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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169629
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】製袋充填装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/10 20060101AFI20231122BHJP
   B65B 41/12 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B65H19/10 A
B65B41/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080864
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 光仁
(72)【発明者】
【氏名】堀田 倫人
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA03
3F064BA16
3F064EB06
3F064EB11
(57)【要約】
【課題】フィルムのセット作業を効率的に行い得る製袋充填装置を提供する。
【解決手段】製袋充填装置は、フィルムロールRから引き出されたフィルムFの始端部Fsを支持したフィルム支持手段7が、移送手段6によってフィルムロールRからフィルム繰出手段3まで移送される。この間にハンド部7は、フィルムFの始端部Fsを支持しながらガイドローラ2、フィルム繰出手段3の位置に合わせて高さや向きを変えて移動する。これにより、フィルムFの始端部Fsがガイドローラ2を介して、フィルム繰出手段3まで送られる。すなわち、フィルム支持手段7により、設定された量のフィルムFを効率的にフィルムロールRから引き出すとともに、引き出されたフィルムFをスムーズにガイドローラ2を介してフィルム繰出手段3に送ることができる。よって、製袋充填装置におけるフィルムFのセット作業を効率的に行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持されたフィルムロールにおけるフィルムの始端部を支持するフィルム支持手段と、
前記フィルム支持手段によって前記フィルムロールから引き出された帯状のフィルムを巻き掛け案内するガイドローラと、
前記フィルムの両側縁を重ね合わせて筒状フィルムを成形するフィルム成形手段と、
前記フィルムロールから前記フィルム成形手段までの間に配設され、前記帯状のフィルムを表裏から挟んで前記フィルム成形手段に向けて送り出すフィルム繰出手段と、
前記フィルムの始端部を支持している前記フィルム支持手段を移送する移送手段と、を備え、
前記フィルム成形手段で前記両側縁が重ね合わされた前記筒状フィルムの重合箇所に、前記筒状フィルムの送り方向に沿って縦シールを施すと共に、前記筒状フィルムに対して、前記筒状フィルムの送り方向と交差する方向に横シールを施して、前記筒状フィルムに物品を内包する製袋充填装置であって、
前記移送手段が前記フィルム支持手段を移送することにより、少なくとも前記フィルムの始端部が、前記フィルムロールから前記ガイドローラの位置を通過して前記フィルム繰出手段に届くように移送されることを特徴とする、製袋充填装置。
【請求項2】
前記フィルムロールを回転駆動する駆動手段を有しており、前記フィルムの始端部を支持した前記フィルム支持手段を前記移送手段が移送する際に、前記駆動手段を駆動して前記フィルムの始端部までの前記フィルムに弛みを持たせ続けることを特徴とする、請求項1に記載の製袋充填装置。
【請求項3】
前記フィルム繰出手段は、
前記フィルムの幅方向に延在し、回転駆動される駆動側回転手段と、
前記駆動側回転手段との間に前記フィルムを挟持した状態で、前記駆動側回転手段に従動して回転する従動側回転手段と、
前記フィルムの幅方向の一方側に設けられた本体部に固定され、前記駆動側回転手段を、該駆動側回転手段の回転軸方向両側で回転可能に支持する第1の支持手段と、
前記従動側回転手段を、該従動側回転手段の回転軸方向両側で回転可能に支持する第2の支持手段と、を備え、
前記第2の支持手段が前記第1の支持手段に対して、前記駆動側回転手段と前記従動側回転手段が前記フィルムを挟持可能な挟持位置および離間した退避位置の間を移動し得るように、前記第2の支持手段を前記本体部に支持すると共に、前記第2の支持手段の前記退避位置で、前記本体部から対向離間する前記フィルムの幅方向の他方側から、前記駆動側回転手段と前記従動側回転手段の間に前記フィルムを通し得るように、前記第1の支持手段と前記第2の支持手段の間および前記駆動側回転手段と前記従動側回転手段の間が空くように構成されており、
前記移送手段は、前記フィルム支持手段を、前記第1の支持手段と前記第2の支持手段の間および前記駆動側回転手段と前記従動側回転手段の間が空いた際に、その間を通過させることで、前記フィルム繰出手段に前記フィルムを通すことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の製袋充填装置。
【請求項4】
