氏名】久戸 昇
(72)【発明者】
【氏名】望月 浩孝
(72)【発明者】
【氏名】開原 真一
(72)【発明者】
【氏名】江中 佑治
(72)【発明者】
【氏名】槇川 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】高田 雅和
(72)【発明者】
【氏名】丹後 佑太
(72)【発明者】
【氏名】今井 勝久
【テーマコード(参考)】
3D047
3D048
3D124
3D246
【Fターム(参考)】
3D047BB11
3D047CC17
3D047FF16
3D048BB25
3D048CC26
3D048EE25
3D048HH13
3D048HH42
3D048HH54
3D124AA34
3D124BB01
3D124BB12
3D124CC14
3D124CC31
3D124DD06
3D124DD29
3D124DD70
3D246BA02
3D246DA01
3D246GA04
3D246GB37
3D246LA02A
3D246LA04A
3D246LA06A
3D246LA73A
(57)【要約】
【課題】ブレーキブースタを備える機械式の構成を採用しつつ、人間の感覚に合った操作フィーリングを確保することができる車両用ブレーキシステムを提供する。
【解決手段】ブレーキシステム1は、ブレーキペダル10、ブレーキブースタ11、マスターシリンダ12、およびディスクブレーク15,16を備える。ブレーキブースタ11は、ペダル踏力が所定の踏力に達してからマスターシリンダ12に対して第1圧力を出力開始圧力として出力し始めるジャンプアップポイントが存在する特性を有する。ブレーキ15,16は、作動液の液圧が第2圧力に達してからブレーキロータ151,161とパッドとの間での摩擦力が生じ始める特性を有する。マスターシリンダ12は、ブレーキブースタ11の第1圧力と、ブレーキ15,16の第2圧力とが略一致するように設定されたシリンダ径を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のブレーキシステムであって、
軸支部で軸支され、当該軸支部廻りに回動可能に構成されたブレーキペダルと、
前記ブレーキペダルに連結され、前記ブレーキペダルに入力されたペダル踏力を乗算して出力するブレーキブースタと、
前記ブレーキブースタに連結され、前記ブレーキブースタの出力に応じて作動液を増圧するマスターシリンダと、
前記マスターシリンダに接続され、前記増圧された前記作動液により作動するブレーキピストンと、車両の車輪とともに回転するブレーキロータと、前記ブレーキピストンの作動により前記ブレーキロータに押し当てられて当該ブレーキロータとの間で摩擦力を発生させるパッドとを有するブレーキと、
を備え、
前記ブレーキブースタは、前記ペダル踏力が所定の踏力に達してから前記マスターシリンダに対して所定の圧力である第1圧力を出力開始圧力として出力し始めるジャンプアップポイントが存在する特性を有し、
前記ブレーキは、前記作動液の液圧が所定の圧である第2圧力に達してから前記ブレーキロータと前記パッドとの間での摩擦力が生じ始める特性を有し、
前記マスターシリンダは、前記ブレーキブースタにおける前記ジャンプアップポイントでの前記第1圧力と、前記ブレーキにおける前記摩擦力が生じ始める前記第2圧力とが略一致するように設定されたシリンダ径を有する、
車両用ブレーキシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ブレーキシステムにおいて、
前記マスターシリンダは、前記シリンダ径が26.5mm以上32.0mm以下の範囲内に設定されている、
車両用ブレーキシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキシステムにおいて、
前記マスターシリンダは、シリンダ内を筒軸方向に往復動するピストンを有し、
前記ブレーキブースタは、
前記ブレーキペダルに連結され、当該ブレーキペダルの回動に伴って軸心に沿って作動するプランジャと、
前記マスターシリンダの前記ピストンに連結されたプッシュロッドと、
前記プッシュロッドにおける前記ピストンが連結されたのとは反対側の端部に接合されたリアクションディスクと、
を有し、
前記プランジャと前記リアクションディスクとは、前記ペダル踏力が所定の踏力に達するまでの間において、互いに隙間を空けた状態にあり、
前記ジャンプアップポイントは、前記ペダル踏力が前記所定の踏力に達して前記プランジャと前記リアクションディスクとが当接したポイントである、
車両用ブレーキシステム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキシステムにおいて、
前記ブレーキペダルは、前記ブレーキブースタとの連結部であるロッド連結部と、運転者が踏み込み操作する踏面部とをさらに有し、
