(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169672
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】信号機制御システム及び信号機制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/07 20060101AFI20231122BHJP
E01F 9/00 20160101ALI20231122BHJP
【FI】
G08G1/07 P
E01F9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080928
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 沢樹
【テーマコード(参考)】
2D064
5H181
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA21
2D064BA03
5H181AA01
5H181BB15
5H181CC01
5H181CC04
5H181CC12
5H181DD02
5H181DD03
5H181FF33
5H181GG03
5H181GG09
5H181HH14
5H181HH15
5H181HH24
5H181JJ06
5H181JJ08
5H181JJ13
5H181JJ17
5H181JJ19
5H181JJ23
(57)【要約】
【課題】交互通行区間への接近車両を円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させることを課題とする。
【解決手段】信号機25Aが進入許可状態である青信号の場合に、車両C1が交互通行区間に接近してきたならば、接近車両検知センサ29Aは、この車両C1を検知して車両C1の速度v及び距離xを計測する。計測したv及びxを用いて、車両C1が交互通行区間に進入するまでの時間tを算出し、この時間tが経過するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持する。また、交互通行区間に接近する車両C1が、接近車両検知センサ29Aの検知範囲からはみ出し、接近車両検知センサ29Aによる車両C1の検知が不可能となった場合には、通過車両検知センサ22Aが車両C1の通過を検知するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互通行区間の両端部にそれぞれ配設された複数の信号機と、各信号機を制御する制御装置とを有する信号機制御システムであって、
前記制御装置は、
前記交互通行区間の第1の端部に接近する車両の速度を算定する速度算定手段と、
前記車両の速度に基づいて、前記車両が前記第1の端部に到達するまでの時間を算定する時間算定手段と、
少なくとも前記時間算定手段により算定された時間に基づいて、前記第1の端部に配設された第1の信号機の切替タイミングを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする信号機制御システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記両端部に配設された複数の信号機が赤信号に制御されている場合には、前記時間算定手段により算定された時間に基づいて、前記第1の信号機の赤信号を青信号に切り替える切替タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の信号機制御システム。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記車両が前記第1の端部から所定の距離となったときに、前記第1の信号機の赤信号を青信号に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の信号機制御システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記第1の信号機が青信号に制御され、前記交互通行区間の第2の端部に配設された第2の信号機が赤信号に制御されている場合には、前記時間算定手段により算定された時間に基づいて、前記第1の信号機の青信号を赤信号に切り替える切替タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の信号機制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記第1の端部に接近する車両の移動方向を算定する移動方向算定手段をさらに備え、
前記制御手段は、
少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記移動方向算定手段により算定された移動方向に基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の信号機制御システム。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記移動方向算定手段により算定された移動方向により前記車両の対向車線へのはみ出しが生ずると判定された場合には、該車両が前記第1の端部を通過するまで前記第1の信号機の青信号の時間を延長することを特徴とする請求項5に記載の信号機制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記第1の端部に接近する車両の加減速を検知する加減速検知手段をさらに備え、
前記制御手段は、
少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記加減速検知手段により検知された加減速に基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の信号機制御システム。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記加減速検知手段により前記車両の加速が検知され、かつ、前記車両の速度が所定値以上である場合には、該車両が前記第1の端部を通過するまで前記第1の信号機の青信号の時間を延長することを特徴とする請求項7に記載の信号機制御システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記第1の端部に接近する車両が安全な制動によって停止するまでの最短の制動距離を算定する制動距離算定手段をさらに備え、
前記制御手段は、
少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記制動距離算定手段により算定された制動距離に基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の信号機制御システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
前記制動距離算定手段により算定された制動距離に基づいて、所定値以上の急減速を要するか否かを判定する急減速判定手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記急減速判定手段により所定値以上の急減速を要すると判定された場合には、前記車両が前記第1の端部を通過するまで前記第1の信号機の青信号の時間を延長することを特徴とする請求項9に記載の信号機制御システム。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記第1の端部に接近する車両のサイズを算定するサイズ算定手段をさらに備え、
前記制御手段は、
少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記サイズ算定手段により算定された前記車両のサイズに基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の信号機制御システム。
【請求項12】