前記第2の支持手段が前記挟持位置に位置する際に、前記従動側回転手段は、前記駆動側回転手段から離間し得るように、前記第2の支持手段によって前記挟持位置に支持されていることを特徴とする、請求項3に記載の製袋充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装装置を用いたフィルム包装のための準備作業として、フィルムロールから引き出したフィルムを所定経路に従って各種ローラに案内した後、そのフィルムを包装装置に至るようにセットする作業が、作業者によって行われる。例えば特許文献1には、包装機におけるフィルムロールのセット装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3721534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなフィルムのセット作業において、重量物であるフィルムロールからフィルムを引き出す作業は作業者にとって力を要するものである。また、不慣れな作業者が行うと、例えばフィルムを多めに引き出し過ぎてその取り扱いに困ったり、多めに引き出したフィルムを損傷させないように気を配ったりするなど、作業効率が低下してしまう場合がある。すなわち、作業者の熟練度によってフィルムのセット時間に要する時間にばらつきが生じ、効率的な生産に支障をきたす懸念がある。
【0005】
本発明は、フィルムのセット作業を効率的に行い得る製袋充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の搬送装置は次の手段をとる。先ず請求項1に係る発明は、回転可能に支持されたフィルムロール(R)におけるフィルム(F)の始端部(Fs)を支持するフィルム支持手段(7,56)と、前記フィルム支持手段(7,56)によって前記フィルムロール(R)から引き出された帯状のフィルム(F)を巻き掛け案内するガイドローラ(2,52)と、前記フィルム(F)の両側縁を重ね合わせて筒状フィルムを成形するフィルム成形手段(5)と、前記フィルムロール(R)から前記フィルム成形手段(5)までの間に配設され、前記帯状のフィルム(F)を表裏から挟んで前記フィルム成形手段(5)に向けて送り出すフィルム繰出手段(3,53)と、前記フィルム(F)の始端部(Fs)を支持している前記フィルム支持手段(7,56)を移送する移送手段(6)とを備え、前記フィルム成形手段(5)で前記両側縁が重ね合わされた前記筒状フィルムの重合箇所に、前記筒状フィルムの送り方向に沿って縦シールを施すと共に、前記筒状フィルムに対して、前記筒状フィルムの送り方向と交差する方向に横シールを施して、前記筒状フィルムに物品を内包する製袋充填装置であって、前記移送手段(6)が前記フィルム支持手段(7,56)を移送することにより、少なくとも前記フィルム(F)の始端部(Fs)が、前記フィルムロール(R)から前記ガイドローラ(2,52)の位置を通過して前記フィルム繰出手段(3,53)に届くように移送されることを特徴とする。
【0007】
この請求項1に係る発明によれば、フィルムロール(R)から引き出されたフィルム(F)の始端部(Fs)を支持したフィルム支持手段(7,56)が、移送手段(6)によってフィルムロール(R)からフィルム繰出手段(3,53)まで移送される。この間にフィルム支持手段(7,56)は、フィルム(F)の始端部(Fs)を支持しながらガイドローラ(2,52)、フィルム繰出手段(3,53)の位置に合わせて移動する。これにより、フィルム(F)の始端部(Fs)がガイドローラ(2,52)を介して、フィルム繰出手段(3,53)まで送られる。すなわち、フィルム支持手段(7,56)により、設定された量のフィルム(F)を効率的にフィルムロール(R)から引き出すとともに、引き出されたフィルム(F)をスムーズにガイドローラ(2,52)を介してフィルム繰出手段(3,53)まで送ることができる。よって、製袋充填装置におけるフィルム(F)のセット作業を効率的に行うことができる。
【0008】
次に、請求項1に従属する請求項2に係る発明は、前記フィルムロール(R)を回転駆動する駆動手段(12,51)を有しており、前記帯状のフィルム(F)の始端部(Fs)を支持した前記フィルム支持手段(7,56)を前記移送手段(6)が移送する際に、前記駆動手段(12,51)を駆動して前記フィルム(F)の始端部(Fs)までの前記フィルム(F)に弛みを持たせ続けることを特徴とする。
【0009】
この請求項2に係る発明によれば、フィルムロール(R)は駆動手段(12,51)が回転駆動することによって、フィルム(F)が弛む方向に回転できる。これにより、フィルム支持手段(7,56)がフィルム(F)の始端部(Fs)を支持しながら下流方向へ移送されるときに、重量のあるフィルムロール(R)にフィルム(F)が引っ張られ、フィルム支持手段(7,56)から離れてしまうのを抑制できる。すなわち、フィルムロール(R)を回転させることにより、スムーズなフィルム(F)の引き出しを補助できる。
【0010】
次に、請求項1または請求項2に従属する請求項3に係る発明は、前記フィルム繰出手段(3)は、前記フィルム(F)の幅方向に延在し、回転駆動される駆動側回転手段(15)と、前記駆動側回転手段(15)との間に前記フィルム(F)を挟持した状態で、前記駆動側回転手段(15)に従動して回転する従動側回転手段(16)と、前記フィルム(F)の幅方向の一方側に設けられた本体部(14)に固定され、前記駆動側回転手段(15)を、該駆動側回転手段(15)の回転軸方向両側で回転可能に支持する第1の支持手段(17)と、前記従動側回転手段(16)を、該従動側回転手段(16)の回転軸方向両側で回転可能に支持する第2の支持手段(18)と、を備え、前記第2の支持手段(18)が前記第1の支持手段(17)に対して、前記駆動側回転手段(15)と前記従動側回転手段(16)が前記フィルム(F)を挟持可能な挟持位置(P)および離間した退避位置(Q)の間を移動し得るように、前記第2の支持手段(18)を前記本体部(14)に支持すると共に、前記第2の支持手段(18)の前記退避位置(Q)で、前記本体部(14)から対向離間する前記フィルム(F)の幅方向の他方側から、前記駆動側回転手段(15)と前記従動側回転手段(16)の間に前記フィルム(F)を通し得るように、前記第1の支持手段(17)と前記第2の支持手段(18)の間および前記駆動側回転手段(15)と前記従動側回転手段(16)の間が空くように構成されており、前記移送手段(6)は、前記フィルム支持手段(7)を、前記第1の支持手段(17)と前記第2の支持手段(18)の間および前記駆動側回転手段(15)と前記従動側回転手段(16)の間が空いた際に、その間を通過させることで、前記フィルム繰出手段(3)に前記フィルム(F)を通すことを特徴とする。