前記ブレーキペダルの長手方向において、前記軸支部から前記踏面部までの距離は、前記軸支部から前記ロッド連結部までの距離に対して3.5倍以上4.7倍以下の範囲内に設定されている、
車両用ブレーキシステム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキシステムにおいて、
前記第2圧力は、略0.2MPaである、
車両用ブレーキシステム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキシステムにおいて、
前記車両は、乗用自動車である、
車両用ブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ブレーキシステムに関し、特に、ブレーキブースタを備える機械式のブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のブレーキシステムとしては、ブレーキブースタ(倍力装置)を用いた機械式のシステムと、ブレーキペダルに入力されたストロークを電気信号に変換してブレーキを作動させるバイ・ワイヤ式のブレーキとがある。
【0003】
ところで、従来の車両用のブレーキシステムにおいては、フォース・ストローク特性における折れ点と減速Gの立ち上がりポイントとの不一致により、人間の感覚に合った操作フィーリングを運転者に感じさせることができないという問題があった。具体的に、図9(a)のフォース・ストローク特性に示すように、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいった場合に、所定のストロークSTまではブレーキロータとブレーキパッドとの隙間が狭くなって行くだけであり、ストロークSTを超えてから実際にブレーキロータに対してブレーキパッドの摩擦力が作用して減速Gがかかる(矢印E1)。
【0004】
これに対して、図9(b)に示すように、ブレーキブースタの出力液圧は、所定のペダル踏力Fが加わった時点から急激に立ち上がる。この点をジャンプアップポイントPJUという。そして、従来のブレーキシステムでは、図9(a)の折れ点Pでの液圧P91と、図9(b)のジャンプアップポイントPJUでの液圧P92との間に差異が生じていた(矢印E2)。この差異により、運転者は、ペダル踏力を加えて行ってジャンプアップポイントに達した時点で急激に減速Gがかかってしまい、修正操作が必要になる場合がある。このため、従来のブレーキシステムでは、人間の感覚に合った操作フィーリングを確保することが困難であった。
【0005】
特許文献1には、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムにおいて、図9(a)の折れ点Pと、ブレーキペダルを踏み込んでいった際の減速Gが発生し始める時期とを一致させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6573220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バイ・ワイヤ式のブレーキシステムは、電気的な故障が発生した場合の補償手段や、ブレーキブースタに代わる油圧発生装置の追加など製造コストの上昇を招くため、ブレーキブースタを備える機械式のブレーキシステムも数多くの車両で採用されている。そして、このような機械式のブレーキシステムに対しても、人間の感覚に合った操作フィーリングを確保することが求められる。
【0008】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、ブレーキブースタを備える機械式の構成を採用しつつ、人間の感覚に合った操作フィーリングを確保することができる車両用ブレーキシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る車両用のブレーキシステムは、ブレーキペダルと、ブレーキブースタと、マスターシリンダと、ブレーキとを備える。前記ブレーキペダルは、軸支部で軸支され、当該軸支部廻りに回動可能に構成されている。前記ブレーキブースタは、前記ブレーキペダルに連結され、前記ブレーキペダルに入力されたペダル踏力を乗算して出力する。前記マスターシリンダは、前記ブレーキブースタに連結され、前記ブレーキブースタの出力に応じて作動液を増圧する。前記ブレーキは、前記マスターシリンダに接続され、前記増圧された前記作動液により作動するブレーキピストンと、車両の車輪とともに回転するブレーキロータと、前記ブレーキピストンの作動により前記ブレーキロータに押し当てられて当該ブレーキロータとの間で摩擦力を発生させるパッドとを有する。
【0010】
