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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169674
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】ボトムス
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/06 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
A41D1/06 D
A41D1/06 502C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080940
(22)【出願日】2022-05-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】593069897
【氏名又は名称】モリリン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】松下 慶次郎
(57)【要約】
【課題】ウエストがきつくなり苦しくなることを抑制するとともに、ヒップ形状を好ましい形状とすることができるボトムスを提供する。
【解決手段】
外側部材2と、外側部材2の内側に設けた内側部材3を有し、内側部材3を、伸縮可能な部材で構成するとともに、内側股上部6と、内側股上部6の下方に設けた左右一対の内側股下部7,7を有し、前記内側部材3の上側部における周方向の少なくとも一部を、外側部材2の上側部に対して取り付け、内側股上部6の背面に、2つの開口部8,8を左右方向に離間して設け、開口部8の周縁の上側部を、ウエスト部9側に引き上げる伸縮部材10を設けた。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側部材と、該外側部材の内側に設けた内側部材を有し、
該内側部材を、伸縮可能な部材で構成するとともに、内側股上部と、該内側股上部の下方に設けた左右一対の内側股下部を有し、
前記内側部材の上側部における周方向の少なくとも一部を、前記外側部材の上側部に対して取り付け、
前記内側股上部の背面に、2つの開口部を左右方向に離間して設け、
前記開口部の周縁の上側部を、外側股上部のウエスト部側に引き上げる伸縮部材を設けたことを特徴とするボトムス。
【請求項2】
前記内側部材の上端部における周方向の少なくとも一部を、外側部材のウエスト部に対して固定することを特徴とする請求項1記載のボトムス。
【請求項3】
前記開口部を、ヒップラインをまたぐように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のボトムス。
【請求項4】
前記伸縮部材の上側端が、下側端よりも左右方向の中央側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載のボトムス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下半身に身に着ける衣服であるボトムスに関する。
【背景技術】
【0002】
需要者がパンツ等のボトムスを穿いた際に気になる点として、トップの位置が垂れ下がったヒップ形状や、ヒップの付け根が下がることによる脚の長さが短く見えることがある。
【0003】
そこで、従来、ヒップの形状を矯正する矯正ガードルを穿いた後にボトムスを穿くことで、ヒップ形状を好ましい形状に矯正することが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術では、矯正ガードルを穿いた後に、ボトムスを穿く必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0005】
また、上記矯正ガードルを用いてヒップを持ち上げるためには、矯正ガードルをウエストに固定する必要があり、ウエストがきつくなり苦しくなるという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点を解決したボトムスを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、外側部材と、該外側部材の内側に設けた内側部材を有し、
該内側部材を、伸縮可能な部材で構成するとともに、内側股上部と、該内側股上部の下方に設けた左右一対の内側股下部を有し、
前記内側部材の上側部における周方向の少なくとも一部を、前記外側部材の上側部に対して取り付け、
前記内側股上部の背面に、2つの開口部を左右方向に離間して設け、
前記開口部の周縁の上側部を、外側股上部のウエスト部側に引き上げる伸縮部材を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記内側部材の上端部における周方向の少なくとも一部を、外側部材のウエスト部に対して固定するようにしてもよい。
【0009】
また、前記開口部を、ヒップラインをまたぐように形成してもよい。
【0010】
また、前記伸縮部材の上側端が、下側端よりも左右方向の中央側に位置してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のボトムスを着用する際に、その内側に設けた内側部材も同時に着用でき、従来技術と比較して、気軽に直用でき、手間がかからずに好ましいヒップ形状とすることができる。
【0012】
また、内側部材の上側部を、前記外側部材の上側部に対して取り付けたことで、内側部材を使用者のウエストに固定する必要がなく、ウエストがきつくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例に係るパンツの正面図。
図2図1の背面図。
図3】本発明の実施例1に用いる内側部材の正面図。
図4図3の背面図。
図5図1の使用状態を示す部分断面斜視図。
図6図3の内側部材の使用状態を示す斜視図。
図7】本発明の実施例における内側部材の開口部の他例を示す背面図。