【0011】
この請求項3に係る発明によれば、フィルム繰出手段(3)は、駆動側回転手段(15)と従動側回転手段(16)を備えており、これらの回転手段(15,16)でフィルム(F)を挟持することができる。従動側回転手段(16)は、フィルム(F)を挟持する挟持位置(P)と挟持位置(P)から離間した退避位置(Q)との間を移動可能な構成とされる。この構成により、フィルム支持手段(7)によって支持されたフィルム(F)を通過させるときは、従動側回転手段(16)を退避位置(Q)に移動させて、駆動側回転手段(15)と従動側回転手段(16)との間を空けることができる。この間をフィルム支持手段(7)が通過することにより、フィルム(F)をフィルム繰出手段(3)に通すことができる。
【0012】
次に、請求項3に従属する請求項4に係る発明は、前記第2の支持手段(18)が前記挟持位置(P)に位置する際に、前記従動側回転手段(16)は、前記駆動側回転手段(15)から離間し得るように、前記第2の支持手段(18)によって前記挟持位置(P)に支持されていることを特徴とする。
【0013】
この請求項4に係る発明によれば、従動側回転手段(16)は、第2の支持手段(18)が挟持位置(P)に位置した状態で、駆動側回転手段(15)から離間し得るように、第2の支持手段(18)に支持されている。すなわち、従動側回転手段(16)は、挟持位置(P)において駆動側回転手段(15)に対し近接離間し得る。これにより、第2の支持手段(18)と従動側回転手段(16)が挟持位置(P)に位置したまま、駆動側回転手段(15)と従動側回転手段(16)がフィルム(F)を挟持可能に接した状態を解除できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、フィルムのセット作業を効率的に行い得る製袋充填装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る製袋充填装置のフィルム供給経路を正面から見た概略図である。
図2】第1実施形態に係る繰出しローラユニットの正面概略図である。
図3】上記繰出しローラユニットの平面概略図である。
図4図1における移送ロボットを右側から見た図であり、繰出しローラユニットの第2の支持体が退避位置に移動し、帯状のフィルムが各ローラに巻き掛けられた状態を示す図である。
図5】第2実施形態に係る製袋充填装置のフィルム供給経路においてフィルムを通す状態を示す概略図である。
図6】第2実施形態に係る製袋充填装置のフィルム供給経路を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
まず第1実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態に係る製袋充填装置は、フィルムロールRから引き出された帯状のフィルムFを製袋器5(フィルム成形手段)で筒状に成形し、製袋器5によって両側縁が重ね合わされて筒状に成形されたフィルムの重合箇所に、筒状フィルムの送り方向に沿って縦シールを施すと共に、筒状フィルムに対して、筒状フィルムの送り方向と交差する方向に横シールを施して、筒状フィルムに物品を内包する製袋充填機であって、供給コンベヤ11によって製袋器5に向けて筒状フィルム内に物品が供給される横形製袋充填機である。なお、本実施形態を図1ないし図4を用いて説明するにあたって、図に示す左右方向は、供給コンベヤ11が物品を搬送する搬送方向であると共に、筒状フィルムの送り方向である。
【0017】
製袋充填装置は、図1に示すように、フィルムロールRから製袋器5に向けて、フィルムFを移送するフィルム供給経路20が形成されている。そして、フィルム供給経路20における最上流となるフィルムロールRが、巻紙セット部1に支持されていると共に、フィルムロールRから引き出された帯状のフィルムFが、ガイドローラ2、繰出しローラユニット3(フィルム繰出手段)、進入角度調整部4の順に、その下流に向けて送られる。また、製袋充填装置は、左右方向に沿って走行できる移送ロボット6(移送手段)を備えている。移送ロボット6は、図4を参照として、フィルムロールRにおける帯状のフィルムFの始端部Fsを吸引保持するハンド部7(フィルム支持手段)を備えている。ここで、フィルムFの始端部Fsは、先端における周縁部分だけでなく、先端の周縁より内側に広がる面の領域が含まれる。言い換えれば、フィルムFの始端部Fsは先端からフィルムロールRに向かって、少なくとも後述する吸引部8で吸引可能な長さを持つ被支持領域である。さらに製袋充填装置は、包装動作に係る設定情報などを記憶して、物品の搬送やフィルム搬送などの駆動源としてのサーボモータやエアシリンダなどの各々に駆動指令を行うなど包装動作を司る包装制御部(不図示)を備えている。包装制御部は前述の駆動源の夫々による作動状態をエンコーダなどによる状態検出手段で監視すると共に、移送ロボット6の動作を司る移送ロボット制御部(不図示)や後述するスカラロボット9の動作を司るスカラロボット制御部(不図示)と相互通信を行って、各ロボットの制御部に指令を行う。