本態様において、前記ブレーキブースタは、前記ペダル踏力が所定の踏力に達してから前記マスターシリンダに対して所定の圧力である第1圧力を出力開始圧力として出力し始めるジャンプアップポイントが存在する特性を有する。また、前記ブレーキは、前記作動液の液圧が所定の圧である第2圧力に達してから前記ブレーキロータと前記パッドとの間での摩擦力が生じ始める特性を有する。そして、前記マスターシリンダは、前記ブレーキブースタにおける前記ジャンプアップポイントでの前記第1圧力と、前記ブレーキにおける前記摩擦力が生じ始める前記第2圧力とが略一致するように設定されたシリンダ径を有する。
【0011】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、ブレーキブースタにおけるジャンプアップポイントでの第1圧力と、ブレーキにおける摩擦力が生じ始める第2圧力とが略一致するように設定されたシリンダ径を有するマスターシリンダが採用されているので、機械式のブレーキシステムにおいて運転者の感覚に合った操作フィーリングを実現することができる。即ち、上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、マスターシリンダのシリンダ径の設定により第1圧力と第2圧力とが略一致するようになっているので、運転者がペダルを踏み込んでいってジャンプアップポイントに達した時点でも従来のように急激な減速Gがかかることがなく、修正操作を行わなくてもよい。よって、上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、運転者によるブレーキペダルの踏み込み動作に呼応した感覚に合った作動フィーリングを運転者に対して提供することができる。
【0012】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムにおいて、前記マスターシリンダは、前記シリンダ径が26.5mm以上32.0mm以下の範囲内に設定されている、こととしてもよい。
【0013】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、シリンダ径が26.5mm以上の範囲内にあるマスターシリンダが採用されているので、ジャンプアップポイントにおけるマスターシリンダからの出力(液圧)を従来よりも小さく抑えることができ、第1圧力と第2圧力とを略一致させるのに効果的である。
【0014】
また、上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、シリンダ径が32.0mm以下の範囲内にあるマスターシリンダが採用されているので、必要な出力(液圧)が得られなくなるという事態を回避することができ、運転者に高い操作フィーリングを提供するのに好適である。
【0015】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムにおいて、前記マスターシリンダは、シリンダ内を筒軸方向に往復動するピストンを有し、前記ブレーキブースタは、前記ブレーキペダルに連結され、当該ブレーキペダルの回動に伴って軸心に沿って作動するプランジャと、前記マスターシリンダの前記ピストンに連結されたプッシュロッドと、前記プッシュロッドにおける前記ピストンが連結されたのとは反対側の端部に接合されたリアクションディスクと、を有し、前記プランジャと前記リアクションディスクとは、前記ペダル踏力が所定の踏力に達するまでの間において、互いに隙間を空けた状態にあり、前記ジャンプアップポイントは、前記ペダル踏力が前記所定の踏力に達して前記プランジャと前記リアクションディスクとが当接したポイントである、こととしてもよい。
【0016】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、ブレーキブースタにおけるプランジャとリアクションディスクとの隙間が無くなるポイントがジャンプアップポイントであるが、上述のように、第1圧力と第2圧力とが略一致するように設定されたシリンダ径を有するマスターシリンダが採用されているので、運転者に対して人間の感覚に合った高い操作フィーリングを確保することができる。
【0017】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムにおいて、前記ブレーキペダルは、前記ブレーキブースタとの連結部であるロッド連結部と、運転者が踏み込み操作する踏面部とをさらに有し、前記ブレーキペダルの長手方向において、前記軸支部から前記踏面部までの距離は、前記軸支部から前記ロッド連結部までの距離に対して3.5倍以上4.7倍以下の範囲内に設定されている、こととしてもよい。
【0018】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、ブレーキペダルにおける軸支部からロッド連結部までの距離に対する軸支部から踏面部までの距離の比(ペダル比)を3.5以上4.7以下に設定しているので、上記のように従来よりも大きなシリンダ径を有するマスターシリンダを採用していても運転者が過度に大きな踏力でブレーキペダルを踏み込む必要がない。これによっても、運転者の感覚に合った操作フィーリングを提供することができる。