交互通行区間の両端部にそれぞれ配設された複数の信号機と、各信号機を制御する制御装置とを有する信号機制御システムにおける信号機制御方法であって、
前記制御装置が、前記交互通行区間の第1の端部に接近する車両の速度を算定する速度算定工程と、
前記制御装置が、前記車両の速度に基づいて、前記車両が前記第1の端部に到達するまでの時間を算定する時間算定工程と、
前記制御装置が、少なくとも前記時間算定工程により算定された時間に基づいて、前記第1の端部に配設された第1の信号機の切替タイミングを制御する制御工程と
を含むことを特徴とする信号機制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交互通行区間への接近車両を円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させることができる信号機制御システム及び信号機制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2車線以上の道路において道路工事等が行われる場合には、双方向に向かう車両を1つの車線で片側交互通行させる交通誘導が行われる。この際、交互通行区間の両端部に誘導員を配置して車両の通行を制御することとすると、必要な人員の数が多くなる。
【0003】
このため、交互通行区間の両端部に信号機を設置する従来技術が知られている。例えば、特許文献1には、車両検出装置を交互通行区間の路肩に設置し、この車両検出装置により接近車両を検出し、一方の方向から交互通行区間に到達する車両の接近時間が遅く、他方向の車両が交互通行区間に早く接近する場合に、通過方向を変更するように信号機を制御して、渋滞が起きにくくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1を用いたとしても、交互通行区間の一方から車両が到来し、他方から対向車が到来しない場合には、該車両が意味なく信号機で待たされるのは望ましくない。他方から対向車が到来しない場合には、該車両を停止させることなく円滑に交互通行区間を通過させるべきだからである。このため、交互通行区間への接近車両をいかに円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させるかが重要な課題となっている。
【0006】
本発明は、上記の従来技術の課題を解消するためになされたものであって、交互通行区間への接近車両を円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させることができる信号機制御システム及び信号機制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、交互通行区間の両端部にそれぞれ配設された複数の信号機と、各信号機を制御する制御装置とを有する信号機制御システムであって、前記制御装置は、前記交互通行区間の第1の端部に接近する車両の速度を算定する速度算定手段と、前記車両の速度に基づいて、前記車両が前記第1の端部に到達するまでの時間を算定する時間算定手段と、少なくとも前記時間算定手段により算定された時間に基づいて、前記第1の端部に配設された第1の信号機の切替タイミングを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記両端部に配設された複数の信号機が赤信号に制御されている場合には、前記時間算定手段により算定された時間に基づいて、前記第1の信号機の赤信号を青信号に切り替える切替タイミングを制御することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記車両が前記第1の端部から所定の距離となったときに、前記第1の信号機の赤信号を青信号に切り替えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記第1の信号機が青信号に制御され、前記交互通行区間の第2の端部に配設された第2の信号機が赤信号に制御されている場合には、前記時間算定手段により算定された時間に基づいて、前記第1の信号機の青信号を赤信号に切り替える切替タイミングを制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御装置は、前記第1の端部に接近する車両の移動方向を算定する移動方向算定手段をさらに備え、前記制御手段は、少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記移動方向算定手段により算定された移動方向に基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記移動方向算定手段により算定された移動方向により前記車両の対向車線へのはみ出しが生ずると判定された場合には、該車両が前記第1の端部を通過するまで前記第1の信号機の青信号の時間を延長することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御装置は、前記第1の端部に接近する車両の加減速を検知する加減速検知手段をさらに備え、前記制御手段は、少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記加減速検知手段により検知された加減速に基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御手段は、前記加減速検知手段により前記車両の加速が検知され、かつ、前記車両の速度が所定値以上である場合には、該車両が前記第1の端部を通過するまで前記第1の信号機の青信号の時間を延長することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御装置は、前記第1の端部に接近する車両が安全な制動によって停止するまでの最短の制動距離を算定する制動距離算定手段をさらに備え、前記制御手段は、少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記制動距離算定手段により算定された制動距離に基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御装置は、前記制動距離算定手段により算定された制動距離に基づいて、所定値以上の急減速を要するか否かを判定する急減速判定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記急減速判定手段により所定値以上の急減速を要すると判定された場合には、前記車両が前記第1の端部を通過するまで前記第1の信号機の青信号の時間を延長することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御装置は、前記第1の端部に接近する車両のサイズを算定するサイズ算定手段をさらに備え、前記制御手段は、少なくとも前記時間算定手段により算定された時間及び前記サイズ算定手段により算定された前記車両のサイズに基づいて、前記第1の信号機の切替タイミングを制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、交互通行区間の両端部にそれぞれ配設された複数の信号機と、各信号機を制御する制御装置とを有する信号機制御システムにおける信号機制御方法であって、前記制御装置が、前記交互通行区間の第1の端部に接近する車両の速度を算定する速度算定工程と、前記制御装置が、前記車両の速度に基づいて、前記車両が前記第1の端部に到達するまでの時間を算定する時間算定工程と、前記制御装置が、少なくとも前記時間算定工程により算定された時間に基づいて、前記第1の端部に配設された第1の信号機の切替タイミングを制御する制御工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、交互通行区間への接近車両を円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施形態に係る信号機制御システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、交互通行区間の端部に設置する装置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、信号機制御システムのシステム構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した通過管理装置の外観構成を示す図である。