【0018】
図1に示すように、巻紙セット部1は、フレームFLに回転可能に支持された円板状の回転体10と、回転体10に片持ち支持されて水平方向に延在する円柱状の保持軸12を備えている。保持軸12は、包装制御部に駆動制御されるモータにより回転駆動される。すなわち保持軸12は、フィルムロールRを回転可能に支持して、フィルムロールRを回転駆動する駆動手段として機能する。フィルムロールRは、例えば無人搬送車などの台車(不図示)に載置されて巻紙セット部1付近まで搬送され、ロボット(不図示)により保持軸12にセットされる。保持軸12は、フィルムロールRがセットされると、フィルムロールRの最外周に位置するフィルムFの始端部Fsが決められた位置に来るように、回転し停止する。なお、フィルムロールRのフィルムFの始端部Fsの位置の検出には、予めフィルムに付されたマーク(不図示)の位置をセンサ(不図示)で検出するなど、公知の手法が採用される。
【0019】
ガイドローラ2は、回転体10の下流側において、フレームFLに片持ち支持されて水平方向に延在する。ガイドローラ2は、吸引部8を備えたハンド部7によってフィルムロールRから引き出された帯状のフィルムFを巻き掛け案内する。
【0020】
繰出しローラユニット3は、フィルムFを移送するフィルム供給経路20より奥側(帯状のフィルムFの幅方向の一方側)に設けられた本体部14と、対をなして帯状のフィルムFの幅方向に延在する駆動ローラ15(駆動側回転手段)と従動ローラ16(従動側回転手段)、並びにこれらのローラ15,16をそれぞれ回転可能に支持する第1の支持体17(第1の支持手段)と第2の支持体18(第2の支持手段)を備えている。
【0021】
図2図3に示すように、第1の支持体17は、本体部14に固定され、駆動ローラ15をその回転軸方向両側で回転可能に支持している。具体的には、第1の支持体17は、本体部14に固定される固定パネル21と、駆動ローラ15の軸線に沿って手前側に延在する補強ステー(不図示)と、補強ステーの延出した端部に連結されたサブフレーム23を備えている。駆動ローラ15は、その両端が固定パネル21とサブフレーム23によって回転可能に支持されている。固定パネル21側(奥側)においては、駆動ローラ15の一方の端部が、固定パネル21に設けられた孔を介して、包装制御部に駆動制御されるサーボモータなどの駆動モータ(不図示)に駆動連結されている。なお、固定パネル21とサブフレーム23の間には、帯状のフィルムFを巻き掛け案内し得るガイドローラ24が、駆動ローラ15と平行になるように設けられている。
【0022】
第2の支持体18は、従動ローラ16をその回転軸方向両側で回転可能に支持している。具体的には、第2の支持体18は、フィルム幅方向に離間する一対の側壁25と、これらの側壁25の上端縁に架設された外壁26によって、下側が開口した(凹んだ)箱状に形成されている。第2の支持体18は、外壁26によって、第1の支持体17に向けて異物などが進入することを防ぐように形成されている。従動ローラ16は、その回転軸が水平方向に沿って延在するように、回転軸方向両側が一対の側壁25に回転可能に支持されている。
【0023】
駆動ローラ15と従動ローラ16が帯状のフィルムFを挟持可能な挟持位置Pでは、従動ローラ16は駆動ローラ15に対し水平方向(左右方向)に並ぶように位置する。駆動ローラ15が回転駆動されることにより、従動ローラ16が駆動ローラ15との間に帯状のフィルムFを挟持した状態で、駆動ローラ15に従動して回転する。この構成により、帯状のフィルムFが表裏から挟まれ、製袋器5に向けて送り出される。また繰出しローラユニット3は、箱状の第2の支持体18が挟持位置Pにおいて駆動ローラ15と従動ローラ16が対向する領域の上側を覆う構成とされる。これにより、外部からフィルム以外の異物などが侵入するのを防止し得る。
【0024】
第2の支持体18は、第1の支持体17に対して、挟持位置Pから上方に離間した退避位置Qに移動し得るように、包装制御部に駆動制御されるサーボモータ等に駆動連結されると共に、本体部14に支持されている。これにより、第2の支持体18と従動ローラ16は、挟持位置Pと退避位置Qの間を上下方向に移動し得る。そして第2の支持体18が従動ローラ16とともに退避位置Qに移動することにより、第1の支持体17との間が開く構成となっている。
【0025】
繰出しローラユニット3は、第2の支持体18の退避位置Qで、本体部14から対向離間する帯状のフィルムFの幅方向の他方側(手前側)を走行する移送ロボット6が、駆動ローラ15と従動ローラ16の間にハンド部7で支持しているフィルムFを通し得るように、第1の支持体17の手前側と第2の支持体18の手前側の間が空くと共に駆動ローラ15の手前側と従動ローラ16の手前側が空くように構成されている(図2,4参照)。これにより、フィルムFを通す際には常に長手方向が搬送方向に直交する奥行方向に向くハンド部7が、駆動ローラ15と従動ローラ16の間に空いた隙間を通過し、帯状のフィルムFを通すことができる。フィルム通しの完了後は、第2の支持体18が挟持位置Pに移動することにより、繰出しローラユニット3が閉じられ、駆動ローラ15と従動ローラ16が帯状のフィルムFを挟持できる。
【0026】