【0019】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムにおいて、前記第2圧力は、略0.2MPaである、こととしてもよい。
【0020】
本願発明者等が鋭意検討した結果、ブレーキロータに対してパッドが当接して摩擦力が生じ始める時点での第2圧力が略0.2MPaであることを究明した。そして、当該究明結果に基づいて、第1圧力が第2圧力と略一致するようにシリンダ径が設定されたマスターシリンダを採用することで、上述のように人間の感覚に合った操作フィーリングを提供することができる。
【0021】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムにおいて、前記車両は、乗用自動車である、こととしてもよい。
【0022】
上記態様に係る車両用ブレーキシステムは、乗用自動車に採用されたブレーキシステムである。乗用自動車では、運転者の感覚に合った操作フィーリングが強く求められるところ、上記態様に係る車両用ブレーキシステムでは、これを実現することが可能である。
【発明の効果】
【0023】
上記の各態様に係る車両用ブレーキシステムでは、ブレーキブースタを備える機械式の構成を採用しつつ、人間の感覚に合った操作フィーリングを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係るブレーキシステムの構成を示す模式図である。
図2】ブレーキブースタの構成の一部を示す断面図である。
図3】マスターシリンダの構成を示す断面図である。
図4】ディスクブレーキの構成を示す断面図である。
図5】ペダル・ストロークと液圧との関係を示す特性図である。
図6】マスターシリンダ径を決定する方法を説明するための図である。
図7】ペダル踏圧とブレーキ液圧との関係を示す特性図である。
図8】マスターシリンダ径とジャンプアップ液圧との関係を示す特性図である。
図9】(a)は、ブレーキにおけるフォース。ストローク特性を示す特性図であり、(b)は、従来のブレーキシステムにおけるペダル踏力とブレーキ液圧との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0026】
1.ブレーキシステム1の概略構成
本実施形態に係るブレーキシステム1の概略構成について、図1を用いて説明する。なお、本実施形態に係るブレーキシステム1は、一例として乗用自動車に適用されるブレーキシステムである。
【0027】
図1に示すように、ブレーキシステム1は、ブレーキペダル10と、ブレーキブースタ11と、マスターシリンダ12と、油圧路13,14と、ディスクブレーキ15,16と、リザーバタンク17とを備える。ブレーキペダル10は、車体に軸支される部分である軸支部101をペダル本体100の一端部に有し、当該軸支部101廻りに回動可能に構成されている。また、ブレーキペダル10は、ペダル本体100における軸支部101から離れた箇所に、運転者が踏み込む場所である踏面部102を有する。さらに、ブレーキペダル10のペダル本体100には、ブレーキブースタ11のオペレーティングロッド110が連結されるロッド連結部103を有する。
【0028】
ここで、本実施形態に係るブレーキシステム1では、ペダル本体100の長手方向において、軸支部101からロッド連結部103までの距離L1に対する軸支部101から踏面部102までの距離L0の比(ペダル比)が4.0に設定されている。
【0029】
ブレーキブースタ11は、オペレーティングロッド110を介して入力されるペダル踏力を乗算してマスターシリンダ12に出力するデバイスである。マスターシリンダ12は、ブレーキブースタ11に連結され、ブレーキブースタ11の出力に応じて作動液(ブレーキオイル)を増圧するデバイスである。
【0030】
第1油圧路13は、車両の前輪に取り付けられたディスクブレーキ15のキャリパ150に接続されている。第2油圧路14は、車両の後輪に取り付けられたディスクブレーキ16のキャリパ160に接続されている。
【0031】
ディスクブレーク15,16は、マスターシリンダ12で増圧された作動液により作動するブレーキピストンを有するキャリパ150,160と、車輪とともに回転するブレーキロータ151,161とを有する。なお、本実施形態では、一例としてフローティングタイプのディスクブレーキ15,16を採用する。
【0032】
2.ブレーキブースタ11の構成
ブレーキブースタ11の構成について、図2を用いて説明する。なお、図2では、ブレーキブースタ11の構成の内の一部だけを抜き出して図示する。
【0033】