図8】本発明の実施例における内側部材の付勢部材の他例を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0015】
本発明のボトムスは、下半身に身に着けるパンツ、スカート等の衣服であり、以下の実施例においては、本発明のボトムスをパンツに適用した実施例を示す。図1は、本発明における実施例に係るパンツ1を示す正面図、図2はパンツ1の背面図である。
【0016】
パンツ1は、図1図2図5に示すように、外側部材2と、外側部材2の内側に設けた内側部材3を有する。
【0017】
外側部材2は、外側股上部4と、外側股上部4の下方に設けた左右一対の外側股下部5,5を有している。外側股上部4の股下丈は任意に設定することができる。なお、外側部材2は、図1図2図5に記載の形状に限定されずボトムスの任意の外側形状に形成することができる。
【0018】
内側部材3の上端部3aは、外側部材2のウエスト部9に対して固定され、内側部材3は、上端部以外は、外側部材2に対して固定されていない。なお、本実施例では、内側部材3の上端部3aを、その周方向全体に亘って、外側部材2のウエストに対して固定したが、内側部材3の上側部における周方向の少なくとも一部を、外側部材2の外側股上部4の上側部に対し、例えば、外側股上部4における両側部や、前側部又は背部における左右方向の中央部等に対し固定するようにしてもよく、その取付個所は任意に設定することができる。更に、好ましくは、内側部材3の上端部3aにおける周方向の一部、例えば両側部や、前側部又は背部における左右方向の中央部等を、外側部材2のウエスト部9に対して固定するとよく、その取付個所は任意に設定することができる。
【0019】
内側部材3は、右側部材3bと、左側部材3cを中央部で縫接して形成されている。また、内側部材3は、内側股上部6と、内側股上部6の下方に設けた左右一対の内側股下部7,7を有している。内側股下部7の股下丈は、外側股上部4の股下丈より短く形成されていれば、任意の長さに設定することができる。
【0020】
内側部材3の内側股上部6と内側股下部7は、複数の方向に伸縮する伸縮生地として縦方向および横方向の2方向に伸縮する2WAY生地または全方向に伸縮できる素材で構成され、例えば、ポリエステルとポリウレタンや、ポリエステルとポリウレタンからなるトリコット編地,綿、麻、シルク、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、プロミックス、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンからなるカットソーやニット生地をもちいることができ、好ましくはトリコット編地を用いることができる。
【0021】
内側股上部6の背面には、表裏を貫通する2つの開口部8,8が、左右方向に離間して設けられている。開口部8は、図4に示すような滴形状や、図7に示すような楕円形状など任意の形状に形成することができる。
【0022】
開口部8の中心は、臀部の一番突き出ている位置を床と平行に引いた線であるヒップライン上に略位置し、開口部8は、ヒップラインをまたぐように形成されている。
【0023】
開口部8の左右方向の長さが、50mm~100mm、上下方向の長さがは80mm~140mmとなるように開口部8を形成することが好ましく、本実施例では、開口部8の左右方向の長さを62mm、上下方向の長さを100mmとした。また、左右の開口部8,8間の距離を、30mm~40mmとすることが好ましい。
【0024】
内側股上部6における開口部8の周縁部は、図4に示すように縫製により補強することで、周縁部のほつれを抑制するとともに、開口部8の変形を抑制するようにしてもよい。また、図7に示すように開口部8の周縁部を加熱処理し、開口部8の周縁部のほつれを抑制するようにしてもよい。また、開口部8の周縁部に、内側部材3に追従しながら内側部材3を構成する素材よりも強い伸縮力を有する顔料又は染料をプリント加工し、開口部8の周縁部のほつれを抑制するようにしてもよい。
【0025】
内側股上部6の背面における、開口部8と上端部3a間には、開口部8の周縁の上側部を、外側部材2のウエスト部9側に引き上げる第1伸縮部材10が設けられている。第1伸縮部材10の上端部は、外側部材2のウエスト部9に対して固定されている。第1伸縮部材10として、例えば、内側股上部6の伸縮力より強い伸縮力を有するストレッチテープを用いることができる。
【0026】
第1伸縮部材10を、開口部8の左右方向の外側に位置するように設けることが好ましい。第1伸縮部材10は、図4に示すように、直線状に設けてもよいし、湾曲するように設けてもよい。第1伸縮部材10を、開口部8側から上端部3a側に向かう程、左右方向の中央側に位置するように設けることが好ましい。
【0027】
また、第1伸縮部材10の軸方向は、内側股上部6を構成する素材の伸縮方向と同じ、若しくは、若干傾くように設けることが好ましい。
【0028】
各開口部8における第1伸縮部材10の数は、1本でも複数本でも任意に設定することができ、第1伸縮部材10は、開口部8の周縁から上端部3a全体に亘って設けることが好ましい。第1伸縮部材10を、各開口部8に対し、2本設ける場合、図8に示すように、開口部8の左右方向の両端部に設けることが好ましい。
【0029】
内側股上部6における左右方向の中央部には、下端部から上端部に亘って第2伸縮部材12であるストレッチテープが設けられて、上側方向に引き上げられている。
【0030】
使用者は、下着を着用した状態、若しくは、下着を着用しない状態で、本発明のパンツ1を穿くことで、内側部材3の開口部8より、臀部が外側に解放され、圧迫されず自然な形状とすることができる。開口部8内に位置する臀部が、周辺部に移動することを防ぎ、丸い美しいヒップ形状を保持することができる。
【0031】
また、開口部8周辺の肉を開口部8に集めることにより、パンツ1の外側から見たヒップの形状を、桃のように美しく、好ましい形状にすることができる。
【0032】