【
図5】
図5は、
図3に示した通過管理装置の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、
図3に示した誘導員端末装置の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7に示した設定データ及び制動距離データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、接近する車両に関するはみ出し判定の要領を示す図である。
【
図10】
図10は、進入許可状態の維持に関する制御要領を示す図である。
【
図11】
図11は、進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する制御要領を示す図(その1)である。
【
図12】
図12は、進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する制御要領を示す図(その2)である。
【
図13】
図13は、制御モードの切替に関する制御要領を示す図である。
【
図14】
図14は、管理装置における進入許可状態の維持に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、管理装置における進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、管理装置における制御モードの切替に関する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本実施形態に係る信号機制御システム及び信号機制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
[実施形態]
<信号機制御システムの概要>
まず、本実施形態に係る信号機制御システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る信号機制御システムの概要を説明するための説明図である。
図1では、片側1車線の2車線道からなる道路の図示した工事作業エリアで道路工事を行っており、この道路工事によって1車線の一部区間が使用不能となっている。そこで、残りの1車線を用いて交互通行区間を設けている。なお、2車線道のそれぞれの車線を車線A及び車線Bと呼ぶこととする。
【0023】
交互通行区間における車両の通行を制御するため、交互通行区間の一方の端部(第1の端部)には信号機25A、通過車両検知センサ22A及び接近車両検知センサ29Aを設置し、他方の端部(第2の端部)には信号機25B、通過車両検知センサ22B及び接近車両検知センサ29Bを設置している。
【0024】
この
図1に示した信号機制御システムでは、交互通行区間に接近する車両を検知して、この車両が安全に交互通行区間を通過できるようにするための信号機の切替制御を行う。
【0025】
図1(a)に示すように、信号機25Aが進入許可状態である青信号の場合に、車両C1が交互通行区間に接近してきたならば、接近車両検知センサ29Aは、この車両C1を検知して車両C1が走行する速度v及び接近車両検知センサ29Aからの距離xを計測する。
【0026】
信号機制御システムは、計測したv及びxを用いて、車両C1が交互通行区間に進入するまでの時間tを算出し、この時間tが経過するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持する。また、通過車両検知センサ22Aが車両C1の通過を検知するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持するようにしてもよい。
【0027】
また、
図1(b)に示すように、交互通行区間に接近する車両C1が、接近車両検知センサ29Aの検知範囲からはみ出し、接近車両検知センサ29Aによる車両C1の検知が不可能となった場合には、信号機制御システムは、通過車両検知センサ22Aが車両C1の通過を検知するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持する。
【0028】
このように、本実施形態に係る信号機制御システムは、交互通行区間に接近する車両を検知して、この車両の状況に応じて信号機の切替制御を行うよう構成したので、交互通行区間への接近車両を円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させることができる。
【0029】
<信号機制御システムの構成>
次に、本実施形態に係る信号機制御システムにおいて、交互通行区間の端部に設置する装置について説明する。
図2は、交互通行区間の端部に設置する装置の一例を示す図である。
図2に示すように、車両C2の荷台に通過管理装置20Aを搭載し、車両C2を交互通行区間の端部に駐車することで、通過管理装置20Aの設置を行っている。この通過管理装置20Aは、
図1に示した通過車両検知センサ22A、信号機25A及び接近車両検知センサ29Aを含む装置である。また、通過管理装置20Aの手前には停止線を設け、停止線で停止した車両を接近車両検知センサ29Aにより検知する。さらに、ロードコーンを適宜配置することで車両が走行すべき経路を規定してもよい。
【0030】
なお、交互通行区間の他方の端部についても同様に、通過車両検知センサ22B、信号機25B及び接近車両検知センサ29Bを含む通過管理装置20Bを設置する。なお、通過管理装置20Aなどは、必ずしも車両に搭載した状態で使用する必要は無く、道路事情によっては車両から降ろして設置してもよい。
【0031】
次に、本実施形態に係る信号機制御システムのシステム構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る信号機制御システムのシステム構成を示す図である。
図3に示すように、通過管理装置20A、通過管理装置20B及び誘導員端末装置30は、管理装置40と通信可能に接続される。管理装置40と他の装置との通信には無線通信を用い、管理装置40は他の装置と無線通信が可能な範囲内であれば任意の位置に設置することができる。
【0032】
<通過管理装置20の構成>
次に、
図3に示した通過管理装置20A及び通過管理装置20Bについて説明する。通過管理装置20A及び通過管理装置20Bは、同一の構成を有するので、通過管理装置20として説明を行う。
【0033】
図4は、
図3に示した通過管理装置20の外観構成を示す図である。
図4に示すように、通過管理装置20は、通過車両検知センサ22、表示部23、スピーカ24及び接近車両検知センサ29を有する本体部と、本体部に接続された信号機25と、本体部を支持する脚部を有し、脚部にはキャスター28とバッテリ27を設けている。
【0034】
通過車両検知センサ22は、交互通行区間に出入りする車両の通過の検知を行うデバイスである。通過車両検知センサ22は、光や電波を発射し、その反射波を受信することで交互通行区間に出入りする車両を検知する。
【0035】
表示部23は、LEDパネルなどの表示デバイスである。スピーカ24は、必要に応じて警告音やメッセージ音声を出力する音声出力デバイスである。表示部23及びスピーカ24は、例えば、停止線から少し離れて停止した車両に対する「少し前に進んで停止線でお待ち下さい」などのメッセージの報知などに用いられる。
【0036】
信号機25は、進入禁止状態において点灯制御される赤色灯と、進入許可状態において点灯制御される青色灯とを有する。なお、赤色灯と青色灯は、必要に応じて点滅させることも可能である。
【0037】