従動ローラ16は、第2の支持体18が挟持位置Pに位置する際に、エアシリンダ28が作動することによって駆動ローラ15から水平方向に離間得るように、すなわち駆動ローラ15に対して水平方向に進退移動可能なように、第2の支持体18によって挟持位置Pに支持されている。具体的には、従動ローラ16の両端部がそれぞればね27と接続されており、駆動ローラ15に対してばね27の付勢力が働くことで、従動ローラ16が駆動ローラ15を押圧して、従動ローラ16と駆動ローラ15との間で帯状のフィルムFを挟持する。ばね27の付勢力に抗する力を、包装制御部に駆動制御されるエアシリンダ28によって発生させると、従動ローラ16は水平移動して駆動ローラ15から離間する構成となっている。これにより、第2の支持体18が挟持位置Pに位置したまま、駆動ローラ15と従動ローラ16がフィルムFを挟持できるように接した状態を解除できる。なお、以降の説明の便宜を図るために、挟持位置Pにおいて従動ローラ16と駆動ローラ15がフィルムFを挟む際の従動ローラ16の位置を第1位置とし、駆動ローラ15から水平方向に離間した位置を第2位置と定義して説明することとする。
【0027】
図1に示すように、進入角度調整部4は、繰出しローラユニット3の下流側に配設されており、ガイドローラ30とスカラロボット9を備えている。スカラロボット9は、搬送方向に沿って延在すると共に回動する第1の回動アーム31と第2の回動アーム32を備えている。第1の回動アーム31は、スカラロボット制御部から駆動制御されるサーボモータ(不図示)から駆動力を受けて回動する。第2の回動アーム32は、第1の回動アーム31に回動可能に支持されており、スカラロボット制御部から駆動制御される別のサーボモータ(不図示)から駆動力を受けて回動する。第2の回動アーム32には、搬送方向に直交する奥行方向に延在するように2つのガイドローラ33,34が片持ち支持されている。この2つのガイドローラのうち一方は、進入角調整用ローラ34として機能し、製袋器5に向けて帯状のフィルムFが進入する角度を調整し得る。なお、本実施形態においては、スカラロボット9のサーボモータ(不図示)をスカラロボット制御部(不図示)が駆動指令を行い回動させるように構成したが、包装制御部(不図示)が直接、駆動指令を行うようにしてもよい。
【0028】
製袋器5は、進入角度調整部4の下流側に配設されており、送られてくる帯状のフィルムFの両側縁を重ね合わせて筒状フィルムを成形する。製袋器5は、不図示の駆動手段で製袋器5本体の上部を移動して製袋器5本体を上下に分割した状態で、その間を移送ロボット6によってフィルムFを通過させた後、製袋器5本体の上部を復帰させることで、フィルムFを製袋器5に自動でセットする構造となっているが、本願においてはその説明詳細については省略することとする。
【0029】
移送ロボット6は、図1に示すようにフレームFLの一部として、左右方向に沿って延在する上下一対の案内レール38によって左右方向に走行可能に支持されており、移送ロボット制御部からの駆動指令を受けて帯状のフィルムFの始端部Fsを支持しているハンド部7の高さや向きを変更しながら、左右方向(搬送方向)に走行できる構成となっている。移送ロボット6は、多関節ロボットであって、アーム部36とアーム部36の先端部に装着されたハンド部7を備えている。図4を参照として、アーム部36は、フィルムFを各ローラに巻き掛けるときに、直列上に接続された複数のアームがそれぞれ搬送方向に沿って回動する。
【0030】
ハンド部7は、フィルムロールRの始端部Fsを吸引保持するための吸引部8を有しており、ハンド部7の長手方向が搬送方向と直交する奥行方向に常に向くように、アーム部36によって軸支されている。このことで、ハンド部7は、搬送方向と上下方向からなる平面に沿って吸引部8の向きを変更し得る。
【0031】
ハンド部7が各ローラを通過するときにおけるアーム部36の角度や動く速度などは、予め包装制御部に記憶されており、移送ロボット制御部にフィルムFを通す一連の動作情報が送られる。これにより、ハンド部7の吸引部8に支持されたフィルムFの始端部Fsが、フィルムロールRからガイドローラ2の位置を通過し、さらに繰出しローラユニット3、進入角度調整部4に配設された複数のローラを通過して、製袋器5に届くように移送される。移送ロボット6のハンド部7は、図1に二点鎖線で示す移動経路上を移動する。ハンド部7は、移動経路上を移動する際に、フィルムFとの接触面積が増えるように、吸引部8が移動方向前方に向くようにハンド部7自体を略90度回転させながら移動する。このようにフィルムFとの接触面積(摩擦抵抗)が増えるようにハンド部7の向きを変更することで、フィルムFが吸引部8から外れ難くなっている。
【0032】
なお、移送ロボット6は、フィルムロールRから引き出したフィルムFをガイドローラなどに巻き掛ける際に、アーム部36にハンド部7を装填するが、フィルムFの巻き掛けが終了した後には、別のハンドに交換して別の作業を行い得るようになっている。
【0033】
フィルム供給経路20においては、各ローラ、製袋器5等において、帯状のフィルムFを吸引保持したハンド部7が通過できるように隙間が確保されている。移送ロボット6は、自走しながら、決められたローラに帯状のフィルムFを巻き掛けていくことができる。フィルムFの始端部Fsを吸引するハンド部7を備えた移送ロボット6を、フィルムFを通す移動経路に沿って動作することで、フィルムFが弛んだ状態で、ガイドローラ2、24、駆動ローラ15、ガイドローラ30、33、34に接触することになり、ハンド部7の吸引力を過度に大きくすることなく、フィルムFの始端部Fsを支持することができると共に、フィルムFのセットにおいて作業者と同じ動作をすることができる。移送ロボット6は、フィルムFの巻き掛けが完了した後、所定の決められた位置に移動し、包装が行われている間は包装の邪魔にならない任意の場所で待機するように設定されている。
【0034】