図2に示すように、ブレーキブースタ11は、オペレーティングロッド110の他にも、プランジャ111と、リアクションディスク112と、プッシュロッド113とを有する。プランジャ111は、オペレーティングロッド110におけるブレーキペダル10のロッド連結部103に連結されたのとは反対側の端部に接合されている。
【0034】
プッシュロッド113は、ブレーキブースタ11におけるマスターシリンダ12の取付け側に向けて延びるように設けられている。リアクションディスク112は、プランジャ111とプッシュロッド113との間に円盤状の部材であって、一例としてゴムで形成されている。
【0035】
図2の拡大部分に示すように、運転者がブレーキペダル10を踏み込んでいない場合や踏力が所定値未満の場合には、プランジャ111の前端面111aとリアクションディスク112の受け面112aとの間に隙間G1が空いた状態となっている。隙間G1は、運転者による踏力を強めて行くのに従って狭くなり、所定の踏力が加わった時点でプランジャ111の前端面111aとリアクションディスク112の受け面112aとが当接する。ブレーキブースタ11において、隙間G1が無くなる時点がジャンプアップポイントであり、その際にプッシュロッド113からマスターシリンダ12に出力される圧力がジャンプアップ量(第1圧力)である。
【0036】
なお、ブレーキブースタ11においては、構成部品の構造的なバラツキ等により隙間G1を無くすことはできず、ジャンプアップポイントは必ず存在する。
【0037】
3.マスターシリンダ12の構成
マスターシリンダ12の構成について、図3を用いて説明する。なお、図3では、マスターシリンダ12の構成を模式的に図示しており、一部の構成を省略している。
【0038】
図3に示すように、マスターシリンダ12は、タンデムタイプのマスターシリンダであって、シリンダ本体部120と、ピストン121とを有する。シリンダ本体120は、ピストン121により圧力室120aと圧力室120bとを有する。また、シリンダ本体部120は、4つの接続部120c~120fを有する。接続部120cと接続部120eとは、圧力室120aに接続されている。接続部120cは、圧力室120aとリザーバタンク17とを繋ぐ(矢印A2)。接続部120eは、第1油圧路13と接続され、圧力室120aとキャリパ150とを繋ぐ(矢印A4)。
【0039】
接続部120dと接続部120fとは、圧力室120bに接続されている。接続部120dは、圧力室120bとリザーバタンク17とを繋ぐ(矢印A3)。接続部120fは、第2油圧路14と接続され、圧力室120bとキャリパ160とを繋ぐ(矢印A5)。
【0040】
ピストン121は、シリンダ本体部120の筒軸方向において、互いに間隔を空けて配設された第1ピストン部121aと第2ピストン部121bとを有する。ピストン121は、シリンダ本体部120の筒軸方向に往復動可能となっている(矢印A1)。
【0041】
本実施形態では、マスターシリンダ12のシリンダ径DMCは、一例としてφ28.57mmである。
【0042】
4.ディスクブレーキ15,16におけるキャリパ150,160内の構成
ディスクブレーキ15,16におけるキャリパ150,160内の構成について、図4を用いて説明する。なお、図4では、ディスクブレーキ15におけるキャリパ150内の構成について図示しているが、ディスクブレーキ160におけるキャリパ160内の構成についても同じである。
【0043】
図4に示すように、キャリパ150内には、パッド152,153と、ブレーキピストン154と、ピストンシール155とが配設されている。パッド152とパッド153とは、ロータ151を挟んで対向配置されている。ブレーキピストン154は、パッド153を押圧可能に設けられている。ピストンシール155は、ブレーキピストン154の外周とキャリパ150の内壁面とを液密にシールするように配設されている。
【0044】
ブレーキピストン154に対して第1油圧路13を介した油圧がかかった場合には(矢印B1)、ブレーキピストン154が矢印B2のようにロータ151に向けて移動する。そして、ブレーキピストン154の移動に伴ってパッド153も矢印B3のように移動する。ブレーキピストン154の移動前には、ロータ151の主面151bとパッド153との間には隙間G3が空いているが、ブレーキピストン154への油圧が上昇して行くのに伴ってロータ151の主面151bに対してパッド153が当接する(隙間G3=0)。
【0045】
ロータ151の主面151bに対してパッド153が当接した状態で油圧がさらに上昇して行くと、キャリパ150が矢印B4のように移動し、これに伴ってパッド152も矢印B5のように移動する。ブレーキピストン154への油圧が所定の値に達した場合には、ロータ151の主面151aにパッド152が当接し(隙間G2=0)、ロータ151の主面151bにパッド153が当接して摩擦力を発生させることになる。なお、ロータ151にパッド152およびパッド153が当接して摩擦力が生じ始める作動液の油圧が第2油圧に該当する。