接近車両検知センサ29は、交互通行区間に接近する車両又は交互通行区間に進入する前に停車した車両の検知を行うデバイスであり、交互通行区間に進入する走行車線が検知範囲となるように設置する。接近車両検知センサ29は、ミリ波などの電波を発射して、その反射波を受信することで交互通行区間に接近する車両の方向、距離及び速度を検知する。あるいは、ステレオカメラなどのカメラで撮像した画像をパターンマッチングなどの画像処理を行うことにより、接近する車両の位置を検知する。本実施形態では、ミリ波(主として30GHz~300GHz帯)を利用したセンサ(ミリ波センサ)により検知を行う場合について説明する。
【0038】
ミリ波センサは、走行する車両や人などの位置と速度を迅速に検知することができるセンサであり、直進性が強い、耐環境性に優れる(雨、霧、雪、汚れに強い)、アンテナの小型化が可能、情報伝送容量が大きいという性質を有する。このミリ波センサは、シンセサイザー等でミリ波の信号を生成し、送信アンテナからミリ波を送信し、車両で反射した反射波を受信アンテナで受信し、受信結果に基づいて車両との距離及び速度が検知される。ここでは、複数の送信アンテナからミリ波を送信し、複数の受信アンテナでそれぞれ複数の反射波を受信することとしている。方向と距離を平面座標上にプロットした場合には、電波を反射した車両の一部の位置に対応した分布形状の点群状のデータが得られる。
【0039】
バッテリ27は、通過管理装置20の電源として用いられる。キャスター28は、通過管理装置20を傾けた状態で接地して回転するよう設けられており、通過管理装置20の移動の補助に用いられる。
【0040】
図5は、
図3に示した通過管理装置20の構成を示す図である。
図5に示すように、通過管理装置20は、既に説明した通過車両検知センサ22、表示部23、スピーカ24、信号機25及び接近車両検知センサ29に加え、無線通信部21及び制御部26を有する。
【0041】
無線通信部21は、周知技術である特定小電力通信、無線LAN又はLTE(Long Term Evolution)通信等を用いて管理装置40との間で無線通信を行うための通信インタフェース部である。
【0042】
制御部26は、通過管理装置20の全体制御を行う制御部であり、接近検知部26a、通過検知部26b及び車両誘導部26cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、接近検知部26a、通過検知部26b及び車両誘導部26cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0043】
接近検知部26aは、交互通行区間に接近する車両の検知に関する処理を行う処理部である。接近検知部26aは、接近車両検知センサ29の出力を用いて、交互通行区間に接近する車両の方向、距離及び速度を検知し、検知結果を接近検知結果として管理装置40に送信する。なお、停止線で停止した車両は、速度0として送信される。
【0044】
通過検知部26bは、交互通行区間に出入りする車両の通過の検知に関する処理を行う処理部である。通過検知部26bは、通過車両検知センサ22の出力を用いて交互通行区間に出入りする車両の通過を検知し、検知結果を通過検知結果として管理装置40に送信する。
【0045】
車両誘導部26cは、信号機25の点灯制御を行う処理部である。車両誘導部26cは、信号機25の進入禁止状態と進入許可状態とを切り替えて点灯制御を行うことで、車両の通行を制御する。また、車両誘導部26cは、必要に応じて表示部23及びスピーカ24によるメッセージ出力を行うことで、停止位置の調整などの車両の誘導を行うことができる。
【0046】
<誘導員端末装置30の構成>
次に、
図3に示した誘導員端末装置30の構成について説明する。
図6は、
図3に示した誘導員端末装置30の構成を示す図である。
図6に示すように、誘導員端末装置30は、無線通信部31、表示部32、操作部33、スピーカ34及び制御部35を有する。
【0047】
無線通信部31は、周知技術である特定小電力通信、無線LAN又はLTE通信等を用いて管理装置40との間で無線通信を行うための通信インタフェース部である。表示部32は、液晶パネルなどの表示デバイスで構成され、誘導員に対する表示出力に用いられる。操作部33は、ボタン等の操作デバイスで構成され、誘導員からの操作の受付に用いられる。また、タッチパネルディスプレイなどを用い、表示部32と操作部33とを一体に構成してもよい。スピーカ34は、誘導員に対する音声出力に用いられる音声出力デバイスである。
【0048】
制御部35は、誘導員端末装置30の全体制御を行う制御部であり、信号報知部35a及びモード報知部35bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、信号報知部35a及びモード報知部35bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0049】
信号報知部35aは、管理装置40に接続された全ての通過管理装置20の信号機25の情報を誘導員に報知する処理を行う。信号報知部35aは、管理装置40から信号機25の情報を受信したならば、この情報を表示部32に表示する。なお、管理装置40から受信した情報の報知は、スピーカ34を用いて行うこともできる。
【0050】
モード報知部35bは、信号切替の制御モードを誘導員に報知する処理を行う。モード報知部35bは、管理装置40から信号切替の制御モードを受信したならば、この制御モードを表示部32に表示する。なお、管理装置40から受信した制御モードの報知は、スピーカ34を用いて行うこともできる。
【0051】
<管理装置40の構成>
次に、
図3に示した管理装置40の構成について説明する。
図7は、
図3に示した管理装置40の構成を示す図である。
図7に示すように、管理装置40は、無線通信部41、表示部42、操作部43、スピーカ44、記憶部45及び制御部46を有する。
【0052】
無線通信部41は、周知技術である特定小電力通信、無線LAN又はLTE通信等を用いて、通過管理装置20及び誘導員端末装置30との間で無線通信を行うための通信インタフェース部である。表示部42は、液晶パネルなどの表示デバイスで構成され、操作者に対する表示出力に用いられる。操作部43は、ボタン等の操作デバイスで構成され、操作者からの操作の受付けに用いられる。また、タッチパネルディスプレイなどを用い、表示部42と操作部43とを一体に構成してもよい。スピーカ44は、操作者に対する音声出力に用いられる音声出力デバイスである。
【0053】
記憶部45は、ハードディスク装置又は不揮発性メモリなどからなる記憶デバイスであり、設定データ45a、接近車両データ45b及び制動距離データ45cを記憶する。設定データ45aは、信号機25の制御を行うための各種設定の値を示すデータである。接近車両データ45bは、通過管理装置20から受信した接近検知結果に含まれる距離と方向を用いて、交互通行区間に接近する車両の外形の検知された部分の位置を平面座標上にプロットしたデータである。詳しくは後述する。制動距離データ45cは、ある速度で走行する車両が、安全に制動して停止するまでの最短の制動距離を示すデータである。
【0054】
制御部46は、管理装置40の全体制御を行う制御部であり、設定管理部46a、モード制御部46b、信号制御部46c、車両管理部46d及びはみ出し判定部46eを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、設定管理部46a、モード制御部46b、信号制御部46c、車両管理部46d及びはみ出し判定部46eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0055】
設定管理部46aは、設定データ45aを管理する処理部である。設定管理部46aは、操作部43から上限設定時間、進入許可状態設定時間、切替設定時間、設定距離及び設定速度を受け付けたならば、受け付けたデータを設定データ45aに記憶する。ここで、上限設定時間とは、信号機25を進入許可状態に切り替えてから進入禁止状態に切り替えるまでの最大の時間である。また、進入許可状態設定時間とは、一台の車両C1が交互通行区間に進入してから次に車両が進入するまでの時間を想定して、信号機25の進入許可状態を維持するための設定時間である。また、切替設定時間とは、信号機25Bが進入禁止状態であり、かつ信号機25Aを進入許可状態から進入禁止状態へ切り替えた時点から、信号機25Bを進入許可状態に切り替えるまでの設定時間である。また、設定距離とは、接近する車両C1に対し信号機25を進入禁止状態に切り替える条件としての制動距離の閾値である。また、設定速度とは、接近する車両C1を交互通行区間に安全に進入させるための走行速度の閾値である。