包装制御部は、上述した駆動モータ、エアシリンダ等の駆動部を駆動制御する。また包装制御部は、これらの駆動部に付設されたエンコーダ等からの作動信号(パルス等)により、駆動指令を行う。包装制御部には、操作パネルを介して、ロボットの動作パターン、例えばハンド部7に備えられた吸引部8の移動軌跡、位置、移動速度などが運転前にあらかじめ設定されている。移送ロボット制御部とスカラロボット制御部は、包装制御部から予め設定された動作パターンの情報を受け取り、それぞれのロボットに対し駆動指令を行う。ハンド部7の吸引部8は、運転前に予め設定・記憶されたフィルム通しの一連の動きに基づいてその移動経路を移動する。また包装制御部は、移送ロボット制御部及びスカラロボット制御部との相互通信によってロボットのアームの角度や位置、ハンド部7の位置等の情報を受け取り、各ローラを駆動する駆動部を駆動制御する。
【0035】
保持軸12は、フィルムFの引出し量に合わせて回転し、帯状のフィルムFを送り出すように設定されている。具体的には、ハンド部7の吸引部8の移動経路・速度の関係を踏まえて、単位時間当たりの駆動モータの回転速度・回転量がプログラミングされている。これにより、フィルムFが常に弛んだ状態になるように、保持軸12が回転制御されてフィルムFが引き出される。このようにフィルムFに弛みが生じるようにフィルムロールRを回転させることで、引き出されたフィルムFの抵抗が増して、吸引によるフィルムFの始端部Fsの支持が解除されることを抑制できる。
【0036】
スカラロボット9は、包装する品種の切替えに応じて、予め記憶された作動情報に基づき、回動アーム31,32が進入角調整用ローラ34の位置を変更し得るように設定されている。また、清掃作業を行う際には、オペレータがタッチパネルなどを操作して、回動アーム31,32を邪魔にならない上方位置に退避させることができる。
【0037】
移送ロボット6によってフィルムロールRから引き出したフィルムFをガイドローラなどに自動でセットする自動モードの設定切替えは、例えば操作パネルで行われる。オペレータが操作パネルを介して自動モードを設定すると、自動セット許可の条件が成立した際に、フィルムFの自動セットが開始される。ここで、自動セット許可の条件は、自動モード設定後、フィルムロールRが巻紙セット部1の保持軸12に全くセットされていない状態で、フィルムロールRがセットされたときに成立する。フィルムロールRが保持軸12にセットされると、その状態が検知され、自動運転が開始される。なお、自動セットの開始は、保持軸12にセットされた状態をオペレータが確認し、スタートを押すことにより開始される設定とするなど、様々な対応を採用し得る。
【0038】
自動運転によるフィルム通しの流れについて説明する。自動モードに設定後、台車により運ばれてきたフィルムロールRが、ロボットによって巻紙セット部1の保持軸12にセットされる。フィルムロールRが保持軸12にセットされると、その状態が検知され、包装制御部に信号が送られる。保持軸12は、包装制御部から駆動指令を受けて、フィルムロールRのフィルムFに付されたマークが予め決められた位置に来るように、回転し停止する。また、移送ロボット6、スカラロボット9がそれぞれの制御部から指令を受けて作動する。また、繰出しローラユニット3は、包装制御部から駆動指令を受けて、第2の支持体18と従動ローラ16が退避位置Qに移動する。
【0039】
移送ロボット6のハンド部7は、予め設定・記憶された一連のフィルム通しの情報に基づいて作動する。ハンド部7は、保持軸12にセットされたフィルムロールRの回転が停止している状態で、ハンド部7の吸引部8でフィルムFの始端部Fsを吸引し保持した後、フィルムロールRに巻かれたフィルムFが弛むように、フィルムロールRを回転させながら、移送ロボット6及びハンド部7を移動させて、フィルムFをフィルムロールRから引き出す。
【0040】
移送ロボット6が水平方向に走行すると共に、回動アーム31、32が回動する。さらに移送ロボット6は、ハンド部7の向きを変え、ガイドローラ2、開いた状態の繰出しローラユニット3、進入角度調整部4のガイドローラ30、スカラロボット9のガイドローラ33、進入角調整用ローラ34の順に移動して通過させる。これによりハンド部7の吸引部8が設定された移動経路に沿って移動する。なお、このハンド部7の移動経路・速度に合わせてフィルム供給経路20におけるフィルムFに弛みが常に生じるように保持軸12を回転させて、フィルムFを送り出すように、包装制御部が駆動指令するように予め制御プログラミングされている。
【0041】
フィルム供給経路20におけるガイドローラ33や進入角調整用ローラ34など、フィルムFを自動装填した後に(巻き掛けた後に)、包装制御部からの駆動指令によって、フィルムロールRの回転が停止すると共に、繰出しローラユニット3の第2の支持体18が挟持位置Pに移動する。なお、本実施形態においては、移送ロボット6のハンド部7は、フィルムFを製袋器5及びセンタシーラ(不図示)に運んだ後、第2の支持体18を挟持位置Pに移動させる駆動指令がなされるようになっている。
【0042】
第2の支持体18が挟持位置Pに移動する際に、従動ローラ16は、エアシリンダ28の作動によって、駆動ローラ15から水平方向に離間する第2位置に向けて移動する。そのため第2の支持体18が挟持位置Pに到来した際に、従動ローラ16が駆動ローラ15から離間しているため、両ローラ15,16によってフィルムFが引っ張られることはない。そして、第2の支持体18が挟持位置Pに到来すると、エアシリンダ28が作動停止して、ばね27の付勢力で従動ローラ16が第1位置に移動して駆動ローラ15を押圧すると共に、フィルムFを挟持する。その後、保持軸12及びフィルムロールRを逆回転させて図1の実線で示すフィルムFの如く、フィルムFの弛みが無くなるようにフィルムFを巻き戻す。このとき、フィルムFを下流側に送るように駆動ローラ15を回転駆動して移動経路におけるフィルムFの弛みを無くす態様を採用することもあり得る。