【0046】
油圧が下がった場合には、ゴムからなるピストンシール155の復元力によりブレーキピストン154が後退され、ロータ151に対するパッド152,153の当接状態が解除される。
【0047】
5.ペダル・ストロークと液圧との関係
運転者によるペダル・ストロークと、ディスクブレーキ15,16におけるブレーキピストン154にかかる液圧(油圧)との関係について、図5を用いて説明する。
【0048】
図5に示すように、運転者がブレーキペダル10を踏み込んで行くと、液圧が漸増して行く。ペダル・ストロークと液圧との関係は、指数関数的な曲線LFSをもって示される。曲線LFSして、ペダル・ストロークが“0”の箇所で接線Lを引き、液圧が“1.0MPa”のの箇所で接線Lを引くとき、接線Lと接線Lとの交点Pが液圧0.2MPaの付近に配される。即ち、ディスクブレーキ15,16においては、液圧が0.2MPa以上となった場合に(矢印C)、ロータ151,161とパッド152,153との間の隙間G2,G3が無くなり、摩擦力が発生する。
【0049】
なお、図5における交点Pが、フォース・ストローク特性図の“折れ点”に該当する。
【0050】
6.マスターシリンダ12のシリンダ径DMCの設定
マスターシリンダ12のシリンダ径DMCの設定について、図6を用いて説明する。なお、図6では、第1象限にペダル踏力とブレーキブースタ11への入力との関係を示し、第2象限にブレーキブースタ11における入力と出力との関係を示し、第3象限にマスターシリンダ12における入力と出力との関係を示し、第4象限にマスターシリンダ12の出力(液圧)とディスクブレーキ15,16における減速Gとの関係を示す。また、図6において、太い破線は、比較例の特性を示す。
【0051】
マスターシリンダ12のシリンダ径DMCの設定においては、運転者がブレーキペダル10を所定の踏力で踏み込んだ際に必要とする減速Gを実現することを前提とする。
【0052】
図6に示すように、必要とする減速Gが実現できる点である点P0から、第4象限の特性線(ディスクブレーキ15,16における液圧と減速Gとの関係を示す特性線)L1に垂線を下ろし、垂線と特性線L1との交点P1が得られる。本実施形態で必要とする減速Gを実現しようとする場合には、必要となるマスターシリンダ12の出力(液圧)がF1であることが分かる。
【0053】
シリンダ径DMCがφ22.22mmであるマスターシリンダを採用する比較例の場合には、該比較例に係るマスターシリンダの特性線L12と液圧F1との交点がP12となる。
【0054】
一方、シリンダ径DMCがφ28.57mmであるマスターシリンダ12を採用する本実施形態の場合には、該マスターシリンダ12の特性線L2と液圧F1との交点がP2となる。交点P2は、交点P12に対してマスターシリンダ12への入力値(ブレーキブースタ11の出力値)が大きい。
【0055】
図6の第2象限に示すように、ブレーキブースタ11は、入力に対して出力が変化しないジャンプアップ量F2を有する。このジャンプアップ量F2は、上記の隙間G1によるものである。そして、ブレーキブースタ11の入力と出力との関係を示す特性線L3では、ジャンプアップポイントP5以降において、入力と出力とが略直線的に比例した関係を有する。
【0056】
ここで、ジャンプアップポイントP5から第3象限に垂線L5を下す場合、特性線L12との交点はP16となり、特性線L2との交点はP6となる。交点P16におけるマスターシリンダの出力(液圧)は0.4MPaであるのに対して、交点P6におけるマスターシリンダ12の出力(液圧)は0.2MPaである。即ち、比較例では、ジャンプアップポイントP5で図5の折れ点Pに対して液圧(油圧)が一致しないのに対して、本実施形態では、ジャンプアップポイントP5で図5の折れ点Pに対して液圧(油圧)が0.2MPaで略一致する。
【0057】
次に、交点P12から特性線L3に対して垂線を下ろすと、特性線L3上に交点P13が得られる。これに対して、交点P2から特性線L3に対して垂線を下ろすと、特性線L3上に交点P3が得られる。図6に示すように、交点P3は、比較例の交点P13よりもブレーキブースタ11の入力が高い。
【0058】
比較例においては、ペダル比Rが“2.7”のブレーキペダル(特性線L14を有するブレーキペダル)を採用することにより、上記所定の踏力で交点P13に相当するブレーキブースタへの入力(交点P14での踏力)が実現される。これに対して、本実施形態では、ペダル比Rが“4.0”のブレーキペダル(特性線L4を有するブレーキペダル)10を採用することにより、上記所定の踏力で交点P13に相当するブレーキブースタへの入力(交点P4での踏力)が実現される。
【0059】
7.ジャンプアップポイント