【0056】
モード制御部46bは、信号機25の制御モードの切替制御を行う処理部である。制御モードには、時間制御モード、検知制御モード及び手動制御モードがあり、モード制御部46bは、操作部43からモード切替操作の受け付け、又は、所定の条件に基づいて制御モードの切替を行う。
【0057】
時間制御モードは、所定の時間経過を条件に進入禁止状態と進入許可状態とを切り替える制御モードである。時間制御モードでは、交互通行区間に接近する車両が存在するか否か、又は、停止線近傍に停止する車両が存在するか否かに関わらず、信号機25の切替制御を行う。比較的交通量が多い場合には、特定の時点で車両が検知されなかったとしても進入許可状態が終了するまでには車両の進入が発生する可能性が高い。そのため、あらかじめ規定したタイミングで信号機25の状態を切り替えた方が全体としての待ち時間を減少させ、車両の通行を効率化することができる。
【0058】
検知制御モードは、信号機25を進入禁止状態として待機しつつ、交互通行区間に接近する車両又は停止線近傍の停止車両を検知したことを条件に信号機25を進入許可状態に切り替える制御モードである。信号機25を進入許可状態としても車両の進入が発生しなかったならば、他の信号機25での待機時間を不要に伸ばす事態となる。そこで、比較的交通量が少ない場合には、検知制御モードを用いて接近車両又は停止車両が存在する場合にのみ進入許可状態に切り替えることで、全体としての待ち時間を減少させ、車両の通行を効率化することができる。
【0059】
手動制御モードは、誘導員の操作に基づいて信号機25の状態を切り替えて交通誘導を行う制御モードである。この手動制御モードは、交互通行区間の状況や信号機制御システムの状態に異常が発生した場合などに用いられる。
【0060】
モード制御部46bは、操作部43からモード切替操作を受け付けたならば、受け付けた制御モードへの切替を行うとともに、誘導員端末装置30に対して切り替えた制御モードを通知する。
【0061】
また、モード制御部46bは、時間制御モードでの運用時において、進入許可状態となっている車線からの車両の進入が、所定の回数(例えば、3回)連続して一方の車線からのみとなった場合に、検知制御モードへ切替を行うとともに、誘導員端末装置30に対して検知制御モードを通知する。
【0062】
信号制御部46cは、信号機制御システムに含まれる全ての信号機25を制御する処理部である。例えば、信号機制御システムに通過管理装置20として、通過管理装置20A及び通過管理装置20Bが含まれる場合には、それぞれの通過管理装置20が有する信号機25A及び信号機25Bが制御対象となる。
【0063】
また、信号制御部46cは、進入許可状態である信号機25を進入禁止状態に切り替える場合に、所定の条件を満たすまで進入許可状態を維持する次の処理を行う。ここでは、通過管理装置20Aの信号機25Aの切替を行う場合について説明する。
【0064】
信号制御部46cは、信号機25Aを進入許可状態に切り替えた後に設定データ45aの上限設定時間を経過した場合、又は、信号機25Aを進入許可状態に切り替え車両管理部46dから通過管理装置20Aの通過通知を受けた後に設定データ45aの進入許可状態設定時間を経過した場合(以下、合わせて「設定時間経過状態」と言う)において、車両管理部46dから通過管理装置20Aの接近通知を受け取っていないならば、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。
【0065】
また、信号制御部46cは、接近車両データ45bの時系列データから接近する車両の移動方向を算出する。かかる車両の移動方向とは、該車両が接近する方向を意味する。例えば、2車線道路のうちの左車線を接近しているのか、左車線から右車線に徐々に方向を変えつつ接近しているのかを算出する。かかる接近方向には、原点を接近車両検知センサ29の位置とし、接近車両検知センサ29から見た正面奥行き方向を縦軸(Y軸)とし、縦軸に直角な左右方向を横軸(X軸)とした平面座標系において、車両を示す点群データがXY平面上のどの方向に移行しているのかの検知結果に基づいて算出される。
【0066】
その後、接近する車両の移動方向に基づいて、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。具体的には、設定時間経過状態において、車両管理部46dから通過管理装置20Aの接近通知を受け取った後、はみ出し判定部46eからはみ出し通知を受け取ったならば、車両管理部46dからの通過管理装置20Aの通過通知の受取を条件として、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。
【0067】
また、信号制御部46cは、接近する車両の加減速に基づいて信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。具体的には、設定時間経過状態において、車両管理部46dから速度v及び加速度aを含む定点接近状況通知を受け取り、加速度aが正の値であったならば、車両管理部46dからの通過管理装置20Aの通過通知の受取を条件として、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。ここで定点接近状況通知とは、通過管理装置20Aが検知した速度vおよび加速度aを含む通過車両のデータである。
【0068】
また、信号制御部46cは、設定時間経過状態において、車両管理部46dから速度v及び加速度aを含む通過管理装置20Aの定点接近状況通知を受け取り、加速度aが0以下であったならば、速度vに対する制動距離wを制動距離データ45cから抽出する。制動距離wが設定データ45aの設定距離以上であったならば、車両管理部46dからの通過管理装置20Aの通過通知の受取を条件として、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。
【0069】
制動距離wが設定データ45aの設定距離未満であったならば、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。
【0070】
なお、車両管理部46dからの通過管理装置20Aの通過通知の受取を条件とした、信号機25Aの進入禁止状態への上記の切替処理については、次の処理により行うこともできる。信号制御部46cが車両管理部46dから受け取った通過管理装置20Aの接近通知に含まれる速度v及び距離x又は設定距離を用いて、車両が交互通行区間に進入するまでの時間tを算出し、この時間tが経過した後、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える。
【0071】
また、信号制御部46cは、進入禁止状態である信号機25を進入許可状態に切り替える場合に、次の処理を行う。ここでは、通過管理装置20Aの信号機25Aの切替を行う場合について説明する。
【0072】
信号制御部46cは、信号機25Aを進入禁止状態に切り替えた後、信号機25Bを進入許可状態に切り替え、その後、進入許可状態である信号機25を進入禁止状態に切り替える場合の上記の制御に基づいて、信号機25Bを進入禁止状態に切り替える。
【0073】
その後、信号制御部46cは、車両管理部46dからの通過管理装置20Aの停車通知を受け取った場合、又は、通過管理装置20Aの停車通知及び接近通知の双方とも受け取っていない場合には、設定データ45aの切替設定時間経過後に信号機25Aを進入許可状態に切り替える。
【0074】