【0043】
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。本実施形態に係る製袋充填装置は、第1実施形態と同様にフィルムロールRから引き出された帯状のフィルムFを製袋器(フィルム成形手段)で筒状に成形し、製袋器によって両側縁が重ね合わされて筒状に成形されたフィルムの重合箇所に、筒状フィルムの送り方向に沿って縦シールを施すと共に、筒状フィルムに対して、筒状フィルムの送り方向と交差する方向に横シールを施して、筒状フィルムに物品を内包する製袋充填機であって、供給コンベヤ(不図示)によって、製袋器に向けて筒状フィルム内に物品が供給される横形製袋充填機である。なお、第2実施形態については、第1実施形態と共通の構造については、詳細説明を省略し、第1実施形態と相違する点についてのみ、以下に詳細に説明することとする。
【0044】
本実施形態に係る製袋充填装置は、図5図6に示すように、フィルムロールRから一対の繰出しローラ53(フィルム繰出手段)までのフィルム供給経路50には、複数のガイドローラ52が配設されている。ガイドローラ52は、それぞれ回転可能に支持された可動ローラ52aと固定ローラ52bを備えている。本実施形態では3本の可動ローラ52aと4本の固定ローラ52bがそれぞれ配置されている。可動ローラ52aは、上下方向に移動し得るように、包装制御部に駆動制御されるサーボモータ(不図示)に駆動連結されており、後述する支持体56(フィルム支持手段)が可動ローラ52aと固定ローラ52bの間を通った後に、図6に示すように降下するように駆動制御される。
【0045】
フィルムFを吸引保持する支持体56は、移送手段によって、即ち、包装制御部の駆動指令によって不図示のサーボモータを駆動制御することによって、不図示の案内レールを水平方向のみに走行し得る。具体的には、支持体56がフィルムロールRのフィルムFの始端部Fsを吸引保持して、その吸引・保持した高さ位置を一定に保つようにして、可動ローラ52aと固定ローラ52bの間を通って、一対の繰出しローラ53に向けて水平方向に移動し得る。なお、繰出しローラ53(フィルム繰出手段)を構成する駆動ローラ53a(駆動側回転手段)と従動ローラ53b(従動側回転手段)の各々は、配設位置が変わることなく支持されており、支持体56は、駆動ローラ53aと従動ローラ53bとの間に、フィルムFの始端部Fsの最先端箇所を差し込むように移動する。
【0046】
フィルムFの始端部Fsの最先端が繰出しローラ53に到来すると、駆動ローラ53aが回転して、繰出しローラ53がフィルムFを下流側に引き込むように駆動制御される。なお、フィルムロールRは、支持体56がフィルムロールRから繰出しローラ53に移動する間、フィルムFが弛む方向に保持軸51が駆動回転される。その後も、フィルムFが弛む方向に保持軸51が駆動回転させながら、図6に示すように可動ローラ52aを降下させて、ガイドローラ52にフィルムFを巻き掛けた後、フィルムFの弛みを無くすように保持軸51を回転駆動制御してから停止させることによって、フィルム供給経路50におけるフィルムFの自動セットが終了する。なお、従動ローラ53bと駆動ローラ53aの間に空いた隙間を支持体56が通過できるように、従動ローラ53bを、駆動ローラ53aに対して上下方向に進退移動できるように構成しても良い。
【0047】
上記実施形態に係る装置は、次のような効果がある。
(1)第1実施形態に係る製袋充填装置は、フィルムロールRから引き出されたフィルムFの始端部Fsを支持したハンド部7(フィルム支持手段)が、移送ロボット6(移送手段)によってフィルムロールRから繰出しローラユニット3(フィルム繰出手段)まで移送される。この間にハンド部7は、フィルムFの始端部Fsを支持しながらガイドローラ2、繰出しローラユニット3(フィルム繰出手段)の位置に合わせて高さや向きを変えて移動する。これにより、フィルムFの始端部Fsがガイドローラ2を介して、繰出しローラユニット3まで送られる。すなわち、ハンド部7により、設定された量のフィルムFを効率的にフィルムロールRから引き出すとともに、引き出されたフィルムFをスムーズに(効率的に)ガイドローラ2を介して繰出しローラユニット3に送り、更に製袋器5まで送ることができる。よって、製袋充填装置におけるフィルムFのセット作業を効率的に行うことができる。
(2)巻紙セット部1は、フィルムFの始端部Fsを支持したハンド部7を移送ロボット6が移送する際に、保持軸12が駆動回転してフィルムFの始端部Fsまでの帯状のフィルムFに弛みを持たせ続ける構成となっている。すなわちフィルムロールRは、保持軸12(駆動手段)が回転駆動することによってフィルムFが弛む方向に回転できる。これにより、ハンド部7がフィルムFの始端部Fsを支持しながら下流方向へ移送されるときに、重量のあるフィルムロールRにフィルムFが引っ張られ、ハンド部7から離れてしまうのを抑制できる。すなわち、フィルムロールRを回転させることにより、スムーズなフィルムFの引き出しを補助できる。
(3)繰出しローラユニット3は、駆動ローラ15(駆動側回転手段)と従動ローラ16(従動側回転手段)を備えており、これらのローラでフィルムFを挟持することができる。従動ローラ16は、フィルムFを挟持する挟持位置Pと挟持位置Pから離間した退避位置Qとの間を移動可能な構成とされる。この構成により、ハンド部7によって支持されたフィルムFを通過させるときは、従動ローラ16を退避位置Qに移動させて、駆動ローラ15と従動ローラ16との間を空けることができる。この間をハンド部7が通過することにより、フィルムFを繰出しローラユニット3に通すことができる。