上述のように、フォース・ストローク特性における折れ点においては、液圧が0.2MPaであるが、この液圧とジャンプアップ量(ジャンプアップポイントにおける液圧)との関係について、図7を用いて説明する。なお、図7のグラフにおいて、破線で示す特性線L16は比較例であり、実線で示す特性線L6は本実施形態に係るブレーキシステム1のものである。
【0060】
図7の破線で示すように、比較例に係る特性線L16では、ペダル踏力が所定値に達した時点で液圧が0.4MPaまで一気に立ち上がる(ジャンプアップ量)。比較例のジャンプアップポイントP17における液圧0.4MPaという値は、図5の折れ点Pでの液圧0.2MPaよりも高く、一致していない。
【0061】
一方、本実施形態に係るブレーキシステム1での特性線L6では、ペダル踏力が所定値に達した時点でのジャンプアップ量(液圧)が0.2MPaである。ジャンプアップポイントP7における液圧0.2MPaという値は、図5の折れ点Pでの液圧0.2MPaと一致する値である。このように本実施形態に係るブレーキシステム1では、シリンダ径DMCがφ28.57mmという従来比で大径のマスターシリンダ12を採用することで、フォース・ストローク特性における折れ点Pでの液圧と、ジャンプアップポイントP7での液圧とを一致あるいは略一致させることが可能となる。
【0062】
8.マスターシリンダ12のシリンダ径DMCの範囲
本実施形態に係るブレーキシステム1では、シリンダ径DMCがφ28.57mmのマスターシリンダ12を採用することとしているが、フォース・ストローク特性における折れ点Pでの液圧と、ジャンプアップポイントP7での液圧とを略一致させることが可能となるシリンダ径DMCの範囲について、図8を用いて説明する。
【0063】
先ず、ジャンプアップ量(ジャンプアップポイントP7での液圧)がどの程度の範囲内である場合に、人間の感覚に合った操作フィーリングを得られるかについて、本願発明者等が鋭意検討した結果、フォース・ストローク特性における折れ点Pでの液圧(0.2MPa)に対して±0.05MPaの範囲内(換言すると、フォース・ストローク特性における折れ点Pでの液圧に対して±25%の範囲内)であればよいとの知見を得た。即ち、本明細書において、「略一致」とは±25%の範囲内を示す。
【0064】
図8に示すように、横軸にマスターシリンダ12のシリンダ径DMCをとり、縦軸にジャンプアップ量をとる。この場合に、マスターシリンダ12のシリンダ径DMCが大きいほど、ジャンプアップ量(液圧)が漸減して行く。そして、ジャンプアップ量を0.2MPa±0.05MPaの範囲(矢印D1の範囲)とするには、シリンダ径DMCをφ26.5mm以上の範囲(矢印D2の範囲)に設定することが必要である。
【0065】
なお、シリンダ径DMCの上限については、狙いとする液圧(車両を停止させるための減速Gを達成するのに必要となる液圧)を得るために、シリンダ径DMCをφ32.0mm以下とすることが必要となる。
【0066】
さらに、既存のマスターシリンダを採用しようとする場合には、φ26.99mm以上φ31.75mm以下の範囲に設定することとなる。この場合には、特注品のマスターシリンダを採用しなくてもよいため、車両の製造コストの上昇を抑えることができる。
【0067】
9.効果
本実施形態に係るブレーキシステム1では、ブレーキブースタ11におけるジャンプアップポイントP7での液圧(第1圧力)と、ディスクブレーキ15,16における摩擦力が生じ始める液圧(第2圧力)とが略一致するように設定されたシリンダ径DMCを有するマスターシリンダ12が採用されているので、機械式のブレーキシステム1において運転者の感覚に合った操作フィーリングを実現することができる。即ち、ブレーキシステム1では、マスターシリンダ12のシリンダ径DMCの設定によりジャンプアップポイントP7での液圧と、ディスクブレーキ15,16における摩擦力が生じ始める液圧とが第1圧力と第2圧力とが略一致するようになっているので、運転者がブレーキペダル10を踏み込んでいってジャンプアップポイントP7に達した時点でも従来のように急激な減速Gがかかることがなく、修正操作を行わなくてもよい。よって、ブレーキシステム1では、運転者によるブレーキペダル10の踏み込み動作に呼応した感覚に合った作動フィーリングを運転者に対して提供することができる。
【0068】
また、本実施形態に係るブレーキシステム1では、シリンダ径DMCが26.5mm以上の範囲内にあるマスターシリンダ12が採用されているので、ジャンプアップポイントP7におけるマスターシリンダ12からの出力(液圧)を従来よりも小さく抑えることができ、ブレーキブースタ11におけるジャンプアップポイントP7での液圧(第1圧力)と、ディスクブレーキ15,16における摩擦力が生じ始める液圧(第2圧力)とを略一致させるのに効果的である。
【0069】