また、信号制御部46cは、車両管理部46dからの通過管理装置20Aの接近通知及び車両区分通知を受け取った場合において、車両区分通知に大型車が含まれる場合、又は、車両区分通知に大型車が含まれず(以下、「非大型車両接近状態」と言う)に制御モードが時間制御モードである場合には、通過管理装置20Aの接近通知に含まれる車両の速度v及び距離xを用いて、この車両が交互通行区間に進入するまでの時間tを算出する。速度vが設定データ45aの設定速度より速い場合には、t-2秒経過後に信号機25Aを進入許可状態に切り替える。速度vが設定データ45aの設定速度以下の場合には、t-4秒経過後に信号機25Aを進入許可状態に切り替える。
【0075】
また、信号制御部46cは、非大型車両接近状態において制御モードが検知制御モードであり(以下、「検知制御時非大型車両接近状態」と言う)、車両管理部46dからの通過管理装置20Bの接近通知を受け取らなかった場合、又は、車両管理部46dからの通過管理装置20Bの車両区分通知を受け取って、この車両区分通知に大型車が含まれていなかった場合には、通過管理装置20Aの接近通知に含まれる車両の速度v及び距離xを用いて、この車両が交互通行区間に進入するまでの時間tを算出する。速度vが設定データ45aの設定速度より速い場合には、t-2秒経過後に信号機25Aを進入許可状態に切り替える。速度vが設定データ45aの設定速度以下の場合には、t-4秒経過後に信号機25Aを進入許可状態に切り替える。
【0076】
また、信号制御部46cは、検知制御時非大型車両接近状態において、車両管理部46dからの通過管理装置20Bの車両区分通知を受け取って、この車両区分通知に大型車が含まれていた場合には、信号機25Bを進入許可状態に切り替える。
【0077】
車両管理部46dは、通過管理装置20から受信した接近検知結果及び通過検知結果を用いて、車両区分や加速度等の車両の状況を導出するとともに、接近車両データ45bを管理する処理部である。車両管理部46dは、通過管理装置20から接近検知結果を受信したならば、この接近検知結果に含まれる速度v及び距離xを接近通知として信号制御部46cに受け渡す。
【0078】
また、車両管理部46dは、通過管理装置20から受信した接近検知結果に含まれる速度vが0であったならば、停車通知を信号制御部46cに受け渡す。
【0079】
また、車両管理部46dは、通過管理装置20から受信した接近検知結果に含まれる距離xが設定データ45aの設定距離に等しかったならば、受信した接近検知結果に含まれる速度vと直近過去に受信した接近検知結果に含まれる速度v´とを用いて加速度aを算出し、速度vと加速度aを定点接近状況通知として信号制御部46cに受け渡す。
【0080】
また、車両管理部46dは、通過管理装置20から受信した接近検知結果に含まれる方向及び距離を用いて接近車両データ45bを生成する。接近車両データ45bは、接近車両検知センサ29が検知した、交互通行区間に接近する車両の外形の一部までの距離と方向を、接近車両検知センサ29の検知範囲を含む平面を表す平面座標上(本実施例では、原点は接近車両検知センサ29の位置を表し、当該センサから見た正面奥行き方向を縦軸、縦軸に直角な左右方向を横軸とする)にプロットしたデータである。車両管理部46dは、生成した接近車両データ45bから推測される車両のサイズにより、車両が大型車か否かを判定し、判定結果を車両区分通知として信号制御部46cに受け渡す。
【0081】
また、車両管理部46dは、通過管理装置20から通過検知結果を受信したならば、通過通知を信号制御部46cに受け渡す。
【0082】
はみ出し判定部46eは、交互通行区間に接近する車両が、走行車線から反対車線にはみ出したか否かを判定する処理部である。はみ出し判定部46eは、接近車両データ45bが生成されたならば、この生成に続けて生成される接近車両データ45bを時系列に比較する。はみ出し判定部46eは、この時系列の比較において、接近車両データ45bが接近車両検知センサ29の検知範囲の境界付近に移動した後、消失したならば、交互通行区間に接近する車両が走行車線から反対車線にはみ出したと判定し、はみ出し通知を信号制御部46cに受け渡す。
【0083】
次に、
図7に示した管理装置40の記憶部45が記憶するデータの一例について説明する。
図8は、
図7に示した設定データ45a及び制動距離データ45cの一例を示す図である。
【0084】
図8(a)に示す設定データ45aは、上限設定時間が「60秒」、進入許可状態設定時間が「15秒」、切替設定時間が「10秒」、設定距離が「50m」、設定速度が「40km/h」である状態を示している。
【0085】
図8(b)に示す制動距離データ45cは、速度「20km/h」に対して制動距離「9m」を対応付け、速度「30km/h」に対して制動距離「15m」を対応付け、速度「40km/h」に対して制動距離「22m」を対応付け、速度「50km/h」に対して制動距離「32m」を対応付け、速度「60km/h」に対して制動距離「44m」を対応付け、速度「70km/h」に対して制動距離「58m」を対応付け、速度「80km/h」に対して制動距離「76m」を対応付けている。
【0086】
<接近する車両に関するはみ出し判定の要領>
次に、接近する車両に関するはみ出し判定の要領について説明する。
図9は、接近する車両に関するはみ出し判定の要領を示す図である。
図9に示すように、接近する車両に関するはみ出し判定は、接近車両データ45bを時系列に比較することにより行う。なお、
図9に示した接近車両データ45bでは、説明の便宜上、接近する車両の外形のイメージを破線で図示することとしたが、実際の接近車両データ45bには車両の外形のイメージは表示されない。
【0087】
具体的には、
図9(a)に示すように、座標にプロットされた複数の点の塊(以下、「点群データ」という。)が、時刻Tにおける車両の外形の一部の位置を表しており、横方向「-1mから1m」の付近に車両が存在すると認識することができる。
【0088】
Δtを所定の時間差とした場合に、時刻T+Δtでは、
図9(b)に示すように、横方向「-2mから1m」の付近に車両が存在すると認識できる。この点群データが
図9(a)の点群データよりも横方向に長くなっているのは、走行車線を走行する車両が反対車線に移動するために、通過管理装置20から見て車両が斜めに見えるからである。つまり、
図9(a)では接近車両検知センサ29から送信したミリ波が車両の前面部分に反射することで、点群データが車幅に近い長さで座標上の横方向にプロットされるが、
図9(b)では通過管理装置20が車両を斜め方向で検知するため、車両を正面で検知したときより横方向に長くなって座標上にプロットされることになる。
【0089】
時刻T+2Δtでは、
図9(c)に示すように、横方向「-2mから-1m」の付近に車両が存在すると認識できるが、点群データの分布範囲が極めて小さくなっている。これは、車両の大半が接近車両検知センサ29の検知範囲外にはみ出してしまったためである。その後、接近車両データ45bから点群データが消失したならば、交互通行区間に接近する車両が走行車線から反対車線にはみ出したと判定する。
【0090】
<進入許可状態の維持に関する制御要領>
次に、進入許可状態の維持に関する制御要領について説明する。
図10は、進入許可状態の維持に関する制御要領を示す図である。
図10に示すように、交互通行区間に接近する車両C1について、設定距離(例えば、50m)における速度がv、加速度がaである場合に、加速度aが正の値であったならば、車両C1が通過車両検知センサ22Aを通過するまでの間、進入許可状態である信号機25Aの青信号をそのまま維持する。これは、加速している車両C1については、無理に停止させるよりもそのまま交互通行区間に進入させた方が、より安全であるとの認識のためである。
【0091】
加速度aが0以下である場合、速度vに対する制動距離wを制動距離データ45cから抽出し、制動距離wが設定距離以上であったならば急ブレーキになると判定して、車両C1が通過車両検知センサ22Aを通過するまでの間、進入許可状態である信号機25Aの青信号をそのまま維持する。これは、車両C1が急ブレーキになることは危険であるため、そのまま交互通行区間に進入させた方がより安全であるとの認識のためである。
【0092】