(4)従動ローラ16は、第2の支持体18(第2の支持手段)が挟持位置Pに位置した状態で、駆動ローラ15から離間し得るように、第2の支持体18に支持されている。すなわち、従動ローラ16は、挟持位置Pにおいて駆動ローラ15に対し進退移動し得る。これにより、第2の支持体18と従動ローラ16が挟持位置Pに位置したまま、駆動ローラ15と従動ローラ16がフィルムFを挟持可能に接した状態を解除できる。また、第2の支持体18が上下方向に移動して繰出しローラユニット3が開閉するときに、駆動ローラ15と従動ローラ16が互いにぶつかるのを防止し得る。
(5)フィルム供給経路20に沿って設けられた、ガイドローラ2、繰出しローラユニット3、進入角度調整部4、製袋器5において、帯状のフィルムFを吸引保持したハンド部7が通過できるように隙間が確保されている。これにより、移送ロボット6が自走しながら、決められた移動経路に沿ってハンド部7が移動し、各ローラに帯状のフィルムFを巻き掛けていくことができる。そして、フィルムFの始端部Fsを吸引するハンド部7を備えた移送ロボット6を、予め設定・記憶された動作情報に基づいて駆動制御することで、フィルムFのセットにおいて作業者と同じ動作をすることができる。
(6)移送ロボット6が、フィルムFを各ローラに巻き掛けるときに、複数のアームが搬送方向に沿って回動すると共に、アーム部36に装着されたハンド部7の長手方向が、常にフィルム方向(奥行方向)に向くことから、フィルムFの蛇行発生を抑制し得る。
(7)フィルムFのセットにおいては、ハンド部7の移動経路・速度に合わせて保持軸12が回転し、フィルムFに弛みが生じるようにフィルムFを送り出す動作が行われる。これにより、フィルム等の包装資材を引っ張る際の抵抗を減らすことができる。
(8)繰出しローラユニット3は、ハンド部7が移動してフィルムFを駆動ローラ15に巻き掛ける際に、第2の支持体18が退避位置Qに移動して、駆動ローラ15と従動ローラ16が大きく離間する。このため、移送ロボット6のハンド部7は繰出しローラユニット3に干渉することなく、駆動ローラ15にフィルムFを巻き掛けることができる。そして、フィルムFのセット完了後は第2の支持体18が挟持位置Pに移動し、フィルムFが駆動ローラ15と従動ローラ16に挟まれる。よって、作業者の手によらず、繰出しローラユニット3にフィルムFを通すことができる。
(9)第2実施形態に係る保持軸51は、フィルムロールRからフィルムFが引き出されているときに、駆動回転してフィルムFの始端部Fsまでの帯状のフィルムFに弛みを持たせ続ける構成となっている。すなわちフィルムロールRは、保持軸51が回転駆動することによってフィルムFが弛む方向に回転できる。これにより、支持体56がフィルムFの始端部Fsを支持しながら走行するときに、重量のあるフィルムロールRにフィルムFが引っ張られ、支持体56から離れてしまうのを抑制できる。すなわち、フィルムロールRを回転させることにより、スムーズなフィルムFの引き出しを補助できる。
【0048】
<変更例>
本発明は、上述した実施形態で説明した構成に限定されず、要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
(1)上記実施形態では、製袋充填装置として横形製袋充填機の例を示したが、横形製袋充填機であれば、正ピロー包装機に限られず、逆ピロー包装機であっても良い。また、横三方シール包装機、四方シール包装機、シュリンク包装機であっても良い。また、縦形製袋充填機も適用できる。
(2)フィルムロールRにおけるフィルムFの始端部Fsの位置の検出は、巻紙セット部の保持軸にセットした時点で検出される設定としても良い。
(3)フィルム支持手段としては、フィルムロールRから吸引保持したフィルムFの始端部Fsをチャッキング部材で把持する構成としても良く、この場合はチャッキング部材がフィルム繰出手段に向けて移動する。
(4)本発明に係る「フィルム」には、樹脂、紙、アルミ蒸着などで構成された包材が含まれる。
(5)上記第1実施形態では、第1に支持体17に対し第2の支持体18を昇降移動させてフィルムFを巻き掛ける例を示したが、第1の支持体17に対し第2の支持体18を水平方向に移動させるなどしてフィルムFを巻き掛けるようにしても良い。
(6)上記第1実施形態では、駆動ローラ15と従動ローラ16がフィルムFを挟持した後に吸引部8がフィルムFの吸引を解除する例を示したが、フィルムFを通した後であれば、様々なタイミングで吸引を解除するようにしても良い。
【符号の説明】
【0049】
F:フィルム Fs:始端部 P:挟持位置 Q:退避位置 R:フィルムロール
1:巻紙セット部 2:ガイドローラ 3:繰出しローラユニット(フィルム繰出手段)
4:進入角度調整部 5:製袋器(フィルム成形手段) 6:移送ロボット(移送手段)
7:ハンド部(フィルム支持手段) 8:吸引部(フィルム支持手段)
9:スカラロボット 12:保持軸(駆動手段) 14:本体部
15:駆動ローラ(駆動側回転手段) 16:従動ローラ(従動側回転手段)
17:第1の支持体(第1の支持手段) 18:第2の支持体(第2の支持手段)
20:フィルム供給経路 50:フィルム供給経路 51:保持軸
52:ガイドローラ 53:繰出しローラ(フィルム繰出手段)
53a:駆動ローラ(駆動側回転手段) 53b:従動ローラ(従動側回転手段)
56:支持体(フィルム支持手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6