また、開口部8の下方の内側股上部6の素材の収縮により、ヒップを上側に持ち上げることができる。
【0033】
また、第1伸縮部材10により、開口部8の周縁の上側部を、外側部材2のウエスト部9側に引き上げるとともに、第2伸縮部材12により、開口部8,8間を上側に引き上げることにより、開口部8内の臀部が上側に持ち上げられた状態で保持できる。また、臀部と脚との境目を上げ、太腿をストレートに見せるとともに、脚が長くなったように見せることができる。
【0034】
また、第1伸縮部材10により、開口部8内の臀部を引き上げ、パンツ1の着用時間経過とともに、垂れ下がることを抑制し、好ましいヒップ形状を保持できる。
【0035】
また、第1伸縮部材10を、開口部8側から上端部3a側に向かう程、左右方向の中央側に位置するように設けることで、パンツ1の外側から見たヒップの形状を、引き締まった美しく好ましい形状にすることができる。
【0036】
また、内側部材3の上側部における周方向の少なくとも一部を、外側部材2の外側股上部4の上側部に対し取り付けて固定、好ましくは、内側部材3の上端部3aにおける周方向の少なくとも一部を、外側部材2のウエスト部9に対して取り付けて固定したことにより、内側部材3自体を使用者のウエストに対し固定する必要がなく、従来技術と比較して、ウエストがきつくなり苦しくなることを抑制できる。
【0037】
本発明のパンツ1を着用することのみで、ヒップの形状を美しく好ましい形状とすることができ、従来技術の矯正ガードルを穿いた後にボトムスを穿くものと比較して、手軽に着用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 パンツ(ボトムス)
2 外側部材
3 内側部材
4 外側股上部
5 外側股下部
6 内側股上部
7 内側股下部
8 開口部
9 ウエスト部
10 伸縮部材(第1伸縮部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側部材と、該外側部材の内側に設けた内側部材を有し、
該内側部材を、伸縮可能な部材で構成するとともに、内側股上部と、該内側股上部の下方に設けた左右一対の内側股下部を有し、
前記内側部材の上側部における周方向の少なくとも一部を、前記外側部材の上側部に対して取り付け、
前記内側股上部の背面に、2つの開口部を左右方向に離間して設け、
前記開口部の周縁の上側部と、外側股上部のウエスト部との間に亘って、前記開口部の周縁の上側部を、外側股上部のウエスト部側に引き上げる伸縮部材を設け、該伸縮部材を、前記開口部の周縁の下側に設けないことを特徴とするボトムス。
【請求項2】
前記伸縮部材を帯状に形成したことを特徴とする請求項1記載のボトムス。
【請求項3】
前記開口部を、ヒップラインをまたぐように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のボトムス。
【請求項4】
前記伸縮部材の上側端が、下側端よりも左右方向の中央側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載のボトムス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記の課題を解決するために外側部材と、該外側部材の内側に設けた内側部材を有し、
該内側部材を、伸縮可能な部材で構成するとともに、内側股上部と、該内側股上部の下方に設けた左右一対の内側股下部を有し、
前記内側部材の上側部における周方向の少なくとも一部を、前記外側部材の上側部に対して取り付け、
前記内側股上部の背面に、2つの開口部を左右方向に離間して設け、
前記開口部の周縁の上側部と、外側股上部のウエスト部との間に亘って、前記開口部の周縁の上側部を、外側股上部のウエスト部側に引き上げる伸縮部材を設け、該伸縮部材を、前記開口部の周縁の下側に設けないことを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、前記伸縮部材を帯状に形成してもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側部材と、該外側部材の内側に設けた内側部材を有し、
該内側部材を、伸縮可能な部材で構成するとともに、内側股上部と、該内側股上部の下方に設けた左右一対の内側股下部を有し、
前記内側部材の上側部における周方向の少なくとも一部を、前記外側部材の上側部に対して取り付け、
前記内側股上部の背面に、2つの開口部を左右方向に離間して設け、
前記開口部の周縁の上側部と、外側股上部のウエスト部との間に亘って、前記開口部の周縁の上側部を、外側股上部のウエスト部側に引き上げる伸縮部材を設け、該伸縮部材の上側端が、下側端よりも左右方向の中央側に位置し、前記伸縮部材を、前記開口部の周縁の下側に設けないことを特徴とするボトムス。
【請求項2】
前記伸縮部材を帯状に形成したことを特徴とする請求項1記載のボトムス。
【請求項3】
前記開口部を、ヒップラインをまたぐように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のボトムス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記の課題を解決するために外側部材と、外側部材と、該外側部材の内側に設けた内側部材を有し、
該内側部材を、伸縮可能な部材で構成するとともに、内側股上部と、該内側股上部の下方に設けた左右一対の内側股下部を有し、
前記内側部材の上側部における周方向の少なくとも一部を、前記外側部材の上側部に対して取り付け、
前記内側股上部の背面に、2つの開口部を左右方向に離間して設け、
前記開口部の周縁の上側部と、外側股上部のウエスト部との間に亘って、前記開口部の周縁の上側部を、外側股上部のウエスト部側に引き上げる伸縮部材を設け、該伸縮部材の上側端が、下側端よりも左右方向の中央側に位置し、前記伸縮部材を、前記開口部の周縁の下側に設けないことを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】