加速度aが0以下である場合、速度vに対する制動距離wが設定距離未満であったならば急ブレーキにならないと判定して、信号機25Aを進入禁止状態である赤信号に切り替える。これは、車両C1が急ブレーキにならずに安全に停車できるならば、反対車線の車両通過を考慮して全体としての待ち時間を減少させ、車両の通行を効率化することができる。
【0093】
<進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する制御要領>
次に、進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する制御要領について説明する。
図11及び
図12は、進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する制御要領を示す図である。
【0094】
図11に示すように、交互通行区間に接近する車両C1について、交互通行区間までの距離がx、速度がvである場合に、速度vに応じて、信号機25Aの切替を制御する。具体的には、距離x及び速度vから、車両C1が交互通行区間に到達するまでの時間tを算出する。車両C1の速度vが設定速度以下である場合には、t-4秒後に信号機25Aを進入許可状態に切り替える。これは、車両C1が安全な速度で走行しているため、そのままスムーズに交互通行区間に進入させるためである。
【0095】
一方、車両C1の速度vが設定速度(例えば、40km/h)より速い場合には、t-2秒後に信号機25Aを進入許可状態に切り替える。これは、信号機25Aを切り替えるタイミングを遅くして、車両C1の速度を落とさせた上で交互通行区間に進入させるためである。
【0096】
また、
図12に示すように、車線Aでは車両C1が接近しており、車線Bでは車両C3が接近している場合において、車両C1が普通車、車両C3が大型車であったならば、大型車である車両C3を優先して、信号機25Bを進入許可状態に切り替える。
【0097】
大型車は、一旦停車すると、移動を再開するためには普通車よりも多くの時間を必要とする。交互通行区間を通過する車両全体を考慮すると、大型車を優先して通過させることが全体としての待ち時間を減少させ、車両の通行を効率化することができる。なお、この制御要領は、検知制御モードにおいて適用可能である。
【0098】
特に、交互通行区間が勾配のある道路に設けられていた場合、上り坂で大型車が停車の状態から移動を再開するためには、より多くの時間を必要とするほか、後続車両に危険が及ぶおそれがある。このような状況において交互通行区間の両側に大型車が接近している場合では、上り坂となる側(交互通行区間の谷側)の大型車を優先して通過させることが望ましい。
【0099】
どちらの信号機を優先させるかは、誘導員端末装置30から手入力することにより予め設定することができる。または、ミリ波を利用したセンサにより3次元の座標データを取得できる場合、センサの検知範囲の方向が道路勾配よりも水平方向に近い角度になるよう設置し、取得した接近車両データ45bを蓄積することで、どちら側の進入方向が上り坂であるか判定し、優先する側を設定することもできる。例えば、接近車両検知センサ29の位置(原点)から見た正面奥行き方向を縦軸(X軸)、縦軸に直角な左右方向(道路幅方向)を横軸(Y軸)、道路の高さを示す垂直方向をZ軸とした3次元座標系とした場合に、進入方向が下り坂である場合(交互通行区間の山側)は坂道の上方から車両C1が接近するため、車両C1の下部の点群データから現れ始めて徐々に上下方向(Z軸方向)に大きくなるのに対し、進入方向が上り坂である場合(交互通行区間の谷側)は坂道の下方から車両C1の上部の点群データから現れ始めて徐々に上下方向(Z軸方向)に大きくなる。このことから、蓄積した接近車両データ45bを利用して、進入方向が上り坂である側(交互通行区間の谷側)を判定することができる。
【0100】
<制御モードの切替に関する制御要領>
次に、制御モードの切替に関する制御要領について説明する。
図13は、制御モードの切替に関する制御要領を示す図である。
図13に示すように、時間制御モードにおいて、車線Aからは車両が接近する一方、車線Bからの車両接近はない状態で、所定の時間が経過して信号機25が切り替わる。
【0101】
その後、所定の時間経過により信号機25の切替制御を継続する状況で、接近車両が片側車線のみで連続する場合(例えば、3回連続)は、信号機の制御モードを検知制御モードに切り替える。
【0102】
これは、車線によって通行する車両数が偏っている場合は、検知制御モードで運用する方が全体としての待ち時間を減少させ、車両の通行を効率化することができるからである。
【0103】
<管理装置における進入許可状態の維持に関する処理手順>
次に、管理装置における進入許可状態の維持に関する処理手順について説明する。
図14は、管理装置における進入許可状態の維持に関する処理手順を示すフローチャートである。ここでは、信号機25Aにおける進入許可状態の維持に関する処理手順について説明する。
【0104】
図14に示すように、管理装置40は、信号機25Aを進入許可状態に切り替えたならば(ステップS101)、設定データ45aの上限設定時間を用いた上限タイマをオンにし(ステップS102)、設定データ45aの進入許可状態設定時間を用いた進入許可状態タイマをオンにする(ステップS103)。
【0105】
通過管理装置20Aから通過検知結果を受信せず(ステップS104;No)、進入許可状態タイマの残時間が残っているならば(ステップS105;No)、ステップS104に移行し、進入許可状態タイマの残時間が0となったならば(ステップS105;Yes)、ステップS107に移行する。
【0106】
通過管理装置20Aから通過検知結果を受信し(ステップS104;Yes)、上限タイマの残時間が残っているならば(ステップS106;No)、ステップS103に移行し、上限タイマの残時間が0となったならば(ステップS106;Yes)、ステップS107に移行する。
【0107】
通過管理装置20Aから接近検知結果を受信していないならば(ステップS107;No)、信号機25Aを進入禁止状態に切り替え(ステップS114)、そのまま処理を終了する。すなわち、この場合は、信号機25Aの進入許可状態の維持は行わない。
【0108】
通過管理装置20Aから接近検知結果を受信し(ステップS107;Yes)、この接近車両が車線からはみ出したと判定したならば(ステップS108;Yes)、通過管理装置20Aから通過検知結果を受信した後(ステップS113;Yes)、信号機25Aを進入禁止状態に切り替え(ステップS114)、そのまま処理を終了する。すなわち、この場合は、通過管理装置20Aで通過車両を検知するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持する。
【0109】
接近車両が、車線からはみ出したと判定せず(ステップS108;No)、設定データ45aの設定距離まで接近した場合は、通過管理装置20Aから受信した接近検知結果に含まれる速度vと直近過去に受信した接近検知結果に含まれる速度v´とを用いて加速度aを算出し(ステップS109)、加速度aが正の値であったならば(ステップS110;Yes)、通過管理装置20Aから通過検知結果を受信した後(ステップS113;Yes)、信号機25Aを進入禁止状態に切り替え(ステップS114)、そのまま処理を終了する。すなわち、この場合は、通過管理装置20Aで通過車両を検知するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持する。
【0110】
加速度aが0以下であったならば(ステップS110;No)、速度vに対する制動距離wを制動距離データ45cから抽出する(ステップS111)。制動距離wが設定距離以上であったならば(ステップS112;No)、通過管理装置20Aから通過検知結果を受信した後(ステップS113;Yes)、信号機25Aを進入禁止状態に切り替え(ステップS114)、そのまま処理を終了する。すなわち、この場合は、通過管理装置20Aで通過車両を検知するまでの間、信号機25Aの進入許可状態を維持する。
【0111】