また、ブレーキシステム1では、シリンダ径DMCが32.0mm以下の範囲内にあるマスターシリンダ12が採用されているので、必要な出力(液圧)が得られなくなるという事態を回避することができ、運転者に高い操作フィーリングを提供するのに好適である。
【0070】
また、本実施形態に係るブレーキシステム1では、ブレーキブースタ12におけるプランジャ111とリアクションディスク112との隙間G1に起因してジャンプアップポイントP7が規定されるが、ジャンプアップポイントP7での液圧(第1液圧)と、ディスクブレーキ15,16における摩擦力が生じ始める液圧(第2液圧)とが略一致するように設定されたシリンダ径DMCを有するマスターシリンダ12が採用されているので、運転者に対して人間の感覚に合った高い操作フィーリングを確保することができる。
【0071】
また、本実施形態に係るブレーキシステム1では、ブレーキペダル10におけるペダル比を3.5以上4.7以下(具体例としては、“4.0”)に設定しているので、従来よりも大きなシリンダ径DMCを有するマスターシリンダ12を採用していても運転者が過度に大きな踏力でブレーキペダル10を踏み込む必要がない。これによっても、運転者の感覚に合った操作フィーリングを提供することができる。
【0072】
本願発明者等が鋭意検討した結果、ブレーキロータ151,161に対してパッド152,153が当接して摩擦力が生じ始める時点での液圧が略0.2MPa(0.2MPa±0.05MPa)であることを究明した。そして、当該究明結果に基づいて、マスターシリンダ12のシリンダ径DMCの設定によりジャンプアップポイントP7での液圧と、ディスクブレーキ15,16における摩擦力が生じ始める液圧とが略一致するようにシリンダ径DMCが設定されたマスターシリンダ12を採用することで、人間の感覚に合った操作フィーリングを提供することができる。
【0073】
なお、本実施形態に係るブレーキシステム1は、乗用自動車に採用されたブレーキシステムである。乗用自動車では、運転者の感覚に合った操作フィーリングが強く求められるところ、ブレーキシステム1では、これを実現することが可能である。
【0074】
以上のように、本実施形態に係るブレーキシステム1では、ブレーキブースタ11を備える機械式の構成を採用しつつ、人間の感覚に合った操作フィーリングを確保することができる。
【0075】
[変形例]
上記実施形態では、シリンダ径DMCがφ26.5mm以上φ32.0mm以下の範囲に設定されたマスターシリンダ12を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。即ち、ジャンプアップポイントでの液圧(第1圧力)と、ディスクブレーキにおける摩擦力が生じ始める液圧(第2圧力)とが略一致するようにシリンダ径が設定されたマスターシリンダを採用するようにすればよい。
【0076】
上記実施形態では、ジャンプアップ量がブレーキブースタ11におけるプランジャ111とリアクションディスク112との隙間G1により生じるものであるとしたが、本発明では、これに加えてブレーキブースタにおける他の構成部品のバラツキ等も含めてジャンプアップ量が生じるとしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、ブレーキペダル10のペダル比を3.5以上4.7以下としたが、本発明では、ジャンプアップポイントでの液圧と、ディスクブレーキにおける摩擦力が生じ始める液圧とが略一致するようにシリンダ径が設定されたマスターシリンダを採用する場合において、運転者がブレーキブースタに対して必要となる入力が可能となるペダル比を採用することが可能である。
【0078】
また、上記実施形態では、ジャンプアップポイントでの液圧と、ディスクブレーキにおける摩擦力が生じ始める液圧とが略一致するようにシリンダ径DMCが設定されたマスターシリンダ12を採用することとしたが、この場合の“略一致”とは、例えば、基準となる液圧に対して±25%程度の範囲で許容されることとすることができる。
【0079】
また、上記実施形態に係るブレーキシステム1では、主に人の移動のために利用され、乗車定員が少人数(例えば、10人以下)の乗用自動車を適用対象としたが、本発明は、これに限定されず、貨物運搬用の車両に採用することも可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 ブレーキシステム
10 ブレーキペダル
11 ブレーキブースタ
12 マスターシリンダ
15,16 ディスクブレーキ
111 プランジャ
112 リアクションディスク
113 プッシュロッド
150,160 キャリパ
151,161 ロータ
152,153 パッド
154 ブレーキピストン
MC マスターシリンダ径
P7 ジャンプアップポイント
折れ点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9