制動距離wが設定距離未満であるならば(ステップS112;Yes)、信号機25Aを進入禁止状態に切り替え(ステップS114)、処理を終了する。すなわち、この場合は、信号機25Aの進入許可状態の維持は行わない。
【0112】
<管理装置における進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する処理手順>
次に、管理装置における進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する処理手順について説明する。
図15は、管理装置における進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する処理手順を示すフローチャートである。ここでは、信号機25Aにおける進入禁止状態から進入許可状態への切替に関する処理手順について説明する。
【0113】
図15に示すように、管理装置40は、信号機25Aを進入禁止状態に切り替えた後(ステップS201)、所定の制御によって信号機25Bを進入禁止状態に切り替える(ステップS202;Yes)。
【0114】
通過管理装置20Aから受信した接近検知結果が速度0を含むならば(ステップS203;Yes)、設定データ45aの切替設定時間をTとして(ステップS211)、ステップS216に移行する。
【0115】
通過管理装置20Aから接近検知結果を受信していないならば(ステップS203;No、ステップS204;No)、設定データ45aの切替設定時間をTとして(ステップS211)、ステップS216に移行する。
【0116】
通過管理装置20Aから接近検知結果を受信し(ステップS204;Yes)、この接近する車両を大型車と判定したならば(ステップS205;Yes)、ステップS206に移行する。
【0117】
通過管理装置20Aから受信した接近検知結果から、接近する車両の速度v及び距離xを抽出し(ステップS206)、この速度v及び距離xを用いて、車両が交互通行区間に進入するまでの時間tを算出する(ステップS207)。
【0118】
速度vが設定データ45aの設定速度より速かったならば(ステップS208;Yes)、t-2をTとし(ステップS209)、速度vが設定速度以下であったならば(ステップS208;No)、t-4をTとする(ステップS210)。
【0119】
時間Tでタイマをオンとし(ステップS216)、タイマの残時間が0となったならば(ステップS217;Yes)、信号機25Aを進入許可状態に切り替え(ステップS218)、そのまま処理を終了する。
【0120】
通過管理装置20Aから受信した接近検知結果から、接近する車両を大型車ではないと判定し(ステップS205;No)、信号機25の制御モードが検知制御モードでないならば(ステップS212;No)、ステップS206に移行する。
【0121】
信号機の制御モードが検知制御モードであり(ステップS212;Yes)、通過管理装置20Bから接近検知結果を受信していないならば(ステップS213;No)、ステップS206に移行する。
【0122】
通過管理装置20Bから受信した接近検知結果から(ステップS213;Yes)、接近する車両を大型車ではないと判定したならば(ステップS214;No)、ステップS206に移行する。
【0123】
通過管理装置20Bから受信した接近検知結果から(ステップS213;Yes)、接近する車両を大型車と判定したならば(ステップS214;Yes)、信号機25Bを進入許可状態に切り替え(ステップS215)、処理を終了する。
【0124】
<管理装置における制御モードの切替に関する処理手順>
次に、管理装置における制御モードの切替に関する処理手順について説明する。
図16は、管理装置における制御モードの切替に関する処理手順を示すフローチャートである。ここでは、時間制御モードから検知制御モードに切り替える処理手順について説明する。
【0125】
図16に示すように、時間制御モードで運用を開始する(ステップS301)。m及びnにそれぞれ0を設定し(ステップS302)、信号機25Aを進入許可状態に、信号機25Bを進入禁止状態に設定する(ステップS303)。
【0126】
通過管理装置20Aから、速度0を含む接近検知結果又は通過検知結果を受信したならば(ステップS304;Yes)、mに1を加算し、nに0を設定する(ステップS305)。mの値が3ならば(ステップS306;Yes)、検知制御モードに切り替えて(ステップS314)、そのまま処理を終了する。
【0127】
通過管理装置20Aから、速度0を含む接近検知結果及び通過検知結果の双方を受信していない(ステップS304;No)、又は、mの値が3ではないならば(ステップS306;No)、設定データ45aの上限設定時間の経過により、信号機25Aを進入禁止状態に切り替える(ステップS307)。設定データ45aの切替設定時間の経過により、信号機25Bを進入許可状態に切り替える(ステップS308)。
【0128】
通過管理装置20Bから、速度0を含む接近検知結果又は通過検知結果を受信したならば(ステップS309;Yes)、nに1を加算し、mに0を設定する(ステップS310)。nの値が3ならば(ステップS311;Yes)、検知制御モードに切り替えて(ステップS314)、そのまま処理を終了する。
【0129】
通過管理装置20Bから、速度0を含む接近検知結果及び通過検知結果の双方を受信していない(ステップS309;No)、又は、nの値が3ではないならば(ステップS311;No)、設定データ45aの上限設定時間の経過により、信号機25Bを進入禁止状態に切り替える(ステップS312)。設定データ45aの切替設定時間の経過により、信号機25Aを進入許可状態に切り替え(ステップS313)、ステップS304に移行する。
【0130】
上述してきたように、本実施形態に係る信号機制御システムは、交互通行区間に接近する車両を検知して、この車両の状況に応じて、信号機の進入許可状態の維持、進入禁止状態から進入許可状態への切替及び制御モードの切替制御を行うよう構成したので、交互通行区間への接近車両を円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させることができる。
【0131】
なお、上記の実施形態では、接近車両検知センサとしてミリ波センサを使用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステレオカメラを使用するよう構成することもできる。ステレオカメラにより撮像された画像をパターンマッチング等の画像処理、機械学習、深層学習の手法によって、接近車両の検知及びはみ出し判定を行うことができる。
【0132】
また、上記の実施形態では、接近車両検知センサとして単一のミリ波センサを使用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ミリ波センサを複数個使用するよう構成することもできる。
【0133】
また、上記の実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明に係る信号機制御システム及び信号機制御方法は、交互通行区間への接近車両を円滑かつ効率良く該交互通行区間を通過させる場合に適している。
【符号の説明】
【0135】
20、20A、20B 通過管理装置
21 無線通信部
22、22A、22B 通過車両検知センサ
23 表示部
24 スピーカ
25、25A、25B 信号機
26 制御部
26a 接近検知部
26b 通過検知部
26c 車両誘導部
27 バッテリ
28 キャスター
29、29A、29B 接近車両検知センサ
30 誘導員端末装置
31 無線通信部
32 表示部
33 操作部
34 スピーカ
35 制御部
35a 信号報知部
35b モード報知部
40 管理装置
41 無線通信部
42 表示部
43 操作部
44 スピーカ
45 記憶部
45a 設定データ
45b 接近車両データ
45c 制動距離データ
46 制御部
46a 設定管理部
46b モード制御部
46c 信号制御部
46d 車両管理部
46e はみ出し判定部
C1、C2、C3 車両